JP3173966B2

JP3173966B2 - 根菜類収穫機

Info

Publication number: JP3173966B2
Application number: JP14279195A
Authority: JP
Inventors: 博之千葉; 宏信東; 幹夫岡田; 正明末鶴
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1995-06-09
Filing date: 1995-06-09
Publication date: 2001-06-04
Anticipated expiration: 2016-06-04
Also published as: JPH08331957A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圃場に植えた根菜を引
き抜き搬送して回収するよう構成した根菜類収穫機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記根菜類収穫機としては、特開
平７‐７９７５７号公報に開示されているように、圃場
に植えた根菜の茎葉部を挾持して機体後方で斜め上方に
引き抜いて吊り下げ搬送する収穫用搬送装置を設けたも
のが知られているが、引き抜いた根菜の下端から伸びた
ヒゲ根を除去する手段を設けておらず、収穫後にヒゲ根
を手作業あるいは専用の切断装置で切断除去するように
構成していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、後処理でのヒ
ゲ根除去作業が面倒であり、省力化の面から改良の余地
があった。本発明の目的は、根菜類収穫機による収穫時
にヒゲ根を除去できるようにし、しかも、そのための手
段を良好にヒゲ根を切断できると共に土付きによるヒゲ
根切断不良が生じにくくて使用しやすいものに、かつ、
構造簡単なものに工夫する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、圃
場に植えた根菜の茎葉部を挾持して機体後方で斜め上方
に引き抜いて吊り下げ搬送する収穫用搬送装置を設けた
根菜類収穫機において、収穫用搬送装置で吊り下げ搬送
される根菜の下端のヒゲ根を切り落とし除去するヒゲ根
カッターを左右軸芯周りで駆動回転自在に設け、収穫用
搬送装置で吊り下げ搬送される根菜類の下部を受け止め
るガイドを、ヒゲ根カッターの回転軌跡上部を覆う状態
で、かつ、ヒゲ根を入り込ませる隙間が形成される状態
で固定し、ガイドの受け面部分を掃除する土落とし具を
往復動自在に設け、対機体下降付勢した接地部材を収穫
作業状態で接地して非収穫作業状態で対地浮上する状態
で設け、接地部材の対機体下降に伴って土落とし具を退
避位置から往動させると共に接地部材の対機体上昇に伴
って土落とし具を退避位置に復動させるための機械式連
動手段を設けたことにある。

【０００５】

【作用】上記構成によると、ガイドの受け止め作用によ
り収穫用搬送装置で吊り下げ搬送される根菜の姿勢を安
定させて、ガイドの隙間に入り込ませたヒゲ根をヒゲ根
カッターにより所定位置で確実に切り落とし除去できる
から、前述従来技術のように後処理でヒゲ根を切断除去
するに比して省力化を図れると共に良好にヒゲ根を切断
できる。

【０００６】また、土落とし具の往復動によってガイド
の受け面部分を掃除できるから、ガイドへの土付きによ
るヒゲ根切断不良を効果的に防止できる。

【０００７】さらに、収穫作業状態で接地して対機体上
昇すると共に非収穫作業状態では対地浮上して対機体下
降する接地部材に対して土落とし具を連動させ、接地部
材の対機体下降に伴って土落とし具を退避位置から往動
させると共に接地部材の対機体上昇に伴って土落とし具
を退避位置に復動させるように構成してあるから、土落
とし具を人為操作するに比してガイドの掃除を確実にか
つ管理の煩わしさが無い状態で実現できて使用しやす
い。

【０００８】その上、接地部材と土落とし具の連動手段
を機械式に構成してあるから、電気式や油圧式などの土
落とし具自動操作手段を設けるよりも構造を簡単にでき
て製作面やコスト面でも有利である。

【０００９】

【発明の効果】その結果、ヒゲ根除去の省力化を図れ、
良好なヒゲ根切断を確実に実現でき、便利に使用でき、
製作面やコスト面でも有利な、一段と優れた根菜類収穫
機を提供できるようになった。

【００１０】

【実施例】図１及び図２に示すように、圃場に植えた人
参や大根などの根菜Ｃの茎葉部Ｆを挾持して機体後方で
斜め上方に引き抜いて吊り下げ搬送する収穫用搬送装置
１を、クローラ式走行装置２を有する機体の前部に設
け、収穫用搬送装置１の前端側に左右一対の分草具３と
引起し装置５と土切り刃４を設け、根菜Ｃの茎葉部Ｆを
分草具３と引起し装置５で引起こして円滑に収穫用搬送
装置１に受け渡すように構成し、根菜類の両側の土を土
切り刃４で切り崩して根菜Ｃを円滑に引き抜けるように
構成してある。

