JP3178545B2 - ポリマー分散体の製造方法 - Google Patents

ポリマー分散体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー成分の連続相
への分散を渦流式分散機により行うことを特徴とする、
特定の粒径並びに狭い粒度分布を有するポリマー分散体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機無機を問わず、微粒子あるい
は超微粒子が様々な分野で注目を集めている。ポリマー
粒子の場合、1μm以下のサブミクロンの微粒子はエマ
ルジョン、ラテックスなどと言った形で古くから実用化
されてきている。
【0003】1μm以上、100μm以下のミクロン単
位の粒子は、エマルジョン、ラテックスなどのサブミク
ロンの微粒子と比較して従来余り研究されていなかった
が、近年、電子写真用トナー、トナーキャリヤ、化粧
品、診断薬担体、樹脂改質剤、塗料用添加剤、印刷イン
キ用添加剤等に有用であることが判り、いわゆる機能性
微粒子として様々な研究、開発が行われ始めている。
【0004】また、近年開発されてきた界面重合法によ
り合成されるポリウレタンポリ尿素粒子においては、艶
消し塗料として使用される他、顔料を内包させたものを
塗料中に配合する等、いわゆる感性塗料として多く利用
され始めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの利用分野にお
いて、粒径1μm以上、100μm以下で、かつ粒子粒
度分布の狭い粒子が望まれており、従来、分散重合法、
ドロップレット微小化法、一段または二段膨潤法等の方
法が提案され来たものの、工業的に効率良く安価に該粒
子ポリマー粒子を製造する方法は知られていなかった。
【0006】特に、ポリウレタンポリ尿素粒子において
は、原料があらかじめオリゴマー化されている、プレポ
リマー法とでも呼ぶべき方法であるため、粒度分布を狭
く制御することは特に困難であり、いったん重合して得
られた、粒度分布の広い粒子を様々な方法で分級、ある
いは篩分けし、目的とする分布を有する粒子を低収率で
得ているのが現状であり、ミクロン単位の粒子を、重合
の段階で粒度分布を制御し得る製造方法が嘱望されてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き課題に照準を合わせて、鋭意、検討を行っ
た結果、ミクロン単位のポリマー粒子を工業的に安価
に、かつ効率的な製造方法である、重合時において狭い
粒度分布を得る方法を見出だし、本発明を完成するに到
った。
【0008】
【構成】即ち、本発明は、ポリマー成分を渦流式分散機
で連続相へ分散し、次いで該ポリマー成分を重合してポ
リマー粒子を形成することを特徴とする、ポリマー分散
体の製造方法であり、更に詳しくは、連続相が水である
ことを特徴とする、ポリマー分散体の製造方法であり、
ポリマー粒子の平均粒径が、1〜100μmであること
を特徴とする、ポリマー分散体の製造方法であり、ポリ
マー粒子の粒度分布をワイブル分布に適用した場合の形
状母数が1.5以上であることを特徴とする、ポリマー
分散体の製造方法である。また該ポリマー粒子がポリウ
レタンポリ尿素粒子であることを特徴とするポリマー分
散体の製造方法である。
【0009】
【0010】まず、本発明の最も主要な部分である渦流
式分散機について説明する。渦流式分散機とは、米国特
許4、142、806(1979年)にて示されている
流体剪断装置を言い、本分散機の特徴は、通常の高速撹
拌式分散機と異なり、撹拌翼などがなく、定められた形
状を有する剪断室の中を、液体が高速で回転しながら分
散、微粒化される分散機である。
【0011】剪断室への液体の供給は、通常の圧力ポン
プ等によって圧力を掛け、供給される。一般に、この圧
力が、高い方が粒子の粒径は小さくなりやすく、圧力の
調整により粒径をある程度コントロールすることができ
る。また、液体の流量も圧力によってコントロールする
ことができる。但し、流量は剪断室の形状、大きさ、材
質、液体の性状、温度などによっても変化し得るので、
一定の剪断室での流量はあらかじめ調べておくのが好ま
しい。
【0012】分散に供されるポリマー成分が2成分以上
の場合、同時に、あるいはあらかじめ混合せしめたもの
を供給すれば良く、同時に行う場合、一定の割合で各成
分を供給することが、粒度分布を狭くする上で好まし
い。
【0013】また、本発明においては、液体の剪断室の
通過による処理回数に特に制限はないが、一般的に処理
回数が多い程、粒径並びに粒度分布は狭くなる。連続相
には、水及びまたは有機溶媒を用いることができる。前
者は一般的には乳化重合、あるいは懸濁重合と呼ばれ、
後者は分散重合と呼ばれる。
【0014】用いられる有機溶媒としては、通常、芳香
族系または脂肪族系の炭化水素、エステル、エーテル、
アルコール、あるいはケトン系のものが用いられる。ま
た、これら有機溶媒は、ポリマー成分の粘度調整などの
目的で、あらかじめポリマー成分中に添加しても差支え
ない。
【0015】工業的には、水を連続相で行うことが製造
コスト、防爆設備、安全面から望ましいが、一般的に水
の方が分布の狭い粒子を作りにくいことが知られてい
る。これに対して、本発明では、ポリマー成分の連続相
への分散を渦流式分散機により水を連続相で用いた場合
でも分布を狭くできるのが特徴である。
【0016】また、ポリマー成分の連続相への一層の分
散の安定化を図るために、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロ
ース、アラビアゴム、ポリアクリレート、ポリアクリル
アミド、ポリビニルピロリドンまたはエチレン無水マレ
イン酸共重合体または、公知慣用の、ノニオン系、アニ
