JP3171549U - 金属管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】防水性を有し、しかも施工性にも優れている金属管接続構造を提供する。【解決手段】金属管接続構造は、ナット5と、金属管3と、防水部材28とを備えている。ナット5は、内周面に雌ねじが形成された挿入孔5を有し、雌ねじが空気調和装置の継手に設けられた雄ねじに螺合される。金属管3は、継手に対向配置される端部34を有し、ナット5の挿入孔に挿入された状態でナット5の雌ねじが継手の雄ねじに螺合されることにより継手に固定される。防水部材28は、金属管3とナット5に跨がって配置され、金属管3の外周面の一部及びナット5の外周面の少なくとも一部を覆う形状である。防水部材28は、熱収縮材料によって形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、空気調和装置に用いられる金属管接続構造に関する。
従来、空気調和装置の室外機と室内機とは、連絡配管部によって連結されている(例えば特許文献1参照)。連絡配管部は、フレア管などの金属管と、この金属管の端部を室外機又は室内機の継手に対して固定するためのナットとを含む。一般に、金属管、ナット、継手などの材料としては、銅又はその合金が用いられている。
ところで、上記のように金属管が継手に対して固定される連絡配管部においては、材料のコストダウン及び施工時の作業性の効率化が求められている。材料面においては、例えば金属管の材料として銅よりも安価なアルミニウム合金などを用いることによりコストダウンを図ることができる。
しかしながら、この場合、ナット及び継手を構成する銅と金属管を構成するアルミニウム合金とが接触することになるので、異種金属接触腐食(いわゆる、ガルバニ腐食)を抑制する防水対策が必要になる。
そこで、本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防水性を有し、しかも施工性にも優れている金属管接続構造を提供することにある。
本考案の金属管接続構造は、金属ナットと、金属管と、防水部材とを備えている。前記金属ナットは、内周面に雌ねじが形成された挿入孔を有し、前記雌ねじが空気調和装置の継手に設けられた雄ねじに螺合される。前記金属管は、前記継手に対向配置される端部を有し、前記ナットの前記挿入孔に挿入された状態で前記ナットの前記雌ねじが前記継手の前記雄ねじに螺合されることにより前記継手に対して固定される。前記金属管は、前記ナットとは異なる金属によって形成されている。前記防水部材は、前記金属管と前記ナットに跨がって配置され、前記金属管の外周面の一部及び前記ナットの外周面の少なくとも一部を覆う形状である。前記防水部材は、熱収縮材料によって形成されている。
この構成では、防水部材が熱収縮材料によって形成されているので、前記金属管接続構造の施工現場において、収縮前の防水部材を加熱して防水部材をナット及び金属管にフィットするように収縮変形させるという簡単な作業だけで前記金属管接続構造に防水性を付与することができる。
前記金属管接続構造において、前記防水部材は、熱収縮材料によって形成された熱収縮層と、前記熱収縮層の内側に形成されたホットメルト接着層とを含む多層構造を有しているのが好ましい。
この構成では、施工現場において前記防水部材を加熱することによってホットメルト接着層がナットの外周面と金属管の外周面に接着されるので、防水性をさらに向上させることができる。
前記金属管接続構造において、前記防水部材は、その内径が前記ナットよりも大きい筒形状を有しているのが好ましい。
この構成では、例えば金属管を予め防水部材に挿通した状態にしておけば、金属管接続構造の施工現場において、防水部材がナットと金属管に跨がるように防水部材を金属管に沿ってスライド移動させることにより、所望の位置に防水部材を簡単に配置できる。
前記金属管接続構造において、前記防水部材は、加熱されて収縮したときに前記ナットの外周面及び前記金属管の外周面に密着可能な収縮率を有しているのが好ましい。これにより、施工後の金属管接続構造における防水性がさらに向上する。
例えば、前記金属管は、アルミニウム又はその合金を主成分としており、前記ナットは、銅又はその合金を主成分としている形態が例示できる。
前記金属管接続構造において、前記金属管は、その外径が前記ナットよりも小さく、前記防水部材が加熱されて収縮すると、収縮後の防水部材には、前記金属管の外周面に密着する小径部と、前記ナットの外周面に密着する大径部とが形成されるのが好ましい。
この構成のように金属管がナットよりも小さくこれらの間に段差が形成される構造であったとしても、防水部材は、加熱されることによりナット及び金属管の各々に対してフィットするように収縮して小径部と大径部とを有する形状に変形する。したがって、この構成では、上記のような段差を有する構造であっても防水性が維持される。
本考案によれば、防水性を有し、しかも施工性にも優れている金属管接続構造を提供することができる。
