JP3176645U - 燃焼機器用煙突 - Google Patents
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Abstract
【課題】煙突外部から内部に雨水が侵入したり、煙突内部から外部にタールが漏出したりすることをコストの高騰を伴わずに回避可能にする燃焼機器用煙突を提供する。
【解決手段】内部に煙道を形成する鋼板製の筒状体20Aを複数本連結してなり、基端側を屋内の燃焼機器1に接続され先端側を屋外に露出した状態で配設され、連結による重畳箇所及び壁又は屋根を貫通する箇所を除いて筒状体20Aが単層式とされる。この単層式の筒状体20Aの連結部分に外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための所定の流通阻止手段として、筒状体20Aの内周面に周方向円環状の内リブ、又は、内周面側と外周面側にそれぞれ折り返された内折り返し部と外折り返し部との組み合わせを備える。
【選択図】図1
【解決手段】内部に煙道を形成する鋼板製の筒状体20Aを複数本連結してなり、基端側を屋内の燃焼機器1に接続され先端側を屋外に露出した状態で配設され、連結による重畳箇所及び壁又は屋根を貫通する箇所を除いて筒状体20Aが単層式とされる。この単層式の筒状体20Aの連結部分に外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための所定の流通阻止手段として、筒状体20Aの内周面に周方向円環状の内リブ、又は、内周面側と外周面側にそれぞれ折り返された内折り返し部と外折り返し部との組み合わせを備える。
【選択図】図1
Description
本考案は、燃焼機器用煙突に関し、殊に、複数の筒状体を連結して構成され、屋内に配置した燃焼機器の排気を屋外に導くものであり、煙突の外部から内部に雨水が侵入したり煙突の内部から外部にタールが漏出したりすることを回避可能な燃焼機器用煙突に関する。
ストーブのような屋内に配置される燃焼機器では、これを壁に埋設している場合を除きその燃焼に伴う排気(燃焼ガスと煙)を屋外に導く煙突は、屋内空間経由で屋外まで延出して設けるのが一般的であり、屋内露出部分の輻射熱による暖房効果を期待している場合も多い。
また、斯かる燃焼機器用の煙突では、完全横向き配置の場合を除き、高温の排気と低温の外部空気との比重差により排気が上昇することでドラフト機能が発揮され、排気がスムースに屋外に出ることにより燃焼機器の燃焼状態を良好に保つことを可能としている。
そのため、煙突構成部品である筒状体が金属薄板等の熱伝導率の高い材料からなる場合には、例えば特開2004−131038号公報に記載されているように、これを二重にして間に空気の層を設けて断熱性能を高めることが行われている。しかし、このような二重煙突では、筒状体を単層にしたシングル煙突の場合と比べ約3倍の設備コストを要する。
これに対し、煙突内部の排気が冷却されやすいのは煙突が屋外に露出した部分であることから、屋外部分だけ二重としながら屋内部分をシングルにしてコストを低廉に抑えることが考えられる。或いは、煙突を構成する筒状体自体に遮熱塗装等により所定レベル以上の遮熱・断熱性能を附与することで煙突内部の過剰な温度低下を回避するものとして、シングル煙突でも上述した不都合を回避することも考えられる。
これらの方法においてシングル煙突または煙突シングル部分では、適度な長さの筒状体を単層式に複数本連結して煙突を構成するが、その連結方式として図15(A)に示す一般にテーパー管と呼ばれる筒状体20Iの場合、その一端に設けた小径部22を上向きにして他の筒状体20Iの大径側開口端を上から被せて挿す正挿し方式と、これとは逆に図15(B)に示すように筒状体20Iの大径側開口端を上向きにして他の筒状体20Iの小径部22を上から挿す逆挿し方式とがある。
また、図16(A)に示す一般に拡張管と呼ばれる筒状体20Hでも、その一端に設けた大径部23を下向きにして他の筒状体20Hの小径側開口端を下から挿す正挿し方式と、これとは逆に図16(B)に示すように筒状体20Hの大径部23を上向きにして他の筒状体20Hの小径側開口端を上から挿す逆挿し方式とが周知である。
