JP3293541B2 - コンデンサの絶縁抵抗測定方法 - Google Patents

コンデンサの絶縁抵抗測定方法

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JP3293541B2 JP34861997A JP34861997A JP3293541B2 JP 3293541 B2 JP3293541 B2 JP 3293541B2 JP 34861997 A JP34861997 A JP 34861997A JP 34861997 A JP34861997 A JP 34861997A JP 3293541 B2 JP3293541 B2 JP 3293541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサの絶縁抵
抗測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンデンサの絶縁抵抗測定で
は、測定電圧を被検体であるコンデンサに印加し、十分
充電された後のコンデンサの漏れ電流を測定する。当然
のごとく良品は漏れ電流が少ない。しかし、漏れ電流が
少ない状態は測定端子がコンデンサの電極に十分に接触
していない時でも発生する。このため、測定端子の接触
の良否を検出する必要が生じる。
【0003】そこで、特開平4−131770号公報の
ように、接触検出回路として、交流電圧を印加する正弦
波発生器と、正弦波発生器からコンデンサを経由して流
れる交流信号を検出するRMS/DC変換器とを設けた
ものや、特開平3−77073号公報のように、コンデ
ンサの両端に一定電圧を印加する定電圧電源と、この電
源から流出する漏れ電流を測定する電流検出用抵抗と、
コンデンサに充電された電荷を放電する放電回路と、放
電電流を検出する放電電流検出回路とを有し、放電電流
検出回路で放電電流を検出することにより、コンデンサ
の接続の良否を判定するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの絶縁抵抗測定装置においても、コンデンサの漏れ
電流の検出工程とは別に接触検出工程を行う必要がある
ため、接触検出のために時間を要するという問題があっ
た。特に、測定端子とコンデンサとの接触状態は多様で
あり、完全に離れている場合の検出は比較的容易である
が、僅かに接触している場合や、端子の劣化などにより
接触抵抗が高い場合には、正常に接触している場合との
判別が難しい。そのため、従来の測定装置ではある程度
の接触検出時間が必要となり、効率のよい絶縁抵抗測定
ができなかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、測定端子とコン
デンサとが正常に接触しているか否かを短時間でかつ確
実に検出でき、効率のよい絶縁抵抗測定ができるコンデ
ンサの絶縁抵抗測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、コンデンサの電極に測定端子を接触させ
て直流電圧を印加する工程と、上記コンデンサの容量C
0 の充電期間における電流値を測定する工程と、上記電
流値と設定値とを比較することにより、コンデンサと測
定端子との接触状態を検出する工程と、上記接触検出工
程で正常な接触状態であると判定された場合に、コンデ
ンサの絶縁抵抗を測定する工程とを有し、上記絶縁抵抗
の測定工程は、容量C 0 の充電期間に後続する誘電分極
成分Dの充電期間の電流値を用いて、充電終了時の電流
値を予測する工程を含むものである。
【0007】本発明者は、セラミックコンデンサについ
て、充電時における電流値の変化を正確に測定し、その
電流値と時間とを対数電流−対数時間の座標にプロット
したところ、図1(実線で示す)のような特性があるこ
とを発見した。つまり、充電初期の微小期間はほぼ一
定の大きな電流が流れるが、それに続く遷移期間で急
激に電流値が低下し、その後、ある傾きを持った線形の
充電特性で電流が低下した。この線形の充電特性
は、充電開始から1分〜2分後まで持続していた。
【0008】上記特性についてさらに検討してみると、
次のような事実が判明した。すなわち、コンデンサの等
価回路は、図2のように容量C0 、内部抵抗r、絶縁抵
抗R0 および誘電分極成分Dで構成されるが、初期の充
電特性は容量C0 の充電領域であるのに対し、線形の
充電特性は誘電分極成分Dの充電領域であるというこ
とである。
【0009】コンデンサの絶縁抵抗測定に際し、測定端
子をコンデンサの電極に接触させるが、測定端子がコン
デンサに全く接触していない場合は、図1に破線で示す
ように電流値は非常に低く、接触の良否判定は簡単であ
る。ところが、測定端子が僅かに接触している場合や、
端子の劣化などにより接触抵抗が高い場合には、図1に
