JP3170676B2 - 金属板材の凹み修復用プーラー - Google Patents

金属板材の凹み修復用プーラー

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JP3170676B2
JP3170676B2 JP26199995A JP26199995A JP3170676B2 JP 3170676 B2 JP3170676 B2 JP 3170676B2 JP 26199995 A JP26199995 A JP 26199995A JP 26199995 A JP26199995 A JP 26199995A JP 3170676 B2 JP3170676 B2 JP 3170676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板材の凹み修
復用プーラーに関し、より詳細には、金属板材に生じた
凹みを修復するためのプーラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板材に生じた凹み、例えば衝突や接
触事故などで自動車のボディパネルのような金属板材に
生じた凹みを修復するには、従来から行われているハン
マーやドリーによる叩き出し作業に代って、ピン溶植
法、ワッシャ溶植法による作業が行われるようになって
きた。これを詳しく説明すると、自動車のドアーパネル
に生じた凹みを修復する場合には、先ずドアーの内装を
外して、当該凹み部分の裏面を露呈させ、ハンマー、ド
リーもしくは油圧工具等を用いて、凹み部の裏面から押
出し加工を行うことによって修復していた。
【0003】しかしながら、最近では上述したように、
ピン溶植法、ワッシャ溶植法に移行する傾向にあり、こ
れは、修復すべき凹み部分の裏面を露呈することなし
に、当該凹み部分の表面側のみで修復処理を行うもの
で、当該凹み部分の表面に、ピンまたはワッシャと称さ
れる、引っ掛け係止部を有する金属チップを電気溶接に
よって溶植し、この溶植されたピンまたはワッシャの引
っ掛け係止部にプーラーのチャックやフックを引っ掛け
て、当該凹み部分を引っ張り出し、その後、溶植ピンや
ワッシャなどを取り除き、さらにこの引っ張り出したと
きに生じるパネルの伸びを点溶接電極棒で焼き絞りと称
される加工または電極ハンマーで叩いて、凹み部分を復
元させることが行われている。
【0004】また、修復すべき凹み部が大きな範囲であ
る場合には、多数のワッシャまたはピンを列上に仮溶着
し、仮溶着されたワッシャまたはピンの係止孔の全てに
プーラーの引っ掛け金具を挿通し、プーラーにて一括し
て多数のワッシャまたはピンを引き出すことも行われて
いる。しかしながら、このような作業においては、ピン
またはワッシャを凹み部に溶植するという工程と、溶植
されたピンまたはワッシャを引っ張るという工程と、引
っ張られて凹み部を元に引っ張り戻した後に、溶植され
ているピンまたはワッシャを取り除くという工程の3つ
の工程を要するので、作業能率の点から改善が望まれて
いた。
【0005】これを実現するためになされたものが、実
開昭61−36385号(実願昭59−121754
号)公報に示されたピン、ワッシャ溶植用プーラーであ
る。即ち、図9に示すように、プーラー1は、その中央
部に導体でなる丸棒状の本体2を有し、その一端部に電
極接続部4が突出形成され、その基部にグリップ部3が
設けられている。また、本体2の他端部には、ワッシャ
7を保持する電極チップ6を有している。さらに、本体
2の外周には、その長手方向に摺動自在な錘5が遊嵌さ
れている。
【0006】従って、修復金属板材の凹み部にワッシャ
溶植を行う場合には、電極チップ6の先端にワッシャ7
を保持させ、電極接続部4に溶接機からの溶接電流をケ
ーブルを介して供給し、グリップ部3を手で掴んでワッ
シャ7の先端を修復金属板材の凹み部に当接させ、自動
溶接もしくは手動(リモートコントロールスイッチの操
作)でもってワッシャ7の先端を溶植する。しかる後、
錘5をグリップ部3側に勢いよく引上げ、グリップ部3
の端部に錘5を衝突させる動作を何回か行うと溶植され
たワッシャ7がその衝撃力により引き上げられ、当該凹
み部が所定の復元位置まで引き上げられる。この状態で
グリップ部3を左右方向に回転させると溶植部からワッ
シャ7が分離される。
【0007】また、錘5の往復動による衝撃力でワッシ
ャ7を引き上げる代わりに、手の引っ張りのみでワッシ
ャ7を引き上げるようにしたものが、実開昭61−36
385号公報に同様に提案されており、この例を図10
に示す。図10において、プーラー8は、一端に電極棒
11が突出されたグリップ9の中間部に90°をなす折
曲部10を形成し、この折曲部10の先端に接続部12
を突出させ、その先端に電極チップ13を接続し、該電
極チップ13にワッシャ14の保持が行えるようにして
いる。
【0008】従って、上述同様にワッシャ14の先端を
修復すべき凹み部に当接させた状態で電極棒11に溶接
電流を供給することによって、自動もしくは手動でもっ
てワッシャ14の先端を溶植し、しかる後、グリップ9
を手で掴み腕の力で引上げる動作を行うと溶植されたワ
ッシャ14と共に、当該凹み部が所定の復元位置まで引
き出される。この状態でグリップ部9を折曲部10を中
心にして左右方向に回転させると、溶植部からワッシャ
14が分離される。
【0009】よって、従来3つあった工程を2つの工程
にすることができるのである。しかしながら、この従来
例は、ピンまたはワッシャを溶植し、修復用の引っ張り
が完了した後に、溶植されたピンまたはワッシャを取り
外さなければならないという煩わしさが残る。この煩わ
しさを解消するために、考えられたものが本件出願人の
出願に係る登録意匠番号第897373号(意願平3−
1049号)に示される電気抵抗溶接機のプーラーであ
る。
【0010】即ち、このプーラーは、図11に正面図、
図12に右側面図、図13に左側面図を示すもので、プ
ーラー15は、棒状の本体16の先端部に電極棒17を
固定し、基部に大径のストッパ18を固定し、この本体
16の長手軸方向に摺動自在な錘19を嵌合させ、錘1
9と電極棒17の間の電極棒17側に電極ホルダ20を
固定し、電極棒17に電気接続された電極接続部21が
固定ねじ22を用いて固定され、この電極接続部21に
溶接機からの溶接電流が接続ケーブルを介して供給可能
とされている。
【0011】従って、溶接機の出力端子を接続ケーブル
を介して電極接続部21に接続し、ストッパ18部分を
手で握り、電極棒17の先端を修復金属板材の凹み部に
当接させ、自動もしくは手動で溶接電流を供給すると、
電極棒17の先端部が当該凹み部に溶着されて仮溶着部
が形成される。しかる後、電極ホルダ20を手で軽く支
えた状態で錘19をストッパ18側に急速に移動させ錘
19の端面をストッパ18に衝突させる動作を繰り返し
行うと、錘19の衝突力によって電極棒17先端の仮溶
着部が引き出される。このような引上げによって当該凹
み部が復元位置を僅かに越えたときに、錘19の往復動
を止める。
【0012】電極ホルダ20を本体16の軸に対して回
転させると、凹み部と電極棒17の先端が分離され凹み
部の復元が行われ、一連の修復作業が完了する。よっ
て、ピンやワッシャを用いずに直接に仮溶着部を形成
し、この仮溶着部を直接に錘19の衝突力によって引き
上げるので極めて能率的な作業を行うことができる。
【0013】一方、他の従来例として実開平5−844
11号公報に図14に示すような板金用引き出し具が提
案されている。図14に示す板金用引出し具は、板金面
に溶着可能なビット80を先端部に備えた第1の操作手
段81と、この第1の操作手段81を回動自在に支持す
る支持部82を備え手動操作により第1の操作手段81
を引き上げ可動せしめる第2の操作手段83と、この第
2の操作手段83を支承する脚体84を具備している。
【0014】この図14に示す板金用引き出し具の使用
方法としては、先ず、ストッパ85、握り幅調整用ボル
