JP3175948U - 血圧情報測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体を圧迫するカフを有し、血圧と脈波を精度良く測定できるとともに、上記カフを装着した状態で被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる血圧情報測定装置を提供すること。
【解決手段】この血圧情報測定装置は、被験者の手首に装着され、手首から血圧および脈拍数を測定する。上記血圧情報測定装置は、カフ20と、このカフ20が上記手首に巻き付けられた装着状態にあるとき、カフ20に対して上記手首と反対側に位置するように取り付けられた本体10とを備えている。また、上記血圧情報測定装置は、本体10に対して上記手首に対向する側の面の略中央に取り付けられた脈波センサ41を備えている。上記カフ20は、脈波センサ41に対応する位置に円形の貫通穴20aを有する。この貫通穴20aは、脈波センサ41が直接、上記手首の脈波を検出するのを許容する。
【選択図】図2A
【解決手段】この血圧情報測定装置は、被験者の手首に装着され、手首から血圧および脈拍数を測定する。上記血圧情報測定装置は、カフ20と、このカフ20が上記手首に巻き付けられた装着状態にあるとき、カフ20に対して上記手首と反対側に位置するように取り付けられた本体10とを備えている。また、上記血圧情報測定装置は、本体10に対して上記手首に対向する側の面の略中央に取り付けられた脈波センサ41を備えている。上記カフ20は、脈波センサ41に対応する位置に円形の貫通穴20aを有する。この貫通穴20aは、脈波センサ41が直接、上記手首の脈波を検出するのを許容する。
【選択図】図2A
Description
この考案は、生体を圧迫するカフを有して血圧を測定するとともに、生体から脈波を検出する脈波センサを備える血圧情報測定装置に関する。
従来、この種の血圧情報測定装置としては、例えば特開平6−311972号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この血圧情報測定装置は、先端部に加圧バッグを取り付けた加圧体と、発光素子および受光素子を有し加圧バッグと加圧体との間に位置する脈波センサと、加圧バッグ内の圧力を検出する圧力センサとを備えている。そして、被験者の血圧を測定するとき、加圧バッグを被測定部位に押圧して、加圧バッグの圧力を圧力センサによって圧力信号として検出する。また、脈波センサの発光素子から被測定部位に加圧バッグ越しに照射した光が、被験者の体内の血管により反射され、この反射光を受光素子によって脈波信号として検出する。そして、上記血圧情報測定装置は、検出した圧力信号および脈波信号によって、血圧の測定を行う。
しかし、上記従来の血圧情報測定装置では、脈波センサの発光素子から加圧バッグを介して被験者の被測定部位に対して光を照射するので、樹脂等の光透過性のある薄膜などで構成した加圧バッグを直接被測定部位に接触させる必要がある。したがって、カフを被験者が装着する場合には、加圧バッグと上記被測定部位との接触面が汗などで蒸れて被験者に不快感を与えてしまうという問題がある。また、加圧バッグを布などで構成して上記接触面の蒸れを防止しようとすると、加圧バッグの光透過性が低下し、脈波測定の精度が著しく低下してしまうという問題がある。
また、上記加圧バッグに対して被測定部位側に脈波センサを配置した場合、加圧バッグにより被験者の被測定部位を圧迫すると、硬い材質で構成される脈波センサを被測定部位に圧迫することとなり、被験者に痛みや不快感が生じてしまうという問題がある。
そこで、この考案の課題は、生体を圧迫するカフを有し、血圧と脈波を精度良く測定できるとともに、上記カフを装着した状態で被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる血圧情報測定装置を提供することにある。
この考案の血圧情報測定装置は、
被測定部位を圧迫するための流体袋を内包する血圧測定用カフと、
上記血圧測定用カフが上記被測定部位に巻き付けられた装着状態にあるとき、上記血圧測定用カフに対して上記被測定部位と反対側に位置するように取り付けられた本体と、
上記本体の上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、または上記血圧測定用カフの上記本体に対応する部分に内包され、上記被測定部位の脈波を検出する脈波センサと
を備え、
上記血圧測定用カフは、上記脈波センサに対応する位置に、上記脈波センサの寸法に応じた大きさの穴を有して、上記脈波センサが直接、または上記流体袋を介して、上記被測定部位の脈波を検出するのを許容することを特徴とする。
