JP3172480B2 - 静電放電保護装置 - Google Patents

静電放電保護装置

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JP3172480B2 JP27582697A JP27582697A JP3172480B2 JP 3172480 B2 JP3172480 B2 JP 3172480B2 JP 27582697 A JP27582697 A JP 27582697A JP 27582697 A JP27582697 A JP 27582697A JP 3172480 B2 JP3172480 B2 JP 3172480B2
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  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、静電放電
構造に関し、より詳細には、ラッチアップのない静電放
電構造に関する。
【0002】
【従来の技術】最新の半導体デバイスは、静電放電(E
SD)にさらされることにより損傷を極めて受けやす
い。ESDは、そのデバイスに触れた装置や人からの静
電荷によって引き起こされることがある。MOSFET
など一般に使用されている多くの集積回路は、わずか1
0ボルトで簡単にブレークダウンすることがあるゲート
酸化物などの構造を有する。ESDは、通常、数百ない
し数千ボルトの範囲であるため、そのような電圧を、集
積半導体デバイスに近づけてはならない。
【0003】デバイスをESDによる損傷から保護する
1つの方法は、デバイスの通常動作を妨げることなく、
電圧がデバイスに損傷を与える前にESD電流を排出す
るESD保護構造を設けることである。これを行うた
め、ESD構造を、チップ上のすべてのピン入力に接続
する。ESD構造をすべてのピン入力に並列に接続して
おくと、デバイスに損傷が及ぶ前にESDパルスをデバ
イスから安全に排出することができる。
【0004】図1は、従来技術のESD構造100の上
面概略図である。同様に、図2は、図1の線2−2に沿
って切断した従来技術のESD構造の断面概略図であ
る。図1と図2を共に参照すると、ESD構造100
は、様々な応用例でESD保護を実施するために使用す
ることができるデュアル・ダイオード構造を含む。図の
ESD構造100は、特に、オフチップ・ドライバにE
SD保護を提供するために利用することができる。ES
D構造100は、p型基板104内に作成される。ES
D構造は、ESD構造100の周囲を画定するガード・
リング102を含む。ガード・リング102は、n型ウ
ェル108内に拡散されたn+領域106を含むことが
好ましい。ガード・リング102は、通常、正バイアス
Vddに接続され、ESD構造内に注入された電子が隣
接回路に拡散しそこでラッチアップを引き起こす前にそ
の電子を集める働きをする。ガード・リング102の内
側には、デュアル・ダイオードESD構造を含む複数の
拡散領域がある。
【0005】また、ESD構造は、ガード・リング10
2の内側のいくつかの拡散領域でバイアスVddに接続
される。詳細には、Vddは、n型ウェル122の内側
のn型拡散領域124とn型拡散領域126に接続され
る。Vddがn型ウェル122に接続されていると、n
型ウェル122とp型基板104の接合部が常時逆バイ
アスされ、p型基板104にはほとんど電流が流れな
い。
【0006】ESD構造100は、複数の基板コンタク
ト拡散領域110を介して接地される。これらの基板コ
ンタクト拡散領域110は、基板104に直接形成され
たp型拡散領域であることが好ましい。したがって、こ
れらの基板コンタクト拡散領域110は、ESD基板1
00に接地(Vss)基準電圧を提供する。
【0007】出力Vdd、出力Vssおよび入出力の3
つの端子は、ガード・リング102の内側の領域に接続
する。これらの入力は、ESD損傷から保護すべきデバ
イスの対応する入力に接続される。
【0008】たとえば、Vdd、Vss、出力Vdd、
出力Vss、入出力で示すESD端子は、オフチップ・
ドライバの対応するVdd、Vss、出力Vdd、出力
Vss、入出力の各端子に別々に接続される。これによ
り、オフチップ・ドライバのもう1つの端子に対する入
