JP3172559U - 折り畳み机 - Google Patents
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Abstract
【課題】折畳み机を立脚して使用している時に、脚が突然倒れて周囲の者を怪我させることのないように、ロック部材を設けることによってPL法に基づく安全基準をクリヤするようにした折り畳み机を提供する。
【解決手段】天板1の裏面において、この天板1の左右の長辺に沿ってケタ2を夫々固設し、これらの前後両端近傍の四隅において、脚5を夫々回動可能に設け、左右の前記ケタ2の前後両端近傍において、これらの左右間に第一の梁3を夫々架設するとともに、左右一対の前記脚5の間に第二の梁7を架設する。かつ、前記第一の梁3と前記第二の梁7との間にステー8を架設し、この長手中央部において、一方の片割れと他方の片割れとをピンジョイントを介して曲折可能に連結し、かつこのピンジョイントに隣接してL字状のロック部材10を設けて折畳み机を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】天板1の裏面において、この天板1の左右の長辺に沿ってケタ2を夫々固設し、これらの前後両端近傍の四隅において、脚5を夫々回動可能に設け、左右の前記ケタ2の前後両端近傍において、これらの左右間に第一の梁3を夫々架設するとともに、左右一対の前記脚5の間に第二の梁7を架設する。かつ、前記第一の梁3と前記第二の梁7との間にステー8を架設し、この長手中央部において、一方の片割れと他方の片割れとをピンジョイントを介して曲折可能に連結し、かつこのピンジョイントに隣接してL字状のロック部材10を設けて折畳み机を構成する。
【選択図】図1
Description
この開示は、脚を折り畳み又は起立可能とし、かつ、脚を立てて使用する時には、脚が突然折れることの無いように、曲折防止の機構を備えた折り畳み机に関する。詳しくは、折り畳み机を収納する時は、脚を折り畳み可能とし、一方、脚を立てて使用する時に、周囲の者が思いがけなく力を加えるようなことがあっても突然脚が折れて机が倒れることの無いように、曲折防止の機構を備えた折り畳み机に関する。
従来、事務机、座卓や経机等は天板裏面に一定の長さの脚が設けられており、立ち用或いは座り用の机として専用されている。しかしながら、このような机は使用時には脚が安定しているが、机を使用しないときには脚の長さの分大きな収納スペースを必要とする。収納スペースを確保できない場合は、机を収納することができず、居住空間が狭められたりする。あるいは、机を運搬する通路が狭い場合、脚が嵩張るため壁等にぶつけて傷付ける等の恐れがある。
従来の折り畳み机の例を図10に示し、折り畳み机Tは、長方形の化粧板からなる二点鎖線で示す天板1を有し、この裏面において、長辺に沿って一対のケタ2、2が、天板1に一体的に固設される。折り畳み机Tのフレーム構造は、左右のケタ2、2が長辺に沿って延び、これらを連結する第一の梁3、3が前後に設けられ、かつ、ケタ2の前後両端部において継ぎ手4を介し、脚5はピンジョイント41を支点として回動し、折れる。左右の脚5、5には、これらの脚先を連結する梁6が設けられ脚を補強する。さらに、この梁6の上方で平行に左右の脚5、5を連結する第二の梁7が設けられている。そして、第一の梁3と第二の梁7とを連結するようにステー8が左右に夫々設けられ、かつ、左右のステー8、8の間に取っ手9が架設される。このように、第一の梁3と第二の梁7との間にリンク機構からなるステー8を架設することによって、天板1の裏側において脚5を曲折し、折り畳むことが可能となる。一方、折り畳み机を立てて使用する際、ステー8は第一の梁3と第二の梁7との間の突っ支い棒としての機能を有し、ケタ2と脚5との角度を直角に保つ。このような構造の床からの高さが約330mmの折り畳み机を、例えば幼稚園で脚を立てて座り机として使用している。例えば、複数の園児が机の天板を囲んで折り紙などをしている時に、不意に園児の一人が梁6を外側から足で踏みながら、取っ手9を図の手前側の矢印A方向へ引っ張ったために、左右のステー8、8がくの字に曲がり、突然脚5、5が継ぎ手4のピンジョイント41を支点として回動して園児の側へ倒れた。その時、園児の足が第二の梁7と梁6戸の間に挟まれて怪我をするようなことがあった。近年では、このような折り畳み机の製造者には、PL法に基づく安全基準を遵守することが義務づけられており、製造者は使用者を安全な折り畳み机を製作しなければならない。
