JP3171302B2 - Dna塩基配列決定のための波形ピーク決定方法およびdna塩基配列決定装置 - Google Patents

Dna塩基配列決定のための波形ピーク決定方法およびdna塩基配列決定装置

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利之 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、DNA塩基配列決定
のための波形ピ−ク決定方法およびDNA塩基配列決定
装置に関し、詳しくは、レーザ光を電気泳動板の側面か
ら照射して一色の蛍光色素マーカを使用して各DNA塩
基断片の泳動状態についてラインセンサにより蛍光を受
光することで時間対受光強度信号の波形特性として検出
するDNA塩基配列決定装置装置(以下DNAシーケン
サ)において、連続塩基の出現により、波形信号の重な
りが生じても正しいピ−ク値とその位置とを得ることが
でき、例えば、400個以上の塩基配列の長さの、長い
DNA塩基についてのDNA塩基決定率を向上させるこ
とができるような方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の塩基配列の決定方法としては、D
NA塩基として、A(アデニン),C(シトシン),G
(グアニン),T(チミン)について電気泳動板の中を
それぞれの断片を泳動させてこれらの到達状態をレーザ
光照射により発生する蛍光をそれぞれの検出レ−ンの所
定の位置で受光して検出し、あらかじめ記憶された塩基
ピッチΔTのテ−ブルを参照して検出された波形信号の
ピ−ク位置と、その強度など、種々の判定条件とを組み
合わせて行っている。
【0003】しかし、DNA塩基配列の長いものはその
長さに応じて泳動速度も遅くなり、発光幅も広がって、
連続塩基による波形の重なりが起こる。この場合の検出
波形信号は、単独塩基による正規波形の信号とならず
に、検出波形が隣接波形信号と重なって連接波形信号と
なってしまう。また、泳動の際に発生する各塩基のスマ
イリングやピッチ変動によっても波形信号の重なりが発
生して連接波形信号を発生させる原因になる。さらに、
本来のDNA塩基配列と同時にデオキシ状態で反応が停
止したDNA塩基が検出されるので、それが各完全結合
のDNA塩基の検出信号に対してゴースト信号となって
現れてくる。このような信号波形も波形の連接を発生さ
せる原因になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塩基ピッチΔTは、泳
動条件に応じて変動し、連接波形の発生は、強い強度の
前後に弱い強度の塩基が存在する場合に読み落としや読
み誤りの原因になり、塩基配列の決定確率を低下させ
る。特に、DNA塩基配列の長い400個あるいは50
0個、さらにはそれより長いDNA塩基については、塩
基ピッチΔTより半値幅ΔT1/2が大きくなり、波形の
重なりが著しくなるため、その決定確率が、例えば、9
0%程度にまで低下してしまう。
【0005】この決定確率を向上させるためには、連接
波形に埋設された信号波形を救い出す必要があるが、そ
れぞれのピ−クをピ−ク位置としてもピ−ク位置自体が
変動しているために真のピ−ク位置とすることはでき
ず、それらを正確なピッチとして採って塩基配列を決定
するようなことはできない。さらに、波形信号の重なり
によりピ−クが消失している場合には、強度に応じて選
択される波形信号や算出される塩基ピッチΔT自体が不
正確なものになる。この発明は、このような従来技術の
問題点を解決するものであって、時間対蛍光強度(出現
頻度)の波形信号に連接波形が存在していてもほぼ真の
波形を抽出することができる塩基配列決定のための波形
ピ−ク決定方法を提供することにある。 この発明の他
の目的は、長いDNA塩基配列の塩基についての決定確
率を向上させることができるようなDNAシーケンサを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの発明の塩基配列決定のための波形ピ−ク決
定方法およびシーケンサの特徴は、A(アデニン),C
(シトシン),G(グアニン),T(チミン)のDNA
塩基の波形信号の和のデ−タを泳動時間の関数として算
出して得られたピークの出現ピッチの平均的な値ΔTm
と所定レベル以上のピーク値とに基づいて演算対象とな
る塩基波形信号のデ−タを抽出する演算対象波形抽出手
段と、抽出された前記塩基波形信号の波形デ−タからピ
ーク位置より時間的に後の波形の第1の判値幅ΔTR1/2
と、ピーク位置より時間的に前の波形の第2の判値幅Δ
TL1/2とを泳動時間の関数としてそれぞれ得る判値幅算
出手段と、第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2
とピークの強度とを基準としてピーク位置の変動が少な
い波形デ−タの塩基波形を正規波形の塩基として抽出す
る正規波形の塩基抽出手段と、この正規波形の塩基抽出
手段により抽出された塩基の波形データに対してスマイ
リング補正をするスマイリング補正手段と、このスマイ
リング補正手段により補正された塩基の波形信号デ−タ
に対して所定の時間の間隔ごとに分けて各区間における
DNA塩基の波形信号から得られたピークの出現ピッチ
の平均値に応じて塩基ピッチΔTn を求める塩基ピッチ
算出手段と、この塩基ピッチ算出手段で求めた各区間の