ところが、前述の正挿しタイプでは図15(A)や図16(A)に示すように、煙突内周面を伝って降りてくるタール等の液状汚れ50が、筒状体連結部分から外部に漏出して煙突外周面を汚すとともに、その下方に位置する物までも汚してしまう。一方、前述の逆挿しタイプでは、図15(B)や図16(B)に示すように煙突外周面を伝って降りてくる雨水等の水滴60が、筒状体連結部分から煙突内部に侵入して、燃焼機器の燃焼性能に悪影響を及ぼすことが知られている。
本考案は、上記のような問題を解決しようとするものであり、屋内に配置された燃焼機器から屋内空間を経由して屋外まで延設される燃焼機器用煙突について、煙突外部から内部に雨水が侵入したり煙突内部から外部にタールが漏出したりすることをコストの高騰を伴わずに回避できるようにすることを課題とする。
そこで、本考案は、内部に煙道を形成する鋼板製の筒状体を複数本連結してなり、基端側を屋内の燃焼機器に接続され先端側を屋外に露出した状態で配設されて燃焼機器の燃焼により発生した排気を屋外に導くための燃焼機器用煙突において、連結による重畳箇所及び壁又は屋根を貫通する箇所を除いて少なくとも室内部分の煙突周壁を構成する筒状体が単層式とされ、この単層式筒状体の連結部分に外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための所定の流通阻止手段を備えている、ことを特徴とするものとした。
このように、少なくとも単層式の部分を構成する鋼板製の筒状体の連結部に、液体の内外流通を阻止する流通阻止手段を設けたことにより、簡易な構成で筒状体の連結部を介した雨水の侵入やタールの漏出を回避できるものとなる。
この場合、その筒状体は基端側と先端側の開口端の径が異なり、大径の開口端に他の筒状体の小径の開口端側を挿入して固定する連結方式とされ、その流通阻止手段は、筒状体の大径の開口端からの所定深さ位置で内周面から内側に所定の突出高さで周方向円環状に形成された内リブであって、挿入された小径の開口端がその側面に密着状態で当接して停止するものとされ、その内リブは、小径の開口端が当接する部分の内周面からの立ち上がり角度が45度以上であってその突出高さが挿入された小径の開口端の内周面の高さの2.0倍以上である、ことを特徴としたものとすれば、筒状体を単層にしたシングル煙突であっても、挿入された小径の開口端がその内周面よりも高い内リブの側面に密着して当接することにより、筒状体連結部を介した雨水の侵入・タールの漏出を回避しやすいものとなる。
或いは、その筒状体は基端側と先端側の開口端の径が異なり、大径の開口端に他の筒状体の小径の開口端側を挿入して固定する連結方式とされ、その流通阻止手段が、大径の開口端側で周壁を縦断面鈎状に内周面側に折り返してなる内折り返し部と、小径の開口端側で周壁を縦断面鈎状に外周面側に折り返してなる外折り返し部の組み合わせからなり、内折り返し部と外折り返し部とが互いに係合することにより、液体の内外流通を阻止しながら2本の筒状体が連結するものとしても同様である。
また或いは、その筒状体は、基端側と先端側の開口端の径が同一であって、その開口端の内径よりも外径の小さい筒状連結部材の両端側を対向した筒状体の開口端に挿入して固定する連結方式、又は先端側が開口端の内径よりも小さく基端側が開口端の外径よりも内径の大きい筒状連結部材の両端側に対向した筒状体の開口端を挿して固定する連結方式とされ、その流通阻止手段は、筒状体の基端側開口端からの所定深さ位置で内周面から内側に所定の突出高さで周方向円環状に形成された内リブであって、基端側の開口端に挿入された筒状連結部材の先端がその側面に密着状態で当接して停止するものとされ、その内リブは、筒状連結部材の先端が当接する部分の内周面からの立ち上がり角度が45度以上であってその突出高さが挿入された筒状連結部材先端の内周面の高さの2.0倍以上である、ことを特徴としたものとすれば、上記同様に筒状体の連結部から雨水が侵入したりタールが漏出したりすることを回避しやすいものとなる。
