JP3571392B2 - 容器の運搬装置および容器への内容物の充填方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、容器の運搬装置と、その運搬装置により運搬される容器への内容物の充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
例えばガスボンベに所定重量の液化ガスを充填する場合、ガスボンベを手押し台車等の運搬装置により充填場所まで搬入し、その運搬装置からロードセル等の重量測定装置に積み替え、その重量測定装置により計量しつつ液化ガスを充填し、充填が完了すれば重量測定装置から再び運搬装置に積み替えて搬出することが行なわれている。
【0003】
しかし、そのような運搬装置と重量測定装置との間でのガスボンベの積み替えは手間を要するものであるため、作業能率を低下させる要因になっていた。
【0004】
そこで、周回駆動されるコンベアによりガスボンベを昇降台の上方まで搬送し、その昇降台によりガスボンベを持ち上げ、ガスボンベに液化ガスを昇降台を介し重量測定装置により計量しつつ充填し、充填が完了すれば昇降台を下降させてガスボンベを再びコンベアに載置して搬出するものが提案されている(特開平4‐95698号公報)。
【0005】
しかし、ガスボンベの搬送を周回駆動されるコンベアにより行なう場合、搬送距離が長くなるとコンベアが大型化するため、大きな設置スペースが必要になり、コストが増大する。
【0006】
本発明は、ガスボンベ等の容器に所定重量の液化ガス等の内容物を充填する場合に、上記のような問題の生じることのない容器の運搬装置および容器への内容物の充填方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の運搬装置は、台車と、この台車に上下動可能に取り付けられる昇降部材と、この昇降部材に載置される容器載置台とを備え、その容器載置台は昇降部材の下方から持ち上げ可能とされていることを特徴とする。
【0008】
その昇降部材に開口が設けられ、その容器載置台は、その開口の周囲において昇降部材に載置される本体部と、この本体部から下方に突出して開口に挿入される突出部とを有し、その本体部を囲む仕切り部が昇降部材に設けられ、その仕切り部の高さ寸法は本体部の高さ寸法よりも大きくされているのが好ましい。さらに、その昇降部材の底面から仕切り部の上面までの高さ寸法は、容器載置台の突出部の底面から本体部の上面までの高さ寸法と等しくされ、その昇降部材の周縁と仕切り部の上面との間に亘る傾斜面が設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明の容器への内容物の充填方法は、容器に所定重量の内容物を充填するに際し、その容器を上記本発明の運搬装置の容器載置台に載せ、その容器載置台を重量測定装置の上方に位置決めし、その容器載置台を重量測定装置により持ち上げ、しかる後に、その容器に内容物を重量測定装置により計量しつつ充填することを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
本発明の運搬装置によれば、台車に対し昇降部材を上昇させることで、容器載置台を重量測定装置よりも高位置まで上昇させることができ、しかる後に台車を移動させることで、容器載置台を重量測定装置の上方に位置決めできる。その位置決め後に、台車に対し昇降部材を下降させることで、あるいは重量測定装置を上昇させることで、容器載置台を重量測定装置により昇降部材の下方から持ち上げることができる。これにより、その容器載置台に載置される容器に充填される内容物の重量を、その重量測定装置により計量できる。その容器に所定重量の内容物を充填した後に、台車に対し昇降部材を上昇させて容器載置台を重量測定装置よりも高位置まで上昇させ、台車を移動させることで搬出を行なえる。
【0011】
すなわち、本発明の運搬装置によれば本発明の充填方法を実施でき、その充填に際しては容器を運搬装置から重量測定装置に積み替える必要がないので、作業能率を向上できる。しかも、その容器の搬送を台車により行なうので、周回駆動されるコンベアにより行なうのに比べ設置スペースやコストを低減できる。
【0012】