値ΔTn と判値幅算出手段により求められた第1および
第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより正規波形の塩
基抽出手段において選択されていない連接波形信号につ
いて真の塩基信号のピークの強度*Iを、 *In = {In +2β1 β2 ×In-3 −(β1 −2α×
β2 )In-1 −αIn+1} /(1−2α×β1 ) ただし、In は区間におけるn番目の観測強度、I
n+1 ,In-1 ,In-3 は、In の位置よりΔTn ,−Δ
Tn ,−3ΔTn離れた位置の観測強度, α=exp(-ln2・P2) ,β1 =1/(1+Q2),β2 =1/(1+4
Q2) P= 2ΔTn /ΔTL1/2, Q= 2ΔTn /ΔTR1/2 により算出し、値ΔTn に基づいて正規波形として抽出
された隣接塩基の波形の位置を基準としてそのピーク位
置を特定する真の波形特定手段とを備えるものである。
【0007】
【作用】塩基波形信号の波形は、ピークに対してその左
側をガウス分布として捉え、ピークに対してその右側を
コーシー分布として捉え、左右異なる波形特性を持つも
のとしてそれぞれの判値幅を左右に分けてそれぞれ算出
し、算出した左右の判値幅を指標としてこれと各波形信
号のピークの強度とのデ−タからピーク位置の変動が少
ない波形デ−タの塩基を正規波形として、まず抽出し、
この正規波形の波形信号のデ−タに基づいて各区間ごと
に波形のピッチΔTn を求めて、これとそれぞれの左右
の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより正規波形の塩基と
しては選択されていない連続的な連接波形信号について
真の塩基信号のピークの強度Iとその位置とを前記式と
前記値ΔTn とにより求める。これにより、連接波形の
塩基信号を含めて多くの塩基波形信号をほぼ正しい波形
データとして得ることができる。
【0008】ところで、デオキシ状態で反応が停止した
DNA塩基は、反応阻害要因の影響で不完全結合が発生
することにより生じる。これは、本来の完全結合のDN
A塩基に対して通常、数%程度発生する。したがって、
デオキシ状態で反応が停止したDNA塩基の出現頻度は
完全結合のDNA塩基の出現頻度の数%になる。しか
し、これがゴースト信号成分になる。ゴースト信号は、
相似形であるので、自己の波形信号については影響がほ
とんどないが、他のDNA塩基は、波形形態が異なるの
で、その影響が問題になる。一方、自己の塩基について
ゴースト成分を除去すると、強度の弱い波形信号成分に
対する影響が大きく、塩基決定確率を98%〜99%と
いう高い確率を求める場合にそれに影響を与える。そこ
で、前記に加えて、あるDNA塩基について自己のゴー
スト成分の除去はしないで、本来の信号強度を低減する
ことなく、ゴースト信号を効果的に除去するものとし
て、残り3個のDNA塩基の信号成分からのゴースト信
号成分の蛍光強度(出現頻度)をゴースト発生率εをか
けて算出する。これを原波形信号のから減算するように
すれば、強度の弱い信号波形を含めてほぼ真の波形信号
をより多く検出することができる。これにより決定確率
をさらに向上させることができる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明の塩基配列決定のための波
形ピ−ク決定方法を適用したDNAシーケンサの一実施
例のブロック図、図2は、そのゴースト信号除去処理の
フローチャート、図3は、その波形データ生成方法の説
明図、図4は、真のピーク波形データを抽出するフロー
チャート、図5は、ピッチ頻度と波形分布と半値幅との
説明図、そして図6は連接波形と真のピークとの関係の
説明図である。図1において、1は、DNAシーケンサ
であって、レーザ光Lにより照射された泳動板2からの
所定の幅を持つ塩基断片群の蛍光をレンズ(図示せず)
を介して一次元ラインイメージセンサ(CCD)3によ
り受光する。これにより一色の蛍光色素マーカを使用し
た各DNA塩基として、A(アデニン),C(シトシ
ン),G(グアニン),T(チミン)を泳動させた各レ
ーンにおける蛍光の受光強度をアナログ信号として検出
し、CCD駆動/制御回路4においてそれを受けて、そ
のアナログ信号を連続的に演算処理装置5に出力する。
【0010】CCD駆動/制御回路4は、タイミングコ
ントローラ、タイミング発生回路、マルチプレクサ等を
内蔵していて、ラインイメージセンサ3から読み出した
信号を演算処理装置5に出力する。ラインイメージセン
サ3は、例えば、1画素125μmの信号を発生して各
レーンについて4画素分を積分してレーン方向に約60
0μm幅の信号を1単位として出力する。演算処理装置
5は、マイクロプロセッサ(MPU)50と、CCD駆
動/制御回路4からの受光信号を受けてそれを増幅する
アンプ51、ローパスフィルタ(LPF)52、A/D
変換回路(A/D)53、メモリ54、波形メモリ5
5、CRTディスプレイ(CRT)56、キーボード5
7、プリンタ(図示せず)、そしてタイマ(図示せず)
等からなり、バス58を介してこれら回路がMPU50
と相互に接続されている。そして、受光した蛍光強度を
時間対蛍光強度(DNA塩基出現頻度)の波形データと
してCRTディスプレイ56あるいはプリンタに出力す
る。
【0011】MPU50は、A/D53に所定の周期で