さらに、上述した燃焼機器用煙突は薪ストーブ用であるものとすれば、煙突外周から放出される熱量が適度に調整されて、煙突自体が暖房機能を発揮しながら燃焼・火傷事故を回避可能なものとなり、且つ、良好な燃焼状態を維持しやすいものとなる。
さらにまた、上述した燃焼機器用煙突の少なくとも単層式の部分を構成する筒状体であって、その連結部分を構成する一方又は両方の開口端側に外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための上述した流通阻止手段を備えていることを特徴とした煙突構成部品とすることにより、これを連結するだけで上述した燃焼機器用煙突を容易に作成することができる。
シングル煙突部分を構成する鋼板製の筒状体連結部に液体の内外流通を阻止する流通阻止手段を設けた本考案によると、煙突外部から内部に雨水が侵入したり煙突内部から外部にタールが漏出したりするのを、コストの高騰を伴うことなく回避することができるものである。
以下に、図面を参照しながら本考案を実施するための形態を説明する。
図1は、本考案における実施の形態の一例である屋根抜き式の燃焼機器用の煙突2Aの設置状態を示しており、図2は他の一例である壁抜き式の燃焼機器用の煙突2Bの設置状態を示している。燃焼機器1として、例えば図のような薪ストーブが想定されるが、これに接続する図1の煙突2Aは、連結による筒状体重畳部と屋根3の貫通部3aで筒状のカバー30で覆われている部分以外は、筒状体20A,20A’が単層式のシングル煙突とされている。また、図2の煙突2Bの場合も、連結による筒状体重畳部と壁4の貫通部4aで筒状のカバー31に覆われている部分以外は、煙突構成部材である筒状体20A,20A’(屈曲部を形成する筒状体23A,23Bを含む)が単層式とされ、シングル煙突を構成している。
尚、煙突2A,2Bに共通して、図のように筒状体20A,20A’を単層式で使用する場合において、少なくともその屋外部分の筒状体20A’には、金属板210内周面または内周面・外周面の両方に、所定レベルの遮熱・断熱機能を発揮する遮熱層を設けておくことが好ましい。
これは、煙突屋外部分では内部の過剰な温度低下を回避して良好なドラフト作用を維持するために内外保温性を確保する必要があるところ、所定レベル以上の遮熱・断熱機能を発揮する遮熱層を設けた筒状体を屋使用することにより、二重にしなくても良好なドラフト作用を確保しやすくなるからである。従って、筒状体20A’に遮熱層を設けない場合には、少なくとも屋外部分は二重煙突にしておくことが推奨される。尚、筒状体20A’は、筒状体20Aと構成を同じくして単に大径にしただけのものであるため、以下の説明において、その構成の詳細及び応用例については省略するものとする。
この煙突構成部材としての筒状体20Aは、図3の縦断面図に示すように、ステンレス等の薄板からなる鋼板を筒状に形成してなるものであり、先端側に次の筒状体20Aの基端側に挿入する部分である小径部22を有している。そして、この筒状体20Aは、縦列した筒状体20A,20Aの基端側と先端側とを連結する連結部分において、外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止する流通阻止手段として内周面側に突出した円環状の内リブ21aを備えている点を特徴としている。
即ち、従来例において、ドラフト機能を維持する目的で二重煙突にした場合には、筒状体連結部分での雨水の浸入・タールの漏出は殆ど問題とならなかったが、低コスト化の実現等を目的として上記のようにシングル煙突とした場合には、図15、図16に示したように筒状体連結部分での雨水の浸入・タールの漏出が問題となるため、以下に詳述する流通阻止手段を設けてこの問題を解決したものである。
図4は、このような目的のために設けられた流通阻止手段としての内リブ21aの構成と機能を説明するためのものであり、テーパー管タイプの筒状体20Aを正挿しで連結した場合を示している。小径部22を上向きにした筒状体20Aに、次の筒状体20Aを小径部22の外径よりも内径が大きい基端側の開口端を上から被せるように挿すと、所定深さ位置で内周面から内側に円環状に突出した内リブ21aの側面(下面)に小径部22の開口端が当接し、内リブ21aが挿入時のストッパとして機能する。
