JP3174725B2 - 放射線遮蔽板付パレット及びこれを用いた放射性物質の貯蔵設備 - Google Patents

放射線遮蔽板付パレット及びこれを用いた放射性物質の貯蔵設備

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JP3174725B2 JP00743396A JP743396A JP3174725B2 JP 3174725 B2 JP3174725 B2 JP 3174725B2 JP 00743396 A JP00743396 A JP 00743396A JP 743396 A JP743396 A JP 743396A JP 3174725 B2 JP3174725 B2 JP 3174725B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性物質の搬送
時及び貯蔵時に使用する放射線遮蔽板付パレット及びこ
れを用いた放射性物質の貯蔵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所では、放射性固体廃棄物を
収納した200リットルドラム缶を取り扱っているが、
この200リットルドラム缶には、放射線(γ線)を遮
蔽する機能が殆どなく、内容物の線量当量率が高いと、
ドラム缶表面の線量当量率が高くなる。
【0003】従って表面線量当量の高い放射性固体廃棄
物をプラント内で搬送する場合には、図6に示すように
放射性固体廃棄物(ドラム缶)bの表面に鉛マットaを
掛けて、作業員dの被曝を低減する対策を講じた上で、
手押し台車c等を用いて搬送するようにしている。放射
性固体廃棄物bは、施設内に設けた廃棄物貯蔵庫内に保
管する。この廃棄物貯蔵庫内では、放射性固体廃棄物b
が図7に示すパレットeの上に4本積み付けた状態で、
図8に示すように3段積みされている。
【0004】このように廃棄物貯蔵庫内には、多数の放
射性固体廃棄物bを3段積みしているが、その中には表
面線量当量率の高いものが一部含まれている。そのた
め、廃棄物貯蔵庫内での放射性固体廃棄物bの取扱いに
は、無人方式のフォークリフトを使用するか、保守作業
員がフォークリフトを運転する場合には、放射線蔽板機
能付フォークリフトを使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子力発電所の
廃棄物貯蔵庫には、次の問題があった。即ち、原子力発
電所の廃棄物貯蔵庫では、無人方式のフォークリフトを
使用するか、作業員がフォークリフトを運転する場合に
は、放射線蔽板機能付フォークリフトを使用しているの
で、通常の運転時、作業員の被曝を低減することが可能
であるが、高線量当量率の放射性固体廃棄物bの近くで
フォークリフトが故障した場合、保守作業員がフォーク
リフトに接近して、補修するので、保守作業員の被曝を
避けられない。
【0006】また再処理工場やプルトニウム等の燃料を
製造する施設では、高レベルの放射性物質を取り扱うの
で、保守時に被曝量が増加する可能性がある。この対応
策として、200リットルドラム缶等の周囲を鉄または
鉛により取り囲んだ遮蔽容器を使用することもあるが、
これでは周囲を鉄または鉛により取り囲んでいるので、
重量が増加して、搬送、貯蔵時の効率が悪くなるという
問題があった。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、高線量当量率の放射性
固体廃棄物等を取り扱う場合、鉛マットを使用しなくて
も放射線を遮蔽でき、フォークリフトやスタッカクレ
ーンが故障して、保守作業員がこれらの荷役機械に接近
するときの保守作業員の被曝を低減できる放射線遮蔽板
付パレット及びこれを用いた貯蔵設備を提供しようとす
る点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
の子状は井桁状に形成した底部構造物と、この底部構
造物の1辺乃至3辺から立設された搬送時作業員が放射
線からの被曝を防止するための放射線遮蔽板を設けたこ
とを特徴とする、放射線遮蔽板付きパレットを提供する
ことによって、達成される。また本発明の目的は、前記