サンプリングパルスを送出してLPF52を経てノイズ
が除去された受光信号をデジタル値に変換させ、バス5
8を介してこのデジタル値を受けて波形メモリ55に順
次測定データとしてそれを記憶する。その結果、波形メ
モリ55には、サンプリング時間に対応して時間対蛍光
強度のデータがデジタル値でそれぞれの測定時点におい
て、例えば、図3(a)に示すような波形信号として記憶
されることになる。一方、メモリ54には、塩基波形デ
ータ抽出プログラム54aと、ゴーストデータ算出プロ
グラム54b、ゴーストデータ除去プログラム54c、
波形表示/出力プログラム54d、演算対象波形抽出プ
ログラム54e,判値幅算出プログラム54f、正規波
形の塩基抽出プログラム54g、スマイリング補正プロ
グラム54h、塩基ピッチ算出プログラム54i、そし
て真の波形特定プログラム54j、さらに各種の処理プ
ログラムが格納されている。
【0012】塩基波形データ抽出プログラム54aは、
波形メモリ55に記憶された測定波形データから各DN
A塩基A,C,G,Tに対応してそれぞれの波形データ
を抽出してバックグランドノイズに対応する所定量のデ
ータ値を波形データメモリの各測定時点に対応して読出
したデータから減算する。さらに、これは、メモリ54
の作業領域に時間の経過に対応してDNA塩基A,C,
G,Tのそれぞれのレーンに対応するタイミングで抽出
されたデータを各レーンに対応するように分離してそれ
ぞれの記憶領域に分割して順次記憶する処理を行う。な
お、バックグランドノイズは、例えば、所定の各測定区
間対応に測定された波形データのうちの極小値を求めて
順次極小値分を減算していく処理である。
【0013】ゴーストデータ算出プログラム54bは、
次の式(1) gi =ε(d1 +d2 +d3 +d4 )−εdi ………(1) に従って、各DNA塩基A,C,G,Tのそれぞれにつ
いてぞれぞれを順次iに割り当ててゴースト信号成分g
i の演算をある測定時点について算出して、その測定時
点を順次更新して測定期間全体に亙り、ゴースト信号成
分gi のレベルをデータとして各元のデータに対応させ
た時間関係で算出し、この時間関係で対応させてメモリ
55の所定の領域に順次記憶していくプログラムであ
る。ただし、d1 ,d2 ,d3 ,d4 は各DNA塩基
A,C,G,Tについての波形データ値であって、nは
この実施例では4である。di はDNA塩基A,C,
G,TのうちのあるDNA塩基iの波形データ値であ
り、εはゴースト発生率であって、ここでは、0.03
である。各DNA塩基A,C,G,Tについては、デオ
キシ状態で反応が停止する発生率が本来の完全結合のD
NAの塩基に対して3%程度になるからである。なお、
ゴースト発生率εは、検出したい長い配列の塩基配列の
弱い蛍光強度の信号を検出に対して排除しない程度のも
のであればよく、通常、0.02〜0.1程度が妥当で
ある。
【0014】前記(1) 式は、各測定時点において得られ
た各DNAの波形データの合計値に前記ゴースト発生率
をかけることによりその測定時点のゴースト信号成分の
信号のレベルを算出するものであり、これのうち、自己
の本来の成分が含まれている分として式の第2項「εd
i」を減算することで、他のDNAのゴースト信号成分
のみを算出している。これにより自己の弱い強度の信号
波形を救済することができる。ゴーストデータ除去プロ
グラム54cは、前記ゴーストデータ算出プログラム5
4bにより算出された各測定時点対応の測定データをそ
の測定時点の元の波形データから除去して本来のデータ
を各DNAの塩基A,C,G,Tに対してそれぞれ生成
し、これをそれぞれの測定時点に対応してメモリ54に
記憶するプログラムである。
【0015】なお、この場合、ゴーストデータ除去プロ
グラム54cは、前記の各DNAの塩基A,C,G,T
に対してそれぞれ他のDNAのゴースト信号成分を減算
するのではなく、各DNAの塩基A,C,G,Tの各測
定時点における総和の波形データに対して順次それぞれ
の他のDNAのゴースト信号成分を減算していき、総計
の状態で加算した波形データを生成するものであっても
よい。
【0016】次に図2に示す処理の流れと図3とに従っ
て、ゴースト信号成分の除去について説明する。まず、
MPU50は、波形メモリ55に所定量の測定データが
記憶された測定時点で、割り込み処理により塩基波形デ
ータ抽出プログラム54aを実行する。そして、バック
グランドノイズを除去する処理をし(ステップ10
1)、図3の(a) に示すある測定時点の波形データ(説
明の都合上、図3ではデジタル値をアナログ状態で示し
ている。)から各DNA塩基A,C,G,Tについの波
形データを抽出してメモリ54に記憶する(ステップ1
02)。この記憶状態を多数の測定時点について連続的
に図示すると、図3の(b) になる。
【0017】次に、MPU50は、ゴーストデータ算出
プログラム54bを実行して、各ゴースト信号成分の算
出を式(1) に従って行い、メモリ54に記憶する(ステ
ップ103)。これが図3(c) のDNA塩基Aについて
Gstとして示した網目部分の波形として代表して示す状
態である。そして、ゴーストデータ除去プログラム54
cを実行して、MPU50は、前記ゴーストデータ算出
プログラム54bにより算出された各測定時点対応のゴ
ースト信号の測定データをその測定時点の元のデータか
ら除去して本来のデータを各DNAの塩基A,C,G,
