JP3175674B2 - コンデンサの良否判定方法 - Google Patents

コンデンサの良否判定方法

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良直 西岡
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  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサの良否判
定方法、特にコンデンサの充電終了時における充電電流
を予測し、コンデンサの良否を判定する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンデンサの良否を判定するた
め、測定用の直流電圧をコンデンサに印加し、十分に充
電された後のコンデンサの漏れ電流(充電電流)を測定
することにより、コンデンサの絶縁抵抗を測定する方法
が知られている。当然ながら、良品は漏れ電流が少な
い。
【0003】従来、この種の充電電流測定方法として
は、JIS−C5102で規定された測定方式が知られ
ている。この方式は、コンデンサに十分に充電された状
態の電流値を測定する必要があるため、約60秒の測定
時間が必要であった。しかし、電子機器のコストダウ
ン、信頼性向上の要求に伴い、コンデンサなどの電子部
品もその生産能力向上と品質向上とが求められており、
コンデンサ1個当たりこのような長い測定時間を要する
従来の測定方法では、到底このような要求に応えること
ができない。
【0004】そこで、コンデンサに電圧印加を開始した
直後の短い時間内において、複数のタイミングにおいて
充電電流値を測定し、その複数の電流測定値によって所
望時間後の電流値を予測する方法が提案されている(特
公平5−78790号公報)。この方法では、一定の時
間間隔の3つの時点において、コンデンサを流れる電流
値I0 ,I1 ,I2 を測定し、これらの3つの電流測定
値から所定時間後の電流値Ix を次式で算出している。 Ix =(I1 2 −I0 ・I2 )/(2I1 −I2
0
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法を用いれば、
十分な充電状態に達する時間より前の状態で結果を算出
することができるので、短時間に絶縁抵抗を測定できる
という利点がある。しかしながら、上記の算出式は、コ
ンデンサの等価回路が図1のような回路であるという前
提のもとに導き出されたものであるため、セラミックコ
ンデンサのような誘電分極成分を有するコンデンサの場
合には、正確な絶縁抵抗を求めることができない。
【0006】すなわち、図1ではコンデンサの等価回路
が、容量C0 と内部抵抗rと絶縁抵抗R0 とで構成され
ているが、実際のコンデンサの等価回路は、図2のよう
に、容量C0 、内部抵抗r、絶縁抵抗R0 のほかに、誘
電分極成分Dが含まれる。充電初期(例えば充電開始〜
10m秒)には容量C0 、内部抵抗rおよび絶縁抵抗R
0 の影響が強く現れるが、それ以後の充電特性は誘電分
極成分Dによって支配されると考えられる。したがっ
て、上記のように誘電分極成分Dを無視した予測方法で
は、充電終期(例えば約1分後)の充電電流を正確に予
測することは到底できない。
【0007】そこで、本発明の目的は、コンデンサに十
分に充電された時点における電流値を短時間でかつ正確
予測し、コンデンサの良否を判定できるコンデンサの
良否判定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、コンデンサに直流電圧を
印加する工程と、直流電圧印加時におけるコンデンサの
誘電分極成分の充電領域の電流値を測定する工程と、上
記誘電分極成分の充電領域の電流値を用いて、充電終了
時の電流値を予測する工程と、上記充電終了時の電流値
を用いてコンデンサの良否を判定する工程と、を備えた
ものである。充電終了時の電流値を予測する方法として
は種々の方法が考えられる。例えば、コンデンサの等価
回路を使って電流計算式を初期設定し、コンデンサの実
測電流値m(t)と上記電流計算式を使って求めた計算
電流値i(t)とが一致するように、等価回路の誘電分
極成分である容量C1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R
2 ・・・Rn とを決定して電流計算式を修正し、この修
正された電流計算式を用いて充電時における電流値を求
める方法などがある。その他、コンデンサの誘電分極成
分の充電領域の複数の実測電流値から近似式を求め、こ
