JPH07110006A - 油圧駆動装置 - Google Patents

油圧駆動装置

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Publication number
JPH07110006A
JPH07110006A JP25715693A JP25715693A JPH07110006A JP H07110006 A JPH07110006 A JP H07110006A JP 25715693 A JP25715693 A JP 25715693A JP 25715693 A JP25715693 A JP 25715693A JP H07110006 A JPH07110006 A JP H07110006A
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pressure
control
throttle
maximum load
variable
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JP25715693A
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Inventor
Hideyo Kato
英世 加藤
Masami Ochiai
正巳 落合
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧駆動装置の保護のため圧力制御弁24が
作動している場合において、そのリリーフ流量を必要最
小限に押さえるように制御するという従来技術の有する
利点を保持しながら、複合駆動時でも作業効率や操作感
覚等の良好なロードセンシング制御を行う油圧駆動回路
を提供する。 【構成】 各アクチュエータ11,12ごとに、可変絞
り部5,8と、制御信号管路31,32及び20,21
の圧力により開方向及び閉方向の制御力が付与されて前
記可変絞り部5,8の絞り前後差圧を制御する圧力補償
部6,9とからなる流量制御装置7,10をそれぞれ備
え、最高負荷圧を検出して傾転制御装置2,3によりロ
ードセンシング制御を行う油圧駆動装置において、最高
負荷圧検出路17に絞り23、その下流側に圧力制御弁
24を設け、その絞り23の下流側の圧力を各圧力補償
部6,9の制御信号管路31,32に送るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧機械のアクチュエ
ータを駆動するロードセンシング制御が行われる油圧駆
動装置に関するものであって、特に、油圧ショベルや油
圧クレーン等の建設機械にとって有用なものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ポンプの油圧で複数のアクチュエー
タの適宜のものを同時駆動する油圧駆動装置すなわちア
クチュエータを複合駆動する油圧駆動装置にあっては、
その複合駆動されるすべてのアクチュエータが円滑に駆
動されるようにするため、これらのアクチュエータ中最
高の負荷がかかっているものを駆動するに足るだけの油
圧をたえず供給してやるようにすることが必要である。
そのため、このような油圧駆動装置においては、ロード
センシング制御という制御が行われている。ロードセン
シング制御とは、端的にいうと、このような複合駆動さ
れるアクチュエータを有する油圧回路において、複合駆
動されているアクチュエータの負荷圧の中から最高負荷
圧を検出し、油圧ポンプの吐出圧がその最高負荷圧より
も所定値だけ高くなるように油圧ポンプの吐出容量を制
御するようにする制御方式のことをいう。このような制
御方式を採用することにより、各アクチュエータに十分
な油圧が供給されるだけではなく、油圧ポンプは、たえ
ず必要な限度で油圧を供給することとなり、動力消費を
低く押えることができることとなる。
【0003】ロードセンシング制御を行う油圧駆動装置
においては、複合駆動するために同一の油圧ポンプに並
列接続されている複数のアクチュエータにそのまま圧油
を導くと、その圧油は、負荷のより低いアクチュエータ
に導かれる傾向となり、その圧油の適切な配分が行われ
得ないこととなるので、その適切な配分を行えるように
するための流量制御装置が設けられている。
【0004】本発明は、このようなロードセンシング制
御を行う従来の油圧駆動装置を改良したものである。
【0005】以下、本発明で改良しようとする従来の油
圧駆動装置の技術内容を図3に基づいて詳述する。図3
は、ロードセンシング制御を行う従来例の油圧駆動装置
に関する油圧回路図である。
【0006】1は可変容量形油圧ポンプ、2はこの可変
容量形油圧ポンプ1の傾転制御部、3は同傾転駆動部
で、これら傾転制御部2と傾転駆動部3とから可変容量
形油圧ポンプの吐出容量を制御する傾転制御装置が構成
されている。4は可変容量形油圧ポンプ1の吐出口に接
続された管路である主管路である。5,8は油圧ショベ
ル等の油圧機械を操作するオペレータにより弁開度が与
えられその弁開度に比例した流量を流す機能を有する可
変絞り部、6,9はこれら可変絞り部5,8の絞り前後
差圧を一定の値に制御する機能を有する圧力補償部、6
A,9Aは、この圧力補償部6,9の油路を閉じるよう
にプリセットするばね、7,10はこれら可変絞り部5
と圧力補償部6、可変絞り部8と圧力補償部9からそれ
ぞれ構成される流量制御装置である。これら流量制御装
置7,10について、図3では可変絞り部5と圧力補償
部6、可変絞り部8と圧力補償部9を独立別個の構造の
もののように便宜上分けて図示しているが、実際は、こ
れらは異種機能部の集合体として一体不可分のバルブユ
ニットをなすものである。11,12はこの流量制御装
置7,10によりそれぞれ制御される例えば油圧ショベ
ルのブームシリンダ、アームシリンダのようなアクチュ
エータ、13,14はこれらアクチュエータ11,12
を主管路4に並列接続するための主管路3から分岐した
負荷管路、15,16はチェック弁、17は負荷管路1
3,14の各アクチュエータ11,12の負荷圧のうち
高い方の負荷圧すなわち最高負荷圧が導かれる最高負荷
圧検出路であり、その最高負荷圧検出路17の圧力信号
は、後述する絞り23、制御信号管路22を通じて傾転
制御部2に導かれる。この最高負荷圧検出路17は、接