Tに生成し、これをそれぞれの測定時点に対応してメモ
リ54に記憶する(ステップ104)。なお、この場
合、自己の波形データにおいては、ゴースト信号成分が
含まれている。
【0018】このデータは、次に、連接波形信号につい
て真の波形信号のピークを求める処理(ステップ10
5)の処理において、波形データの半値幅の算出と波形
データにおける正規波形の塩基の抽出なとを経て各波形
データのピーク位置と、その値が各塩基強度として算出
され、これら算出値を基にして解析する処理を行うこと
により塩基配列が決定される。なお、このステップ10
5の処理の詳細は図4に示す。また、前記ステップ10
4の後に波形表示/出力プログラム54dをMPU50
が実行して、ゴースト信号成分を排除した測定結果デー
タをCRTディスプレイ56あるいはプリンタに出力し
てもよい(ステップ106)。
【0019】図4の真の波形信号のピークを求める処理
を説明する前に、この処理に関係するプログラムについ
て、まず説明する。演算対象波形抽出プログラム54e
は、A(アデニン),C(シトシン),G(グアニ
ン),T(チミン)のDNA塩基の波形信号の和のデ−
タを泳動時間の関数として算出し、この和のデ−タに対
して離散化微分処理として、例えば、二次5項平滑化微
分処理をして、そのデ−タに対してピークの検出をして
検出したピークのピッチについての頻度分布デ−タを生
成する。この頻度分布デ−タを示すと、図5の(a) であ
る。また、DNA塩基の波形信号の和の演算式は式(2)
になる。 Isum =IA +IC +IG +IT ………(2) 前記の頻度分布デ−タのピーク位置からΔT,Δ2T,
Δ3Tの値を得て、これらからΔTの平均値としての塩
基ピッチΔTm を算出する。さらに、ピークの出現ピッ
チの平均的な値ΔTm と所定レベルの閾値を設定してそ
れ以上のピーク値とに基づいて演算対象となる塩基波形
信号のデ−タを抽出する。
【0020】この場合、さらに、単独波形塩基のみを演
算対象として抽出してもよい。これは、前記演算対象塩
基の波形データから波形の各ピーク位置において、b×
ΔTm の範囲(例えば、b=1.2〜1.8の範囲のあ
る値)に別のピークが存在する波形データを振り落と
す。そして、その残りの波形データに対して次の条件式
を適用して演算処理により単独波形塩基のみのデータを
抽出する。この場合には、次の各波形の半値幅算出プロ
グラム54fで詳細に説明するが、ピーク位置より時間
的に後(右側)の波形の判値幅ΔTR1/2と、ピーク位置
より時間的に前の(左側)の波形の判値幅ΔTL1/2とす
ると、 |(ΔTL1/2−ΔTR1/2)/(ΔTL1/2+ΔTR1/2)|
<δ ただし、δ≒0.1 〜0.3 の条件を満たすピークの波形のみを抽出する。ここで、
δの値を適切な範囲に選択することで単独波形の塩基の
みを選択し、これに基づいて以後の半値幅等の基礎デー
タを算出するようにしてもよい。判値幅算出プログラム
54fは、前記の処理により抽出された演算対象の塩基
波形信号の波形デ−タに対して図5(b) のグラフに示す
ように、ピーク右側の波形の判値幅ΔTR1/2と、ピーク
左側の波形の判値幅ΔTL1/2とを泳動時間の関数として
平均値を採って、判値幅のテーブルを作成する。
【0021】正規波形の塩基抽出プログラム54gは、
判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2と、得られている各波形のピ
ーク値(強度)とを基準としてピーク位置の変動が少な
い波形デ−タの塩基を正規の塩基波形として抽出する。
具体的には、左右の半値幅の抽出基準幅を図(b) 前記の
判値幅デ−タテーブルにおいてデ−タのばらつきの範囲
として、図(c) に示すように、3σの範囲を採り、それ
ぞれ左判値幅の選択範囲の点線のライン3σLA,3σLB
と、右の判値幅の選択範囲の一点鎖線のライン3σRA,
3σRBとする。そして、それぞれの塩基波形の泳動時間
に対応して判別幅を得て、左右の判値幅がこの範囲内に
ある波形デ−タが、例えば80%程度(70%から90
%の範囲から選択した値)抽出されるような所定のピー
ク強度以上を閾値として設定して、泳動時間の関数とし
て順次対象となる波形デ−タを選択していく。スマイリ
ング補正プログラム54hは、正規波形の塩基抽出プロ
グラム54gにより抽出された各塩基の前記波形信号の
デ−タに対してスマイリングにより時間的にずれた塩基
についての波形位置の補正を行う。
【0022】これは、選択された正規波形の塩基につい
て各塩基波形のデ−タの総和Sに対して塩基ピッチΔT
の分散が最小になるように各塩基波形デ−タの配列を求
めるものである。例えば、Aの塩基波形デ−タの配列を
基準として他の塩基の波形デ−タの位置をシフトさせ
て、Σ|ΣΔT/S−ΔTi |が最小になるようにし
(ΣΔT/Sは平均値)、次に基準となる塩基の配列を
Aの塩基から他の塩基に変えて同じような処理を順次繰
り返すことにより求めることができる。塩基ピッチ算出
プログラム54iは、スマイリング補正後の補正された
塩基の波形信号デ−タに対して所定の時間の間隔ごとに
分けて各区間におけるDNA塩基の波形信号の和のデ−
タから得られたピークの出現ピッチの平均的な値ΔTn
とを求める処理をする。なお、区間幅は、1区間で数十
から百程度の波形データが入る程度がよい。この場合に
各区間で求めたΔTn の値を直線で接続して、図5(c)
