JP3179000B2 - 光プラスチックファイバコア材用オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

光プラスチックファイバコア材用オルガノポリシロキサン組成物

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JP3179000B2
JP3179000B2 JP25704295A JP25704295A JP3179000B2 JP 3179000 B2 JP3179000 B2 JP 3179000B2 JP 25704295 A JP25704295 A JP 25704295A JP 25704295 A JP25704295 A JP 25704295A JP 3179000 B2 JP3179000 B2 JP 3179000B2
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organopolysiloxane
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバのコア材の製造に好適なオルガノポリシロキサン
組成物及びその硬化物をコア材とする光ファイバに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバには、石英ガラス、多成分ガ
ラス等をコア(芯)材及びクラッド(鞘)材とするガラ
ス系光ファイバ並びにポリメタクリル酸メチル、ポリス
チレン、ポリカーボネート等のポリオレフィン系有機重
合体を用いるプラスチック光ファイバが使用されてい
る。ガラス系光ファイバは、伝送損失が小さいという利
点を有し、また、プラスチック光ファイバは、開口数を
大きくしやすい、取扱が容易である、及び安価に製造で
きるという利点を有する。
【0003】さらに近年、上記のプラスチック光ファイ
バのコア材としてオルガノポリシロキサン弾性体を用い
ることが、特開昭60-43613号公報、特開昭63-98603号公
報、特開昭63-121004号公報等に提案されている。この
オルガノポリシロキサン弾性体をコア材とするプラスチ
ック光ファイバは、 i) ビニル基を有する線状のオルガノポリシロキサン、 ii) ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポ
リシロキサン、 及び iii)白金触媒 からなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物を、クラ
ッド材となる屈折率の低いフッ素系樹脂チューブに圧入
した後、加熱硬化させることにより得られる。
【0004】こうして得られたプラスチック光ファイバ
は、ポリメタクリル酸メチル等をコア材に使用するもの
に比べ、可撓性に富み、耐熱性にも優れるという利点を
有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して得られるプラスチック光ファイバの伝送損失と耐熱
性は、前記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物に含
まれる白金触媒の濃度に依存し、その濃度が高くなると
伝送損失と耐熱性が低下する。一方、この白金触媒の濃
度が低すぎると、組成物の硬化に長時間を要して、生産
性が低下したり、硬化不良を起こす。白金触媒の量を低
減する代わりに、硬化温度を上げると、組成物の硬化収
縮が大きくなる。その結果、冷却の際に、光ファイバの
長手方向に応力が働き、コアにクラックが発生したり、
又はコアとクラッドとの密着性が低下する恐れがある。
【0006】そこで、本発明の課題は、白金族金属系触
媒の量が少なくても、低温で速く硬化するプラスチック
光ファイバコア材用オルガノポリシロキサン組成物及
び、その硬化物をコア材に使用するプラスチック光ファ
イバを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成する手段として、 (イ)一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する
直鎖状のオルガノポリシロキサン、 (ロ)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有し、該水素原子のうち平均1個以上が、式
(1): −Si(CH 3 ) 2 H (1) で示されるハイドロジェンジメチルシリル基を構成して
おり、かつ、H(CH 3 ) 2 SiO 1/2 単位と、PhSiO 3/2 単位及び
/又はSiO 2 単位とを含有し(但し、Phはフェニル基であ
る。また、[H(CH 3 ) 2 SiO 1/2 ]/[SiO 2 ]=4の場合を除く)、
前記式(1)で示されるハイドロジェンジメチルシリル基
を分子中に0.1〜1.22モル/100g含有し、重合度4〜10
0であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(イ)
成分のアルケニル基1個に対して(ロ)成分のケイ素原
