JP3170398B2 - 空調機の洗浄装置 - Google Patents

空調機の洗浄装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天井面等の高所に取付
けた空調機の内部に設置されている熱交換器を、人手に
頼ることなく迅速・確実に、しかも、効率的に洗浄する
ための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、暖房用、冷房用あるいは換気用
として空調機(エアーコンディショナー)が広く使用さ
れている。そして、今日では、設置場所の関係から、病
院、飲食店や一般商店等においては、天井埋込型、ある
いは天井吊下型等天井面等の高所を利用して設置する空
調機が急速に普及している。然るに、前記空調機は、室
内の天井面等の高所に据付けられているため、清掃に際
して例えば、空気流入孔内側のエアーフィルターや、熱
交換器等に付着している塵芥や綿埃を取り除くような場
合は、踏台や脚立を使ってエアーフィルターを取り外し
てこれを水洗いしたり、又、熱交換器については、雑巾
を用いて拭いたり、電気掃除機を使用して綿埃等を吸引
除去していた。しかし、前記清掃作業は清掃中に塵芥等
が床面、商品ケース、机等に落下したり飛散することが
多く、このため、清掃に先立って床面にシートを敷いた
り、商品ケースや机等には布を被せる等の準備作業を必
要としていたので、非常に手間がかかり面倒であった。
又、清掃作業に際してはすべて人力に頼ることになるた
め、人手を要するとともに熱交換器を雑巾で拭いたり、
電気掃除機で塵埃を吸引しても、熱交換器自体に付着し
ている綿埃や油脂分、たばこのヤニ等を除去することは
できなかった。
【0003】
【発明が解決するための課題】このため、最近では例え
ば、図5で示すように、天井埋込型の空調機1の図示し
ない空気吸込みグリルやファン用電動機に取付けたファ
ンランナ等の部品を取外した後、空調機1の下側をビニ
ールカバー2により被包し、このカバー2の下方端に排
液ホース3を取付けてこれを排液槽4まで垂下させる。
そして、洗剤液槽5内の洗剤液をポンプ6によりホース
7を介して噴射器8に給送し、噴射器8のノズル9をビ
ニールカバー2に開口した孔部10からカバー2内に差
込み、空調機1内の図示しない熱交換器の位置を確認し
た後、噴射圧力を調整した洗剤液を噴射して洗浄を行
う。熱交換器を洗浄した排液は順次ビニールカバー2内
に流下し排液ホース3を通って排液槽4に収容される。
なお、洗剤液による洗浄後は、洗浄水(清水)をノズル
9から噴射し、熱交換器の水洗いを行っていた。
【0004】前記の洗浄においては、洗剤液の噴射によ
り熱交換器に付着している塵埃等を良好に除去すること
ができる反面、洗浄作業に際しては、作業者が噴射器を
手に持って脚立に登り、ノズルを熱交換器に向けて洗剤
液を順次噴射しながら洗浄を行っていたので、作業は脚
立上での不安定な状態で行うこととなり、極めて作業性
が悪く、即ち、洗浄する熱交換器の位置に対応して脚立
を移動させながらの人力による洗浄作業を行っていたた
め、作業は多大の労力と時間を要するとともに、脚立上
での作業であるため非常に危険であった。又、洗剤液や
洗浄水は熱交換器に向けて噴射するものの、近くにはフ
ァン用電動機(図示せず)が取付けられている関係上、
噴射時の跳ね水等が電動機まで飛散することが多々あ
り、この結果、前記ファン用電動機の周囲に防水手段を
特別に施して跳ね水等による弊害を排除する必要があっ
た。
【0005】又、前記のように、作業者が噴射器を手に
持って熱交換器を洗浄する代りに、例えば、図6に示す
ように、空調機1の下部開口部を被う円錐状のフード1
1と、このフード11内に具備した洗剤液及び洗浄水を
個別に給送して噴出させるノズル12,13と、フード
11の下部に取付けられて洗剤液や洗浄水の排液を排出
するための排出管14と、屋外のトラック等の車輌15
に積載したノズル12にホース12aを介して連通する
洗剤液タンク16と、同じくノズル13にホース13a
を介して連通する水タンク17と、コンプレッサ18
と、更に、前記排出管14と連通する排液タンク19と