その昇降部材の開口の周囲に載置される容器載置台の本体部から、その開口に挿入される突出部を突出させることで、その突出部を介し容器載置台を重量測定装置により持ち上げることができる。その本体部を囲む仕切り部を昇降部材に設け、その仕切り部の高さ寸法を本体部の高さ寸法よりも大きくすることで、容器載置台に対する容器の位置ずれを抑制できるので、その容器載置台を重量測定装置により持ち上げる際に、容器載置台による容器の支持が不安定になるのを防止できる。さらに、その仕切り部と開口の内周面の少なくとも一方により、容器載置台の昇降部材に対する位置ずれも抑制できるので、重量測定装置に対し台車を定位置に位置決めするだけで、容器載置台を重量測定装置の上方へ位置決めでき、その位置決め作業を能率良く行なえる。
【0013】
その昇降部材の底面から仕切り部の上面までの高さ寸法と、容器載置台の突出部の底面から本体部の上面までの高さ寸法とを等しくすることで、昇降部材を台車に対し下降させて昇降部材と容器載置台とを床面に載置し、仕切り部の上面と容器載置台の本体部の上面とを面一とすることができる。よって、その昇降部材の周縁と仕切り部の上面との間に亘る傾斜面を設けることにより、その床面、傾斜面、仕切り部の上面、および容器載置台の本体部の上面において、ガスボンベ等の容器を円滑に転がすことができ、搬送装置への容器の積み卸し作業を容易に行なえる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1〜図3に示す容器の運搬装置1は、台車2と、昇降部材3と、6つの容器載置台4とを備えている。
【0016】
その台車2は、左右のサイドビーム6と、両サイドビーム6の後端を連結するリアビーム7と、各サイドビーム6の前端に取り付けられる前輪8と、そのリアビーム7の後端左右にブラケット9を介し取り付けられるキャスター輪10とを有する。各サイドビーム6に支柱11が取り付けられ、リアビーム7に手押し用ハンドル12が取り付けられている。
【0017】
その昇降部材3は、台車2にガードフレーム13と昇降機構14とを介し上下動可能に取り付けられている。
【0018】
そのガードフレーム13は、昇降部材3の上方領域を前方を除いて囲むものであって、昇降部材3の左右側面に取り付けられる前部縦桟15と後部縦桟16、左右それぞれの前部縦桟15と後部縦桟16とを連結する上部横桟17と下部横桟18と筋交い19、および左右の上部横桟17を連結する後部横桟20を有する。
【0019】
その昇降機構14は、台車2のリアビーム7にブラケット21を介し左右支持シャフト22を中心に回転可能に取り付けられた油圧ジャッキ23と、その油圧ジャッキ23の伸縮ロッド23aに左右軸中心に回転可能に取り付けられた連結シャフト24と、その連結シャフト24の左右端と前記支柱11と後部縦桟16とに左右軸中心に回転可能に取り付けられる左右上部リンク25と、各左右上部リンク25と平行に支柱11と後部縦桟16とに左右軸中心に回転可能に取り付けられる左右下部リンク26とを有する。その油圧ジャッキ23のノブ23bの操作により伸縮ロッド23aが縮小し、その伸縮ロッド23aの縮小により各リンク25、26が揺動し、図4に示すように、昇降部材3は台車2に対し下降する。その油圧ジャッキ23のペダル23cの操作により伸縮ロッド23aは伸長し、その伸縮ロッド23aの伸長により各リンク25、26が揺動し、昇降部材3は台車2に対し上昇する。
【0020】
図5の(1)、(2)、(3)にも示すように、その昇降部材3は平面視長方形で、各容器載置台4に対応して6つの四角形の開口30を有する。各容器載置台4は、開口30の周囲に載置される四角形の板状本体部4aと、その本体部4aから下方に突出して開口30に挿入される突出部4bとを有する。これにより、各容器載置台4は突出部4bを介し昇降部材3の下方から持ち上げ可能とされている。各突出部4bは、上方が開口した偏平な箱形部材を本体部4aの下面に接着することで形成されている。
【0021】
各容器載置台4の本体部4aを囲む仕切り部31が、昇降部材3の上面に設けられている。その仕切り部31は、昇降部材3の外周縁と各開口30の相互間に沿うフレーム状であって、図5の(3)に示すように、その高さ寸法H1は容器載置台4の本体部4aの高さ寸法H2よりも大きくされている。また、図5の(2)に示すように、その昇降部材3の底面から仕切り部31の上面までの高さ寸法H3は、容器載置台4の突出部4bの底面から本体部4aの上面までの高さ寸法H4と等しくされている。また、仕切り部31の内周と各本体部4aの外周との間の隙間と、開口30の内周と突出部4bの外周との間の隙間とは等しく、共に僅かな寸法とされることで、昇降部材3に対する各容器載置台4の位置ずれが抑制されている。
【0022】