続管路15A,16Aを介してそれぞれ負荷管路13,
14に接続されているが、それぞれチェック弁15,1
6を介して接続されているため、その圧力油が各負荷管
路13,14に流れるのはこれらの各チェック弁15,
16によりそれぞれ阻止され、また、その最高負荷圧検
出路17に、アクチュエータ11,12の負荷圧中高い
方の負荷圧が導かれると、その当然の結果として低い方
の負荷圧は導かれ得ないこととなる。その結果、負荷圧
検出路には、これらのアクチュエータ11,12の複合
駆動中、これらの負荷圧のうちの高い方の負荷圧が常に
選択されて導かれることになる。18は最高負荷圧検出
路17を接続管路15Aの一部を介して圧力補償部6に
接続する圧力補償部6の制御信号管路で、最高負荷圧検
出路17の最高負荷圧を圧力補償部6に導き、例えば圧
力補償部6に設けた可変オリフィスのようなものを閉じ
るように、ばね6Aとともに閉方向の制御力を付与す
る。20は可変絞り部5の下流圧を導く圧力補償部6の
制御信号管路で、その下流圧を圧力補償部6に導いてこ
れに開方向の制御力を付与する。圧力補償部6は、これ
らの制御力により開口量を調節して後述するように可変
絞り部5の絞り前後差圧を一定の値に制御する作用をす
る。19は制御信号管路18と同様に最高負荷圧を導く
圧力補償部9の制御信号管路で、ばね9Aとともに同圧
力補償部9に閉方向の制御力を付与するものであり、2
1は制御信号管路20と同様に可変絞り部8の下流圧を
導く圧力補償部9の制御信号管路で、同圧力補償部9に
開方向の制御力を付与する。圧力補償部9は、圧力補償
部6と同様、このような閉方向及び開方向の制御力によ
り、可変絞り部8の絞り前後差圧が常に一定となるよう
に絶えずその開口量が調節される構造となっている。
【0007】25はアンロード弁といわれる圧力制御弁
で、流量制御装置7,10の各可変絞り部5,8が操作
されず各アクチュエータ11,12が駆動されていない
状態のときに、主管路4の圧力が所定値に達すると、可
変容量形油圧ポンプ1の吐出油を直接タンクへ戻して同
ポンプ1を吐出量及び吐出圧力とも必要最小限となるよ
うに作動させ、動力を節減できるようにするものであ
る。26は傾転制御部2と主管路4とを接続する吐出圧
検出路で、可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力を傾転制
御部2に導く。
【0008】以上述べた図3の油圧駆動装置に基づい
て、まず、ロードセンシング制御について説明する。
【0009】いま、可変容量形油圧ポンプ1が運転され
可変絞り部5,8がオペレータにより操作されて、油圧
が主管路4、各負荷管路13,14を通じて各アクチュ
エータ11,12に導かれ、これらが複合駆動されてい
たとすると、各アクチュエータ11,12の負荷圧中高
い方の負荷圧すなわち最高負荷圧は、負荷管路13,1
4のいずれかからチェック弁15,16を設けた接続管
路15A,16Aのいずれかを通じて最高負荷圧検出路
17に導かれ、さらに、絞り23、制御信号管路22を
通じて傾転制御部2の制御信号受け部に導かれる。一
方、可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力も、主管路4か
ら吐出圧検出路26を通じて傾転制御部2の制御信号受
け部に導かれ、同時に、傾転駆動部3の右方のロッド側
シリンダ室に供給される。そして、可変容量形油圧ポン
プ1の吐出圧力が最高負荷圧に所定値すなわちいわゆる
ロードセンシング差圧を加えた圧力よりも高いときは、
傾転制御部2は図の左方へ移動して、可変容量形油圧ポ
ンプ1の吐出圧力が傾転制御部2の入出力ポートを経て
傾転駆動部3の左方のボトム側シリンダ室に供給され
る。その結果、傾転駆動部3は、左右のシリンダ室の受
圧面積差によりピストンが右方へ作動してポンプ傾転を
駆動し、可変容量形油圧ポンプ1の吐出容量を減少させ
る。また、可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力が最高負
荷圧にロードセンシング差圧を加えた圧力よりも低いと
きは、傾転制御部2は図の右方へ移動して、その入力ポ
ートを閉じるとともに傾転駆動部3のボトム側シリンダ
室をタンクポートに接続し、傾転駆動部3は、そのロッ
ド側シリンダ室での受圧作用によりピストンを左方へ作
動して可変容量形油圧ポンプ1の吐出容量を増加させ
る。可変容量形油圧ポンプ1は、このような仕組みで傾
転制御部2により制御され、その結果、吐出圧力が最高
負荷圧よりも予め定められた規定値だけ高くなるように
吐出容量を制御され、いわゆるロードセンシング制御が
行われることとなる。
【0010】次に、このようなロードセンシング制御を
行う図3の油圧駆動装置に基づいて、従来の流量制御装
置の作用について説明する。
【0011】いま、ロードセンシング制御を行う図3の
油圧駆動装置において、アクチュエータ11,12が複
合駆動されていたとすると、最高負荷検出路17の最高
負荷圧が各制御信号管路18,19を通じて各圧力補償
部6,9にそれぞれ導かれ、ばね6A,9Aとともに閉
方向の制御力を付与し、一方、各可変絞り部5,8の下
流圧が各制御信号管路20,21を通じて各圧力補償部
6,9にそれぞれ導かれて開方向の制御力を付与してい
る。そして、可変絞り部5,8の下流圧が最高負荷圧と
ばね力を考慮した所定値よりも高まっていると、開方向
の制御力が閉方向の制御力に打ち勝って圧力補償部6,
9の可変オリフィスを開放し、アクチュエータ11,1
2にこれらを駆動するに足るだけの油圧を供給する。こ
のような状態において、もし、前記下流圧が更に高まろ
うとすると圧力補償部6,9はその可変オリフィスを拡
大してその下流圧を低下させるように開口量を自己調節
し、逆に、下流圧が低下しようとすると、可変オリフィ
スを縮小してその下流圧を増大させるように開口量を自
己調節する。かくて、可変絞り部5,8の下流圧は、圧
力補償部6,9のこのような圧力調節機能により、アク
チュエータ11,12の負荷変動に影響されることな
く、最高負荷圧よりも規定の値だけ高い圧力を常に保持
することとなる。すなわち、可変絞り部5,8の絞り前
後差圧は、ロードセンシング制御による可変容量形油圧
ポンプ1の吐出圧力の制御と相まって、その可変絞り部
5,8の開度やアクチュエータ11,12の負荷変動に
影響されることなく常に一定となるように圧力補償が行