オン系またはカチオン系の各種の界面活性剤各種の保護
コロイドから選ばれる1種または2種以上を用いても差
し支えない。
【0017】本発明の特徴の一つは、こうした保護コロ
イドの添加量が少量で済むと言う点にもある。すなわち
他の分散方法で行う場合に比較して、同程度の粒径を製
造する為に必要な保護コロイド量を従来の使用量の10
%〜80%に削減する事ができ、残存する保護コロイド
が問題となる用途に対しては、通常必要とされる洗浄工
程を省略、あるいは回数を削減できるので、製造コス
ト、製造効率、あるいは製品の性能などの点においても
本発明は従来の製造方法に比べ、極めてに優れたポリマ
ー粒子の製造方法である。
【0018】例えば、ポリウレタンポリ尿素粒子を得る
には、ポリイソシアネート化合物及び必要に応じてポリ
ヒドロキシ化合物との混合物からなる有機相を水中に分
散させ、次いで、この分散液にポリアミンなどを添加す
る界面重合法が一般的である。通常の高速撹拌式分散機
の場合、本発明ほどの狭い分布は得られないものの、撹
拌時間を長く取ればある程度は粒度分布を狭くすること
はできる。
【0019】しかしながら、衆知の通り、イソシアネー
トと水とは常温でも反応が進行するため、水への分散は
できるだけ短時間の方が、イソシアネートとポリヒドロ
キシ化合物、あるいはポリアミンとの反応を有効に行わ
せるのに好ましいことから、従来の製造方法は好ましく
ない。これに対して、本発明による製造方法では、分散
時間は渦粒式分散機内の通過時間の数秒から数十秒で十
分であり、ポリウレタンポリ尿素樹脂に特に有効であ
る。
【0020】ここにおいて、上記したポリイソシアネー
ト化合物としては、通常用いられるものはいずれも使用
しうるが、それらのうちでも特に代表的なものを例示す
るに止めれば、まず、脂肪族イソシアネートとして、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネ
ート−1−1−メチルシクロヘキサン、ジイソシアネー
トシクロブタン、テトラメチレンジイソシアネート、o
−、m−もしくはp−キシリレンジイソシアネート、水
添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘ
キサンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、
テトラメチルキシレンジイソシアネートまたはイソホロ
ンジイソシアネートなどであり、
【0021】また、芳香族イソシアネートとしてトリレ
ン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジ
イソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、m−もしくはp−フェニレンジイソ
シアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネ
ート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、ジフェ
ニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ルジフェニル−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン
−2,4−ジイソシアネートカーボジイミド変性ジフェ
ニルメタジイソシアネート、ポリフェニルポリメチレン
イソシアネートまたはジフェニルエーテルジイソシアネ
ートなどのイソシアネート・モノマー類であり、
【0022】さらには、これらの各種のモノマーに基づ
く変性ポリイソシアネートとしてたとえば、過剰のイソ
シアネートモノマー単独あるいは2種以上を、各種の二
価アルコール、三価アルコールまたは四価以上の多価ア
ルコールで代表されたポリヒドロキシ化合物と反応させ
て得られるポリウレタンポリイソシアネート、または上
掲された如き各種のイソシアネートモノマーを重合させ
ることによって得られるイソシアヌレート環を含んだポ
リイソシアネート、あるいは、水と反応させて得られる
ビュレット結合を含んだポリイソシアネートなどが代表
的なものである。用いられるポリイソシアネートの数平
均分子量としては、200〜10,000なる範囲内、
好ましくは、300〜7,000なる範囲内のものが適
切である。
【0023】一方、前記有機相に必要に応じて混合され
るポリヒドロキシ化合物は、ポリマー粒子の壁部の形成
に伴う内部架橋の不足を補い、かつ、このポリマー粒子
の機械的強度を、一層、向上化せしめる効果を有する
が、かかるポリヒドロキシ化合物としては、通常用いら
れるものは、いずれも使用し得る。それらのうちでも、
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のよ
うな、いずれかのグループに属するものである。
【0024】(a) エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロ
ヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒ
ドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしく
は、ヘキサントリオールの如き多価アルコール類;
【0025】(b) ポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン
ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレンポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテ
トラメチレングリコールの如き、各種のポリエーテルグ