ト86の螺合状態の深浅を加減し、メインレバー83A
とセコンドレバー83Bとの握り幅を作業者にとって最
適の状態にセットする。次に、ハンドル81Aを回動さ
せて、引き出しを必要とする凹み部の深さに達するま
で、ビット80の先端を下降させる。そして、ビット8
0の先端を凹み部に溶着させる。次に、第2の操作手段
83のメインレバー83Aとセコンドレバー83Bを手
に把持し、セコンドレバー83Bを引き上げると、セコ
ンドレバー83Bは、ボルト軸89を中心として支持部
82を圧縮コイルばね88に抗しながら引き上げるの
で、これと共に凹み部に溶着されたビット80を引き上
げる。板金面が平滑化したことを確認し、その後、ハン
ドル81Aを回動させ、ビット80先端と板金面の溶着
を引き離す。
【0015】このような構成からなり且つ作用する図1
4に示す板金用引出し具によれば、ビットの溶着、引き
上げ、取り外しの一連の作業により板金面の引き出し作
業を行えるため、板金作業を熟練を要することなく効率
よく行うことができ、しかも板金面の平滑化を容易に達
成でき、引き出し個所に細やかな力を加えながら引き出
すことが可能であるとしている。
【0016】また、最適な引き出し加減を板金前にあら
かじめセットでき、板金作業を的確に行なうことがで
き、しかも作業者が第2の操作手段を手動操作すると
き、目視にて確認しながら板金作業を行うことが可能で
あり、また、板金を行う凹み部をゆっくりと引き出すこ
とが可能なため板金個所の金属疲労が少ない、などの効
果があるとしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の第1の金属板材
の凹み修復用プーラーは、修復用の引っ張りを錘による
衝撃を何回か加えることによって行っているために、か
なりの体力が必要であると共に引っ張りのストロークの
程度が作業者の相違により一定したものとならず、引っ
張りストロークを所望の値にすることはかなりの熟練を
要し、安定した金属板材の凹み修復作業を行うことがで
きなかった。
【0018】また、金属板材の凹みを修復するために行
われる引っ張りは、点溶接電極棒と凹み部分との仮溶着
部でもって1点を引っ張るということになるので、修復
用板材の外周部が強固に固定されている場合には、別段
の問題が生じないものの、修復用板材の外周部が強固に
固定されていない場合には、引っ張り作業によって修復
用板材の全体がはがされてしまう虞れがある。また、凹
み部の周囲形状によっては、板面に垂直な方向に単純に
引っ張るだけでは完全な復元を行うことができず、引っ
張る方向を微妙に変化させるという高度の技術を必要と
し、これを確実に行うにはかなりの熟練を要し、これは
熟練作業者のみが行えるものであった。
【0019】また、このような金属板材の凹み修復用プ
ーラーは、凹み修復部位が自動車のドアーパネルのよう
にその表面側に広い作業スペースが得られる場合には作
業者が楽な姿勢でもって作業を行うことができるもの
の、凹み修復部位の表面側の作業スペースが充分に確保
できないときには、作業者が無理な姿勢での作業を行わ
なければならず、作業能率が悪く、疲労度が高くなると
共に、狭いスペースでの作業のために危険が伴う虞れが
ある。また、修復用の引っ張りを錘による衝撃で与えて
いるので、その際の衝撃音が大きく、作業所の環境が悪
化し、回りの人に迷惑を掛けるという難点がある上、衝
撃により金属板材の修復部位が伸びてしまうため、その
修復のために、さらに焼き絞りなどの修復作業が増えて
しまう、という難点がある。
【0020】また、上記した図14に示す従来例の場
合、手動により第2の操作手段83を手指で握り操作し
て凹み部を引き出す構成であるため、かなり大きな力を
要する上、ストロークの関係で修復すべき部位が深い凹
み部であると、修復位置まで引き出すことができず、逆
に引き出しストロークを大きく設定すると引き出すため
に大きな力が必要となるなど、作業性が悪く、疲労が激
しい上、汎用性に欠けるという難点がある。
【0021】また、この従来例は、凹み部に溶着された
ビット80を引き離すのに、セコンドレバー83Bを握
った状態を保持したまま、ハンドル81Aを回動させな
ければならないため、メインレバー83Aと共にセコン
ドレバー83Bを握っている手指の疲れが激しくビット
80の引き離し作業が極めてやりにくいという難点があ
る。
【0022】また、この従来例は、ハンドル81Aの直
下のコード接続部90に電源コードのクランプ手段を取
付け、電源コードの他端側を溶接機に接続して使用する
ように構成されているため、第1に、コード接続部90
の接触抵抗が大きく、またコード接続部90とビット8
0との間の距離が長い上、その中間に異種金属よりなる
中間部材が介挿されるため、接触抵抗が大きくなり、ビ
ット80へ供給される溶接電流が減少すると共にシャフ
ト91の部分などに発熱を伴うという大きな欠点があ
り、第2に、異種金属間にいわゆる電蝕が生じ、摺動
部、回動部などが不円滑となるなどの問題があり、第3
に、コード接続部90に直接電源から供給される溶接電
流をオン/オフする開閉スイッチ(いわゆるリモートコ
ントロールスイッチ)をその操作性のよい状態で設ける
ことが困難である、等の問題がある。
【0023】また、この従来例においては、コード接続
部90に接続されたシャフト91は、ビット80に電気
的に接続されている他、碗杆92、メインレバー83
A、セコンドレバー83B、ハンドル81A、脚部84
A,84B,接面部材84C等にも電気的接続がなされ
ているため、不用意に電源の他側の極性が接続されてい
る板金面に、これらの一部でも接触すれば、その接触部
を介して大電流が流れるため、板金面や板金用引き出し
具を損傷する虞れが高く、特に脚体84には、クッショ
ン93を被せてあるが、これが繰返し使用されることに
よって、金属部分が露出する場合があり、その場合に
は、脚体84を介して板金面に溶接電流が流れて板金面
や板金用引き出し具を損傷せしめる虞れがある。
【0024】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、金属板材の凹みを特別の体
力を何ら必要とせず、凹み修復作業が楽に行え、長時間
の作業を継続しても極めて疲労の少ない金属板材の凹み
修復用プーラーを提供することにある。また、本発明の
第2の目的は、修復すべき凹み部が浅い場合は勿論のこ
と、相当深い凹み部であっても修復可能であり、しかも
特別の熟練を要することなく、均一に復元することがで
き、凹み部の深さや修復すべき金属板材の厚み等によっ
て操作力を変える必要がなく、安定且つ確実に金属板材
の凹みの修復を行い得る金属板材の凹み部修復用プーラ
ーを提供することにある。
【0025】また、本発明の第3の目的は、点溶接電極
に対し、溶接電流が効率よく伝達され、不必要な部材へ
の溶接電流の流れを阻止し、電蝕による不具合の発生を
防止すると共に、本来の溶着部位以外の部位の発熱を抑
制し、併せて不用意に電源の他側の電極が接続されてい
る金属板材に凹み修復用プーラーの一部が接触してその
金属板材や、凹み修復用プーラーに損傷を与えることの
ない金属板材の凹み修復用プーラーを提供することにあ
る。
【0026】本発明の第4の目的は、仮溶着した点溶接
電極棒の引き離しを容易、確実に行ない得、特に、点溶
接電極棒の引き出し状態下でも楽にその引き離しを行い
得る凹み修復用プーラーを提供することにある。本発明
の第5の目的は、操作性の向上を図りつつ部材の共用化
を図り、装置の軽量化、小形化およびコストの低減化、
耐久性の向上を併せて実現化し得る金属板材の凹み修復
用プーラーを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明は、点溶接電極棒の先
端を、修復用金属板材の凹み部に仮溶着し、該点溶接電
極棒を引張ることにより該凹み部を原位置近傍まで引き
出すのに用いる金属板材の凹み修復用プーラーにおい
