JP3172148B2 - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP3172148B2
JP3172148B2 JP10991899A JP10991899A JP3172148B2 JP 3172148 B2 JP3172148 B2 JP 3172148B2 JP 10991899 A JP10991899 A JP 10991899A JP 10991899 A JP10991899 A JP 10991899A JP 3172148 B2 JP3172148 B2 JP 3172148B2
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rail
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rails
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将男 秋元
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有限会社サンコーエンジニアリング
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、機械、器
具等の地震動に対する免震装置において、レールと車輪
との組合わせによるいわゆる転がり型免震装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に軸線回りに転動可能な
いわゆる転がり型免震装置を開発し建築物、機械、器物
等の地震動に対するコンパクトな免震装置として多用さ
れている(特公平6−74609号公報記載)。この転
がり型免震装置に用いられるレールの転動面の形状は、
支持体又は被支持体側いずれかによって中央部を最低部
分又は最高部分とし左右中間部、左右端部を合わせて左
右対称の3部分により凹状面を形成している。即ち中央
部は転がりが円滑に行なえるように例えば円弧状等のな
だらかの曲面とされ、左右中間部は直線、円弧、放物
線、双曲線又はその他特殊な函数によって描かれる面と
され、左右端部は車輪がレールから脱出しないようにス
トッパー作用が得られる形状例えば端末上がり急勾配と
するか、ゴム、油圧ダンパー又はばね等を用いている。
特に転動面の中核となる左右中間部の形状は、地震波形
を入力してコンピュータ解析により適切な応答加速度が
得られるように決定される。このように複雑な形状及び
その組合わせを有するレールの製作は、免震装置に合わ
せて炭素鋼、ステンレス鋼等のブロック状の単体素材を
NC制御によるレーザ切削等により加工した後、表面精
密仕上げを施して行われるのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したレールの転動
面の製作はコスト高を招来する。又転動面が上方又は下
方が開放状態におかれているので、上下方向の地震動に
対してこれを抑制するための別個の対策が必要であっ
た。これに対し本発明では、簡易な構造で製作が容易で
あってコストが安く、車輪転動面に対し上方又は下方に
跳ね防止面を有し且つ必要な耐荷重のサイズに適応可能
な免震装置用レール及びこのレールを用いた免震装置を
得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、請求項1の発明にあっては、長手方向に
おいて中央部が最低部分又は最高部分をなす凹状のレー
ルに装着された車輪の転動による免震装置の該レールの
少なくとも車輪転動部分の鉛直方向断面が中間の略鉛直
連結面の上下対称位置に一方の略水平方向車輪転動面と
他方の略水平方向車輪跳ね防止面とで一体に形成された
開口部を有し、前記レールの長手方向にわたり前記開口
部が実質的に同形とされている免震装置において、前記
レールの一対を用い一方を中央部が最低部分であって両
端部に向って徐々に高くなる凹状の形状とし他方を中央
部が最高部分であって両端部に向って徐々に低くなる凹
状の形状とし、前記一対の各レールは凹状の形状を向合
わせにして支持体側及び被支持体側に長手一方向に沿っ
て固設され、前記各レールに装着され上下左右前後に配
設された8個の車輪と、上下左右前後に配設された8本
の水平車軸と、前記各車軸の端部が固着され水平方向の
基部と該基部を中心として上下対称位置に並設されたア
ームを有する軸支持材とを備え、前記各レールに装着さ
れた前記各車輪は軸支する各車軸回りに回動しつつ前記
各レールに沿いそれぞれ独立して転動可能とし、一方向
の地震動に対し前記被支持体を免震可能とした免震装置
により解決した。請求項2の発明にあっては、請求項1
に記載の免震装置の一対を中間材を介して車輪転動方向
を直交する二方向とし上下二段重ねし、一方段の片側の
レールを支持体側又は被支持体側に固設し、他方段の片
側のレールを被支持体側又は支持体側に固設し、直交す
る二方向成分を含む地震動に対し前記被支持体を免震可
能とする免震装置とすることができる。請求項3の発明
にあっては、請求項1又は2に記載の免震装置の少なく
とも一対において、各レールが長手方向を平行に対称位
置に間隔をおいて並設され、隣接する軸支持材の基部間
に連結材が掛渡されていることを特徴とする免震装置。
【0005】請求項4の発明にあっては、レールの鉛直
方向断面がI形又H形の形状とされている請求項1〜3
