JP3169316U - アーモンド風味を強くさせるアーモンドバタートースト構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーモンド風味に優れたアーモンドバタートースト構造を提供する。【解決手段】パンの表面から内部にマーガリンが溶融して浸透したバター層と、トーストしたパン表面に焼成したコーンスターチ層により形成されるアーモンドプードルとアーモンドオーレ粉末の混在したアーモンド焼成層と、該焼成層上に点在するアーモンドダイス分散層が形成される。【選択図】図1
Description
本考案は、風味を向上させる、アーモンドバタートースト構造に関する。
通常、消費者がナッツバターの嗜好を評価するには数多くの要因がある。ひとつはナッツバターによく見られるその「べとつき」感である。消費者が気にする他の要因は、「ナッツ風味」の認識である。風味を感じる機構は、唾液により口中でナッツ固形物が水和されることによるものと考えられ、ナッツ固形物を効果的に水和できるかどうかが風味の強さに極めて大きく影響するといわれる。実際、これらのナッツ固形物の水和が均一になればなる程、知覚するナッツ風味はより強くなる。したがって、風味の強さに悪影響を与えずにべとつき感を減少しようとして種々の試みが行われている(特許文献1)が、べとつき感の減少と風味の強さとは通常相反し、即ち、ピーナツバターの場合、風味を増加させるとべとつき感が増加し、逆にべとつき感を減少させるとピーナツ風味も減少する。例えば、大粒径のピーナツ固形物を製造する条件では、一般的に、粘度を増加させるため、よりべとつき感が出ることになる。逆に、ナッツ固形物を微粉化すると、即ち粒径を縮小すると、ナッツペースト全体に風味成分が分散し、そのためこれらのナッツ固形物の風味が低下してしまう。
他方、べとつき感を減少させるには、粘度を低下させる必要があるが、粘度を減少させるこれまでの試みは、風味の強さをも極めて低下させてしまっていた。口中での滞留時間が短いと、固形物の加水分解が充分なされず、よって風味の強さが低下してしまうからである。
消費者が受け入れるナッツバターの嗜好に影響する他の要因はざらつき感である。ざらつき感は、ナッツ固体粒子が舌が感じるのに充分な大きさと適当なジオメトリを有する時に起こる。ざらつき感を与える固体は、ナッツ固形物のみならず、通常存在する他の非脂肪性固体をも含んでいる。このざらつき感はピーナツバターでは、得られる風味の強さに悪影響を与えてしまうが、アーモンドの場合、逆に風味を増加させ、味覚を向上させることが見出された。
従って、本考案は(1)べとつき感を減少させ、他方(2)ざらつき感を減少させず、(3)アーモンド風味を増強させるアーモンドバタースプレッドを提供し、これを使用して風味の高いアーモンドバタートースト構造を提供することを課題とする。
そこで、べとつきを減少させ、アーモンド風味を極めて向上させた、特にアーモンドバタースプレッドを提供するため、鋭意研究の結果、これまでのアーモンドバターに比べてべとつき感を減少させるため、マーガリンを使用し、スプレッドの粘度を約2000センチポイズ以下へと大きく減少させた。この粘度減少は、(1)アーモンドペーストの高剪断混合とともにコーンスターチの配合、及び(2)典型的には、スプレッド剤形としてマーガリンを使用する、という2つの要因の組み合わせにより得られる。アーモンドバタースプレッドは粘度が極めて低くなっているため、これによりスプレッドのべとつき感が減少しているように感じられる。
驚くべき事に、本件のスプレッドはべとつき感が減少してはいても、ナッツ風味の強さは消失していない。実際、本考案に従って製造したスプレッドは、従来のスプレッドと比べてナッツ風味が強くなっている。これは、(1)ナッツ固形物の粒径を過度に縮小せず、アーモンドに含まれるナッツ所望のナッツ揮発成分が過度に消失しない、条件下にアーモンド粒子を粒径2〜4mmのダイス形に形成する一方、(2)アーモンドオ―レ粉末を糖類として使用するグラニュー糖の一部に代替して均一に分散させることにより達成される。
本件スプレッドのべとつき感を減少し、同時にナッツ風味を強化することのできる重要な要因の少なくとも一部は、スプレッドにアーモンド粒子の食感を残す一方、クリーミーな食感になるアーモンドオーレ粉末を使用するという相反する機能によるものである。
