JP3178828B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は磁気記録媒体の製造方法に関し、特に塗布型
の磁気記録媒体の製造方法に使用される鉄を主成分とす
る金属磁性粉の改良に関する。
<従来の技術> 磁気記録の高密度化が要望されており、このような要
求に適した磁気記録媒体としては、保磁力が高く、しか
も飽和磁化が大きいことが要求される。
このため、8ミリビデオやDAT等の磁気記録媒体で
は、鉄を主成分とし保磁力が高く、飽和磁化が大きい金
属磁性粉が磁性層に用いられ、実用化されている。
また、さらに高い保磁力や飽和磁化を有する金属磁性
粉であって、表面に金属化合物を被着したものが知られ
ている。
例えば、特開昭58−60506号公報には、γ−Fe2O3等の
酸化物磁性粉を芯材とするものではあるが、Cu、Ag、A
l、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Sb、Cr、Mo、WおよびNi
の水酸化物の少なくとも1種以上を表面に含有する磁性
粉が開示されている。
そして、特開昭59−159904号公報には、Zr化合物を被
着した金属磁性粉、同59−162205号公報には、Zr化合物
とSi化合物をそれぞれ被着した金属磁性粉が開示されて
いる。
そして、同64−57701号公報には、Zr化合物およびAl
化合物と、Ni化合物および/またはCu化合物をそれぞれ
被着した金属磁性粉が開示されている。
これらはいずれもγ−Fe2O3やα−FeOOHの原料粒子の
スラリーに各化合物の水溶液を添加し、原料粒子に化合
物を被着したのち、還元反応を行ない金属磁性粉化した
ものである。そして、複数の化合物を複合して被着する
ときには、各化合物の水溶液を別々に調整し、各化合物
ごとに被着している。
一方、例えば8ミリビデオでは、さらに高い出力や、
S/N、C/Nの改善等が要求されている。
そこで、このような要求に対応するため、媒体の表面
性を良くし、スペーシングロスを少なくして、出力やS/
N、C/Nを向上させる試みが行われている。この場合媒体
を製造する際、カレンダー加工の条件をかえることによ
って、表面を平滑化することが可能である。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前記公報に示されるような金属磁性粉を用い
た磁気記録媒体では、表面性を良くすると、走行時の摩
擦係数μが、大幅に増加してしまう。
このため、安定した走行を行うことが困難であり、媒
体の耐久性が低下してしまう。
特に、この場合、低温下や、高温高湿下では、走行耐
久性の低下が顕著となる。
本発明の目的は金属磁性粉を改良することにより保磁
力や飽和磁化が高く、高密度記録に適した媒体であり、
しかも、表面性に優れ、摩擦係数μが小さく、走行耐久
性に優れた磁気記録媒体の製造方法を提供することにあ
る。
<目的を解決するための手段> このような目的は下記(1)、(2)の本発明によっ
て達成される。
(1)非磁性支持体上に、鉄を主成分とする金属磁性粉
を含む磁性層を有する磁気記録媒体の製造方法であっ
て、 前記金属磁性粉が、含水酸化鉄または酸化鉄の粉末を
出発原料とし、この粉末の表面にZr化合物と、Al化合物
と、Si化合物とを被着した後、還元性雰囲気中で、還元
した金属磁性粉であり、 前記Zr化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Zr換
算で0.01〜5重量%被着されており、 前記Al化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Al換
算で0.1〜8重量%被着されており、 前記Si化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Si換
算で0.1〜8重量%被着されている金属磁性粉を用いた
磁気記録媒体の製造方法。
(2)前記出発原料のスラリーに、前記Zr化合物と、Al
化合物と、Si化合物とを含む水溶液を添加混合して被着
を行なった金属磁性粉を用いた上記(1)の磁気記録媒
体の製造方法。
<作用> 本発明では、含水酸化鉄粉末または酸化鉄粉末を出発
原料とし、この表面に、少なくともZr化合物、Al化合物
およびSi化合物の3種を被着させた後、還元性雰囲気中
で還元することにより得られた金属磁性粉末を用いる。
このため、媒体の表面性が良くしても、小さい摩擦係
数μを得ることができる。
そして、常温下はもとより、低温下や、高温高湿下で
も高い走行耐久性を示す。また、保磁力や飽和磁化が高
く、高密度記録に適した媒体が実現する。
さらに、媒体の表面性が優れるため高い出力と、高い