のいずれかに記載の免震装置とすることができる。請求
項5の発明にあっては、レールの鉛直方向断面が溝形又
はリップ付溝形の形状とされている請求項1〜3のいず
れかに記載の免震装置とすることができる。請求項6の
発明にあっては、請求項4又は5に記載の免震装置のレ
ールの一対を隣合わせ又は背中合わせに連結して形成さ
れている免震装置とすることができる。
【0006】本発明の免震装置用レールに用いる構成要
素のうち、共通するものについて説明する。支持体とし
ては、免震装置用レールが固定できるものであればよ
く、例えば、床・天井・基礎又はこれらの上の定着物・
固着物又は構造物等がある。被支持体としては、免震対
象物としてのOA機器、医療機器、美術品、懸吊品等の
器物及び一般住宅、中低層マンション・ビル等の建物又
はこれらの免震対象物を支持する構造物が含まれる。レ
ールの材質としては、炭素鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、ア
ルミ合金、硬質プラスチック、FRP、ガラス、セラミ
ック等が使用可能で被支持体の重量や使用条件等によっ
て材質やサイズが選択されるが、炭素鋼、ステンレス鋼
が汎用され、硬質プラスチック、FRP等は軽荷重用で
ある。レールの表面は塗布、メッキ、表面処理、溶着、
接着、ライニング等の方法により、異種材料で覆って用
いられる場合もある。例えば、防錆油の塗布、塗料の塗
装、金属メッキ、浸炭処理、金属溶着、プラスチックラ
イニング等で、主として防錆或いは表面強度の増加等を
目的としている。長手方向において中央部が最低部分又
は最高部分をなす凹状に形成された免震装置用レールを
加工する手段としては、通常金属材又はプラスチック材
を塑性加工して得られる。例えば金属形材を鍛造、押出
し、プレスするか、硬質プラスチックを押出し成形する
のが量産可能で低コストであり最も適している。ここで
のレールの長手方向形状としては、前記従来の技術にお
いて詳述したものが用いられる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は、本発明の免震装置用レールの車輪
との組合わせの各例を示し、長手方向中央部の鉛直方向
断面側面図で、(a)は一対の溝形材を背中合わせに配
置したもの、(b)は一対の溝形材の背中を離隔配置し
たもの、(c)は一対の溝形材を向合わせ離隔配置した
一例、(d)は一対のリップ付き溝形材を向合わせ離隔
配置した他例、(e)はI形材又はH形材を単独配置し
たもの、(f)は一対のI形材又はH形材を組合せて結
合したものである。尚本図でのハッチングは図の輻輳化
を避けるため一部省略してある。図2は、図1の免震装
置用レールで、(a)は一般的な例の長手方向正面図
で、(b)は上下免震部材を装着した例の長手方向正面
図で、(c)は(b)の平面図、(d)は(b)の側面
図である。図3は、図1(e)の免震装置用レールを二
段重ねして用いた免震装置の第一例の部分拡大図で、
(a)はB・B方向に視た平面図、(b)はA・A方向
に視た正面図である。図4は、図3の免震装置を4ユニ
ットを配置した例で、(a)はC・C方向に視た平面
図、(b)は正面図である。図5は、図1(e)の免震
装置用レールを二段に用いた免震装置の第二例の部分拡
大図で、(a)はE・E方向に視た平面図、(b)はD
・D方向に視た側面図、(c)は正面図である。図6
は、図5の免震装置を二段重ねして用い4ユニットを配
置した例でF・F方向に視た平面図である。図7は、図
6の免震装置で下段は正面図、上段は前後中心線縦断正
面図である。図8は、図3の免震装置において、別体の
車輪軸受けを装着した他例の図3(b)と同じA・A方
向に視た正面図である。各図において、同一の構成要素
については図面の輻輳を避けるために一部符号の記載を
省略してある。又免震装置用レールの長手方向を正面か
らみて左右前後として説明する。
【0008】図1各図、図2により本発明の免震装置用
レール(以下単にレールと略称する)の車輪との組合わ
せの変形例を逐次説明する。免震装置1a、1b、1
c、1d、1e、1fは、支持体Gと被支持体Hの間に
介在して装着され、レール2、3又は4と車輪5と車軸
6と軸支持材8、9又は10とを有している。ここでの
いずれもレールは、左右(又は前後)中央部が最低部分
であって両端部に向って徐々に高くなる凹状の形状とし
て例えば円弧面に形成されている。同一符号で示したの
は、形状は同じであるが寸法は異なるものがある。図1
(a)に示す免震装置1aでは、一対の溝形材製のレー
ル2が対称の背中合わせに接着、溶着又はボルトなどの
固着具によって固着され前後に略コ字形の開口部をもっ
て配設されている。レール2は、上下対称位置の下方に
略水平の車輪転動面2aと、上方に略水平の車輪跳ね防
止面2bと、上下の車輪転動面2aと車輪跳ね防止面2
bとを連結する略鉛直方向の連結面2cとが一体に形成
され、車輪転動面2aの下面側が図2について後述する
ように支持体Gに固着されている。軸支持材8は、水平
方向の基部8aと該基部8aの前後端部に鉛直方向に垂
下されている一対のアーム8bとで門型に形成され、基
部8a上面側が上方の被支持体Hに固着されている。レ
ール2の略コ字形の開口部に前後対称に一対の水平方向
に車輪5が転動可能に装着され、車軸6が連結面2c側
から前後外側に向けて車輪5の軸芯を貫通し外側端部が
前後のアーム8bに固着され車輪5を回動自在に軸支し