子に結合した水素原子の数で0.5 〜5個となる量、及び (ハ)白金族金属系触媒 (イ)〜(ロ)の合計重量に対し白金金属換算で1ppm
以下となる量を含有してなる、光プラスチックファイバ
コア材用オルガノポリシロキサン組成物を提供するもの
である。
【0008】また、本発明は、該オルガノポリシロキサ
ン組成物の硬化物を用いたコア材と該硬化物よりも屈折
率が低いフッ素系樹脂を用いたクラッド材とからなるプ
ラスチック光ファイバを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳述する。 (オルガノポリシロキサン組成物)
【0010】(イ)アルケニル基含有オルガノポリシロ
キサン 本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、アルケニル
基含有オルガノポリシロキサンを必須成分とする。この
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、一分子中
にアルケニル基を少なくとも2個有する必要がある。こ
のアルケニル基の位置は、光ファイバに柔軟性を持たせ
るため、及び組成物の硬化を速くするため、オルガノポ
リシロキサン構造の末端に有すること、すなわち、トリ
オルガノシリル基におけるケイ素原子に結合したアルケ
ニル基であることが好ましい。特に、アルケニル基含有
オルガノポリシロキサンの合成の点では、一般式(2): −Si(CH 3 ) 2 X (2) 〔ここで、Xはアルケニル基を表す〕で示されるものが
好ましい。一般式(2) の構造(すなわちアルケニルジメ
チルシリル基)に含まれるアルケニル基Xとしては、ビ
ニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、
ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘ
キセニル基等の炭素原子数2〜8、特に炭素原子数2〜
4のアルケニル基が挙げられる。好ましくはビニル基で
ある。すなわち、一般式(2) の構造の好ましいものとし
て、下記の式: −Si(CH 3 ) 2 CH=CH 2 で示される構造が挙げられる。
【0011】該アルケニル基含有オルガノポリシロキサ
ン構造は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単
位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシ
リル基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサ
ンである。また、コア材としての硬化物を補強するため
に、該アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと相溶
性のある樹脂状のオルガノポリシロキサン、例えばトリ
オルガノシロキサン単位とSiO2 単位とを含有し、任
意にジオルガノシロキサン単位、モノオルガノシロキサ
ン単位を含有し得る三次元網状構造のシリコーンレジン
を含有してもよい。これらのアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンとして、例えば、以下の式:
【0012】
【化1】
【0013】ここで、 R1 は炭素原子数2〜8のアル
ケニル基であり、複数の R2 は同一でも異なってもよ
く、炭素原子数1〜12の置換又は非置換の、脂肪族不
飽和結合を除く一価の炭化水素基であり、kは0又は1
以上の整数であり、l及びmは1以上の整数である〕で
示される化合物が挙げられる。 R2 は、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、
キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチ
ル基等のアラルキル基;及びこれら炭化水素基が有する
水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基
(テトラクロロフェニル基、クロロフェニル基、クロロ
メチル基、ペンタフルオロブチル基、トリフルオロプロ
ピル基等)が挙げられる。これらの中で、アルキル基及
びアリール基が好ましく、特に好ましくはメチル基及び
フェニル基である。
【0014】アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
の重合度(すなわち、分子中のケイ素原子の数)は硬化
物の強度、柔軟性等の物性及び得られるオルガノポリシ
ロキサン組成物の低粘度性あるいは硬化性の点から、50
〜1000が好ましく、特に好ましくは100 〜500 である。
【0015】(イ)成分の好ましい例としては、下記の
式: ViMe2 SiO(Me2 SiO) a (MeViSiO) n SiMe 2 Vi 、 ViMe2 SiO(Me2 SiO) b (MePhSiO) c SiMe2 Vi、及び ViMe2 SiO(Me2 SiO) d (Ph2 SiO) e SiMe2 Vi ここで、Vi、Me及びPhはそれぞれビニル基、メ