て、点溶接電極棒に溶接電流を供給することにより該点
溶接電極棒を金属板材の凹み部に仮溶接する仮溶着手段
と、上記凹み部の周囲に当接され、上記点溶接電極棒に
沿って立設されるスタンド部材と、このスタンド部材に
対して少なくとも上記点溶接電極棒を引き出す方向に
気圧で作動する往復運動機構によって引張力を付与し、
上記凹み部に溶着された状態の上記点溶接電極棒を復元
位置を若干過ぎた位置まで引き出す引張力付与手段と、
上記往復運動機構に連結された力伝達ロッドと前記点溶
接電極棒を着脱自在に保持する電極棒保持部材とを中継
し、上記電極棒保持部を介して上記点溶接電極棒を適宜
角度に亘って回動することにより上記凹み部に仮溶着さ
れた上記点溶接電極棒を上記凹み部から引離す電極ホル
ダよりなる分離手段と、を具備することを特徴とするも
のである。上記第1および第2の目的を達成するため
に、請求項2に記載の発明は、引張力付与手段は、手動
操作レバーによる開閉制御バルブの一方向への切換操作
により空気圧がシリンダ内部に供給されてピストンが往
動し、上記手動操作レバーによる該開閉制御バルブの他
方向への切換操作により該ピストンが空気圧または往動
時に蓄勢されたばね力により復動する往復運動機構で構
成したことを特徴とするものである。上記第1および第
2の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、
引張力付与手段は、点溶接電極棒の引き出しストローク
を変化させ得るストローク調整機構を備えていることを
特徴とするものである。上記第1および第3の目的を達
成するために、請求項4に記載の発明は、仮溶着手段
は、修復用金属板材の凹み部に仮溶着される点溶接電極
棒と、この点溶接電極棒を着脱可能に保持する電極棒保
持部材と、この電極棒保持部材と往復運動機構に連結さ
れた力伝達ロッドとを中継し、上記電極棒保持部材を介
して上記点溶接電極棒に溶接電流を供給する電極ホルダ
とからなることを特徴とするものである。上記第1およ
び第4の目的を達成するために、請求項5に記載の発明
は、分離手段は、往復運動機構に連結された力伝達ロッ
ドと電極棒保持部材とを中継し、上記電極棒保持部材を
介して上記点溶接電極棒を所定角度範囲に亘って回動
得ると共に、電極接続端子を電気的且つ機械的に着脱可
能に接続し得るように構成した電極ホルダであることを
特徴とするものである。上記第1および第5の目的を達
成するために、請求項6に記載の発明は、スタンド部材
は、基部に往復運動機構の不動部が固定され、先端部に
点溶接電極棒を部分的乃至は全体的に囲繞するように配
設される当接部が形成され、その当接部に修復用金属板
材に対する傷付きと滑りを防止得るカバーを設け、柱
状を呈する中間部に上記電極ホルダが所定範囲に亘って
回動するのを妨げないような切落部が形成されているこ
とを特徴とするものである。上記第1および第3の目的
を達成するために、請求項7に記載の発明は、スタンド
部材は、導電性材料で形成され、点溶接電極棒の軸心を
中心として電極ホルダが回動されたときに該電極ホルダ
が接触する中間部に電気絶縁カバーを設けたことを特徴
とするものである。上記第1および第2の目的を達成す
るために、請求項8に記載の発明は、点溶接電極棒と電
極ホルダとを連結する電極棒保持部材は、スタンド部材
に形成された当接面からの点溶接電極棒の突出長を調整
し得るように構成されていることを特徴とするものであ
る。上記第1および第2の目的を達成するために、請求
項9に記載の発明は、スタンド部材は、当接部の大き
さ、形状を異ならせたものが複数備えられ、これら複数
のスタンド部材のうちから、修復すべき金属板材の凹み
の大きさ、形状に適するものを選択して取り外し可能に
往復運動機構に固定し得るように構成されていることを
特徴とするものである。上記第1、第3および第5の目
的を達成するために、請求項10に記載の発明は、仮溶
着手段の電極ホルダは、電極棒保持部材と電気的且つ機
械的に一体的に連結されているが、往復運動機構に連結
された力伝達ロッドとは、電気的に絶縁されると共に相
対的に回転可能な状態で連結されていることを特徴とす
るものである。
【0028】
【作用】仮溶着手段は、溶接電源からの溶接電流の供給
を受けて、金属板材の凹み部に当接させた状態の点溶接
電極棒に溶接電流を印加することにより点溶接電極棒を
凹み部に仮溶着する機能を有する。このようにして溶着
された点溶接電極棒の周囲の凹み部には、当接部が当接
されたスタンド部材が立設された状態となり、このスタ
ンド部材に対して、空気圧で作動する往復運動機構を用
いた引張力付与手段により点溶接電極棒を引き出す方向
に引張力を付与すると、凹み部に溶着された状態の点溶
接電極棒が自動的に復元位置を若干過ぎた位置まで引き
出される。
【0029】その後、分離手段により凹み部に仮溶着さ
れた点溶接電極棒を所定範囲に亘って回動することで、
仮溶着部から点溶接電極棒を引離すことができる。上記
引張力付与手段としての往復運動機構は、手動操作レバ
ーによる開閉制御バルブの一方向への切換操作により空
気圧をシリンダ内に供給するとピストンが往動し、開閉
制御バルブの他方向への切換操作により該ピストンに対
し反対側のシリンダ室内に空気圧を供給すると、または
往動時に蓄勢されたピストンへの空気圧の供給を止め空
気圧を大気に放出するとピストンが復動する。この往復
運動機構のピストンは、力伝達ロッドと連結されている
ため、力伝達ロッドの往動により電極ホルダと電極棒保
持部材を順次に介して点溶接電極棒をスタンド部材に対
し引っ張る方向に駆動し、力伝達ロッドの復動により点
溶接電極棒を原位置に復帰させる。
【0030】スタンド部材は、先端側の当接部が金属板
材の凹み部の周囲に当接され基端側が往復運動部材のシ
リンダ側(固定側)に連結されているため、往復運動機
構のピストン側に力伝達ロッド、電極ホルダ、電極棒取
付部材を介して連結されている点溶接電極棒が、仮溶着
部から引張られるとき、点溶接電極棒の周囲の凹み部を
押圧する働きをするので、凹み部を点溶接電極棒で引張
るとき、凹み以外の金属板材を引き剥す虞れをなくす
る。このスタンド部材は、当接部の形状や大きさが種々
のものが準備されているため、金属板材の凹み部の範
囲、深さ、形状に応じて適当なものを選択し、電極棒保
持部材に取付け得るようになっている。
【0031】そして、当接部には、金属板材に対する傷
が付きにくく、且つ滑りにくい材質のカバーを設けて作
業性の向上が図られるようになっている。一方、スタン
ド部材に沿って電極棒保持部材が設けられ、点溶接電極
棒を仮溶着部から引離すときに電極棒保持部材を所定範
囲に亘って回動するための分離手段としての電極ホルダ
が設けられているが、この電極棒保持部材の軸心を中心
として回動されたときに電極ホルダが接触するスタンド
部材の中間部には、電気絶縁カバーを設け、スタンド部
材を介して溶接電流が金属板材にリークするのを防止し
ている。
【0032】点溶接電極棒と電極ホルダとを連結する電
極棒保持部材には、スタンド部材の当接部からの点溶接
電極棒の突出長さを調整し得る機能を持たせてあり、金
属板材の凹み部の深さや、点溶接電極棒の損耗に応じて
突出長さを変え得るようになっている。また、点溶接電
極棒の引き出しストロークを変化させ得るストローク調
整機構を引張力付与手段に備えているため、金属板材の
凹み部の深さ、点溶接電極棒の上記突出長さ、および金
属板材のスプリングバック量を考慮して上記ストローク
を任意に設定することが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図8を用いて詳細に説明する。先ず、図1ないし
図4を用いて構成を説明する。図1は、本発明の実施の
形態に係る金属板材の凹み修復用プーラーを一部破断し
た正面図で、図2は底面図、図3は平面図、図4は左側
面図であり、図1を中心にして構成説明する。
【0034】金属板材の凹み修復用プーラー(以下、単
に「プーラー」という)30は、往復運動機構からなる
