JP3173097B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents

核磁気共鳴を用いた検査装置

Info

Publication number
JP3173097B2
JP3173097B2 JP04526092A JP4526092A JP3173097B2 JP 3173097 B2 JP3173097 B2 JP 3173097B2 JP 04526092 A JP04526092 A JP 04526092A JP 4526092 A JP4526092 A JP 4526092A JP 3173097 B2 JP3173097 B2 JP 3173097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
magnetic field
magnetic resonance
nuclear magnetic
shim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04526092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05245124A (ja
Inventor
由香里 小野寺
悦治 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP04526092A priority Critical patent/JP3173097B2/ja
Publication of JPH05245124A publication Critical patent/JPH05245124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3173097B2 publication Critical patent/JP3173097B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、核磁気共鳴を用いた検査装置に
係り、特に、対象とする物質の真の位相変化が−π〜π
に範囲を超える場合に生じるアークタンジエントエリア
シング補正する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静磁場不均一を反映した位相分布計測
は、それを用いた静磁場均一度調整を行う上で非常に重
要な技術である。ある物質の位相分布を得るには、例え
ば、マグネティック レゾナンス イン メディシン(M
agnetic Resonance in Medicine.,18,p335(1
991))において述べられているように、図5に示す
ような計測法を用いる。
【0003】以下、図5の計測方法を説明する。まず、
傾斜磁場Gzと共に領域選択性の90°高周波パルス
(以下、90°パルスと呼ぶ)を印加して試料の特定領
域内のスピンを励起し、次にスピンの位相を変化させる
ための傾斜磁場Gyを印加する。続いて、傾斜磁場Gx
を印加した後、それを反転させることによりグラディエ
ントエコーを発生させる。グラディエントエコーは傾斜
磁場Gxの積分値がゼロになるところで発生するので、
Gxの印加タイミングをずらすことによりエコー発生の
タイミングを調節することができる。図5において、9
0°パルスの中心とエコー中心との時間間隔がT(実
線)となるような画像F1(x,y,z)と、T+ΔT
(破線)となるような画像F2(x,y,z)を計測
し、両者の比F2(x,y,z)/F1(x,y,z)の実
部と虚部をそれぞれFr(x,y,z)およびFi(x,
y,z)で表すと、位相分布θ(x,y,z)は(数1)
により求められる。
【0004】
【数1】 θ(x,y,z)=Arctan{Fi(x,y,z)/Fr(x,y,z)}…(数1) 90°パルスの中心から時間Tの間に静磁場不均一によ
り生じたスピンの位相変化は、F1(x,y,z)とF2
(x,y,z)の比をとることにより完全に相殺され、微
小時間ΔTの間に生じる位相情報だけが含まれる。
【0005】(数1)から得られる位相値は−π〜πの
範囲の値しか取り得ないので、真の位相変化がこの範囲
を超えている場合には、−π〜πの境界において位相が
2πずれる。このような位相のずれによる折り返しをア
ークタンジェントエリアシングと呼ぶ。従って、この折
り返しの影響を補正しなければ真の位相分布が得られな
い。
【0006】このような事情を回避するには、図5の計
測法において十分短いΔTを用いれば良い。しかし、異
なるケミカルシフトの化学種を含む物質の位相分布を計
測する場合など、ΔTを十分短くすることができない場
合もある。
【0007】前述の文献は、位相分布を用いた静磁場均
一度調整法について述べたものであるが、このようなア
ークタンジェントエリアシングが生じた場合、エリアシ
ングを見つけるために位相分布θ(x,y,z)そのもの