を備えて洗浄装置を構成し、熱交換器20の洗浄に際し
ては、ノズル12,13からそれぞれ洗剤液及び洗浄水
を噴出させて清掃を行っていた。この洗浄装置は洗浄を
必要とする空調機に近接して設置することにより、人力
に頼ることなく容易に洗浄水等を噴出させて洗浄作業を
行うことができるため至便である。
【0006】しかし、洗浄時は熱交換器に向けて洗浄水
等を噴射するため、前記と同様にファン用電動機に防水
手段を別に施すか、あるいは、ファン用電動機を取り外
す等して洗浄水等の噴射に伴う弊害を排除しなければな
らず、その上、ノズル自体が固定されているため、洗浄
個所が限定されて効率的な洗浄が行えない。又、各種の
タンクやコンプレッサ等は屋外のトラック等の車輌に搭
載してあるので、作業に当っては駐車スペースを必要と
し、かつ、各種タンクとノズルとをホースで連結してい
る関係上、高層の建屋に洗浄を行う空調機が存在する場
合は、洗浄水等がその揚程の極端な低下をもたらせた
り、ホースの接続部から漏水する等して使用できなくな
るおそれがあった。更に、コンプレッサ等の駆動源は、
トラック等の車輌のエンジンにより発電機を駆動して得
ることになるため、騒音が発生し、深夜等に洗浄作業を
行うことは問題があった。
【0007】本発明は、前記の種々な問題点に鑑み天井
埋込型あるいは天井吊下型等の空調機に組込まれている
ファン用電動機に悪影響を与えることなく、熱交換器
に、洗浄水等の液体を前記熱交換器の内周面に沿って旋
回するノズルユニットにて効率的に噴射させることによ
り、熱交換器の洗浄作業を人力に頼ることなく、迅速・
容易に、しかも、安全に行うことができるようにした簡
素な構成の空調機の洗浄装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を解決するために、空調機のファン用電動機の回転子軸
を遊合する空孔を形成した回転筒体及びこの回転筒体を
前記回転子軸を中心として回転させる電動機とを備えて
構成した回転ユニットと、前記回転ユニットを内蔵し、
かつ、該回転ユニットをファン用電動機の下部におい
て、前記ファン用電動機の外周面を囲繞した状態で垂下
保持させる回転ユニット取付筒と、前記回転ユニット取
付筒の下側に回転ユニットと回転自在に連結されて該回
転ユニット取付筒の外側に熱交換器と相対向して垂直に
延設したノズルユニットと、このノズルユニットに縦列
配置した液体噴出用の複数のノズルと、前記ノズルユニ
ットの基部を回転自在に支持するノズルユニット支持筒
と、ノズルユニット支持筒と洗剤液及び洗浄水の各タン
クとを連通可能に接続する液体給送ホースと、前記洗剤
液等の液体を吸引・加圧して液体給送ホースに給送する
液体給送ポンプと、空調機の下部開口面を被包する逆角
錐形となした漏斗状のフードカバーと、更に、このフー
ドカバーの下方端と排液タンクとを連通可能に接続する
排液ホースと、前記排液タンクと洗剤及び洗浄の各液体
を収容するタンクとを個別に乗載する台車と、洗剤液及
び洗浄水の給送ポンプと回転ユニットの回転等を所定の
シーケンスに従って駆動制御するための制御装置とを具
備して洗浄装置を構成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明は、前記構成の採用により、空調機内の
熱交換器を洗浄する場合は、空調機から洗浄作業に不要
なものを取外した後、空調機の下側開口端より電動駆動
する回転ユニットを内蔵した回転ユニット取付筒を、フ
ァン用電動機の外側に該電動機を包囲するように取付け
て、前記回転ユニットに連接したノズルユニットを空調
機の熱交換器と相対応させ、前記ノズルユニットを、液
体給送ホース及びポンプを介して洗剤・洗浄の各液体を
収容したタンクに連結し、つづいて、空調機の下側開口
端を漏斗状のフードカバーにより被包し、このフードカ
バーの下方端に止着した排液ホースを排液タンク内に垂
下させることにより、本発明の洗浄装置の取付けを終え
る。
【0010】つづいて、制御装置からの指令により液体
給送ポンプを駆動して洗剤液等の液体をノズルユニット
に給送するとともに、回転ユニット内の電動機を起動