の近似式から最終的な充電時の電流値を予測してもよ
い。
【0009】ここで、本発明を完成するに至った経緯を
説明する。まずセラミックコンデンサについて、充電時
における電流値の変化を正確に測定し、その電流値と時
間とを対数電流−対数時間の座標にプロットすると、図
3(実線で示す)のような特性があることを発見した。
つまり、充電初期の微小期間はほぼ一定の大きな電流
が流れるが、それに続く遷移期間で急激に電流値が低
下し、その後、ある傾きを持った線型の充電特性で電
流が低下した。この線型の充電特性は、充電開始から
1分〜2分後まで持続していた。
【0010】上記特性について検討してみると、初期の
充電特性は容量C0 の充電領域であるのに対し、線型
の充電特性は誘電分極成分の充電領域であることが判
明した。そこで、例えばコンデンサの等価回路から誘電
分極成分の充電領域における電流計算式を求め、誘電
分極成分の充電領域の初期(例えば図3のt1 )にお
ける電流値m(t1 )を実測し、その実測電流値m(t
1 )と等価回路を用いて求めた計算電流値i(t1 )と
が一致するように電流計算式を修正し、この修正された
電流計算式に充電が十分に終了した時刻t2 を代入すれ
ば、充電時刻の電流値i2 を正確に予測することができ
る。
【0011】なお、初期期間はコンデンサの容量値な
どによって変化するが、通常は初期期間と遷移期間
との和は10m秒以下である。したがって、電流値
1 ,i2 としては、充電開始から10m秒前後の電流
値を測定すれば、正確な電流計算式を求めることができ
る。本発明方法を用いれば、コンデンサ1個当たり数十
m秒程度で絶縁抵抗を求めることができるので、絶縁抵
抗測定の作業能率を格段に向上させることができる。
【0012】等価回路の誘電分極成分である容量C1
2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を決定する
場合、それらが所定の関係式で表されれば、決定が簡単
になる。そこで、容量と抵抗をそれぞれ等比数列の関係
におき、それぞれの初項C1,R1 と公比p,qを求め
れば、容量C1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・
・Rn とを容易に決定することができる。
【0013】上記電流計算式を修正する場合に、実測電
流値m(t)と計算電流値i(t)との一致度を評価す
るため、評価関数n(t)を次式のいずれかに定義し、
この評価関数n(t)と時間とを座標軸にとり、直線近
似を行うのが望ましい。 n(t)=log m(t)−log i(t) n(t)=log m(t)/log i(t) n(t)=m(t)/i(t) n(t)=m(t)−i(t) 直線近似式をy=ax+bとすれば、n(t)=log m
(t)−log i(t)およびn(t)=m(t)−i
(t)の場合にはa→0,b→0で一致完了となり、n
(t)=log m(t)/log i(t)およびn(t)=
m(t)/i(t)の場合にはa→0,b→1で一致完
了となる。また、評価方法として2次曲線近似を行って
もよい。この2次曲線近似は、直線近似と併用すること
もできる。すなわち、直線近似によってその傾きa→0
で切片b→0または1となった場合には、直線近似では
一致したと判定するが、実際には必ずしも一致していな
いことがある。そこで、直線近似の後に2次曲線近似を
行なえば、一層精度の高い近似が可能である。なお、本
発明において用いられる対数(log )は、常用対数や自
然対数の他、任意の対数を用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図4は本発明方法を実施するため
の電流測定装置の一例を示す。この測定装置は、本願出
願人が特願平7−293442号で提案したものであ
る。この測定装置は、直流測定電源10、スイッチ1
1、被測定物であるコンデンサ12、制限抵抗13、対
数増幅器14、計測用アンプ15、A/D変換器16,
18、演算処理回路(CPU)17を備えている。充電
初期は計測用アンプ15で電流値を計測し、所定の閾値
で対数増幅器14に切り換え、それ以後は対数増幅器1
4で電流値を計測する。この測定装置は、コンデンサ1
2の充電電流が幅広いレンジで変化しても正確に測定す
ることができるので、従来の測定装置では計測困難であ
った充電初期から充電終期までの電流値を連続的に計測
できる。
【0015】ここで、本発明の充電電流を予測する方法
の原理を説明する。まず、コンデンサの等価回路が図2
で表されることは既に述べた。ここで、図2に示した等