ではなく、θ(x,y,z)の微分値を用いている。
【0008】簡単のため、1次元の位相分布θ(x)につ
いて図6を用いて説明する。図6に示すように、アーク
タンジェントエリアシングのためにθ(x)は不連続とな
るが、dθ(x)/dxは不連続点を除いて直線で近似す
ることができ、また不連続点では鋭いピークを持つので
容易に除去することができるというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項で述べ
たとおり、(数1)から得られる位相値は−π〜πの範
囲の値しか取り得ないので、真の位相変化がこの範囲を
超えている場合には、−π〜πの境界で位相が2πず
れ、折り返し(アークタンジェントエリアシング)が生じ
る。
【0010】前述の文献に述べられている手法では、こ
のようなアークタンジェントエリアシングを回避するた
めに位相の微分値を用いているが、位相が平坦な分布を
持つ場合にはその微分値は0となり、これを静磁場均一
度調整に適用した場合、静磁場分布のオフセット項を除
去することができないという問題があった。また、この
手法では、位相分布を計測しようとする検査対象が、N
MR信号を発生しない、あるいは極めて信号強度の弱い
部位とアークタンジェントエリアシングが生じている部
分とを区別することは難しい。
【0011】本発明の目的は、位相が平坦な分布を持つ
場合にも、静磁場均一度調整に適用可能なアークタンジ
ェントエリアシング補正法を提供することにある。
【0012】本発明の別な目的は、位相分布を計測しよ
うとする検査対象が、NMR信号を発生しない、あるい
は極めて信号強度の弱い部位を含む場合にも適用可能な
アークタンジェントエリアシング補正法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】−π〜πの範囲を超える
位相変化がある場合には、2次元位相分布画像上の1ラ
インから得られる1次元位相分布は不連続となり、前記
不連続点における位相変化は特異的に大きくなる。そこ
で前記不連続点以外では、隣り合う画素間の位相変化が
πを超えることは一般には生じないので、これが生じた
場合には、以下の手順に従ってアークタンジェントエリ
アシングの補正を行うことにする。
【0014】互いに隣合う画素の位相値をPa,Pbで
表すと、|Pa−Pb|>πの時、 Pa>PbであればPbの位相値に2πを足す。P
a<PbであればPbの位相値に−2πを足す。 条件:Pa−Pb≦πを満たすまでを繰り返す。
【0015】まず、位相分布画像上の選択されたライン
について前記手順に従ってアークタンジェントエリアシ
ングの補正を行う。次に、前記ラインに直交する方向の
画素についても、前記ラインを中心として同様のアーク
タンジェントエリアシング補正を行う。
【0016】位相分布画像を用いて静磁場均一度調整を
行う場合など、シム電流値を変化させた時の位相変化量
を計測する必要がある場合には、(a)シム電流値が変化
しても位相値が変化しない点、あるいは(b)シム電流値
の変化による正しい位相変化量がわかっている点、の位
相値を基準として前記アークタンジェントエリアシング
補正を行う必要がある。(a)を満たす点はシム磁場原点
であるから、通常はこの点の位相値を基準としてアーク
タンジェントエリアシング補正を行えば良い。しかし、
マルチスライスで計測する場合等、得られた位相分布画
像上にシム磁場原点が存在しない場合もありえる。この
場合には、(b)を満たす点の位相値を基準とする。シム
電流値の変化による位相変化量が最小となる点を基準点
に選び、各チャネル毎のシム電流値変化に対する前記基
準点の位相変化量を予め計測しておき、シム電流値を変
化させた場合には位相変化量の計測結果をもとに前記基
準点の真の位相値を求め、この位相値を基準として前記
アークタンジェントエリアシングを補正するようにすれ
ば良い。また、検査対象がNMR信号を発生しない、あ
るいは極めて信号強度の弱い部位を含む場合には、その
部位の位相値を近隣の画素の位相値を用いて近似するよ
うにしたものである。
【0017】
【作用】本発明では、−π〜πの範囲を超える位相変化
による不連続点が生じた場合、上記不連続点以外では、
隣り合う画素間の位相変化が一般にπを超えないことを
利用し、これが満たされない場合には、以下の手順に従
ってアークタンジェントエリアシングの補正を行うので
連続的な位相分布を得ることができる。
【0018】互いに隣り合う画素の位相値をPa,Pb
で表すと、|Pa−Pb|>πの時、 Pa>PbであればPbの位相値に2πを足す。P
a<PbであればPbの位相値に−2πを足す。 条件:Pa−Pb≦πを満たすまでを繰り返す。
【0019】まず、位相分布画像上の選択されたライン
について前記の手順に従ってアークタンジェントエリア
シングの補正を行うことにより、連続的な1次元位相分
布を得る。次に、ラインに直交する方向の画素について
も、ラインを中心として同様のアークタンジェントエリ