チル基及びフェニル基であり、a,b,c,d及びeは
1以上の整数であり、nはそれぞれ0又は1以上の整数
である〕で示される化合物が挙げられる。これらは1種
単独でも2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0016】(ロ)オルガノハイドロジェンポリシロキ
サン 本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンを必須成分とする。このオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケ
イ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好まし
くは3個以上有し、かつ、該水素原子のうち平均1個以
上、好ましくは2個以上が、式(1) : −Si(CH 3 ) 2 H (1) で示される構造(すなわち、ハイドロジェンジメチルシ
リル基)を構成している必要がある。特に、オルガノポ
リシロキサン組成物の硬化を速くするため、式(1) の構
造を構成する水素原子の割合が高いことが好ましい。す
なわち、式(1)で示されるハイドロジェンジメチルシリ
ル基を、通常0.01〜1.22 mol/100g 、好ましくは0.05〜
1.2 mol/100g、より好ましくは0.1 〜1.2 mol/100g程度
の割合で分子中に含有するものを使用することができ
る。
【0017】該オルガノハイドロジェンポリシロキサン
として、例えば、下記の平均組成式: (R3 )a Hb SiO(4-a-b)/2 〔ここで、a及びbは正の数、かつ0.8 <a+b<3、
好ましくは0.01≦b≦0.8 、0.5 <a≦2、0.8 <a+
b≦2.4 を満足する数であり、 R3は炭素原子数1〜12
の脂肪族不飽和結合を除く置換又は非置換の一価炭化水
素基である〕で示される化合物が挙げられる。 R3 は、
( イ) 成分の R2 に例示したものと同様のものが挙げら
れる。
【0018】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの重合度(すなわち、分子中のケイ素原子の数)は、
硬化物の強度、柔軟性等の物性及び得られるオルガノポ
リシロキサン組成物の低粘度性、硬化性の点から、4〜
100 が好ましく、特に好ましくは20〜50である。
【0019】該オルガノハイドロジェンポリシロキサン
の例としては、下記の式: [HMe2 SiO1/2 ] a [SiO 2 ] b、 [HMe2 SiO1/2 ] c [PhSiO3/2 ] d及び [HMe2 SiO1/2 ] e [PhSiO3/2 ] f [SiO2 ] g
【0020】ここで、Meはメチル基であり、Phは
フェニル基であり、a,b,c,d,e,f及びgは
以上の整数であ〕で示される化合物を挙げることがで
きる。
【0021】(イ)成分に対する(ハ)成分の量は、該
組成物を加熱して付加架橋反応をさせたときに、所望の
弾性体となるように、(イ)成分のアルケニル基1個当
たり、(ロ)成分のケイ素原子に結合した水素原子の数
で0.5 〜5.0 個となる量が好ましく、特に好ましくは0.
8 〜2.0 個となる量である。
【0022】(ハ)白金族金属系触媒 (ハ)成分の白金族金属系触媒には、白金、パラジウ
ム、ロジウム等が挙げられ、好ましくは白金黒、塩化白
金酸等の白金系触媒であり、特に好ましくは塩化白金
酸、及びその錯体等の変性物である。塩化白金酸は、塩
化白金酸と(イ)成分及び(ロ)成分との相溶性を高め
るために、塩化白金酸のアルコール変性溶液、塩化白金
酸のシリコーン変性溶液等の溶液として用いることが好
ましい。(ハ)成分の白金系触媒の量は、通常、所謂触
媒量でよい。白金等は光ファイバの伝送損失を大きくす
るので、該組成物の合計重量に対して金属換算で1ppm
以下が好ましく、特に好ましくは0.01ppm 〜 0.1ppm で
ある。
【0023】その他の成分 本発明の組成物は、前記の付加架橋反応を制御する等の
ために、上述した(イ)成分〜(ハ)成分の他に反応抑
制剤等を添加してもよい。例えば、反応抑制剤は、触媒
の存在により室温でも行われる付加架橋反応を、100 〜
150 ℃の温度間で開始させる機能をもつ。これにより作
業性が高まる。該反応抑制剤としては、例えばアセチレ
ンアルコール類、3-メチル-3-ブチン-2-オール、2-メチ
ル-1-ペンチル-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-
オール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン−2,5 −ジオール、
3,6-ジメチル-4-オクチン−3,6-ジオール、2,4,7,9−テ
トラメチル-5-デシン−4,7 −ジオール等が挙げられ
る。この反応抑制剤の添加量に特に制限はなく、作業条
件に合わせて適宜決められればよい。
【0024】オルガノポリシロキサン組成物の調製 本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物は、上記