リコール類; (c) 上掲された如き各種の多価アルコール類と、エ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフ
ラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジル
エーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテルの如き各
種の(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によ
って得られる変性ポリエーテルポリオール類;
【0026】(d) 上掲された如き各種の多価アルコ
ール類の1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によ
って得られるポリエステルポリオール類であって、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グル
タコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼ
ントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸または
2,5,7−ナフタレントリカルボン酸などで特に代表
される多価カルボン酸類を用いて得られるポリオール
類; (e) 上掲された如き各種の多価アルコール類の1種
以上と、・−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもし
くは3−メチル−δ−バレロラクトンの如き各種のラク
トン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリ
エステルポリオール類;あるいは、上掲された如き、そ
れぞれ、各種の多価アルコール類と、多価カルボン酸類
と、上掲された如き各種のラクトン類との重縮合反応に
よって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール
類;
【0027】(f) ビスフェノールA型エポキシ化合
物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価およ
び/または多価アルコール類のグリシジルエーテル、あ
るいは、一塩基酸および/または多塩基酸類のグリシジ
ルエステルの如き各種のエポキシ化合物を、ポリエステ
ルポオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポ
キシ変性ポリエステルポリオール類;さらには、 (g) ポリエステルポリアミドポリオール、ポリカー
ボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリ
ペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、
水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリ
ル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物または水酸基
含有シリコン樹脂などである。
【0028】これら(a)から(g)に示されたポリヒ
ドロキシ化合物は、単独使用でも2種以上の併用でもよ
いが、その数平均分子量としては、200〜10,00
0、好ましくは、300〜7,000なる範囲内が、ポ
リマー粒子内部の充分なる架橋のためにも好ましい。
【0029】本発明においては、ポリヒドロキシ化合物
を用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネ
ート基当量と、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル基
当量との比率は、1:0.05〜1:2.0、好ましく
は1:0.1〜1:1.8、なる範囲内で用いて、これ
らの両成分を混合する。
【0030】本発明において好適に用いられる前記ポリ
アミンとしては、公知慣用のジアミン、ポリアミン、ま
たはそれらの混合物が挙げられるが、それらのうちでも
特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、1,2−
エチレンジアミン、1、3−プロパンジアミン、ビス
(3−アミノプロピル)アミン、ヒドラジン、ヒドラジ
ン−2−エタノール、ビス(2−メチルアミノエチル)
メチルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−
アミノ−1−メチルアミノプロパン、N−ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノ
プロピル)アミン、
【0031】テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ビス(N,N’−アミノエチル)−1,2−
エチレンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、フェニレンジア
ミン、トルイレンジアミン、2,4,6−トリアミノト
ルエントリハイドロクロライド、1,3,6−トリアミ
ノナフタレン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミ
ン、水添キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタンもしくは水添4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、トリレンジアミン、フェニレンジアミン、ポ