価回路の誘電分極成分である容量C1 ,C2 ・・・Cn
と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を、以下に示すように等比
数列の関係におく。 Ck =pk-11 , Rk =qk-11 但し、k=1,2・・・n、C1 ,R1 ,p,qは定数
である。等価回路に流れる電流式は以下のとおりであ
る。
【0016】
【数1】 但し、Eはコンデンサへの印加電圧、tは時間、R0
絶縁抵抗である。(1)式において、第1項は絶縁抵抗
0 を流れる電流、第2項は誘電分極成分Dを流れる電
流である。なお、充電初期には容量C0 と内部抵抗rと
の直列回路にも電流が流れるが、これは本発明における
電流計算式に直接関係がないので、省略した。上記のよ
うに設定した計算電流値i(t)と図4の電流測定装置
で実測された実測電流値m(t)とがほぼ一致するよう
に、パラメータC1 ,R1 ,p,qを決定する。
【0017】計算電流値i(t)と実測電流値m(t)
との一致度は以下のようにして評価する。まず、評価関
数n(t)を次のように設定する。 n(t)=log m(t)−log i(t) 上式で求めた評価関数n(t)を直線近似する。近似式
は一次式y=ax+bで表されるが、この式の傾きaと
切片bとが0に近い程、一致度が高いと判断する。な
お、評価時刻tは図3における誘電分極成分の充電領域
の初期(例えば5m秒〜20m秒)とする。この期間
は、一致度の評価を高速で行なうことを目的とするか、
あるいは高精度で行なうことを目的とするかで異なり、
その目的に応じて任意に選択できるものである。このよ
うに一致度の高いパラメータを用いて計算式(1)を修
正し、修正された計算式(1)に充電終了時の時間(例
えば60秒)を代入することにより、充電終了時の電流
値を求めることができる。
【0018】ここで、本発明方法の具体例を用いて説明
する。まず、被測定物であるコンデンサとして積層セラ
ミックコンデンサを用い、パラメータC1 ,R1 ,p,
qを次のような値に初期設定した。 C1 =210×10-121 =0.1×106 p=1.07 q=2.1
【0019】このような初期設定値により求めた計算値
i(t)と実測値m(t)を図5に示す。初期設定値に
より求めた直線近似式は、図5の中の式のように傾きa
=5.37、切片b=0.044であり、共に0に近く
ない。そのため、例えば60秒後の計算値i(t)と実
測値m(t)とが一致していないことが分かる。
【0020】次に、傾きaおよび切片bが0に近くなる
ように、図6のような方法を用いてパラメータC1 ,R
1 ,p,qを修正した。まず、パラメータC1 ,R1
p,qを初期設定する(ステップS1)。次に、初期設
定されたパラメータを用いて、計算式(1)により、誘
電分極成分の充電領域(例えば充電開始後10m秒付
近)における計算電流値i(t)を求める(ステップS
2)。続いて、同時点における実測値m(t)を測定
し、実測値m(t)と計算値i(t)との対数値の差に
より評価関数n(t)を求める(ステップS3)。次
に、評価関数n(t)を直線近似する(ステップS
4)。次に、近似式y=ax+bの切片bの絶対値が所
定値β(例えば、β=0.01)より小さいか否かを判
定する(ステップS5)。このステップは、切片bが0
に近いかどうかを判定するものである。ステップS5
で、|b|≧βの場合には、近似計算回数が所定回数N
1 以内であるか否かを判定する(ステップS6)。これ
は、無限ループを回避するための処理である。近似計算
回数がN1 回以下であれば、bの正負によってC1 を一
定値だけ増加もしくは減少させる(ステップS7)。近
似計算回数がN1 回以上になれば、C1 の修正では切片
bが0に近づかないことを意味するので、qおよび/ま
たはR1 をbの正負によって一定値だけ増加もしくは減
少させる(ステップS8)。ステップS7またはS8
で、C1 またはq,R1 を修正した後、ステップS2〜
S3〜S4〜S5を繰り返す。ステップS5で|b|<
βとなった場合は、続いて近似式の傾きaの絶対値が所
定値α(例えば、α=0.01)より小さいか否かを判
定する(ステップS9)。ステップS9で、|a|≧α
の場合には、近似計算回数が所定回数N2 以内であるか
否かを判定する(ステップS10)。これも、無限ルー
プを回避するための処理である。近似計算回数がN2
以下であれば、aの正負によってpを一定値だけ増加も
しくは減少させる(ステップS11)。近似計算回数が
2 回以上になれば、pの修正では傾きaが0に近づか