ている。図2(a)は、レール2を長手方向左右に正面
よりみて示してあるが、レール2の鉛直方向の各断面は
レール2長手方向に渡り前記図1(a)で説明したと実
質的に同形とされている。二点鎖線で車輪5の地震動発
生前後の相対的な転動位置を示し、他の構成要素は省略
してある。ここで、レール2の長手左右端部下面と支持
体Gとの隙間にライナー7を噛ませて支持体Gに安定し
て固着されている。車輪5、車軸6とアーム8bとの連
結について図8の好ましい例について後述する。
【0009】図1(b)に示す免震装置1bでは、一対
の溝形材製のレール2が対称位置に背中間を間隔Lをお
いて前後に略コ字形の開口部をもって配設されている。
軸支持材8は、前記免震装置1aの場合に比し、間隔L
だけ一対のアーム8bの前後間隔が広くとられた門型に
形成され、車輪転動面2aの下面側が支持体Gに固着さ
れている。レール2、車輪5、車軸6、アーム8bと車
軸6との固着、車輪5のレール2への装着、基部8aと
被支持体Hとの固着、レール2と支持体Gとの固着は前
記免震装置1aと同様であり詳細説明を省略する。図1
(c)に示す免震装置1cでは、一対の溝形材製のレー
ル2が対称位置に略コ字形の開口部を向き合わせ間隔M
をおいて配設されている。軸支持材9は、水平方向の基
部9aと該基部9aの前又は後端部に鉛直方向に垂下さ
れているアーム9bとで逆L字形に形成され、基部9a
上面側が被支持体Hに固着されている。レール2、車輪
5、車軸6、アーム9bと車軸6との固着、車輪5のレ
ール2への装着、レール2の支持体Gとの固着は前記免
震装置1aと同様であり詳細説明を省略する。図1
(d)に示す免震装置1dでは、一対のリップ付溝形材
製のレール2′が対称位置にリップをもった略コ字形の
開口部を向き合わせ間隔Nをおいて配設されている。レ
ール2′は、上下対称位置の下方に略水平の車輪転動面
2′aと、上方に略水平の車輪跳ね防止面2′bと、上
下の車輪転動面2′aと車輪跳ね防止面2′bとを連結
する略鉛直方向の連結面2′cと、連結面2′cと反対
側の上下に張出した各一対のリップ2′dとで一体に形
成されている。軸支持材10は、水平方向の基部10a
と該基部10aの前後方向中央部に鉛直方向に垂下され
ている一個のアーム10bとで略T字形に形成され、基
部10a上面側が被支持体Hに固着されている。車輪
5′は本体部に加えて小径の段部5′bを有し、レール
2′の開口部に前後対称位置に水平方向に車輪5′が転
動可能に装着され、段部5′bは上下のリップ2′d間
におかれている。この段部5′bは必ずしも必須要素で
はない。車軸6′は水平方向にアーム10bを貫通して
固着され前後外側向けて車輪5′の軸芯を貫通し外側端
部が固着具によって固着されている。車軸6′は前後別
体とすることも可能であるが、一本で共用した方が簡易
である。ここで通常間隔はM>Nにとられている。レー
ル2′の支持体Gとの固着は前記免震装置1aと同様で
あり詳細説明を省略する。ここで、リップ付溝形材製の
レール2′に代えて前記レール2を用いることも可能で
ある。
【0010】図1(e)に示す免震装置1eでは、一本
のI形材又はH形材製のレール3を用い、前後対称の位
置に略コ字形の開口部をもっている。レール3は、上下
対称位置の下方に略水平の車輪転動面3aと、上方に略
水平の車輪跳ね防止面3bと、上下の車輪転動面3aと
車輪跳ね防止面3bとを連結する略鉛直方向の連結面3
cとが一体に形成され、車輪転動面3aの下面側が支持
体Gに固着されている。軸支持材8は、前記免震装置1
aと同形状で基部8aと一対のアーム8bとで門型に形
成され、基部8a上面側が被支持体Hに固着されてい
る。レール3の略コ字形の開口部に前後対称に一対の車
輪5が転動可能に装着され、車軸6が連結面3c側から
前後外側に向けて水平方向に車輪5の軸芯を貫通し外側
端部が前後のアーム8bに固着されている。車輪5、車
軸6、アーム8bと車軸6との固着は前記免震装置1a
と同様であり詳細説明を省略する。又レール3を長手方
向正面よりみると前記図2(a)と同様の形状であり詳
細説明を省略する。図1(f)に示す免震装置1fで
は、一対のI形材又はH形材を対称位置に隣合わせに固
着した形状で前後に略コ字形の開口部をもっている。レ
ール4は、上下対称位置の下方に略水平の車輪転動面4
aと、上方に略水平の車輪跳ね防止面4bと、上下の車
輪転動面4aと車輪跳ね防止面4bとを連結する略鉛直
方向の連結面4cとが一体に形成され、車輪転動面4a
の水平下面側が支持体Gに固着されている。軸支持材8
は、前記免震装置1bと同形状で一対のアーム8bの前
後間隔が広くとられた門型に形成され、基部8a上面側
が被支持体Hに固着されている。レール4の略コ字形の
開口部に前後対称に水平方向に一対の車輪5が転動可能
に装着され、車軸6が連結面4c側から前後外側に向け
て車輪5の軸芯を貫通し外側端部が前後のアーム8bに
固着されている。車輪5、車軸6、アーム8bと車軸6
との固着は前記免震装置1aと同様であり詳細説明を省
略する。又レール4を長手方向正面よりみると前記図2
(a)と同様の形状であり詳細説明を省略する。前記構
成により免震装置1a〜1fでは、車輪5又は5′はレ
ール2、2′、3又は4の車輪転動面2a、2′a、3
a又は4aと車輪跳ね防止面2b、2′b、3b又4b
との間に装着され水平の左右方向Xの一方向の地震動が
発生し支持体Gが振動した場合には、車輪転動面を車輪