そして、この内リブ21aは、円中の拡大部分図に示すように、その突出高さが挿入した小径部22の内周面の高さよりも2.0倍以上高くなっており、且つ、小径部22開口端が内リブ21aの側面に当接する部分の内周面からの立ち上がり角度が45度以上とされている関係で密着した状態で当接する。
そのため、小径部22外周面と内リブ21aよりも下側の筒状体20A内周面との間にタールが侵入しにくくなり、タールが外部へ殆ど漏出しないようになっている。また、この内リブ21aの存在により筒状体20の横断面形状の真円度が維持されやすくなり連結部分に隙間が生じにくくなるため、液体流通阻止効果を一層確実なものとしている。
一方、図5は、一方の開口端を拡大して大径部23とした拡張管タイプの筒状体20Bにおける内リブ21bの構成と機能を説明するためのものであり、小径側開口端を上向きにした筒状体20Bの上から、次の筒状体20Bの大径部23を被せるように挿し、正挿し方式で連結した状態を示している。
この筒状体20Bには、開口端からの所定深さ位置で大径部23が終わる部分に内リブ21bが設けられており、この内リブ21bも前述の内リブ21aと同様にその突出高さが挿入した開口端の内周面よりも2.0倍以上高いとともに、その当接部分の立ち上がり角度が45度以上となっているため、前述と同様の機能を発揮するようになっている。
一方、図6は、この筒状体20Bを逆挿し方式で連結した場合を示しており、例えば室内など上から雨水が浸入する畏れのない箇所において、タールの漏出をより確実に回避したい場合に好適である。この場合、大径部23を上向きにした筒状体20Bに、次の筒状体20Bの小径側開口端を上から挿入するが、小径側開口端は大径部23が終わる深さ位置で内周面から内側に突出した内リブ21b側面(上面)に当接して、前述と同様の機能が発揮される。
従って、筒状体20Bを屋外部分で正挿し方式としながら屋内部分では逆挿し方式として、後述するような所定の筒状連結手段を用いて連結することにより、屋外で雨水の浸入を確実に回避しつつ、屋内ではタールの漏出を確実に回避可能なものとすることができる。
図7〜図10は、基端側と先端側の開口端の径が同一とされたいわゆる寸胴管タイプの筒状体20Dを連結する場合を説明するためのものであり、図7は、鋼板を筒状に形成して筒状体20Dの内径よりも僅かに小さい外径とした筒状連結部材30を連結部分に挿入・介装して、筒状体20D,20Dを連結する場合を示しており、筒状体20Dは基端側の開口端から所定深さ位置に前述した内リブ21aと同様の内リブ21cが形成されている点が特徴となっている。
図7(A)に示す筒状連結部材30は、その中途位置から周方向に外周面から円環状に外側に突出した外リブ30aを備えているが、これは筒状体20D,20Dのストッパとして機能するものである。そして、図7(B)に示すように連結状態で筒状連結部材30の先端が筒状体20Dの内リブ21cに当接するようになっており、前述した内リブ21aの場合と同様の機能を発揮する。
図8(A)に示す筒状連結部材31は、その中途位置から周方向に沿って外周面から円環状に外側に突出した隔壁31aを備えている。この隔壁31aも前述の筒状連結部材30の外リブ30aと同様のストッパ機能を発揮するが、上向きの開口端との密着度が高い分、外リブ30aよりも外部からの雨水の浸入阻止機能が高いものとなっている。
図9は、図8の筒状連結部材31の応用例としての筒状連結部材32を用いた場合を示しており、その中央部外周に沿って設けた隔壁32aは、水平方向の円環部311までは筒状連結部材31と同様であるが、図9(B)の縦断面図に示すように、その円環部311の周縁側から下方向に延びて下側の筒状体20Dの外周面に沿う周方向の帯状部312を形成しており、内リブ21cによるタールの漏出防止機能とともに、連結部の上方から筒状体20D外周面を伝って降りてくる雨水が煙突内部に侵入するのを確実に回避可能としている。
図10は、前述の筒状連結部材32の応用例としての筒状連結部材33を用いた場合を示しており、筒状連結部材32の中央部外周に設けた隔壁32aの帯状部312をさらに下方向に延長した外筒33aとして、下から筒状部材20D先端側を挿入可能としながら内筒を省略したものであり、筒状連結部材32と同様の機能を発揮するものであるが、筒状連結部材32よりも作成しやすい形状となっている。
図11は、図5に示した拡張管タイプの筒状体20Bの応用例であって、大径の開口端側に設けた内折り返し部24aと、小径の開口端側に設けた外折り返し部24bの組み合わせからなる流通阻止手段を設けた筒状体20G,20Gによる連結部分の縦断面図を示しており、その内折り返し部24aは大径の開口端側で鋼板製の周壁を縦断面鈎状となるように内周面側に折り返して形成され、外折り返し部24bは小径の開口端側で鋼板製の周壁を縦断面鈎状となるように外周面側に折り返して形成されている。
そして、図のように筒状体20G基端側の大径の開口端に、他の筒状体20G先端側の小径の開口端を下から挿入して、内折り返し部24aと外折り返し部24bの鈎状構造を互いに係合させることにより、内周面を伝うタールや外周面を伝う雨水の内外流通を確実に阻止可能としながら、両筒状体20G,20Gを堅固に連結することができる。
この場合、その係合部分を内外から圧迫変形させてカシメ式に固定することで、連結状態が堅固なものとなる。また、内折り返し部と外折り返し部による流通阻止手段で筒状体を連結するものであれば、図11の筒状体20Gが上下逆になる逆挿し方式や、筒状体を拡張管ではなくテーパー管にした場合でも前記同様の機能を発揮するものとなる。
図12(A)は、図4のテーパー管タイプの筒状体20Aの応用例であり、内周面からの立ち上り角度が90度を超えて折り返し状とされた内リブ24cを設けた筒状体20Jの連結状態を示す縦断面図であり、図12(B)は図5の拡張管タイプの筒状体20Bの応用例であり、内周面からの立ち上り角度が90度を超えて折り返し状とされた内リブ24dを設けた筒状体20Kの連結状態を示す縦断面図である。このように、内リブを折り返し状にしてその鋭角部に他の筒状体の開口端を挿入・当接させて挟み込むことで、連結状態が堅固になるとともに一層確実な液体の流通阻止機能を発揮するものとなる。
尚、近年の鋼板成形技術では、ロール状の鋼板である源単から筒状体を成形する際に、図11,12に示した筒状体20G,20J,20Kのように周壁を鋭角的に折り返して折り返し部や内リブを形成することは比較的容易なものとなっている。
図13は、上述した内リブ21a,21b,21cの形状における応用例を示すものであり、図13(A)に示すように、断面三角形状に突出した内リブ21d(斜辺立ち上がり角度45度以上)としたり、図13(B)に示すように断面台形状に突出した内リブ21e(側面立ち上がり角度45度以上)としたりしても、上述した内リブ21a,21b,21cと同様の機能を発揮するものとなる。
さらに、図13(C),(D)に示すように、挿入した開口端が当接する面を直角にした内リブ21f,21gとしたり、図12(E),(F)に示すように挿入した開口端が当接する面を鋭角(内周面からの立ち上がり角度90度超)にした内リブ21h,21iとしてもよく、これにより液体の内外流通阻止機能が一層優れたものとなる。
図14(A)は、図15に記載した従来のテーパー管タイプの筒状体20Gを正挿し方式で連結する場合に、流通阻止手段としての液体誘導部材25を設けてなる筒状体20Eを示しており、図14(B)は、図16に記載した従来の拡張管タイプの筒状体20Hを逆挿し方式で連結する場合に、流通阻止手段としての液体誘導部材26を設けてなる筒状体20Fを示しており、このようにしてもタールの漏出や雨水の浸入を回避することが可能となる。
尚、上述した筒状体20D,20E,20F,20G,20J,20Kも、前述した理由で遮熱層を備えているものであることが好ましい。また、これら筒状体の内周側最上面(遮熱層を内周面に設けている場合はさらにその上面)に、多孔質の基剤中に所定の触媒を分散してなり、付着したタール、油脂、汚れ等の有機成分を分解して水と炭酸ガスにする、いわゆるセルフクリーニング塗料を塗布してなるセルフクリーニング層を設ければ、内周面に付着するタールの量を一層減らすことができる。