駆動部31を有している。この駆動部31は、略立方体
の外観形状を呈し、その内部は、中空円筒状に形成され
たシリンダ32とされている。このシリンダ32には、
ピストン33が摺動可能に嵌合され、該ピストン33の
中心に孔33Aが貫通して形成され、ピストン33のシ
リンダ32と摺動する外周部には、環状溝が形成され、
この内部にOリング35が介挿され、シリンダ32の内
壁面の左右方向の空間のそれぞれが密閉空間とされてい
る。
【0035】力伝達ロッド34の左端部には、雄ねじが
形成され、この雄ねじには、ピストン33が挿入された
状態でロッシャ41を介してナット42が螺合されてお
り、これによってピストン33が力伝達ロッド34に固
定されている。このように力伝達ロッド34が固定され
たピストン33には、その左側に形成された凹み部34
B内に、圧縮ばね43の右端部(図1における)が当接
し、該圧縮ばね43の左端部がシリンダ32の左内壁に
当接し、駆動部31に対してピストン33を右方向に移
動させる付勢力が与えられている。シリンダ32の左内
壁には、該シリンダ32の図1における左側空間を外部
に連通させる2つの逃がし孔44,44が穿設されてい
る。
【0036】また、シリンダ32の右部は大径に形成さ
れ、その内部にキャップ36が嵌合している。このキャ
ップ36は、多段の円筒状にその外周部において大径部
36Aと小径部36Bが連設形成され、該キャップ36
の内周部において大径部36Cと大径部36Dが連設形
成されている。そして、キャップ36の大径部36Aの
中間には、断面が略正方形の円環状の溝が形成され、そ
の中にOリング37が介挿され、大径部36Dの内周部
にOリング39が介挿され、シリンダ32の内部(Oリ
ング35より右側の密閉空間)と外気を隔離している。
【0037】このOリング39の右側には、ドライブッ
シュ40が、キャップ36の大径部36Dの内壁面に圧
入でもって強固に固定されている、また、このドライブ
ッシュ40は、オイルレスメタルと称され注油の必要の
ないものであり、キャップ36に対して力伝達ロッド3
4の摺動動作と回転動作が許容されることになるが、詳
細は後述するも力伝達ロッド34には回転力が実質的に
は与えられず、摺動動作のみが与えられるように構成し
てある。
【0038】また、駆動部31のシリンダ32の左側の
壁の中心には、雌ねじ31Aが形成され、この雌ねじ3
1Aに調整ねじ45が捩じ込まれている。この調整ねじ
45は、力伝達ロッド34の移動ストローク、換言すれ
ばピストン33の移動ストロークを可変的に制限するた
めのものである。ピストン33の移動ストロークの右端
は、該ピストン33の右端面がキャップ36の左端面に
当接することによって規制され、移動ストロークの左端
は、力伝達ロッド34の左端面が調整ねじ45の右端面
に当接することによって規制され、その量は、調整ねじ
45の進退によって調整される。
【0039】なお、符号45Aは、調整ねじ45を回す
ためのつまみ棒であり、調整ねじ45に穿設された孔に
圧入することによって構成され、符号46は、調整ねじ
45を進退して移動ストロークを調整した後に調整ねじ
45を固定するためのロックナットであり、その外周面
にローレット加工が施され手指で回し易いようになって
いる。このような駆動部31の右端面には、スタンド4
7の固定用基部48が2本の固定ねじ52を用いて駆動
部31に対して強固に一体固定されている。このスタン
ド47は、全体が略角柱状を呈し、固定用基部48と当
接部49の間に脚部50を有している。
【0040】このスタンド47については、後述するこ
ととし、電極ホルダ53の詳細構造について先に説明す
る。力伝達ロッド34の右端側に小径部34Dを有し、
その端部に雄ねじ34Eが形成されている。この小径部
34Dには、U字状をなす電極ホルダ53の一方側の基
部が絶縁性と潤滑性の良好な、2つの絶縁ブッシュ54
を介して回転自在に嵌合され、雄ねじ34Eにワッシャ
55を介してナット56が捩じ込まれることによって電
極ホルダ53の抜け止めがなされている。
【0041】この電極ホルダ53は、導電性が良好な真
鍮等の銅系統の金属で作られ、電極ホルダ53の一端側
は、厚手の材料で略U字状(二又状)に形成され、他端
側には電極接続端子62が挿通される電極端子取付け穴
53Aが形成され、この電極端子取付け穴53Aの軸方
向に直交する方向に貫通する雌ねじ53Bが形成され、
この雌ねじ53Bに固定ねじ63が捩じ込まれ、電極接
続端子62の周面を強固に押し付けて電極ホルダ53に
電極接続端子62を一体に固定している。この電極接続
端子62には、グリップ部62Aが設けられている。
【0042】略U字状の電極ホルダ53の左辺側は、孔
53Cが穿設され、この孔53Cには、前述のように2
つの絶縁ブッシュ54によって力伝達ロッド34に対し
て回転自在になっていて、該電極ホルダ53の略U字状
の右辺側には、孔53Cの中心と一致する中心を有して
孔53Dが穿設されている。この孔53Dには、電極取
付けボルト57の大径基部57Aが挿入され、径方向に
貫通して形成された孔57Bにスプリングピン60を圧
入することによって電極ホルダ53と電極取付けボルト
57が一体的に固定され、大径基部57Aに形成された
円環状溝部57Cに固定ねじ61の先端を押しつけて締
め付けることによってさらに強固に固定される。
【0043】このような電極取付けボルト57は、電極
ホルダ53の材質と同様に導電性が良好な真鍮等の銅系
統の金属で作られている。このような電極取付けボルト
57の雄ねじ部57Dは、点溶接電極棒58の基部に軸
方向に形成された雌ねじ部58Aに捩込まれ、ロックナ
ット59によって電極取付けボルト57に一体固定され
る。尚、上記スプリングピン60または固定ねじ61の
いずれか一方は、省略してもよい。また、点溶接電極棒
58の突出長さL1は、ロックナット59を緩めて点溶
接電極棒58と電極取付けボルト57との位置を調整す
ることによって所望の値にすることができるようになっ
ている。
【0044】このような電極ホルダ53の他端側には、
電極端子取付け穴53Aが穿設され、この電極端子取付
け穴53Aに電極接続端子62を挿入し、固定ねじ63
を締め付けることによって電極ホルダ53に電極接続端
子62を電気的にも機械的にも強固に固定することがで
きる。この電極接続端子62には、作業者の手で握り易
いような外形状を有するグリップ部62Aが固着されて
いる。
【0045】尚、図示は省略したが、グリップ部62A
内に溶接電流の供給をオン/オフするための溶接電流通
電スイッチ(以下「リモートコントロールスイッチ」と
いう)を設けることもできる。このリモートコントロー
ルスイッチを設けることにより、溶接機本体側を手動モ
ードにしたときに、グリップ部62Aで溶接電流を手動
的に流したり、断ったりすることができ、極めて便宜な
ものとなる。
【0046】次にスタンド47の詳細について説明す
る。スタンド47の固定用基部48は、駆動部31の右
部に2本の固定ねじ52を用いて強固に一体固定されて
いる。このスタンド47の固定用基部48には、図2と
図3にも示すように右方に延びる脚部50を有し、該脚
部50の先端には、当接部49が形成されている。換言
すれば、スタンド47は、基部に上記往復運動機構が固
定され、中間部に、上記電極ホルダ53が所定角度(例
えば270°〜320°)回転することを妨げないよう
な切落部を有し、先端部に上記点溶接電極棒58の先端
部の周囲の一部を上記修復用金属板材の凹み部を引き出
す際に当接可能な当接部49を有しているということで
ある。
【0047】詳しくは、固定用基部48の形状は、長辺
が駆動部31の側面幅に略等しく設定され、短辺がその
約1/2に設定された矩形状を呈していて、また内方の
長辺は、駆動部31から突出する力伝達ロッド34を完
全に逃げるような半円状の切欠きが形成されている。一
方、脚部50は、固定用基部48の外方側から延出し、
断面が略矩形を呈し、駆動部34と点溶接電極棒58等