われることとなる。その結果、開度が一定であっても絞
り前後差圧に変動があれば流量が変化するという可変絞
り部5,8が本来的に有する欠点は克服され、可変絞り
部5,8は、回路圧力の変動に影響されずに開度に応じ
て流量を一定に調節することが可能となる。
【0012】そこで、このことをより正確に説明するた
め数式で表わすと、まず、圧力補償部6,9において
は、その上流側にそれぞれ形成されている各可変絞り部
5,8の下流側圧力Pzi を(1)式に従うように制御
している。
【0013】 Pzi =Plmax+k/A(Zi +Zo) =Plmax+Coi ‥‥‥‥‥‥(1) なお、同式における各記号の意味は次のとおりである。
【0014】Pzi ;各可変絞り部の下流圧 Plmax;最高負荷圧 A;Pzi,Plmaxに関する各圧力補償部の受圧面
積 k;ばね定数 Zi ;各圧力補償部の変位 Zo;各圧力補償部の初期変位 Coi ;定数 なお、端的にいうと、Zoは、圧力補償部6,9の油路
を閉じるようにプリセットするためのばねのプリセット
力であり、Zi は、ばね力等圧力補償部6,9の閉方向
の制御力に抗してこれを所定開度まで開放するのに要す
る力である。
【0015】一方、可変絞り部5,8の上流側に圧油を
供給する可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力Psは、ロ
ードセンシング制御により、(2)式に示すとおり最高
負荷圧Plmaxよりも予め定められた規定値だけすな
わちロードセンシング差圧ΔPLSだけ高くなるように制
御され、その圧力PsすなわちPlmax+ΔPLSが可
変絞り部5,8の上流側圧力となる。
【0016】Ps=Plmax+ΔPLS ‥‥‥(2) そうすると、各流量制御装置7,10の可変絞り部5,
8に任意の弁開度が与えられている状態では、これらの
絞り前後差圧Ps−Pzi は、(1),(2)式より、
いずれも(3)式に示すとおり常にロードセンシング差
圧ΔPLSに近似する一定の値を保ったことになる。
【0017】 Ps−Pzi =(Plmax+ΔPLS)−(Plmax+Coi) =ΔPLS−Coi ≒ΔPLS ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) すなわち、可変絞り部5,8の絞り前後差圧は、いずれ
の絞り部においても、負荷圧の変化に関係なくほぼロー
ドセンシング差圧ΔPLSに等しい圧力を保つように圧力
補償が行われている。その結果、可変絞り部5,8の流
入流量Qi は、(4)式に示すとおり、それぞれの可変
絞り部弁開度に比例した値にすることができ、その弁開
度が一定ならば、負荷変動に影響されることなく一定の
値を保ったことができる。
【0018】Qi =N・Ai √(Ps−Pzi ) ≒N・Ai √(ΔPLS) ‥‥‥‥(4) なお、(4)式における記号の意味は次のとおりであ
る。
【0019】Qi;各可変絞り部の流入流量 Ai;各可変絞り部弁開度 N;定数 本発明が改良しようとしている油圧駆動装置は、以上述
べたような流量制御装置を有しロードセンシング制御を
行う油圧駆動装置において、図3に示すように絞り23
と圧力制御弁24とを付加したものであるので、以下
に、この点に関する技術内容を説明する。
【0020】図3において、23は最高負荷圧検出路1
7に設けた絞り、24は最高負荷圧の上限を制限してタ
ンクへ圧油を逃がすリリーフ弁としての圧力制御弁で、
最高負荷圧検出路17の下流側に接続した制御信号管路
22にその圧油をタンクへ逃しうるように設けられてい
る。絞り23は、その圧力勾配により圧力制御弁24の
リリーフ時のリリーフ流量を必要最小限に抑制するよう
に可変容量形油圧ポンプ1の傾転制御装置を作動させる
働きをする。次に、このような絞り23及び圧力制御弁
24を付加した点に関する作用を説明する。
【0021】いま、オペレータにより、可変絞り部5だ
けに任意の弁開度が与えられて流量制御装置7が操作さ
れ、流量制御装置10は操作されなかったとすると、ア
クチュエータ11にのみ負荷圧が生じ、アクチュエータ
12は無負荷状態にあるから、最高負荷圧検出路17に
は、チェック弁15を介して負荷管路13の負荷圧が導
かれる。その結果、可変容量形油圧ポンプ1は、すでに
述べたことから明らかなように、吐出圧力が最高負荷圧
である負荷管路13の負荷圧よりもロードセンシング差
圧ΔPLSだけ高くなるよう傾転制御装置により吐出容量
を制御され、前述のロードセンシング制御が行われるこ
ととなる。また、その負荷管路13の負荷圧は、制御信
号管路18を通じて圧力補償部6に導かれるため、流量
制御装置7の圧力補償部6は、前記(1)式から明らか
なように、可変絞り5の下流圧を最高負荷圧である負荷
管路13の負荷圧とほぼ等しくなるように自己調節す
る。このような圧力補償部6の作用により、可変絞り部
5の絞り前後差圧は、前記(3)式から明らかなよう
に、概ねロードセンシング差圧ΔPLSに等しい圧力を保
つように圧力補償が行われ、弁開度に比例した流量がア
クチュエータに供給されて、可変絞り部5の操作量に見
合った速度でアクチュエータを駆動することが可能にな
る。
【0022】このような操作過程で、オペレータが流量
調整装置7を操作し続けてアクチュエータ11のピスト
ンがシリンダ端部まで移動しきったとすると、可変容量
形油圧ポンプ1から供給された圧油は、アクチュエータ
11へ流入できないため、その負荷圧は上昇する。そし
て、このような状態が持続するとやがて油圧駆動装置は
破損することとなるので、その破損防止のために、前述
の圧力制御弁24が設けられており、圧力制御弁24
は、このような事態に対応して、その負荷圧が設定圧力
に達すると作動し、可変容量形油圧ポンプ1からアクチ
ュエータ11へ供給される圧油は、負荷管路13、チェ
ック弁15、接続管路15A、最高負荷圧検出路17、
絞り23、制御信号管路22を経て圧力制御弁24から
タンクへ逃がされる。その結果、これまで最高負荷圧検
出路17内に停滞していた圧油に流れが生じるため、同
検出路17に設けられた絞り23には、その絞り抵抗に
より上流側及び下流側間に圧力差が生じて、絞り23の
上流側の圧力が上昇し、これに伴って、負荷管路13の
負荷圧さらには可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧が上昇