以下、本考案の一実施形態に係る金属管接続構造11について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係る金属管接続構造11は、ナット5と、金属管としてのフレア管3と、収縮前(加熱される前)の防水部材28とを備えている。この金属管接続構造11は、図2に示すように空気調和装置16の室外機17と室内機18との間の連絡配管部1,2に用いられる。
連絡配管部1,2は、室外機17と室内機18との間で冷媒が循環可能なように室外機17と室内機18とを接続している。連絡配管部1,2の一方は、室内機18から室外機17に流れる冷媒の流路を有しており、他方は、室外機17から室内機18に流れる冷媒の流路を有している。
金属管接続構造11は、各連絡配管部の両端部に用いられている。連絡配管部1および連絡配管部2は、寸法が異なる点を除いてほぼ同様の構成であるので、以下では、金属管接続構造11が連絡配管部1の室外機17側に設けられる場合について説明する。
図1および図3に示すように、フレア管3は、貫通孔3aを有する円筒形状の管本体33と、この管本体33の両端部にフレア加工によって拡径されたフレア部34とを有している。フレア管3は、アルミニウムまたはその合金を主成分としている。この合金としては、例えばマンガンを含有するアルミニウム合金(JIS3003合金)などが挙げられる。フレア管3は、後述するナット5により室外機17の継手20に対して固定される。
継手20は、室外機17の内部の配管(不図示)と接続されており、図3および図5に示すように、フレア管3の貫通孔3aと連通する貫通孔20aを有している。継手20の先端部には、フレア部34が当接する傾斜面36が設けられている。継手20の先端側(フレア管3側)の外周面には、雄ねじ部37が形成されている。継手20における雄ねじ部37よりも基端側(室外機17側)の部位には、ナット部38が設けられている。このナット部38は、継手20にナット5を螺合する際に、工具(不図示)を嵌めてナット5を継手20に締め込むためのものである。継手20の材料として、フレア管3とは主成分が異なる材料を用いている。継手20の材料としては、例えば黄銅(真鍮)などを用いることができる。
図1、図3及び図5に示すように、ナット5は、フレア管3の貫通孔3aと継手20の貫通孔20aが連通する状態で継手20に対してフレア管3を固定するためのものである。ナット5は、フレア管3および継手20が挿入され、フレア部34を含むフレア管3の一部と雄ねじ部37を含む継手20の一部が内部に配置される挿入孔5aを有している。挿入孔5aの一方の開口端5a1からは、フレア管3が室内機18側に挿入孔5aの外部に延出し、挿入孔5aの他方の開口端5a2からは、継手20が室外機17側に挿入孔5aの外部に延出する。
ナット5は、挿入孔5aの内周面に、雄ねじ部37に螺合される雌ねじ部39と、フレア部34を継手20側に押圧する押圧面40とを有している。押圧面40は、フレア部34の傾斜面とほぼ同じ角度でナット5の中心軸に対して傾斜している。六角形の外周面5bは、継手20にナット5を螺合する際に、工具(不図示)を嵌めてナット5を継手20に締め込むためのものである。ナット5の材料として、フレア管3とは主成分が異なる材料を用いている。ナット5の材料としては、例えば黄銅(真鍮)などを用いることができる。
図1に示すように、収縮前の防水部材28は、円筒形状を有しており、加熱することによって主に径方向に収縮する熱収縮チューブである。防水部材28は、防水性を有する合成樹脂などを主成分としている。収縮前の防水部材28の内径は、ナット5及びフレア管3のフレア部34よりも大きい。
図3に示すように、収縮後の防水部材28は、ナット5とフレア管3との隙間を塞いで接続構造11の防水性を高めるために、ナット5の外周面5bと管本体33の外周面との間に跨って配置されている。収縮後の防水部材28は、ナット5の外周面5bの少なくとも一部と、管本体33の外周面の一部とを覆う。本実施形態では、収縮後の防水部材28は、ナットの外周面5b全体を覆うとともに、ナット5における室外機17側の端面の一部も覆っている。
防水部材28は、加熱されて収縮すると、ナット5と管本体33との段差に沿う形状に変形する。防水部材28は、加熱されて収縮すると、管本体33の外周面に密着する小径部28aと、ナット5の外周面5bに密着する大径部28bとが形成される。
具体的には、例えば次のような防水部材28を用いることができる。図6(A)は、加熱による収縮後の防水部材28を示す断面図であり、図6(B)は、収縮前の防水部材28を示す断面図である。図6(C)は、図6(B)のVIC−VIC線断面図である。図6(A)〜(C)に示すように、本実施形態における防水部材28は、外層部(熱収縮層)281と、内層部(ホットメルト接着層)282とを含む多層構造を有している。