被測定部位を圧迫するための流体袋を内包する血圧測定用カフと、
上記血圧測定用カフが上記被測定部位に巻き付けられた装着状態にあるとき、上記血圧測定用カフに対して上記被測定部位と反対側に位置するように取り付けられた本体と、
上記本体の上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、または上記血圧測定用カフの上記本体に対応する部分に内包され、上記被測定部位の脈波を検出する脈波センサと
を備え、
上記血圧測定用カフは、上記脈波センサに対応する位置に、上記脈波センサの寸法に応じた大きさの穴を有して、上記脈波センサが直接、または上記流体袋を介して、上記被測定部位の脈波を検出するのを許容することを特徴とする。
本明細書で、「本体」とは、血圧情報測定装置の本体を意味する。本体には、例えば、上記流体袋に流体を供給して加圧するためのポンプや、圧力センサ、信号処理を行う制御部、測定結果を表示する表示器などが搭載される。
この考案の血圧情報測定装置では、上記流体袋を内包する上記血圧測定用カフが被験者の上記被測定部位に巻き付けられた装着状態で、上記カフの圧力を検出することによって血圧を測定できる。また、上記装着状態で、上記脈波センサは、上記本体の上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、または上記カフの上記本体に対応する部分に内包され、上記カフの上記穴を通して直接、または、上記流体袋を介して上記被測定部位の脈波を検出する。したがって、上記脈波センサは、上記穴を通して直接上記被測定部位の脈波を検出する場合、精度良く被験者の脈波を測定できる。また、上記脈波センサは、上記流体袋を介して上記被測定部位の脈波を検出する場合も、上記流体袋を光を透過させる光透過性の材料で構成することによって、上記流体袋を布で構成する場合に比して、精度良く被験者の脈波を測定できる。上記穴は、上記脈波センサの寸法に応じた大きさを有しているので、上記脈波センサや上記流体袋が上記被測定部位に接触しうる面積を必要最小限にできる。これにより、血圧を測定するとき、上記流体袋が膨張して、硬い材質で構成される上記脈波センサが被験者の被測定部位を圧迫することによる被験者に生じる痛みや不快感を低減できる。また、上記装着状態で上記脈波センサや上記流体袋が上記被測定部位に接触し続けて蒸れが生じることによる被験者の不快感を低減できる。さらにまた、上記カフを例えば布などの吸湿効果や速乾効果がある材料で構成した場合、上記装着状態で上記被測定部位に蒸れが生じることによる被験者の不快感を低減できる。このように、この血圧情報測定装置によれば、血圧と脈波とを精度良く測定できるとともに、上記装着状態で被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記本体に対して上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、上記穴は、上記血圧測定用カフを貫通する貫通穴であり、上記流体袋は、上記血圧測定用カフのうち上記貫通穴から離れた部分に内包されていることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記本体に対して上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、上記血圧測定用カフを貫通する貫通穴を通して直接上記被測定部位の脈波を検出するので、精度良く被験者の脈波を測定できる。また、血圧情報を測定するときに上記流体袋が膨張して、上記脈波センサと上記被測定部位との間に空間ができるので、上記脈波センサが上記被測定部位を圧迫することはない。したがって、被験者に痛みや不快感が生じるのを確実に防止できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、上記装着状態で、上記血圧測定用カフの上記被測定部位側の面と上記脈波センサの上記被測定部位側の面とが、同一面を形成していることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記装着状態で、上記カフの上記被測定部位側の面と上記脈波センサの上記被測定部位側の面とが、同一面を形成しているので、上記脈波センサが上記被測定部位に食い込むことがない。