する。この瞬間、傾転制御部2は、ロードセンシング制
御を行っているため、図の左方へ移動して傾転駆動部2
の左方のボトム側シリンダ室に可変容量形油圧ポンプ1
の吐出圧を導き、傾転駆動部3のピストンを右方へ押圧
して可変容量形油圧ポンプ1の吐出容量を減少させる。
このように、図3の油圧駆動装置おいては、圧力制御弁
24に加えて絞り23を付加したことにより、圧力制御
弁24で最高負荷圧の上限を規制して同装置を保護する
だけではなく、圧力制御弁24のリリーフ時のリリーフ
流量を必要最小限に押さえるように可変容量形油圧ポン
プ1の吐出容量を制御することも可能となり、アクチュ
エータを単独駆動する限りにおいては好適なものであっ
た。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3の
油圧駆動装置は、このようにアクチュエータを単独駆動
しているときには好適なものであっても、その後の検討
の結果、複合駆動時において作業効率や操作感覚等の点
で問題のあることを見出した。以下、その検討結果を述
べる。
【0024】いま、オペレータにより可変絞り部5、8
の双方に任意の弁開度が与えられて流量制御装置7、1
0が同時操作され、流量調整装置7、8の何れか一方が
操作し続けられて当該アクチュエータのピストンがシリ
ンダ端部まで移動しきったことにより、圧力制御弁24
が作動している状態を考え、この圧力制御弁24の作動
の結果、可変絞り部5,8の絞り前後差圧がどのように
なるかを、既に述べた(1)〜(3)式と同様の式を用
いて考察する。
【0025】このような状態において、制御信号管路2
2を通じて傾転制御部2の信号受け部に導かれる最高負
荷圧Plmax(P) は、圧力制御弁24が作動している
ことから、(5)式のとおり、圧力制御弁の設定圧Pl
max(R) に等しくなる。
【0026】 Plmax(P) =Plmax(R) ‥‥‥(5) その結果、可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力Psは、
ロードセンシング制御により、前記(2)式で述べたと
同様に調節され、(6)式のとおりになる。
【0027】 Ps=Plmax(P) +ΔPLS =Plmax(R) +ΔPLS ‥‥‥(6) 一方、接続管路15A,16Aを経て制御信号管路1
8,19から各圧力補償部6、9に導かれこれに閉方向
の制御力を付与する最高負荷圧検出路17内の圧力Pl
max(V) は、前述のとおり、絞り23の絞り抵抗によ
りその上流側及び下流側間に圧力差ΔPDRが生じて絞り
23の上流側の圧力が上昇することから、(7)式のと
おり上昇する。
【0028】 Plmax(V) =Plmax(R) +ΔPDR ‥‥‥(7) このように、圧力補償部6,9に閉方向の制御力を付与
する最高負荷圧検出路17内の圧力が上昇すると、前記
(1)式で示した可変絞り部5,8の下流圧Pzi は、
これに呼応して圧力補償部6,9の圧力補償作用によ
り、(8)式のとおりに上昇する。
【0029】Pzi =Plmax(V) +Coi =Plmax(R) +ΔPDR+Coi ‥‥‥(8) その結果、前記(3)式で示した可変絞り部5,8の絞
り前後差圧Ps−Pzi は、(6)、(8)式より
(9)式のとおりになる。
【0030】 Ps−Pzi =(Plmax(R) +ΔPLS)− (Plmax(R) +ΔPDR+Coi) ≒ΔPLS−ΔPDR ‥‥‥‥‥‥‥(9) この(9)式から明らかなように、図3の従来の油圧駆
動装置においては、圧力制御弁24が作動している状態
にあると、流量制御装置7,10の可変絞り部5,8の
絞り前後差圧は、何れの可変絞り部においても平常時の
値であるロードセンシング差圧ΔPLSよりも絞り23で
生じる圧力損出ΔPDRだけ減少する。そして、この値Δ
DRは、油圧駆動装置の保護のための圧力制御弁24の
リリーフ流量に依存し、かつ、このリリーフ流量を必要
最小限にするために必要な圧力差であるため無視するこ
とはできない値である。したがって、このように、可変
絞り部5,8の絞り前後差圧が平常時の値ΔPLSよりも
ΔPDRだけ減少すると、ピストンがシリンダ端部まで移
動しきってそれ以上作動できない状態にあるアクチュエ
ータはともかく、未だ作動状態にある低負荷側の他のア
クチュエータは、その絞り前後差圧のΔPDRの減少によ
り圧油の流入流量が減少するため、オペレータの所望す
る速度で駆動されないこととなり、作業効率が低下す
る。また、ピストンが移動しきった状態にある前者のア
クチュエータの操作を終了すること等により圧力制御弁
24が作動しなくなると、流量制御装置7,10の可変
絞り部5,8の絞り前後差圧が平常時の値に復帰するた
め、作動状態にある低負荷圧側の後者のアクチュエータ
は、突如として速度が増加して、アクチュエータの速度
が急激に増加したような感じをオペレータに与え、オペ
レータにとって操作感覚の悪いものとなる。
【0031】図3の従来の油圧駆動装置っては、このよ
うに、圧力制御弁24の作動状態が切り換わるたびに、
低負荷圧側のアクチュエータの速度が変化し、これを実
用に供する上で、作業効率や操作感覚等の点で問題のあ
ることが判明した。
【0032】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題を解消し、油圧駆動装置の保護のため圧力制御弁
24が作動している場合において、そのリリーフ流量が
僅少になるように可変容量形油圧ポンプの吐出容量を制
御するという従来の技術が有する利点を保持しながら、
複合駆動時でも作業効率や操作感覚等の良好なロードセ
ンシング制御を行う油圧駆動回路を提供することを目的
とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は、
可変容量形油圧ポンプと、同ポンプの油圧により駆動さ
れる複数のアクチュエータと、これらのアクチュエータ
の負荷圧のうちの最高負荷圧を検出する管路と、この管
路で検出した最高負荷圧に関する制御信号と可変容量形
油圧ポンプの吐出圧に関する制御信号とにより同ポンプ
の吐出圧がその最高負荷圧よりも所定値だけ高くなるよ
うに可変容量形油圧ポンプの吐出容量を制御する傾転制
御装置とを有し、各アクチュエータごとに、可変絞り部
と、この可変絞り部の下流圧及び最高負荷圧に関する各