出力のESDパルスを、入出力端子を介してESD構造
100によって吸収することができる。当然ながら、こ
れは、ESD構造を実施することができる1つの応用例
にすぎない。
【0009】出力Vddは、n型ウェル114内のn型
拡散領域112に接続される。したがって、アースに対
して負のESDは、n型ウェル114とp型基板104
の接合部を順バイアスし、電流と電圧をアースに安全に
排出することができる。同様に、Vssに対して正のE
SDは、n型ウェル114とp型基板104の接合部の
両端間に、逆接合ブレークダウンを引き起こすのに十分
なバイアス差を引き起こす。接合部を十分に低いブレー
クダウン電圧に設計することによって、オフチップ・ド
ライバやその他の回路に損傷電圧が現れる前に、放電電
流を安全にアースに排出することができる。
【0010】出力Vssは、n型ウェル118内のp型
拡散領域116と、n型ウェル122内のp型拡散領域
120とに接続される。これにより、Vssに対して負
のESDパルスが、p型拡散領域116とn型ウェル1
18の接合部を逆バイアスし、同時にn型ウェル118
とp型基板104の接合部を順バイアスする。これら2
つの逆極性接合部は、フローティング・ベースのバイポ
ーラ・トランジスタを形成する。同様に、このESDパ
ルスは、p型拡散領域120とn型ウェル122の接合
部を逆バイアスし、同時にn型ウェル122とp型基板
104の接合部を順バイアスする。ブレークダウン電圧
は、p型拡散領域116とn型ウェル118の接合部の
なだれ降伏か、バイポーラBVceoモード(ベース・フ
ローテイィング)かいずれか最初に起こる方によって、
回路を破損しない電圧に制限される。
【0011】トランジスタBVceoモードでは、バイポ
ーラ電流の増幅がブレークダウン電圧を制限する。たと
えば、p型拡散領域116、n型ウェル118およびp
型基板104が、縦型バイポーラPNPトランジスタを
構成する。このバイアス状態では、ベース(n型ウェル
118)がフローティングである。この構造は、分圧器
として働き、p型基板104が最も正のノードで、p型
拡散領域116が最も負のノードとなる。フローティン
グ・ベースは、n型ウェル118とp型基板104の接
合部をわずかに順バイアスする中間電圧に「落ち着
く」。ベース・フローティングの状態で、大きな電流増
幅があるときは、トランジスタのブレークダウン電圧
は、接合部のブレークダウン電圧よりも低い電圧に下が
ることがある。このトランジスタのブレークダウンはB
Vceoと呼ばれる。ESD構造内の他のNPNおよびP
NPトランジスタも、同じ挙動を示すことがある。
【0012】入出力は、n型ウェル118内のn型拡散
領域130と、n型ウェル122内のp型拡散領域12
8とに接続される。これにより、Vssに対して負のE
SDパルスが、n型ウェル118とp型基板104の接
合部を順バイアスし、その結果電流と電圧が安全にアー
スに排出される。同様に、Vddに対して正のESDパ
ルスがp型拡散領域128とn型ウェル122の接合部
を順バイアスし、電流と電圧を安全に排出することがで
きる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のESD構造
の1つの問題は、ラッチアップである。ラッチアップ
は、ESD構造内の素子の望ましくないトランジスタ動
作によって生じる。たとえば、Vssに対して負のES
Dパルスが、入出力端子を「ヒット」すると仮定する。
これにより、n型ウェル118と基板104の接合部が
順バイアスされる。n型ウェル118、基板104およ
びn型ウェル122からなる構造は、エミッタとしてn
型ウェル118、ベースとして基板104、コレクタと
してn型ウェル122を有する横型バイポーラNPNト
ランジスタとして働く。Nウェル118は、基板104
に電子を注入する。注入された電子は、n型ウェル12
2によって集められ、n型ウェル・コンタクト124お
よび126に流れ、そこで再結合する。n型ウェル12
2内の電流×抵抗によって生じる電圧降下(IR降下)
が、p型拡散領域120とn型ウェル122の接合部を
順バイアスすることができる。
【0014】p型拡散領域120、n型ウェル122お
よびp型基板104からなる構造は、エミッタとしてp
型拡散領域120を、ベースとしてn型ウェル122
を、コレクタとしてp型基板104を有する縦型バイポ