々の直線移動(左右方向の移動)を妨げないようになっ
ていて、その中間部に電気絶縁性を有する絶縁カバー5
0aが設けられている。
【0048】この絶縁カバー50aは、グリップ部62
Aを手で握って電極ホルダ53を力伝達ロッド34を中
心にして回転させたときの回転ストッパーの役目、即
ち、図6に示すように電極ホルダ53の一側の側面が絶
縁カバー50aに当接する位置から他側の側面が絶縁カ
バー50aに当接する位置までの角度Pを可動角度範囲
として規制するものである。これと共に、脚部50は、
導電性材料で形成されている場合に、電極ホルダ53が
回転されたときに該電極ホルダ53が脚部50の中間部
に接触して溶接電流が流れることを防止する機能も有し
ている。
【0049】このような脚部50の先端に形成された当
接部49の先端には、図5および図6にも示すように、
シリコンゴム等の軟質材料で形成されたカバー49aが
被せられている。このカバー49aは、修復用金属板材
に対する傷付きを防止する機能と、修復用金属板材に対
する滑りを防止する機能を有している。また、この当接
部49は、点溶接電極棒58を囲繞する仮想正方形の4
辺部のうちの脚部50の一側の外方から点溶接電極棒5
8の先端部を目視で観察できるようにした範囲に亘って
設けられ、その下方側にはカバー49aが被せられてい
る。
【0050】なお、このようなスタンド47は、図4に
示すように駆動部31に4つ穿設された孔31B,31
B…のうちの、下側の2つの孔31B,31B…に固定
ねじ52を挿通して捩じ込むことによって駆動部31と
スタンド47とを一体固定しているので、左利きの作業
者の左手でグリップ部64を掴み右手でグリップ部62
Aを掴んだ状態で右側から当接部49を覗き込んで点溶
接電極棒58の先端に位置する仮溶接部の位置決めがご
く自然な姿勢で行えるのである。
【0051】また、右利きの作業者の場合には、その姿
勢に不自然さがあるので、右手でグリップ部64を掴み
左手でグリップ部62Aを掴んだ状態で左側から当接部
49を覗き込んで点溶接電極棒58の先端に位置する仮
溶接部の位置決めを自然な姿勢で行うために、図4にお
いて駆動部31に穿設された4つの孔31B,31B…
のうちの上側の2つの孔31B…に固定ねじ52を挿通
して捩じ込み、駆動部31とスタンド47とを前述とは
逆の方向に一体固定することによって、点溶接電極棒5
8の先端に位置する仮溶接部の位置決めがごく自然な姿
勢で行うことができる。
【0052】また、スタンド47の先端に有する当接部
49の形状は、前述例の他に修復金属板材に当接する範
囲(大きさ)を異ならせたものや当接箇所を3点あるい
は円形にしたもの等々を複数準備し、この複数のスタン
ドのうちの所望のものを駆動部31に選択的に固定する
ようにすれば修復作業のあらゆる態様に対応させること
ができる。
【0053】次に、グリップ部64の概略について図
1、図4を用いて説明する。グリップ部64は、手で掴
み易いような外観形状を有し、その先端部にエアー導入
口65を有している。このエアー導入口65には、シリ
ンダ32内のピストン33を一側の方向、即ち、右方か
ら左方に駆動するための駆動源となるもので、その圧力
は、この例では7kg/cm2 の圧力に設定されている。
【0054】また、グリップ部64の基端部側には、外
形が略長方形を呈する固定用基部66が形成され、この
固定用基部66は、駆動部31にワッシャ67を介して
固定ねじ68で強固に固定されている。また、図1、図
4のそれぞれにおけるグリップ部64の右方に手動操作
レバー70がスプリングピン69にて回動自在に支持さ
れ、手動操作レバー70の根元に近い中間部の内壁で、
右方側に突出付勢された切換バルブ72の当接部72B
を押圧することによってエアー開閉制御がなされるよう
になっている。
【0055】次に、グリップ部64の有するエアー開閉
制御部の詳細を図8を用いて説明する。グリップ部64
の固定用基部66の近傍には切換バルブ72が摺動自在
となる孔64Aが穿設されている。また、駆動部31の
シリンダ32の内壁面には、外部まで貫通して穿設され
た連通路aを有している。グリップ部64の長手方向に
はその先端部に形成されたエアー導入口65に連通する
導入路71が形成され、その導入路71には連通路fが
連設されている。この連通路fは、導入路71側から穴
明け加工することが難しいためにその反対面、即ち、固
定用基部66の端面側から閉塞路eとして穴明け加工
し、その上部孔を埋込みねじgによって閉塞路eとし、
下部を連通路fとしている。
【0056】この閉塞路eに並行して連通路cが穿設さ
れ、その基端側が大径とされていて、上述の連通路aと
穴芯が一致され、且つOリングdによって駆動部31と
グリップ部64の機密が保持され連通路cとシリンダ3
2が連通状態にされている。この連通路cに並行して連
通路bが穿設され、その先端部が孔64Aに連通し、他
端部はグリップ部64に設けた外気に連通するエアー逃
げ口hに連通している。
【0057】孔64A内部には、切換バルブ72が挿入
され、その左部に小径段部が形成されており、グリップ
部64にねじ込まれたキャップ77の内面と小径段部と
の間に介挿された圧縮ばね76によって右方に押され、
その先端の当接部72Bが手動操作レバー70の中間部
の内壁を反時計方向に押圧付勢している。したがって通
常は手動操作レバー70は、反時計方向のばね付勢力を
受けて所定の突出位置を保持している。手動操作レバー
70を押すことによって当接部72Bが押し込まれ、切
換バルブ72が左方に移動されることになる。
【0058】切換バルブ72の中間部には、二つのOリ
ング73,74によって挟まれ且つ小径とされた部分に
第1連通路72Cが形成され、二つのOリング74,7
5によって挟まれ且つ小径とされた部分に第2連通路7
2Dが形成され、第1連通路72Cと第2連通路72D
のそれぞれが密閉空間として形成されることになり、平
生は、図7に示すように、導入路71を介して導入され
るエアーが連通路fを介して第1連通路72Cに流入し
閉塞路eによって遮蔽された状態にある。
【0059】シリンダ32の右空間32A、即ち、ピス
トン33の嵌装されたOリング35を境にして右方側に
形成される空間は、連通路aと第2連通路72Dと連通
路bを介してエアー逃げ口hに連通し、大気圧となって
いる。また、シリンダ32の左空間32B、即ち、ピス
トン33に嵌装されたOリング35を境にして左方に形
成される空間は、逃がし孔44,44を介して、大気圧
と連通している。一方、手動操作レバー70により当接
部72Bを押したときには、図8に示すように切換バル
ブ72が圧縮ばね76の付勢力に抗して左方に移動され
る結果、導入路71を介して導入されるエアーが連通路
fと第2連通路72Dと連通路bと連通路aを順次に介
してシリンダ32の右空間32A内に供給される。
【0060】するとピストン33が圧縮ばね43を蓄勢
しながら左方向に移動し、この移動は、力伝達ロッド3
4の左端面が調整ねじ45の右端面に当接するまで行わ
れる。このとき、左空間32Bが圧縮されることになる
が逃がし孔44,44の存在によりピストン33の左方
向移動の抵抗力となることはない。このようなピストン
33の左方への移動に伴なって力伝達ロッド34が左方
向に移動する。このようにしてエアー制御がなされるの
である。
【0061】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る金属板材の凹み修復用プーラーにおける
動作について説明する。金属板材の凹み修復を行うに先
立って、スタンド47の当接部49のカバー49aの形
成面から右方に向けて突出する点溶接電極棒58の突出
長L1の調整と駆動部31のストロークL2の調整を行
う。突出長L1の調整は、電極取付けボルト57とロッ
クナット59との締め付けを緩め、点溶接電極棒58を
回転させることによって電極取付けボルト57に対して