そこで、本件出願人はステー部にストッパを付設した折畳み机に関する考案を提案した(例えば、特許文献1参照)。この折畳み机は、折畳み机の脚を立てて使用する場合、脚が不意に倒れて使用者を怪我させことが無く、かつ、PL法に基づく安全基準をクリヤする折り畳み机を提供することを目的とする。そして、その構成は図11に示すように、天板1の裏面において、この天板の対向する夫々の長辺に沿って一対のケタ2、2を固設するとともに、これらのケタの両端近傍に夫々脚5、5、5、5を設け、これらの脚を夫々起立又は折畳み可能にするためにステー8を設けた折畳み机において、前記ステーの曲折部にストッパ100を覆設することを特徴とする。左右のステー8、8は、取っ手9によって連結されている。このストッパの詳細を以下に説明する。右方のステー8の長手方向中央部の曲折部において、ステー8の外周面にストッパ100を覆設し、この部位を拡大して図12に示す。ストッパ100は、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とを連結するピンジョイント89の部位を表側から覆うように設けられる。ストッパ100は、ステー8の他方の片割れ82に回動可能に設けられ、この部位においてストッパ100は面11の穴112に挿着したピンジョイント14を支点として矢印J、Jの方向へ回動可能である。ストッパ100の面11の左方端部において、面11の穴111へピン15を挿着する。ピン15は、脱落しないように鎖を介してピンジョイント14に係留されている。この時、ストッパ100はステー8のピンジョイント89の部位を表側から覆う位置に固定されるので、ステー8は曲折しない。従って、取っ手9を矢印A方向へ引っ張っても、脚が折れて机が倒れるようなことが無い。
以上の通りであって、従来の折り畳み机には次のような問題点がある。
折り畳み机を幼稚園で脚を立てて座り机として使用する。複数の園児が天板を囲んで折り紙などをしている時に、不意に園児の一人が梁を足で踏みながら、取っ手を手前側に引っ張ったために、ステーが手前側にくの字に曲がって突然脚が園児側へ倒れたことがあった。その時、園児の足が梁の間に挟まり怪我した。近年では、このような折り畳み机の製造者にはPL法に基づく安全基準を遵守することが義務づけられている。この園児の例では、製造者がPL法に基づく安全基準を遵守する配慮に欠け、園児に怪我をさせてしまった。
そこで、出願人はステーに曲折防止用のストッパを設けることを提案した。図11に示したように、ストッパ100は、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とを連結するピンジョイント89の部位を表側から覆うように設けられる。そして、図12にその詳細を示し、ストッパ100は、ステー8の他方の片割れ82に回動可能に設けられ、この部位においてストッパ100は面11の穴112に挿着したピンジョイント14を支点として矢印J、Jの方向に回動可能である。ストッパ100の面11の左方端部において、面11の穴111へピン15を挿着すると、ストッパ100は面11の穴112に挿着したピンジョイント14を支点として矢印J、Jの方向へ回動しなくなる。このような、一連の操作によって、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とが、曲折しなくなるので、脚5が折れなくなるのでストッパとしての機能を果たす。きちんと、このような一連の動作に基づいてストッパを位置決めすると、脚が折れず然脚が園児側へ倒れるようなことが生じなかった。しかしながら一連の動作において、先ず、ストッパをピンジョイントの部位を覆うために位置決めする第一の動作をし、次いで穴へピンを挿着する第二の動作をしなければならず、二動作になって面倒である。また、用済み後机を折り畳む場合も、逆の動作をするので二動作になって面倒である。更に、このようなストッパの位置決め、取り外しの動作をする場合、ピンを外し忘れ、或いはピンジョイントの部位から矢印J、Jの方向に回動する際にストッパを外し忘れがちである。そのため、薄い板金性のストッパを掛けたまま脚を折り曲げることがあり、薄い板金製のストッパが曲がって壊れる。
そこで、本開示の折畳み机は、このような従来の抱える問題点を解決するためになされたもので、折畳み机を立脚して使用している時に、脚が突然倒れて周囲の者を怪我させることのないように、ロック部材を設けることによってPL法に基づく安全基準をクリヤするようにした折り畳み机を提供することを目的とする。また、ロック部材を位置決めする際に、或いは外す際に、夫々一動作で済むようにし、かつ、これらの動作を稀にやってもロック部材を壊すことのないように操作性に優れた折り畳み机を提供することを目的とする。