リオキシアルキレンポリアミン、またはこれら上掲のポ
リアミン・モノマーの各種の誘導体などである。
【0032】また、ポリマー成分としてポリウレタンポ
リ尿素粒子以外にももちろん、いわゆる乳化重合、懸濁
重合にて調製しうるポリマーを挙げることができる。そ
の一例を挙げるならば、ポリアクリル酸エステル、アク
リル・スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢ビ・ベオ
バ共重合体、酢ビ・エチレン共重合体、酢ビ・エチレン
・塩ビ共重合体、酢ビ・アクリル共重合体、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン、塩ビ共重合体、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエス
テル、エポキシなどで代表される合成樹脂系、及び、天
然ゴム、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合
体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン・メチルメタクリレート共重合体、ブタジエン・スチ
レン・ビニルピリジン共重合体、ポリクロロプレン、ポ
リイソプレンなどで代表されるゴム系ポリマーを挙げる
事ができる。
【0033】これらのポリマーにおいても本発明による
分散機により連続相に分散された後、常法により重合さ
れポリマー粒子を形成すれば良い。ポリマー粒子は通
常、ほぼ球状であり粒径も球を基本形状として求められ
る。こうした粒子は粒径が不均一な多数の粒子から構成
されているので、平均粒径と粒度分布によりその構成を
表現する必要がある。
【0034】平均粒径とは、一般的に個数平均、長さ平
均、面積平均、体積平均があるが、本発明でいうのは通
常用いられる体積平均である。本発明で製造し得る平均
粒径の範囲は、1〜100μmであり、これ以外の範囲
で分布の狭い粒子を得る事は本発明では適切ではない。
粒度分布を表す関数としてここではワイブル分布を用い
る。
【0035】ワイブル分布とは、以下の式で表現され
る。 F(t)=1−exp[−(t/η)m ] ここで、F(t)はワイブル分布関数、tは粒径、ηは
尺度母数、mは形状母数である。形状母数mが分布の形
状を表し、その値が大きい程分布が狭くなる。
【0036】もちろん、ワイブル分布で全ての粒度分布
を完全に表現する事はできないので、最大限に近似でき
た値を用いる。用途にもよるが、形状母数の値が1.5
以上の分布が実用的にも有用である場合が多く、かつ、
従来は製造的にも困難な値であったが、本発明はこれを
可能にしている。
【0037】かくして得られるポリマー粒子は、それぞ
れの目的・使途に添って用いられるが、スプレードライ
法、遠心分離乾燥法、ろ過乾燥法または流動床乾燥法な
どにより、微細なパウダー状として用いることも出来
る。
【0038】また、本発明によるポリマー粒子には、芯
物質として、様々なものを内包せしめることが出来る。
かかる内包用の芯物質は、疎水性の有機相中に存在させ
て、粒子内部に取り込むものであるが、こうした芯物質
の範囲や種類などは、特に限定されることはなく、広範
囲に及ぶものである。
【0039】当該内包用芯物質の特に代表的なもののみ
を例示するに止めれば、防黴剤、防藻剤、除草剤、殺菌
剤もしくは殺虫剤の如き各種の薬剤類または医薬品類な
どを始め、香料、顔料、着色料、発色剤類、酵素類、洗
剤類、触媒類、防錆剤類、接着剤類、さらには紫外線吸
収剤、液晶、磁性材料、あるいは導電性物質など化成品
類または食品類などである。また、必要に応じて、不活
性の可塑剤類、パラフィン類、動植物油類またはシリコ
ン油類、あるいはキシレン樹脂やケトン樹脂類の如き各
種の合成樹脂類をも、適宜、内包せしめることが出来
る。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例により、一
層、具体的に説明する。以下において、部および%は特
に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0041】はじめに、使用原料について説明する。 (A):ポリイソシアネート化合物 「バーノックDN−901S」(大日本インキ化学工業
(株)製の、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いて
得られるイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート;
イソシアネート基含有率=23.2%);以下、これを
PI−1とする。 (B):ポリヒドロキシ化合物 トリメチロールプロパンとε−カプロラクトンとの重縮
合反応によって得られる、水酸基価が168.5なるポ
リカプロラクトンポリエステルトリオール;以下、これ
をPO−1とする。 (C):ポリアミン化合物 エチレンジアミン;以下、EDAと略す。
【0042】(実施例1)1,000mlのフラスコに、
「PVA−420K」((株)クラレ製の、ポリビニル
アルコールの部分ケン化物)2部を398部の水に溶解
した水相を準備した。
【0043】別の容器で、PI−1の86.2部とPO
−1の13.8部とを混合して有機相とした。室温に
て、市販の渦流式分散機(製品名:ハイドロシャー・ミ
キサー、APVゴーリン社製)に予めガラス棒にて混合
した水相と有機相とを投入し、分散液を得た。この分散
液をさらに後2回、同様の操作を行い、計3回分散を行
った。
【0044】次いで、この分散液を別のフラスコに移
し、パドラー型の攪拌翼によって攪拌しながら、EDA
の50%水溶液6.34部を仕込んだ。室温に2時間保
持したのち、50℃に昇温し、同温で1時間、80℃で
2時間反応を続行せしめて、目的とするポリウレタンポ