制御信号によりそれぞれ開方向及び閉方向の制御力が付
与されて開口量を調節し可変絞り部の絞り前後差圧を制
御する圧力補償部とからなる流量制御装置をそれぞれ備
えたロードセンシング制御を行う油圧駆動装置におい
て、前記最高負荷圧を検出する管路に絞りを配設し、か
つ、この絞りの下流側に、最高負荷圧の上限を制限する
ためその下流側の圧油をタンクへ逃がす圧力制御弁を設
け、前記の可変容量形油圧ポンプの吐出容量を制御する
最高負荷圧に関する制御信号として、絞りの下流側の圧
力に関する制御信号を傾転制御装置に送るとともに、前
記の各流量制御装置の圧力補償部に閉方向の制御力を付
与するための最高負荷圧に関する制御信号として、絞り
の下流側の圧力に関する制御信号をその各流量制御装置
の圧力補償部に送るようにしたことを特徴とする特許請
求の範囲の請求項1に記載されているとおりの油圧駆動
装置により達成できる。
【0034】
【作用】本発明においては、このような構成採用してい
るので、アクチュエータの複合駆動時において、何れか
のアクチュエータのピストンがシリンダ端部まで移動し
きってしまう等により圧力制御弁が作動した場合、絞り
の前後で圧力差が生じて、最高負荷圧を検出する管路に
おける同管路に配設した絞りの上流側の圧力が上昇し、
これに伴って、可変容量形油圧ポンプの吐出圧が上昇す
るため、傾転制御装置は、その吐出圧を押さえて設定さ
れたロードセンシング差圧を保持するように、可変容量
形油圧ポンプの吐出容量を減少させ、圧力制御弁のリリ
ーフ時のリリーフ流量を僅少にに押さえるように可変容
量形油圧ポンプの吐出容量を制御する。 そして、この
ような場合でも、流量制御装置の圧力補償部には、前記
絞りの下流側の圧力に関する制御信号が送られるため、
流量制御装置の可変絞り部の絞り前後差圧は、圧力制御
弁が作動していない場合と同様、概ねロードセンシング
差圧に等しい圧力を保持でき、他のアクチュエータは、
可変絞り部の操作量に見合った速度で駆動することがで
きる。
【0035】
【実施例】本発明の実施例の油圧駆動装置を図1及び図
2に基づいて説明する。図1は、ロードセンシング制御
を行う本発明の第1の実施例の油圧駆動装置に関する油
圧回路図、図2はロードセンシング制御を行う本発明の
第2の実施例の油圧駆動装置に関する油圧回路図であ
る。これらの図の符号中、図3と同一符号を付けた部分
は、同図と同等の部分を表わしているので、これらの部
分については、説明の重複を避けるため詳述しない。
【0036】図1及び図2から明らかなように、図1及
び図2に示されている第1の実施例及び第2の実施例の
油圧駆動装置は、何れも、図3の従来の油圧駆動装置と
同様、可変容量形ポンプ1と、同ポンプ1の油圧により
駆動される複数のアクチュエータ11,12と、これら
のアクチュエータ11,12の負荷圧のうちの最高負荷
圧を検出する最高負荷圧検出路17と、この最高負荷圧
検出路17の最高負荷圧と可変容量形油圧ポンプ1の吐
出圧とにより可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧がその最
高負荷圧よりも所定値だけ高くなるように同ポンプ1の
吐出容量を制御する傾転制御部2及び傾転駆動部3から
なる傾転制御装置とを有し、これらの構成によりロード
センシング制御を行うようにしている。また、可変容量
ポンプ1の吐出側には、従来の油圧駆動装置と同様、可
変絞り部5,8と、その可変絞り部5,8の下流圧及び
最高負荷圧に関する各制御信号によりそれぞれ開方向及
び閉方向の制御力が付与されて開口量を調節し前記可変
絞り部5,8の絞り前後差圧を制御する圧力補償部6,
9とからなる流量制御装置7,10を備え、これによ
り、アクチュエータ11,12のそれぞれについて、圧
油の供給流量を調節して速度を制御できるようにしてい
る。このように、第1の実施例及び第2の実施例の油圧
駆動装置は、何れも、ベースとなる構成については従来
の油圧駆動装置と差異がない。
【0037】そこで、本発明の特徴について述べると、
従来の油圧駆動装置においては、前述のとおり、アクチ
ュエータを単独駆動しているときに好適なものであって
も、複合駆動時に作業効率や操作感覚等の点で問題があ
るが、本発明の最大の特徴は、従来の油圧駆動装置にお
いて複合駆動時にこのような問題が生じることを見出し
て、その問題を、従来の油圧駆動装置の構成に大幅な変
更を加えることなく簡単な構成上の改良で解決するよう
にした点にある。
【0038】本発明により改良を加えた点を明らかにす
るため、第1の実施例について詳述すると、第1の実施
例の油圧駆動装置も、従来の油圧駆動装置と同様、最高
負荷圧検出路17に絞り23が設けられるとともに、そ
の下流側に接続した制御信号管路22に最高負荷圧の上
限を制限してタンクへ圧油を逃がす圧力制御弁24が設
けられていて、絞り23の圧力勾配により圧力制御弁2
4のリリーフ時のリリーフ流量を必要最小限に抑制する
ように、可変容量形油圧ポンプ1の傾転制御装置を作動
させるようになっているが、従来のものと異なる点は、
各流量制御装置7,10の圧力補償部に閉方向の制御力
を付与するための最高負荷圧に関する制御信号として、
絞り23の上流側の圧力ではなく、下流側の圧力を送る
ようにしている点にある。そのため、本実施例において
は、絞り23の下流側の信号管路22と圧力制御弁24
とを接続する管路から分岐するように管路30を設ける
とともに、同管路30を各圧力補償部6、9に接続する
制御信号管路31,32を設け、絞り23の下流側の圧
力を、管路30を経て各信号管路31,32から各圧力
補償部6,9にそれぞれ導くようにしている。
【0039】本実施例の装置は、このような構成を採用
しているから、オペレータが可変絞り部5,8に任意の
弁開度を与えて流量制御装置7,10を操作し、アクチ
ュエータ11,12が複合駆動されたとすると、アクチ
ュエータ11,12の負荷圧のうちの高い方の負荷圧が
最高負荷圧検出路17に導かれて最高負荷圧が検出さ
れ、その最高負荷圧は、絞り23を経て制御信号管路2
2から傾転制御部2に導かれる。その結果、この制御信
号管路22から導かれた圧力と吐出圧検出路26から導
かれた可変容量形油圧ポンプ1の吐出圧力とにより傾転
制御部2が作動し、可変容量形油圧ポンプ1は、傾転制
御部2及び傾転駆動部3からなる傾転制御装置を通じて