ーラPNPトランジスタとして働く。p型拡散領域12
0からn型ウェル122に注入される正孔は、基板10
4に集められ、基板コンタクト110に流れる。基板1
04内のIR降下が、n型ウェル118と基板104の
接合部の順バイアスを増大させる。これにより、たくさ
んの電子がn型ウェル118から基板104に注入さ
れ、n型ウェル122によって収集される。n型ウェル
122内のIR降下が大きくなると、p型拡散領域12
0とn型ウェル122の接合部の順バイアスが大きくな
り、以下同様である。
【0015】この正帰還動作は、NPNP構造をラッチ
アップさせ、VddとVssの間の経路を高インピーダ
ンスから低インピーダンスにし、2つの端子間の電圧を
ほぼ1Vに低下させる。このラッチアップが破壊的事象
となることがある。当然ながら、これは、ESD構造1
00上で生じる可能性のあるラッチアップの一例に過ぎ
ない。ラッチアップは、ESD構造100上の他のNP
NPまたはPNPN経路でも生じることがある。
【0016】したがって、ラッチアップは、ESD構造
が互いに給電する相互接続されたバイポーラ・トランジ
スタとして働く場合に発生する。この場合、ラッチアッ
プが起こる可能性を低くすることにより従来技術のES
D設計を改善する構造および方法が必要とされる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、ESD構造に
固有の構成要素である一方または両方の寄生バイポーラ
・トランジスタ内の少数キャリアの注入を抑制すること
によって、ESD構造のラッチアップ発生率を低下させ
る手段を提供する。これは、たとえば、従来技術のp型
拡散領域の代わりにまたはそれと並列にn型基板または
n型ウェルへの金属コンタクトを使用することによって
達成される。そのような金属コンタクトを使用すること
により、ESD構造を有するショットキー・バリア・ダ
イオード(SBD)が形成される。SBDは多数キャリ
ア・デバイスなので、SBDが順バイアスのときに注入
される少数キャリアはごくわずかである。したがって、
ラッチアップの発生率が大幅に低下する。
【0018】したがって、本発明の利点は、複雑にした
り大きな面積を必要としたりすることなしにラッチアッ
プに対するESD耐力を高めることである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態は、従
来技術の制限を克服し、トランジスタ動作を行わせる少
数キャリアの注入を抑制することによって、ESD構造
のラッチアップ発生率を低下させるデバイスおよび方法
を提供する。これは、たとえば、従来技術のp型拡散領
域の代わりまたはそれと並列にn型基板またはn型ウェ
ルへの金属コンタクトを使用することによって達成され
る。そのような金属コンタクトを使用することによっ
て、ESD構造を有するショットキー・バリア・ダイオ
ード(SBD)が形成される。SBDは多数キャリア・
デバイスなので、SBDが順バイアスのときに注入され
る少数キャリアはごくわずかであり、それによりラッチ
アップの発生が防止される。
【0020】図3は、本発明の好ましい実施形態による
ESD構造300の上面概略図である。同様に、図4
は、図3の線4−4に沿って切断したESD構造300
の断面概略図である。ESD構造300は、オフチップ
・ドライバ回路にESD保護を提供するように構成され
る。しかしながら、当業者は、この好ましい実施形態の
原理が、すべてのタイプの応用例のESD構造に適用で
き、オフチップ・ドライバに特有の図3および図4に示
した特徴は、好ましい実施形態による多くの可能な構成
のうちの1つを示すものであることを理解されよう。図
3および図4を共に参照すると、ESD構造300は、
p型基板304内に作成することが好ましい。ESD構
造300は、基板304内に形成されたガード・リング
302を含む。ガード・リング302は、n型ウェル3
08内にn型拡散領域306を含むことが好ましい。ガ
ード・リング302が正バイアスVddに接続されてい
るとき、ガード・リング302は、ESD構造内に注入
された電子が隣接回路に達して損傷を与える前にその電
子を集める働きをする。
【0021】例示したESD構造300は、5つの端子
を有する。これらの端子Vss、Vdd、出力Vdd、