リ尿素粒子の懸濁液を得た。
【0045】得られた懸濁液を、不良粒子を除く目的
で、200メッシュ(約60μm)の篩に通したとこ
ろ、0.1%が篩を通過しないで、篩上に残った。ま
た、篩を通過した粒子の粒度分布を、レーザー解析式粒
度分布計(商品名;SKレーザーミクロンサイザー、株
式会社セイシン企業製)により測定したところ、平均粒
径は1.8μm、ワイブル分布の形状母数は1.58で
あった。本来は、篩を通過させる前のポリウレタンポリ
尿素粒子の粒子径を測定することが好ましいが、粒径が
とりわけ大きいものが含まれると分析装置が目詰まり
し、測定不能になる為、あらかじめ200メッシュ(約
60μm)の篩に通したものについて、粒径並びに粒度
分布を測定した。またワイブル分布の形状母数は、手計
算によってデータを変換し、品質管理支援システムJU
SE−QCAS(日本電気ソフトウエア株式会社製)な
るソフトウエアを用いて求めた。
【0046】(実施例2)下掲する如き処方に変更する
以外は、実施例1と同様にして、目的とするポリウレタ
ンポリ尿素粒子の懸濁液を得た。すなわち、水相として
は、それぞれ、「PVA205」0.2部および水の3
99.8部を用いた他は実施例1と同様の操作を行っ
た。その結果、200メッシュの篩に通したところ、
0.5%が篩を通過しないで、篩上に残った。また、通
過した粒子の平均粒径は11.4μmであり、ワイブル
分布の形状母数は1.76であった。
【0047】(比較例1)下掲する如き処方に変更する
以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンポリ尿素
粒子の懸濁液を得た。すなわち、分散機としてホモミキ
サーを用いて、7,000〜7,500rpm で水相を攪
拌しながら、予め用意しておいた有機相を仕込み、3分
間攪拌して分散液を得た。その結果、200メッシュの
篩に通したところ、0.9%が篩を通過しないで、篩上
に残った。また、通過した粒子の平均粒径は4.7μ
m、ワイブル分布の形状母数は1.07であった。あら
かじめ200メッシュの篩を通したものを測定している
為、実際の平均粒径並びに粒度分布範囲はより大きい可
能性がある。
【0048】(比較例2)比較例1と同様の分散方法に
て、その他の処方は実施例2と同様にして、目的とする
ポリウレタンポリ尿素粒子を得た。その結果、200メ
ッシュの篩に通したところ、52.8%が篩を通過しな
いで、篩上に残った。また、通過した粒子の平均粒径は
27.0μm、ワイブル分布の形状母数は1.23であ
った。あらかじめ200メッシュの篩を通したものを測
定している為、実際の平均粒径並びに粒度分布範囲はよ
り大きい可能性がある。
【0049】以上の結果を表1にまとめる。
【表1】
【0050】第1表の結果から明らかなように、保護コ
ロイド量が多いほど平均粒径は小さくなる傾向を示す。
また、本発明の製造法では同様の配合条件でも、平均粒
径が小さくなることが明らかであり、本発明によれば、
保護コロイド量は少量で済むことを示している。かつ、
本発明による粒子は粒度分布も狭く、生成した不良粒子
の量も少なく、優れた製造方法であることが知れる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、電子写真用トナー、トナーキ
ャリヤ、化粧品担体、診断薬担体、樹脂改質剤、塗料用
樹脂、印刷インキ用樹脂に求められる特定の粒径を有
し、かつ粒度分布幅の狭いポリマー粒子の効率良い、安
価な製造方法を提供できる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたポリマー粒子の粒度
分布測定結果を示す。横軸は粒径で単位はμm、縦軸は
区間割合と累積割合を示す。
【図2】図2は実施例2で得られたポリマー粒子の粒度
分布測定結果を示す。横軸は粒径で単位はμm、縦軸は
区間割合と累積割合を示す。
【図3】図3は比較例1で得られたポリマー粒子の粒度
分布測定結果を示す。横軸は粒径で単位はμm、縦軸は
区間割合と累積割合を示す。
【図4】図4は比較例1で得られたポリマー粒子の粒度
分布測定結果を示す。横軸は粒径で単位はμm、縦軸は
区間割合と累積割合を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08J 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマー成分を渦流式分散機で連続相へ分
    散し、次いで該ポリマー成分を重合してポリマー粒子を
    形成することを特徴とする、ポリマー分散体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】連続相が水であることを特徴とする、請求
    項1に記載のポリマー分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】ポリマー粒子の平均粒径が、1〜100μ
    mであることを特徴とする請求項1または2記載のポリ
    マー分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリマー粒子の粒度分布をワイブル分布に
    適用した場合の形状母数が1.5以上であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー分散
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリマー粒子がポリウレタンポリ尿素粒子
    であることを特徴とする請求項1記載のポリマー分散体
    の製造方法。
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