S/NやC/Nが得られる。
このような効果の生じる原因は明確でない。
しかし、このような効果は、含水酸化鉄粉末や酸化鉄
粉末を出発原料とした場合であって、Zr化合物とAl化合
物とSi化合物との3者を併用することによってのみ選択
的に実現する。
なお、特開昭63−306526号公報には、金属磁性粉末お
よび/または窒化鉄磁性粉に、Al有機化合物、Ti有機化
合物、Zr有機化合物およびSi有機化合物の少なくとも1
種以上を含有する金属磁性粉が開示されている。
しかし、本発明とは異なり、出発原料として、金属磁
性粉や窒化鉄磁性粉を使用している。このため本発明に
よって得られる選択的効果、すなわち媒体の表面性を良
くしても小さい摩擦係数μが得られ、走行耐久性が向上
するという効果は実現しない。
そして、Al、Zr、Siの各化合物を併用した実施例も存
在しない。
さらには、Al等の有機化合物を混合するため、有機溶
媒を使用している。このため、廃棄物の処理等の製造上
の不都合もある。
また、特開昭62−156209号公報には、オキシ水酸化鉄
および/または酸化鉄を出発原料とし、この表面にZr化
合物を被着処理した後、Si化合物、P化合物、Al化合物
およびB化合物の少なくとも一種で被着処理した金属磁
性粉が開示されている。
しかし、Zr化合物と、Al化合物と、Si化合物を併用し
た具体例は示されていない。
しかも本発明によって得られる選択的効果は、示唆す
らされていない。
<発明の具体的構成> 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明では、鉄を主成分とし、Zr化合物と、Al化合物
と、Si化合物とを被着した金属磁性粉を用いる。
この場合、本発明の金属磁性粉の出発原料、すなわち
Zr化合物とAl化合物とSi化合物を被着する原料粉の材質
としては、含水酸化鉄または酸化鉄を使用する。
この場合、出発原料に金属磁性粉を用いてこれに、上
記の化合物を直接被着しても本発明の効果は得られな
い。
本発明の出発原料としては、例えば、α−FeOOH(Goe
thite),β−FeOOH(Akaganite),γ−FeOOH(Lepido
crocite)等のオキシ水酸化鉄や; α−Fe2O3,γ−Fe2O3,Fe3O4,γ−Fe2O3−Fe3O4(固溶
体)等の酸化鉄や; これらにCo,Mn,Ni,Ti,Bi,Mo,Ag等の金属の1種または
2種以上がドープされたもの等が挙げられる。
出発原料の形態は任意であり、は針状形態あるいは粒
状形態のものでも良く、磁気記録媒体として用いる用途
によって選択される。特に、ビデオテープやオーディオ
テープに使用する場合は針状形態のものが好ましく平均
長軸長lが0.1〜0.5μm、平均短軸長dが0.01〜0.035
μmのものが好ましい。
また、平均軸比l/dが3〜40であるものが好ましい。
本発明では、このような鉄を含有する出発原料に、一
般に、それぞれ水溶性のZr化合物と、Al化合物と、Si化
合物を被着ないし吸着させる。
この場合、Zr化合物のみ、Al化合物のみ、Si化合物の
み、あるいはZr化合物、Al化合物およびSi化合物から選
ばれる2種の組合せ、さらにはこれらと他の化合物の組
み合わせでは、本発明の効果は実現しない。
用いるZr化合物としては、公知の何れのものも用いる
ことができ、例えば、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニ
ウム、ジルコニルクロライド、酢酸ジルコニル、水酸化
ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジルコニ
ウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、ZrO(C8H15O2
等の有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
そして、1種あるいは2種以上のZr化合物を用いるこ
とができる。なお、2種以上用いる場合の各Zr化合物の
量比は任意である。
Al化合物としては、公知の何れのものも用いることが
でき、例えば、アルミン酸ナトリウム、メタアルミン酸
ナトリウム等が挙げられる。
そして、1種あるいは2種以上のAl化合物を用いるこ
とができる。なお、2種以上を用いる場合の各Al化合物
の量比は任意である。
Si化合物としては、公知の何れのものも用いることが
でき、例えば、ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
そして、1種あるいは2種以上のSi化合物を用いるこ
とができる。なお、2種以上を用いる場合の各Si化合物