出力Vssおよび入出力は、ガード・リング302内側
の構造に接続される。ESD構造300を利用するた
め、出力Vdd、出力Vss、および入出力端子は、E
SD損傷から保護すべきデバイス上の対応する端子、た
とえばオフチップ・ドライバ上の対応する端子に接続さ
れる。端子VssおよびVddは、回路とESD構造3
00を接地しバイアスするために利用される。出力Vs
sと出力Vddは、オフチップ・ドライバとESD構造
300に対するもう1つのアースおよびバイアス接続で
ある。
【0022】ESD構造300は、基板コンタクト拡散
領域310を介して接地される。基板コンタクト拡散領
域310は、ESD構造300内の様々な構造の所に設
けられる。基板コンタクト拡散領域310は、基板10
4内に直接形成したp型拡散領域であることが好まし
い。これにより、基板コンタクト拡散領域310は、E
SD構造300に対する基板コンタクトおよびアース
(Vss)を提供する。
【0023】同様に、ESD構造300はまた、ガード
・リング302の内側のいくつかの拡散領域において電
位Vddに接続される。Vddは、n型ウェル322の
内側のn型拡散領域324とn型拡散領域326とに接
続される。Vddがn型ウェル322に接続されている
状態では、n型ウェル322とp型基板304の接合部
は、通常逆バイアスされ、p型基板304には電流が流
れない。
【0024】保護すべきデバイスがオフチップ・ドライ
バの場合は、出力Vddと出力Vssの端子が、オフチ
ップ・ドライバの出力Vddと出力Vssに接続され
る。同様に、VddとVssは、オフチップ・ドライバ
のVddとVssに接続される。これにより、オフチッ
プ・ドライバのVddまたはVss線上のESDパルス
を、ESD構造100が出力Vddまたは出力Vss端
子を介して吸収することができる。同様に、入出力端子
は、オフチップ・ドライバの入出力に接続される。オフ
チップ・ドライバの入出力線上のESDパルスは、入出
力端子を介してESD構造100が吸収することができ
る。当然ながら、これは、ESD構造を実施することが
できる1つの応用例にすぎない。
【0025】したがって、ESD構造300は、従来技
術のESD構造と類似の形で構成される。ただし、好ま
しい実施形態によれば、従来技術のESD構造100
(図1、図2)におけるいくつかの半導体拡散領域(た
とえば、p型拡散領域116、120、128)が、コ
ンタクト316、320、328で置き換えられる。こ
れらのコンタクト316、320、328は、下にある
拡散領域と共にショットキー・バリア・ダイオードを形
成する。図4では、コンタクト周辺の電界を減少させる
p型拡散リングで取り囲んだコンタクトを示してある
が、この拡散リングは、後で詳しく説明するように、プ
ロセス中にコンタクトの境界が「丸められる」場合は必
要ない。ショットキー・バリア・ダイオードは、順バイ
アスがかけられたときに少数キャリアがほんのわずかし
か存在しない多数キャリア・デバイスである。これによ
り、ラッチアップを導く可能性のあるESD構造内のバ
イポーラ動作が抑制される。
【0026】出力Vdd端子は、n型ウェル314内の
n型拡散領域312に接続される。そのとき、アースに
対して負の出力VddのESDパルスが、n型ウェル3
14とp型基板304の接合部に順バイアスをかけ、電
流と電圧がアースに安全に排出される。同様に、Vdd
に対して正のESDは、n型ウェル314とp型基板3
04の接合部間のバイアス差により、逆方向ブレークダ
ウンを引き起こす。接合部は、十分に低い電圧でブレー
クダウンし、回路に破壊電圧が現れる前にESD電流を
アースに流すように設計される。
【0027】出力Vssは、n型ウェル318内のコン
タクト316とn型ウェル322内のコンタクト320
に接続される。したがって、Vssに対して負の出力V
ssのESDパルスは、コンタクト316とn型ウェル
318の接合部とコンタクト320とn型ウェル322
の接合部のブレークダウンを引き起こす。このモードで
は、n型ウェル318と基板304の接合部とn型ウェ
ル322と基板304の接合部は、わずかに順バイアス
となる。同様に、Vddに対して正のESDパルスは、
コンタクト320とn型ウェル322の接合部を順バイ
アスし、電流と電圧を安全に排出することができる。こ
の電流は、圧倒的に多数キャリアの電子からなってい
