JP3172987B2 - ガス遮断器の故障検出装置 - Google Patents

ガス遮断器の故障検出装置

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JP3172987B2 JP06001395A JP6001395A JP3172987B2 JP 3172987 B2 JP3172987 B2 JP 3172987B2 JP 06001395 A JP06001395 A JP 06001395A JP 6001395 A JP6001395 A JP 6001395A JP 3172987 B2 JP3172987 B2 JP 3172987B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス遮断器やガス絶縁
開閉装置の遮断器ガス区画などのガス遮断器の内部で地
絡または短絡故障が発生した際に、故障を検出するガス
遮断器の故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガス遮断器、あるいはガス絶縁
開閉装置の遮断器ガス区画は、遮断器を金属容器に収納
するとともに、六フッ化硫黄ガスなどの絶縁ガスを封入
して形成されており、小型化、高信頼性および安全性に
優れている。しかし、万一、ガス遮断器の内部で地絡ま
たは短絡故障が発生した場合には、保護リレーにより故
障を検出して、故障が継続しないようにしているが、保
護リレー情報のみでは故障発生したガス遮断器を特定す
ることができない。また、ガス遮断器は密閉構造である
ため、故障発生したガス遮断器を外部から目視により確
認することは困難である。このため、地絡あるいは短絡
故障の発生時には、その故障アークエネルギーによって
絶縁ガスのガス圧力が上昇するので、この圧力上昇を検
出することによってガス遮断器の故障を検出することが
ある。この故障検出装置は、従来、ガス遮断器に圧力セ
ンサを設けて、この圧力センサによって絶縁ガスの圧力
値を計測する。そして、圧力センサの出力である圧力値
と封入圧力値との差から圧力上昇値を求め、この圧力上
昇値が予め設定された監視値を越えたときに、故障と判
定するように構成されている。
【0003】また、ガス絶縁開閉装置においては、通
常、その内部は遮断器ガス区画や断路器ガス区画などの
複数のガス区画に区分されており、電力の安定供給の観
点から、故障が発生したガス区画以外の健全なガス区画
で、かつ電圧印加を行っても支障がないガス区画を早期
復旧し、停電時間を短くすることが必要となる。したが
って、故障区画を検出するために、故障区画検出装置が
使用される場合もあり、上記故障検出装置の出力はこの
故障区画検出装置の一入力としても利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の故障検出装
置においては、以下の課題があった。ガス遮断器の内部
で地絡または短絡故障が発生した場合、故障アークエネ
ルギーでガス圧力が上昇する。また、故障が継続しない
ように、保護リレーが動作し、遮断器開極指令信号によ
り遮断器が開極され、この開極時の遮断器の接触子間ア
ーク、すなわち遮断器開極アークが発生し、そのアーク
エネルギーによってもガス圧力が上昇する。一方、当該
ガス遮断器以外で地絡または短絡故障が発生した場合、
当該ガス遮断器の内部の故障ではないため、故障アーク
によるガス圧力の上昇は無いが、当該ガス遮断器以外で
の故障が継続しないように、保護リレーが動作し、遮断
器開極指令信号により当該ガス遮断器が開極されるた
め、遮断器開極アークが発生し、そのアークエネルギー
によってガス圧力が上昇する。このため、圧力上昇のレ
ベル検出により故障を判定する従来の故障検出装置で
は、検出した圧力上昇が、故障アークによるものか、遮
断器開極アークによるものかの区別ができず、ガス遮断
器の故障が検出できなくなる。
【0005】そこで、本発明の目的は、遮断器開極アー
クによる圧力上昇があった場合においても、故障を正し