し、回転ユニットによりノズルユニットをフアン用電動
機を中心として熱交換器の内周面に沿って旋回させ、ノ
ズルユニットのノズルから洗剤液等の液体を噴出させて
熱交換器の洗浄を行い、洗浄後の排液はフードカバーが
受けて排液タンクに排出するようにしたので、液体を噴
出させての洗浄作業は、液体等が外部に漏れるおそれが
ないため、安全であり、しかも、洗浄時において床面や
商品等を汚損することがない。又、ノズルユニットは熱
交換器の内周面に沿って旋回しながら、洗剤液等の液体
を噴射して洗浄作業を行う構造が採用されているので、
洗浄作業は熱交換器の細部にまで良好に洗浄でき至便で
あり、しかも、洗浄作業は人手を全く必要とすることな
く自動的に行えるので、洗浄作業は床面の汚損防止効果
と相まって、迅速・容易に、かつ、確実に行うことがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を天井埋込型の空調機に実施し
た例を図1ないし図3によって説明する。図1,2にお
いて、21は空気の吸込口aと吹出口bを下部に備えて
この部位を室内側に露出させた状態で、本体部分となる
上部側を天井部c内に収容して据付けた空調機の室内機
(以下、単にエアコンと称する)を示し、内部には中心
部から外側に向って図示しないファンランナを取付けて
空気の吸入,排出を行うファン用電動機22と、この電
動機22の外側面において、図示しない室外機から供給
される冷媒を室内の空気と熱交換させる平面形状をロ字
形に形成して収容・設置した熱交換器23と、前記電動
機22、熱交換機23等を含むエアコン21を構成する
に必要な部材等が、それぞれフェルト等の断熱・防音材
料24を内周面に貼設した函体25内に収容されてい
る。26は前記エアコン21を天井部c内において吊設
・保持する吊ボルトである。
【0012】27はエアコン21の熱交換器23を洗浄
する洗浄装置で、図3で示すように、ファン用電動機2
2の下側に配置した電動駆動する回転ユニット28と、
この回転ユニット28を垂下保持させる回転ユニット取
付筒(以下、単に取付筒と称する)29と、熱交換器2
3と相対向して例えば縦方向にノズル30を複数個配設
して前記回転ユニット28の下側に共同回転可能に連結
したノズルユニット31と、このノズルユニット31を
回転自在に支持するノズルユニット支持筒32とによっ
て概略構成されており、次に各構成部の詳細を説明す
る。
【0013】最初に、回転ユニット28は図3に示すよ
うに、ファン用電動機22の回転子軸22aを遊合する
内筒33及びこの内筒33の外側に軸受部材を介して回
転自在に嵌着して下部を先細状に形成した外筒34とか
らなる回転筒体35と、この回転筒体35の内筒33を
回転子軸22aを遊合する位置で止着して回転筒体35
を回転自在に垂下支持する取付板36と、前記回転筒体
35の側方で取付板36に回転筒体35と平行させて取
付けた電動機37と、この電動機37の回転力を回転筒
体35の外筒34に減速回転して伝達する減速歯車38
とによって構成されている。なお、図3中・39は回転
筒体35の先細部内側に螺設したねじ孔である。又、前
記回転筒体35を減速回転させる電動機37は、商用電
源あるいはバッテリ等任意の電源を用いて駆動させるこ
とができる。
【0014】次に回転ユニット28を垂下支持する取付
筒29は、図3で示すように、下側に前記取付板36を
止着してファン用電動機22の下側に遊合される第1の
取付筒40と、前記取付板36に垂下支持される回転ユ
ニット28を被覆して前記第1の取付筒40の下側に一
体的に装着した第2の取付筒41とによって構成されて
おり、第1の取付筒40の上部側に螺合した複数の止め
ネジ42をファン用電動機22のケース側に押圧保持さ
せることにより、取付筒29をファン用電動機22を囲
繞した状態で、該電動機22に垂設することができる。
【0015】つづいて、ノズルユニット31は図3で示
すように、回転筒体35の外筒34先細部のねじ孔39
に先端を螺着して取付筒29の下方に垂下突出させたパ
イプ状の回転軸43と、この回転軸43のほぼ中腹部に
連通可能に支着されて前記取付筒29の外側に延設した