吐出容量を制御されて、前述のロードセンシング制御が
行われることとなる。同時に、絞り23を経てその下流
側に導かれた最高負荷圧は、制御信号管路22、導管3
0を経て各制御信号管路31,32から各圧力補償部
6,9にそれぞれ導かれる。
【0040】このように、アクチュエータ11,12が
複合駆動されている場合において、いま、最高負荷圧検
出路17で検出された最高負荷圧が圧力制御弁24で設
定された設定圧力に達していない状態にあるとすると、
圧力制御弁24は作動せず、最高負荷圧検出路17で圧
油の流れは生じないので、絞り23の前後で圧力差は生
じない。その結果、可変容量形油圧ポンプ1は、吐出圧
力がその最高負荷圧よりもロードセンシング差圧ΔPLS
だけ高くなるよう傾転制御装置により吐出容量を制御さ
れて、ロードセンシング制御が行われる。また、圧力補
償部6,9には、最高負荷圧検出路17で検出された最
高負荷圧が絞り23、制御信号管路22、導管30を経
て各制御信号管路31,32からそのままの状態で導か
れる結果、可変絞り部5,8の絞り前後差圧は、各圧力
補償部6,9により、概ねロードセンシング差圧ΔPLS
に等しい圧力を保つように圧力補償が行われ、各アクチ
ュエータ11,12は、可変絞り部5,8の操作量に見
合った速度で駆動することができる。
【0041】一方、アクチュエータ11,12が複合駆
動されている場合において、一方のアクチュエータのピ
ストンがシリンダ端部まで移動しきった状態で流量制御
装置7が操作されていたとすると、最高負荷圧検出路1
7に、当該アクチュエータの負荷圧が検出されるととも
に、やがて圧力制御弁24が作動し、可変容量形油圧ポ
ンプ1からアクチュエータ11へ供給される圧油は、タ
ンクへ逃がされる。その結果、これまで最高負荷圧検出
路17内に停滞していた圧油に流れが生じるため、前述
のように、絞り23の前後で圧力差が生じて絞り23の
上流側の圧力が上昇し、これに伴って、当該アクチュエ
ータの負荷管路の負荷圧さらには可変容量形油圧ポンプ
1の吐出圧が上昇する。このように、可変容量形油圧ポ
ンプ1の吐出圧が上昇すると、傾転制御装置は、その吐
出圧を押さえて設定されたロードセンシング差圧を保持
するように、前述の仕組みで可変容量形油圧ポンプ1の
吐出容量を減少させ、従来の油圧駆動装置と同様、圧力
制御弁24のリリーフ時のリリーフ流量を必要最小限に
押さえるように可変容量形油圧ポンプ1の吐出容量を制
御する。
【0042】また、圧力補償部6,9には、最高負荷圧
検出路17で検出された最高負荷圧が絞り23、制御信
号管路22、導管30を経て各制御信号管路31,32
から導かれるが、この場合、その最高負荷圧は、圧力制
御弁24の作動により上限が制限されて圧力補償部6,
9に導かれる。このような状態において、可変絞り部
5,8の絞り前後差圧がどのようになるかを、既に述べ
た(1)〜(3)式と同様の式を用いて考察する。
【0043】このように圧力制御弁24が作動している
とき、制御信号管路22を通じて傾転制御部2の信号受
け部にに導かれる最高負荷圧Plmax(P) は、前
(5)式のとおり、圧力制御弁24の設定圧Plmax
(R) に等しくなり、また、可変容量形油圧ポンプ1の吐
出圧力Psは、ロードセンシング制御により前(6)式
のとおり、Plmax(R) +ΔPLSになる。
【0044】一方、絞り23、制御信号管路22、導管
30を経て各制御信号管路31,32から各圧力補償部
6、9に導かれこれに閉方向の制御力を付与する最高負
荷圧検出路17内の圧力Plmax(V) は、圧力制御弁
24の作動により上限が制限されれてこれらの圧力補償
部6,9に導かれることから、(10)式のとおり、P
lmax(R) になる。
【0045】 Plmax(V)=Plmax(R) ‥‥‥(10) このように、圧力補償部6,9に閉方向の制御力を付与
する最高負荷圧検出路17内の圧力がPlmax(R)
なると、前(1)式で示した可変絞り部5,8の下流圧
Pzi は、これに呼応して圧力補償部6,9の圧力補償
作用により、(11)式のとおりになる。
【0046】Pzi ≒Plmax(V) =Plmax(R) ‥‥‥(11) その結果、前(3)式で示した可変絞り部5,8の絞り
前後差圧Ps−Pziは、(6)、(11)式より(1
2)式のとおりになる。
【0047】 Ps−Pzi =(Plmax(R) +ΔPLS)−Plmax(R) =ΔPLS ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(12) この(12)式から明らかなように、本実施例の油圧駆
動装置においては、従来の油圧駆動装置とは異なり、圧
力制御弁24が作動している状態にあっても、流量制御
装置7,10の可変絞り部5,8の絞り前後差圧は、何
れの可変絞り部においても、平常時と同様に概ねロード
センシング差圧ΔPLSに等しい圧力を保持する。したが
って、アクチュエータ11,12の複合駆動時におい
て、一方のアクチュエータのピストンがシリンダ端部ま
で移動しきった結果、圧力制御弁24が作動したとして
も、他方のアクチュエータは、常に、可変絞り部の操作
量に見合った速度で駆動することができ、作業効率が低
下したり、操作感覚の悪くなったりするというような従
来の油圧駆動装置にみられる問題が生じることはない。
また、圧力制御弁24がこのように作動している状態か
ら作動しない状態に変化したとしても、流量制御装置
7,10の可変絞り部5,8の絞り前後差圧に変動は生
じないので、従来の油圧駆動装置のように他方のアクチ
ュエータの速度が急激に増加するようなことはない。
【0048】このように、本実施例によれば、油圧駆動
装置の保護のため圧力制御弁24が作動している場合に
おいて、そのリリーフ流量を必要最小限に押さえるよう
に制御するという従来の技術が有する利点を保持しなが
ら、従来の技術に存在する問題をも解消して、複合駆動
時でも作業効率や操作感覚等の良好なロードセンシング
制御を行う油圧駆動回路を提供することができる。
【0049】次に、図2に基づいて第2の実施例につい
て詳述すると、第2の実施例が第1の実施例と異なる点
は、図2を図1と対比すれば明らかなように、第1の実
施例における絞り23を第2の実施例で切換弁33に変
えた点だけである。切換弁33は、油路を、可変絞り付
きの油路と圧油を単に通過させるための連通路とに電磁
