JP3173853B2 - 熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気エネルギーを熱エ
ネルギーに直接変換する熱電変換素子に係り、特に変換
効率の高い熱電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱電変換素子のうち、電気エネルギーを
投入して所定のものを冷却する素子は電子冷凍素子ある
いはペルチェ素子と称されている。図12は、従来の熱
電変換素子の要部断面図である。同図において1,2,
3は電極として機能する導体金属、4はN型半導体、5
はP型半導体をそれぞれ示している。ここで導体金属
1,2,3と半導体4,5はオーミック接触が得られる
接合をしている。
【0003】この基本構成において、導体金属1に正の
電圧が、導体金属3に負の電圧が印加されることによ
り、導体金属2と半導体4,5との各々の接合面におい
て吸熱現象が生じる。またそれと同時に、導体金属1,
3と半導体4,5との各々の接合面において発熱現象が
生じる。
【0004】このように導体金属1,3間に電流を流す
ことにより、導体金属2側で周囲の熱を奪い、導体金属
1,3側で熱が放散され、実質的に熱移動が生じる。
【0005】熱電変換素子の性能を現す性能指数(Z)
は、下式(1)によって求められる。
【0006】 Z=α2 ・σ/κ 〔1/K〕 (1) 但し、α:ゼーベック係数(V/K) σ:電気伝導度(S/cm) κ:熱伝導度(W/cm・K) この性能指数(Z)が大きいほど性能が良いことを示し
ており、前記式(1)から明らかなように、ゼーベック
係数(α)が大きいほど、電気伝導度(σ)が大きいほ
ど、また熱伝導度(κ)が小さいほど性能指数(Z)が
大きくなり、使用する半導体材料として好ましいことに
なる。
【0007】なお、式中の電気伝導度(σ)ならびに熱
伝導度(κ)にはヴィーデマン・フランツの法則にみら
れるように一定の法則があり、電気伝導度(σ)ならび
に熱伝導度(κ)をそれぞれ独立に制御してσ/κを大
きくすることは一般に困難である。従って性能指数
(Z)を高めるためにはゼーベック係数(α)を向上す
ることが必要であり、しかも性能指数(Z)はゼーベッ
ク係数(α)の2乗に比例するため、性能指数(Z)の
改善に極めて有効な手段である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】半導体材料として今ま
で多くの材料が研究されているが、現在、最も多用され
ているのはBi−Te系化合物であるが、その性能指数
(Z)は2〜3×10-3(1/K)程度であり、十分高
いとはいえない。
【0009】N型半導体と金属との接合部におけるエネ
ルギー状態を図13に示す。同図においてaは導体金属
2と半導体4の接合面、bは導体金属1と半導体4の接
合面をそれぞれ示している。またEC は半導体4におけ
る伝導帯の下端を示すエネルギー準位、EV は半導体4
における価電子帯の上端を示すエネルギー準位、EF
フェルミ準位を、EQ は半導体4と導体金属1,2を接
合した際に発生する障壁となるエネルギー準位差(EC
−EF )をそれぞれ示している。
【0010】従って、電子の電荷量をe(e>0)とす
ると、 VQ =EQ /e で表せる。なお、式中のVQ は、導体金属1,2と半導
体4とを接合した障壁電位差を示している。
【0011】rを電子の熱運動エネルギーを表現する場
合の散乱機構に係るパラメータとし、kB をボルツマン
定数、Tを絶対温度とすると、電子によるゼーベック係
数αn は次の(2)式のようになる。 αn =−{VQ /T+kB (r+2.5 )/e} (2) αn <0となるのは、電子が負電荷を有しているためで