図6(B),(C)に示すように、収縮前の防水部材28は、長手方向(半径方向に直交する方向)の全体にわたって内径がほぼ一定の円筒形状を有している。そして、防水部材28は、所定の条件で加熱されると、図3に示すようにナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33の外周面に密着するように径方向に収縮し、この収縮した形状が保持される。
外層部281は、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、シリコーンゴム系などの熱収縮材料により形成されており、加熱することにより径方向に収縮する。外層部281の材料としては、例えば架橋ポリエチレンを主成分とするものが挙げられる。後述するような施工時の加熱処理に耐えうるように、外層部281の耐熱温度は120℃以上であるのが好ましい。
内層部282は、例えばホットメルト接着剤などの接着層である。このような内層部282が設けられていることにより、防水部材28がナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33の外周面に対して接着されるので、防水性がより向上する。
次に、フレア管3を継手20に固定する手順について説明する。図7(A)〜(C)は、フレア管3を継手20に接続する施工手順の前半を示す概略図であり、図8(A),(B)は、フレア管3を継手20に接続する施工手順の後半を示す概略図である。
まず、フレア管3をナット5及び防水部材28に挿通した状態で配置する(図7(A)参照)。収縮前の防水部材28としては、その内径がナット5よりも若干大きなものを用いる。また、防水部材28としては、加熱による収縮後にナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33の外周面に密着するような収縮率を有するものを用いる。
ついで、ナット5を継手20に螺合した後(図7(B)参照)、防水部材28によりナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33における外周面の一部を覆うように防水部材28をナット5側にスライド移動させる(図7(C)参照)。
次に、加熱機構41を用いて防水部材28を加熱する(図8(A)参照)。加熱機構41の構造は、特に限定されないが、例えば図8(A)に示すように加熱部本体42とこの加熱部本体42から延出する延出部43とを備えたものが挙げられる。延出部43は、防水部材28の外周面を囲む金属片を有している。
加熱機構41は、加熱部本体42に通電することにより、例えば加熱部本体42から熱風が延出部43側に吹き出される構造を有している。吹き出された熱風は、前記金属片の内面に沿って流れ、防水部材28の外周面全体を加熱する。また、加熱機構41は、加熱部本体42に通電することによって延出部43が昇温する構造であってもよい。この場合、昇温した延出部43の金属片が防水部材28の外周面全体を加熱する。いずれの場合も、防水部材28は、延出部43によって外周面が囲まれているので、周方向全体にわたって満遍なく加熱される。防水部材28を加熱する温度、時間などの加熱処理条件は、防水部材28を構成する材料の熱収縮特性に応じて適宜決定される。
加熱機構41によって所定の条件で加熱された防水部材28は、図8(B)に示すように径方向に収縮し、内層部282を構成するホットメルト接着層がナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33の外周面に密着する。また、ホットメルト接着層は、加熱機構41による加熱よって溶融し、ナット5の外周面5b及びフレア管3の管本体33の外周面に接合される。
以上説明したように、本実施形態では、防水部材28が熱収縮材料によって形成されているので、金属管接続構造11の施工現場において、収縮前の防水部材28を加熱して防水部材28をナット5及びフレア管3にフィットするように収縮変形させるという簡単な作業だけで接続構造11に防水性を付与することができる。
また、本実施形態では、防水部材28は、熱収縮材料によって形成された熱収縮層281と、熱収縮層281の内側に形成されたホットメルト接着層282とを含む多層構造を有しているので、収縮後の防水部材28におけるホットメルト接着層282がナット5の外周面とフレア管3の外周面に接着され、防水性がさらに向上する。
また、本実施形態では、収縮前の防水部材28は、その内径がナット5よりも大きい筒形状を有しているので、フレア管3を防水部材28に挿通した状態にしておけば、金属管接続構造11の施工現場において、防水部材28がナット5とフレア管3に跨がるように防水部材28をフレア管3に沿ってスライド移動させることにより、所望の位置に防水部材28を簡単に配置できる。
また、本実施形態では、防水部材28は、加熱されて収縮したときにナット5の外周面及びフレア管3の外周面に密着可能な収縮率を有しているので、施工後の金属管接続構造11における防水性がさらに向上する。