二点鎖線で示すように、ある程度の電流値を保持した状
態が持続することになり、正常に接触しているか否かの
判定が難しくなる。
【0010】そこで、本発明では、容量C0 の充電特性
を用いて接触検出を行うことにより、短時間でかつ簡
単に接触の良否を判別できるようにしたものである。す
なわち、誘電分極成分Dの充電特性の電流値は比較的
低く、測定端子が僅かに接触している場合(図1に二点
鎖線で示す)との判別が難しいのに対し、容量C0 の充
電特性の電流値は誘電分極成分Dの充電特性に比べ
て非常に高い(通常は誘電分極成分Dの充電特性の最
大電流値の10倍以上)ので、測定端子が僅かに接触し
ている場合との判定が容易であるからである。容量C0
による充電期間はコンデンサの容量値や充電電流など
によって変化するが、通常は1m秒、長くとも10m秒
以下である。したがって、充電開始から10m秒以前の
電流値を測定すれば、接触の良否を簡単に判別できる。
【0011】本発明では上記のように容量C0 の充電期
間1)の充電特性を用いて接触の良否を判定した後、接触
状態が正常である場合に、引き続いて絶縁抵抗を測定す
る。絶縁抵抗の測定方法には種々の方法があるが、次の
ような予測方法を用いれば、短時間で測定することが可
能である。すなわち、図1に示されるように、誘電分極
成分Dの充電特性である線形の充電特性3)は、JISで
決められた絶縁抵抗終了時間(例えば電圧印加から60
秒後)まで持続しているので、線形の充電特性3)の初期
の特性から、充電終了時(例えば60秒後)の充電電流
を予測することが可能である。したがって、接触検出〜
絶縁抵抗測定を数十m秒で完結させることができる。
【0012】充電終了時の充電電流を予測する方法には
種々の方法が考えられる。例えば、コンデンサの等価回
路を使って電流計算式を初期設定し、コンデンサの実測
電流値m(t)と上記電流計算式を使って求めた計算電
流値i(t)とが一致するように、電流計算式を修正
し、この修正された電流計算式を用いて充電時における
電流値を求める方法や、コンデンサの誘電分極成分Dの
充電領域の複数の実測電流値から直線または対数計算式
を求め、この計算式から最終的な充電時の電流値を予測
する方法などが考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】図3は本発明方法を実施するため
の接触検出・電流測定装置の一例を示す。この測定装置
は、本願出願人が特願平7−293442号で提案した
ものである。この測定装置は、直流測定電源10、スイ
ッチ11、被測定物であるコンデンサ12、制限抵抗1
3、対数増幅器14、計測用アンプ15、A/D変換器
16,18、演算処理回路(CPU)17を備えてい
る。コンデンサ12の両側の電極には測定端子19a,
19bが接触している。充電初期は計測用アンプ15で
電流値を計測し、所定の閾値で対数増幅器14に切り換
え、それ以後は対数増幅器14で電流値を計測する。こ
の測定装置は、コンデンサ12の充電電流が幅広いレン
ジで変化しても正確に測定することができるので、従来
の測定装置では計測困難であった充電初期から充電終期
までの電流値を連続的に計測できる。なお、本発明は図
3の測定装置を用いる必要性はなく、充電初期の電流値
を正確に測定できるものであれば、他の測定装置を用い
ることも可能である。
【0014】ここで、本発明の接触検出方法を図4にし
たがって説明する。まず、接触検出をスタートすると、
直流電圧の印加開始から所定時間t0 より短い時刻tに
おける電流値m(t)を測定する。この時間t0 は、コ
ンデンサ12の容量C0 による充電期間を判別するため
の時間であり、通常は1m秒程度、長くとも10m秒以
下である。次に、電流値m(t)を設定値icと比較す
る。この設定値icは、測定端子19a,19bがコン
デンサ12に僅かに接触している場合や、接触抵抗が高
い場合に想定される最大電流値であり、例えば10μA
〜100μA程度に設定されている。もしm(t)>i
cであれば、測定端子がコンデンサの電極に正常に接触
していると判定し、後述する絶縁抵抗測定へ移行する。
一方、m(t)≦icであれば、接触不良であると判定
する。なお、接触不良であると判定した場合には、コン
デンサを一旦溜めておき、再度測定しなおすか、もしく
は廃棄する。
【0015】次に、コンデンサの絶縁抵抗測定方法の一
例について説明する。まず、コンデンサの等価回路が図
2で表されることは既に述べた。ここで、図2に示した
等価回路の誘電分極成分Dである容量C1 ,C2 ・・・
n と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を、以下に示すように
等比数列の関係におく。 Ck =pk-1 1 , Rk =qk-1 1 但し、k=1,2・・・n、C1 ,R1 ,p,qは定数