したがって、被験者に痛みや不快感が生じるのを確実に防止できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記穴を通って上記脈波センサを上記被測定部位に付勢する付勢部材を介して、上記本体に取り付けられていることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記付勢部材によって上記穴を通って上記被測定部位に付勢されるので、上記被測定部位に確実に接触できて、精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記血圧測定用カフに内包されるとともに上記流体袋と上記外周部との間に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする。
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記血圧測定用カフに内包されるとともに上記流体袋と上記外周部との間に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記カフに内包されるとともに上記流体袋と上記外周部との間に位置するので、上記被測定部位に直接接触することがなく、被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる。また、上記流体袋は、樹脂等の光透過性のある材料からなるので、上記脈波センサは、精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記流体袋の内部に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする。
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記流体袋の内部に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記カフに内包されるとともに上記流体袋の内部に位置するので、上記被測定部位に直接接触することがなく、被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる。また、上記流体袋は、樹脂等の光透過性のある材料からなるので、上記脈波センサは、精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記被測定部位に向けて光を照射する発光部と、上記被測定部位からの反射光を受光する受光部とを含み、受光した光の光量に応じた出力信号を出力する光電センサで構成されていることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記被測定部位に向けて光を照射する発光部と、上記被測定部位からの反射光を受光し、受光した光の光量に応じた出力信号を出力する受光部とを含む光電センサで構成されている。したがって、上記脈波センサは、非接触で迅速に精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記被測定部位のインピーダンスを検出するための複数の電極を含むインピーダンスセンサで構成されていることを特徴とする。
この一実施形態の血圧情報測定装置では、上記脈波センサは、上記被測定部位のインピーダンスを検出するための複数の電極を含むインピーダンスセンサで構成されている。したがって、上記脈波センサは、上記被測定部位に接触させることで簡単に精度良く被験者の脈波を測定できる。
以上より明らかなように、この考案の血圧情報測定装置によれば、血圧と脈波を精度良く測定できるとともに、装着状態で被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる。
以下、この考案の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の血圧情報測定装置の概略構成を透明斜視図により示している。
この実施形態の血圧情報測定装置は、被測定部位としての被験者の手首に装着され、手首から血圧および脈拍数を測定するものである。上記血圧情報測定装置は、図1に示すように、血圧測定用カフとしてのカフ20と、このカフ20が上記手首に巻き付けられた装着状態にあるとき、カフ20に対して上記手首と反対側に位置するように取り付けられた本体10とを備えている。本体10は、カフ20に対して接着剤で貼付されて取り付けられている。
上記カフ20は、手首を圧迫するための流体袋22と、この流体袋22を内包する帯状袋21とを有している。この帯状袋21は、流体袋22に対して上記手首側に位置する内周部としての内布211と、流体袋22に対して上記手首と反対側に位置する外周部としての外布212とを有する。上記内布211と外布212とには、面ファスナ213が設けられ、この面ファスナ213により、上記装着状態を固定して保持することができる。
