JPH06318736A - 薄膜ペルチェ熱電素子 - Google Patents

薄膜ペルチェ熱電素子

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JPH06318736A
JPH06318736A JP5105536A JP10553693A JPH06318736A JP H06318736 A JPH06318736 A JP H06318736A JP 5105536 A JP5105536 A JP 5105536A JP 10553693 A JP10553693 A JP 10553693A JP H06318736 A JPH06318736 A JP H06318736A
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JP
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heat
thin film
thermoelectric material
electrode
electrodes
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JP5105536A
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Tetsuya Kaneko
哲也 金子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、機能素子の同一基板上に薄膜によ
って温度制御用ペルチェ素子を微小構造で形成し、かつ
局所的に電力を集中して温度制御を行なう薄膜ペルチェ
熱電素子。 【構成】 面方向に温度制御部と温度制御を行なわない
放,吸熱部の熱電材料接合部が配置されている薄膜より
なるペルチェ熱電素子において、温度制御を行なう熱電
材料接合部を少なくとも2つ以上有し、かつ接合部が積
層されている薄膜ペルチェ熱電素子。また、温度制御を
行なわない放,吸熱部の熱電材料接合部の積層数が、温
度制御を行なう熱電材料接合部の積層数より少ないこ
と、接合部がゼーベック係数が正と負の熱電材料とで電
気的に直列状に接合され、かつ接合部が複数接合積層さ
れるなどの構成も実施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜から成る熱電材料を
ペルチェ効果により発熱,吸熱を行ない、温度制御対象
物の温度を制御する薄膜ペルチェ熱電素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来熱電材料のペルチェ効果を利用して
温度制御を行なうペルチェ素子としては、上村,西田著
「熱電半導体とその応用」日刊工業新聞社、昭和63年
発行、39頁に記載のようなバルク型構造のものがあ
る。一方薄膜熱電材料を用いたものとしては、特開昭6
3−76463「薄膜冷却装置」のような薄膜型構造の
ものがある。
【0003】前者のバルク型構造のペルチェ素子は、比
較的大電流を流すことが可能であり温度制御接合部での
吸熱,発熱効率も比較的高い。この構造では温度制御を
しない接合部には、温度を極力一定化するため、一般的
には放熱用冷却フィン及び冷却ファンが設けられてい
る。
【0004】後者の薄膜型構造のペルチェ素子は温度制
御接合部と温度制御を行なわない放,吸熱接合部が、基
板上面内方向に配置されており、熱電材料薄膜の温度制
御をしない接合部に寄った側に薄膜パターンによる放熱
用フィンを設けている。この構造は比較的微小素子や微
小部分を被温度制御対象としている。
【0005】図9に従来の薄膜型構造のペルチェ素子の
断面図を示す。35は絶縁基板、36はCu薄膜から成
る導体電極、37はZnO薄膜から成る熱電材料薄膜、
41は発熱側接合部、40は吸熱側接合部であり、39
は吸熱側接合部上に設けられた被冷却デバイスであり、
38は被冷却デバイスを電気的にペルチェ素子と絶縁す
るAl2 3 膜である。今、導体電極36間に電圧を印
加して電流を流すと、熱電材料薄膜37のペルチェ効果
により、吸熱側接合部40から発熱側接合部41へ熱が
輸送され吸熱側接合部40が冷却され被冷却物39が冷
却される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例において、バルク型構造では、機能素子であるIC
(集積回路)やLSI(大規模集積回路)等の半導体デ
バイスや、薄膜磁気ヘッド、半導体レーザーダイオード
などの微小物の温度制御を対象とした場合、ペルチェ素
子の熱電材料としてバルク材が用いられ更には冷却フィ
ンが大きいため、被温度制御物に比べペルチェ素子が大
きくなり過ぎ、機能素子全体の大きさが、大きくなり過
ぎるという欠点を有していた。又、上記機能素子は基本
的に基板上の薄膜から成っており、この薄膜機能素子と
バルク型ペルチェ素子を構造的に精密に組み立てる工程
が、必要であった。