(イ)〜(ハ)成分及び必要に応じて他の添加剤を混合
することにより得られる。
【0025】この組成物の粘度が高いと、クラッド材で
あるフッ素系のチューブ等に該組成物を圧入するのに長
時間を要する。したがって、粘度は低いほうがよく、通
常、25℃において、10,000cp以下であり、望ましくは
500 〜 5,000cpである。
【0026】(プラスチック光ファイバの製造)本発明
に係るプラスチック光ファイバは、例えば次のようにし
て製造することができる。上述のように調製して得られ
たオルガノポリシロキサン組成物を、フィルターでろ
過、精製した後、プラスチック光ファイバのコア材に供
する。すなわち、該オルガノポリシロキサン組成物の硬
化物よりも屈折率が低いフッ素系樹脂のチューブ(クラ
ッド材)中に、このオルガノポリシロキサン組成物を圧
入する。次いで、該チューブを付加架橋反応に要する温
度まで昇温し、加熱することにより、ゴム弾性を有する
オルガノポリシロキサンに転化させる。
【0027】クラッド材として用いられるフッ素系樹脂
には、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニル
フルオライド、ポリビニリデンフルオライド、テトラフ
ルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体が挙
げられ、これらの中で好ましくはテトラフルオロエチレ
ン/ビニリデンフルオライド共重合体である。
【0028】以下、本発明を実施例及び比較例により具
体的に説明する。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕(1)ビニル基含有オルガノポリシロキサンの調製 分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され
(分子中のビニル基量は0.0106 mol/100g である)、ビ
ニル基以外にケイ素原子に結合した全有機基の16モル%
がフェニル基であり84モル%がメチル基である、平均重
合度200 の直鎖状のジオルガノポリシロキサンを、公知
の方法を用いて調製した。
【0030】(2)オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンの調製 まず、テトラメチルジハイドロジェンジシロキサン134
g(1モル)及びトリメトキシフェニルシラン264 g
(1.33モル)を反応容器に仕込み、次いで、温度25℃で
15分間攪拌した後、5℃以下に冷却した。こうして得ら
れた混合溶液に20重量%塩酸水溶液を90g滴下した。な
お、滴下の間は、該溶液の温度を15℃以下に保持した。
この塩酸水溶液の滴下後、15℃以下で6時間攪拌した。
こうして得られた反応溶液に、有機溶媒(トルエン)30
0 mL及び水350 gを添加し、有機層を分離した。この
有機層を洗浄後の洗浄液が中性になるまで水洗した。次
いで、この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥ろ過し、
温度110 ℃、圧力2mmHgでストリッピングし、無色透明
のポリシロキサンを得た。このポリシロキサン0.1 gを
n−ブタノール20gに溶解し、これに20重量%水酸化ナ
トリウム溶液を滴下し水素ガス発生量を測定したとこ
ろ、14.8mLであった。この結果、得られたポリシロキ
サンは、下記の平均組成式(A) : [HMe2 SiO 1/2 ] 0.605 [PhSiO 3/2 ]0.395 (A) 〔式中、Meはメチル基であり、Phはフェニル基であ
る〕で示されるもので、分子中に−Si(CH3 2
基を0.66 mol/100g の割合で含有するものであることが
わかった。このポリシロキサンをオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン−Aとする。
【0031】(3)オルガノポリシロキサン組成物の調
上記のビニル基含有ジオルガノポリシロキサン100 g、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン−A 2.44 g及
び塩化白金酸のオクチルアルコール溶液(組成物の合計
重量に対し白金換算で0.025 ppm)を混合し、オルガ
ノポリシロキサン組成物溶液を調製した。この組成物溶
液をオルガノポリシロキサン組成物−Aという。
【0032】(4)基準硬化物の調製 ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン100 g及びオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン−A2.44g及び塩化
白金酸のオクチルアルコール溶液(組成物の合計重量に
対し白金換算で3ppm)を混合し、オルガノポリシロ
キサン組成物溶液とした。次いで、アルミシャーレ(直
径60mm、深さ10mm)に組成物の厚みが6mmとなる
ように該溶液を流し込んだ。このシャーレを125 ℃に昇
温し、同温度で24時間保持して、オルガノポリシロキサ