L字形の連結管44に熱交換器23と対向させて縦列に
複数個取付けた前述のノズル30とによって構成されて
いる。そして、前記ノズルユニット31は、回転軸43
の下端を液体給送ホース45の先端に止着したノズルユ
ニット支持筒32に軸受部材を介して挿着することによ
り、回転ユニット28に共同回転可能に連結される。な
お、46は回転軸43の上部開口端に挿着した盲栓で、
回転筒体35の外筒34内側にねじ等にて固定されてい
る。
【0016】そして、前記液体給送ホース(以下、単に
給送ホースと称する)45は図2で示すように、液体給
送ポンプ47と図示しない電動切換弁等を介して台車4
8に乗載した洗剤液、洗浄水の各タンク49,50に連
通可能に接続されている。51は洗浄作業時においてエ
アコン21の下部開口端d(この開口端dは、空気の吸
込み口a及び吹出口bと対応する部分に空気の通り抜け
が可能なグリルを備えた閉鎖パネル(図示せず)によっ
て洗浄時以外は閉鎖されている)を被包するフードカバ
ーで、図1,2で示すように、エアコン21の下部周縁
に平行して四角状に枠組した四角枠体52と、この四角
枠体52に逆角錐状(漏斗状)に張着した例えば、ビニ
ールシート等からなるカバー体53と、このカバー体5
3下部の窄み口54の外側よりカバー体53内と連通可
能に止着したホース接続金具55と、このホース接続金
具55に接続した排液ホース56とを具備して構成され
ており、このフードカバー51は、図2で示すように、
ノズルユニット31と接続する給送ホース45をカバー
体53の上部から外方に引出した状態で、カバー体53
の四角枠体52に取付けた係止金具57先端のフック部
を吊ボルト26の基端(図1参照)に掛止することによ
り、エアコン21の下部開口端dを外部とほぼ遮蔽した
状態で被包することができる。
【0017】なお、図2において、58は排液タンク、
59は排液タンク58を搬送する台車、60は台車48
に設置した本発明の洗浄装置27を駆動制御する図示し
ないコントローラを内蔵した制御装置である。又、前記
コントローラは本発明の洗浄装置27による洗浄システ
ム、即ち、洗浄時間、噴射圧力、洗浄液体の切替時期、
電動機37及び液体給送ポンプ47の起動・停止等をシ
ーケンス制御できるように構成されている。
【0018】次に、エアコン21の熱交換器23を洗浄
する場合について説明する。洗浄に際しては、最初に天
井埋込型エアコン21の下側に位置する空気の吸込口
a,吹出口bを備えた図示しない閉鎖パネルを取り外
し、つづいて、エアーフィルターやファン用電動機22
に取付けてあるファンランナ等、熱交換器23の洗浄に
妨げとなる部品を取り外し及びリード線類に防水手段を
施して水の侵入を防ぐ等の処置をとる。この後、エアコ
ン21の下部開口端dから洗浄装置27の取付筒29に
内蔵した回転ユニット28の回転筒体35内に、ファン
用電動機22の回転子軸22aを遊合させてから、前記
ファン用電動機22の外周を囲繞する取付筒29に螺合
した所要数の止めネジ42を電動機22の外周に押圧固
定させることにより、回転ユニット28を内蔵した取付
筒29を図2,3で示すように、ファン用電動機22の
外周に一定の間隔を保って垂下・保持させる。
【0019】前記のようにして洗浄装置27の取付筒2
9をエアコン21内に取付けた後、ノズルユニット31
を回転自在に支持するノズルユニット支持筒32に給送
ホース45を連通可能に止着する。つづいて、エアコン
21の下部開口端dに逆角錐状のフードカバー51を当
てがい、このカバー51の四角枠体52に取付けた係止
金具57をエアコン21の吊ボルト26に掛止すること
により、前記フードカバー51を給送ホース45を外方
に引出した状態でエアコン21に吊設する。これによ
り、図2で示すように、エアコン21の下部開口端dを
前記フードカバー51により外部とほぼ遮蔽した状態で
被包することができる。又、フードカバー51の窄み口
54にはホース接続金具55を介して排液ホース56を
接続する。
【0020】前記の状態で、制御装置60の図示しない
操作部により、洗浄時間、洗浄液体の噴出圧,切替時期
等の洗浄システムを事前に設定した後、電動機37及び