が相対的に転動可能とされ、車輪跳ね防止面によって車
輪の上方への跳ね上がりが抑制可能とされている。ここ
の免震装置1a〜1fでは、軸支持材8、9又は10の
基部8a、9a又は10aが上方の被支持体Hに固着さ
れ、車輪転動面2a、2′a、3a又は4aが下方の支
持体Gに固着されているが、それぞれ被支持体Hと支持
体Gとを上下入替えて用いることも可能である。又、各
レールの端部が前記した特別な形状を有する場合であっ
ても、少なくとも車輪転動部分の鉛直方向断面の開口部
が長手方向にわたり実質的に同形とされている。更に、
各例で説明した溝形材製のレール2をリップ溝形材製の
レール2′に置換えて用いることも可能である。
【0011】図2(b)、(c)、(d)に示すのは、
前記図2(a)で説明したレール2の両端部に一対の上
下免震部材11を装着した変形例であり、レール3又は
4にも適用可能である。上下免震部材11は、一対の略
Ω状に湾曲した板ばね11aと、各板ばね11aの一端
部に連設され一対の孔が穿設されたレール係止片11c
と、各板ばね11aの他端部に前後に張出し一対の孔が
穿設された固着片11bとを有し、ボルト、ビス等の固
着具11dによってレール2の車輪転動面2aの長手左
右端部にレール係止片11cが固着され、固着片11b
がボルト、ビス、木ねじ等の固着具11eによって支持
体G上に固着されている。上下免震部材11は板ばねに
限定されず、コイルばね、皿ばね等のばね材、スポンジ
ゴム、防振ゴム等のゴム、オイルダンパー、摩擦ダンパ
ー等のダンパーを用いてもよいが、比較的耐荷重が軽量
の場合は板ばねを用いるのが簡易低コストである。
【0012】以下において、前記免震装置1a〜1fの
応用例を説明するが、これ等の例に限定されず他の転が
り型免震装置にも広く適用可能である。図3、4を参照
しながら、図1(e)の免震装置1eのレール3を二段
重ねして用い直交する二方向の地震動に対応可能な第一
例の免震装置12を説明する。図1について説明したと
同一の構成要素は同一符号を用い詳細説明を省略する。
図3は免震装置12の1ユニットの部分拡大図である。
免震装置12は、下段として図1(e)に示す免震装置
1eと同様に支持体Gにライナー(図示省略)を噛ませ
て固設されたレール3と車輪5と車軸6と軸支持材8と
を有し、軸支持材8は基部8aと一対のアーム8bとで
門型に形成され、車輪5は支持体Gが左右方向Xに地震
動により振動したときに相対的にレール3を転動可能と
されている。ここで、基部8aは上面側が被支持体Hに
直接には固着されず、上段が介在されている。上段は免
震装置1eとレール3と車輪5と車軸6とは同様の構成
で、軸支持材8′が軸支持材8を上下転倒して形成さ
れ、前記下段のレール3の左右方向Xと直交する水平の
前後方向Yに上段のレール3が配設されている。軸支持
材8′の基部は、軸支持材8の基部8aと共用し一対の
アーム8′bにより上向きに開口部をもった逆向き門型
に形成され、上段のレール3の車輪跳ね防止面3b上面
側が被支持体Hに固着されている。本免震装置12は、
I形材又はH形材製の下段のレール3の略コ字形の前後
開口部に対称位置に一対の車輪5が転動可能に装着さ
れ、上段のレール3の略コ字形の左右開口部に対称位置
に一対の車輪5が転動可能に装着されている。ここで、
後述する免震装置12を一対用いる場合には、隣接する
軸支持材8の基部8a間を方形板状の連結材8cが掛渡
されている。
【0013】図4は免震装置12の4ユニットを組合わ
せた例である。ここでの免震装置12の各ユニットは、
図3について説明した免震装置12と同一構成であり一
部構成要素の符号記載及び詳細説明を省略する。図4で
は、免震装置12の4ユニットを平面視において正方形
の4隅部に配設し、隣接する各免震装置12の軸支持材
8の基部8a間を方形板状の連結材8cによって連結し
ている。ここで、下段のレール3は左右に一対が対称位
置に左右中央部の間隔Pをおいて連設され、それぞれ左
右中央部が最低部分であって両端部に向って徐々に高く
なる凹状の形状として例えば円弧面に形成され、この下
段のレール3が前後に平行に一対が中心間隔Pをおいて
並設されている。一方上段のレール3は前後に一対が対
称位置に前後中央部の間隔Pをおいて連設され、それぞ
れ前後中央部が最低部分であって両端部に向って徐々に
高くなる凹状の形状として例えば円弧面に形成され、こ
の上段のレール3が左右に平行に一対が中心間隔Pをお
いて並設されている。ここで上下段の4本のレールによ
って、平面視において井桁状に形成されている。上記構
成により、下段の車輪5は下段のレール3に沿い支持体
Gが左右方向Xの地震動により振動したときに相対的に
転動可能で、上段の車輪5は上段のレール3に沿い支持
体Gが前後方向Yの地震動により振動したときに相対的
に転動可能で、左右方向及び前後方向の直交する二方向
成分を含む地震動に対しては合成されて相対的に転動可
能である。
【0014】次に、図5〜7を参照しながら、図1
(e)の免震装置1eのレール3を一部向きを替えて二
段重ねして用い直交する二方向の地震動に対応可能な第
二例の免震装置13を説明する。図1について説明した
と同一の構成要素は同一符号を用い詳細説明を省略す
る。図5は、免震装置13の1ユニットの下段又は上段
のみの部分拡大図で、図6、7は図5に示す1ユニット
を組合せて車輪転動方向を左右方向X及び前後方向Yの
直交する二方向に二段重ねした例である。図5につい