本考案者は、弦巻きバネを使用したステーが幼児の力でも屈曲することがあることに気付いた。このため、機械的に確実に、しかも一回の動作で脚を屈曲防止するための機能を設ける着想へと展開し、これに基づき折畳み机を試作したところ確実にステーを真直ぐに保持することができるという知見を得た。本考案者のロック部材を備える折畳み机はかかる知見を基に具体化したもので、請求項1の考案は、天板(1)の裏面において、この天板(1)の左右の長辺に沿ってケタ(2)を夫々固設し、これらの前後両端近傍の四隅において、脚(5)を夫々回動可能に設け、左右の前記ケタ(2)の前後両端近傍において、これらの左右間に第一の梁(3)を夫々架設するとともに、左右一対の前記脚(5)の間に第二の梁(7)を架設し、かつ前記第一の梁(3)と前記第二の梁(7)との間にステー(8)を架設し、この長手中央部において、一方の片割れ(81)と他方の片割れ(82)とをピンジョイント(89)を介して曲折可能に連結し、かつこのピンジョイント(89)に隣接してロック部材(10)を設け、このロック部材(10)は、梃子部(104)と係止部(105)とがほぼL字状に曲がって連設するとともに、この連設部近傍に軸受部(106)を設けた構成からなることを特徴とする折畳み机である。請求項2の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記ステー(8)に取っ手を固設するとともに、この取っ手に枢軸(102)を備え、前記ロック部材(10)は、前記枢軸(102)に枢設されることを特徴とする折畳み机である。請求項3の考案は、請求項1又は2の考案の上記特徴に加えて、前記第一の梁(3)と前記第二の梁(7)との間に、前記ステー(8)を左右二箇所に夫々架設し、かつ左右の前記ステー(8)の間に、前記取っ手を架設することを特徴とする折畳みである。請求項4の考案は、請求項1又は2の考案の上記特徴に加えて、前記ステー(8)に、前記取っ手を固設することを特徴とする折畳みである。請求項5の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、左右一対の前記脚(5)の、夫々の脚先間を梁(6)によって連結し、これらの連結した部位が湾曲していることを特徴とする折畳みである。請求項6の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記天板(1)の表面から前記脚(5)先までの高さが280mm〜580mmであることを特徴とする折畳みである。請求項7の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記天板(1)の表面から前記脚(5)先までの高さが700mm〜1100mmであることを特徴とする折畳みである。請求項8の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記第一の梁(3)に、下方に向けて係止片(50)を付設することを特徴とする折畳みである。
本開示の折畳み机は、脚を曲折させるために設けたステー部に曲げ防止機能を有するロック部材を設けたので、脚を立てて使用している時に、脚が突然倒れて使用者を怪我させるようなことが無い。更に、ロック部材は、取り扱いが二動作になる等面倒なことを避ける機構にしたので、操作性に優れ使い勝手が良い。そして、PL法に基づく安全基準をクリヤし、使用者を怪我させることの無い等の効果を奏するものである。
本考案の実施の形態を、添付図面に示した本考案の実施例に基づいて以下に具体的に説明
する。
する。
先ず、本実施例について、図1〜図9を参照しながら説明する。図1は、本考案の実施例におけるステーにロック部材を備える座り用の折畳み座り机の全体斜視図である。図2は、脚を折り畳んだ状態の折畳み座り机の全体斜視図である。図3は、ステーの屈曲を防止する機能を有するロック部材の拡大図である。図4は、ロック部材を表側から見た斜視図である。図5は、ステーの真直した状態を天板の裏側から見た斜視図である。図6は、ステーの屈曲した状態を天板の裏側から見た斜視図である。図7は、座り用の折畳み机の他の実施態様を示す図である。図8は、梁に係止片を設けた状態を示す斜視図である。図9は、立ち用の折畳み机の実施例を示す全体図である。