図2Aは、上記血圧情報測定装置を手首側から見た状態を説明する図である。また、図2Bは、図2AのA−A断面図である。
図2Aおよび図2Bに示すように、上記血圧情報測定装置は、本体10に対して上記手首に対向する側の面の略中央に取り付けられた脈波センサ41を備えている。この脈波センサ41は、本体10から手首側に先細形状で突出する円錐台状であって、この例では、手首側の面41aの直径は10mmの大きさを有する。
上記帯状袋21は、布で構成され、脈波センサ41に対応する位置に円形の貫通穴20aを有する。この貫通穴20aは、脈波センサ41が直接、上記手首の脈波を検出するのを許容する。また、貫通穴20aは、脈波センサ41の面41aの直径寸法に応じた大きさ、具体的には直径10mmの大きさを有する。上記脈波センサ41は、貫通穴20aに嵌合し、脈波センサ41の面41aと帯状袋21の内布211の内面とは、同一の曲面を形成している。
上記流体袋22は、全体として、長手方向(手首周囲方向)に170mm、幅方向(手首長方向)に45mmの大きさを有する。上記流体袋22は、カフ20のうち貫通穴20aから離れた部分に内包されている。この例では、貫通穴20aが設けられている領域を境にして、2つの流体袋22,22に分離して設けられている。
また、上記脈波センサ41は、脈波を検出するため、上記手首中に延在する動脈に向けて光を照射する発光部としての発光素子411と、上記手首中に延在する動脈の反射光を受光し、受光した光の光量に応じた出力信号を出力する受光部としての受光素子412とを含む光電センサで構成されている。
上記発光素子411および上記受光素子412は、脈波センサ41の略中央部に一定の距離をおいて並列に配置され、上記装着状態で上記手首に対向するように露出している。ここで、発光素子411は、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。また、受光素子412は、例えば、PD(Photo Diode)から構成されている。
ここで、脈波を精度良く検出するためには、生体組織を透過し易い近赤外光を検出光として利用することが好ましく、発光素子411および受光素子412としては、この近赤外光を照射および受光可能なものがそれぞれ好適に利用される。より具体的には、発光素子411から照射されて受光素子412にて受光される検出光としては、波長940nm付近の近赤外光が特に好適に使用される。なお、検出光としては、上記940nm付近の近赤外光に限られず、波長450nm付近の光や波長1100nm付近の光等も使用可能である。
なお、上記脈波センサ41は、脈波、すなわち動脈の容積変化が検出できるものであればよく、インピーダンスセンサ(インピーダンスプレスチモグラフ)により動脈の容積変化を検出するものであってもよい。このとき、発光素子411および受光素子412に代えて、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極(電流印加用の電極対、および、電圧検知用の電極対)が含まれる。このように、脈波センサ41は、複数の電極を含むインピーダンスセンサなので、手首に接触させることで簡単に精度良く被験者の脈波を測定できる。
図3に示すように、上記血圧情報測定装置の本体10は、この本体10に搭載された、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)100、表示器50、メモリ51、操作部52、電源部53、ポンプ32、弁33、および圧力センサ31を含む。また、本体10は、この本体10に搭載された、圧力センサ31からの出力を周波数に変換する発振回路310、ポンプ32を駆動するポンプ駆動回路320、弁33を駆動する弁駆動回路330、および脈波センサ41を制御して脈波を検出する脈波検出回路410を有する。
上記表示器50は、ディスプレイおよびインジケータ等を含み、CPU100からの制御信号に従って所定の情報を表示する。
上記操作部52は、電源部53をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ52Aと、血圧の測定開始の指示を受け付けるための血圧測定スイッチ52Bとを有する。上記電源スイッチ52Aおよび血圧測定スイッチ52Bは、操作者による指示に応じた操作信号をCPU100に入力する。