て、正孔の注入は無視しうる程度であるから、ESD構
造300をラッチアップさせるほどの少数キャリアは注
入されない。
【0028】入出力端子は、n型ウェル318内のn型
拡散領域330とn型ウェル322内のコンタクト32
8に接続される。したがって、Vssに対して負の入出
力端子のESDパルスが、n型ウェル318とp型基板
の接合部を順バイアスし、その結果、電流と電圧がアー
スに安全に排出される。同様に、Vddに対して正のE
SDパルスは、コンタクト328とn型ウェル322の
接合部を順バイアスし、電流と電圧が安全に排出され
る。この電流は、優勢な多数キャリア電子からなり、無
視しうる程度の正孔注入しか起こらない。
【0029】したがって、好ましい実施形態によるES
D構造300は、従来技術のESDデバイスとある程度
類似しており、いくつかの半導体拡散領域がコンタクト
316、320、328で置き換えられている。好まし
い実施形態によれば、コンタクト316、320、32
8が、下にある半導体拡散領域と共にショットキー・バ
リア・ダイオードを形成し、それによりESD構造30
0のラッチアップの発生率が低下する。図5に移ると、
図5は、n型ウェル318内のコンタクト316の拡大
断面図である。コンタクト316は、ESD構造300
の他のコンタクト320、328とほぼ同一であること
が好ましい。
【0030】コンタクト316は、下にある半導体拡散
領域と共にショットキー・バリア・ダイオードを形成す
るように、適切な仕事関数の金属の導電体材料からなる
ことが好ましい。図の実施形態において、コンタクト
は、境界層502、コア504および中間層506を含
む。コア504は、従来の製造技術を利用できるように
選択されたタングステン(W)などの適当な金属導電体
が好ましい。同様に、中間層506は、窒化チタン(T
iN)などの適当な導電性材料よりなることが好まし
い。代替的には、利用する製造技術に応じて、中間層5
06を省略することもできる。
【0031】境界層502は、半導体ウェルの隣に配置
されるときは、ショットキー・バリア境界を形成する材
料を含むことが好ましい。たとえば、境界層502がケ
イ化チタン(TiSi2)の層からなり、ウェルが低ド
ープないし中ドープのn型ウェルの場合は、境界にショ
ットキー・バリアが形成される。したがって、境界層5
02に選択する材料は、利用可能な製造技術で付着で
き、下のウェルと一緒にショットキー・バリアを形成す
るものでなければならない。
【0032】たとえば、下のウェルが低ドープないし中
ドープのp型ウェルの場合は、窒化コバルト(CoSi
2)とTiSi2が良好に利用される。当然ながら、これ
らは、ショットキー・バリアを形成するために境界層5
02に利用できる多くのタイプの材料のうちの2つにす
ぎない。
【0033】境界層502の下側外周は、p型拡散リン
グ510で取り囲まれる。拡散リング510は、デバイ
ス不良を引き起こす可能性のある境界層502の角部の
周りの電界強度を低下させる。拡散リング510は、コ
ンタクト316を形成する多くの適当な製造技術が、鋭
い角部を有するコンタクトを生じるので望ましい。これ
らの鋭い角部は、過大な電界を作り出すことがある。こ
れらの強い電界は、n型ウェルと直接接触しないことが
望ましい。したがって、拡散リング510は、角部を
「丸める」ことによって電界を「やわらげる」。金属コ
ンタクトに鋭い角部がない場合は、この拡散リング51
0は不要である。p型拡散リング510を使用するとき
は、SBDとp型拡散リングを両方とも並列に順バイア
スし、その結果、電流のほとんどがSBDを介して多数
キャリアの注入によって流されるように構造を設計す
る。
【0034】従来技術のPNまたはNP接合部の代わり
に下にある半導体ウェルと一緒にショットキー・バリア
・ダイオードを形成するコンタクト316を使用するこ
とによって、ラッチアップの可能性が著しく低下する。
特に、PNPデバイスでは、PN接合部を順バイアスす
ることにより、接合部を横切って両方向に多数の少数キ
ャリアが注入される。これらの少数キャリアは、トラン
ジスタ的作用で基板に流れ込み、ESDデバイスをラッ
チアップさせる。接合部の代わりにショットキー・バリ
ア・ダイオードを設けると、順バイアスのときほとんど
多数キャリアだけが流れる。したがって、順バイアスの