また、本実施形態では、フレア管3とナット5との間に段差を有する構造であるが、防水部材28は、加熱されることによりナット5及びフレア管3にフィットするように収縮して小径部28aと大径部28bとを有する形状に変形する。したがって、段差を有する接続構造11であっても防水性が維持される。
なお、本考案は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、金属管がフレア管である場合を例示したが、これに限定されない。
また、前記実施形態では、防水部材28がホットメルト接着層282を有している場合を例示したが、このホットメルト接着層282は省略することもできる。
また、前記実施形態では、金属管としてのフレア管がアルミニウム合金からなり、ナットおよび継手が黄銅からなる場合を例に挙げて説明したが、これらの部材にはそれぞれの部材に要求される性能を満足する他の材料を用いることもできる。
3 フレア管
5 ナット
11 金属管接続構造
20 継手
28 防水部材
28a 小径部
28b 大径部
33 管本体
34 フレア部
281 熱収縮層(外層部)
282 ホットメルト接着層(内層部)
5 ナット
11 金属管接続構造
20 継手
28 防水部材
28a 小径部
28b 大径部
33 管本体
34 フレア部
281 熱収縮層(外層部)
282 ホットメルト接着層(内層部)
Claims (6)
- 内周面に雌ねじが形成された挿入孔を有し、前記雌ねじが空気調和装置の継手に設けられた雄ねじに螺合される金属ナットと、
前記継手に対向配置される端部を有し、前記ナットの前記挿入孔に挿入された状態で前記ナットの前記雌ねじが前記継手の前記雄ねじに螺合されることにより前記継手に対して固定され、前記ナットとは異なる金属によって形成された金属管と、
前記金属管と前記ナットに跨がって配置され、前記金属管の外周面の一部及び前記ナットの外周面の少なくとも一部を覆う形状であり、熱収縮材料によって形成された防水部材と、を備えている金属管接続構造。 - 前記防水部材は、熱収縮材料によって形成された熱収縮層と、前記熱収縮層の内側に形成されたホットメルト接着層とを含む多層構造を有している、請求項1に記載の金属管接続構造。
- 前記防水部材は、その内径が前記ナットよりも大きい筒形状を有している、請求項1又は2に記載の金属管接続構造。
- 前記防水部材は、加熱されて収縮したときに前記ナットの外周面及び前記金属管の外周面に密着可能な収縮率を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属管接続構造。
- 前記金属管は、アルミニウム又はその合金を主成分としており、前記ナットは、銅又はその合金を主成分としている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属管接続構造。
- 前記金属管は、その外径が前記ナットよりも小さく、
前記防水部材が加熱されて収縮すると、収縮後の防水部材には、前記金属管の外周面に密着する小径部と、前記ナットの外周面に密着する大径部とが形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属管接続構造。
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JP2011005006U JP3171549U (ja) | 2011-08-26 | 2011-08-26 | 金属管接続構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015086957A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 大陽日酸株式会社 | 継手及びガス充填装置 |
WO2019214350A1 (zh) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种新风管接头及使用其的新风空调器 |
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2011
- 2011-08-26 JP JP2011005006U patent/JP3171549U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2015086957A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 大陽日酸株式会社 | 継手及びガス充填装置 |
WO2019214350A1 (zh) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种新风管接头及使用其的新风空调器 |
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