式の切換操作により切り換えることができる電磁パイロ
ット切換弁であり、図2においては、油路を可変絞り付
きの油路に切り換えた状態が示されている。第2の実施
例においては、このような切換弁33が用いられている
ことにより、第1の実施例に対して次のような機能が付
加される。
【0050】まず第1に、油路を可変絞り付きの油路を
有する切換弁33を用いることにより、第1の実施例の
絞り23に相当するものが可変絞りになるため、この可
変絞りの開口量を調節することにより、圧力制御弁24
の作動時のリリーフ流量を少なくするように適宜調節す
ることができるのは勿論のこと、最高負荷圧検出路17
に配設する絞りについて、圧力制御弁24の作動時にお
ける絞りの圧力勾配を任意に調節することが可能にな
る。したがって、本発明を実施する際、この第1の機能
だけを所望し、次に述べる第2の機能を所望しない場合
には、このような切換弁33を用いる必要はなく、第1
の実施例における絞り23を可変絞りに変えれば足り
る。第2に、連通路を有する切換弁33を用いることに
より、このような可変絞り付きの油路を単なる連通路に
切り換えることができるため、必要に応じて、最高負荷
圧検出路17に絞り23を設けていない通常のロードセ
ンシング制御を行う油圧駆動装置の機能をも得るように
することができる。以下、これらの機能を付加した点の
技術的意義について述べる。
【0051】第1の機能を付加した点の技術的意義につ
いて述べると、第1の実施例の油圧駆動装置において
は、前述したように、圧力制御弁24が作動状態に切り
換わり、又はこの作動状態から不作動状態に切り換わっ
たとしても、流量制御装置7,10の可変絞り部5,8
の絞り前後差圧に変動は生じないが、この間、可変容量
形油圧ポンプ1の吐出容量は、圧力制御弁24のリリー
フ流量を少なくするために絞り23の圧力勾配分により
減少させるようにしていることから、その吐出容量は、
絞り23の圧力勾配に応じて変化することとなる。そう
すると、傾転制御装置による可変容量形油圧ポンプ1の
吐出容量の制御の際に応答すべき吐出容量の変化量は、
最高負荷圧検出路17に配設する絞りの圧力勾配すなわ
ちその絞りの開口量に依存することになるから、この開
口量が適切に調節されずにその応答すべき吐出容量の変
化量が傾転制御装置の性能に対して過大であると、その
吐出容量を制御する際の可変容量形油圧ポンプ1の応答
性が低下し、この応答性の点で油圧駆動装置の性能を損
なうことになる。第2の実施例においては、このような
問題に対応することができるようにするため、可変絞り
付きの油路を有する切換弁33を用いおり、その可変絞
りの開口量を調節することにより、最高負荷圧検出路1
7に配設する絞りの圧力勾配を適切な値に調節して、そ
の可変容量形油圧ポンプ1の応答性が低下するのを防止
できるようにしている。
【0052】第2の機能を付加した点の意義について述
べると、前記第1の実施例においては、高負荷圧側のア
クチュエータの操作終了前後において圧力制御弁24が
リリーフした場合に低負荷側のアクチュエータに生じる
作業効率や操作感覚に関する問題を解消するようにして
いるが、高負荷圧側のアクチュエータの操作の最中に、
圧力制御弁24がリリーフするような高負荷の生じるよ
うな場合もあり、その場合には、高負荷圧側のアクチュ
エータそれ自体の作業がしずらくなるという新たな問題
の生じる可能性がある。特に、不確定な作業条件で作業
を行う機会の多い油圧ショベル等の建設用油圧作業機に
あっては、その作業条件次第で、高負荷圧側のアクチュ
エータでこのような問題の生じる余地が大きい。そのた
め、原則的には、第1の実施例の油圧駆動装置により動
力消費を節減するようにして作業するのが望ましいもの
の、作業条件次第では、動力消費が多くても安定して作
業を行えるようにすることを優先せざるを得ない場合が
生じる。例えば、油圧ショベルで掘削作業を行う場合を
例にとると、石や木の根の多い地山を掘削する場合のよ
うに、バケットの掘り起こし時に過大な抵抗が生じる地
山を掘削する場合、地山の掘削時にバケットの先端に土
砂を食い込ませて掘り起こそうとすると、圧力制御弁2
4がリリーフするような大きな負荷圧が高負荷圧側のア
クチュエータであるアームシリンダやブームシリンダに
生じる。また、こうして掘り起こそうとした土砂が崩れ
て掘削が行われようとするときには、その負荷圧が急激
に減少し、さらに、再度、地山を掘り起こそうとすると
ときには、大きな負荷圧がアームシリンダやブームシリ
ンダに再び生じる。バケットの掘り起こし時に過大な抵
抗が生じる地山を掘削する場合、こうした各動作を繰り
返して負荷圧の急激な増減の反復を伴いながら掘削作業
が進められることとなるが、このような場合、従来例の
油圧駆動装置はもとより第1の実施例のものでも、その
負荷圧の急激な変化に伴う可変容量型油圧ポンプ吐出容
量の急激な増減の反復動作によりアームシリンダやバケ
ットシリンダの作動速度が頻繁に変化する。その結果、
高負荷圧側のアクチュエータであるアームシリンダやバ
ケットシリンダにより安定した掘削作業をしにくくな
り、また、ポンプの応答性が悪いと、こうした弊害は一
層助長されることとなる。第2の実施例の油圧駆動装置
は、第1の実施例における絞り23を前記のような連通
路を有する切換弁33に変えることにより、こうした高
負荷圧側のアクチュエータに生じる問題を、必要に応じ
て解消できるようにしたものである。すなわち、切換弁
33は、圧油を単に通過させるための連通路も有してい
て、前記の可変絞り付きの油路をこの連通路に切り換え
ることができるため、動力消費を少なくすることより
も、動力消費が多くても安定して作業を行えるようにす
ることの方を優先させたいときには、可変絞り付きの油
路を連通路に切り換えればよい。この場合には、最高負
荷圧検出路17に絞り23を配設していない通常のロー
ドセンシング制御を行う油圧駆動装置と同様、ロードセ
ンシング差圧と等しい圧力損失の生じる流量が圧力制御
弁24から逃されることになるため、可変容量形油圧ポ
ンプ1の吐出容量にほとんど変動は生ぜず、その応答性
に影響を及ぼすようなこともないので、安定した作業が
行えることとなる。
【0053】さらに、本実施例においては、切換弁33
に、電磁式の切換操作により切り換えることができる電
磁パイロット式のものを用いているので、以上述べやよ