である。等価回路に流れる電流式は以下のとおりであ
る。
【0016】
【数1】 但し、Eはコンデンサへの印加電圧、tは時間、R0
絶縁抵抗である。(1)式において、第1項は絶縁抵抗
0 を流れる電流、第2項は誘電分極成分Dを流れる電
流である。なお、充電初期には容量C0 と内部抵抗rと
の直列回路にも電流が流れるが、ここでは直接関係がな
いので省略した。上記のように設定した計算電流値i
(t)と図3の電流測定装置で実測された実測電流値m
(t)とがほぼ一致するように、パラメータC1
1 ,p,qを決定する。
【0017】計算電流値i(t)と実測電流値m(t)
との一致度は以下のようにして評価する。まず、評価関
数n(t)を次のように設定する。 n(t)=log m(t)−log i(t) 上式で求めた評価関数n(t)を直線近似する。近似式
は一次式y=ax+bで表されるが、この式の傾きaと
切片bとが0に近い程、一致度が高いと判断する。な
お、評価時刻tは図1における誘電分極成分Dの充電領
域の初期(例えば数m秒〜数十m秒)とする。このよ
うに一致度の高いパラメータを用いて計算式(1)を修
正し、修正された計算式(1)に充電終了時の時間(例
えば60秒)を代入することにより、充電終了時の電流
値を求めることができる。
【0018】ここで、絶縁抵抗測定の具体例を用いて説
明する。まず、被測定物であるコンデンサとして積層セ
ラミックコンデンサを用い、パラメータC1 ,R1
p,qを次のような値に初期設定した。 C1 =210×10-121 =0.1×106 p=1.07 q=2.1
【0019】このような初期設定値により求めた計算値
i(t)と実測値m(t)を図5に示す。初期設定値に
より求めた直線近似式は、図5の中の式のように傾きa
=5.37、切片b=0.044であり、共に0に近く
ない。そのため、例えば60秒後の計算値i(t)と実
測値m(t)とが一致していないことが分かる。
【0020】次に、傾きaおよび切片bが0に近くなる
ように、図6のような方法を用いてパラメータC1 ,R
1 ,p,qを修正した。まず、パラメータC1 ,R1
p,qを初期設定する(ステップS1)。次に、初期設
定されたパラメータを用いて、計算式(1)により、誘
電分極成分の充電領域(例えば充電開始後10m秒付
近)における計算電流値i(t)を求める(ステップS
2)。続いて、同時点における実測値m(t)を測定
し、実測値m(t)と計算値i(t)との差により評価
関数n(t)を求める(ステップS3)。次に、評価関
数n(t)を直線近似する(ステップS4)。次に、近
似式y=ax+bの切片bの絶対値が所定値βより小さ
いか否かを判定する(ステップS5)。このステップ
は、切片bが0に近いかどうかを判定するものである。
ステップS5で、|b|≧βの場合には、近似計算回数
が所定回数N1 以内であるか否かを判定する(ステップ
S6)。これは、無限ループを回避するための処理であ
る。近似計算回数がN1 回以下であれば、bの正負によ
ってC1 を一定値だけ増加もしくは減少させる(ステッ
プS7)。近似計算回数がN1 回以上になれば、C1
修正では切片bが0に近づかないことを意味するので、
qおよび/またはR1 をbの正負によって一定値だけ増
加もしくは減少させる(ステップS8)。ステップS7
またはS8で、C1 またはq,R1 を修正した後、ステ
ップS2〜S3〜S4〜S5を繰り返す。ステップS5
で|b|<βとなった場合は、続いて近似式の傾きaの
絶対値が所定値αより小さいか否かを判定する(ステッ
プS9)。ステップS9で、|a|≧αの場合には、近
似計算回数が所定回数N2 以内であるか否かを判定する
(ステップS10)。これも、無限ループを回避するた
めの処理である。近似計算回数がN2 回以下であれば、
aの正負によってpを一定値だけ増加もしくは減少させ
る(ステップS11)。近似計算回数がN2 回以上にな
れば、pの修正では傾きaが0に近づかないことを意味
するので、qおよび/またはR1 をaの正負によって一
定値だけ増加もしくは減少させる(ステップS12)。
ステップS11またはS12で、pまたはqおよび/ま
たはR1 を修正した後、ステップS2〜S3〜S4〜S
5〜S9を繰り返し、|b|<βでかつ|a|<αとな
った場合に、一致が完了したと判断する(ステップS1
3)。つまり、パラメータC1 ,R1 ,p,qを最終的
に決定する。
【0021】最終的に決定されたパタメータは以下の通
りである。 C1 =198.3×10-121 =0.1×106 p=1.093 q=2.1
【0022】図7は修正されたパラメータを用いて求め
た計算値(t)と実測値m(t)との比較図である。こ
の場合の直線近似式は、傾きa=2×10-5、切片b=
−6×10-6であり、共に0に近い。図7から明らかな
ように、計算値i(t)と実測値m(t)とが充電終了