上記メモリ51は、上記血圧情報測定装置を制御するためのプログラムのデータ、上記血圧情報測定装置を制御するために用いられるデータ、上記血圧情報測定装置の各種機能を設定するための設定データ、および血圧値や脈拍数の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ51は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
上記CPU100は、メモリ51に記憶された上記血圧情報測定装置を制御するためのプログラムに従って、操作部51からの操作信号に応じて、ポンプ32や弁33、脈波センサ41を駆動する制御を行う。また、CPU100は、圧力センサ31および脈波センサ41からの信号に基づいて、血圧値や脈拍数を算出し、表示部50およびメモリ51を制御する。
上記電源部53は、CPU100、圧力センサ31、ポンプ32、弁33、脈波センサ41、表示器50、メモリ51、発振回路310、ポンプ駆動回路320、弁駆動回路330および脈波検出回路410の各部に電力を供給する。
上記ポンプ32は、流体袋22内の圧力(カフ圧)を加圧するために、流体袋22に空気を供給する。弁33は、流体袋22の空気を排出し、または封入してカフ圧を制御するために開閉される。ポンプ駆動回路320は、ポンプ32の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路330は、弁33の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。
上記圧力センサ31は、例えば、ピアゾ抵抗式圧力センサであり、カフ用エアチューブ39を介して、ポンプ32、弁33およびカフ20に内包されている流体袋22に接続されている。発振回路310は、圧力センサ31からのビアゾ抵抗効果による電気抵抗の変化に基づく電気信号値に基づき発振して、圧力センサ31の電気信号値に応じた周波数を有する周波数信号をCPU100に出力する。
上記脈波検出回路410は、脈波センサ41とCPU100とに接続されている。脈波検出回路410は、CPU100からの制御信号に基づいて脈波センサ41の発光素子411を駆動させる発光素子駆動回路(図示しない)と、受光素子412からの出力信号に基づいて電圧信号を生成する受光量検出回路(図示しない)とを有する。
上記発光素子駆動回路は、CPU100からの制御信号に基づいて所定量の電流を発光素子411に印加することにより、発光素子411を発光させるものである。発光素子411に印加される電流としては、例えば、50mA程度の直流電流が使用される。上記発光素子駆動回路としては、好適には、発光素子411に所定のデューティでパルス電流を供給することによって発光素子411を周期的にパルス発光させる回路が利用される。このように発光素子411をパルス発光させることとすれば、発光素子411への単位時間当たりの印加電力を抑制することが可能になり、発光素子411の温度上昇を防ぐことが可能になる。
上記受光量検出回路は、たとえばアナログフィルタ回路、整流回路、増幅回路、A/D(Analog/Digital)変換回路等の処理回路を含んでおり、アナログ値として受光素子412から入力された上記出力信号をデジタル値化した電圧信号としてCPU100に向けて出力する。
血圧および脈拍数の測定は、上記血圧情報測定装置のCPU100によって、図4のフローに従って行われる。
本実施形態での血圧の測定方法の説明に先立ち、一般的なオシロメトリック法による血圧測定の原理について説明する。
一般的なオシロメトリック法に従って血圧を測定する場合、次のような動作が行なわれる。すなわち、被験者の測定部位に予めカフを巻き付けておき、測定時には、ポンプ・弁を制御して、カフ圧を最高血圧より高く加圧し、その後徐々に減圧していく。この減圧する過程において、測定部位の動脈で発生する動脈容積の変動をカフを介して、圧力センサで脈波信号として検出する。その時のカフ圧と検出した動脈容積の変動の大きさ(脈波信号の振幅)を利用して最高血圧(収縮期血圧:Systolic Blood Pressure)と最低血圧(拡張期血圧:Diastolic Blood Pressure)とを算出することにより、血圧が測定される。
具体的には、まず、この例では被験者が上記血圧情報測定装置の電源スイッチ52AをONにして動作状態にさせる(ステップST1)。すると、CPU100は、処理用メモリ領域を初期化し、弁駆動回路330に制御信号を出力する。弁駆動回路330は、制御信号に基づいて、弁33を開放してカフ20の流体袋22内の空気を排気する。続いて、圧力センサ31の0mmHgの調整を行う制御を行う(ステップST2)。