ある。
【0012】現在、最も多く利用されているBi−Te
系化合物のバンドギャップは0.2eV以下であり、極
めて小さい値であるため、常温付近において前記(2)
式における第1項〔VQ /T〕は第2項の〔kB (r+
2.5 )/e〕に比較して小さく、これがゼーベック係数
(αn )の小さい要因となっている。
【0013】P型半導体の正孔によるゼーベック係数α
P (>0)についても同様である。
【0014】ペルチェ効果は半導体と金属の接合面で発
生する現象であり、性能指数の向上は、σ/κを低下さ
せることなくゼーベック係数αを増大させるため障壁電
位差VQ を大きくすること、即ちバンドギャップのより
大きい半導体からなる薄層を設けることにより達成でき
る。
【0015】また、Bi−Te系化合物は前述の通りバ
ンドギャップが小さいので、N型半導体においては多数
キャリアの電子の数(n)と小数キャリアの正孔の数
(p)との比率(n/p)が大きくない。
【0016】このため電子導電率をσn 、正孔導電率を
σp とすると、正味のゼーベック係数αは下記のように
なる。
【0017】 α=(αn ・σn +αp ・σp )/(αn +σp ) (3) 前記αn とαp とは符号が反対であるため、正味のゼー
ベック係数αはαn よりも小さくなり、この事実もゼー
ベック係数αが大きく出来ない原因となっている。この
ことはP型半導体においても同様である。
【0018】前述のようにBi−Te系化合物は、その
バンドギャップが小さく、障壁電位差VQ が小さいた
め、ゼーベック係数αが小さく、また、多数キャリアと
小数キャリアとの比率が決して小さくなく、多数キャリ
アによる正味のゼーベック係数αの低下は避けられな
い。
【0019】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、小数キャリアの悪影響を抑制するとともに、
半導体と金属の接合による障壁電位差を大きくして、ゼ
ーベック係数を向上した熱電変換素子を提供することを
目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、例えばBi−Te系化合物からなる第1の
半導体物質の冷却側の表面に、その第1の半導体物質よ
りも大きなバンドギャップを有する例えばPb−Te系
化合物からなる第2の半導体物質からなる薄層を形成
し、この第1の半導体物質および第2の半導体物質の
層にそれぞれオーミック接触の得られる導体金属を接合
したことを特徴とするものである。
【0021】
【作用】本発明は前述のように、バンドギャップの小さ
い第1の半導体物質の冷却側の表面に、その第1の半導
体物質よりも大きなバンドギャップを有する第2の半導
体物質からなる薄層を形成し、この第1の半導体物質お
よび第2の半導体物質の薄層にそれぞれオーミック接触
の得られる導体金属を接合している。
【0022】そのため、前記第2の半導体物質の薄層と
導体金属との界面においてゼーベック係数の飛躍的な向
上を図るとともに、電気伝導度および熱伝導度について
は前記第1の半導体物質の物性がそのまま生かされ、し
かも多数キャリアと小数キャリアとの比率を大きくする
ことができる。
【0023】これらの結果、小数キャリアの悪影響を抑
制するとともに、半導体と金属の接合による障壁電位差
を大きくして、ゼーベック係数の向上が図れる。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
図1は実施例に係る熱電変換素子の要部断面図、図2は
その熱電変換素子のN型半導体と電極との接合部におけ
るエネルギー状態図、図3はその熱電変換素子の具体的
な構造を説明するための断面図、図4はその熱電変換素