折畳み机の脚を立てた状態を図1に示し、折り畳み机Tは、二点鎖線で示す長方形の化粧板からなる天板1を有し、この裏面において、長辺に沿って前後方向に棒状のケタ2、2が、天板1に一体的に固設される。本実施例は床に座って座り机として使用する座り用の折り畳み机である。以下、本実施例の折り畳み机は天板の長辺に沿って前後方向と称し、短辺に沿って左右方向と称し、脚と天板の方向を上下方向と称する。また、脚の天板側先端を脚元と称し、床側先端を脚先と称する。折り畳み机Tのフレーム構造は、左右のケタ2、2が前後方向に延び、これらの間に第一の梁3、3がほぼ前後端部において左右方向に2箇所架設される。かつ、ケタ2の前後両端部において継ぎ手4を介して脚5の脚元がピンジョイント41を支点として回動し、脚5を曲折可能に、即ち、折り畳み自在に設けられる。左右の脚5、5には、これらの脚先同士を連結する梁6が設けられ脚の左右間を補強する。さらに、この梁6と平行に、左右の脚5、5を連結するように、これらの間に第二の梁7が左右方向に架設され、更に脚の左右間が補強される。そして、第一の梁3と第二の梁7の間にステー8が左右二箇所に夫々架設され、これらの一方、例えば図示左方のステー8の長手中央部に隣接してロック部材10を備え、この詳細は後述する。ここで、ロック部材10はステーの曲折を拘束し、ひいては脚の曲折を防止する機能を有する。そして、左右のステー8、8の夫々の側面に棒状の取っ手9の両端部が固設され、取っ手9は左右のステー8、8の間に架設される。図示のように、第一の梁3と第二の梁7との間の左右二箇所にステー8を架設することによって、天板1の裏側へ脚5を回動し、折り畳むことが可能となる。脚を立てて使用する場合、ステー8は、第一の梁3と第二の梁7との間の突っ支い棒としての機能を有し、ケタ2と脚5との角度を直角に保つ。本実施例のロック部材を備える折畳み座り机の天板の寸法は、例えば、長辺で1800mm、短辺で450mmであり、天板の表面から脚先までの高さは280mm〜580mmである。これらの全ての高さにおいてディスプレイの台、陳列用や雛段の台としても便利に使うことができる。特に、高さが低い場合は洋裁、和裁用の机として使い勝手が良い。
次に、折畳み机の脚を折り畳み、天板を外したフレーム構造を図2に示す。棒状のケタ2が前後方向に延び、これらの両端部において脚5が裏側へ折れて重なり、左右の脚5、5の下端部を連結する梁6は裏側で梁2、2の裏面に接触する。図示のようにステー8は長手中央部位において脚が折れ曲がって裏側同士が向き合って重なり、左方のステー8の折れた部位の裏側にロック部材10を示す。図示のように、ロック部材10を前後対角の2箇所に設ける。なお、図2〜図8では、天板の裏側の構成を解り易くするために天板を省略してある。
本考案の主な特徴となるロック部材の取付け状態を裏側から見て図3に示す。同図では、ステー8の上方端は第一の梁3に連結され、ステー8の下方端は第二の梁7に連結される。詳しくは、ステー8の上方端は第一の梁3に回動可能にピンジョイントジョイントにより連結され、下方端は第二の梁7に回動可能にピンジョイントジョイントにより連結されている。これらの機構を更に詳しく説明すると、第一の梁3に固着されたコ字具83のピンジョイント85にステー8の上方端が連結され、第二の梁7に固着されたコ字具84のピンジョイント86にステー8の下方端が連結されている。即ち、ステー8の一方の片割れ81が第一の梁3に溶着されたコ字具83のピンジョイント85を介して連結され、他方の片割れ82が第二の梁7に溶着されたコ字具84のピンジョイント86を介して連結されている。ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とは、長手中央部においてピンジョイント89を介して連結されている。一方の片割れ81の係止部87と他方の片割れ82の係止部88との間で弦巻バネ60が例えば伸びた状態では、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82との間に弦巻バネ60の収縮しようとする力が作用するので、一方の片割れ81と他方の片割れ82は中央のピンジョイント89の部位で折れ曲がることなく真直状態を保つ。また、左右のステー8、8は取っ手9によって左右方向に連結され、本図では一方の片割れ81の側面に取っ手9が固設されている状態を示す。取っ手9には、枢軸102を備え、全体がL字状のロック部材10は、この軸受部106を介して枢軸102に枢設される。ロック部材10は、ほぼL字状に曲折したレバー本体部101からなる。即ち、ロック部材10は、棒状の梃子部104と棒状の係止部105とがほぼL字状に曲がって連設するとともに、この連設部近傍に軸受部106を設けた構成からなる。そして、棒状の係止部105の先端部に鍵状に折れた係止部位を備える。また、軸受部106には、枢軸102が貫通して設けられ、この枢軸102には捩じりバネ103が貫設されている。