アシング補正を行うことにより、2次元位相分布全体に
わたって連続性を持たせることができる。
【0020】位相分布画像を用いて静磁場均一度調整を
行う場合など、シム電流値を変化させた時の位相変化量
を計測する必要がある場合には、(a)シム電流値が変化
しても位相値が変化しない点、あるいは(b)シム電流値
の変化による正しい位相変化量がわかっている点の位相
値を基準としてアークタンジェントエリアシング補正を
行う必要がある。(a)を満たす点はシム磁場原点である
から、通常はこの点の位相値を基準としてアークタンジ
ェントエリアシング補正を行えば良い。しかし、マルチ
スライスで計測する場合等、得られた位相分布画像上に
シム磁場原点が存在しない場合もありえる。この場合に
は、(b)を満たす点の位相値を基準とする。シム電流値
の変化による位相変化量が最小となる点を基準点に選
び、各チャネル毎のシム電流値変化に対する上記基準点
の位相変化量を予め計測しておき、シム電流値を変化さ
せた場合には位相変化量の計測結果をもとに基準点の真
の位相値を求め、この位相値を基準としてアークタンジ
ェントエリアシングを補正するようにすれば良い。
【0021】この手段によれば、これを静磁場均一度調
整に適用した場合、位相の微分値ではなく位相分布その
ものに対してアークタンジェントエリアシング補正を行
うので、位相が平坦な分布を持つ場合にも静磁場分布の
オフセット項を除去することが可能である。また、検査
対象がNMR信号を発生しない、あるいは極めて信号強
度の弱い部位を含む場合にも不連続点が生じるが、位相
分布そのものを用いるのでアークタンジェントエリアシ
ングによる不連続点と容易に区別することができ、その
部位の位相値を近隣の画素の位相値を用いて直線近似す
ることにより解決可能である。
【0022】
【実施例】図7は核磁気共鳴を用いた検査装置の一例を
示す構成図である。図において、1は静磁場を発生する
コイル、2は傾斜磁場を発生するコイル、3は静磁場均
一度を調整するためのシムコイル、4は検査対象であ
り、この検査対象はコイル1,2および3内に配置され
る。シーケンサ5はシム電源6に命令を送り、静磁場不
均一を補正するような付加的な磁場をコイル3より発生
させる。コイル3は複数のチャネルよりなり、静磁場均
一度調整時には各コイルに流れる電流をシーケンサ5に
より制御する。
【0023】また、シーケンサ5は傾斜磁場電源7,高
周波発信器8に命令を送り、傾斜磁場および高周波磁場
を印加する。高周波磁場は、高周波変調器9,高周波増
幅器10を経て高周波送信器11により、検査対象4に
印加される。検査対象から発生した信号は受信器12に
よって受波され、増幅器13,移送検波器14,AD変
換器15を通ってCPU16に送られ、ここで信号処理
が行われる。必要に応じて、記憶媒体17に信号や測定
条件を記憶させることもできる。
【0024】核磁気共鳴を用いたスペクトロスコピーあ
るいは脂肪抑圧画像等を計測する場合には、それに先だ
って静磁場均一度の調整を行うことが望ましい。一般的
な核磁気共鳴装置は、シムコイルと呼ばれる多チャネル
の付加的な静磁場発生コイルを有しており、この付加的
な静磁場を主コイルの発生する静磁場と重ね合わせるこ
とにより、より均一な静磁場分布が得られるようになっ
ている。従って静磁場均一度調整とは、最適な静磁場分
布を与えるようなシム電流値の組を求めることに他なら
ない。静磁場均一度調整は次に示すような工程からな
る。
【0025】<工程1>水試料等を用いて、各チャネル
毎にシム電流値の変化に対する静磁場分布の変化量を求
める。 <工程2>人体等、検査対象の静磁場分布を求める。 <工程3><工程1>で求めた各チャネルのシム特性を
用いて、<工程2>で求めた静磁場分布を打ち消すよう
なシム電流値の組を見つける。 <工程4><工程3>で求めたシム電流をシムコイルに
付加する。
【0026】上記工程で静磁場分布を与えるものとし
て、一般的に良く用いられるのは位相分布である。これ
については従来技術として述べたように、位相分布θ
(x,y,z)は(数2)で求められる。
【0027】
【数2】 θ(x,y,z)=Arctan{Fi(x,y,z)/
Fr(x,y,z)} …(数2) さて、ΔTを十分小さく取ることができず、アークタン
ジェントエリアシングが生じている場合には、(数2)
で求めた位相分布は真の位相分布ではなく、不連続な分
布となる。このような事情は、検査対象が異なるケミカ
ルシフトの化学種を含む場合などに生じる。たとえばこ
のような静磁場均一度調整用に位相分布を計測する場
合、最も感度の高い1Hの信号を用いるのが一般的であ
る。人体などの位相分布を計測する場合、水の信号だけ
でなく、脂肪の信号もかなり大きいから、静磁場不均一
によって生じた位相と、ケミカルシフトによって生じた
位相とを区別することは難しい。
【0028】図5のような計測法を用いるのであれば、
水と脂肪のケミカルシフトによる位相差がちょうど2π