次に、被験者は、カフ20を被験者の手首に巻き付けて装着する。カフ20を巻き付けた後、被験者が血圧測定スイッチ52Bを押した場合(ステップST3でYES)、CPU100は、上記オシロメトリック法に従って血圧の測定を開始する制御を行う(ステップST4)。
血圧測定において、まず、CPU100は、弁駆動回路330を介して弁33を閉鎖し、その後、ポンプ駆動回路320を介してポンプ32を駆動して、流体袋22に空気を送る制御を行う。これにより、流体袋22を膨張させるとともにカフ圧を徐々に加圧していく(ステップST101)。
ここで、仮に図7Aに示すように、カフ20に貫通穴20aを設けず、カフ20を本体10の側面に取り付けた場合、本体10と脈波センサ41とが手首90に接触する。そして、流体袋22が膨張するとき、硬い材質で構成される脈波センサ41は、手首90に食い込んで、カフ20よりも大きな力で手首90を圧迫する。
一方、図7Bに示すように、カフ20に貫通穴20aを設けた場合(図2A,図2Bの構成例)、帯状袋21の内布211とともに脈波センサ41が貫通穴20aを介して被測定部位としての手首90に接触する。このため、貫通穴20aによって、脈波センサ41が手首90に接触しうる面積を必要最小限にできる。
また、カフ20の帯状袋21の内布211と脈波センサ41の手首90側の面41aとが、同一曲面を形成する。このため、脈波センサ41が手首90に食い込むことがなく、脈波センサ41とカフ20とが均等に手首90を圧迫して、被験者に痛みや不快感が生じるのを確実に防止できる。
そして、図7Cに示すように、流体袋22が膨張すると、脈波センサ41と手首90との間に空間ができるので、脈波センサ41が手首90を圧迫することはない。したがって、被験者に痛みや不快感が生じるのを確実に防止できる。また、上記装着状態で脈波センサ41が手首90に接触し続けて蒸れが生じることによる被験者の不快感を低減できる。さらにまた、帯状袋21は布で構成されているので、布の吸湿効果や速乾効果によって上記装着状態で手首90に生じる蒸れを低減して、被験者の不快感を低減できる。
カフ圧が加圧されて所定の圧力に達すると(ステップST102でYES)、CPU100は、ポンプ駆動回路320を介してポンプ32を停止し、その後、弁駆動回路330を介して弁33を徐々に開放する制御を行う。これにより、流体袋22を収縮させるとともにカフ圧を徐々に減圧していく(ステップST103)。
ここで、所定の圧力とは、収縮期血圧よりも十分高い圧力(例えば、収縮期血圧+30mmHg)であり、予めメモリ51に記憶されているか、カフ圧の加圧中にCPU100が収縮期血圧を所定の算出式により推定して決定する。
上記減圧過程において、圧力センサ31が手首の動脈で発生する容積変化をカフ20を介して圧脈波信号として検出する。CPU100は、この圧脈波信号に基づいて、オシロメトリック法による所定のアルゴリズムを適用して血圧値を算出する(ステップST104)。なお、血圧の算出は、減圧過程に限らず、加圧過程において行われてもよい。
血圧値を算出して決定すると(ステップST105でYES)、CPU100は、算出した血圧値を表示器50へ表示し(ステップST106)、血圧値をメモリ51へ保存する制御を行う(ステップST107)。
次に、CPU100は、弁駆動回路330を介して弁33を開放し、カフ20の流体袋22内の空気を排気する制御を行う(ステップST108)。
次に、CPU100は、上記電源スイッチ52Aが押されなければ(ステップST5でNO)、ステップST3に戻り、上記電源スイッチ52Aが押されると、測定を終了する。
一方、被験者が血圧測定スイッチ52Bを押さなかった場合(ステップST3でNO)、CPU100は、脈拍測定を開始する制御を行う(ステップST6)。
脈拍測定において、まず、CPU100は、脈波検出回路410の発光素子駆動回路を介して発光素子411を駆動させ、発光素子411を発光させる制御を行う(ステップST201)。なお、発光素子411の駆動周波数としては、検出すべき動脈の容積の変動に含まれる周波数成分(おおよそ30Hz)よりも十分に高い周波数(たとえば3kHz程度)とすることにより、より精緻に動脈の容積の変動を検出できる。
発光素子411から上記手首中に延在する動脈に照射された光は、動脈によって反射され、この反射光を受光素子412が受光し、受光した光の光量に応じた出力信号を出力する。上記受光量検出回路は、受光素子412からの出力信号に基づいて電圧信号を生成し、CPU100へ出力する。CPU100は、この電圧信号に基づいて、所定のアルゴリズムを適用して脈拍数を算出し(ステップST202)、算出した脈拍数をメモリ51に記憶する制御を行う(ステップST203)。