液体給送ポンプ47をスイッチ操作により起動する。前
記電動機37が起動すると、その回転力は減速歯車38
を介して回転ユニット28の回転筒体35に伝達され、
この回転筒体35の外筒34を軸受部材を介して内筒3
3を中心として回転させる。即ち、回転ユニット28の
回転筒体35をファン用電動機22の回転子軸22aを
中心として回転させる。前記回転筒体35の回転によ
り、該回転筒体35に螺着され、かつ、盲栓46にて連
結・固定されて取付筒29の下方に垂下するノズルユニ
ット31はノズルユニット支持筒32に支持されて回転
筒体35と共同回転する。このため、ノズルユニット3
1に連結したL字形の連結管44は、取付筒29の周囲
を熱交換器23の内周面に沿って旋回することとなる。
【0021】又、前記液体給送ポンプ47が起動する
と、既に図示しない電動切換弁にて流路が洗剤液側に切
替えられ、最初にタンク49から洗剤液が給送ホース4
5に所定の噴出力にて給送される。給送ホース45に給
送された洗剤液はノズルユニット31に供給され、連結
管44を経て該連結管44の垂直部分に縦列配置したノ
ズル30から熱交換器23に向って噴射され、熱交換器
23の汚損部分を洗浄する。この洗浄によって汚れた洗
剤液は順次フードカバー51のカバー体53内に落下
し、その窄み口54から排液ホース56内を流下して排
液タンク58に貯えられる。その上、洗剤液はノズルユ
ニット31が熱交換器23の内周面に沿って旋回する構
造となっているので、熱交換器23の隅々まで噴射させ
て洗浄することが可能となる結果、前記熱交換器23を
どの部位においても均等に洗浄することができる。更
に、熱交換器23の洗浄に際しては、ファン用電動機2
2は取付筒29により完全に囲繞されているので、洗剤
液が飛散・付着することにより、その運転に支障をきた
すことは全くない。
【0022】洗剤液による洗浄が終了したら電動切換弁
が自動的に切替えられて洗剤液の給送を停止し、代りに
洗浄水(清水)がタンク50から給送ホース45を通っ
てノズルユニット31に供給され、ノズル30から熱交
換器23に向って噴射される。この洗浄水の噴射により
熱交換器23に残存している洗剤液を洗い流し、熱交換
器23を洗浄するものである。前記熱交換器23を洗浄
した液体は、そのままフードカバー51内に流れ落ち排
液ホース56を介して排液タンク58に貯留される。こ
の洗浄水の噴射に際しても、ノズルユニット31が回転
ユニット28にて旋回するため、熱交換器23の隙間等
に残留している洗剤液を良好に洗い流すことができる。
そして、前記洗剤液及び洗浄水の噴射が終了(熱交換器
23の洗浄作業)したら、制御装置60からの指令によ
り液体給送ポンプ47を停止させる。又、電動機37も
その通電が断たれてノズルユニット31の熱交換器23
内周面に沿っての旋回運動を停止する。
【0023】前記洗浄装置27による熱交換器23の洗
浄作業が終了したら、フードカバー51の四角枠体52
を掛止めしている係止金具57の吊ボルト26との係止
を解いて、エアコン21の下部開口端dを被包している
フードカバー51をエアコン21から取り外し、つづい
て、ファン用電動機22の外周に押圧保持されている止
めネジ42を緩めて、取付筒29のファン用電動機22
との固定を解き、洗浄装置27をエアコン21の内側か
ら取り外す。この状態で、エアコン21の内部を雑巾等
により拭いた後、エアコン21の再組立を行って熱交換
器23の洗浄・清掃作業を完了するものである。
【0024】図4は本発明の洗浄装置27の第2実施例
を示すもので、図3の第1実施例と異なる点は、ノズル
ユニット31の盲栓46を取付けた場所に、ノズルユニ
ット31内に給送される液体の流入圧力によって上動す
るピストン61を取付け、又、回転ユニット28の回転
筒体35の内筒33下端には、前記ピストン61と相対
向してマイクロスイッチ62を取付け、更に取付板36
のファン用電動機22と対応する上面側に電動機37を
駆動するバッテリ63を具備して洗浄装置27aを構成
したもので、使用に際しては、ノズルユニット31内に
流入する液体の圧力が所定の値に達すると、ピストン6
1が押動されてマイクロスイッチ62を投入するもの