となるようにΔTを設定し、位相からケミカルシフトの
項を除去するという方法がよく知られている。磁場強度
が1.5Tであれば、ΔTは約5msec である。これ
は、位相分布を計測するにはかなり大きな値であり、計
測された位相分布にアークタンジェントエリアシング
生じる可能性は高い。
【0029】図8に示すように、アークタンジェント
リアシングが生じている位相分布画像のプロファイルを
見てみると、位相がπ、あるいは−πのところで不連続
となるので、このようなところでは隣接する画素間で位
相差が非常に大きくなる。通常、位相分布はそれほど急
激な変化は示さず、アークタンジェントエリアシング
生じている箇所以外では隣接する画素間で位相差がπを
超えることはまずありえない。
【0030】そこで、ある特定画素の位相値を基準とし
て前後左右の画素と比較を行い、「隣接する画素間での
位相差がπを超える」場合には、アークタンジェント
リアシングが生じていると判断して、2πの整数倍だけ
加算あるいは減算を行い、位相値が連続となるように補
正すれば良い。加算を行うか、あるいは減算を行うかは
上記位相差の符号から容易に判断できる。
【0031】図8に示す位相分布のアークタンジェント
エリアシングの補正アルゴリズムの例を図1ないし図4
を用いて説明する。まず、X軸に平行で上記基準点を含
むライン上に補正法を適用してアークタンジェントエリ
アシングの補正を行う。たとえば視野中心を基準点に選
ぶと、この操作は二つのステップに分けられる。ステッ
プ1でラインの右半分,ステップ2でラインの左半分の
補正を行い、これらが終了すると連続的な1次元の位相
分布が得られる。次にこの操作をY軸に平行な任意のラ
インについて行う。この場合、ラインとX軸に平行で基
準点を含むラインとの交点を、位相値の新たな基準点と
する。この場合もステップ3でラインの下半分,ステッ
プ4でラインの上半分の補正を行う。ステップ1〜ステ
ップ4が終了すると、連続的な2次元の位相分布が得ら
れる。
【0032】さて、補正アルゴリズムの例では、視野の
中心を位相値の基準点に選んだ。位相分布を用いた静磁
場均一度調整を行う場合、実はこの基準点の選び方が重
要となる。たとえば、あるチャネルのシム特性を計測し
たいときには、このチャネルのシム電流値をわずかに変
化させて2枚の位相分布を計測後、アークタンジェント
エリアシングの補正を行ってから、両者の差を取る。と
ころがこの補正を行う際に位相値の基準点が一致してい
ないと、両者の差を取ったときにシム電流値の変化によ
る位相の変化の上にオフセットが乗ってしまうため、正
しいシム特性が得られない。
【0033】従って位相値の基準点として常にある特定
の点を選ぶことが望ましい。この基準点として最も望ま
しいのが、シム磁場の原点である。この点は多くの核磁
気共鳴装置において磁石の中心点と一致している。シム
磁場の原点ではZ0項以外のシム電流の変化による位相
変化は受けない。しかし、他の点を位相値の基準点に選
ぶと、シム電流を変化させる度に位相値が変わるため、
アークタンジェントエリアシングの補正はさらに複雑に
なる。
【0034】このような事情はマルチスライスで位相分
布計測を行う場合などに生じる。たとえば静磁場方向
(Z)に直交する面の計測を行うとすると、シム磁場の
原点を含む面は1枚だけであり、その他の面ではどこを
基準点としても、シム電流を変化させる度に位相値が変
わってしまう。このような場合には、この面の視野中心
で各シムチャネルの電流値を変化させたときの位相変化
を予め計測しておき、この計測値をもとにまず視野中心
の正しい位相値を求め、これを基準としてアークタンジ
ェントエリアシングの補正を行えば良い。
【0035】図9〜12にZ1,X,Y,Z0の各チャ
ネルについて、視野中心のシム特性を計測した例を示
す。
【0036】さて、図13に示す検査対象はNMR信号
を発生しない、あるいは極めて信号強度の弱い部位を含
んでいる。検査対象が人体であれば、骨などがこの部位
に該当する。図13において位相分布画像のプロファイ
ルを見てみると、上記部位においてもやはり不連続とな
るが、(数2)などを用いて位相分布を求めるときに例
えばこのような信号強度の極端に小さい部位では位相値
が零となるようにしておけば、アークタンジェントエリ
アシングによる不連続点と容易に区別することができ
る。そこで、図13に示すように、このような部位の位
相値は近隣の画素の位相値を用いて多項式近似し、その
後、アークタンジェントエリアシングの補正を行えば良
い。
【0037】
【発明の効果】本発明は、同一の位相分布画像において
隣り合う画素間の位相変化がπを超えることは一般には
生じないので、ある画素の位相値を基準として、順次、
上下,左右の画素における真の位相値を求めるので、ア
ークタンジェントエリアシングを効果的に除去すること
が可能である。また本発明は、各チャネル毎のシム電流
値変化に対する視野中心の位相変化量を予め計測してお