その昇降部材3の前端縁に沿う板状部材32が、昇降部材3の上面と仕切り部31の前面とに掛け渡されるように取り付けられ、その板状部材32の上面は、昇降部材3の前端周縁と仕切り部31の上面との間に亘る傾斜面32aとされている。
【0023】
図6〜図8を参照し、上記運搬装置1により運搬されるガスボンベ40に、液化ガスをロードセル(重量測定装置)41により計量しつつ充填する方法を説明する。なお、本実施例では計量のために容器載置台4と同数の6台のロードセル41が用いられ、各ロードセル41は、測定対象物載置面41aの中心と容器載置台4の各開口30の中心とが一致するように、床面42から掘り下げられたピット43内に配置される。また、各ロードセル41の測定対象物載置面41aは、その床面42よりも高位置に配置される。
【0024】
まず、図6に示すように、ガスボンベ40を載置した床面42上において台車2に対し昇降部材3を下降させ、容器載置台4を床面42に載置すると共に、仕切り部31の上面と容器載置台4の本体部4aの上面とを面一とする。次に、その床面42、前記傾斜面32a、仕切り部31の上面、および容器載置台4の本体部4aの上面において、ガスボンベ40を転がして各容器載置台4それぞれにガスボンベ40を積み込む。
【0025】
次に、図7に示すように、台車2に対し昇降部材3を上昇させ、各容器載置台4をロードセル41の測定対象物載置面41aよりも高位置まで上昇させる。しかる後に、台車2を移動させることで各容器載置台4をロードセル41の測定対象物載置面41aの上方に位置決めする。
【0026】
次に、図8に示すように、台車2に対し昇降部材3をロードセル41の測定対象物載置面41aの下方まで下降させ、各容器載置台4をロードセル41により昇降部材3の下方から持ち上げる。しかる後に、各容器載置台4に載置されるガスボンベ40に液化ガスを充填し、その充填される液化ガスの重量をロードセル41により計測する。なお、その液化ガスの充填はガスボンベ40に取り付ける充填バルブ(図示省略)を介し行ない、その充填バルブは充填の完了後に取り外す。また、ロードセル41により計量される全重量からガスボンベ40や容器載置台4等の液化ガス以外の重量は差し引かれるものとされ、液化ガスの重量のみがロードセル41に接続される表示器(図示省略)に表示される。各ガスボンベ40に所定重量の液化ガスを充填した後に、台車2に対し昇降部材3を上昇させることで、各容器載置台4をロードセル41の測定対象物載置面41aよりも高位置まで上昇させ、しかる後に台車2を移動させることで搬出を行なう。
【0027】
しかる後に、再び図6に示すように、台車2に対し昇降部材3を下降させ、容器載置台4を床面42に載置すると共に、仕切り部31の上面と容器載置台4の本体部4aの上面とを面一とし、その床面42、前記傾斜面32a、仕切り部31の上面、および容器載置台4の本体部4aの上面において、ガスボンベ40を転がしながら容器載置台4から荷卸しする。
【0028】
上記実施例によれば、液化ガスの充填に際しガスボンベ40を運搬装置1とロードセル41との間で積み替える必要がなく作業能率を向上できる。しかも、そのガスボンベ40の搬送を台車により行なうので、周回駆動されるコンベアにより行なうのに比べ設置スペースやコストを低減できる。また、各容器載置台4を囲む仕切り部31により、各容器載置台4に対するガスボンベ40の位置ずれを抑制できるので、各容器載置台4をロードセル41により持ち上げる際に、各容器載置台4によるガスボンベ40の支持が不安定になるのを防止できる。さらに、仕切り部31と開口30の内周面の少なくとも一方により、各容器載置台4の昇降部材3に対する位置ずれも抑制できるので、ロードセル41に対し台車2を定位置に位置決めするだけで、各容器載置台4をロードセル41の測定対象物載置面41aの上方へ位置決めでき、その位置決め作業を能率良く行なえる。また、ガスボンベ40を載置する床面42、昇降部材3の周縁と仕切り部31の上面との間に亘る傾斜面32a、仕切り部31の上面、および容器載置台4の本体部4aの上面において、ガスボンベ40を円滑に転がしながら積み卸しを行なうことができ、その積み卸し作業を容易に行なえる。また、運搬装置1による搬送中におけるガスボンベ40の倒れをガードフレーム13により防止することができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施例に限定されない。例えば、上記実施例では容器載置台を重量測定装置により持ち上げる際に台車に対し昇降部材を下降させたが、重量測定装置を上昇させることで容器載置台を持ち上げてもよい。また、台車の車輪の数は4輪に限定されない。その台車は手押し式に限定されず自走式であっもよい。その台車に対し昇降部材を昇降させる機構は油圧ジャッキを用いるものに限定されない。また、容器載置台の数は限定されず、単一であってもよい。さらに、本発明はガスボンベ以外の容器に液化ガス以外の内容物を充填する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の運搬装置の昇降部材を上昇させた状態の側面図