ときはn型ウェル318からコンタクト316に電子が
注入されるが、それに対応してn型ウェルに注入される
正孔は極めて少数である。n型ウェルに注入される正孔
がなく、したがってトランジスタ的作用で正孔が基板3
04に流入することがないから、ラッチアップの可能性
が著しく低下する。
【0035】pウェルの上に形成されるESDの相補的
なケースにもこれと同じ原理が適用される。その場合
は、多数キャリアが正孔であり、少数キャリアの電子の
注入は無視しうる程度である。
【0036】要約すると、ショットキー・バリアを構成
するコンタクト316を使用することによって、バイポ
ーラ・トランジスタ作用が抑制され、ラッチアップの発
生率が低下する。したがって、好ましい実施形態は、ラ
ッチアップの生じる可能性を低くしながらESDからの
有効な保護を実現する、改善されたESD構造を提供す
る。
【0037】本発明を、特に、オフチップ・ドライバ用
に構成されたデュアル・ダイオードESD保護装置を備
えた好ましい実施形態に関して示し説明したが、当業者
は、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、
形態および詳細に様々な変更を行うことができることを
理解されよう。具体的には、注入された少数キャリアが
通常ならラッチアップに寄与する場合は、任意のタイプ
の保護装置の端子入力にショットキー・バリア・ダイオ
ードを適切に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のESD構造の上面概略図である。
【図2】従来技術のESD構造の断面概略図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態によるESD構造の
上面概略図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態によるESD構造の
断面概略図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態によるESD構造の
一部分の断面概略図である。
【符号の説明】
300 ESD構造 302 ガード・リング 304 p型基板 306 n型拡散領域 308 n型ウェル 310 基板コンタクト拡散領域 312 n型拡散領域 314 n型ウェル 316 コンタクト 320 コンタクト 322 n型ウェル 324 n型拡散領域 326 n型拡散領域 328 コンタクト
フロントページの続き (72)発明者 バディ・エル=カレ アメリカ合衆国78729 テキサス州オー スチン バートラップ・レーン 12404 (72)発明者 ジェームズ・ガードナー・リヤン アメリカ合衆国06470 コネチカット州 ニュータウン ボッグス・ヒル・ロード 100 (72)発明者 谷本 弘吉 神奈川県川崎市幸区小倉297 ファーレ 東芝307 (56)参考文献 特開 平8−167694(JP,A) 特開 平6−224410(JP,A) 特開 平8−45878(JP,A) 欧州特許出願公開149065(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/44 - 21/445 H01L 21/822,27/04 H01L 29/40 - 29/43 H01L 29/47,29/872

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)基準電位に電気的に接続される半導体
    基板と、 b)前記半導体基板の表面領域に形成された第1のウェ
    ル領域と、 c)前記第1のウェル領域内に高ドープ拡散形成され、
    供給電源電圧に電気的に接続される第1の拡散コンタク
    ト領域と、 d)前記第1のウェル領域と一緒に第1のショット・キ
    ー・バリア・ダイオードを形成するように前記第1のウ
    ェル領域上に付着され、保護対象回路の対応する端子に
    電気的に相互接続される第1の入力端子の金属コンタク
    トと、 e)前記第1のショット・キー・バリア・ダイオードか
    ら離隔して前記第1のウェル領域と一緒に第2のショッ
    ト・キー・バリア・ダイオードを形成するように前記第
    1のウェル領域上に付着され、前記保護対象回路の対応