で、これにより、電動機37はバッテリ63を駆動電源
として起動し、ノズルユニット31を回転ユニット28
により旋回させる。このように、回転ユニット28内に
ノズルユニット31を起動する電動機37の起動手段
(スイッチ手段)を設置することにより、洗浄作業時、
洗浄水等の液体がノズルユニット31に供給されない限
り、該ノズルユニット31は旋回することがないため、
熱交換器23の洗浄作業を準備しているときに、誤って
電動機37の電源を投入することにより、ノズルユニッ
ト31が不意に旋回してエアコン21の内部を損傷した
り、洗浄作業を準備している作業者に怪我をさせるとい
う問題を確実に解決することができる。又、ノズルユニ
ット31のノズル30から噴出する液体の圧力が所定の
圧力以上に達しないと、電動機37を駆動させることが
できないので、駆動電源の省エネ化をはかることもでき
る。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、洗浄水
等の液体を噴出するノズルを備えたノズルユニットを、
内蔵した電動機により回転する回転ユニットにより空調
機内の熱交換器の内周面に沿って旋回させながら、洗浄
水等の液体を噴射させて熱交換器を洗浄するように構成
したので、熱交換器を人手を要することなく、自動的
に、かつ、迅速・安全に、熱交換器の各部位を均一にむ
らなく洗浄することができる。しかも、洗浄後の排液は
フードカバーが受けて排液タンクに排出するように構成
したので、液体を噴出させての洗浄作業は、液体等が外
部に漏れるおそれがないため、安全であり、しかも、洗
浄時において床面や商品を汚損することが全くない。
【0026】又、ノズルユニットを旋回駆動する手段
は、回転ユニット内の狭隘な空間に組込んだ小形電動機
と、液体がノズルから噴射されるときに生ずる噴射力と
を有効利用しているので、ノズルユニットを熱交換器の
内周面に沿って低トルクで円滑に旋回させることができ
るとともに、電動機自体の液体噴出時に生じる噴射力を
利用することにより、低トルクのものを使用することが
可能となるため、回転ユニット内の狭隘な空間を有効に
利用してノズルユニットの電動回転手段を組込むことが
できるので至便である。
【0027】更に、前記電動駆動する回転ユニットは、
空調機のファン用電動機とともに回転ユニット取付筒内
に具備させてあるので、熱交換器の洗浄時に、洗剤液や
洗浄水が飛散して付着したりすることによって電動機の
性能を低下させることが全くないので、洗浄作業は空調
機の電気部品を損傷させることなく、円滑・良好に行う
ことができる。
【0028】その上、洗浄水等液体の流入圧力を利用し
たスイッチ手段の採用によって洗浄前にノズルユニット
が不意に旋回して空調機を損傷したり、作業者に怪我を
負わすようなおそれが全くないので、この種の空調機に
おける熱交換器の洗浄装置を安全に、かつ、容易に操作
することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置を用いて空調機の洗浄状態を
示す斜視図である。
【図2】本発明の空調機の洗浄装置の全体構成を概略的
に示す正面図である。
【図3】本発明の洗浄装置の要部を縦断して示す断面図
である。
【図4】本発明の洗浄装置の第2実施例を示す要部縦断
面図である。
【図5】従来の洗浄方法を説明するための作用説明図で
ある。
【図6】従来の洗浄装置の1実施例を部分的に縦断して
示す正面図である。
【符号の説明】
21 空調機 22 ファン用電動機 23 熱交換器 27 洗浄装置 28 回転ユニット 29 回転ユニット取付筒 30 ノズル 31 ノズルユニット 35 回転筒体 37 電動機 45 液体給送ホース 47 液体給送ポンプ 51 フードカバー 56 排液ホース 61 ピストン 62 マイクロスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今尾 宗博 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 (72)発明者 杉野 実 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 (72)発明者 渡会 智和 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−147297(JP,A) 特開 平4−306496(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28G 1/16 F24F 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井埋込型空調機の、ファン用電動機の