うな可変絞り付きの油路と連通路とを切り換える切換弁
33の操作を、例えば油圧ショベルの作業モード等作業
モードに関する信号により切り換えられるようにすれ
ば、実用上便利な油圧駆動装置に具体化することができ
る。例えば、切換弁33の油路を可変絞り付きの油路に
切り換えるモードを、動力消費の少ないことから経済的
作業モードとし、連通路に切り換えるモードを、動力消
費は多くても作業効率面では最良であることから最大作
業モードとし、これらの作業モードをオペレータの選択
により作業モード信号により切り換えることができるよ
うに具体化すれば、どのような作業条件でも対応できる
多角的機能を有する油圧駆動装置が得られ、オペレータ
にとってきわめて使い勝手のよいものとなる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、特許請求の範囲に記載の構成、特に「最高
負荷圧を検出する管路に絞りを配設し、かつ、この絞り
の下流側に、最高負荷圧の上限を制限するためその下流
側の圧油をタンクへ逃がす圧力制御弁を設け、前記の可
変容量形油圧ポンプの吐出容量を制御する最高負荷圧に
関する制御信号として、絞りの下流側の圧力に関する制
御信号を傾転制御装置に送るとともに、前記の各流量制
御装置の圧力補償部に閉方向の制御力を付与するための
最高負荷圧に関する制御信号として、絞りの下流側の圧
力に関する制御信号をその各流量制御装置の圧力補償部
に送るようにする」構成を採用しているので、前述した
従来の油圧駆動装置に存在する問題はことごとく解消さ
れ、油圧駆動装置の保護のため圧力制御弁が作動してい
る場合において、そのリリーフ流量を僅少になるように
可変容量形油圧ポンプの吐出容量を制御するという従来
の技術が有する利点を保持しながら、複合駆動時でも作
業効率や操作感覚等の良好なロードセンシング制御を行
う油圧駆動回路を提供することができる。
【0055】そして、このような油圧駆動装置を得るに
は、従来の油圧駆動装置において、各流量制御装置の圧
力補償部に送る制御信号を絞りの下流側の圧力に関する
制御信号にするように変更しさえすれば足るので、従来
の油圧駆動装置の構成に大幅な変更を加えることなく簡
単な構成上の改良で解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロードセンシング制御を行う本発明の第1の実
施例の油圧駆動装置に関する油圧回路図である。
【図2】ロードセンシング制御を行う本発明の第2の実
施例の油圧駆動装置に関する油圧回路図である。
【図3】ロードセンシング制御を行う従来例の油圧駆動
装置に関する油圧回路図である。
【符号の説明】
1 可変容量形油圧ポンプ 2 傾転制御部 3 傾転駆動部 5,8 可変絞り部 6,9 圧力補償部 7,10 流量制御装置 11,12 アクチュエータ 17 最高負荷圧検出路 20,21 制御信号管路 22 制御信号管路 23 絞り 24 圧力制御弁 26 吐出圧検出路 31,32 制御信号管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F15B 11/16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量形油圧ポンプと、同ポンプの油
    圧により駆動される複数のアクチュエータと、これらの
    アクチュエータの負荷圧のうちの最高負荷圧を検出する
    管路と、この管路で検出した最高負荷圧に関する制御信
    号と可変容量形油圧ポンプの吐出圧に関する制御信号と
    により同ポンプの吐出圧がその最高負荷圧よりも所定値
    だけ高くなるように可変容量形油圧ポンプの吐出容量を
    制御する傾転制御装置とを有し、各アクチュエータごと
    に、可変絞り部と、この可変絞り部の下流圧及び最高負
    荷圧に関する各制御信号によりそれぞれ開方向及び閉方
    向の制御力が付与されて開口量を調節し可変絞り部の絞
    り前後差圧を制御する圧力補償部とからなる流量制御装
    置をそれぞれ備えたロードセンシング制御を行う油圧駆
    動装置において、前記最高負荷圧を検出する管路に絞り
    を配設し、かつ、この絞りの下流側に、最高負荷圧の上
    限を制限するためその下流側の圧油をタンクへ逃がす圧
    力制御弁を設け、前記の可変容量形油圧ポンプの吐出容
    量を制御する最高負荷圧に関する制御信号として、絞り
    の下流側の圧力に関する制御信号を傾転制御装置に送る
    とともに、前記の各流量制御装置の圧力補償部に閉方向
    の制御力を付与するための最高負荷圧に関する制御信号
    として、絞りの下流側の圧力に関する制御信号をその各
    流量制御装置の圧力補償部に送るようにしたことを特徴
    とする油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 最高負荷圧を検出する管路に設けた絞り
    が可変絞りであることを特徴とする請求項1に記載の油
    圧駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002519596A (ja) * 1998-06-29 2002-07-02 マネスマン レクソロート アクチェンゲゼルシャフト 油圧回路
JP2002536599A (ja) * 1999-02-05 2002-10-29 マンネスマン レックスロート アクチエンゲゼルシヤフト 少なくとも2つの液圧式の消費器用の制御ユニットおよび該制御ユニット用の差圧弁

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002519596A (ja) * 1998-06-29 2002-07-02 マネスマン レクソロート アクチェンゲゼルシャフト 油圧回路
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JP4739529B2 (ja) * 1999-02-05 2011-08-03 マンネスマン レックスロート アクチエンゲゼルシヤフト 少なくとも2つの液圧式の消費器用の制御ユニットおよび該制御ユニット用の差圧弁

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