子の集合体を示す斜視図、図5ないし図11はその熱電
変換素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0025】図1において、9、10、11は半導体と
オーミック接合する導体金属、12は第1の半導体物質
としてのN型半導体、13は同じく第1の半導体物質と
してのP型半導体、14、15は第2の半導体としての
薄膜層である。
【0026】同図に示すように、N型半導体12および
P型半導体13の冷却側と導体金属10との間に、N型
半導体12およびP型半導体13よりもバンドギャップ
の大きい第2の半導体物質からなる薄膜層14、15が
介在されている。
【0027】このような構成により、導体金属10と薄
膜層14、15との界面においてゼーベック係数の飛躍
的な向上が図れ、熱電変換素子の電気伝導率(σ)およ
び熱伝導率(κ)は前記第1の半導体物質であるN型半
導体12およびP型半導体13の物性がそのまま生かさ
れる。このようなことから、性能指数Zの飛躍的な向上
が図れる。
【0028】この状況をN型半導体12の場合について
図2のエネルギー状態図で説明する。図中のEF はフェ
ルミ準位、EC ならびにEC ´は各々の半導体における
伝導帯の下端の準位、EV ならびにEV ´は各々の半導
体における価電子帯の上端の準位、EQ ならびにEQ ´
は各々の半導体におけるフェルミ準位に対するエネルギ
ー準位差を示している。
【0029】この図から明らかなように、エネルギー準
位差EQ ´がエネルギー準位差EQより大きくなること
により、前記(2)式からみて容易にゼーベック係数α
が向上することが判る。
【0030】但し、エネルギー準位差EQ ´の大きさに
は、導体金属10と十分に良好なオーミック接触を得る
ために上限値が存在する。
【0031】なお、導体金属10より薄膜層14に注入
された電子が半導体12に移行するときにEC ´−EC
に相当するエネルギーを熱エネルギーとして放出する
が、周囲の電子に与えられたエネルギーは同電子ととも
に導体金属9に移行するので、熱移動に寄与する。この
ため、この熱エネルギーの一部は導体金属10に戻る
が、大部分は導体金属9に移行して放熱される。
【0032】更に前述の通り、従来のBi−Te系化合
物では、小数キャリアの影響が大きく無視することはで
きなかったが、N型半導体の場合には図2において価電
子帯中の正孔が、半導体12より導体金属10に向って
流れようとする場合に、EV−EV ´のバリアが出現す
るため正孔の流れが塞き止めされ、正孔による弊害も低
減される。
【0033】このようなことはP型半導体においても同
様で、電子による弊害も低減される。
【0034】次に熱電変換素子の具体的な構造を図3と
ともに説明する。図中の29は電気絶縁層で、例えば窒
化アルミニウムや窒化ケイ素などの熱伝導性が良好で電
気絶縁性を有するリジットな約0.2 〜0.3 mm厚の基
板、または熱伝導性が良好で電気絶縁性を有する極めて
薄いフレキシブルなシートなどから構成されている。
【0035】9、11は約数μmから10μm厚オーダ
の導体金属で、例えば銅や銀などの金属からなり、電気
絶縁層29上にパターンニングされている。
【0036】12、13は第1の半導体物質としてのN
型半導体ならびP型半導体であり、ともに例えばBi2
Te3 などのBi−Te系化合物からなり、数10μm
角で数μm〜100μm厚のチップ状のものである。
【0037】14、15は第2の半導体物質としての薄
膜層で、例えばInAs,PbTe,PbSe,Te,
Mg2 Sn,PbS,CdSb,ZnSbなどの化合物
が使用され、その膜厚は0.01〜1.5 μm、好ましくは0.