ないことを意味するので、qおよび/またはR1 をaの
正負によって一定値だけ増加もしくは減少させる(ステ
ップS12)。ステップS11またはS12で、pまた
はqおよび/またはR1 を修正した後、ステップS2〜
S3〜S4〜S5〜S9を繰り返し、|b|<βでかつ
|a|<αとなった場合に、一致が完了したと判断する
(ステップS13)。つまり、パラメータC1 ,R1
p,qを最終的に決定する。
【0021】最終的に決定されたパタメータは以下の通
りである。 C1 =198.3×10-121 =0.1×106 p=1.093 q=2.1
【0022】図7は修正されたパラメータを用いて求め
計算値i(t)と実測値m(t)との比較図である。
この場合の直線近似式は、傾きa=2×10-5、切片b
=−6×10-6であり、共に0に近い。図7から明らか
なように、計算値i(t)と実測値m(t)とが充電終
了時(例えば60秒後)でも非常によく一致しており、
本発明方法が非常に精度の高い予測方法であることが証
明された。
【0023】上記実施例では、直線近似によってパラメ
ータC1 ,R1 ,p,qを修正したが、直線近似に加え
て、2次曲線近似を用いることにより、パラメータを修
正するようにしてもよい。すなわち、図8に示されるよ
うに、実測値と計算値との対数値の差n(t)に対し
て、直線y=ax+bで近似した場合、傾きaおよび切
片bは共に0に近い値となり、直線近似の一致度は高い
ことになる。しかしながら、実測値と近似直線とは全く
一致していない。そのため、充電終期における計算値と
実測値とが大きく食い違う結果となる。このような場合
には、2次曲線近似を併用することにより、高い精度で
一致度を評価できる。
【0024】2次曲線近似を行う場合には、評価関数n
(t)の近似式をy=dx2 +ex+fとし、2次係数
dが0に近く、かつ(−e/2d)が一致度合いを比較
するための区間時間内の値となったとき、一致度が高い
と判断する。この区間時間としては、例えば5〜20m
秒程度が望ましい。一致度が低い場合、計算式(1)の
0 の値を変更する。このように、直線近似式と2次曲
線近似式の一致度が高くなるようにパラメータを修正し
た後、修正したパラメータを用いた計算式(1)で電流
値を求めれば、一層精度の高い計算値を得ることができ
る。
【0025】図9は直線近似法と2次曲線近似法とを併
用したパラメータの決定方法を示す図である。まず、充
電初期(例えば5〜20m秒)における電流値m(t)
を測定する(ステップS14)。次に、絶縁抵抗R0
決定する。R0 の初期値は標準的な被測定用コンデンサ
の絶縁抵抗よりも十分大きな値(例えば、1012Ω)を
設定する(ステップS15)。次に、パタメータC1
1 ,p,qを決定する(ステップS16)。これらパ
ラメータの初期値は図6のステップS1と同様に、経験
的に知られた値とすればよい。次に、決定されたパラメ
ータを用いて計算式(1)により計算電流値i(t)を
求める(ステップS17)。次に、実測した電流値m
(t)と計算で求めた計算電流値i(t)との対数値の
により評価関数n(t)を求める(ステップS1
8)。次に、評価関数n(t)を直線近似する(ステッ
プS19)。 次に、直線近似による一致
度が高いか否かを判定する(ステップS20)。判定方
法は、図6における傾きaと切片bが共に0に近いかど
うか(例えば、aおよびbが共に0.01未満であれば
0に近いと判定する)で判定する。一致度が低い場合
は、パタメータC1 ,R1 ,p,qを修正し、ステップ
S16以下の処理を繰り返す。直線近似の一致度が高い
場合には、続いて評価関数n(t)を2次曲線近似する
(ステップS21)。続いて、2次曲線近似による一致
度が高いか否かを判定する(ステップS22)。この判
定方法は、2次曲線近似式の2次係数dが0に近く、か
つ(−e/2d)が一致度合いを比較するための区間時
間内の値となったか否かで判定する。一致度が低い場合
は、パタメータR0 を修正し、ステップS15以下の処
理を繰り返す。2次曲線近似の一致度が高いと判断した
場合には、パラメータR0 およびC1 ,R1 ,p,qを
最終決定する(ステップS23)。
【0026】上記実施例では、評価関数n(t)を実測
値m(t)と計算値i(t)との対数値の差で定義した
が、これに限るものではなく、実測値m(t)と計算値
i(t)との対数値の比、実測値m(t)と計算値i
(t)との比、あるいは実測値m(t)と計算値i
(t)との差で定義し、直線近似することも可能であ