【0007】一方、薄膜構造ではペルチェ素子自体が薄
膜でフォトリソエッチング法などの微細加工技術により
小型にでき、又機能素子基板上に薄膜で形成できるため
微少物機能素子の温度制御を対象に用いて、機能素子全
体の大きさを小さくすることができる。
【0008】しかし、薄膜から成る熱電材料は、その薄
膜のシート抵抗値が高く、バルクに比べ流せる電流量が
数桁も小さい。今、仮に大電流を流しても、シート抵抗
値が高いためにジュール熱損失となって効率的な温度制
御はできない。従ってペルチェ素子における熱の輸送量
は、その熱電材料に流れる電流量に大きく左右されるも
のの、ジュール熱損失をおさえるため、小電流しか投入
できない。よって、従来の薄膜ペルチェ素子では大きな
熱量の温度制御をすることができないという欠点が生じ
ていた。
【0009】本発明の目的は、機能素子の同一基板上に
薄膜によって温度制御用ペルチェ素子を微少構造で形成
し、かつ局所的に電力を集中して温度制御を行ない従来
の薄膜ペルチェ素子よりも、より大きい熱量の温度制御
を可能とした薄膜ペルチェ熱電素子を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜ペルチェ熱
電素子は、温度制御を行なう熱電材料接合部を少なくと
も2つ以上有し、かつ該接合部が積層されていることを
特徴としている。
【0011】また、上記の薄膜ペルチェ熱電素子におい
て、温度制御を行なわない放,吸熱部の熱電材料接合部
の接合部積層数が温度制御を行なう熱電材料接合部の接
合部積層数よりも少なく、かつ該接合部が大気と接する
表面積が大きいことを特徴としている。
【0012】なお、上記の薄膜ペルチェ熱電素子は、ゼ
ーベック係数が正の熱電材料と負の熱電材料とが、温度
制御を行なう接合部に対して電気的に直列状に接合され
ており、かつこの熱電材料の接合部が複数接合されてい
ることを特徴としている。
【0013】上記手段により、機能素子の同一基板上に
薄膜によって温度制御用ペルチェ素子を微少構造で形成
し、かつ局所的に電力を集中して温度制御を行ない、従
来の薄膜ペルチェ素子よりも、より大きな熱量の温度制
御を可能としたものである。
【0014】以下本発明を、実施態様を示して説明す
る。
【0015】図1,図2,図3は、それぞれ本発明の薄
膜ペルチェ素子の斜視図,断面図,平面図を示すもので
あり、1は基板、2と3は各々薄膜半導体から成るP型
熱電材料,N型熱電材料であり、基板中央で吸熱電極4
により接続されている。6は薄膜絶縁層であり、その上
に2,3と同様な7のP型熱電材料8のN型熱電材料が
形成されており、基板中央部で吸熱電極9により接続さ
れている。10は絶縁層であり、P型熱電材料2とN型
熱電材料8は、図示した基板1の右端の放熱電極5によ
って接続されている。又、N型熱電材料3とP型熱電材
料7は基板左端の放熱電極5に接続されている。
【0016】今、図における左端の放熱電極5のN型電
極材3に接続されている部分から同左端の放熱電極5の
P型熱電材料7に接続されている部分方向へ電圧印加に
より電流を流すと、ペルチェ効果により吸熱電極4,9
で冷却が生じ、放熱電極5では発熱が生じる。図におい
て放熱電極5の面積は吸熱電極(冷却電極)4,9より
も充分に大きくしてあり、かつ大気と直接接するように
してある。従って放熱電極5で発生した熱は大気の自然
対流によって放熱され、大気の温度すなわち室温程度の
一定温度に向かう。一方、吸熱電極4,9は電極面積が
小さくかつ、積層されているために、大気と直接接する
部分が小さい。従って大気中の熱を吸収する度合が小さ
く吸熱電極4,9自体の温度は効率よく低下していく。
【0017】本薄膜ペルチェ素子において実際に冷却が
発生する部分は、P型電極材2,7、N型電極材3,8
と吸熱電極4,9の接合部分である。すなわち、本素子
においてはこの接合部が4箇所あり、全てが基板中央に
積層集中している。従って従来例のように吸熱接合部が
1箇所の薄膜ペルチェ素子に比べ吸熱電極の冷却能力、
すなわち、制御可能な熱量を大きくすることができる。
【0018】放熱電極5と吸熱電極9の大気接触面積と
大気の自然対流熱伝達は、放熱電極のみを局所的に冷却
ファンで強制放熱することが難しい薄膜ペルチェでは重
要な項目となる。今、一般に大気中が無風状態であれば
自然対流熱伝達によって放熱又は吸熱する熱流量qは
【0019】
【外1】 式より 放熱面qH =1.46|ΔT5 7 1/4 吸熱面qC =0.73|ΔT5 7 1/4 なる関係式を有している。(改訂五版 化学工学便覧3
0頁,化学工学協会編昭和63年丸善(株)発行) ここで、ΔTは大気と放熱面又は吸熱面表面の温度差
[K]、lは放熱面又は吸熱面の正方形表面の1辺の長
さ[m]、
【0020】
【外2】 は平均熱伝導係数で、
【0021】
【数1】 で表わされる。従って、放熱面,吸熱面が同面積であれ
ば放熱面の方が2倍の熱流量があり、更に放熱面の表面
の1辺の長さlが吸熱面寸法に対し2倍になれば約6.