このようにして、粘度が2000センチポイズ以下であるマーガリンに対し、アーモンド固形分として(1)アーモンド微粉末に対しコーンスターチ5〜20重量%を混合してなるアーモンドプードルと、(2)平均粒径2〜4mmのサイコロ状にカットしたアーモンドダイスとをそれぞれマーガリンの15〜30重量%を混合する一方、アーモンドオーレ粉末を糖全体に対しその20〜50%配合し、合計マーガリンの15〜30重量%を均一混合した後冷蔵してなることを特徴とするアーモンドバタースプレッドが提供されるが、このアーモンドバタースプレッドをパンの片面に30〜60gと十分量を塗布し5分以上トーストすると、コーンスターチが溶融したマーガリンの中で糖類と絡み合ってプクプクと焼成され、上記アーモンドバタースプレッドにとって好ましい焼成層がトースト表面に形成され、アーモンド風味の高いアーモンドバタートースト構造が提供されることになる。
したがって、本考案は、トーストしたパン組織10の表面から内部にマーガリンが溶融して浸透したバター浸透層11と、トーストしたパン表面で焼成されるコーンスターチ層により形成されるアーモンドプードルとアーモンドオーレ粉末とが混在して結合したアーモンド焼成層20と、該焼成層上に分散形成されるアーモンドダイス分散層30とからなり、風味に優れたアーモンドバタートーストブレッド構造にある。
かかる構造は、150〜200のトースト面に、アーモンド固形分として(1)アーモンド微粉末に対しコーンスターチ5〜20重量%を混合してなるアーモンドプードルと、(2)平均粒径2〜4mmのサイコロ状にカットしたアーモンドダイスとをそれぞれマーガルンの15〜30重量%を混合する一方、アーモンドオーレ粉末を糖類全体に対し20〜50%配合し、合計マーガリンの15〜30重量%を均一混合してなるアーモンドバタースプレッド30〜60gを塗布し、5分以上トーストしてコーンスターチ焼成層を形成することにより形成される。
以下、本考案を具体例に基づき、説明する。
本考案において、「スプレッド」とは、トースト用ブレッドに塗布する組成物をいう。本考案に記載のスプレッドの主要な材料は、マーガリンと、アーモンドプードルと、アーモンドダイスと、アーモンドオーレ粉末である。
本考案において使用するマーガリンとは植物性油脂を用いて調整されるバター様スプレッドであって、各種マーガリンが市販されているが、べとつき感をなくし、添加物との均一混合を容易にするためには常温で2000センチポイズ以下の混合可能な流動性を有する必要があり、雪印乳業製造の食塩不使用のハイスノーを使用することができる。
本考案において、「スプレッド」とは、トースト用ブレッドに塗布する組成物をいう。本考案に記載のスプレッドの主要な材料は、マーガリンと、アーモンドプードルと、アーモンドダイスと、アーモンドオーレ粉末である。
本考案において使用するマーガリンとは植物性油脂を用いて調整されるバター様スプレッドであって、各種マーガリンが市販されているが、べとつき感をなくし、添加物との均一混合を容易にするためには常温で2000センチポイズ以下の混合可能な流動性を有する必要があり、雪印乳業製造の食塩不使用のハイスノーを使用することができる。
アーモンドプードルとはアーモンドの微粒破砕物であって、粒径1mm前後の粉末であり、特に5〜20重量%のコーンスターチを含むことを特徴とする。
アーモンドダイスとはアーモンド粗破砕物で本考案では粒径2ないし4mm程度に調整され、バター組成物にざらつき感を与え、アーモンド風味と食感を付与する。
アーモンドオーレ粉末とはアーモンド入り乳飲料に使用される粉末であり、アーモンド微粉末に砂糖と乳成分とコーヒー粉末を混合して調整される。
アーモンドダイスとはアーモンド粗破砕物で本考案では粒径2ないし4mm程度に調整され、バター組成物にざらつき感を与え、アーモンド風味と食感を付与する。
アーモンドオーレ粉末とはアーモンド入り乳飲料に使用される粉末であり、アーモンド微粉末に砂糖と乳成分とコーヒー粉末を混合して調整される。
本考案に記載のスプレッドは、マーガリンの約30から約60%のアーモンド固形物、好ましくは約35から約55%のアーモンド固形物を含む。これらの固形物は、一般に「アーモンドプードル」と呼ばれるアーモンド微粉末と「アーモンドダイス」と呼ばれるアーモンド破砕粉とからなり、それぞれマーガリン中で、分散又は懸濁させる。スプレッド中で使用するマーガリンは、典型的には、大豆油、パーム油、綿実油、ココナッツ油、クルミ油、およびその他の適切な食用油から調整されるが、常温で2000センチポイズ以下の粘度であるものを使用する。好ましくは、ピーナツ油その他のナッツ類、及びヒマワリの種子類等の油用種子類から製造される植物油を、風味のために混ぜて用いてもよい。