き、シム電流値を変化させた場合には位相変化量の計測
結果をもとに視野中心の真の位相値を得た後、この位相
値を基準としてアークタンジェントエリアシングを補正
するので、シム電流を変化させた時でも変化前の位相値
を基準とする位相分布が得られる。
【0038】また、本発明は、検査対象がNMR信号を
発生しない、あるいは極めて信号強度の弱い部位を含む
場合には、その部位の位相値をその近隣の画素の位相値
を用いて直接近似した後、アークタンジェントエリアシ
ングを補正するので、このような微小信号部位の存在に
よる誤った条件判定を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアークタンジェントエリアシング
の回避方法のステップ1のフローチャート。
【図2】本発明によるアークタンジェントエリアシング
の回避方法のステップ2のフローチャート。
【図3】本発明によるアークタンジェントエリアシング
の回避方法のステップ3のフローチャート。
【図4】本発明によるアークタンジェントエリアシング
の回避方法のステップ4のフローチャート。
【図5】位相分布の計測のタイムチャート。
【図6】従来法によるアークタンジェントエリアシング
の回避方法の説明図。
【図7】本発明を実施するための検査装置のブロック
図。
【図8】検査対象の位相分布画像の説明図。
【図9】視野中心のシム特性(Z1)図。
【図10】視野中心のシム特性(X)図。
【図11】視野中心のシム特性(Y)図。
【図12】視野中心のシム特性(Z0)図。
【図13】信号強度の弱い部位を含む検査対象の位相分
布画像の説明図。
【符号の説明】
1…静磁場を発生するコイル、2…傾斜磁場を発生する
コイル、3…静磁場均一度を調整するためのシムコイ
ル、4…検査対象、5…シーケンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場と傾斜磁場及び高周波磁場の発生手
    段と、前記静磁場の均一度を調整するシムコイルと、検
    査対象からの核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記傾
    斜磁場及び高周波磁場の発生、前記シムコイルに流す電
    流を制御するシーケンサと、検出された前記核磁気共鳴
    信号の処理を行ない前記検査対象の画像を得る計算機と
    を具備する核磁気共鳴を用いた検査装置において、90
    °高周波パルスと180°高周波パルスとの間隔と、前
    記180°高周波パルスとエコー信号との間隔を異なら
    せたスピンエコー法、又は、グラジエントエコー法を用
    いて得られる前記核磁気共鳴信号の実部と虚部との比か
    ら、前記静磁場の不均一により生じる位相分布を求める
    処理を前記計算機で行なう際に、前記画像の所定の画素
    の位相値を基準として、前記所定の画素の上下、左右の
    画素における位相値を順次求め、前記検査対象の真の位
    相変化が−π〜πの範囲を超える場合に生じる折り返し
    アークタンジエントエリアシングを補正することを特徴
    とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、位相分布画像のシム磁場原点の位相値を
    前記基準とすることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検
    査装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、前記シム磁場原点が存在しない場合、前
    記シムコイルに流すシム電流値の変化による位相変化量
    が最小となる点を基準点に選び、前記シム電流値の変化
    に対する前記基準点の前記位相変化量を予測しておき、
    前記シム電流値を変化させた時には、前記位相変化量を
    予測の結果から前記基準点の真の位相値を求め、該位相
    値を前記基準とすることを特徴とする核磁気共鳴を用い
    た検査装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、前記検査対象が前記核磁気共鳴信号を発
    生しない、又は極めて小さい強度の前記核磁気共鳴信号
    を発生する部位を含む場合、前記部位の近傍の画素の位
    相値を用いて前記部位の位相値を近似して求めた後に、
    前記アークタンジエントエリアシングを補正することを
    特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