く検出することができるガス遮断器の故障検出装置を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】絶縁性ガスが封入された
ガス遮断器に、そのガス圧力を検出する圧力センサを設
ける。保護リレーからの遮断器開極指令信号あるいは保
護リレー動作信号を検出する保護リレー動作検出部を設
ける。圧力センサの出力側に、過渡応答の遅れ時間が、
保護リレーの動作時間と遮断器の開極時間とを合計した
時間以下であり、かつ周波数特性がローパスフィルタ特
性である第1のフィルタ部を設ける。圧力センサの出力
側に、通過周波数領域が、第1のフィルタ部の通過周波
数領域以下となるローパスフィルタ特性である第2のフ
ィルタ部を設ける。第1のフィルタ部の出力と保護リレ
ー動作検出部の出力とから、保護リレーからの遮断器開
極指令信号による遮断器開極開始時刻以前に圧力上昇が
発生した場合に圧力上昇有りと判定する第1の圧力上昇
判定部を設ける。第2のフィルタ部の出力と保護リレー
動作検出部の出力とから、保護リレー動作時に圧力上昇
が発生した場合に圧力上昇有りと判定する第2の圧力上
昇判定部を設ける。第1の圧力上昇判定部と第2の圧力
上昇判定部の両者がともに圧力上昇有りと判定した場合
に当該ガス遮断器を故障と判定する判定部を設ける。
【0007】
【作用】本発明は上記の如く構成することにより、保護
リレーからの遮断器開極指令信号による遮断器の開極開
始以前の故障アークによる圧力上昇の有無で故障を判定
する。したがって、故障アークによる圧力上昇と遮断器
開極時の接触子間アークによる圧力上昇とを区別し、健
全ガス遮断器は故障と判定せず、故障当該ガス遮断器の
みを故障と自動的に判定することができる。また、保護
リレーからの遮断器開極指令信号あるいは保護リレー動
作信号は保護リレー動作条件であり、この保護リレー動
作条件で故障を判定するため、保護リレーが動作しない
正常時の遮断器の開閉操作時の接触子間アークによる圧
力上昇が発生しても、その圧力上昇を故障とは判定しな
いので、誤判定を防止することができる。さらに、第1
のフィルタ部からの出力で、保護リレーによる遮断器開
極開始時刻以前の圧力上昇有無を判定する第1の圧力上
昇判定部に加え、第1のフィルタ部の通過周波数領域以
下のローパスフィルタ特性である第2のフィルタ部から
の出力で、保護リレー動作時の圧力上昇有無を判定する
第2の圧力上昇判定部を設け、両者の判定結果がともに
成立し、圧力上昇有りと判定した場合にしか故障と判定
しない。このため、故障発生していない場合に圧力セン
サ出力にノイズ等が重畳し、それを前者の第1の圧力上
昇判定部で誤って圧力上昇有りと判定しても、後者の第
2の圧力上昇判定部は、それらのノイズが除去された出
力で行うことになり、圧力上昇は無しと判定し、誤って
健全ガス遮断器を故障と判定しないので、誤判定を防止
することができる。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を図1に示す。図1はガス絶
縁開閉装置の遮断器ガス区画の場合を示す。図1におい
て、ガス絶縁開閉装置の遮断器ガス区画1の主回路の電
気的結線を単線結線図で示してあり、11は遮断器、1
2は導体であり、遮断器11の片側に変流器13が設け
られ、その出力は保護リレー8に入力される。また、保
護リレー8の遮断器開極指令信号は、遮断器ガス区画1
内の遮断器11へ出力される。遮断器ガス区画1にガス
圧力を検出する圧力センサ2を設ける。保護リレー8か
らの遮断器開極指令信号を検出する保護リレー動作検出
部9を設ける。なお、保護リレー8からの遮断器開極指
令信号としては、保護リレー動作信号でもよい。圧力セ
ンサ2の出力側には第1のフィルタ部3と第2のフィル
タ部4とを設ける。第1のフィルタ部3の出力側に第1
の圧力上昇判定部5、第2のフィルタ部4の出力側には
第2の圧力上昇判定部6をそれぞれ設ける。また、保護
リレー動作検出部9の出力は、第1の圧力上昇判定部5