ロック部材を拡大して表側から見た状態を図4に示す。ロック部材10は、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とを連結するピンジョイント89に隣接して設けられる。ロック部材10は、左右のステー8、8を連結する取っ手9に回動可能に設けられる。即ち、左右のステー8、8の一方の片割れ81、81の側面に取っ手9の両端部が固設され、この取っ手9に枢軸102を備え、この枢軸102を介してロック部材10が枢着される。
ステーが真直に延びた状態のその裏側から見たロック部材取付け構造について図5を参照しながら詳細を説明する。同図(a)ではステー8が第一の梁3と第二の梁7との間で真直した状態を示し、同図(b)では同様の状態において少し角度を変えて内側から見たもので、ロック部材の捩じりバネの取付けを理解できる。同図(a)に示すように、ステー8の一方の片割れ81が第一の梁3に溶着されたコ字具83のピンジョイント85に連結され、他方の片割れ82が第二の梁7に溶着されたコ字具84のピンジョイント86に連結されていることが解る。ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とは、長手中央部においてピンジョイント89を介して回動可能に連結されている。ステー8が第一の梁3と第二の梁7との間で突っ張って真直ぐに延び、ステー8は、第一の梁3と第二の梁7との間において一方の片割れ81の係止部87と他方の片割れ82の係止部88との間で、弦巻バネ60が真直ぐに伸び緊張状態を保っている。この状態で弦巻バネ60はステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82との間で引っ張られているので、ステー8は、一方の片割れ81と他方の片割れ82は中央のピンジョイント89の部位で弦巻きバネ60の収縮しようとする力に抗し、堅固に真直状態を保っている。そして、L字状のロック部材10は枢軸102を介して取っ手9に枢着されるとともに、ロック部材10の鍵状の係止部105が、ステー8の片割れ82の側面端821を抱いているので、ステー8は、一方の片割れ81と他方の片割れ82は中央のピンジョイント89の部位でロック、拘束され折れ曲がることが無い。次に同図5(b)に示すように、ロック部材10の鍵状の係止部105が、ステー8の他方の片割れ82の側面端821を抱いているので、ステー8は、一方の片割れ81と他方の片割れ82は中央のピンジョイント89の部位でロック、拘束されて折れ曲がることが無い。このことによって、脚5は立脚して状態を保つことができる。ここで、ロック部材10は、L字状のレバー本体部101と軸受部106からなる。このレバー本体部101は、棒状の梃子部104とほぼL字に曲がる棒状の係止部105とが連設する構成からなり、そして、軸受部106を貫通する枢軸102の裏側に捩じりバネ103が貫設されている。また、棒状の係止部105の先端には鍵状の係止部位を備える。そして、捩じりバネ103の一方端部Hが取っ手9に係止され、他方端部Gが梃子部104の裏面に係止されるので、この捩じりバネ103によってロック部材10が枢軸102を支軸として回動することが拘束される。即ち、捩じりバネ103の付勢力によってロック部材10の鍵状の係止部105が、ステー8の片割れ82の側面端821を抱いた状態にあり、ロック部材10が枢軸102を支軸として回動しないように拘束する。このようにして、ステー8における一方の片割れ81と他方の片割れ82は、中央のピンジョイント89の部位で折れ曲がることなく弦巻きバネ60の復元力に対抗して真直状態を保っている。ひいては立脚した状態を保つことができる。
次に、ステーを曲折させる状態を図6に示す。同図(a)ではステー8を表側から見たもので、同図(b)では、裏側から見た状態を示す。脚先の梁6を足で踏んで固定し(図1参照)、かつ、枢軸102を支軸として梃子部104を矢印B方向へ回動しながら、次に、同図(b)に示すように、机の外側から取っ手9を矢印A方向へ引くと、ステー8は中央のピンジョイント89の部位から折れ、くの字状に曲折する。このくの字状に曲折するのは、ステーの中央部がピンジョイントによって連結され、かつ、両端部がピンジョイントよって回動可能に連結されているからである。即ち、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82は、中央部のピンジョイント89を介して回動可能に連結され、ステー8の一方の片割れ81が第一の梁3のピンジョイント85に回動可能に連結され、ステー8の他方の片割れ82が第二の梁7のピンジョイント86に回動可能に連結されているからである。