アーモンド固形物の粒径を、アーモンド風味を最大にしかつざらつき感を最小にするために注意深く調整する。本考案のアーモンド粉末は、以下のような粒径分布である。(1)アーモンド固形物粒子の約15から約30%は約1mmより小さく、(2)アーモンド固形物粒子の約15から約30%は、約2mmより大きく4mmより小さいものとし、2つの粒径分布を持つ、すなわちナッツ固形物はオーバーラップする2つの異なった粒径分布曲線を形成するものとする。第3成分としてアーモンドスライスを添加することもできる。
本考案のスプレッド中に存在する総脂肪量は、所望する粘度、所望する脂肪レベル、およびその他の要因によって広く変えることが出来るが、本考案のスプレッドは、典型的には約42から約60%のマーガリンを含む。
本考案のスプレッドも、約15から約30%の糖類を含み、グラニュー糖およびアーモンドオーレ粉末で構成される。糖類としては、例えば、ショ糖、フルクトース、ブドウ糖、蜂蜜、高フルクトースコーンシロップ、乳糖、麦芽糖、及び麦芽糖シロップ等を含むことができる。また、アスパルテーム、アセスルファン、サッカリン、シクラメート及びグリシルヒジン等の人工甘味料も本考案のスプレッドに使用することができる。さらに香味料、甘味料、調味料、充填剤を添加することができる。ここで用いる「香味料」とは、スプレッドの風味に貢献する剤のことを言い、アーモンドオーレ粉末がその機能を果たす。これらは、甘味料、天然及び合成香料、例えば天然及び合成アーモンド香料、プラリーヌ/カラメル香料、くるみ香料等のスプレッドの風味に貢献するその他の香味料を含めることができる。ここで用いる「調味料」とは、スプレッドの風味を高めまたは補足する剤のことをいい、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合物、及び調味塩等の塩または塩置換体を含む。
本考案のスプレッドも、約15から約30%の糖類を含み、グラニュー糖およびアーモンドオーレ粉末で構成される。糖類としては、例えば、ショ糖、フルクトース、ブドウ糖、蜂蜜、高フルクトースコーンシロップ、乳糖、麦芽糖、及び麦芽糖シロップ等を含むことができる。また、アスパルテーム、アセスルファン、サッカリン、シクラメート及びグリシルヒジン等の人工甘味料も本考案のスプレッドに使用することができる。さらに香味料、甘味料、調味料、充填剤を添加することができる。ここで用いる「香味料」とは、スプレッドの風味に貢献する剤のことを言い、アーモンドオーレ粉末がその機能を果たす。これらは、甘味料、天然及び合成香料、例えば天然及び合成アーモンド香料、プラリーヌ/カラメル香料、くるみ香料等のスプレッドの風味に貢献するその他の香味料を含めることができる。ここで用いる「調味料」とは、スプレッドの風味を高めまたは補足する剤のことをいい、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合物、及び調味塩等の塩または塩置換体を含む。
本考案のスプレッドは、好ましくは、(1)アーモンド固形物としてアーモンドプードル1kgとアーモンドダイス1kgをそれぞれマーガリンに対して約15%以上、好ましくは約20%以上30%まで、(2)糖類としてグラニュー糖をマーガリンに対して約15%以上30%まで、(3)糖類及び香味料として、アーモンドオーレ粉末約5%以上15%を主に含む混合物(以下、予備混合物と称する)を形成することにより合成される。
本方法に従って得られるスプレッドは、典型的には、二峰性の粒径分布を有する。本方法に従って得られるスプレッドは、更には、約2000センチポイズ以下、好ましくは約1800センチポイズ以下で、冷蔵庫で保存される。
以下に、本考案で用いる代表的なアーモンドバタースプレッドを作成し、アーモンドバタートーストを焼成した。
[実施例1]
[実施例1]
コーンスターチ10重量%を混合した市販アーモンドプードル1.0kg、平均粒径2〜4mmの市販アーモンドダイス1.0kg、グラニュー糖0.80kg、市販アーモンドオーレ粉末0.21kgを混合して予備混合物を調製し、少量づつマーガリン5.45kg(12ポンド)に混合分散させ、均一混合物を調製し、200gづつ小分けして冷蔵保存した。
アーモンドバターの脂肪含有率は約52%である。これは、滑らかでクリーミーな肌目で、べとつき感が減少しており、アーモンドダイスでざらつき感を多少与え、アーモンドオーレ粉末でアーモンド風味が増加させた。
[実施例2]
アーモンドバターの脂肪含有率は約52%である。これは、滑らかでクリーミーな肌目で、べとつき感が減少しており、アーモンドダイスでざらつき感を多少与え、アーモンドオーレ粉末でアーモンド風味が増加させた。
[実施例2]
実施例1と同様の諸成分であるアーモンドバタースプレッドを次の通り調製した。
コーンスターチ15重量%を混合した市販アーモンドプードル1.0kg、平均粒径2〜4mmの市販アーモンドダイス0.5kg、アーモンドスライス0.5kg、グラニュー糖0.40kg、市販アーモンドオーレ粉末0.21kgを混合して予備混合物を調製し、少量づつマーガリン5.45kg(12ポンド)に混合分散させ、均一混合物を調製し、200gづつ小分けして冷蔵保存した。
[実施例3]
コーンスターチ15重量%を混合した市販アーモンドプードル1.0kg、平均粒径2〜4mmの市販アーモンドダイス0.5kg、アーモンドスライス0.5kg、グラニュー糖0.40kg、市販アーモンドオーレ粉末0.21kgを混合して予備混合物を調製し、少量づつマーガリン5.45kg(12ポンド)に混合分散させ、均一混合物を調製し、200gづつ小分けして冷蔵保存した。
[実施例3]
実施例1と同様の諸成分であるアーモンドバタースプレッドを次の通り調製した。コーンスターチ5重量%を混合した市販アーモンドプードル0.5kg、平均粒径2〜4mmの市販アーモンドダイス0.5kg、アーモンドスライス0.5kg、グラニュー糖0.40kg、市販アーモンドオーレ粉末0.21kgを混合して予備混合物を調製し、少量づつマーガリン5.45kg(12ポンド)に混合分散させ、均一混合物を調製し、200gづつ小分けして冷蔵保存した。
[製造例]
[製造例]
実施例1で調製したアーモンドバタースプレッド50gをハードトースト用パンの片面にたっぷりと塗布し、オーブントースタで5〜6分間焼成した。3〜4分経過時にパン表面ではマーガリンが溶融し、そこに溶け込んだグラニュー糖とアーモンドオーレとアーモンドプードルが絡みつきプクプクと泡立ち、5〜6分後には図1に示すように、トーストしたパン組織10の表面から内部にマーガリンが溶融して浸透したバター浸透層11と、トーストしたパン表面で焼成されるコーンスターチ層により形成されるアーモンドプードルとアーモンドオーレ粉末とが混在して結合したアーモンド焼成層20と、該焼成層上に分散形成されるアーモンドダイス分散層30とからなるアーモンドバタートーストブレッドが出来上がった。
以上の説明で明らかなように、本考案によれば、パン組織10の表面からバター浸透層11と、コーンスターチ層により形成されるアーモンドプードルとアーモンドオーレ粉末とが混在して結合したアーモンド焼成層20と、該焼成層上に分散形成されるアーモンドダイス分散層30からなり、食感並びに風味に優れたアーモンドバタートーストが提供できる。
Claims (2)
- トーストしたパン組織10の表面から内部にマーガリンが溶融して浸透したバター浸透
層11と、トーストしたパン表面で焼成されるコーンスターチ層により形成されるアーモンドプードルとアーモンドオーレ粉末とが混在して結合したアーモンド焼成層20と、該焼成層上に分散形成されるアーモンドダイス分散層30とからなり、風味に優れたアーモンドバタートーストブレッド構造。 - 150〜200のトースト面に、アーモンド固形分として(1)アーモンド微粉末に対しコーンスターチ5〜20重量%を混合してなるアーモンドプードルと、(2)平均粒径2〜4mmのサイコロ状にカットしたアーモンドダイスとをそれぞれマーガリンの15〜30重量%を混合する一方、アーモンドオーレ粉末を糖類全体に対し20〜50%配合し、合計マーガリンの15〜30重量%を均一混合してなるアーモンドバタースプレッド30〜60gを塗布し、5分以上トーストしコーンスターチ焼成層を形成してなる請求項1記載のアーモンドバタートーストブレッド構造。
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JP2011002234U JP3169316U (ja) | 2011-04-21 | 2011-04-21 | アーモンド風味を強くさせるアーモンドバタートースト構造 |
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