【００１１】収穫用搬送装置１で吊り下げ搬送される根
菜Ｃの下端から延びるヒゲ根ｎを切り落とし除去するヒ
ゲ根切断装置６を設け、後処理での省力化を図れるよう
に構成し、ヒゲ根切断装置６に対するカバー開閉用兼土
落とし具作動用の接地部材７を上下揺動自在に設けてあ
る。

【００１２】収穫用搬送装置１からの根菜Ｃの茎葉部Ｆ
を切断する葉切り装置８を収穫用搬送装置１の後方に設
けてある。この葉切り装置８を形成するに、収穫用搬送
装置１で吊り下げられた根菜Ｃの上端に作用する駆動自
在な位置定め用搬送装置８ａ、位置定め用搬送装置８ａ
からの茎葉部Ｆをその挾持位置より上方の一定位置で挾
持する状態で受け取る左右一対の駆動自在な挾持搬送ベ
ルトなどから成る切断用搬送装置８ｂ、切断用搬送装置
８ｂで搬送される根菜Ｃに対して茎葉部Ｆを根元で切断
する左右一対の駆動回転自在な回転刃８ｃを設けてあ
る。

【００１３】葉切り装置８からの根菜Ｃを回収する回収
部９を収穫用搬送装置１の後方で葉切り搬送装置８の下
方に設け、根菜Ｃのうち小径のものを下方のコンテナー
９ａに落下させて大径のものを機体後方隅部の根菜類受
け入れ位置の収穫根菜類収納用コンテナー９ｂに送る選
別コンベア９ｃ、及び、葉切り装置８から落下する根菜
Ｃを選別コンベア９ｃに導くシュート９ｄを回収部９に
設けてある。

【００１４】葉切り装置８で切断した茎葉部Ｆを機体外
側方に放出する駆動自在な搬送チェーン１０ａと挾持レ
ール１０ｂなどから成る茎葉部搬送装置１０を、機体前
方の横一側に切断茎葉部を放出する状態で設けてある。

【００１５】図３及び図４に示すように、ヒゲ根切断装
置６を形成するに、ヒゲ根ｎを切り落とし除去するヒゲ
根カッター１１を、電動式や油圧式などのモータ１２に
より左右軸芯周りで駆動回転自在に設け、収穫用搬送装
置１で吊り下げ搬送される根菜Ｃの下部を受け止める下
狭まり形状のガイド溝１３を形成する左右一対のガイド
１４を、ヒゲ根カッター１１の回転軌跡上部を覆う状態
で固定し、ヒゲ根ｎを入り込ませる隙間１５を両ガイド
１４間に形成し、ガイド１４の作用で収穫用搬送装置１
で吊り下げ搬送される根菜Ｃの姿勢を安定させてヒゲ根
ｎのみを隙間１５に入れて、隙間１５に入ったヒゲ根ｎ
を所定位置で確実にヒゲ根カッター１１で切断するよう
に構成してある。

【００１６】ヒゲ根カッター１１の下方にヒゲ根落下経
路１６を形成し、ヒゲ根落下経路１６の前後に固定カバ
ー１７を設け、ヒゲ根落下経路１６を開閉する左右一対
のカバー１８を、支軸１９周りで上下揺動自在にかつ捩
じりバネ２０で閉じ付勢した状態で設け、支軸２１周り
で上下揺動自在で自重で下降付勢された接地部材７に、
左右カバー１８を各別に突き上げて開くための左右一対
の操作ロッド２２を付設し、図３（イ）及び図４（イ）
に示すように収穫作業状態では接地部材７への地面の押
し上げ力で操作ロッド２２によりカバー１８を開いてヒ
ゲ根落下経路１６を開放し、図３（ロ）及び図４（ロ）
に示すように非収穫作業状態では接地部材７の下降に伴
って操作ロッド２２をカバー１８から離間させてヒゲ根
落下経路１６をカバー１８で閉じるように構成してあ
る。つまり、非収穫作業状態においてヒゲ根落下経路１
６をカバーで閉じ、点検時にヒゲ根落下経路１６から手
を入れてヒゲ根カッター１１に触れることがが無いよう
に構成してある。また、カバー１８を自動的に開閉する
ように構成して、安全性において優れると共に使用しや
すいように構成し、接地部材７と操作ロッド２２から成
る機械式連動構成によって自動カバー開閉手段を構造簡
単なものにして、製作面やコスト面でも有利なように構
成してある。