以下に、ステーに設けたL字状のロック部材の作用について説明する。ステー8の長手中央部において、外周面にロック部材10を付設し、これを拡大して表側から見た取付け状態を図4に示した。ロック部材10は、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とを連結するピンジョイント89に隣接して設けられる。左右のステー8、8は、取っ手9によって左右方向に連結され、この取っ手9にロック部材10が取り付けられる。詳しくは、ステー8の一方の片割れ81にの側面に固設された取っ手9に、枢軸102を支軸としてロック部材10が枢着される。同図5(a)、(b)には、取っ手9にロック部材10を取付けた状態を裏側から示す。図示のように、L字状のロック部材10の棒状の係止部105の先端部には鍵状に折れた係止部位を備えている。この先端の鍵状の係止部位が、ステー8の他方の片割れ82の側面端821に係止されるので、ステー8の一方の片割れ81と他方の片割れ82とを連結する中央のピンジョイント89の部位がロックされ、ステー8の曲折が拘束される。ステー8が長手中央のピンジョイント89の部位から折れないので、脚5は立脚した状態を保つ。ロック部材10は、全体的にL字状のレバー本体部101からなり、このレバー本体部101は、梃子部104とこれに対して直角方向に曲がる係止部105及び、梃子部104から逆方向直角の軸受部106からなり、そして枢軸102に捩じりバネ103が貫設されている。図5(b)に示すように、捩じりバネ103は、枢軸102の裏側に貫設され、その一方端部Hが取っ手9に係止され、拘束され、他方端部Gが梃子部104の裏面に係止され、ロック部材10の回動を拘束している。即ち、捩じりバネ103の付勢力に抗してロック部材10の係止部105の先端部に備える鍵状の係止部位が、ステー8の片割れ82の側面端821を押さえながら係止した状態を保つので、棒状の係止部105の鍵状の先端部は側面端821から外れない。従って、ステー8は一方の片割れ81と他方の片割れ82の中央のピンジョイント89の部位で拘束され、真直したまま、脚5は立脚した状態を保つ。
一方、ステーの真直を解除し折れ曲がる状態を図6に示し、その作用について説明する。ロック部材10を表側から見た状態を図6(a)に示し、裏側から見た状態を図6(b)に示す。脚先を連結する梁6を足で踏んで固定し、かつ、枢軸102を支軸としてロック部材10の梃子部104を矢印B方向へ回した儘、取っ手9を図の矢印A方向へ引くと(図1参照)、ステー8は中央のピンジョイント89の部位から折れ、くの字状に曲がる。即ち、捩りバネ103の付勢力に抗しながら梃子部104を、枢軸102を支軸として矢印B方向へ回動すると、反対側の係止部105が矢印C方向にステー8から離れ、ステー8が真直状態から解除される。梃子部104を矢印B方向へ回しながら取っ手9を図の矢印A方向へ引くだけで、ステー8が真直状態から解除されるので操作性に優れる。係止部105がステー8の片割れ82の側面端821から外れると、ステー8は中央のピンジョイント89の部位から折れる。このようにして、左右のステー8が中央のピンジョイント89の部位から折れながらくの字状に曲がり、同時に、四隅の脚5は隅の継ぎ手4のピンジョイント41を支点として回動しながら曲折する。遂には脚5を天板の裏側へ折り曲げ、机の全体を扁平に畳むことができる(図2参照)。
次に、床に座って座り机として使用する座り用の折畳み机として使用する他の実施態様について説明する。図7では、天板を省略し、天板の寸法は例えば、長辺で1200mm、1500mm、1800mm、短辺で450mm、600mmであり、天板の表面から脚先までの高さは280mm〜580mmである。本実施態様の図1との主な相違点は、天板の裏側四隅に脚を回動するための継ぎ手を設けることなく、梁に直接脚を固着するとともに、左右の脚先と梁とが連結する部位が湾曲したところにある。本図では、ステーが見えるように、左右のケタの間に架設された梁31のほぼ中央部を一部破断して示す。本折り畳み机Tのフレーム構造は、左右のケタ2、2が前後方向に延び、これら前後端部近傍の左右間に第一の梁3、3がケタの2箇所に架設される。そして、左右の脚5、5の夫々の脚先の間が梁6によって連結、一体化されるとともに、この梁6に平行でこの上方に左右の脚5、5を連結する第二の梁7が架設される。左右の脚先と梁6との連結部は角部が丸まった湾曲部Rを備え、梁6の両端部が湾曲している。