JP04526092A 1992-03-03 1992-03-03 核磁気共鳴を用いた検査装置 Expired - Fee Related JP3173097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04526092A JP3173097B2 (ja) 1992-03-03 1992-03-03 核磁気共鳴を用いた検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04526092A JP3173097B2 (ja) 1992-03-03 1992-03-03 核磁気共鳴を用いた検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05245124A JPH05245124A (ja) 1993-09-24
JP3173097B2 true JP3173097B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=12714324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04526092A Expired - Fee Related JP3173097B2 (ja) 1992-03-03 1992-03-03 核磁気共鳴を用いた検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3173097B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05245124A (ja) 1993-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3402916B2 (ja) 核スピントモグラフ装置のマグネット装置のシム調整方法及び方法を実施する装置
US4987371A (en) Method for in-vivo shimming
JP4106053B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び渦電流補償導出方法
JP2716889B2 (ja) 磁石の高速補正法
JP2000060821A (ja) 系統誤差を補正する方法及びシステム
JPH09215672A (ja) 磁界の生体内急速シム作用を行う方法
JP2007517571A (ja) リアルタイムの磁場マッピングを用いる磁気共鳴撮像方法及び装置
EP0124108B1 (en) Correction circuit for a static magnetic field of an nmr apparatus and nmr apparatus for utilizing the same
US20210123993A1 (en) Magnetic resonance imaging method and system and computer-readable storage medium
JP2945048B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3173097B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH0698875A (ja) 核磁気共鳴による位相分布の補正方法
JP3018076B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH03210237A (ja) 磁気共鳴装置
JP2004358238A (ja) 磁気共鳴イメージングにおける傾斜補償のためのシステム及び方法
JP3156857B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH08215167A (ja) 空間磁場分布測定方法及び空間磁場分布測定装置
JP2528864B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JP2000342552A (ja) 磁気共鳴イメージング装置における静磁場不均一の補正方法
JPH0568672A (ja) 磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場印加方法
JP2928760B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH02305549A (ja) 磁気共鳴撮像装置に使用するnmr信号の受信感度調整装置
JP2973114B1 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH10151120A (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH0357980A (ja) 高周波出力調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080330

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees