JP3169387B2 - 紙葉類の収納監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は紙葉類の収納監視装置、
より詳細には、両替装置や自動販売機等に備えられ紙幣
又は券等の紙葉類を収納する金庫の有無と、該金庫内に
収納する紙幣等の堆積量とを監視する監視手段を備えた
紙葉類の収納監視装置に関する。

【０００２】

【従来技術】両替装置や自動販売機等の紙幣取り扱い装
置に用いられる従来の紙幣の収納装置は、紙幣を堆積収
納するため販売機本体の収納部に対し着脱自在な金庫を
備え、この金庫が満杯となったときは金庫を収納部から
取外して交換する。そして、この収納装置は、金庫の有
無、即ち金庫を取外したか、取外した後に新たな金庫を
挿着したかを検知する第１の検知手段と、金庫内に収納
した紙幣が満杯になったことを検知する第２の検知手段
とを備えた収納監視装置を備えるのが一般的であった。

【０００３】しかしながら、このような従来の収納監視
装置にあっては、金庫の有無を検知する第１の検知手段
と紙幣の堆積量を検知する第２の検知手段とを備えてい
るため、制御部における信号の処理が複雑となって誤作
動の原因となるとともにコストダウンに不利となるとい
う欠陥があった。

【０００４】

【発明の目的】本発明は、上述した如き従来の紙葉類の
収納監視装置の欠陥を解決するためになされたものであ
って、金庫の有無を検知する検知手段と紙葉類の堆積量
を検知する検知手段とを共用することにより信号の処理
を簡略化するとともにコストダウンを図ることができる
紙葉類の収納監視装置の提供を目的とする。

【０００５】

【発明の概要】本発明は上記目的を達成するためになさ
れたもので、以下の如き構成をとる。

【０００６】即ち、紙葉類の堆積収納枚数に応じて弾性
付勢手段に抗して直線的に往復移動可能な付勢プレート
を内蔵する金庫と、該金庫を前記付勢プレートの移動方
向と平行な方向へ着脱自在に収納する収納部と、該収納
部内における前記金庫の有無と該金庫内に収納した紙葉
類の堆積量を監視する監視手段と、を備えた紙葉類の収
納監視装置であって、前記監視手段は、該収納部内に挿
入された該金庫内に該紙葉類を所定の枚数以上堆積した
ときにおける該付勢プレートの位置と対応する ように前
記金庫の側壁に形成した開口と、前記収納部の内壁に基
端部を回動可能に支持されるとともに遊端部が該開口内
に突出可能な監視レバーと、該監視レバーの遊端部を該
開口から退避させる方向に付勢する第１の付勢手段と、
前記金庫の未挿入時には前記収納部内における金庫の挿
入経路上に一部が突出するとともに、該金庫の挿入時に
は該金庫によって該一部が押圧されて該遊端部を該開口
内に突出させ且つ該第１の付勢手段より大きく且つ付勢
プレートの弾性付勢手段より小さな付勢力を有する第２
の付勢手段と、前記監視レバーの遊端部が退避位置にあ
ることを検知する検知手段を備え、前記紙葉類の堆積枚
数の増大により該付勢プレートが移動して該開口に達し
たとき該付勢プレートが該遊端部を押圧して該開口から
離脱させるよう前記監視レバーの遊端部及び付勢プレー
トの位置関係を設定することを特徴とする。換言すれ
ば、本発明は、金庫の側壁には紙葉類を所定の枚数以上
堆積したときにおける付勢プレートの位置と対応する位
置に開口を形成し、収納部の内壁に支持した監視レバー
を退避位置に向けて付勢する第１の付勢手段と、収納部
に金庫を挿入したとき監視レバーの遊端部が付勢プレー
トの移動線上に位置するよう付勢するとともに第１の付
勢手段の付勢力より大きく且つ付勢プレートの付勢力よ
り小さな付勢力を有する第２の付勢手段を備え、紙葉類
が所定枚数に達したとき監視レバーの遊端部を退避位置
に復帰するような位置関係を設定するとともに、監視レ
バーの遊端部が退避位置に位置していることを検知する
検知手段を備える。

【０００７】

【発明の実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に
基づいて詳細に説明する。

【０００８】図１は本発明に係る紙葉類の収納監視装置
を自動販売機に適用した場合の一実施例を示す構成図で
あって、自動販売機は、一端壁に設けた開口１ａより複
数の紙幣３，３、・・・ を収納可能な金庫１を着脱可能に
収納可能な空所５（収納部）を有するとともに、該金庫
１内には、図中で水平方向に直線的に往復移動可能な紙
幣堆積用の付勢プレート７と、該付勢プレート７を開口
１ａに向けて付勢する圧縮スプリング（弾性付勢手段）
９を設けること従来と同様である。

【０００９】金庫１の上壁（側壁）１ｂには紙幣が満杯
となったときにおける付勢プレート７の位置と対応する
位置に開口１１を形成する一方、空所５の内壁５ａには
一対の平板状支持部１３、１３を固定的に突設するとと
もに、支持部１３、１３間には断面ほぼＬ字状の監視レ
バー１５の基端部１５ａを回動自在に支持することによ
り監視レバー１５を上下方向へ回動可能に構成する。

【００１０】又、支持部１３によって回動自在に軸支さ
れる監視レバー１５の軸部１５ｃには第１のトーション
ばね（第１の付勢手段）１７と第２のトーションばね
（第２の付勢手段）１９が軸廻りに巻き掛けられてい
る。第１のトーションばね１７は両端部１７ａ，１７ｂ
をそれぞれ支持部１３の一側と監視レバー１５の下辺と
に係止して、監視レバー１５を図２の退避位置に向けて
付勢するよう構成する。第２のトーションばね１９は、
第１のトーションばね１７の付勢力より大きな付勢力を
有するとともに、一端１９ａを監視レバー１５の上辺に
係止し、遊端状の他端１９ｂを空所５における金庫１の
挿入線（挿入経路）上に位置するよう延長することによ
り空所５に金庫１を挿入したとき監視レバー１５の遊端
部１５ｂが図２の退避位置から金庫１の開口１１を介し
て付勢プレート７の移動線上に位置するよう構成する。
この第２のトーションばね１９の付勢力は、圧縮スプリ
ング９の付勢力より小さな値とする。

【００１１】更に、監視レバー１５の鉤状遊端部１５ｂ
と付勢プレート７との位置関係は、紙幣３の堆積により
付勢プレート７が図中で左方向に移動して開口１１に達
したときに、該付勢プレート７が監視レバー１５の遊端
部１５ｂを押圧して開口１１から離脱させて図２の退避
位置に復帰するよう設定するとともに、監視レバー１５
の遊端部１５ｂが退避位置に位置していることを検知す
る透過型の光センサ２１（検知手段）を備えるよう構成
する。尚、監視レバー１５の遊端部１５ｂは、付勢プレ
ート７の移動により押圧されたときにスムーズに上昇移
動するような曲率を有していることが好ましい。

【００１２】斯く構成することにより、空所５内に金庫
１が未だ挿入されていないときは、第１のトーションば
ね１７の付勢力により監視レバー１５が退避位置に位置
しており、遊端部１５ｂが光センサ２１の光路を遮蔽し
ており該センサ２１は暗となっている（図２参照）。

【００１３】ここで、空所５に金庫１を挿入すると、金
庫１の上壁１ｂに沿って第２のトーションばね１９が図
中で反時計回り方向に回動する結果、監視レバー１５が
第１のトーションばね１７の付勢力に抗して同方向に回
動し、遊端部１５ｂが金庫３の開口１１を介して付勢プ
レート７の移動線上に位置（突出）することにより光セ
ンサ２１は明となる（図３参照）。

【００１４】その後、金庫１内に開口１ａから紙幣３が
堆積収納されると付勢プレート７が圧縮スプリング９の
付勢力に抗して図中で左方向に移動し、更に付勢プレー
ト７が開口１１に達すると監視レバー１５の遊端部１５
ｂが第２のトーションばね１９の付勢力に抗して上昇移
動する結果、監視レバー１５が退避位置に復帰して光セ
ンサ２１が再び暗となる（図４参照）。

【００１５】上記のように本発明では、一つの光センサ
２１の暗と明により金庫１の装着の有無と金庫１が満杯
であるか否かを監視することができるため、従来のもの
と比較して信号の処理が簡略化されるとともにコストダ
ウンを図ることができる。なお、収納部５内に挿入され
た金庫１内に紙葉類を所定の枚数以上堆積したときにお
ける付勢プレート７の位置と対応するように金庫の側壁
に形成した開口１１と、収納部の内壁に基端部を回動可
能に支持されるとともに遊端部が該開口内に突出可能な
監視レバー１５と、該監視レバーの遊端部を該開口から
退避させる方向に付勢する第１の付勢手段１７と、金庫
の未挿入時には前記収納部内における金庫の挿入経路上
に一部が突出するとともに、該金庫の挿入時には該金庫
によって該一部が押圧されて該遊端部を該開口内に突出
させ且つ該第１の付勢手段より大きく且つ付勢プレート
の弾性付勢手段より小さな付勢力を有する第２の付勢手
段１９と、前記監視レバーの遊端部が退避位置にあるこ
とを検知する検知手段２１とは、監視手段を構成してい
る。

【００１６】尚、本発明は、上記実施例のものに限定さ
れず、例えば検知手段は透過型の光センサに代えて反射
型の光センサであってもよく他のセンサであってもよい
し、必ずしも紙幣３が満杯でなく所定の枚数に達したこ
とを監視するよう構成してもよいことはいうまでもな
い。この場合、金庫１に形成した開口１１と監視レバー
１５との位置関係をずらすだけでよい。

【００１７】又、紙幣の堆積方向は水平方向に代えて上
下方向その他の方向にしてもよく、上下方向以外の方向
も本発明の技術的範囲に含まれるものである。

【００１８】更に、本発明は紙葉類として紙幣以外の券
等を用いる装置にも適用することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成し且つ
動作するので、一つの検知手段により金庫の有無と紙葉
類の堆積量とを検知することができるため、信号の処理
を簡略化するとともにコストダウンを図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成図である。

【図２】金庫が挿入されないときにおける図１の作用説
明図である。

【図３】金庫が挿入されたときにおける図１の作用説明
図である。

【図４】更に紙葉類が満杯となったときにおける図１の
作用説明図である。

【符号の説明】

１ 金庫 １ｂ 上壁（側壁） ３ 紙幣（紙葉類） ５ 空所（収納部） ７ 付勢プレート １１ 開口 １５ 監視レバー １５ｂ 遊端部 １７ 第１のトーションばね（第１の付勢手段） １９ 第２のトーションばね（第２の付勢手段） ２１ 光センサ（検知手段）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙葉類の堆積収納枚数に応じて弾性付勢
   手段に抗して直線的に往復移動可能な付勢プレートを内
   蔵する金庫と、該金庫を前記付勢プレートの移動方向と
   平行な方向へ着脱自在に収納する収納部と、該収納部内
   における前記金庫の有無と該金庫内に収納した紙葉類の
   堆積量を監視する監視手段と、を備えた紙葉類の収納監
   視装置であって、前記監視手段は、該収納部内に挿入された 該金庫内に該
   紙葉類を所定の枚数以上堆積したときにおける該付勢プ
   レートの位置と対応するように前記金庫の側壁に形成し
   た開口と、前記収納部の内壁に基端部を回動可能に支持
   されるとともに遊端部が該開口内に突出可能な監視レバ
   ーと、該監視レバーの遊端部を該開口から退避させる方
   向に付勢する第１の付勢手段と、前記金庫の未挿入時に
   は前記収納部内における金庫の挿入経路上に一部が突出
   するとともに、該金庫の挿入時には該金庫によって該一
   部が押圧されて該遊端部を該開口内に突出させ且つ該第
   １の付勢手段より大きく且つ付勢プレートの弾性付勢手
   段より小さな付勢力を有する第２の付勢手段と、前記監
   視レバーの遊端部が退避位置にあることを検知する検知
   手段を備え、 前記紙葉類の堆積枚数の増大により該付勢プレートが移
   動して該開口に達したとき該付勢プレートが該遊端部を
   押圧して該開口から離脱させるよう前記監視レバーの遊
   端部及び付勢プレートの位置関係を設定することを特徴
   とする紙葉類の収納監視装置。