の量比は任意である。
これらZr化合物、Al化合物およびSi化合物としては、
上述の特開昭58−60506号公報、同59−159904号公報、
同59−162205号公報、同62−156209号公報、同64−5770
1号公報等に記載のものはいずれも使用可能である。
本発明においては、まず出発原料の原料粉を水中に投
入し、撹拌し、原料粉のスラリーを調製する。
スラリー中の原料粉の濃度は、通常1〜10重量%程度
とする。
次いで、これにZr化合物、Al化合物およびSi化合物の
水溶液を添加し、反応させる。
反応は、10〜30℃にて30〜120分間程度混合液を撹拌
すればよい。
Zr化合物、Al化合物およびSi化合物は、上記諸公報に
記載されているように、化合物ごとに別々に水溶液を調
製し、各化合物別々に被着することもできる。
ただし、各化合物を同時に添加した水溶液を調製し、
これを用いると、表面平滑性が向上し、摩擦係数が減少
し、特に低温下での走行耐久性が向上し、本発明の効果
は、より一層高いものとなる。
これら各化合物の同時添加および同時被着による本発
明の効果増大の理由は明らかではないが、被着時のミク
ロな被着状態の違いに起因しているのであろうと考えら
れる。
すなわち、本発明では、Zr、AlおよびSiの各化合物を
同時に含有する水溶液を添加することが好ましい。
Zr化合物、Al化合物およびSi化合物の添加量は、出発
原料のFeに対し、それぞれの元素換算で、 Zr化合物は、0.01〜5重量%、より好ましくは0.02〜
4重量%、最も好ましくは0.05〜2重量%程度、 Al化合物は、0.1〜8重量%、より好ましくは0.2〜7
重量%、最も好ましくは0.5〜5重量%程度、 Si化合物は、0.1〜8重量%、より好ましくは0.2〜7
重量%、最も好ましくは0.5〜5重量%程度である。
なお、本発明では、出発原料の原料粉に対し、Zr化合
物と、Al化合物と、Si化合物に加え、他の金属化合物の
1種以上を付着させてもよい。このような場合の金属と
しては、Zn、Mn、Ni等が挙げられる。なお、被着量は、
金属磁性粉中の鉄に対し、金属元素換算で5重量%程度
以下が好ましい。
なお、原料粉スラリーに添加する添加水溶液中の各化
合物の濃度は、総計で2〜12%程度とする。
また、添加水溶液には、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等を添加して、pH8〜13程度とすることが好まし
い。
所定時間撹拌後、別し、洗浄、乾燥を行なう。
このようにして、Zr化合物とAl化合物とSi化合物とを
吸着ないし被着させた粉末は、次いで還元性ガス気流中
で加熱還元される。
この場合、加熱還元雰囲気としては、水素ガス雰囲気
が一般的である。
また、還元は、加熱温度450〜550℃程度、加熱時間5
〜8時間程度で行なえばよい。
このようにして、鉄あるいは鉄を主成分とする磁性粒
子の表面付近に、Zr化合物とAl化合物とSi化合物が付着
した本発明の金属磁性粉がえられる。
本発明の金属磁性粉において、Zr、AlおよびSiは、Zr
化合物やAl化合物やSi化合物の形のままで、あるいはZr
酸化物やAl酸化物Si酸化物、Zr水酸化物やAl水酸化物や
Si水酸化物等となって、さらには、Fe−Zr合金、Fe−Al
合金、Fe−Si合金、Fe−Zr−Al−Si合金等となって、被
着ないし吸着されている。
この場合、通常はZr、AlおよびSiは、原料化合物、酸
化物、水酸化物、合金の1種あるいは任意の組み合わせ
の状態で存在する。そして、いずれの場合であっても本
発明の効果は実現する。
このような場合、Zrは、金属磁性粉の鉄に対し、0.01
〜5重量%、より好ましくは0.02〜4重量%、最も好ま
しくは0.05〜2重量%含有させることが好ましい。
前記範囲未満では、摩擦係数μが増大する傾向にあ
る。
前記範囲をこえると表面粗度が増大する傾向にある。
Alは、金属磁性粉の鉄に対し、0.1〜8重量%、より
好ましくは0.2〜7重量%、最も好ましくは0.5〜5重量
%含有させることが好ましい。前記範囲外では本発明の
効果が減少する傾向にある。
また、Siは、金属磁性粉の鉄に対し0.1〜8重量%、
より好ましくは0.2〜7重量%、最も好ましくは0.5〜5
重量%含有させることが好ましい。前記範囲外では、本
発明の効果が減少する傾向にある。
なお、他の金属例えば、Zn、Mn、Ni等の1種以上を鉄
に対し、5重量%程度以下含有していてもよい。
また、金属磁性粉は、表面に酸化被膜を有するもので
あってもよい。
このような酸化被膜をもつ金属磁性粉を用いた磁気記
録媒体は、温度湿度等の外部環境による磁束密度の低
下、磁性層のサビの発生による特性劣化に有利である。
本発明に用いる金属磁性粉は針状形態あるいは粒状形
態のものであり、磁気記録媒体として用いる用途に従い
選択される。ビデオテープ寸法の磁気テープに使用する
場合は針状形態のものが好ましく、平均長軸長lが0.1
〜0.5μm、平均短軸長dが0.01〜0.035μmのものが好
ましい。
また、平均軸比l/dが3〜40であるものが好ましい。
このような、金属磁性粉は、1100〜2000Oe程度の保磁
力と、110〜150emu/g程度の残留磁化を有する。
本発明では、通常このような金属磁性粉のみを用いて
磁性層を形成するが、もし必要であるならば、他の磁性
粉、例えば金属磁性粉や酸化物磁性粉等を50重量%以下
併用してもよい。
金属磁性粉を磁性塗料とする際に用いるバインダー
は、熱可塑性バインダー、熱硬化性バインダー、電子線
硬化性バインダー等を用いることができる。
そして、金属磁性粉とバインダーとの混合比は、金属
磁性粉の重量をWM、バインダーの重量をWBとした場合、
WM/WBが1/2〜8/1程度とする。
いずれのバインダーを用いる場合においても、必要に
応じて各種帯電防止剤、潤滑剤、分散剤、研磨剤、塗膜
強度補強添加剤等を用途に合わせて使用することが有効
である。
なお、磁性層の厚さは、0.5〜6μm程度とする。特
に、8ミリビデオテープの場合は、2.7〜3.5μm程度が
好ましい。
また、磁性層の保磁力は1100〜2500Oe、残留磁束密度
は1500〜3500G程度である。
このような磁性層を塗設する非磁性支持体は、従来公
知の材質のいずれであってもよい。そして、本発明の媒
体は、支持体の一方の面または両面にこのような磁性層
を有するものである。
なお、必要に応じ、下地層、バックコート層等が設け
られていてもよい。
また、本発明の媒体はテープ、ディスク等いずれであ
ってもよい。
このようにして製造された本発明の磁気記録媒体、例
えば8ミリビデオテープの場合は、摩擦係数μが0.20〜
0.35であることが好ましい。
摩擦係数μが0.35をこえると安定した走行が困難であ
り、走行ストップ等が起こりやすい。0.20未満であると
テープのエッジ折れが起こりやすい。
摩擦係数μの測定は、下記のとおり行えばよい。
固定したSUS304製のピンに、テープを巻き付け角180
度に巻き付ける。
この場合、テープを走行させるとき、固定ピンを基準
として、巻き取り側のテープにかかる張力をT1、送り出
し側のテープにかかる張力をT0とする。
次いで、T0を10g、走行速度を14.3mm/秒としたときの
T1の初期値を測定し、次式から求める。
式 μ={loge(T1/T0)}/π また、テープの表面粗度R20は、摩擦係数μが0.20〜
0.35であれば特に問題とならないが、0.035μm以下で
あることが好ましい。
R20が0.035μmをこえるとスペーシングロスが大きく
なるため、電磁変換特性、例えば出力やS/N、C/N等が低
下する傾向にある。
R20の測定は、JIS B 0601に記載されている10点平
均粗さR10に準じて行えばよい。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 出発原料として、針状α−FeOOH 100gを6の水に
投入し、撹拌機で混合・撹拌し、スラリーを得た。
α−FeOOHは、平均長軸長lが0.35μm、平均短軸長
dが0.015μmであり、平均軸比l/dが23のものを用い
た。
これとは別に、原料中のFeに対しAl換算で5.0重量%
のアルミン酸ナトリウムと、原料中のFeに対しZr換算で
0.5重量%のオキシ塩化ジルコニウムと原料中のFeに対
しSi換算で0.5重量%のケイ酸ナトリウムとを用意し、
これに水を加え1の水溶液とした。これに、予め1mol
/のNaOH水溶液を1加え、撹拌混合した。
前記スラリーに、この水溶液を添加混合し、室温に
て、1時間撹拌した後、別、洗浄、乾燥を行った。
このようにして、表面にアルミン酸ナトリウムとオキ
シ塩化ジルコニウムとケイ酸ナトリウムが被着されてい
るα−FeOOHを50g採取し、温度470℃、水素流量1.5/
分で6時間かけて還元した。
次いで、室温まで冷却した後、10分間トルエン溶液に
空気を吹込みながら、これを浸漬し、風乾した。
なお、得られた金属磁性粉を塩酸で溶かし、化学分析
を行ったところ、Feに対するAlの量は、4.3重量%、Zr
の量は、0.42重量%、Siの量は、0.45重量%であった。
また、ESCA等の結果から、Zr、Al、Siの一部はFeと結
合しており、また一部は水酸化物、酸化物等とに存在し
ていると推定された。
このようにして得られた金属磁性粉を用いて下記に示
される配合比で磁性塗料を調製した。