更に左右のケタ2、2の前後両端部近傍において、夫々軸受21、21が設けられる。また、左右のケタ2、2の間に、第一の梁3、3に夫々平行に梁31、31が架設される。ここで、梁31の両端部は、軸受け21、21に回転可能に貫設されている。梁31はこのように構成され、脚5、5の上端部は、梁31の左右E、Fにおいて、梁31に夫々固設、例えば溶着されている。そして、第一の梁3と第二の梁7の間にステー8が架設され、ステー8の第一の片割れ81の側面に取っ手90が固設される。そして、この取っ手90には枢軸102を備え、L字状のロック部材10は軸受部106を介してこの枢軸102に枢設される。ここで、ステー8及びロック部材10は、図1〜図6に示した実施態様と同様の構成を備えており、ステー8の第一の片割れ81の上方端は第一の梁3に回動可能にピンジョイントジョイントにより連結され、第二の片割れ82の下方端は第二の梁7に回動可能にピンジョイントジョイントにより連結されている。
以下に、この折畳み座り机の作用について説明する。脚5、5の上端は部位E、Fにおいて梁31に固着されており、一方、梁31は左右の軸受21、21を介して回動可能である。先ず、机の外側から脚先の梁6を足で踏んで固定しながら、ステー8の第一の片割れ81に固着した取っ手90を矢印A‘のように図の手前側に引っ張ると、ステー8はピンジョイント89の部位から折れる。同時に、脚5と梁31は一体となって、軸受21を支軸として回動して天板の裏側へ折れる。即ち、脚5を梁3の裏側に潜らせ折り畳むことができる。その他、脚先の左右コーナ部に湾曲部Rを設けることによって、例えば畳敷き、或いは化粧板敷きの床を痛めることがなく、所謂、床に優しい折畳み座り机を実現した。なお、ロック部材10は、前後のステー8、8の2箇所に設ける。
その他、この折畳み机には脚を畳んで運搬する際に、突然脚が開くことの無いような工夫を施しており、図8に開脚防止機能を有する係止片の取付け状態を示す。同図(a)では、脚を立てて机の前後中央側から見た状態を示す。左右のケタ2、2の間に架設された梁3の左右ほぼ中央に小さい板状の係止片50を下方に向けて例えばリベットで付設する。立脚した状態なので、第一の梁3と第二の梁7との間にステー8が突っ張っている。同図(b)では、脚5を折り畳んだ状態を示し、下側にステー8も曲折している。係止片50の先端部は梁7側へ出っ張る突起51を有し、この突起51によって第二の梁7の角部を抱えるように係止する。従って、脚を折り畳んで机を運搬する際に、脚が突然開くことが無いので、作業者を怪我させない。同図(c)では、突起51から第二の梁7が外れる状態を示す。係止片50によって梁7を係止するためには、梁7は断面角材を使用することが好ましく、係止片50の突起51との引っ掛かりが良い。ただし、突起51との引っ掛かりがあれば、角部が多少丸みをおびていても構わない。なお、係止片50は、図1に示す折り畳み机にも同様に梁3に設け、下方の第二の梁7を係止することができる。また、後述する図9の折り畳み机にも梁3に係止片50を設け、下方の第二の梁7を係止することができる。係止片50の材質は鋼板、板状の樹脂或いは鋼片の表面にゴムを貼着したものが好ましい。係止片50として、樹脂或いは鋼片の表面にゴムを貼着し場合、相手側の第二の梁7の塗装した表面を傷つけ無い。
以上の座り用の折り畳み机の他に、床に立って立ち机として使用する立ち用の折畳み机にロック部材を設ける。その実施態様を図9に示し、ステー8にロック部材10を設ける。本実施態様のロック部材を備える折畳み机は、図1に示す折畳み机の脚を長くしたもので、天板の寸法は例えば、長辺で600mm、900mm、1200mm、1500mm、或いは1800mmがあり、短辺で300mm、450mm、600mm、750mm、900mmがあり、天板の表面から脚先までの高さは700mm〜1100mmである。ロック部材10を前後の2箇所に設ける。これら立ち用の机は、ディスプレイの台、陳列用や雛段の台としても便利に使うことができる。
なお、本考案の脚にロック部材を備える折畳み机の使途は、幼稚園等で座り机として使用する他に、事務所や店頭のカウンター等で使用する立ち机、デパート、スーパーマーケット等の店頭における、商品陳列棚にも適用できる。この場合、脚に不用意に力が加わっても、ステーにロック部材を設けるので、脚が折れて机が倒れるようなことが無く安全である。特に、天板の表面から脚先までの高さが低い場合は洋裁、和裁用の机として使い勝手が良い。また、全ての高さにおいて、ディスプレイの台、陳列用や雛段の台としても使うことができる。
A、A‘ 、J 矢印
E、F 部位
G、H 端部