の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2のテーブルと同様に泳動時
間の関数として連続値のテーブルとすることができる。
このようにすれば、それぞれの泳動時間に対応してそれ
ぞれの波形の時間位置で直線上で順次算出される半値幅
によりΔTR1/2,ΔTL1/2を得て、次の式(3)の計算に
より真のピーク強度を得るとともに、直線上で順次算出
されるΔTn によりピーク位置をより正確に算出でき
る。
【0023】真の波形特定プログラム54jは、塩基ピ
ッチ算出プログラム54iで求めた値ΔTn と判値幅算
出プログラム54fにより求められている各区間内のそ
れぞれの波形の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより各区
間にある正規波形の塩基抽出手段によって正規波形とし
ては選択されていない連続的な連接波形信号について真
の塩基信号のピークの強度Iを次の式(2) により求め、
そのピーク位置を特定する。 *In = {In +2β1 β2 ×In-3 −(β1 −2α×β2 )In-1 −αIn+1} /(1−2α×β1 ) ……………(3) ただし、In は区間におけるn番目の観測強度、I
n+1 ,In-1 ,In-3 は、In の位置よりΔTn ,−Δ
Tn ,−3ΔTn離れた位置の観測強度, α=exp(-ln2・P2) ,β1 =1/(1+Q2),β2 =1/(1+4
Q2) P= 2ΔTn /ΔTL1/2, Q= 2ΔTn /ΔTR1/2 この(3) 式は、図5(b) に示すように、塩基波形信号の
波形について、ピークに対してその左側がガウス分布と
して捉え、ピークに対してその右側がコーシー分布とし
て捉えてそれぞれのピーク値hに対する値を得る式を考
えると、ガウス分布では、ある分布値yは、y=hexp
{-ln2(2T/ΔT1/2)2}となる。また、コーシー分布では、
ある分布値yは、y=h/{1+(2T/ΔT1/2)2} になる。
これに従って図(c) に示す連接波形について強度を求め
ると、式(3) になる。
【0024】さらに、この強度とともに、前記のピッチ
値ΔTn に基づいて正規波形として抽出された隣接塩基
の波形、例えば、図6の強度In-2 の位置にある波形デ
ータKを基準としてこの波形データKの時間位置tsに
対してts+{n−(n−2)}×ΔTn によりn番目
の波形データのピーク位置を求めることができる。以下
同様にして、n+1番目とn+2番目のピーク位置と強
度とを求める。図6は、このようにして算出したn=5
48番目と、n+1=549番目,n+2=550番目
との状態を示している。なお、このnの番号は、区間の
順位ではなく、最初から数えられた番号である。区間に
おける順位としては、例えば、前記の数値より500番
分引いた値になる。
【0025】次に図4に示す処理の流れと図5とに従っ
て、正常な波形信号とともに真の波形信号のピークを求
める処理について説明する。まず、MPU50は、演算
対象波形抽出プログラム54eを実行して、図2のステ
ップ104で求められたバックグランドノイズとゴース
ト信号を除去する処理をした各塩基の波形デ−タに対
し、A(アデニン),C(シトシン),G(グアニ
ン),T(チミン)のDNA塩基の波形信号の和のデ−
タを式(2) に従って泳動時間の関数として算出する(ス
テップ105A)。そしてこの和のデ−タに対して二次
5項平滑化微分処理(離散化処理の一例として)をして
(ステップ105B)、そのデ−タに対してピークの検
出をして検出したピークのピッチについての頻度分布デ
−タを生成する(ステップ105C)。さらに、この頻
度分布デ−タから平均値としての塩基ピッチΔTm を算
出する(ステップ105D)。
【0026】MPU50は、判値幅算出プログラム54
fを実行して、前記の処理により抽出された演算対象の
塩基波形信号の波形デ−タに対して図5(b) に示すよう
に、ピーク右側の波形の判値幅ΔTR1/2と、ピーク左側
の波形の判値幅ΔTL1/2とを泳動時間の関数としてそれ
ぞれ算出する処理をする。そして、図(c) に示すよう
に、泳動時間の関数として算出した判値幅の平均値のデ
−タテーブルを作成する(ステップ105E)。次に、
MPU50は、正規波形の塩基抽出プログラム54gを
実行して、前記の判値幅デ−タテーブルを参照し、この
判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とピークの強度とを基準とし
てピーク位置の変動が少ない波形デ−タの塩基を正規波
形の塩基として抽出する(ステップ105F)。このと
きの塩基波形の抽出は、前記したように、例えば、全波
形信号の70%から90%程度の範囲のいずれかの%の
波形を抽出するような値に左右の判値幅の選択範囲(例
えば、先の3σ)とピーク強度の閾値とを設定して行
う。
【0027】次に、MPU50は、スマイリング補正プ
ログラム54hを実行して、選択された正規波形とみな
せる塩基デ−タに対してスマイリング補正を行う(ステ
ップ105G)。次に、MPU50は、塩基ピッチ算出
プログラム54iを実行して、スマイリング補正後の補
正された塩基の波形信号デ−タに対して各区間における
DNA塩基の波形信号の和のデ−タから得られたピーク
の出現ピッチの平均的な値ΔTnとを求める(ステップ