および第2の圧力上昇判定部6へ入力される。第1の圧
力上昇判定部5および第2の圧力上昇判定部6の各出力
は判定部7へ入力される。
【0009】第1のフィルタ部3は、圧力上昇開始判定
用であり、過渡時における入力に対する出力の応答の遅
れ時間、すなわち過渡応答の遅れ時間が保護リレー8の
動作時間と遮断器11の開極時間とを合計した時間以下
で、かつ入力に対する出力の比の逆数、すなわち減衰量
が低い周波数では小さく、高い周波数では大きくなる周
波数特性を有するローパスフィルタである。ここで、保
護リレー8の動作時間と遮断器11の開極時間とを合計
した時間とは、故障発生してから、保護リレー8の開極
指令による遮断器11の接触子間アークの発生直前ま
で、すなわち遮断器11の開極開始までの時間を意味す
ることになる。なお、後述の第1の圧力上昇判定部5で
遮断器ガス区画1の故障時の圧力上昇値と圧力上昇開始
検出用の所定の監視値とを比較して圧力上昇開始時刻を
検出するため、第1のフィルタ部3の過渡応答の遅れ時
間は、第1のフィルタ部3へ圧力上昇信号が入力されて
から、出力信号レベルがその圧力上昇開始検出用の所定
の監視値に到達する時間とする。第2のフィルタ部4
は、圧力上昇有無判定用であり、通過周波数領域が第1
のフィルタ部3の通過周波数領域以下となる周波数特性
を有するローパスフィルタである。通常、故障時の圧力
上昇を圧力センサ2で検出した場合、その出力波形は、
故障による直流的な圧力上昇成分の他、遮断器ガス区画
1の内壁での圧力波の反射による圧力振動や圧力センサ
2の出力に重畳する電気的なノイズなどの交流分が含ま
れる。故障検出するには前者の直流的な圧力上昇分を抽
出する必要がある。したがって、第2のフィルタ部4
は、第1のフィルタ部3と比較すると、それよりさらに
周波数の低い成分のみを通過させ、直流的な圧力上昇分
を抽出し、交流分すなわちノイズを除去することにな
る。
【0010】第1、第2のフィルタ部3,4はアナログ
フィルタまたはデジタルフィルタで実現することができ
る。デジタルフィルタで実現する場合の一実施例とし
て、第1、第2のフィルタ部3,4を移動平均処理で実
現する場合を以下に示す。移動平均処理は、圧力センサ
2の出力をあるサンプリング周期でサンプリングし、そ
のサンプル値から所定の平均期間の平均値を、その所定
の平均期間をサンプリング周期の時間分移動して逐次求
め、各時刻における平均値を求める処理である。この移
動平均処理は例えば次のように行う。第1のフィルタ部
3は所定の平均期間を数十ms〜数百msとした移動平
均処理とし、第2のフィルタ部4は所定の平均期間を数
百ms〜数秒とした移動平均処理とする。一例として、
図2(a)に所定の平均期間が100msである100
ms移動平均処理とした第1のフィルタ部3の周波数特
性を、図2(b)に所定の平均期間が1sである1s移
動平均処理とした第2のフィルタ部4の周波数特性を示
す。また、図3に100ms移動平均処理とした第1の
フィルタ部3の過渡応答である、ステップ入力に対する
出力応答、すなわちステップ応答を示す。
【0011】図2(a)から明らかなように、第1のフ
ィルタ部3は、直流分である周波数0Hzにおいては減
衰量が0で、10Hzの自然数倍の周波数で減衰量が無
限大となり、破線で示した、周波数に対する減衰量の変
化が0となる点を結んだ包絡線から、周波数が高くなる
にしたがい減衰量が大きくなるローパスフィルタ特性を
有することが判る。また、減衰量が2倍、すなわち出力
が入力の1/2となる周波数は約6Hzで、通過周波数
領域は0〜6Hzとなる。一方、図2(b)から明らか
なように、第2のフィルタ部4は、直流分である周波数
0Hzにおいては減衰量が0で、1Hzの自然数倍の周
波数で減衰量が無限大となり、破線で示した周波数に対
する減衰量の変化が0となる点を結んだ包絡線から、周
波数が高くなるにしたがい減衰量が大きくなるローパス
フィルタ特性を有することが判る。また、減衰量が2
倍、すなわち出力が入力の1/2となる周波数は約0.