次に、CPU100は、脈拍数算出動作時間を測るタイマーカウントを増加させる制御を行う(ステップST7)。CPU100は、脈波が検出されて、脈拍があると判断すると(ステップST8でYES)、タイマーカウンタをリセットする制御を行う(ステップST9)。
次に、CPU100は、上記電源スイッチ52Aが押されなければ(ステップST5でNO)、ステップST3に戻り、上記電源スイッチ52Aが押されると、測定を終了する。
一方、CPU100は、脈波が検出されなければ、脈拍がないと判断し(ステップST8でNO)、さらに、2分以上継続して脈波が検出されない場合(ステップST10でNO)、表示器50に異常を表示させる制御を行う(ステップST11)。次に、CPU100は、メモリ51に異常である旨を示すフラグを残す制御を行って(ステップST12)、測定を終了する。
このようにして、上記血圧情報測定装置によれば、カフ20が手首に巻き付けられた装着状態で、カフ20の圧力を圧力センサ31で検出することによって血圧を測定できる。また、上記脈波センサ41は、貫通穴20aから直接手首の脈波を検出するので、精度良く脈波を測定できる。また、貫通穴20aの寸法と脈波センサ41の寸法とが略同じ大きさを有しているので、脈波センサ41や流体袋22が手首90に接触しうる面積を必要最小限にできる。また、血圧を測定するときに流体袋22が膨張して、脈波センサ41と手首90との間に空間ができるので、硬い材質で構成される脈波センサ41が手首90を圧迫することによる被験者の痛みや不快感を低減できる。また、上記装着状態で脈波センサ41が手首90に接触し続けて蒸れが生じることによる被験者の不快感を低減できる。さらにまた、帯状袋21は布で構成されているので、布の吸湿効果や速乾効果によって上記装着状態で手首90に生じる蒸れを低減して、被験者の不快感を低減できる。このように、この血圧情報測定装置によれば、血圧と脈波とを精度良く測定できるとともに、上記装着状態で被験者に痛みや不快感が生じるのを防止できる。
なお、上記実施形態では、上記流体袋22は、貫通穴20aが設けられている領域を境にして、2つの流体袋22,22に分離させていたが、図8A,8Bに示すように、流体袋を連続した1つの袋で構成しても良い。この例では、流体袋22は、カフ20の貫通穴20aに対応した位置に貫通穴20aの寸法よりも若干大きい寸法を持つ貫通穴22aを有している。
また、上記実施形態では、上記脈波センサ41は、本体10に取り付けられていたが、これに限られるものではない。図9に示すように、上記脈波センサ41は、カフ20の帯状袋21に内包されるとともに流体袋22と帯状袋21の外布212との間に位置して、流体袋22に取り付けられていてもよい。この場合、脈波センサ41は、流体袋22と外布212との間に位置するので、手首90に直接接触することがなく、被験者に痛みや不快感が生じるのを低減できる。また、流体袋22は、樹脂等の光透過性のある薄膜からなり、帯状袋21は、内布211の脈波センサ41に対応する位置に貫通穴211aを有する。また、この場合、発光素子411から手首90中の動脈に照射された光は、流体袋22を透過するとともに貫通穴211aを通過する。一方、動脈によって反射された反射光は、貫通穴211aを通過し、流体袋22を透過して、受光素子412によって受光される。したがって、脈波センサ41は、流体袋22および貫通穴211aを介して精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、図10に示すように、上記脈波センサ41は、カフ20の帯状袋21に内包されるとともに流体袋22の内側に位置して、流体袋22に取り付けられていてもよい。この場合も、脈波センサ41は、流体袋22の内側に位置するので、手首90に直接接触することがなく、被験者に痛みや不快感が生じるのを低減できる。また、流体袋22は、樹脂等の光透過性のある薄膜からなり、帯状袋21は、内布211の脈波センサ41に対応する位置に貫通穴211aを有する。また、この場合も、発光素子411から手首90中の動脈に照射された光は、流体袋22を透過するとともに貫通穴211aを通過する。一方、動脈によって反射された反射光は、貫通穴211aを通過し、流体袋22を透過して、受光素子412によって受光される。したがって、脈波センサ41は、流体袋22および貫通穴211aを介して精度良く被験者の脈波を測定できる。