放射線遮蔽板付パレットと、このパレットの底部構造物
の空間部に挿入可能なフォークをもつフォークリフトと
用いたことを特徴とする放射性物質の貯蔵設備を提供
することによって、より効果的に達成される。 また本発
明の目的は、前記放射線遮蔽板付パレットと、複数のラ
ックと、スタッカクレーンとを用いたことを特徴とする
放射性物質の貯蔵設備を提供することによって、より効
果的に達成される。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の放射線遮蔽板付パレ
ット及びこれを用いた貯蔵設備の実施形態を図1〜図5
により説明する。図1は、放射線遮蔽板付パレットの使
用例を示し、図2は、同放射線遮蔽板付パレットを示し
ている。
【0011】放射線遮蔽板付パレットの第1実施形態を
図1、図2により説明すると、1が放射線遮蔽板付パレ
ット、1aがすの子状または井桁状に形成した底部構造
物で、図1、図2は、井桁状に形成した底部構造物1a
を示している。1bが底部構造物1aの1辺に垂直に取
付けた放射線遮蔽板、1cが底部構造物1aと放射線遮
蔽板1bとを固定する固定材、1dが底部構造物1c内
に形成した空間部である。
【0012】高線量当量率の放射性固体廃棄物bを手押
し台車cで搬送する場合には、高線量当量率の放射性固
体廃棄物bを放射線遮蔽板付パレット1の底部構造物1
a上に乗せ、次いで放射線遮蔽板1bを作業員d側に位
置させるように放射線遮蔽板付パレット1を手押し台車
c上に乗せて、所定位置に搬送する。また高線量当量率
の放射性固体廃棄物bをフォークリフトにより搬送する
場合には、フォークリフトのフォークを底部構造物1c
内に形成した空間部1dに挿入して、所定位置に搬送す
る。
【0013】図3は、フォークリフトを有する貯蔵設備
(廃棄物貯蔵庫)での放射線遮蔽板付パレットの使用例
を示している。この場合には、放射線遮蔽板付パレット
1の底部構造物1a上に放射性固定廃棄物(ドラム缶)
bを4缶乗せ、フォークリフトのフォークfを底部構造
物1c内に形成した空間部1dに挿入して、貯蔵設備の
所定位置(図3では、貯蔵設備(廃棄物貯蔵庫)の壁G
から一定距離隔たった位置)に搬入した後、床面に直置
きし、その後に搬入した放射性固定廃棄物(ドラム缶)
bは、上記放射性固定廃棄物(ドラム缶)b上に段積み
する。
【0014】それからも同じ作業を繰り返し行って、放
射性固定廃棄物bを貯蔵設備の奥から手前へ順次保管し
てゆく。このとき、貯蔵設備の壁Gにより、壁G側の放
射性固定廃棄物bからの放射線が遮蔽される。また保守
作業員は、フォークリフトのフォークf側からアプロー
チするので、底部構造物1c上の放射性固定廃棄物bか
らの放射線が放射線遮蔽板1bにより遮蔽されて、万
一、フォークリフトが故障した場合ても、それに接近す
る保守作業員の被曝が低減される。
【0015】図4は、スタッカクレーンを設置した貯蔵
設備を示し、図5は、同貯蔵設備での放射線遮蔽板付パ
レットの使用例を示している。現在のプルトニウム燃料
製造施設は、研究施設であるため、その取扱量は少量で
あるが、今後、商業ベースになったとき、これまでより
もかなりの容量アップになるので、中間品の貯蔵には、
図4に示す貯蔵設備(立体自動倉庫)の使用が経済的で
ある。立体自動倉庫は、多数のラックHと、スタッカク
レーンIとを有し、番地毎の製品管理が可能である。
【0016】スタッカクレーンIは、架構Kと、同架構
Kに昇降可能に設けた昇降用キャリッジLと、同昇降用
キャリッジLに伸縮可能に設けたフォークJと、架構K
及び昇降用キャリッジLを走行、昇降させるための駆動
装置(図示せず)とを有し、目的のラックHに取扱物を
収納可能である。スタッカクレーンIを目的のラックH
位置まで走行させるとともに、昇降用キャリッジLを目
的のラックH位置まで昇降させ、次いで放射線遮蔽板付
パレット1の空間部1dに挿入している昇降用キャリッ
ジLのフォークJを伸長方向に作動して、放射線遮蔽板
付パレット1とその上に乗せたプルトニウム粉末容器M
とを目的のラックH内に挿入し、次いで昇降用キャリッ
ジLを若干下降させて、放射線遮蔽板付パレット1をラ