て、免震装置13の最低単位ユニットの構成を説明す
る。先ず、免震装置13は、下部レール3、上部レール
3′、車輪5、車軸6及び軸支持材14とを備えてい
る。下部レール3は前記図2(a)で説明したと同様に
支持体G側(図示省略)に固設され、左右中央部が最低
部分であって両端部に向って徐々に高くなる凹状の形状
として例えば円弧面に形成されている。上部レール3′
は被支持体H(図示省略)側に固設され、下部レール3
を上下転倒した構成で中央部が最高部分であって両端部
に向って徐々に低くなる凹状の形状として例えば円弧面
に形成され、下部レール3上方に上部レール3′が円弧
面を向合せにして配設されている。車輪5は、下部レー
ル3及び上部レール3′を左右方向Xに見て上下左右対
称位置に4個を前後対称位置で合計8個配設され、下部
レール3に転動可能に装着された左右前後合計4個の下
部車輪5aと、上部レール3′に転動可能に装着された
左右前後合計4個の上部車輪5bとを有している。車軸
6は、左右方向Xに見て上下左右対称位置に軸芯間隔R
をおいて4本を前後対称位置に合計8本配設され、下部
車輪5aを回動自在に軸支する左右前後合計4本の下部
車軸6aと、上部車輪5bを回動自在に軸支する左右前
後合計4本の上部車軸6bとを有し、各車軸はそれぞれ
水平とされている。ここで、下部車軸6a及び上部車軸
6bは後述する共通する軸支持材14の前後一対のアー
ム14b及び14′bに固着されている。軸支持材14
は、下部車軸6a及び上部車軸6bの前後端部が固着さ
れ水平方向の略方形板状の基部14aと、該基部14a
を中心として上下対称位置に鉛直に並設された2個づつ
合計4個の略方形板状材のアーム14b、14′bとを
有し、前記軸支持材8と同様にそれぞれ基部14aを中
心として上下に前後一対のアーム14b、14′bとで
門型に形成されている。アーム14b、14′bの形状
は、略方形に限定されず、上下左右対称位置に各車軸6
を固着可能であればよく、通常各車輪5及び車軸6の軸
芯は各頂点部近傍に配設されている。免震装置13は前
記した構成を最低ユニットとして使用することも可能で
あるが、図6、7において下段として示すように、下部
レール3及び上部レール3′各一対を前後対称位置に中
心間隔Qをおいて並設し、隣接する各支持材14の基部
14a間を方形板状の連結材14cによって連結して前
後を一体とすることにより安定的に使用可能となり好ま
しい。上記構成により、車輪5のうち下部車輪5aはア
ーム14bに固着された下部車軸6a回りに回動しつつ
下部レール3に沿い、上部車輪5bはアーム14′bに
固着された上部車軸6b回りに回動しつつ上部レール
3′に沿い、それぞれ独立して転動可能とされ、支持体
Gが左右方向Xの地震動により振動したときに相対的に
転動可能とされている。
【0015】更に図6、7の全体は図5に示す免震装置
13の最低単位1ユニットを下段2ユニット、上段2ユ
ニット用い、車輪転動方向を左右方向X及び前後方向Y
の直交する二方向に上下段の二段重ねした例である。レ
ールの配置として下段を下部レール3と上部レール3′
の二段とし、上段を下部レール3と上部レール3′の二
段とし合計4段を1ユニットとしそれぞれ各一対を前後
及び左右の対称位置に中心間隔Qをおいて並設し、各レ
ールに車輪5、車軸6及び軸支持材14が組合せて配設
されている。ここで下段の下部レール3は左右端部にラ
イナー7を噛ませて支持体G上に固設され、下段の上部
レール3′は左右端部にライナー7を噛ませて略正方形
板状の中間材15下に固設され、上段の下部レール3の
前後端部にライナー7を噛ませて中間材15上に固設さ
れ、上段の上部レール3′の前後端部にライナー7を噛
ませて被支持体H下に固設されている。又各軸支持材1
4の隣接する基部14a間を方形板状の連結材14cに
よって連結して対称位置にある前後及び左右の各ユニッ
トを一体とすることにより安定的に使用可能としてい
る。上記構成により、下段においては車輪5のうち下部
車輪5aはアーム14bに固着された下部車軸6a回り
に回動しつつ下部レール3に沿い、上部車輪5bはアー
ム14′bに固着された上部車軸6b回りに回動しつつ
上部レール3′に沿い、それぞれ独立して転動可能とさ
れ、支持体Gが左右方向Xの地震動により振動したとき
に相対的に転動可能とされている。一方、上段において
は車輪5のうち下部車輪5aはアーム14bに固着され
た下部車軸6a回りに回動しつつ下部レール3に沿い、
上部車輪5bはアーム14′bに固着された上部車軸6
b回りに回動しつつ上部レール3′に沿い、それぞれ独
立して転動可能とされ、支持体Gが左右方向Xと直角の
前後方向Yの地震動により振動したときに相対的に転動
可能とされている。又左右方向及び前後方向の直交する
二方向成分を含む地震動に対しては合成されて相対的に
転動可能である。車輪5は下部レール3及び上部レール
3′の車輪跳ね防止面3b、3b′によって車輪5の上
方への跳ね上がりが抑制可能とされている。更に図示省
略するが、図6、7に示す免震装置13の下段2ユニッ
ト、上段2ユニットの組合わせだけでも使用可能である
が、耐荷重に対応した複数組み合わせを準備して置き、
支持体Gと被支持体H間に適宜分散配置して用いると低
荷重から重荷重まで広範囲に対応可能である。
【0016】免震装置12、13においては、レールは
全て図1(e)で説明した構成のものを用いてあるが、