さらにまた、図11に示すように、上記脈波センサ41は、貫通穴20aを通って脈波センサ41を手首90に付勢する付勢部材としてのバネ11を介して本体10に取り付けられていてもよい。この場合、脈波センサ41は、バネ11によって手首90に付勢されるので、手首90に確実に接触できて、精度良く被験者の脈波を測定できる。
また、上記実施形態では、上記血圧情報測定装置を手首に装着するとしたが、上腕や足首、指など、人体のどこに装着してもよい。
また、上記実施形態では、上記カフ20は、円形の貫通穴20aを有していたが、例えば、カフの一部をU字状に切り欠いて、その切り欠き部分を介して、脈波センサが手首に対して露出してもよい。
また、上記実施形態では、一般的なオシロメトリック法に従って血圧を測定したが、容積補償法等の他の方法に従って血圧を測定してもよい。
10 本体
11 バネ
20 カフ
21 帯状袋
211 内布
212 外布
22 流体袋
41 脈波センサ
411 発光素子
412 受光素子
20a,22a,211a 貫通穴
11 バネ
20 カフ
21 帯状袋
211 内布
212 外布
22 流体袋
41 脈波センサ
411 発光素子
412 受光素子
20a,22a,211a 貫通穴
Claims (8)
- 被測定部位を圧迫するための流体袋を内包する血圧測定用カフと、
上記血圧測定用カフが上記被測定部位に巻き付けられた装着状態にあるとき、上記血圧測定用カフに対して上記被測定部位と反対側に位置するように取り付けられた本体と、
上記本体の上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、または上記血圧測定用カフの上記本体に対応する部分に内包され、上記被測定部位の脈波を検出する脈波センサと
を備え、
上記血圧測定用カフは、上記脈波センサに対応する位置に、上記脈波センサの寸法に応じた大きさの穴を有して、上記脈波センサが直接、または上記流体袋を介して、上記被測定部位の脈波を検出するのを許容することを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項1に記載の血圧情報測定装置において、
上記脈波センサは、上記本体に対して上記被測定部位に対向する側に取り付けられ、
上記穴は、上記血圧測定用カフを貫通する貫通穴であり、
上記流体袋は、上記血圧測定用カフのうち上記貫通穴から離れた部分に内包されていることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項2に記載の血圧情報測定装置において、
上記装着状態で、上記血圧測定用カフの上記被測定部位側の面と上記脈波センサの上記被測定部位側の面とが、同一面を形成していることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項2または3に記載の血圧情報測定装置において、
上記脈波センサは、上記穴を通って上記脈波センサを上記被測定部位に付勢する付勢部材を介して、上記本体に取り付けられていることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項1に記載の血圧情報測定装置において、
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記血圧測定用カフに内包されるとともに上記流体袋と上記外周部との間に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項1に記載の血圧情報測定装置において、
上記血圧測定用カフは、上記装着状態で上記流体袋を内包するように、上記流体袋に対して上記被測定部位側に位置する内周部と、上記被測定部位と反対側に位置する外周部とを有し、
上記穴は、上記内周部を貫通する貫通穴であり、
上記脈波センサは、上記流体袋の内部に位置し、
上記流体袋は、光を透過させる光透過材料からなることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項1から6までのいずれか1つに記載の血圧情報測定装置において、
上記脈波センサは、上記被測定部位に向けて光を照射する発光部と、上記被測定部位からの反射光を受光し、受光した光の光量に応じた出力信号を出力する受光部とを含む光電センサで構成されていることを特徴とする血圧情報測定装置。 - 請求項1から4までのいずれか1つに記載の血圧情報測定装置において、
上記脈波センサは、上記被測定部位のインピーダンスを検出するための複数の電極を含むインピーダンスセンサで構成されていることを特徴とする血圧情報測定装置。
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