T 折り畳み机
R 湾曲部
1 天板
2 ケタ
21 軸受
3 第一の梁、31 梁
4 継ぎ手
41 ピンジョイント
5 脚
6 梁
7 第二の梁
8 ステー
81 片割れ、811 側面端、812 側面、813 柄部
82 片割れ、821 側面端、822 側面、823 柄部
83、84 コ字具
85、86 ピンジョイント
87、88 係止部
89 ピンジョイント
9、90 取っ手
10 ロック部材
100 ストッパ
101 レバー本体部、102 枢軸、103 捩りバネ、104 梃子部
105 係止部、106 軸受部
60 弦巻きバネ
50 係止片、51 突起
E、F 部位
G、H 端部
T 折り畳み机
R 湾曲部
1 天板
2 ケタ
21 軸受
3 第一の梁、31 梁
4 継ぎ手
41 ピンジョイント
5 脚
6 梁
7 第二の梁
8 ステー
81 片割れ、811 側面端、812 側面、813 柄部
82 片割れ、821 側面端、822 側面、823 柄部
83、84 コ字具
85、86 ピンジョイント
87、88 係止部
89 ピンジョイント
9、90 取っ手
10 ロック部材
100 ストッパ
101 レバー本体部、102 枢軸、103 捩りバネ、104 梃子部
105 係止部、106 軸受部
60 弦巻きバネ
50 係止片、51 突起
Claims (8)
- 天板(1)の裏面において、この天板(1)の左右の長辺に沿ってケタ(2)を夫々固設し、
これらの前後両端近傍の四隅において、脚(5)を夫々回動可能に設け、
左右の前記ケタ(2)の前後両端近傍において、これらの左右間に第一の梁(3)を夫々架設するとともに、
左右一対の前記脚(5)の間に第二の梁(7)を架設し、
かつ前記第一の梁(3)と前記第二の梁(7)との間にステー(8)を架設し、
この長手中央部において、一方の片割れ(81)と他方の片割れ(82)とをピンジョイント(89)を介して曲折可能に連結し、
かつこのピンジョイント(89)に隣接してロック部材(10)を設け、
このロック部材(10)は、梃子部(104)と係止部(105)とがほぼL字状に曲がって連設するとともに、この連設部近傍に軸受部(106)を設けた構成からなることを特徴とする折畳み机。 - 前記ステー(8)に取っ手を固設するとともに、この取っ手に枢軸(102)を備え、
前記ロック部材(10)は、前記軸受部(106)を介して前記枢軸(102)に枢設されることを特徴とする請求項1記載の折畳み机。 - 前記第一の梁(3)と前記第二の梁(7)との間に、
前記ステー(8)を左右二箇所に夫々架設し、
かつ左右の前記ステー(8)の間に、前記取っ手を架設することを特徴とする請求項1又は2記載の折畳み机。 - 前記ステー(8)に、前記取っ手を固設することを特徴とする請求項1又は2記載の折畳み机。
- 左右一対の前記脚(5)の、夫々の脚先間を梁(6)によって連結し、
これらの連結した部位が湾曲していることを特徴とする請求項1記載の折畳み机。 - 前記天板(1)の表面から前記脚(5)先までの高さが280mm〜580mmであることを特徴とする請求項1記載の座り用の折畳み机。
- 前記天板(1)の表面から前記脚(5)先までの高さが700mm〜1100mmであることを特徴とする請求項1記載の立ち用の折畳み机。
- 前記第一の梁(3)に、下方に向けて係止片(50)を付設することを特徴とする請求項1記載の折畳み机。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011005990U JP3172559U (ja) | 2011-10-13 | 2011-10-13 | 折り畳み机 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011005990U JP3172559U (ja) | 2011-10-13 | 2011-10-13 | 折り畳み机 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3172559U true JP3172559U (ja) | 2011-12-22 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3172559U (ja) |
-
2011
- 2011-10-13 JP JP2011005990U patent/JP3172559U/ja not_active Expired - Fee Related
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