6Hzで、通過周波数領域は0〜0.6Hzとなる。し
たがって、第2のフィルタ部4のローパスフィルタの通
過周波数領域は第1のフィルタ部3の通過周波数領域以
下となる。また、図2(a)と図2(b)とから、第1
のフィルタ部3の周波数特性と第2のフィルタ部4の周
波数特性を比較すると、各周波数における第2のフィル
タ部4の減衰量が第1のフィルタ部3の減衰量以上とな
っていることが判る。また、図3に示す第1のフィルタ
部3のステップ応答から、出力がステップ入力の定常状
態における値の100%、50%、10%に到達するそ
れぞれの時間は、100ms、50ms、10msであ
る。したがって、第1の圧力上昇判定部5の圧力上昇開
始検出用の監視値を入力の50%以下に設定すること
で、第1のフィルタ部3の過渡応答の遅れ時間は50m
s以下となる。この値は、例えば、保護リレー8の動作
時間を25ms〜500ms、遮断器11の開極時間を
25ms〜30msとした場合、それ合計した時間50
ms〜530ms以下となる。
【0012】第1の圧力上昇判定部5は、第1のフィル
タ部3の出力と保護リレー動作検出部9の出力とで、保
護リレー8からの遮断器開極指令信号による遮断器11
の開極開始時刻以前に圧力上昇を検出した場合に、圧力
上昇「有り」と判定して、その判定結果を判定部7へ出
力する。すなわち、第1のフィルタ部3の出力の変化か
ら圧力上昇値を計測し、その圧力上昇値が予め設定され
た圧力上昇開始検出用の所定の監視値以上となった圧力
上昇開始時刻を求める。その圧力上昇開始時刻が保護リ
レー動作検出部9の出力から求めた遮断器11の開極開
始時刻以前である場合、圧力上昇「有り」の出力をす
る。第2の圧力上昇判定部6は、第2のフィルタ部4の
出力と保護リレー動作検出部9の出力とで、保護リレー
8からの遮断器開極指令信号出力時に、すなわち保護リ
レー8の動作時に圧力上昇を検出した場合に、圧力上昇
「有り」と判定し、その判定結果を判定部7へ出力す
る。例えば、第2のフィルタ部4の出力の変化から圧力
上昇値を計測し、その圧力上昇値が予め設定された圧力
上昇有無検出用の所定の監視値以上となった圧力上昇発
生時刻を求める。その圧力上昇発生時刻が、保護リレー
動作検出部9の出力から求めた保護リレー8による遮断
器11の開極開始時刻前後で予め設定された所定時間内
にあった場合、圧力上昇「有り」の出力をする。なお、
本判定における所定時間は、故障による圧力上昇であれ
ば保護リレー8の動作時刻付近にあるはずであり、また
故障アークが無くなっても一度上昇した圧力はすぐに下
がらないこと、および第2のフィルタ部4の過渡応答の
遅れ時間等を勘案して決めればよく、例えば数秒以下の
時間とすればよい。判定部7は、第1、第2の圧力上昇
判定部5,6の出力がともに圧力上昇「有り」を出力し
た場合に、遮断器ガス区画1を故障と判定し、その判定
結果を出力する。例えば、判定部7は、第1の圧力上昇
判定部5の出力と、第2の圧力上昇判定部6の出力の論
理積を求めればよい。
【0013】次に本発明の動作を図4を用いて説明す
る。なお、以下、保護リレー動作検出部9へ入力する保
護リレー8からの遮断器開極指令信号あるいは保護リレ
ー動作信号は、遮断器開極指令信号の場合として説明す
る。図4は遮断器ガス区画1で故障が発生した場合につ
いて、圧力センサ2の出力、第1、第2のフィルタ部
3,4の出力、第1、第2の圧力上昇判定部5,6の出
力、判定部7の出力、保護リレー動作検出部9で検出し
た保護リレー8の遮断器開極指令信号を示す。
【0014】遮断器ガス区画1で、地絡または短絡故障
が発生した場合について以下に動作説明する。遮断器ガ
ス区画1で故障が発生すると、変流器13で故障電流が
検出され、保護リレー8は、遮断器ガス区画1の遮断器
11へ遮断器開極指令信号を出力し、遮断器ガス区画1
の遮断器11が動作して開極する。このため、遮断器ガ
ス区画1では、最初に故障アークにより圧力上昇する。
その後、保護リレー8からの遮断器開極指令信号によ
り、遮断器ガス区画1の遮断器11が開極するため、遮