以上、述べたように、屋内に配置された燃焼機器から屋内空間を経由して屋外まで延設された燃焼機器用煙突について、本考案により、良好なドラフト機能を維持しながら、低コストで筒状体連結部を介した雨水の浸入やタールの漏出を回避できるようになった。
1 燃焼機器、2A,2B 燃焼機器用煙突、20A,20A’,20B,20D,20E,20F,20G,20J,20K 筒状体、21a,21b,21c,21d,21e,24c,24d 内リブ、22 小径部、23 大径部、24a 内折り返し部,24b 外折り返し部、25,26 液体誘導部材、30,31,32,33 筒状連結部材、30a 外リブ、31a,32a 隔壁、33a 外筒、50 液状汚れ、60 水滴
Claims (6)
- 内部に煙道を形成する鋼板製の筒状体を複数本連結してなり、基端側を屋内の燃焼機器に接続され先端側を屋外に露出した状態で配設されて前記燃焼機器の燃焼により発生した排気を屋外に導くための燃焼機器用煙突において、連結による重畳箇所及び壁又は屋根を貫通する箇所を除いて少なくとも室内部分の煙突周壁を構成する前記筒状体が単層式とされ、該単層式の筒状体の連結部分に外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための所定の流通阻止手段を備えている、ことを特徴とする燃焼機器用煙突。
- 前記筒状体は基端側と先端側の開口端の径が異なり、大径の前記開口端に他の前記筒状体の小径の開口端側を挿入して固定する連結方式とされ、前記流通阻止手段は、前記大径の開口端からの所定深さ位置で内周面から内側に所定の突出高さで周方向円環状に形成された内リブであって、挿入された前記小径の開口端が側面に密着状態で当接して停止するものとされ、前記内リブは、前記小径の開口端が当接する部分の内周面からの立ち上がり角度が45度以上であって突出高さが挿入された前記小径の開口端の内周面の高さの2.0倍以上である、ことを特徴とする請求項1に記載した燃焼機器用煙突。
- 前記筒状体は基端側と先端側の開口端の径が異なり、大径の前記開口端に他の前記筒状体の小径の開口端側を挿入して固定する連結方式とされ、前記流通阻止手段は、前記大径の開口端側で周壁を縦断面鈎状に内周面側に折り返してなる内折り返し部と、前記小径の開口端側で周壁を縦断面鈎状に外周面側に折り返してなる外折り返し部の組み合わせからなり、前記内折り返し部と前記外折り返し部とが互いに係合することにより、液体の内外流通を阻止しながら2本の前記筒状体が連結する、ことを特徴とする請求項1に記載した燃焼機器用煙突。
- 前記筒状体は基端側と先端側の開口端の径が同一であって、該開口端の内径よりも外径の小さい筒状連結部材の両端側を対向した前記筒状体の開口端に挿入して固定する連結方式、又は先端側が前記開口端の内径よりも小さく基端側が開前記口端の外径よりも内径の大きい筒状連結部材の両端側に対向した筒状体の開口端を挿して固定する連結方式とされ、前記流通阻止手段は、前記筒状体の基端側開口端からの所定深さ位置で内周面から内側に所定の突出高さで周方向円環状に形成された内リブであって、前記基端側の開口端に挿入された前記筒状連結部材の先端が側面に略密着状態で当接して停止するものとされ、前記内リブは、前記筒状連結部材の先端が当接する部分の内周面からの立ち上がり角度が45度以上であって突出高さが挿入された前記筒状連結部材先端の内周面の高さの2.0倍以上である、ことを特徴とする請求項1に記載した燃焼機器用煙突。
- 薪ストーブ用であることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した燃焼機器用煙突。
- 請求項1,2,3,4または5に記載した燃焼機器用煙突の少なくとも単層式の部分を構成する前記筒状体であって、該筒状体の連結部分を構成する一方又は両方の開口端側に、外部から内部への雨水の浸入又は内部から外部へのタールの漏出を阻止するための前記流通阻止手段を備えている、ことを特徴とする煙突構成部品。
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