ックH上に載荷し、次いでフォークJを縮み方向に作動
して、プルトニウム粉末容器Mの目的のラックHへの入
庫を完了する。またプルトニウム粉末容器Mの出庫は、
同じ要領で但し順序を逆に行う。
【0017】その際、放射線遮蔽板付パレット1の放射
線遮蔽板1bにより、底部構造物1c上のプルトニウム
粉末容器Mからの放射線が遮蔽されて、万一、スタッカ
クレーンIが故障した場合ても、それに接近する保守作
業員の被曝が低減される。線量当量率が高くて、横から
も放射線を遮蔽する必要がある場合、上記底部構造物1
cの1辺に取付けた放射線遮蔽板1bを挟んで両側に取
付けても、つまり底部構造物1cの3辺に取付けてもよ
い。
【0018】
【発明の効果】本発明の放射線遮蔽板付パレット及びこ
れを用いた貯蔵設備は前記のように構成されており、す
の子状または井桁状に形成した底部構造物の1辺または
1辺乃至3辺に垂直に設けた放射線遮蔽板により、放射
性固体廃棄物等からの放射線を遮蔽するので、作業員
が高線量当量率の放射性固体廃棄物等を取り扱う場合、
鉛マットを使用しなくても放射線を遮蔽でき、フォー
クリフトやスタッカクレーンが故障して、保守作業員が
これらの荷役機械に接近するときの保守作業員の被曝を
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線遮蔽板付パレットの一実施形態
の使用例を示す側面図である。
【図2】同放射線遮蔽板付パレットを示す斜視図であ
る。
【図3】本発明のフォークリフトを有する貯蔵設備での
放射線遮蔽板付パレットの使用例を示す側面図である。
【図4】本発明のスタッカクレーンを有する貯蔵設備を
示す斜視図である。
【図5】同スタッカクレーンを有する貯蔵設備での放射
線遮蔽板付パレットの使用例を示す側面図である。
【図6】従来の放射性固体廃棄物の搬送例を示す斜視図
である。
【図7】従来のパレットを示す斜視図である。
【図8】従来の廃棄物貯蔵庫内での放射性固体廃棄物の
保管例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 放射線遮蔽板付パレット 1a 底部構造物 1b 放射線遮蔽板 1c 底部構造物1aと放射線遮蔽板1bとの固定
材 1d 底部構造物1c内の空間部 b 放射性固体廃棄物(ドラム缶) c 手押し台車 d 作業員 f フォークリフトのフォーク G 貯蔵設備の壁 H ラック I スタッカクレーン K スタッカクレーンIの架構 L スタッカクレーンIの昇降用キャリッジ J 昇降用キャリッジLのフォーク M プルトニウム粉末容器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/36 G21F 3/00 G21F 3/04 G21F 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すの子状は井桁状に形成した底部構造
    物と、この底部構造物の1辺乃至3辺から立設された搬
    送時作業員が放射線からの被曝を防止するための放射線
    遮蔽板を設けたことを特徴とする、放射線遮蔽板付パレ
    ット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線遮蔽板付パレット
    と、このパレットの底部構造物の空間部に挿入可能なフ
    ォークをもつフォークリフトとを有することを特徴と
    る放射性物質の貯蔵設備。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射線遮蔽板付パレット
    と、複数のラックと、スタッカクレーンとを有すること
    を特徴とする放射性物質の貯蔵設備。
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JP2013142042A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Daiichi Sekkei Service Kk 廃棄処理物の保管設備
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