ン組成物を硬化させた。これを基準硬化物という。次
に、JIS−K6301に従って、A型スプリング式硬さ試
験器で基準硬化物の硬さを測定した。以下の測定におい
て、硬化物の硬さを比較する標準とした。
【0033】(5)オルガノポリシロキサン硬化物の調
オルガノポリシロキサン組成物−Aを125 ℃の温度に昇
温し、その温度で表1に示すように0.5 〜24.0時間の様
々な時間保持し、該組成物を硬化させた。得られた硬化
物をオルガノポリシロキサン硬化物−Aという。次い
で、オルガノポリシロキサン硬化物−Aの硬化度を次式
により求めた。 硬化度(%)=(各時間の硬化物−Aの硬さ/基準硬化物の硬さ)×100 その結果を表1に示す。
【0034】(6)プラスチック光ファイバの作製 オルガノポリシロキサン組成物−Aを0.2 μmの口径を
有するフィルターでろ過し、次いで、得られたろ液を、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体のチューブ(内径1.5 mm、外径2mm)に圧入
した。こうして得られたチューブを125 ℃に昇温し、同
温度で2時間保持してプラスチック光ファイバを作製し
た。同様の操作で、6時間及び12時間保持させたプラス
チック光ファイバを作製した。
【0035】(7)プラスチック光ファイバの伝送損失
の測定 波長660 nmのLED光源を用いて、上述のプラスチッ
ク光ファイバ5mに対して、1mカットバックする方法
で該プラスチック光ファイバの伝送損失を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0036】〔実施例2〕テトラメチルジハイドロジェ
ンジシロキサン134 g(1モル)、トリメトキシフェニ
ルシラン198 g(1モル)及びテトラメトキシシラン5
0.7g(0.33 モル)並びに20重量%塩酸水溶液97.3g使用
した以外は、実施例1(2)と同様の条件を用いて、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン−Bを調製した。
この化合物の水素ガス発生量を実施例1(2)と同様に
測定したところ、16.1mLであった。この結果より、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン−Bは、下記の平
均組成式(B) : [HMe2 SiO1/2 ] 0.608 [PhSiO 3/2 ] 0.295 [SiO 2 ] 0.097 (B) で示されるもので、分子中に−Si(CH3 2 H基を
0.72 mol/100g の割合で含有するものであることがわか
った。
【0037】次に、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サン−Bを表1に示す量用いた以外は、実施例1(3)
と同様の条件で、オルガノポリシロキサン組成物溶液を
調製した。この溶液をオルガノポリシロキサン組成物−
Bとする。
【0038】次に、オルガノポリシロキサン組成物−A
の代わりにオルガノポリシロキサン組成物−Bを用いた
以外は、実施例1(4)と同様の操作により基準硬化物
を調製した。さらに、オルガノポリシロキサン組成物−
Bを用いた以外は、実施例1(5)と同様にして、種々
の加熱時間の硬化物を調製し、硬化度を測定した。その
結果を表1に示す。また、実施例1(6)及び(7)と
同様の操作で、プラスチック光ファイバの作製及びその
伝送損失の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0039】〔実施例3〕テトラメチルジハイドロジェ
ンジシロキサン134 g(1モル)及びテトラメトキシシ
ラン76g(0.5 モル) 並びに20重量%塩酸水溶液48.44
g使用した以外は、実施例1(2)と同様の条件を用い
て、オルガノハイドロジェンポリシロキサン−Cを調製
した。この化合物の水素ガス発生量を実施例1(2)と
同様に測定したところ、26.4mLであった。この結果よ
り、オルガノハイドロジェンポリシロキサン−Cは、下
記の平均組成式(C) : [HMe2 SiO1/2 ] 0.772 [SiO2 ] 0.228 (C) で示されるもので、分子中に−Si(CH3 2 H基を
1.18 mol/100g の割合で含有するものであることがわか
った。
【0040】オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
Cを表1に示す量用いた以外は実施例1(3)と同様の
条件で、オルガノポリシロキサン組成物溶液を調製し
た。この組成物溶液をオルガノポリシロキサン組成物−
Cとする。
【0041】次に、オルガノポリシロキサン組成物−A
の代わりにオルガノポリシロキサン組成物−Cを用いた
以外は、実施例1(4)と同様の操作により基準硬化物
を調製した。さらに、オルガノポリシロキサン組成物−
Cを用いた以外は、実施例1(5)と同様にして、種々
の加熱時間の硬化物を調製し、硬化度を測定した。その
結果を表1に示す。また、実施例1(6)及び(7)と
同様の操作で、プラスチック光ファイバの作製及びその