時(例えば60秒後)でも非常によく一致しており、上
記の予測方法が非常に精度が高いことが証明された。
【0023】上記実施例では、等価回路の誘電分極成分
である容量C1 ,C2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・
・Rn を等比数列の関係に設定したが、等比数列以外の
関係に設定してもよい。いずれにしても、実測電流値m
(t)と計算電流値i(t)の一致度から、容量C1
2 ・・・Cn と抵抗R1 ,R2 ・・・Rn を決定でき
る方法であればよい。また、実測電流値m(t)と計算
電流値i(t)との一致度を評価するため、直線近似に
よってパラメータC1 ,R1 ,p,qを修正したが、直
線近似に加えて、2次曲線近似を用いることにより、パ
ラメータを修正するようにしてもよい。さらに、他の公
知の近似法を用いてもよいことは勿論である。
【0024】充電初期の実測値から充電終了時の電流値
を予測する場合、上記実施例のようなコンデンサの等価
回路から求めた電流式(1)によって予測する方法に限
るものではない。例えば図8のように、誘電分極成分D
の線形の充電特性の2つの時点t1 ,t2 の電流値i
1 ,i2 を測定し、これら電流値i1 ,i2 から次のよ
うな直線計算式を求め、この計算式から充電終了時刻t
3 における電流値i3を予測してもよい。 log i=a・log t+b ・・・(2)
【0025】上記の直線計算式による絶縁抵抗測定方法
を、図9にしたがって説明する。まず、コンデンサに直
流電圧を印加する(ステップS20)。次に、誘電分極
成分Dの充電領域の初期における2つの時点t1 ,t
2 の電流値i1 ,i2 を測定する(ステップS21)。
続いて、測定電流値i1 ,i2 からコンデンサの誘電分
極成分Dの充電領域の直線計算式(2)の勾配aと切片
bを求める(ステップS22)。勾配aと切片bは次式
により計算される。 a=(log i2 −log i1 )/(log t2 −log t1 ) b=(log i1 ・log t2 −log i2 ・log t1 )/
(log t2 −log t1 ) 次に、勾配aと切片bとを求めた直線計算式(2)に充
電終了時t3 (例えば60秒)を代入すれば、充電時の
電流値i3 を計算で求めることができる(ステップS2
3)。この電流値i3 からコンデンサの絶縁抵抗を知る
ことができる。
【0026】上記実施例では、対数座標における直線計
算式(2)を用いて時刻t3 の電流値i3 を予測した
が、コンデンサの種類によっては誘電分極成分Dの充電
特性が必ずしも直線にならない場合がある。その場合
には、次のような対数計算式を用いて電流値i3 を求め
てもよい。 log (log i)=a・log t+b ・・・(3) この場合には、勾配aと切片bは次のようにして求めら
れる。
【0027】
【数2】
【数3】
【0028】また、上記実施例では、コンデンサの充電
特性から計算式(1)を評価,修正したり、直線計算式
(2)または対数計算式(3)を求めるために、コンデ
ンサに対し電圧を連続的に印加したものであるが、本発
明者は必ずしも連続的に印加しなくても、図1と同様な
特性が得られることを発見した。図10は、所定間隔お
きに断続的に直流電圧を印加した場合の充電特性を示
す。
【0029】図10より明らかなように、充電開始から
4 までの期間では図1と同様に容量による充電領域
が現れ、誘電分極成分の充電領域が現れた直後に電圧
印加を停止する。次に、時刻t5 で再び電圧を印加する
と、最初は大きな電流が流れるものの、直ぐに線形の
充電特性に安定する。この充電特性は、充電開始か
らt4 までの期間における充電領域の延長線上にあ
る。以後、同様に断続印加を繰り返すと、線形の充電特
性に従って充電電流が低下する。
【0030】なお、図10では等間隔で電圧印加を行っ
たように見えるが、図10の横軸は対数時間であるた
め、実際には1回目より2回目の電圧印加の方が長い。
これは説明を簡単にするためであり、電圧印加の時間間
隔を一定としてもよいし、1回目の方が長くてもよいこ
とは勿論である。また、図10では横軸が対数時間のた
め、2回目の電圧印加時における充電特性が鋭角的な
特性として現れているが、実際には1回目の電圧印加と
同様に容量C0 による充電領域〜が存在している。
ただし、2回目以降の充電特性の最大電流値はOFF
時間と関連しており、OFF時間が短い程、充電特性
の最大電流値が低くなる傾向にある。
【0031】上記のような断続印加方式を用いた場合、
1回目の電圧印加時に接触検出を行った後、2回目以降
の電圧印加時にも接触検出を行うことにより、接触検出
の確実性を増すことができる。つまり、1回目と2回目
の接触検出で共に正常と判定された場合のみ、引き続い
て絶縁抵抗測定を行う方が望ましい。逆に、いずれかの