断器11の接触子間アークが発生し、このアークによっ
ても圧力上昇する。この場合、保護リレー8からの遮断
器開極指令信号出力時刻を基準とすると、その時刻以前
に遮断器ガス区画1で圧力上昇が発生し、その後さらに
遮断器11の接触子間アークによって圧力上昇すること
になる。なお、圧力センサ2で検出した出力には、上記
のような直流的な圧力上昇成分の他、遮断器ガス区画1
の内壁での圧力波の反射による圧力振動や圧力センサ2
の出力に重畳する電気的なノイズなどの交流分、すなわ
ちノイズが含まれる。したがって、圧力センサ2の出力
は図4に示すような波形となる。
【0015】第1のフィルタ部3は、圧力上昇開始判定
用のローパスフィルタで、過渡応答の遅れ時間が故障発
生してから遮断器11の開極開始までの時間以下である
ため、その出力は、圧力センサ2で検出した出力に含ま
れるノイズがある程度減衰され、圧力上昇の立上り開始
が遮断器11の開極開始以前で検出できる波形となる。
第1の圧力上昇判定部5は、第1のフィルタ部3の出力
から圧力上昇値を検出し、その圧力上昇値が予め設定さ
れた圧力上昇開始検出用の監視値以上となり、かつ圧力
上昇値が監視値以上となった時刻が遮断器11の開極開
始時刻以前であるので、圧力上昇「有り」を出力する。
したがって、第1の圧力上昇判定部5は、第1のフィル
タ部3の出力から、圧力上昇「有り」と判定し、その判
定結果を判定部7へ出力する。一方、第2のフィルタ部
4は、圧力上昇有無判定用のローパスフィルタで、ノイ
ズ除去を目的としたものであるため、その出力は、圧力
センサ2で検出した圧力波形に含まれるノイズが大きく
減衰された波形となる。第2の圧力上昇判定部6は、第
2のフィルタ部4の出力から圧力上昇値を検出し、その
圧力上昇値が予め設定された圧力上昇有無検出用の監視
値以上となり、かつ圧力上昇値が監視値以上となった時
刻が保護リレー8の動作時刻の付近、すなわち遮断器1
1の開極開始時刻前後の所定の時間以内にあるので、圧
力上昇「有り」を出力する。したがって、第2の圧力上
昇判定部6は、第2のフィルタ部4の出力から、圧力上
昇「有り」と判定し、その判定結果を判定部7へ出力す
る。なお、第2のフィルタ部4の出力は、第2の圧力上
昇判定部6の時刻判定範囲である所定の時間内に圧力上
昇が検出できるのであれば、過渡応答の遅れ時間が長
く、圧力上昇の立上りが非常に遅い波形となり、場合に
よっては遮断器11の開極開始時刻以後となっても構わ
ない。判定部7は、第1、第2の圧力上昇判定部5,6
の出力がともに圧力上昇「有り」を出力しているため、
遮断器ガス区画1を故障と判定し、その結果を出力す
る。以上から、遮断器ガス区画1で発生した故障が正し
く検出できる。
【0016】次に、遮断器ガス区画1以外で故障が発生
し、遮断器11が開極し、開極アークによる圧力上昇の
みが遮断器ガス区画1で発生した場合について説明す
る。遮断器ガス区画1以外で故障が発生すると、変流器
13で故障電流が検出され、保護リレー8は、遮断器ガ
ス区画1の遮断器11へ遮断器開極指令信号を出力し、
遮断器ガス区画1の遮断器11が動作して開極する。こ
のため、遮断器ガス区画1では、故障アークによる圧力
上昇は無いが、保護リレー8からの遮断器開極指令信号
により、遮断器ガス区画1の遮断器11が開極するた
め、遮断器11の接触子間アークが発生し、このアーク
によって圧力上昇する。これは、保護リレー8からの遮
断器開極指令信号出力時刻を基準にすると、その時刻以
前には圧力上昇は無く、その時刻以後に遮断器11の接
触子間アークによって圧力上昇することになる。したが
って、第1の圧力上昇判定部5で圧力上昇「有り」とす
る条件である、遮断器11の開極開始時刻以前に圧力上
昇があるという条件が不成立となり、第1の圧力上昇判
定部5から圧力上昇「有り」が出力されない。したがっ
て、判定部7は、遮断器ガス区画1を故障と判定しな
い。以上から、故障発生していない遮断器ガス区画1で
遮断器11の開極時の接触子間アークによる圧力上昇が