7倍、5倍になれば約33倍の熱流量が生じる。吸熱電
極に比べ放熱電極はより多く大気との熱流量があり、一
定温度に常に近づこうとする。これに反し吸熱電極は大
気から吸収する熱流量が少ないため、冷却が行なわれ
る。このように放熱電極及び放熱接合部面積を大きくし
吸熱電極及び、冷却接合部面積を小さくすることが重要
であることが理解される。特に本発明においては、吸熱
電極及び冷却接合部を積層し大気接触面を小さくし、一
方、放熱電極及び放熱接合部は積層せずに広い面積で展
開し、大気との接触面を大きくすることによってより効
率的に上記が達成される。
【0022】上記実施態様では被温度制御部を冷却する
場合について説明したが、逆に被温度制御部を加熱する
場合は流す電流方向を逆にすればよく、降温,昇温共に
可能で被温度制御部の温度制御ができることが容易に理
解される。
【0023】本実施態様では熱電材料と吸熱電極との接
合部が2層積層されているが、本発明はこれに限るもの
ではなく構造上3層積層以上でも何ら差支えなく実施す
ることができる。
【0024】本発明の薄膜ペルチェ熱電素子に用いられ
る材料としては以下のものがある。
【0025】すなわち熱電材料としては、薄膜として堆
積が可能で熱電材料としての性能指数が高いものが求め
られ、Cu2 O,NiO,Mn2 3 のP型半導体金属
酸化物、ZnO,MoS,Fe3 4 ,FeO,CuO
のN型半導体金属酸化物、Bi,Co,Sb等の金属材
料、BやPのドーピングを行ないP型又はN型としたG
e,Si,Si・Ge等の半導体等がある。
【0026】また電極材としては、熱伝導率が高く低抵
抗の物が良くCu,Al,Ag,Auが主に用いられ
る。
【0027】更には、絶縁材としては、SiO2 ,Si
N,Al2 3 ,MgO等が用いられる。
【0028】基板としては、極力熱伝導率の小さいもの
が良好でありSiO2 や種々のガラス材、Al2 3
が用いられる。仮に、基板材の熱伝導率が高い場合は、
これらの材料を基板と薄膜ペルチェ素子間の中間層とし
て用いればよい。
【0029】
【実施例】
実施例1 図4は本発明の実施例を示す薄膜ペルチェ熱電素子によ
る薄膜温度制御装置の平面図であり、図5は図4のA−
A′断面、図6は図4のB−B′断面で温度制御接合積
層部を各々示す。
【0030】図において、11は石英ガラス基板、1
2,17は半導体であるμ−c Si・Ge(マイクロ
クリスタルシリコンゲルマ)にB(ホウ素)をドープし
たP型熱電材料13,18は同じくμ−C Si・Ge
にP(リン)をドープしたN型熱電材料である。14,
19はCuを主材とした吸熱電極であり、吸熱電極14
はP型熱電材料12とN型熱電材料13を、吸熱電極1
9はP型熱電材料17とN型熱電材料18を各々接合し
ており、SiO2 材絶縁層16をはさんで積層してあ
る。15はCuを主材とした放熱電極であり、図4にお
いて左側部ではN型熱電材料13、P型熱電材料17と
各々独立して接合している。又、右側部では、N型熱電
材料18とP型熱電材料12を共通な放熱電極で接合し
電気的接続を行なっている。
【0031】放熱電極15の平面図上の面積は積層され
た吸熱電極14,19の25倍としてある。
【0032】20は吸熱電極19上に設けられた絶縁層
であり、SiO2 材から成っており、吸熱電極19は直
接大気と触れる面積を減らし大気からの熱流量を小さく
おさえている。21は被温度制御体であり、吸熱電極1
4,19の積層部上に設けられている。
【0033】今、放熱電極15によってN型熱電材料1
3からP型熱電材料17方向へ電圧を印加して電流を流
したところ、電流は電気的に直列に配置された全ての熱
電材料と吸熱電極,放熱電極の接合部を通過し吸熱電極
14,19で冷却が、放熱電極15で発熱が生じた。放
熱電極15での大気への放熱により、吸熱電極14,1
9は温度が低下し、被温度制御体21の温度を低下させ
ることができた。また、逆方向に電流を流すことによっ
て温度を上昇させることができた。この時の被温度制御
体の輸送熱量は、従来熱電材料と電極の接合部が1箇所