接触検出で接触不良と判定された場合には、絶縁抵抗測
定を行っても正確な測定値が得られないので、NG品と
して排出すればよい。
【0032】また、断続印加方式を用いた場合、1回目
の電圧印加における誘電分極成分の充電領域内のある
時刻t6 で電流値i6 を測定した後、2回目の電圧印加
における誘電分極成分の充電領域内のある時刻t7
電流値i7 を測定し、これら2回またはそれ以上の回数
の電流値i6 ,i7 を用いて、計算式(1)の評価,修
正を行ったり、計算式(2),(3)を求めることがで
きる。なお、断続印加の場合、OFF時間が長くなり過
ぎると、連続印加時の特性と同一の充電特性が得られな
くなる。本発明者らの実験によると、0.01μF以上
の容量値を有するコンデンサであれば、断続印加のOF
F時間を500m秒以下とすれば、連続印加時と同様な
結果が得られた。この方法を用いれば、連続的に電圧を
印加する必要がないので、絶縁抵抗測定装置の設備能力
を向上させることが可能である。
【0033】なお、本発明はセラミックコンデンサに限
らず、電解コンデンサやフィルムコンデンサなど、充電
時に容量C0 による充電特性と誘電分極成分Dによる充
電特性とを有するコンデンサであれば、如何なるコンデ
ンサであっても適用可能である。また、本発明は、コン
デンサの絶縁抵抗そのものを測定する場合に限らず、
えば予測した充電終了時の電流値からコンデンサの良否
判別を行ってもよい。良否判別方法としては、例えば電
圧印加から所定時間(例えば数秒)後の充電電流値を測
定し、この電流値を所定のしきい値と比較することによ
り、コンデンサの良否を判別する方法などがある。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、コンデンサの容量C0 の充電期間における電流
値を用いて、コンデンサと測定端子との接触状態を検出
するようにしたので、従来では判別が難しかった測定端
子が僅かに接触している場合と正常に接触している場合
との判別が容易にでき、短時間でかつ確実に接触の良否
を判別できる。また、上記のように接触検出を終了した
後、これに引き続く誘電分極成分Dの充電特性から絶縁
抵抗を予測するので、接触検出から絶縁抵抗の測定まで
数十m秒で終了でき、コンデンサの選別・測定処理を非
常に効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサの充電電流の変化を示す図である。
【図2】コンデンサの等価回路図である。
【図3】接触検出・電流測定装置の一例の回路図であ
る。
【図4】本発明にかかる接触検出方法を示すフローチャ
ート図である。
【図5】電流計算式の修正前の計算値と実測値との比較
図である。
【図6】直線近似法を用いてパラメータを決定する方法
のフローチャート図である。
【図7】電流計算式の修正後の計算値と実測値との比較
図である。
【図8】直線計算式を用いて絶縁抵抗を求める方法を示
す充電特性図である。
【図9】直線計算式を用いて絶縁抵抗を求める方法のフ
ローチャート図である。
【図10】断続印加時におけるコンデンサの充電特性図
である。
【符号の説明】
10 直流測定電源 12 コンデンサ 13 抵抗 14 対数増幅器 15 計測用アンプ 16,18 A/D変換器 17 CPU 19a,19b 測定端子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−209179(JP,A) 特開 平3−77073(JP,A) 特開 平10−221396(JP,A) 特開 平10−227821(JP,A) 特開 平9−113545(JP,A) 特開 昭62−123367(JP,A) 特許3175674(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/00 G01R 31/02 G01R 27/00 - 27/32 H01G 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサの電極に測定端子を接触させて
    直流電圧を印加する工程と、 上記コンデンサの容量C0 の充電期間における電流値を
    測定する工程と、 上記電流値と設定値とを比較することにより、コンデン
    サと測定端子との接触状態を検出する工程と、 上記接触検出工程で正常な接触状態であると判定された
    場合に、コンデンサの絶縁抵抗を測定する工程とを有
    し、 上記絶縁抵抗の測定工程は、容量C0 の充電期間に後続
    する誘電分極成分Dの充電期間の電流値を用いて、充電
    終了時の電流値を予測する工程を含むことを特徴とする
    コンデンサの絶縁抵抗測定方法。
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