発生しても、それを故障と誤判定しないことになる。
【0017】平常時に遮断器ガス区画1の遮断器11を
開閉操作した場合にも、接触子間アークによる圧力上昇
が発生するが、故障ではないため保護リレー8は動作し
ない。したがって、第1、第2の圧力上昇判定部5,6
へは、保護リレー動作検出部9で検出した保護リレー8
からの遮断器開極指令信号が入力されないため、圧力上
昇判定をしないことになり、圧力上昇「有り」の出力は
されない。このため、判定部7は、健全な遮断器ガス区
画1を故障と誤判定しない。
【0018】以上、実施例は、ガス絶縁開閉装置の遮断
器ガス区画の場合について説明したが、ガス遮断器の場
合も、同様に、正しく故障を検出することができる。
【0019】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、保護リレ
ーからの遮断器開極指令信号による遮断器の開極開始以
前の故障アークによる圧力上昇を検出し、故障検出をす
ることになる。したがって、故障アークによる圧力上昇
と遮断器開極時の接触子間アークによる圧力上昇とを区
別し、健全ガス遮断器を故障と判定せず、故障当該ガス
遮断器を故障と正しく自動的に判定することができる。
また、保護リレー動作条件で故障を判定しているため、
保護リレーが動作しない正常時に遮断器の開閉操作時の
接触子間アークによる圧力上昇が発生しても、その圧力
上昇を故障とは判定せず、誤検出を防止することができ
る。さらに、故障判定において、保護リレーからの遮断
器開極指令信号による遮断器の開極開始以前の圧力上昇
と、ノイズ除去されたローパスフィルタの出力から保護
リレー動作時の圧力上昇との両者をともに検出したとき
に故障と判定しているため、ノイズ等により健全ガス遮
断器を故障と判定せず、誤検出を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の第1、第2のフィルタ部の一実施例の
周波数特性を示す図である。
【図3】本発明の第1のフィルタ部の一実施例のステッ
プ応答を示す図である。
【図4】本発明の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 遮断器ガス区画 2 圧力センサ 3 第1のフィルタ部 4 第2のフィルタ部 5 第1の圧力上昇判定部 6 第2の圧力上昇判定部 7 判定部 8 保護リレー 9 保護リレー動作検出部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性ガスが封入されたガス遮断器に設
    けられ、そのガス圧力を検出する圧力センサと、 保護リレーからの遮断器開極指令信号あるいは保護リレ
    ー動作信号を検出する保護リレー動作検出部と、 前記圧力センサの出力側に設けられ、過渡応答の遅れ時
    間が、前記保護リレーの動作時間と遮断器の開極時間と
    を合計した時間以下であり、かつ周波数特性がローパス
    フィルタ特性である第1のフィルタ部と、 前記圧力センサの出力側に設けられ、通過周波数領域
    が、前記第1のフィルタ部の通過周波数領域以下となる
    ローパスフィルタ特性である第2のフィルタ部と、 前記第1のフィルタ部の出力と前記保護リレー動作検出
    部の出力とから、保護リレーからの遮断器開極指令信号
    による遮断器開極開始時刻以前に圧力上昇が発生した場
    合に圧力上昇有りと判定する第1の圧力上昇判定部と、 前記第2のフィルタ部の出力と前記保護リレー動作検出
    部の出力とから、保護リレー動作時に圧力上昇が発生し
    た場合に圧力上昇有りと判定する第2の圧力上昇判定部
    と、 第1の圧力上昇判定部と第2の圧力上昇判定部の両者が
    ともに圧力上昇有りと判定した場合に当該ガス遮断器を
    故障と判定する判定部と、 を備えたことを特徴とするガス遮断器の故障検出装置。
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