る。すなわち、 n(t)=log m(t)/log i(t) または n(t)=m(t)/i(t) または n(t)=m(t)−i(t) 但し、評価関数n(t)=log m(t)/log i(t)
およびn(t)=m(t)/i(t)で定義した場合に
は、直線近似式y=ax+bの傾きaが0に近く、かつ
切片bが1に近いか否かで、直線近似の一致度を評価す
ればよい。また、n(t)=m(t)−i(t)で定義
した場合には、傾きaが0に近く、かつ切片bが0に近
いか否かで、直線近似の一致度を評価すればよい。上記
のように評価関数n(t)を上記のように定義した場
合、直線近似に加えて、あるいは直線近似に代えて2次
曲線近似を用いることも可能である。
【0027】上記実施例では、コンデンサに流れる充電
電流を、制限抵抗13(図4参照)によってJISで決
められた50mAに制限したものであるが、制限抵抗1
3の抵抗値を小さくして充電電流を大きくすると、図1
0に示すように充電の応答が速くなることを発見した。
図10の実線は充電電流を50mAとした場合、二点鎖
線は充電電流を100mAとした場合である。
【0028】すなわち、容量C0 による充電領域の電
流値が高くなるとともに、その時間が短縮された。これ
に対し、誘電分極成分の充電領域の充電曲線は全く変
化しておらず、充電領域の開始点がより速くなった。
つまり、線形的な誘電分極成分の充電領域が延長され
たものである。
【0029】そのため、第1実施例では計算式(1)の
評価,修正を行う時刻t1 を充電開始から10m秒以後
のタイミングとしたが、10m秒より以前の時刻で評
価,修正することが可能となる。つまり、より高速にか
つより正確に絶縁抵抗を求めることが可能となった。
【0030】また、上記実施例では、コンデンサに対し
電圧を連続的に印加し、その充電特性から計算式(1)
を評価,修正したものであるが、本発明者は必ずしも連
続的に印加しなくても、図3と同様な特性が得られるこ
とを発見した。図11は、所定間隔おきに断続的に直流
電圧を印加した場合の充電特性を示す。
【0031】図11より明らかなように、充電開始から
4 までの期間では図3と同様に容量C0 による充電領
域が現れ、誘電分極成分の充電領域が現れた直後に
電圧印加を停止する。次に、時刻t5 で再び電圧を印加
すると、最初は大きな電流が流れるものの、直ぐに線型
の充電特性’に安定する。この充電特性’は、充電
開始からt4 までの期間における充電領域の延長線上
にある。以後、同様に断続印加を繰り返すと、直線的な
充電特性に従って充電電流が低下する。なお、図11で
は等間隔で電圧印加を行ったように見えるが、図11の
横軸は対数時間であるため、実際には1回目より2回目
の電圧印加の方が長い。これは説明を簡単にするためで
あり、電圧印加の時間間隔を一定としてもよいし、1回
目の方が長くてもよいことは勿論である。
【0032】上記のような断続印加方式を用いた場合、
1回目の電圧印加における誘電分極成分の充電領域内
のある時刻t6 で電流値i6 を測定した後、2回目の電
圧印加における誘電分極成分の充電領域’内のある時
刻t7 で電流値i7 を測定し、これら2回またはそれ以
上の回数の電流値i6 ,i7 で計算式(1)の評価,修
正を行うことができる。この方法を用いれば、連続的に
電圧を印加する必要がないので、絶縁抵抗測定装置の設
備能力を向上させることが可能である。
【0033】図12は本発明方法を用いた特性測定・選
別・テーピング装置の一具体例を示す。図において、2
0はターンテーブルであり、ターンテーブル20は矢印
方向に一定ピッチ間隔で間欠的に回転する。ターンテー
ブル20の周囲には、被測定物であるチップ型コンデン
サを1個ずつ保持できる複数の保持部21が等ピッチ間
隔で設けられている。ターンテーブル20の周囲には、
コンデンサをターンテーブル20へ供給する供給部2
2、容量測定部23、本発明が実施される充電IR測定
部24、不良品排出部25、良品取出部26等が設けら
れており、供給部22にはコンデンサを1個ずつターン
テーブル20へ送り込むパーツフィーダなどの供給装置
27が配置されている。
【0034】また、良品取出部26に対応してテーピン
グ装置28が配置されている。テーピング装置28はコ
ンデンサ収納用の基材テープ29を矢印方向に1ピッチ
ずつ間欠的に駆動しており、基材テープ29の収納部2
9aには良品取出部26から良品コンデンサが1個ずつ
収納される。収納部29aへコンデンサを収納した後、
テーピング装置28は周知のように基材テープ29にカ
バーテープ(図示せず)を接着する。
【0035】従来の場合には、コンデンサをターンテー