軸方向に進退させ突出長L1を所望の値にしてからロッ
クナット59を締め付けることによって電極取付けボル
ト57に強固に点溶接電極棒58が固定される。
【0062】この突出長L1は、修復金属板材に生じる
凹みの深さに多少の余裕長さ(例えば1〜数mm程度)を
加え合わせたものとする。次にストロークL2の調整を
行う。このストロークL2は、力伝達ロッド34の作動
ストロークであり、ピストン33がその右端面がキャッ
プ36の左端面に当接している位置、即ち図1および図
7に明示する位置から力伝達ロッド34の左端面が調整
ねじ45の右端面に当接する位置、即ち図8に明示する
位置までの長さであり、ロックナット46を緩めてつま
み棒45Aの回転でもって調整ねじ45を進退(出入)
させることによって所望の値を得ることができる。この
ストロークL2は、修復金属板材に生じた凹みの深さ
に、上記点溶接電極棒58の突出長L1と金属板材の引
き出し後の戻り(スプリングバック)を加えた長さに設
定する。
【0063】次に、仮溶着について説明する。この仮溶
着は、左利きの作業者の場合には、左手でグリップ部6
4を握り、右手でグリップ部62Aを握り、且つ両グリ
ップ部62A,64の交差角度を約90度にして安定し
た姿勢で点溶接電極棒58の球面状をなす先端を修復金
属板材の凹み部に押し付けると、自動溶接モードにおい
ては、図示しない溶接電源回路の働きにより、修復金属
板材と点溶接電極棒58との間が導通状態になったこと
が検出され、その直後に溶接電流(例えば、電流が約1
500〜2300Aで持続時間が約0.1〜0.3秒)
が流され、点溶接電極棒58の先端に溶融部が形成さ
れ、この溶融部が数秒の後に固化して仮溶着部が形成さ
れる。 この溶接に際し、手動溶接モードにおいては、
グリップ部62Aに設けたリモートコントロールスイッ
チ(図示せず)により、溶接電流の通電のオン/オフを
行うことになる。しかる後、グリップ部64の手動操作
レバー70を握りしめるとその内壁で当接部72Bが圧
縮ばね76の付勢力に抗して左方向に移動され、平生は
連通路fと第1連通路72Cとの連通状態にされている
ものが断たれ、連通路fが第2連通路72Dと連通路c
と連通路aを介してシリンダ32の右空間32Aに所定
圧(この場合、7kg/cm2 )の空気圧力が供給される。
【0064】すると、ピストン33が左方向に移動し、
そのストロークL2は、基準位置、即ちピストン33の
右端面がキャップ36の左端面に当接している位置(即
ち図1および図7に明示する位置)から力伝達ロッド3
4の左端面が調整ねじ45の右端面に当接するストッパ
ー作用位置、即ち図8に明示する位置までの長さであ
り、力伝達ロッド34の左端面が調整ねじ45の右端面
に当接する位置で制限されることになる。
【0065】このようなピストン33の移動に伴って力
伝達ロッド34が左方に移動し、電極ホルダ53と電極
取付けボルト57を介して点溶接電極棒58が左方向に
ストロークL2だけ移動する。これに伴い、力伝達ロッ
ド34と電極ホルダ53と電極取付けボルト57と点溶
接電極棒58が一体となって左方に移動し、点溶接電極
棒58の先端に形成された仮溶着部が引き出され、この
引き出しは、カバー49aの面が修復用金属板の凹み部
の周囲に当接した状態でなされるので、当該修復用金属
板の全体には引っ張り力が掛からず、従来装置の難点と
されていた当該修復用金属板の全体が引きはがされてし
まうといった事態は防止される。
【0066】また、ピストン33の直径が50mmとし、
力伝達ロッド34の大径部34Cの直径を16mmとすれ
ば、エアー作動面の面積は、(π・2.5×2.5−π
・0.8×0.8)=17.61(cm2 )となる。従っ
て、エアー作動力は、エアー導入口65と導入路71を
介して導入されるエアーの圧力を7kg/cm2 とすれば、
17.61×7の約123kg/cm2 となる。このような
約123kg/cm2 の圧力でもって点溶接電極棒58の先
端の仮溶着部を引き出すことができ、しかもこれは作業
者が手動操作レバー70を単に握って押すのみで引き上
げられるので作業者負担が著しく軽減され、極めて作業
能率を高くすることができる。
【0067】従って、溶接機の出力端子を接続ケーブル
を介してグリップ部62Aと一体の電極接続端子62に
接続し、グリップ部62A部分を手で握り、点溶接電極
棒58の先端を修復金属板材の凹み部に当接させ、自動
もしくは手動で(この場合、グリップ部62Aに設けた
リモートコントロールスイッチをオンさせて)溶接電流
を供給すると点溶接電極棒58の先端部が当該凹み部に
溶着されて仮溶着部が形成される。しかる後、手動操作
レバー70を押圧すると点溶接電極棒58が引き上げら
れ、当該凹み部が復元位置を僅かに越えたときに、力伝
達ロッド34が調整ねじ45に衝接する。
【0068】この状態でグリップ部62Aにより電極ホ
ルダ53を力伝達ロッド34の軸に対して回転させる
と、仮溶着部と点溶接電極棒58の先端が分離され凹み
部の復元が行われる。その後、手動操作レバー70の押
圧を解除すると、切換バルブ72が切換りピストン33
が圧縮ばね43により復動するので、点溶接電極棒58
も初期位置に復帰する。また、電極ホルダ53の回転に
よって凹み部と点溶接電極棒58の先端を分離させた後
に再び点溶接電極棒58の先端を仮溶着部に当接し溶接
電流をごく短時間流すと当該仮溶着部が再度溶融状態と
なり、いわゆる焼き絞り加工を行うことができる。
【0069】従って、前述の金属板材の凹み修復用プー
ラーは、グリップ部64を右手(または左手)で握りグ
リップ部62Aを左手(または右手)で握った安定姿勢
状態で点溶接電極棒58の先端を修復すべき凹み部に位
置させ、別設された溶接機からケーブルを介して点溶接
電極棒58に溶接電流を供給することによって確実に仮
溶着が行え、当該仮溶着部分が固化した後に、手動操作
レバー70を単に軽く押操作することによって別設され
たエアーポンプからチューブ等を介してエアー圧力が駆
動部31のシリンダ32内に供給されてピストン33が
駆動され力伝達ロッド34がその長手軸方向に駆動され
ることに伴い電極ホルダ53を介して点溶接電極棒58
がその軸方向に駆動されて当該仮溶着部が引張り出され
て凹み部の修復がなされる。
【0070】この際に、作業者は、何等の特別な力を要
したりせず、安定姿勢で仮溶着部の位置決めを行って仮
溶着を行うことができ、しかも仮溶着部の引出しについ
ても何等の特別な力を要したりせず、手動操作レバー7
0を軽く押操作するのみで行なうことができる。仮溶着
部の引出し完了後、引出し力が印加されている状態で行
われる点溶接電極棒58と仮溶着部との分離を行うこと
ができ、具体的には、グリップ部62Aを握って回動さ
せることによって電極ホルダ53が回動され点溶接電極
棒58の先端、即ち仮溶着部が簡単に剥離されるので、
一連の修復作業の能率が著しく向上し、しかも作業者に
大きな力を要求しないので、一連の修復作業を楽に行う
ことができ作業疲労も非常に少なくなるという大きな利
点がある。
【0071】また、電極ホルダ53は、電極接続端子6
2付きのグリップ部62Aと連設されてこの実施の形態
の場合、修復すべき凹み部に仮溶着する溶接電流を供給
する機能と、仮溶着された状態で点溶接電極棒58の引
き出しを中継する機能と、点溶接電極棒58を回転させ
て仮溶着部から剥離する機能を兼ね備えさせることによ
って、部材の節減化、構成の簡略化によるコストダウ
ン、作業性の向上を図っている。これらの機能を共通し
て達成するために、電極ホルダ53について、次のよう
な工夫が施されている。
【0072】即ち、この電極ホルダ53は、溶接電流を
電極接続端子62と電極ホルダ53とを介して供給する
際に、電極ホルダ53に通電される電流が力伝達ロッド
34や駆動部31やグリップ部64に流れると危険であ
ると共にピストン33とシリンダ32との間や金属同士
の接合部に電蝕を生じ故障の原因となるので、絶縁ブッ
シュ54を介して力伝達ロッド34に取り付けてある。