105H)。次に、MPU50は、真の波形特定プログ
ラム54jを実行して、正規波形の塩基抽出処理により
抽出されていない連接波形データに対してそのピーク位
置と強度とを求める(ステップ105I)。このように
して求めた正規波形と連接波形のすべての波形データの
ピーク位置と強度とをデータとして、MPU50は,従
来と同様に塩基配列の解析を行う(ステップ105
J)。
【0028】以上説明してきたが、実施例の波形データ
は、生の波形データに対して半値幅ΔT1/2や波形ピッ
チΔTを得ているが、波形データを含め、半値幅ΔT
1/2や波形ピッチΔTを、二次微分の関数にして抽出し
て正規の塩基波形等を抽出することでより正確なデータ
を得ることができる。ある山型のピークを持つ波形デー
タを微分(一次微分)すると、その極大値の位置がゼロ
クロス点となって、正負にピークを持つ波形データが発
生する。これをさらに微分(二次微分)すると、それぞ
れのピークがゼロクロス点となった波形データとなり、
負側の波形が最初の波形データに対してそれよりも狭い
幅のとがったピークを持つ波形データになる。正側の波
形は幅のある低いピークの幅の広い波形になる。そこ
で、負側の波形を反転させて、正側とすることで元の波
形データと同等に扱うことができるようになる。すなわ
ち、前記の演算対象波形抽出プログラム54eは、前記
値ΔTm を前記DNA塩基の波形信号の和のデ−タにつ
いて二次微分して、正負を反転させ、その正側の波形デ
ータに基づいて得るものであって、前記判値幅算出プロ
グラム54fは、前記抽出された前記塩基波形信号の波
形デ−タの二次微分したデータの正負を反転させ、その
正側の波形データから前記第1および第2の判値幅ΔT
R1/2,ΔTL1/2を得るものであって、前記塩基抽出プロ
グラム54gは、各前記塩基の波形データを二次微分し
たデータに対して前記二次微分の第1および第2の判値
幅ΔTR1/2,ΔTL1/2トそのピークの強度とを基準とし
てピーク位置の変動が少ない波形デ−タの塩基波形を正
規波形の塩基として抽出するものである。
【0029】この実施例でのゴースト信号の排除につい
ては、先に説明したように、各波形データの総和を算出
して、順次他の3個ゴースト信号成分を、算出対象塩基
を順次更新しながら算出して減算していくことにより、
効率よくゴースト信号成分を除去した総和の波形データ
を得ることができる。しかし、他の方法でゴースト信号
成分やノイズを除去してもよいことはもちろんである。
実施例おける半値幅は、塩基信号波形の左右についてそ
れぞれ算出しているが、これは、左右の平均値、すなわ
ち、ΔT1/2=(ΔTL1/2+ΔTR1/2)/2により算出
してもよい。この場合、ΔTL1/2=ΔT1/2,ΔTR1/2
=ΔT1/2になる。
【0030】
【発明の効果】この発明にあっては、ピークに対してそ
の左側をガウス分布として捉え、ピークに対してその右
側をコーシー分布として捉え、左右異なる波形特性を持
つものとしてそれぞれの判値幅を左右に分けてそれぞれ
算出し、算出した左右の判値幅を指標としてこれと各波
形信号のピークの強度とのデ−タからピーク位置の変動
が少ない波形デ−タの塩基を正規波形として、まず抽出
し、この正規波形の波形信号のデ−タに基づいて各区間
ごとに波形のピッチΔTn を求めて、これとそれぞれの
左右の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより正規波形の塩
基としては選択されていない連続的な連接波形信号につ
いて真の塩基信号のピークの強度Iとその位置とを前記
式と前記値ΔTn とにより区間ごとに求めるようにして
いるので、連接波形の塩基信号を含めて多くの塩基波形
信号をほぼ正しい波形データとして得ることができる。
その結果、DNA塩基配列の長い400個あるいは50
0個のDNA塩基についての決定確率を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の塩基配列決定のための波形
ピ−ク決定方法を適用したDNAシーケンサの一実施例
のブロック図である。
【図2】図2は、そのゴースト信号除去処理のフローチ
ャートである。
【図3】図3は、その波形データ生成方法の説明図であ
る。
【図4】図4は、真のピーク波形データを抽出するフロ
ーチャートである。
【図5】図5は、ピッチ頻度と波形分布と半値幅との説
明図である。
【図6】図6は連接波形と真のピークとの関係の説明図
である。
【符号の説明】
1…DNAシーケンサ、2…泳動板、3…ラインイメー
ジセンサ、4…CCD駆動/制御回路、5…演算処理装
置、50…MPU、51…アンプ、52…ローパスフィ
ルタ(LPF)、53…A/D変換回路(A/D)、5
4…メモリ、55…波形メモリ、56…CRTディスプ
レイ、57…キーボード、58…プリンタ、54a…塩
基波形データ抽出プログラム、54b…ゴーストデータ
算出プログラム、54c…ゴーストデータ除去プログラ
ム、54d…波形表示/出力プログラム、54e…演算
対象波形抽出プログラム54、54f…判値幅算出プロ
グラム、54g…正規波形の塩基抽出手段、54h…ス
マイリング補正プログラム、54i…塩基ピッチ算出プ
ログラム、54j…真の波形特定プログラム。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 G01N 21/27 G01N 21/64 G01N 27/447 WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一色の色素マーカを使用してDNA塩基断