ブル上で長時間充電しなければならないため、テーピン
グ装置と同期させることができず、ターンテーブルで特
性測定を終了した良品のコンデンサを取出容器などに所
定個数溜めておき、取出容器からコンデンサを改めてパ
ーツフィーダなどを用いて1個ずつ取り出し、テーピン
グ装置に供給していた。そのため、特性測定から梱包に
至る作業スピードが非常に遅く、設備の大型化、コスト
の増大を招いていた。
【0036】これに対し、本発明方法を用いた場合に
は、コンデンサの充電時の電流、つまり絶縁抵抗を瞬時
に求めることができるので、ターンテーブル20の1回
もしくは数回の停止期間中に絶縁抵抗測定を終了でき、
充電IR測定部24を1区画もしくは数少ない区画で構
成することができる。そのため、ターンテーブル20と
テーピング装置28とを同期させることができ、特性測
定が終了したコンデンサをターンテーブル22から直接
テーピング装置28へ送り込むことができる。その結
果、従来に比べて作業スピードが格段に向上するだけで
なく、設備の小型化およびコスト削減を実現できる。
【0037】図13は特性測定・選別・テーピング装置
の他の具体例を示す。この装置は、1台のターンテーブ
ル20を中心として、その両側にパーツフィーダなどの
供給装置27を配置するとともに、2台のテーピング装
置28を配置したものである。2本のテープ29は互い
に逆方向に送られる。この装置の場合、図12の装置に
比べて作業スピードの一層の向上と、効率化とが図れ
る。
【0038】図14は特性測定・選別・バルクケース詰
め装置の一具体例を示す。この装置では、パーツフィー
ダ27、ターンテーブル20を経て取り出された良品コ
ンデンサは、ターンテーブル20からバルクケース詰め
装置30によってバルクケース31へ詰められる。バル
クケース31には所定個数のコンデンサを収納できるよ
うになっており、一定個数のコンデンサが収納された
後、バルクケース31は矢印方向に駆動される。この場
合も、図12と同様な効果がある。
【0039】上記実施例では、コンデンサの等価回路に
よる電流計算式を用いて充電時の電流値を予測したが、
近似式などの他の手法を用いて充電時の電流値を予測し
てもよい。また、等価回路の誘電分極成分である容量C
1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を等比
数列の関係に設定したが、等比数列以外の関係に設定し
てもよい。いずれにしても、実測電流値m(t)と計算
電流値i(t)の一致度から、容量C1 ,C2 ・・・C
n と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を決定できる方法であれ
ばよい。また、実測電流値m(t)と計算電流値i
(t)との一致度を評価するため、直線近似または2次
曲線近似を行ったが、他の公知の近似法を用いてもよい
ことは勿論である。
【0040】なお、本発明はセラミックコンデンサに限
らず、電解コンデンサやフィルムコンデンサなど、誘電
分極成分を有するコンデンサであれば、如何なるコンデ
ンサであっても適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、直流電圧印加時におけるコンデンサの誘電分極
成分の充電領域の電流値を測定し、この電流値を用い
て、充電終了時の電流値を予測し、この予測された電流
値を用いてコンデンサの良否を判定するようにしたの
で、最終的な電流値(例えば電圧印加1分後の電流値)
を短時間にかつ正確に予測でき、コンデンサの良否を効
率よく判定することができる。また、請求項2のように
コンデンサの等価回路から電流計算式を求め、電圧の印
加初期における誘電分極成分の充電領域の実測電流値と
計算電流値との比較によって計算式を修正し、この修正
計算式から充電終了時点の電流値を予測するようにすれ
ば、最終的な充電電流値を非常に精度よく予測できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサの等価回路の一例の回路図である。
【図2】コンデンサの等価回路の他の例の回路図であ
る。
【図3】コンデンサの充電電流の変化を示す図である。
【図4】充電電流測定装置の一例の回路図である。
【図5】本発明にかかる電流計算式の修正前の計算値と
実測値との比較図である。
【図6】直線近似法を用いてパラメータを決定する方法
を示すフローチャート図である。
【図7】本発明にかかる電流計算式の修正後の計算値と
実測値との比較図である。
【図8】直線近似式による近似ができない場合の図であ
る。
【図9】直線近似と2次曲線近似とを併用した場合のパ