    周囲に配置された熱交換器を洗浄するための洗浄装置に
    おいて、 前記空調機のファン用電動機の回転子軸を遊挿させる空
    孔を有する回転筒体及びこの回転筒体を前記回転子軸を
    中心として回転させる電動機からなる回転ユニットと、
    この回転ユニットを収容してファン用電動機の下部に垂
    下保持すると共に、ファン用電動機の外周面を囲繞する
    着脱自在の回転ユニット取付筒と、この回転ユニット取
    付筒の下側に同軸状に延設されたノズルユニットと、こ
    のノズルユニットに組付けられて、回転ユニット取付筒
    の外側に位置し、熱交換器と縦列状に対向する複数個の
    液体噴射用のノズルと、ノズルユニットの基部を回転自
    在に支持するノズルユニット支持筒と、このノズルユニ
    ット支持筒と洗剤液及び洗浄水の各タンクとを接続する
    液体給送ホースと、空調機の下部開口面を被包するフー
    ドカバーと、このフードカバーの下方端と排液タンクと
    を連通させる排液ホースとを備えていることを特徴とす
    る空調機の洗浄装置。
  2. 【請求項2】 天井埋込型空調機の、ファン用電動機の
    周囲に配置された熱交換器を洗浄するための洗浄装置に
    おいて、 前記空調機のファン用電動機の回転子軸を遊挿させる空
    孔を有する回転筒体及びこの回転筒体を前記回転子軸を
    中心として回転させる電動機からなる回転ユニットと、
    この回転ユニットを収容してファン用電動機の下部に垂
    下保持すると共に、ファン用電動機の外周面を囲繞する
    着脱自在の回転ユニット取付筒と、この回転ユニット取
    付筒の下側に同軸状に延設されたノズルユニットと、こ
    のノズルユニットに組付けられて、回転ユニット取付筒
    の外側に位置し、熱交換器と縦列状に対向する複数個の
    液体噴射用のノズルと、ノズルユニットの基部を回転自
    在に支持するノズルユニット支持筒と、ノズルユニット
    と回転ユニットとの間に具備されてノズルユニット内に
    流入する液体の流入圧力により閉路されて回転ユニット
    を駆動する電動機を通電させるスイッチ手段と、ノズル
    ユニット支持筒と洗浄液及び洗浄水の各タンクとを接続
    する液体給送ホースと、空調機の下部開口面を被包する
    フードカバーと、このフードカバーの下方端と排液タン
    クとを連通させる排液ホースとを備えていることを特徴
    とする空調機の洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記回転ユニットを駆動する電動機は、
    回転ユニット取付筒内に取付けられ、かつ、前記回転ユ
    ニットとは減速歯車を介して駆動結合されて、商用電
    源、あるいは、バッテリー等の駆動電源により駆動する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の空調機の洗浄装
    置。
  4. 【請求項4】 前記回転ユニットの電動機を通電させる
    スイッチ手段は、ノズルユニット側に取付けられて液体
    の流入圧力により起動するピストンと、このピストンの
    起動範囲内に配置されてオン・オフ作動するスイッチ部
    材とを備えることを特徴とする請求項2記載の空調機の
    洗浄装置。
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