    する他の端子に電気的に相互接続される第2の入力端子
    の金属コンタクトと、 f)前記第1のウェル領域から離隔して前記半導体基板
    の表面領域に形成された第2のウェル領域と、 g)前記第2のウェル領域内に高ドープ拡散形成され、
    前記第1の入力端子に電気的に相互接続される第2の拡
    散コンタクト領域と、 h)前記第2のウェル領域と一緒に第3のショット・キ
    ー・バリア・ダイオードを形成するように前記第2のウ
    ェル領域上に付着され、前記第2の入力端子に電気的に
    相互接続される第3の金属コンタクトと、 を含み、通常動作時におけるラッチアップを防止する静
    電放電保護装置。
  2. 【請求項2】前記第1のウェル領域は、前記第1および
    第2の金属コンタクトのそれぞれの周辺を実質上取り囲
    む拡散リング領域を含み、かつ、前記第2のウェル領域
    は、前記第3の金属コンタクトの周辺を実質上取り囲む
    拡散リング領域を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の静電放電保護装置。
  3. 【請求項3】a)基準電位に電気的に接続される或る導
    電型の半導体基板と、 b)前記半導体基板の表面領域に形成された反対導電型
    の第1のウェル領域と、 c)前記第1のウェル領域内に相互に離隔して高ドープ
    拡散形成され、供給電源電圧にそれぞれ接続される前記
    反対導電型の第1および第2の拡散コンタクト領域と、 d)前記第1のウェル領域と一緒に第1のショット・キ
    ー・バリア・ダイオードを形成するように前記第1のウ
    ェル領域上に付着され、保護対象回路の対応する端子に
    相互接続される第1の入力端子の金属コンタクトと、 e)前記第1の金属コンタクトの周辺を実質的に囲むよ
    うに前記第1のウェル領域内に形成された第1の拡散リ
    ング領域と、 f)前記第1のショット・キー・バリア・ダイオードか
    ら離隔して前記第1のウェル領域と一緒に第2のショッ
    ト・キー・バリア・ダイオードを形成するように前記第
    1のウェル領域上に付着され、前記保護対象回路の対応
    する他の端子に相互接続される第2の入力端子の金属コ
    ンタクトと、 g)前記第2の金属コンタクトの周辺を実質的に囲むよ
    うに前記第1のウェル領域内に形成された第2の拡散リ
    ング領域と、 h)前記第1のウェル領域から離隔して前記半導体基板
    の表面領域に形成された前記反対導電型の第2のウェル
    領域と、 i)前記第2のウェル領域内に高ドープ拡散形成され、
    前記第1の入力端子に相互接続される前記反対導電型の
    第3の拡散コンタクト領域と、 j)前記第2のウェル領域と一緒に第3のショット・キ
    ー・バリア・ダイオードを形成するように前記第2のウ
    ェル領域上に付着され、前記第2の入力端子に相互接続
    される第3の入力端子の金属コンタクトと、 k)前記第3の金属コンタクトの周辺を実質的に囲むよ
    うに前記第2のウェル領域内に形成された第3の拡散リ
    ング領域と、 を含み、通常動作時におけるラッチアップを防止する静
    電放電保護装置。
  4. 【請求項4】前記半導体基板は、前記第1および第2の
    ウェル領域よりも浅い深さで各ウェル領域を囲むように
    表面領域に形成され、基準電位に接続された基板コンタ
    クトを含むことを特徴とする請求項1または3に記載の
    静電放電保護装置。
  5. 【請求項5】前記拡散リング領域は、前記各金属コンタ
    クトの底面角部および下側ウェル領域の間の直接接触を
    防止するようにウェル表面に拡散形成されていることを
    特徴とする請求項2又は3に記載の静電放電保護装置。
  6. 【請求項6】前記第1、第2および第3の金属コンタク
    トが、それぞれ、コアと境界層とを含むことを特徴とす
    る請求項1または3に記載の静電放電保護装置。
  7. 【請求項7】前記コアがタングステンを含み、前記境界
    層がケイ化チタンを含むことを特徴とする請求項6に記
    載の静電放電保護装置。
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