【００１７】ガイド溝１３に入り込んでガイド１４の受
け面部分１４ａを掃除する土落とし具２３を、支軸２４
周りで往復回動自在なアーム２５に取付け、接地部材７
とアーム２５を一対のリンクアーム２６で連動連結し、
図３（イ）及び図４（イ）に示すように収穫作業状態で
は土落とし具２３をガイド１４の前方で下方の退避位置
に保持し、図３（ロ）及び図４（ロ）に示すように非収
穫作業状態では土落とし具２３をガイド１４の上部位置
に保持するように構成してある。つまり、接地部材７の
対機体下降に伴って土落とし具２３を退避位置から往動
させると共に接地部材７の対機体上昇に伴って土落とし
具２３を退避位置に復動させるように、収穫作業状態と
非収穫作業状態の切換えに伴ってガイド溝１３に沿って
土落とし具２３を自動的に移動させ、ガイド１４への土
付きによるヒゲ根切断不良を操作簡単にかつ確実に防止
できるように構成し、また、接地部材７とリンクアーム
２６から成る機械式連動構成によって土落とし具自動操
作手段を構造簡単なものにして、製作面やコスト面でも
有利なように構成してある。また、リンクアーム２６ど
うしを長孔２７とピン２８で連動連結し、収穫作業状態
で地面の凹凸に伴う接地部材７の昇降にかかわらず土落
とし具２３を退避位置に保持できるように構成してあ
る。

【００１８】〔別実施例〕ヒゲ根カッター１１の具体構造や駆動形式は適当に
設計変更できる。カバー１８は個数、開閉形態、閉じ又は開き操作力
付与のための具体構成などにおいて適当に設計変更で
き、また、収穫作業状態であるか否かを判定して収穫作
業状態でのみカバー１８を開き状態にするための具体構
成は、例えばカバー１８を開閉する電気式や油圧式の駆
動装置を設け、接地部材７や収穫用搬送装置１などの対
機体レベルを検出するセンサーからの情報に基づいて駆
動装置を自動操作する制御手段を設ける等の適当なもの
に変更でき、要するに、望ましくは機械式の自動カバー
開閉手段７，２２を設けてあると便利である。しかし、
カバー１８や自動カバー開閉手段７，２２を省略しても
よい。ガイド１４の形状や寸法は適当に設計変更でき、例
えばヒゲ根カッター１１の全体を覆うものでもよく、一
体構造のガイド１４にヒゲ根入り込み用隙間１５を備え
させてもよい。土落とし具２３の往復動形態はガイド１４の受け面
部分１４ａの形状に見合って適宜設計変更自在である。接地部材７と土落とし具２３を機械的に連動させる
ための具体構成は適当に設計変更でき、それら各種具体
構成を機械式連動手段２５，２６と総称する。

【００１９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】根菜類収穫機の全体側面図

【図２】全体平面図

【図３】ヒゲ根切断装置の側面図

【図４】ヒゲ根切断装置の正面図

【図５】ヒゲ根切断装置の縦断正面図

【符号の説明】

１収穫用搬送装置７接地部材１１ヒゲ根カッター１４ガイド１４ａ受け面部分１５隙間２３土落とし具２５，２６機械式連動手段Ｃ根菜Ｆ茎葉部ｎヒゲ根

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者末鶴正明大阪府堺市石津北町64番地株式会社クボタ堺製造所内 (56)参考文献特開昭53−38521（ＪＰ，Ａ) 特開平７−79757（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01D 13/00 - 33/14

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】圃場に植えた根菜（Ｃ）の茎葉部（Ｆ）
を挾持して機体後方で斜め上方に引き抜いて吊り下げ搬
送する収穫用搬送装置（１）を設けた根菜類収穫機であ
って、前記収穫用搬送装置（１）で吊り下げ搬送される根菜
（Ｃ）の下端のヒゲ根（ｎ）を切り落とし除去するヒゲ
根カッター（１１）を左右軸芯周りで駆動回転自在に設
け、前記収穫用搬送装置（１）で吊り下げ搬送される根
菜（Ｃ）の下部を受け止めるガイド（１４）を、前記ヒ
ゲ根カッター（１１）の回転軌跡上部を覆う状態で、か
つ、ヒゲ根（ｎ）を入り込ませる隙間（１５）が形成さ
れる状態で固定し、前記ガイド（１４）の受け面部分
（１４ａ）を掃除する土落とし具（２３）を往復動自在
に設け、対機体下降付勢した接地部材（７）を収穫作業
状態で接地して非収穫作業状態で対地浮上する状態で設
け、前記接地部材（７）の対機体下降に伴って前記土落
とし具（２３）を退避位置から往動させると共に前記接
地部材（７）の対機体上昇に伴って前記土落とし具（２
３）を退避位置に復動させるための機械式連動手段（２
５，２６）を設けてある根菜類収穫機。