ラメータ決定方法を示すフローチャート図である。
【図10】充電電流を大きくした時のコンデンサの充電
特性図である。
【図11】断続印加時におけるコンデンサの充電特性図
である。
【図12】本発明方法を用いた特性測定・選別・テーピ
ング装置の一例の平面図である。
【図13】本発明方法を用いた特性測定・選別・テーピ
ング装置の他の例の平面図である。
【図14】本発明方法を用いた特性測定・選別・バルク
ケース詰め装置の一例の平面図である。
【符号の説明】
10 直流測定電源 12 コンデンサ 13 抵抗 14 対数増幅器 15 計測用アンプ 16,18 A/D変換器 17 CPU 20 ターンテーブル 24 充電IR測定部 27 パーツフィーダ 28 テーピング装置
フロントページの続き (72)発明者 田端 利成 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平9−113545(JP,A) 特開 昭62−123367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/00 G01R 31/02 G01R 27/00 - 27/32 H01G 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンデンサに直流電圧を印加する工程と、直流電圧 印加時におけるコンデンサの誘電分極成分の充
    電領域の電流値を測定する工程と、 上記誘電分極成分の充電領域の電流値を 用いて、充電終
    時の電流値を予測する工程と、上記充電終了時の電流値を用いてコンデンサの良否を判
    定する工程と、 を備えたコンデンサの良否判定方法
  2. 【請求項2】上記充電終了時の電流値を予測する工程
    は、 コンデンサの等価回路を使って電流計算式を初期設定す
    る工程と、 コンデンサの実測電流値m(t)と上記電流計算式を使
    って求めた計算電流値i(t)とが一致するように、等
    価回路の誘電分極成分である容量C1 ,C2 ・・・Cn
    と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn とを決定し、電流計算式を
    修正する工程と、修正された電流計算式を用いて充電終
    時における電流値を求める工程と、を含む請求項1に
    記載のコンデンサの良否判定方法
  3. 【請求項3】上記容量C1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R
    1 ,R2 ・・・Rn をそれぞれ等比数列の関係におき、
    それぞれの初項C1 ,R1 と公比p,qを求めることに
    より、容量C1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・
    ・Rn とを決定することを特徴とする請求項2に記載の
    コンデンサの良否判定方法
  4. 【請求項4】上記電流計算式を修正する工程において、
    コンデンサの実測電流値m(t)と計算電流値i(t)
    との一致度を評価するため、評価関数n(t)を次式の
    いずれかに定義し、この評価関数n(t)と時間とを座
    標軸にとり、直線近似を行うことを特徴とする請求項2
    または3に記載のコンデンサの良否判定方法。 n(t)=log m(t)−log i(t) n(t)=log m(t)/log i(t) n(t)=m(t)/i(t) n(t)=m(t)−i(t)
  5. 【請求項5】上記電流計算式を修正する工程において、
    コンデンサの実測電流値m(t)と計算電流値i(t)
    との一致度を評価するため、評価関数n(t)を次式の
    いずれかに定義し、この評価関数n(t)と時間とを座
    標軸にとり、2次曲線近似を行うことを特徴とする請求
    項2ないし4のいずれかに記載のコンデンサの良否判定
    方法。 n(t)=log m(t)−log i(t) n(t)=log m(t)/log i(t) n(t)=m(t)/i(t) n(t)=m(t)−i(t)
  6. 【請求項6】上記直流電圧の印加によってコンデンサ
    流れる最大充電電流を50mAより大きな電流としたこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコ
    ンデンサの良否判定方法
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