金属磁性粉 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(UCC社製VAGH) 10重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製N−2304) 10重量部 低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタ
ン社製 コロネートL) 5重量部 ステアリン酸 0.2重量部 レシチン 0.5重量部 Al2O3 5重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 メチルイソブチルケトン 50重量部 この磁性塗料を10μm厚のポリエステルフィルム上に
塗布し、配向、カレンダー加工後、熱硬化した。磁性層
の最終厚みは3.0μmとした。
これをスリッターにより8mm幅に切断して、磁気記録
テープサンプルNo.1を作製した。
また、下記のように添加する化合物あるいはその量比
をかえて金属磁性粉を製造し、これから磁気記録テープ
サンプルNo.2〜No.8、比較用サンプルNo.9〜No.15をNo.
1と同様に作製した。なお、サンプルNo.4のみは、出発
原料として針状のα−Fe2O3を用いた。
サンプルNo.2(本発明): 原料のFeに対し、Al換算で0.5重量%のアルミン酸ナ
トリウムと、Feに対しZr換算で0.05重量%のオキシ塩化
ジルコニウムと、Feに対しSi換算で5.0重量%のケイ酸
ナトリウムを添加。
サンプルNo.3(本発明): 原料のFeに対しAl換算で3.0重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しZr換算で2.0重量%のオキシ塩化ジ
ルコニウムと、Feに対しSi換算で1.0重量%のケイ酸ナ
トリウムを添加。
サンプルNo.4(本発明): 出発原料 針状α−Fe2O3 平均長軸長l:0.25μm 平均短軸長d:0.020μm 平均軸比l/d:12.5 原料のFeに対しAl換算で1.5重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジ
ルコニウムと、Feに対しSi換算で3.0重量%のケイ酸ナ
トリウムを添加。
サンプルNo.5(本発明): 原料のFeに対しAl換算で5.0重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジ
ルコニウムと、Feに対しSi換算で0.5重量%のケイ酸ナ
トリウムと、Feに対しZn換算で2.0重量%の硫酸亜鉛を
添加。
サンプルNo.6(本発明): 原料のFeに対しAl換算で2.0重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジ
ルコニウムと、Feに対し、Mn換算で0.5重量%の硫酸マ
ンガンと、Feに対しSi換算で1.0重量%のケイ酸ナトリ
ウムを添加。
サンプルNo.7(本発明): 原料のFeに対しAl換算で2.0重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジ
ルコニウムと、Feに対しNi換算で0.5重量%の硫酸ニッ
ケルと、Feに対し、Si換算で1.0重量%のケイ酸ナトリ
ウムを添加。
サンプルNo.8(本発明): サンプルNo.1において、添加水溶液を各化合物ごとの
水溶液とし、各化合物ごとに水溶液の添加混合、別、
乾燥を行ない、Zr、Si、Alの順で各化合物を被着した。
サンプルNo.9(比較): 原料のFeに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジル
コニウムのみを添加。
サンプルNo.10(比較): 原料のFeに対しAl換算で5.0重量%のアルミン酸ナト
リウムのみを添加。
サンプルNo.11(比較): 原料のFeに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジル
コニウムと、Feに対しSi換算で2.0重量%のケイ酸ナト
リウムを添加。
サンプルNo.12(比較): 原料のFeに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジル
コニウムと、Feに対しAl換算で5.0重量%のアルミン酸
ナトリウムを添加。
サンプルNo.13(比較): 原料のFeに対しAl換算で2.0重量%のアルミン酸ナト
リウムと、Feに対しSi換算で1.0重量%のケイ酸ナトリ
ウムを添加。
サンプルNo.14(比較): 原料のFeに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジル
コニウムと、Feに対しAl換算で3.0重量%のアルミン酸