これは図1の(e)以外のものであってもよい。又、免
震装置12、13の被支持体Hと支持体Gとを上下入替
えて、例えば支持体Gを壁、天井とし被支持体Hを額、
シャンデリア等の懸吊品として用いることもできる。更
に図8は、車輪、車軸及びアームとの連結についての好
ましい他例である。本例は、図3について説明した免震
装置12に適用した場合について説明するが、その他の
車輪、車軸及びアームとの連結箇所においても適用可能
である。左右一対の車輪5の芯部に貫通する車軸6は固
着具として例えば左右端部のねじ部にボルト16を螺合
してアーム8′bに固着されている。固着具はスナップ
リングを用いてもよく、通常座金が介在されている。車
輪5と車軸6間には別体の軸受け17を介在させると安
定した摩擦が得られるので好ましい。この場合、通常別
体の軸受け17としては、無給油軸受けの滑り軸受けが
用いられるが、軽荷重や車輪と車軸に硬質プラスチック
を用いた場合には介在は不要である。その場合通常軸受
け17を車輪5に固定し、車軸6を単独で回動可能とす
るが、車軸6に軸受け17を固定することとしてもよ
い。又各車輪5には外側縁側にフランジ5aを形成する
のが好ましく、レール2〜4との脱輪防止に有効である
が、レール2′はリップ2′dが張出しているのでフラ
ンジ5aがなくても脱輪防止が計れる。
【0017】次に、図1、2について本発明の免震装置
用レールと車輪との組合わせ各例の作動を説明する。免
震装置1a〜1fでは、車輪5又は5′はレール2、
2′、3又は4の車輪転動面2a、2′a、3a又は4
aと車輪跳ね防止面2b、2′b、3b又4bとの間に
装着され、地震動非作動時においては車輪5又は5′は
レールの中央部で凹状の最低部分すなわち図2に示す5
Mの位置にあり、被支持体Hは最低レベルの基準状態位
置において安定状態で支持体G上方に静止している。左
右方向Xの地震動が発生し支持体Gが振動した場合に
は、車輪転動面を車輪5又は5′が相対的に転動し図2
に示す端部の5L又はRの位置となり被支持体Hは僅か
に上昇して最高レベル位置に達し、被支持体Hは基準状
態の最低レベル位置からの変位に応じた復元力をうけ振
動を繰返すが、被支持体Hの荷重は直接支持体Gに達せ
ず車軸6又は6′から車輪5又は5′を経由するので、
摩擦が減衰力として有効に作用し免震作用が働く。レー
ルに形成されている車輪跳ね防止面の存在によって上下
方向Zの地震動成分がある場合にも車輪5又は5′の上
方への跳ね上がりが簡易に抑制される。ここで、図2
(a)に示す凹状面の中心である最低部分からの水平方
向の最大変位距離の片ストロークSは、レールの一つの
凹状の長手方向全長Vとの間には近似的に2S=Vの関
係となり、例えば、阪神淡路大震災級の地震動では、全
ストローク2Sは約500mm、レール一つの全長Vを
約500mmに選定すればよい。又図2(b)、
(c)、(d)に示す上下免震部材11を装着した場合
には、板ばね11aによって上下方向Zの免震作用が更
に有効に働き、一対のレール係止片11cが車輪転動面
2aの長手左右端部に向合って配設されているので、車
輪5がレール2から脱出しないようにストッパー作用も
得られる。図1に示す各免震装置の使分けは、レールの
材料、設置場所の条件等により、適宜選択使用されるが
主としてそれぞれ下記特徴を有する。免震装置1aは、
溝形材という汎用の材料を一対背中合わせに固着するの
で材料選択が容易である。免震装置1bは、固定された
車輪にレールを内側より挿入してセットする必要がある
場合に適用される。免震装置1cは、固定されたレール
に車輪を内側より挿入してセットする必要がある場合に
適用される。免震装置1dは、狭いスペースで使用する
必要がある場合に適用される。又リップ付であり、脱輪
防止に有効である。免震装置1eは、I形材又はH形材
という汎用の材料をそのまま使用するので材料選択が容
易である。免震装置1fは、免震装置1eの変形例で、
レールに高強度を必要とする場合に適用される。
【0018】図3、4について、免震装置12の作動を
説明する。図3に示す免震装置12の単独使用の場合
は、地震動非作動時においては上下段の車輪5は上下段
のレール3の中央部で凹状の最低部分の位置にあり、被
支持体Hは最低レベルの基準状態位置において安定状態
で支持体G上方に静止している。左右方向Xの地震動が
発生し支持体Gが振動した場合には、下段の車輪転動面
3aを車輪5が相対的に転動し被支持体Hは僅かに上昇
して最高レベル位置に達し、被支持体Hは基準状態の最
低レベル位置からの変位に応じた復元力をうけ振動を繰
返すが、被支持体Hの荷重は直接支持体Gに達せず下段
の車軸6から車輪5を経由するので、摩擦が減衰力とし
て有効に作用し免震作用が働く。前後方向Yの地震動が
発生した場合にも同様に、上段の車輪転動面3aを車輪
5が相対的に転動し、被支持体Hは基準状態の最低レベ
ル位置からの変位に応じた復元力をうけ振動を繰返し、
上段の車軸6と車輪5による摩擦による減衰力が作用し
て免震作用が働く。左右方向X及び前後方向Yの直交す
る二方向成分を含む地震動に対しては合成されて相対的
に転動可能である。いずれの場合も、各レール3に形成
されている各車輪跳ね防止面3bの存在によって、上下
方向Zの地震動成分がある場合にも各車輪5の上方への
跳ね上がりが簡易に抑制される。図4に示す免震装置1
2を4ユニットを組合わせた場合には、隣接する各ユニ
ットの基部8a間を連結材8cによって連結されている