また、ピストン33が電極ホルダ53の回動時に一緒に
回動すると、Oリング35等を傷めるので、ピストン3
3と一体をなす力伝達ロッド34が回動しないように、
力伝達ロッド34に対して回転自在で且つ軸方向の移動
に対してのみ一体化されるように構成されている。
【0073】また、エアーの圧力で強力な引張力が印加
されるので楽な姿勢でもって作業を行うことができ、作
業能率が良好で危険が伴わず快適な作業を行うことがで
きる。また、修復すべき凹み部を復元する際には、仮溶
着部の周囲が当接部49によって当接された状態で当該
仮溶着部を引き出すようにしているので、修復用金属板
材の外周部が強固に固定されていない場合に、修復用板
材の全体がはがされてしまうといった欠陥がない。
【0074】また、この引張りの際には、金属製の当接
部49を直接に修復用板材に当接させずに軟質のカバー
49aを介して当接させているので、当該当接面を傷付
けてしまうことが防止される。また、修復すべき凹み部
の表面側に広い作業スペースが得られない場合であって
も作業者は、引き出しの際に大きな力を要せず、エアー
の圧力で強力な引張力が印加されるので無理のない姿勢
でもって作業を行うことができる。また、凹み部の引き
出しを行う際の騒音は、エアー制御のごく僅かの音のみ
であるので、図9や図11に示した従来例において問題
とされた騒音によって作業所の環境を悪化させるような
ことがなく、静かな環境下で金属板材の凹み修復作業を
快適に行うことができる。
【0075】また、スタンド47の当接部49によって
仮溶接部の周囲が当接された状態で仮溶着部の持上げが
行われるので、凹み部の引き出し量が一定し、熟練でな
くても安定した金属板材の凹み修復作業を行うことがで
きる。この際の、引張りの程度、即ち、引張りストロー
クは、調整ねじ45を駆動部31に対して進退させるこ
とによって極めて容易に調整できるので修復すべき凹み
部の深さやその範囲に応じて最も適正な値にすることが
できる。また、点溶接電極棒58は、電極取付けボルト
57に対して着脱自在にされ、しかもその当接部49か
らの突出量L1も任意のものに調整できる。また、当該
点溶接電極棒58の長さが消耗により短くなったときの
突出長さL1の再調整や交換も容易に行うことができ
る。
【0076】なお、本発明の実施の形態は、前述した金
属板材の凹み修復用プーラーのみに限定されることな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形を行うこ
とができることは勿論である。例えば、点溶接電極棒5
8を駆動する駆動源としてエアーによる往復運動機構を
設けているが、電動で回転するモータを駆動源とし、こ
のモータの駆動力を減速歯車機構(例えば遊星歯車機
構)を介して、ピニオンに伝達し、このピニオンの回転
を、例えば力伝達ロッド34の一部に形成したラックに
伝達するように構成してもよい。
【0077】また、スタンド47の脚部50に絶縁カバ
ー50aを設けることによって電極ホルダ53に対する
電気絶縁を行っているが、電極ホルダ53の側に電気絶
縁を行う絶縁カバー等の部材を設けるようにしても良い
ことは勿論である。また、仮溶着もしくは焼き絞りのた
めの溶接電流を供給する際のスイッチ制御は、プーラー
30とは別個に設けられたスイッチによって行ったり、
グリップ部62Aの近傍にスイッチを取付けて行うよう
にしても良いことは勿論である。
【0078】また、上記実施の形態において、エアー式
の往復運動機構の移動速度を変化させるには、手動操作
レバー70のグリップ部64方向への引き寄せ動作をゆ
っくり行ったり、急速に行ったりすることである程度行
うことができるが、エアーの通過量を変化する速度コン
トロールバルブを、例えばグリップ部64のエアー導入
口65に介挿するようにしてもよい。
【0079】このように構成することにより、凹みの引
出し速度を修復対象によって異ならせることができ、例
えば広範囲に亘る浅い深さの凹みについては、引出し速
度を早くして作業能率を上げることができ、また深い凹
みの修復については引出し速度を緩速にして金属板材の
伸びや疲労を極力減らすことができるなど、使い分けが
できて甚だ好都合である。
【0080】
【発明の効果】以上詳しく説明したところにより明らか
なように本発明によれば、第1に、金属板材の凹み部の
引き出しに際し、従来装置のように錘で衝撃力を与えた
り、手動により引張力を加えるといった特別の体力を何
ら必要せず、楽に行え、長時間の作業を継続しても疲労
が少なく、極めて高い作業効率でもって行い得る金属板
材の凹み修復用プーラーを提供することができる。
【0081】第2に、金属板材の凹み量が一定である場
合には、復元位置を若干過ぎた位置まで常に一定量の引
張りが可能であり、また、修復すべき凹み部が浅い場合
は勿論のこと、手動では不可能な相当深い凹み部であっ
ても修復可能であり、その凹み量が変化する金属板材で
ある場合には、ストローク調整機構で対応することがで
き、凹み部の深さや修復すべき金属板材の厚み等によっ
て操作力を変える必要がなく、熟練を要さずとも、適正
且つ良好な修復が簡単に且つ能率よく行い得る金属板材
の凹み修復用プーラーを提供することができる。
【0082】第3に、点溶接電極に対し、溶接電流が効
率よく伝達され、不必要な部材への溶接電流の流れを阻
止し、電蝕による不具合の発生を防止すると共に、本来
の溶着部位以外の部位の発熱を抑制し、併せて不用意に
電源の他側の電極が接続されている金属板材に凹み修復
用プーラーの一部が接触してその金属板材や、凹み修復
用プーラーに損傷を与えることのない金属板材の凹み修
復用プーラーを提供することができる。
【0083】第4に、修復すべき凹み部を復元する際
に、仮溶着部の周囲が浮き上がらないようにスタンド部
材の当接部で点溶接電極棒の周りを押さえ付けながら、
仮溶着部を引き出すようにしているため、修復用金属板
材の全体を引き剥してしまうことがない金属板材の凹み
修復用プーラーを提供することができる。
【0084】第5に、電極ホルダに、溶接電流伝達機能
と、引張力付与手段の力を点溶接電極棒に中継して伝達
する機能と、仮溶着された点溶接電極棒を引き離すため
の該点溶接電極棒を回動する機能およびこの凹み修復用
プーラーの仮溶着時における把手の機能等を持たせて、
構成の簡略化、部材の共用によるコストの低減化、耐久
性の向上を併せて実現化し得る金属板材の凹み部の修復
用プーラーを提供することができる。
【0085】第6に、分離手段の要素としての電極ホル
ダで点溶接電極棒を回動することにより仮溶着された点
溶接電極棒を金属板材より容易、確実に引き離すことが
でき、特に、点溶接電極棒の引き出し状態下でも楽にそ
の引き離しを行ない得、しかもこの電極ホルダの回動動
作にも拘わらず、往復運動機構への回動伝達がなされな
いようにして往復運動機構の無用な損耗を防止し長期使
用に耐える金属板材の凹み修復用プーラーを提供するこ
とができる。
【0086】第7に、スタンド部材は、当接部の大き
さ、形状を異ならせたものを複数備えてあるため、修復
すべき金属板材のいかなる凹みの大きさ、形状にも充分
に対応して、適切な凹み部の復元を行い得る金属板材の
凹み部の修復用プーラーを提供することができる。
【0087】第8に、スタンド部材には、カバーを設け
てあるから、修復時の金属板材への傷付きを防止し得る
と共に、スタンド部材の滑りを防止し得る金属板材の凹
み修復用プーラーを提供することができる。第9に、電
極ホルダの回動操作時の接触するスタンド部材の中間部
に電気絶縁カバーを設けたので、溶接電流が電極ホルダ
からスタンド部材を介してリークするのを防止し得る金
属板材の凹み修復用プーラーを提供することができる。
特に、請求項1に記載の発明によれば、上述した第1〜
第9に記載の効果のうち、少なくとも、上記第1、第
4、第5、第6に記載する効果を奏し得る金属板材の凹
み修復用プーラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属板材の凹み修復