伝送損失の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0042】〔比較例1〜3〕 オルガノジシロキサン、環状シロキサン及び酸触媒を用
いて、公知の方法により平衡化重合し、下記の平均構造
式(D )〜(F ):
【0043】
【化3】 〔ここで、−Si(CH3 2 H基の含有量は、0.14 m
ol/100g である〕
【0044】
【化4】 〔ここで、−Si(CH3 2 H基の含有量は、0.067
mol/100g である〕
【0045】
【化5】 〔すなわち、−Si(CH3 2 H基を含有しないも
の〕
【0046】に示されるメチルハイドロジェンポリシロ
キサン−D、−E及びFを調製した。メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン−D、−E及びFのそれぞれについ
て、表1に示す量用いた以外は、実施例1(3)と同様
の条件で、オルガノポリシロキサン組成物溶液を調製し
た。これらの溶液を、それぞれオルガノポリシロキサン
組成物−D、−E、−Fとする。
【0047】次に、オルガノポリシロキサン組成物−
D、−E及び−Fのおのおのについて、オルガノポリシ
ロキサン組成物−Aの代わりにオルガノポリシロキサン
組成物−D、−E又は−Fを用いた以外は、実施例1
(4)と同様の操作により、基準硬化物を調製した。さ
らに、オルガノポリシロキサン組成物−D、−E又は−
Fを用いた以外は、実施例1(5)と同様にして、種々
の加熱時間の硬化物を調製し、硬化度を測定した。ただ
し、オルガノポリシロキサン組成物−Fを125 ℃の温度
で、表1に示すような種々の時間保持しても硬化しなか
った。したがって、オルガノポリシロキサン組成物−F
の硬化後の硬化度は測定できなかった。結果を表1に示
す。また、実施例1(6)及び(7)と同様の操作で、
プラスチック光ファイバの作製及びその伝送損失の測定
を行った。その結果を表2に示す。
【0048】〔比較例比較例1 の白金触媒量を0.025 ppm から3ppm に変えた
以外は、同様の操作によりオルガノポリシロキサン組成
物の調整、硬化物の作製、及びプラスチック光ファイバ
の作製並びに硬化度及び伝送損失の測定を行った。その
結果を表1及び表2に示す。
【0049】
【表1】 *触媒:塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(各
実施例組成物に対する白金換算量)
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物
は、架橋硬化反応が速くなり、低濃度の白金触媒でも短
時間で硬化させることができる。このオルガノポリシロ
キサン組成物の硬化物は、伝送損失が小さく、耐熱性に
優れるため、プラスチック光ファイバ用コア材として有
用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)一分子中にアルケニル基を少なくと
    も2個有する直鎖状のオルガノポリシロキサン、 (ロ)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
    くとも2個有し、該水素原子のうち平均1個以上が、式
    (1): −Si(CH 3 ) 2 H (1) で示されるハイドロジェンジメチルシリル基を構成して
    おり、かつ、H(CH 3 ) 2 SiO 1/2 単位と、PhSiO 3/2 単位及び
    /又はSiO 2 単位とを含有し(但し、Phはフェニル基であ
    る。また、[H(CH 3 ) 2 SiO 1/2 ]/[SiO 2 ]=4の場合を除く)、
    前記式(1)で示されるハイドロジェンジメチルシリル基
    を分子中に0.1〜1.22モル/100g含有し、重合度4〜10
    0であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(イ)
    成分のアルケニル基1個に対して(ロ)成分のケイ素原
    子に結合した水素原子の数で0.5 〜5個となる量、及び (ハ)白金族金属系触媒 (イ)〜(ロ)の合計重量に対し白金金属換算で1ppm
    以下となる量を含有してなる、光プラスチックファイバ
    コア材用オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 前記(イ)成分のアルケニル基が、式: −Si(CH 3 ) 2 X 〔ここで、Xはアルケニル基を表す〕示される構造を構
    成している、請求項1に記載の光プラスチックファイバ
    コア材用オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のオルガノポリシロキサ
    ン組成物の硬化物を用いたコア材と、該硬化物よりも屈
    折率が低いフッ素系樹脂を用いたクラッド材とからなる
    プラスチック光ファイバ。
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