05〜1.0 μmである。
【0038】本実施例で第1の半導体物質ならびに第2
の半導体物質として使用されるもののバンドギャップ
(常温)を示せば下記の通りである。
【0039】 表 (第1の半導体物質) (第2の半導体物質) Bi2 Te3 0.13eV InAs 0.36eV PbTe 0.31eV PbSe 0.26eV Te 0.32eV Mg2 Sn 0.36eV PbS 0.41eV CdSb 0.46eV ZnSb 0.53eV 本実施例では第1の半導体物質としてBi2 Te3 を使
用したが、Bi,Te,Sb,Bi−Sbなど他の半導
体物質を使用することもできる。また、第1の半導体物
質としてPb−Te系化合物(バンドギャップ 0.31e
V)を使用し、これよりもバンドギャップの大きい半導
体物質を第2の半導体物質として使用することも可能で
ある。
【0040】特に第1の半導体物質としてBi−Te系
化合物を、第2の半導体物質としてPb−Te系化合物
を使用したものが良好である。
【0041】図3において10は薄膜層12、13とオ
ーミック接触する導体金属、27は例えばポリイミドま
たはSOG(Spin on Glass )膜よりなる熱絶縁層、2
8は導体金属10の上を被覆する保護膜で、例えば酸化
アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの熱
伝導性に優れた電気絶縁物質で構成され、数μm厚オー
ダの膜である。
【0042】図3では一対のP−N型素子しか示してい
ないが、実際には図4に示すように多数対で熱電変換素
子ユニットが構成され、図に示すように電気的に直列に
接続されている。
【0043】前記導体金属9、11は、例えば次の何れ
かの方法によって形成される。
【0044】(a)高精度な印刷技術法で導体金属9、
11を形成する方法。
【0045】(b)メッキ法により前記電気絶縁層の表
面を金属化し、その後リソグラフィ法により導体金属
9、11をパターンニングする方法。
【0046】(c)マスクを使用し、真空下において蒸
着あるいはスパッタリングなどの製膜プロセスにより導
体金属9、11を形成する方法。
【0047】前記半導体12、13は、例えば次の何れ
かの方法によって形成される。
【0048】(d)印刷法で形成したのち、レーザアニ
ール法などにより結晶化する方法。
【0049】(e)マスクを使用し、真空下において蒸
着あるいはスパッタリングなどの製膜プロセスにより形
成する方法。
【0050】(f)真空下において蒸着あるいはスパッ
タリングなどの製膜プロセスにより製膜したのち、又は
スピンコート法により製膜したのち、半導体チップを形
成し、不純物は選択的にドーピングする方法。
【0051】薄膜層14、15は、前記(d)あるいは
(e)の方法を使用する場合は、マスキングし、真空下
で蒸着あるいはスパッタリングなどの製膜プロセスによ
り形成する。また前記(f)の方法を使用する場合は、
半導体12、13の上に薄膜層を積層したのちにリソグ
ラフィ法により不要部分を除去する方法がある。
【0052】前記熱絶縁層27は、スピンコート法によ
り形成する。また前記導体金属10は、導体金属9、1
1と同様の方法で形成する。さらに前記保護膜28は真
空下において蒸着あるいはスパッタリングなどの製膜プ
ロセスにより製膜される。
【0053】次に図5ないし図11を用いて熱電変換素
子の具体的な製造方法について説明する。
【0054】150W/m・Kの熱伝導度を有する窒化
アルミニウムからなる基板29を使用し、その基板29
のほぼ全表面に10μm厚の銅メッキ30を施し、その
銅メッキ30上に1〜2μm厚のニッケルメッキ31を
施す。しかるのち、リソグラフィ法により不要部分を除
去して図5に示すように導体金属9、11を形成する。
【0055】次にこの基板29をマスキングして蒸着装
置内にセットし、10-5トールの真空下にてエレクトロ
ンビーム加熱により、図6に示すようにBi2 Te
3 (バンドギャップ 0.13eV)からなるN型半導体1
2とP型半導体13を10μm厚に形成する。
【0056】次いでマスキングして同様に蒸着装置内に
セットし、10-5トールの真空でエレクトロンビーム加
熱により、図7に示すように前記N型半導体12とP型
半導体13の表面に膜厚が0.5μmのPb−Te系化
合物の第2の半導体(バンドギャップ 0.31eV)から
なる夫々N型、P型の薄膜層14、15を形成する。
【0057】そしてN型半導体12とN型薄膜層14の
積層体ならびにP型半導体13とP型薄膜層15の積層
体の外周ならびにこれら積層体の中間の空間部に、ワニ
ス状のポリイミドをスピンコート法によって塗布、充填
し、熱処理後に硬化してポリイミド層27´を形成す
る。このときポリイミド層27´は、図8に示すように
薄膜層14、15の上面を若干覆うように塗布される。
【0058】次に図9に示すように、ポリイミド層27