    片群を電気泳動させ、一定距離泳動させた位置でその到
    達状態を前記色素からの発光を受光することで検出し、
    その受光強度を時間の関数の波形信号とし、この波形信
    号に基づいてDNA塩基の配列を決定する塩基配列決定
    装置において、 A(アデニン),C(シトシン),G(グアニン),T
    (チミン)のDNA塩基の波形信号の和のデ−タを泳動
    時間の関数として算出して得られたピークの出現ピッチ
    の平均的な値ΔTm と所定レベル以上のピーク値とに基
    づいて演算対象となる塩基波形信号のデ−タを抽出する
    演算対象波形抽出手段と、 前記抽出された前記塩基波形信号の波形デ−タからピー
    ク位置より時間的に後の波形の第1の判値幅ΔTR1/2
    と、ピーク位置より時間的に前の波形の第2の判値幅Δ
    TL1/2とを泳動時間の関数としてそれぞれ得る判値幅算
    出手段と、 前記第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とピー
    クの強度とを基準としてピーク位置の変動が少ない波形
    デ−タの塩基波形を正規波形の塩基として抽出する正規
    波形の塩基抽出手段と、 この正規波形の塩基抽出手段により抽出された塩基の波
    形データに対してスマイリング補正をするスマイリング
    補正手段と、 このスマイリング補正手段により補正された塩基の波形
    信号デ−タに対して所定の時間の間隔ごとに分けて各区
    間におけるDNA塩基の波形信号から得られたピークの
    出現ピッチの平均値に応じて塩基ピッチΔTn を求める
    塩基ピッチ算出手段と、 この塩基ピッチ算出手段で求めた各区間の値ΔTn と前
    記判値幅算出手段により求められた前記第1および第2
    の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより前記正規波形の塩
    基抽出手段において選択されていない連接波形信号につ
    いて真の塩基信号のピークの強度*Iを、 *In = {In +2β1 β2 ×In-3 −(β1 −2α×
    β2 )In-1 −αIn+1} /(1−2α×β1 ) ただし、In は区間におけるn番目の観測強度、I
    n+1 ,In-1 ,In-3 は、In の位置よりΔTn ,−Δ
    Tn ,−3ΔTn離れた位置の観測強度, α=exp(-ln2・P2) ,β1 =1/(1+Q2),β2 =1/(1+4
    Q2) P= 2ΔTn /ΔTL1/2, Q= 2ΔTn /ΔTR1/2 により算出し、前記値ΔTn に基づいて正規波形として
    抽出された隣接塩基の波形の位置を基準としてそのピー
    ク位置を特定する真の波形特定手段とを備えるDNA塩
    基配列決定のための波形ピ−ク決定方法。
  2. 【請求項2】前記半値幅は前記第1の判値幅ΔTR1/2
    前記第2の判値幅ΔTL1/2との平均値としてΔT1/2
    求められ、前記第1の判値幅ΔTR1/2ト前記第2の判値
    幅ΔTL1/2に代えて前記ΔT1/2 が使用される請求項1
    記載のDNA塩基配列決定のための波形ピ−ク決定方
    法。
  3. 【請求項3】前記発光は蛍光であり、前記波形信号は、
    デジタル値としてメモリに記憶され、ゴースト発生率ε
    が0.02〜0.1であり、前記A(アデニン),C
    (シトシン),G(グアニン),T(チミン)の4個の
    DNA塩基のi番目のゴースト信号gi (ただしiは添
    字で1〜4)についてのデータgi を、 gi =ε(d1 +d2 +d3 +d4 )−εdi により求め、求められたgi を前記波形信号のデータか
    ら減算するものであって、d1 ,d2 ,d3 ,d4 は各
    DNA塩基についての前記波形信号についてのデータ値
    である請求項1記載のDNA塩基配列決定のための波形
    ピ−ク決定方法。
  4. 【請求項4】前記演算対象波形抽出手段は、前記値ΔT
    m を前記DNA塩基の波形信号の和のデ−タについて二
    次微分して、正負を反転させ、その正側の波形データに
    基づいて得るものであって、前記判値幅算出手段は、前
    記抽出された前記塩基波形信号の波形デ−タの二次微分
    したデータの正負を反転させ、その正側の波形データか
    ら前記第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2を得
    るものであって、前記塩基抽出手段は、各前記塩基の波
    形データを二次微分したデータに対して前記二次微分の
    第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とそのピー
    クの強度とを基準としてピーク位置の変動が少ない波形
    デ−タの塩基波形を正規波形の塩基として抽出するもの
    である請求項1項記載のDNA塩基配列決定のための波
    形ピ−ク決定方法。
  5. 【請求項5】一色の色素マーカを使用してDNA塩基断