ので、各上段及び下段が一体で安定し作動することがで
きる。又図示省略するが、免震装置12は1ユニット又
は4ユニットを複数組準備して置き、支持体Gと被支持
体H間に適宜分散配置して用いると低荷重から重荷重ま
で耐荷重の変動に広範囲に対応可能である。ここで車輪
5の変位距離片ストロークSとレールの一つの凹状の長
手方向全長Vとには図2(a)について前記した関係が
成立するので、例えば、阪神淡路大震災級の地震動で
は、全ストローク2Sは約500mm、免震装置12の
1ユニットのレール全長Vは約500mmにとられ、一
対では約1000mmにとられるので、免震装置12は
後述する免震装置13に比して、レール全長は長くはな
るが、上下方向Zの高さが低くてすむので、この高さが
問題とされる例えばOA機器、医療機器、美術品等の免
震に好適である。
【0019】図5〜7について免震装置13の作動を説
明する。免震装置13の単独使用の場合は、地震非作動
時では、免震装置13の左右の下部車輪6a、6aは下
部レール3の中央部で凹状の最低部分位置からそれぞれ
左右等距離にあり、左右の上部車輪6b、6bは上部レ
ール3′の中央部で凹状の最高部分位置からそれぞれ左
右等距離にあって、被支持体Hは最低レベルの基準状態
位置において安定した状態で支持体G上方に静止してい
る。左右方向Xの地震動が発生し支持体Gが振動する
と、図示省略するが下部車輪6a、6aが下部レール3
の凹状面を相対的に転動し、同時に上部車輪6b、6b
は上部レール3′の凹状面を相対的に転動し、被支持体
Hは僅かに上昇して最高レベル位置に達し、被支持体H
は基準状態の最低レベル位置からの変位に応じた復元力
をうけ振動を繰返すが、被支持体Hの荷重は直接支持体
Gに達せず、順次上部レール3′→上部車輪5b→上部
車軸6b→アーム14′b→アーム14b→下部車軸6
a→下部車輪5a→下部レール3と経由するので、主と
して車輪と車軸の摩擦が減衰力として有効に作用し免震
作用が働く。ここで、基準状態の凹状面の中心である最
低部分からの水平方向の最大移動距離の片ストロークS
は、下部レール3の凹状の長手方向全長Wと、下部車軸
6a及び上部車軸8bの各軸芯間隔Rとの間は近似的に
S=W−R、W=S+Rの関係となる。ここで、RはS
に対し十分小さな値で、想定する地震動の全振幅として
全ストローク2Sに安定的に対応するためには、前記し
た免震装置12の2S=Vに対し大幅に小さくころタイ
プに極く近い値となり、特別な減衰装置が不要で構造簡
単である上に装置の小型化が可能である。例えば、阪神
淡路大震災級の地震動では、全ストローク2Sは約50
0mm、一対の免震装置13を用いれば合計全長2Wを
約500mm+2R、1個の全長Wを約250mm+R
にとればよい。しかし、上下方向Zの高さは免震装置1
2に比し高くなるので、この高さがあまり問題とされな
い例えば一般住宅、中高層マンション、ビルの建築物等
の免震に好適である。図6、7に示す免震装置13を下
段2ユニット、上段2ユニット用い、車輪転動方向を左
右方向X及び前後方向Yの直交する二方向に上下段の二
段重ねした例において、前後方向Yの地震動が発生した
場合にも同様に、上段の車輪転動面3a及び3′aを車
輪5a及び5bが相対的に転動し、被支持体Hは基準状
態の最低レベル位置からの変位に応じた復元力をうけ振
動を繰返し、上段の車軸6a、6bと車輪5a、5bと
の摩擦による減衰力が作用して免震作用が働く。左右方
向X及び前後方向Yの直交する二方向成分を含む地震動
に対しては合成されて相対的に転動可能である。いずれ
の場合も、各レール3及び3′に形成されている各車輪
跳ね防止面3b、3′bの存在によって、上下方向Zの
地震動成分がある場合にも各車輪5a、5bの上方への
跳ね上がりが簡易に抑制される。更に被支持体Hの重量
や形状に応じてユニット数を増減して配設することによ
り、低荷重から重荷重までの免震装置として広範囲に適
用可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の免震装置によれば、簡易な構造
で、強度が高く、製作が容易であってコストが安く、車
輪転動面に対し上方又は下方に跳ね防止面を有し左右方
向及び/又は前後方向の地震動に対する免震作用に加え
て上下方向の地震動成分に対しても跳ねが簡易に抑制可
能である。又被支持体の荷重は直接支持体に達せず、主
として車輪と車軸の摩擦が減衰力として有効に作用し免
震作用が働くので特別な減衰装置が不要である上に、想
定する地震動の全振幅に安定的に対応するためにレール
全長は小さくころタイプに極く近い値となり装置の小型
化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震装置用レールの車輪との組合わせ
の各例を示し、長手方向中央部の鉛直方向断面側面図
で、(a)は一対の溝形材を背中合わせに配置したも
の、(b)は一対の溝形材の背中を離隔配置したもの、
(c)は一対の溝形材を向合わせ離隔配置した一例、
(d)は一対のリップ付き溝形材を向合わせ離隔配置し
た他例、(e)はI形材又はH形材を単独配置したも
の、(f)は一対のI形材又はH形材を組合せて結合し
たものである。
【図2】図1の免震装置用レールで、(a)は一般的な
例の長手方向正面図で、(b)は上下免震部材を装着し
た例の長手方向正面図で、(c)は(b)の平面図、
(d)は(b)の側面図である。