ナトリウムと、Feに対しNi換算で1.0重量%の硫酸ニッ
ケルを添加。
サンプルNo.15(比較): 原料のFeに対しZr換算で0.5重量%のオキシ塩化ジル
コニウムと、Feに対しAl換算で3.0重量%のアルミン酸
ナトリウムと、Feに対しTi換算で1.0重量%のチタン酸
ナトリウムを添加。
なお各サンプルに用いた金属磁性粉を化学分析したと
ころ、Feに対するZr、Al、Si、Zn、Mn、NiおよびTiの含
有量は、添加時と比較すると若干少なくなっており、そ
の割合は、サンプルNo.1で示した割合とほぼ同等であっ
た。
各サンプルの表面粗度R20、摩擦係数μおよび低温
(−10℃)と高温高湿(40℃−80%RH)における走行耐
久性を測定した。
(表面粗度R20) JIS B 0601に記載されている10点平均粗さR10に準
じて行う。
(摩擦係数μ) 固定したSUS304製のピンに、テープを巻き付け角180
度に巻き付ける。
ここで、テープを走行させるとき、固定ピンを基準と
して、巻き取り側のテープにかかる張力をT1、送り出し
側のテープにかかる張力をT0とする。
次いで、T0を10g、走行速度を14.3mm/秒としたときの
T1の初期値を測定し、次式から求める。
式 μ={loge(T1/T0)}/π (走行耐久性) 低温(−10℃)および高温高湿(40℃−80%RH)下
で、VTR100パス走行を行う。
この際、磁気ヘッドの目づまり、出力劣化、出力変動
等を不具合とする。
1サンプル36巻それぞれにつき100パス走行を行ない3
6巻中の100パス走行時の不具合発生巻数を計数し、下記
の判定基準で評価した。
判定基準 ◎:不具合発生率 0% ○:不具合発生率 0%をこえ、10%以下 △:不具合発生率 10%をこえ、20%以下 ×:不具合発生率 20%をこえる 結果は表1に示されるとおりである。
表1により本発明の効果が明らかである。
すなわち、比較サンプルNo.9〜No.15はすべて摩擦係
数μが0.35をこえ、86ミリビデオテープとしては実用に
耐えないことが確認された。
例えばZr単独添加のサンプルNo.9では表面性が悪く、
摩擦係数μも高い。一方、Al単独のサンプルNo.10では
表面性は改善されるが、摩擦係数μは逆に増大してしま
う。
またNo.11、12のようにZrとAlの併用、ZrとSiの併用
では表面粗度R20の数値に比して摩擦係数μが高くなっ
ている。
そして比較サンプルは、すべて、走行耐久性が悪く、
特に低温下でその傾向が顕著である。
これに対し、本発明のサンプルは、表面粗度が向上し
ても、摩擦係数μがきわめて低いレベルとなっている。
さらに走行耐久性も改善され、特に低温下の走行耐久
性の改善は特筆されるレベルである。
なお、サンプルNo.1と8との比較から本発明の各化合
物は同時に被着することが好ましいことがわかる。
また、出発原料をα−Fe2O3とした場合も、上記と同
等の結果が得られた。
<発明の効果> 本発明の磁気記録媒体は、保磁力や飽和磁化が高く、
高密度記録に適する。
そして、媒体の表面性が優れるため、高い出力と、高
いS/NやC/Nが得られる。
さらに、表面性を良くしても摩擦係数μは十分小さ
い。このため、安定した走行を行うことができ、媒体の
耐久性も向上する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、鉄を主成分とする金属
    磁性粉を含む磁性層を有する磁気記録媒体の製造方法で
    あって、 前記金属磁性粉が、含水酸化鉄または酸化鉄の粉末を出
    発原料とし、この粉末の表面にZr化合物と、Al化合物
    と、Si化合物とを被着した後、還元性雰囲気中で、還元
    した金属磁性粉であり、 前記Zr化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Zr換算
    で0.01〜5重量%被着されており、 前記Al化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Al換算
    で0.1〜8重量%被着されており、 前記Si化合物が、前記金属磁性粉中の鉄に対し、Si換算
    で0.1〜8重量%被着されている金属磁性粉を用いた磁
    気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記出発原料のスラリーに、前記Zr化合物
    と、Al化合物と、Si化合物とを含む水溶液を添加混合し
    て被着を行なった金属磁性粉を用いた請求項1の磁気記
    録媒体の製造方法。
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