である薄膜ペルチェ素子に比べ約2倍の能力向上が認め
られた。また最低温度は−20℃程度改善された。
【0034】以下本実施例の薄膜ペルチェ熱電素子の製
造方法を示す。
【0035】まず良く洗浄,脱脂した石英ガラス基板上
に、μ−c Si・Ge材から成るP型及びN型の熱電
材料を厚み2μmでプラズマCVD法により堆積し、ホ
トリソエッチング法により熱電材料12,13をパター
ニングした。この上へ下引き及び上層にCr厚み100
Åを有する厚み2μmのCuを真空堆積し、ホトレジス
トのリフトオフ法によって吸熱電極14、放熱電極15
をパターニングした。更にこの上へプラズマCVD法に
より厚み2μmのSiO2 膜を堆積し、吸熱電極14を
一部被覆するようにホトリソエッチングによりパターニ
ングした。ここまでの工程で下層の薄膜ペルチェ素子部
が形成できる。
【0036】次に、上層の薄膜ペルチェ素子部を形成す
るために、P型熱電材料17、N型熱電材料18を上記
と同様にして形成する。この時すでに形成されていた放
熱電極15に接続し、放熱接合部を形成する。次に吸熱
電極19、絶縁層20を上記と同様にして形成する。こ
こで吸熱電極14,19が積層された薄膜ペルチェ熱電
素子が形成できる。次に被温度制御体21を吸熱電極1
4,19の積層部に配置すればこの被温度制御体21を
温度制御できる。また、被温度制御体が基板11上に直
接形成されている場合は、吸熱電極14,19によって
被温度制御体の周辺を囲み、パターニングすることによ
って温度制御が可能となる。また、この部分のみ下引き
の絶縁層として熱伝導率の比較的良いAl2 3 (アル
ミナ)やMgO(酸化マグネシウム)薄膜を用いると更
に効率的に温度制御することができる。
【0037】本実施例の構造では、被温度制御体が熱電
材料と吸熱電極の積層接合部から横方向に取り出された
吸熱電極上に配置されており、吸熱電極のCu材による
高熱伝導によって温度制御するものである。従って絶縁
層16,20特に最上層の絶縁層20においては、熱伝
導率の小さいSiO2 膜を用いて、極力積層膜の上下方
向への熱伝導による熱損失を防ぎ横方向への熱伝導を向
上させている。これとは対象的に、被温度制御体を熱電
材料と吸熱電極の積層接合部上に配置する場合は、絶縁
層としてAl2 3 ,MgO等の熱伝導率の比較的高い
絶縁材料を用いることによって極力積層膜上下方向への
熱伝導を向上させることもできる。
【0038】また、本実施例で放熱電極15の表面積を
更に大きくすれば放熱効率が上るために、吸熱電極での
温度制御効率が更に向上することができる。
【0039】実施例2 図7,図8は本発明の薄膜ペルチェ熱電素子を用いた気
中造水装置の側面断面図とこの側面断面図を図面下方か
ら見た平面断面図である。本図において、22はガラス
材から成るペルチェ素子基板、23は薄膜ペルチェ熱電
素子の放熱電極、24は同吸熱電極であり、ペルチェ素
子基板22上に形成されている。説明上、熱電材料は図
上省略してあるが、放熱電極23、吸熱電極24を接続
して作成してある。25はAl金属材から成る放熱部カ
バーであり、26はガラス材から成る吸熱部カバーであ
り、ペルチェ素子基板上に固定されていて空気の流路を
形成している。27はこの流路の入口に配置されたファ
ンであり回転によって空気流方向矢印28に向けて空気
を流入させており、空気流方向矢印29に向けて空気を
排出している。30は太陽電池セルであり、31接続ピ
ンによってペルチェ素子基板に固定されている。太陽電
池セルで発電された電流は、薄膜ペルチェ素子及びファ
ンに供給される。
【0040】今、太陽光32が太陽電池セル30の表面
に照射されると発電された電流が薄膜ペルチェ素子に流
れ放熱電極23が発熱し、吸熱電極24が冷却される。
ここへファン27によって大気中の空気が取り込まれ
る。放熱部カバー25は金属材から成り熱伝導率が高い
ために放熱電極23で発生した熱が伝導する。放熱部カ
バー25で形成された屈曲した流路に空気が流れること
によって放熱電極23及び放熱部カバー25で放熱が行