【図3】図1(e)の免震装置用レールを二段重ねして
用いた免震装置の第一例の部分拡大図で、(a)はB・
B方向に視た平面図、(b)はA・A方向に視た正面図
である。
【図4】図3の免震装置を4ユニットを配置した例で、
(a)はC・C方向に視た平面図、(b)は正面図であ
る。
【図5】図1(e)の免震装置用レールを二段に用いた
免震装置の第二例の部分拡大図で、(a)はE・E方向
に視た平面図、(b)はD・D方向に視た側面図、
(c)は正面図である。
【図6】図5の免震装置を二段重ねして用い4ユニット
を配置した例でF・F方向に視た平面図である。
【図7】図6の免震装置で下段は正面図、上段は前後中
心線縦断正面図である。
【図8】図3の免震装置において、別体の車輪軸受けを
装着した他例の図3(b)と同じA・A方向に視た正面
図である。
【符号の説明】
1a〜1f、12、13 免震装置 2、2′、3、3′、4 レール 2a、2′a、3a、3′a 車輪転動面 2b、2′b、3b、3′b 車輪跳ね防止面 2c、2′c、3c、3′c 連結面 2′d リップ 5、5′、5a、5b、5L、5R 車輪 5′b 段部 6、6′、6a、6b 車軸 7 ライナー 8、8′、9、10、14、14′軸支持材 8a、9a、10a、14a 基部 8b、8′b、9b、10b、14b、14b′アーム 8c、14c 連結材 11 上下免震部材 11a 板ばね 11b 固着片 11c 係止片 11d、11e、16 固着具 15 中間材 17 軸受け G 支持体 H 被支持体 L、M、N、P、Q 間隔 R 軸芯間隔 S ストローク V、W レール全長 X 左右方向 Y 前後方向 Z 上下方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−247924(JP,A) 特開 平9−196115(JP,A) 特開 平2−54040(JP,A) 特開 平11−22243(JP,A) 特開 平11−193650(JP,A) 特開 平9−303481(JP,A) 実開 平4−13846(JP,U) 国際公開95/23267(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 - 15/08 E04H 9/02 331

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向において中央部が最低部分又は
    最高部分をなす凹状のレールに装着された車輪の転動に
    よる免震装置の該レールの少なくとも車輪転動部分の鉛
    直方向断面が中間の略鉛直連結面の上下対称位置に一方
    の略水平方向車輪転動面と他方の略水平方向車輪跳ね防
    止面とで一体に形成された開口部を有し、前記レールの
    長手方向にわたり前記開口部が実質的に同形とされてい
    る免震装置において、前記レールの一対を用い一方を中
    央部が最低部分であって両端部に向って徐々に高くなる
    凹状の形状とし他方を中央部が最高部分であって両端部
    に向って徐々に低くなる凹状の形状とし、前記一対の各
    レールは凹状の形状を向合わせにして支持体側及び被支
    持体側に長手一方向に沿って固設され、前記各レールに
    装着され上下左右前後に配設された8個の車輪と、上下
    左右前後に配設された8本の水平車軸と、前記各車軸の
    端部が固着され水平方向の基部と該基部を中心として上
    下対称位置に並設されたアームを有する軸支持材とを備
    え、前記各レールに装着された前記各車輪は軸支する各
    車軸回りに回動しつつ前記各レールに沿いそれぞれ独立
    して転動可能とし、一方向の地震動に対し前記被支持体
    を免震可能としたことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の免震装置の一対を中間
    材を介して車輪転動方向を直交する二方向とし上下二段
    重ねし、一方段の片側のレールを支持体側又は被支持体
    側に固設し、他方段の片側のレールを被支持体側又は支
    持体側に固設し、直交する二方向成分を含む地震動に対
    し前記被支持体を免震可能としたことを特徴とする免震
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の免震装置の少な
    くとも一対において、各レールが長手方向を平行に対称
    位置に間隔をおいて並設され、隣接する軸支持材の基部
    間に連結材が掛渡されていることを特徴とする免震装
    置。
  4. 【請求項4】 レールの鉛直方向断面がI形又H形の形
    状とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の免震装置。
  5. 【請求項5】 レールの鉛直方向断面が溝形又はリップ
    付溝形の形状とされていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の免震装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の免震装置のレー
    ルの一対を隣合わせ又は背中合わせに連結して形成され
    ていることを特徴とする免震装置。
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