【図2】本発明の実施例の運搬装置の一部破断平面図
【図3】本発明の実施例の運搬装置の正面図
【図4】本発明の実施例の運搬装置の昇降部材を下降させた状態の側面図
【図5】本発明の実施例の(1)は昇降部材の平面図、(2)は昇降部材と容器載置台の断面図、(3)は昇降部材と容器載置台の要部の斜視図
【図6】本発明の実施例の運搬装置の容器積み卸し状態の説明図
【図7】本発明の実施例の運搬装置の容器搬送状態の説明図
【図8】本発明の実施例の運搬装置の容器への内容物充填状態の説明図
【符号の説明】
1 運搬装置
2 台車
3 昇降部材
4 容器載置台
4a 本体部
4b 突出部
30 開口
31 仕切り部
32a 傾斜面
40 ガスボンベ(容器)
41 ロードセル(重量測定装置)
Claims (4)
- 台車と、この台車に上下動可能に取り付けられる昇降部材と、この昇降部材に載置される容器載置台とを備え、その容器載置台は昇降部材の下方から持ち上げ可能とされ、
その昇降部材に周囲が閉じた開口が設けられ、
その容器載置台は、その開口の周囲において昇降部材に載置される本体部と、この本体部から下方に突出する突出部とを有する容器の運搬装置。 - その本体部を囲む仕切り部が昇降部材に設けられ、その仕切り部の高さ寸法は本体部の高さ寸法よりも大きくされている請求項1に記載の運搬装置。
- 台車と、この台車に上下動可能に取り付けられる昇降部材と、この昇降部材に載置される容器載置台とを備え、その容器載置台は昇降部材の下方から持ち上げ可能とされ、
その昇降部材に開口が設けられ、その容器載置台は、その開口の周囲において昇降部材に載置される本体部と、この本体部から下方に突出して開口に挿入される突出部とを有し、その本体部を囲む仕切り部が昇降部材に設けられ、その仕切り部の高さ寸法は本体部の高さ寸法よりも大きくされ、
その昇降部材の底面から仕切り部の上面までの高さ寸法は、容器載置台の突出部の底面から本体部の上面までの高さ寸法と等しくされ、その昇降部材の周縁と仕切り部の上面との間に亘る傾斜面が設けられている運搬装置。 - 容器に所定重量の内容物を充填するに際し、その容器を、台車と、この台車に上下動可能に取り付けられる昇降部材と、この昇降部材に載置される容器載置台とを備え、その容器載置台は昇降部材の下方から持ち上げ可能とされている容器の運搬装置の容器載置台に載せ、その容器載置台を重量測定装置の上方に位置決めし、その容器載置台を重量測定装置により持ち上げ、しかる後に、その容器に内容物を重量測定装置により計量しつつ充填することを特徴とする容器への内容物の充填方法。
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JP33833594A JP3571392B2 (ja) | 1994-12-29 | 1994-12-29 | 容器の運搬装置および容器への内容物の充填方法 |
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JPH08183458A JPH08183458A (ja) | 1996-07-16 |
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JP33833594A Expired - Fee Related JP3571392B2 (ja) | 1994-12-29 | 1994-12-29 | 容器の運搬装置および容器への内容物の充填方法 |
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GR1008432B (el) * | 2013-09-20 | 2015-02-13 | Λαζαρος Ιωαννη Παπαδακης | Ολοκληρωμενο συστημα μεταφορας μπανανας |
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1994
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