´のうちの前記薄膜層14、15の上面に形成されてい
る極薄の部分をホトリソグラフィ法により除去して、薄
膜層14、15の上面を露出させた熱絶縁層27を形成
する。
【0059】次いでこの基板29を蒸着装置内にセット
し、10-5トールの真空下にて1〜2μm厚のニッケル
層31と10μm厚の銅層32とを順次形成し、しかる
のちホトリソグラフィ法により不要部分を除去して図1
0に示すようにニッケル層31と銅層32とからなる導
体金属10を形成する。
【0060】しかるのち、導体金属10の上面、熱絶縁
層27の外周ならびに導体金属9、11の一部表面を連
続して覆うように、5μm厚の酸化アルミニウム層から
なる保護膜28を形成する。
【0061】前記実施例では、第1の半導体の層を形成
し、しかるのちその上に第2の半導体からなる薄膜層を
形成した明確な2層構造の例を示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、1つの層内において構成元
素を不均一分布させて、第1の半導体の冷却側の面に第
2の半導体を主体とする薄層を連続的に一体に形成する
こともできる。
【0062】本発明は、現在使用されているバルクタイ
プの熱電変換素子(例えば、半導体が1mm角、2mm
厚のチップで構成される熱電変換素子)においても適用
可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明は前述のように、バンドギャップ
の小さい第1の半導体物質の冷却側の表面に、その第1
の半導体物質よりも大きなバンドギャップを有する第2
の半導体物質からなる薄層を形成し、この第1の半導体
物質および第2の半導体物質の薄層にそれぞれオーミッ
ク接触の得られる導体金属を接合している。
【0064】そのため、前記第2の半導体物質の薄層と
導体金属との界面においてゼーベック係数の飛躍的な向
上を図るとともに、電気伝導度および熱伝導度について
は前記第1の半導体物質の物性がそのまま生かされ、し
かも多数キャリアと小数キャリアとの比率を大きくする
ことができる。
【0065】これらの結果、性能指数(Z)を従来のも
のに比較して約50%向上することができ、信頼性の高
い熱電変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る熱電変換素子の要部断面
図である。
【図2】その熱電変換素子のN型半導体と導体金属との
接合部におけるエネルギー状態図である。
【図3】その熱電変換素子の具体的な構造を説明するた
めの断面図である。
【図4】その熱電変換素子の集合体を示す斜視図であ
る。
【図5】その熱電変換素子の製造方法を説明するための
断面図である。
【図6】その熱電変換素子の製造方法を説明するための
断面図である。
【図7】その熱電変換素子の製造方法を説明するための
断面図である。
【図8】その熱電変換素子の製造方法を説明するための
断面図である。
【図9】その熱電変換素子の製造方法を説明するための
断面図である。
【図10】その熱電変換素子の製造方法を説明するため
の断面図である。
【図11】その熱電変換素子の製造方法を説明するため
の断面図である。
【図12】従来の熱電変換素子の要部断面図である。
【図13】その熱電変換素子のN型半導体と導体金属と
の接合部におけるエネルギー状態図である。
【符号の説明】
9 導体金属 10 導体金属 12 N型半導体 13 P型半導体 14 薄膜層 15 薄膜層 27 熱絶縁層 28 保護膜 29 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/16 C01B 19/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体物質の冷却側の表面に、そ
    の第1の半導体物質よりも大きなバンドギャップを有す
    る第2の半導体物質からなる薄層を形成し、その第1の
    半導体物質と第2の半導体物質の薄層にそれぞれオーミ
    ック接触の得られる導体金属を接合したことを特徴とす
    る熱電変換素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記第1の半導
    体物質ならびに第2の半導体物質が、BiTe,InA
    s,PbTe,PbSe,Te,Mg2 Sn,PbS,
    CdSb,ZnSbのグループから選択された化合物で
    あることを特徴とする熱電変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、前記第1の半導
    体物質がBi−Te系化合物で、前記第2の半導体物質
    がPb−Te系化合物であることを特徴とする熱電変換
    素子。
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