なわれ空気はあたためられる。次にあたためられた空気
は、ガラス材から成る熱伝導率の低い吸熱部カバー26
で形成された流路に流れ込み、吸熱電極24に衝突して
急冷される。この時空気中の水分が露結して吸熱電極2
4表面に水滴33が発生する。発生した水滴33は、落
下して吸熱部カバー26側に捕水される。
【0041】今、大気中空気の温度30℃,湿度60%
である時、吸熱電極24の温度を5℃に保つと、ファン
27によって送られる空気1m3 に対して約0.1gの
水を捕水することができた。また従来の熱電材料と吸熱
電極の接合が1箇所である薄膜ペルチェ熱電素子を用い
た場合は、吸熱能力が小さく気中造水することは難かし
かった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように薄膜ペルチェ熱電素
子において温度制御する熱電材料接合部を積層するこ
と、制御を行なわない接合部の面積をより大きくするこ
と、接合部を電気的に直列状に複数配列すること、によ
って被温度制御体である機能素子と同一基板にペルチェ
素子を微小構造で形成でき、かつ局所的に電力を集中し
て温度制御を行ない、より大きな熱量の温度制御ができ
るという効果がある。
【0043】更にはこのペルチェ素子を気中造水装置に
用いることができるという効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す薄膜ペルチェ素子の斜
視図である。
【図2】本発明の実施態様を示す薄膜ペルチェ素子の断
面図である。
【図3】本発明の実施態様を示す薄膜ペルチェ素子の平
面図である。
【図4】本発明の実施例を示す薄膜温度制御装置の平面
図である。
【図5】本発明の実施例を示す薄膜温度制御装置の断面
図である。
【図6】本発明の実施例を示す薄膜温度制御装置の別の
断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す気中造水装置の断面
図である。
【図8】図7の気中造水装置C−C断面を下からみた断
面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11,22 基板 2,7,12,17 P型熱電材料 3,8,13,18 N型熱電材料 4,9,14,19,24 吸熱電極 5,15,23 放熱電極 6,10,16,20 絶縁層 21 被温度制御体 25 放熱部カバー 26 吸熱部カバー 30 太陽電池セル 32 太陽光 35 絶縁基板 36 Cu薄膜導体電極 37 ZnO薄膜熱電材料 38 Al2 3 膜 39 被冷却デバイス 40 吸熱側接合部 41 発熱側接合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面方向に温度制御部と温度制御を行なわ
    ない放,吸熱部の熱電材料接合部が配置されている薄膜
    より成るペルチェ熱電素子において、温度制御を行なう
    熱電材料接合部を少なくとも2つ以上有し、かつ該接合
    部が積層されていることを特徴とする薄膜ペルチェ熱電
    素子。
  2. 【請求項2】 温度制御を行なわない放,吸熱部の熱電
    材料接合部の接合部積層数が温度制御を行なう熱電材料
    接合部の接合部積層数よりも少なく、かつ該接合部が大
    気と接する表面積が大きいことを特徴とする請求項1に
    記載の薄膜ペルチェ熱電素子。
  3. 【請求項3】 ゼーベック係数が正の熱電材料と、負の
    熱電材料とが温度制御を行なう接合部に対して電気的に
    直列状に接合されておりかつ、この熱電材料の接合部が
    複数接合されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の薄膜ペルチェ熱電素子。
JP5105536A 1993-05-06 1993-05-06 薄膜ペルチェ熱電素子 Pending JPH06318736A (ja)

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