    片群を電気泳動させ、一定距離泳動させた位置でその到
    達状態を前記色素からの発光を受光することで検出し、
    その受光強度を時間の関数の波形信号とし、この波形信
    号に基づいてDNA塩基の配列を決定する塩基配列決定
    装置において、 泳動板にレーザを照射してラインセンサにより前記DN
    A若しくはRNAの塩基断片群の到達状態に応じて得ら
    れた発光を検出する光学検出系と、 メモリを有し前記ラインセンサから得られる電気信号の
    レベルを時間の関数として検出してデジタル値に変換し
    てデータとして前記メモリに記憶する演算処理装置とを
    備え、 前記演算処理装置は、A(アデニン),C(シトシ
    ン),G(グアニン),T(チミン)のDNA塩基の波
    形信号の和のデ−タを泳動時間の関数として算出して得
    られたピークの出現ピッチの平均的な値ΔTm と所定レ
    ベル以上のピーク値とに基づいて演算対象となる塩基波
    形信号のデ−タを抽出する演算対象波形抽出手段と、 前記抽出された前記塩基波形信号の波形デ−タからピー
    ク位置より時間的に後の波形の第1の判値幅ΔTR1/2
    と、ピーク位置より時間的に前の波形の第2の判値幅Δ
    TL1/2とを泳動時間の関数としてそれぞれ得る判値幅算
    出手段と、 前記第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とピー
    クの強度とを基準としてピーク位置の変動が少ない波形
    デ−タの塩基波形を正規波形の塩基として抽出する正規
    波形の塩基抽出手段と、 この正規波形の塩基抽出手段により抽出された塩基の波
    形データに対してスマイリング補正をするスマイリング
    補正手段と、 このスマイリング補正手段により補正された塩基の波形
    信号デ−タに対して所定の時間の間隔ごとに分けて各区
    間におけるDNA塩基の波形信号から得られたピークの
    出現ピッチの平均値に応じて塩基ピッチΔTn を求める
    塩基ピッチ算出手段と、 この塩基ピッチ算出手段で求めた各区間の値ΔTn と前
    記判値幅算出手段により求められた前記第1および第2
    の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とにより前記正規波形の塩
    基抽出手段において選択されていない連接波形信号につ
    いて真の塩基信号のピークの強度*Iを、 *In = {In +2β1 β2 ×In-3 −(β1 −2α×
    β2 )In-1 −αIn+1} /(1−2α×β1 ) ただし、In は区間におけるn番目の観測強度、I
    n+1 ,In-1 ,In-3 は、In の位置よりΔTn ,−Δ
    Tn ,−3ΔTn離れた位置の観測強度, α=exp(-ln2・P2) ,β1 =1/(1+Q2),β2 =1/(1+4
    Q2) P= 2ΔTn /ΔTL1/2, Q= 2ΔTn /ΔTR1/2 により算出し、前記値ΔTn に基づいて正規波形として
    抽出された隣接塩基の波形の位置を基準としてそのピー
    ク位置を特定する真の波形特定手段とを有するDNA塩
    基配列決定装置。
  6. 【請求項6】前記発光は蛍光であり、前記波形信号は、
    デジタル値としてメモリに記憶され、ゴースト発生率ε
    が0.02〜0.1であり、前記A(アデニン),C
    (シトシン),G(グアニン),T(チミン)の4個の
    DNA塩基のi番目のゴースト信号gi (ただしiは添
    字で1〜4)についてのデータgi を、 gi =ε(d1 +d2 +d3 +d4 )−εdi により求め、求められたgi を前記波形信号のデータか
    ら減算するものであって、d1 ,d2 ,d3 ,d4 は各
    DNA塩基についての前記波形信号についてのデータ値
    であり、前記半値幅は前記第1の判値幅ΔTR1/2と前記
    第2の判値幅ΔTL1/2との平均値としてΔT1/2が求め
    られ、前記第1の判値幅ΔTR1/2と前記第2の判値幅Δ
    TL1/2に代えて前記ΔT1/2が使用される請求項3記載
    のDNA塩基配列決定装置。
  7. 【請求項7】前記演算対象波形抽出手段は、前記値ΔT
    m を前記DNA塩基の波形信号の和のデ−タについて二
    次微分して、正負を反転させ、その正側の波形データに
    基づいて得るものであって、前記判値幅算出手段は、前
    記抽出された前記塩基波形信号の波形デ−タの二次微分
    したデータの正負を反転させ、その正側の波形データか
    ら前記第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2を得
    るものであって、前記塩基抽出手段は、各前記塩基の波
    形データを二次微分したデータに対して前記二次微分の
    第1および第2の判値幅ΔTR1/2,ΔTL1/2とそのピー
    クの強度とを基準としてピーク位置の変動が少ない波形
    デ−タの塩基波形を正規波形の塩基として抽出するもの
    である請求項3記載のDNA塩基配列決定装置。
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