用プーラーの全体構成を一部破断して示す正面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係る金属板材の凹み修復
用プーラーの平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る金属板材の凹み修復
用プーラーの底面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る金属板材の凹み修復
用プーラーの左側面図である。
【図5】図1ないし図4中に示されるスタンドの当接部
を示す底面図である。
【図6】図1ないし図4中に示されるスタンドの脚部と
電極ホルダの回動範囲との関係を示す底面図である。
【図7】図1中に示されるグリップ部および駆動部の内
部構造を一部破断し拡大して示す正面図である。
【図8】図7中に示されるグリップ部のエアー開閉制御
の動作を説明するための一部破断拡大正面図である。
【図9】従来の金属板材の凹み修復用プーラーの第1例
を示す斜視図である。
【図10】従来の金属板材の凹み修復用プーラーの第2
例を示す斜視図である。
【図11】従来の金属板材の凹み修復用プーラーの第3
例を示す正面図である。
【図12】従来の金属板材の凹み修復用プーラーの第3
例を示す左側面図である。
【図13】従来の金属板材の凹み修復用プーラーの第3
例を示す右側面図である。
【図14】従来の板金用引き出し具の第4例を示す斜視
図である。
【符号の説明】 30 プーラー 31 駆動部 32 シリンダ 33 ピストン 34 力伝達ロッド 35,37,39,73,74,75,d Oリング 36 キャップ 38 Cリング 40 ドライブッシュ 41 ワッシャ 42,56 ナット 43,76 圧縮ばね 44 逃がし孔 45 調整ねじ 46,59 ロックナット 47 スタンド 48 固定用基部 49 当接部 50 脚部 52 固定ねじ 53 電極ホルダ 54 絶縁ブッシュ 55 ワッシャ 57 電極取付けボルト 58 点溶接電極棒 60,69 スプリングピン 61,63 固定ねじ 62 電極接続端子 64 グリップ部 65 エアー導入口 66 固定用基部 67 ワッシャ 68 固定ねじ 70 手動操作レバー 71 導入路 72 切換バルブ 72A 基部 72B 当接部 72C 第1連通路 72D 第2連通路 77 キャップ a,b 連通路 c 連通路 e 閉塞路 f 連通路 g 埋込みねじ h エアー逃げ口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 1/06 B21D 1/12 B60S 5/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点溶接電極棒の先端を、修復用金属板材
    の凹み部に仮溶着し、該点溶接電極棒を引張ることによ
    り該凹み部を原位置近傍まで引き出すのに用いる金属板
    材の凹み修復用プーラーにおいて、点溶接電極棒に溶接
    電流を供給することにより該点溶接電極棒を金属板材の
    凹み部に仮溶接する仮溶着手段と、上記凹み部の周囲に
    当接され、上記点溶接電極棒に沿って立設されるスタン
    ド部材と、このスタンド部材に対して少なくとも上記点
    溶接電極棒を引き出す方向に空気圧で作動する往復運動
    機構によって引張力を付与し、上記凹み部に溶着された
    状態の上記点溶接電極棒を復元位置を若干過ぎた位置ま
    で引き出す引張力付与手段と、上記往復運動機構に連結
    された力伝達ロッドと前記点溶接電極棒を着脱自在に保
    持する電極棒保持部材とを中継し、上記電極棒保持部を
    介して上記点溶接電極棒を適宜角度に亘って回動するこ
    とにより上記凹み部に仮溶着された上記点溶接電極棒を
    上記凹み部から引離す電極ホルダよりなる分離手段と、
    を具備することを特徴とする金属板材の凹み修復用プー
    ラー。
  2. 【請求項2】 引張力付与手段は、手動操作レバーによ
    る開閉制御バルブの一方向への切換操作により空気圧が
    シリンダ内部に供給されてピストンが往動し、上記手動
    操作レバーによる該開閉制御バルブの他方向への切換操
    作により該ピストンが空気圧または往動時に蓄勢された
    ばね力により復動する往復運動機構で構成したことを特
    徴とする請求項1に記載の金属板材の凹み修復用プーラ
    ー。
  3. 【請求項3】 引張力付与手段は、点溶接電極棒の引き
    出しストロークを変化させ得るストローク調整機構を備
    えていることを特徴とする請求項2に記載の金属板材の
    凹み修復用プーラー。
  4. 【請求項4】 仮溶着手段は、修復用金属板材の凹み部
    に仮溶着される点溶接電極棒と、この点溶接電極棒を着
    脱可能に保持する電極棒保持部材と、この電極棒保持部
    材と往復運動機構に連結された力伝達ロッドとを中継
    し、上記電極棒保持部材を介して上記点溶接電極棒に溶
    接電流を供給する電極ホルダとからなることを特徴とす
    る請求項1に記載の金属板材の凹み修復用プーラー。
  5. 【請求項5】 分離手段は、往復運動機構に連結された
    力伝達ロッドと電極棒保持部材とを中継し、上記電極棒
    保持部材を介して上記点溶接電極棒を所定角度範囲に亘
    って回動し得ると共に、電極接続端子を電気的且つ機械
    的に着脱可能に接続し得るように構成した電極ホルダで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板
    材の凹み修復用プーラー。
  6. 【請求項6】 スタンド部材は、基部に往復運動機構の
    不動部が固定され、先端部に点溶接電極棒を部分的乃至
    は全体的に囲繞するように配設される当接部が形成さ
    れ、その当接部に修復用金属板材に対する傷付きと滑り
    を防止得るカバーを設け、柱状を呈する中間部に上記
    電極ホルダが所定範囲に亘って回動するのを妨げないよ
    うな切落部が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の金属板材の凹み修復用プーラー。
  7. 【請求項7】 スタンド部材は、導電性材料で形成さ
    れ、点溶接電極棒の軸心を中心として電極ホルダが回動
    されたときに該電極ホルダが接触する中間部に電気絶縁
    カバーを設けたことを特徴とする請求項6に記載の金属
    板材の凹み修復用プーラー。
  8. 【請求項8】 点溶接電極棒と電極ホルダとを連結する
    電極棒保持部材は、スタンド部材に形成された当接面か
    らの点溶接電極棒の突出長を調整し得るように構成され
    ていることを特徴とする請求項6に記載の金属板材の凹
    み修復用プーラー。
  9. 【請求項9】 スタンド部材は、当接部の大きさ、形状
    を異ならせたものが複数備えられ、これら複数のスタン
    ド部材のうちから、修復すべき金属板材の凹みの大き
    さ、形状に適するものを選択して取り外し可能に往復運
    動機構に固定し得るように構成されていることを特徴と
    する請求項6または7に記載の金属板材の凹み修復用プ
    ーラー。
  10. 【請求項10】 仮溶着手段の電極ホルダは、電極棒保
    持部材と電気的且つ機械的に一体的に連結されている
    が、往復運動機構に連結された力伝達ロッドとは、電気
    的に絶縁されると共に相対的に回転可能な状態で連結さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載の金属板材の
    凹み修復用プーラー。
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