JP3169182B2 - 伸展性および乾燥性の優れたポリイソシアネート - Google Patents
伸展性および乾燥性の優れたポリイソシアネートInfo
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Description
品などを対象とした塗料分野のうち、特に樹脂製ウレタ
ンバンパーや建築外装材などの用途に適した、伸展性、
乾燥性、耐候性の優れた2液型ポリウレタン塗料用ポリ
イソシアネートに関するものである。
吸収能等の見地から各種の樹脂製品が鋼材にかわり自動
車用部品として採用されており、これらの樹脂製品に使
用される塗料には、優れた耐候性、密着性等に加え良好
な伸展性や耐衝撃性等の性能が要求されている。
性の要求の高い分野では、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートやイソホロンジイソシアネートなどの飽和炭化水素
ジイソシアネートより誘導される無黄変型ポリイソシア
ネートが、ポリウレタン樹脂の硬化剤として用いられて
いるが、これに加えて低温での伸展性や耐衝撃性等を改
良したものとして、これまでにジイソシアネートとポリ
オールを反応させて得られる種々のウレタンプレポリマ
ーが提案されている。
よび特公昭62−53525号公報では、ポリテトラメ
チレングリコールとカプロラクトンを共重合させたポリ
オールとジイソシアネートから得られるポリウレタンエ
ラストマーが、また、特開昭61−12753号公報で
は、特定の数平均分子量のポリカプロラクトンポリオー
ルとジイソシアネートからなるプレポリマーが、さらに
特開昭54−60395号公報では、ポリテトラメチレ
ングリコールとジイソシアネートのプレポリマーが提案
されている。
されたプレポリマーは、乾燥性が悪く塗装物に触れても
跡がつかなくなるまでに数日かかってしまう。そのた
め、作業性が著しく悪くなるのみならず、塗装面にゴミ
が付着して汚くなるなどのトラブルが発生する。そこ
で、作業性を向上させ、きれいな塗装物を得るために、
塗膜の伸展性はある程度保ちながら、塗装後より短い時
間で触れても跡がつかなくなるような乾燥性の優れたも
のが求められている。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のポリ
エーテルポリオールとジイソシアネートを反応させて得
られるポリイソシアネートが、上述の目的にかなうもの
であることを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発
明は、ヘキサメチレンジイソシアネート単独、またはヘ
キサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシア
ネートの混合物からなるジイソシアネート100部に対
し、数平均分子量700〜1600のポリテトラメチレ
ングリコール20〜60部をNCO/OH比が12〜2
2で反応させ、イソシアヌレート化触媒の存在下で反応
させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソ
シアネートの製造方法である。
リコールは、数平均分子量700〜1600という特定
の分子量範囲内のものである。数平均分子量700未満
のポリテトラメチレングリコールから合成されたポリイ
ソシアネートだと、塗膜の伸度が不十分である。また、
数平均分子量1600を越えるポリテトラメチレングリ
コールから合成されたポリイソシアネートは塗膜の乾燥
性が不十分である。
はジイソシアネート100部に対し、20〜60部の範
囲内であることが必要である。もし、ポリテトラメチレ
ングリコールの量が20部未満だと塗膜の伸度が不十分
である。また、ポリテトラメチレングリコールの量が6
0部を越えると塗膜の乾燥性が不十分である。本発明の
対象であるポリイソシアネートは、例えば次の方法で製
造される。
分子量700〜1600の範囲内のポリテトラメチレン
グリコールを20〜60部仕込み、ウレタン化反応を行
ったのち、イソシアヌレート化触媒を添加してイソシア
ヌレート化反応を行い、反応終了後余剰のジイソシアネ
ートを除去する。反応は溶媒を用いても用いなくてもよ
い。溶媒を用いる際には当然、イソシアネート基に対し
反応活性をもたない溶媒を選択すべきである。溶媒の具
体例としては、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素
類や酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられ
る。
160℃、イソシアヌレート化反応は40〜120℃の
範囲から選ばれる。反応の進行は、反応液のNCO%測
定や屈折率測定等で追跡することができる。 また、イ
ソシアヌレート化反応は、熱安定性の低い環状2量体で
あるウレトジオン構造を経由するか、または副反応とし
てウレトジオン構造のものを併発すると一般に言われて
いる。そのため反応を低転化率で停止した場合、製品中
のウレトジオン濃度が高くなりやすい。したがって、製
品中のウレトジオン含有量を抑えるため、触媒としては
ウレトジオン残留の少ないものを選択する必要がある。
かかる条件に好適な触媒としては、例えば、テトラメ
チルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムの
ハイドロオキサイドや有機弱酸塩、例えばトリメチル
ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキ
シエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピル
アンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウ
ム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキ
サイドや有機弱酸塩、例えば酢酸、カプロン酸、オク
チル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸のアルカ
リ金属塩、および上記アルキルカルボン酸の錫、亜
鉛、鉛等の金属塩、例えばヘキサメチルジシラザン等
のアミノシリル基含有化合物等が挙げられる。
により異なるが、通常、ジイソシアネートに対して10
〜1000ppmの範囲から選択される。また、イソシ
アヌレート化反応が進みすぎるとイソシアヌレート多量
体含有量が増加するため、生成物の粘度が上昇する等の
悪影響がでて目的とする物性の製品が得られない。その
ため、反応の転化率はおおむね25%以下に止めるのが
好ましい。しかしながら、イソシアヌレート化反応は初
期の反応速度が非常に速いため、反応の進行を初期で停
止することは困難が伴い、反応条件、特に触媒の添加量
及び添加方法に関しては、慎重に選択する必要がある。
例えば、触媒の一定時間毎の分割添加方法等が好適なも
のとして推奨される。
ば硫酸、リン酸等の触媒失活剤を添加し、反応を停止す
る。反応を停止後、必要であれば失活触媒を除去した
後、余剰のジイソシアネートおよび溶剤を除去して製品
を得る。このジイソシアネートおよび溶剤の除去は、例
えば薄膜蒸発罐や溶剤抽出法により行われる。また、本
発明のポリイソシアネートは、アクリルポリオール、ポ
リエステルポリオール、含フッ素ポリオール等の公知の
ポリオールと組み合わせて2液型ポリウレタン塗料、接
着剤等に用いることができる。上記成分以外に、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、酢酸セロソルブ等の有機溶剤、有色顔料、体質
顔料、分散剤、消泡剤、レベリング剤等を必要に応じて
加えてもよい。また、硬化反応を促進させるために、有
機スズ化合物、3級アミン化合物などの触媒を添加して
もよい。さらに、光劣化、酸化劣化防止のためにヒンダ
ードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダード
アミン系等の安定剤を添加することもできる。
コール、フェノール、オキシム、カプロラクタム、活性
メチレンなどの公知のブロック剤でブロックし、1液型
ポリウレタン塗料に用いることも可能である。
が、本発明は実施例により限定されるものではない。な
お、製品の物性値は以下の方法により求めた。粘度は、
B型粘度計を用いて25℃にて測定した。
チルアミンを添加してイソシアネートと反応させた後、
未反応のアミンの量を塩酸で逆滴定して求めた。残存ヘ
キサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略す)ま
たは残存イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと
略す)の量は、ガスクロマトグラフ(日立製作所製、F
ID検出器)を用いて内部標準法にて求めた。
(島津製作所製)を用いて岩塩板塗布法にて行った。硬
化時間は、塗装したサンプルを20℃雰囲気下に放置
し、直径25mm(重量100g)の分銅を、塗膜面に
日本薬局法ガーゼ5枚を重ねた上に1分間のせても塗膜
面にガーゼ跡が残らなくなるようになるまでの放置時間
を測定した。
に準じて行った。(試験温度=20℃)
口フラスコに、HDIを400gとPTG1000(保
土谷化学工業(株)製ポリテトラメチレングリコール、
商品名、カタログ記載の物性値:平均分子量=100
0、水酸基価=112、酸価0.05以下)を160g
仕込み、攪拌下100℃で1時間ウレタン化反応を行っ
た。ついで、温度を60℃に下げた後、触媒としてテト
ラメチルアンモニウムカプリエート0.2gを分割して
30分毎に加えた。
った後、停止剤として89%リン酸0.15gを加え反
応を停止させた。さらに、温度を90℃に上げ1時間加
熱を続けた後、常温に冷却すると失活触媒であるテトラ
メチルアンモニウム・リン酸塩が析出した。この析出物
を濾過により除去した後、流下式薄膜蒸発罐を用いて、
1回目0.5mmHg/150℃、2回目0.1mmH
g/160℃の条件下で未反応HDIを除去回収した。
で、粘度は2700cP、NCO含有量は11.6%、
遊離HDI量は0.1%であった。この生成物のIR測
定を行ったところ、1680cmー1 付近にイソシアヌ
レート環の吸収が見られた。このポリイソシアネート
を、アクリルポリオール(大日本インキ化学(株)製、
商品名:アクリディックAー801、カタログ記載の性
状値:不揮発分=50%、粘度=P〜T、酸化3以下、
色数1以下、水酸基価=50、溶剤組成:トルオール/
酢酸ブチル)に対してNCO/OH=1になるよう当量
配合調製し、触媒としてジブチル錫ジラウレートを30
0ppm添加したのち、トルエンでフォードカップで1
5秒になるように希釈した。この塗料液ににごりはな
く、ポリオールとの相溶性は良好であった。この塗料液
をスプレー塗装したのち塗装膜を温度20℃に放置して
硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
00℃1時間乾燥したのち、引張強伸度を測定した。結
果を表1に示す。
ールの分子量、仕込比率またはジイソシアネートの種類
を変えた以外は、実施例1と同様にして行った。結果を
表1に示す。表1の結果より、本発明のポリイソシアネ
ートはいずれも硬化時間が短かく、また塗膜の伸展性に
も優れている。
の代わりに、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル
化学工業(株)製、商品名:プラクセル312、カタロ
グ記載の物性値:平均分子量=1250、水酸基価=1
35、酸価1以下)を130g用いる以外は、実施例1
と同様にして行った。結果を表2に示す。このポリイソ
シアネートは、硬化時間は大幅に短いが、塗膜の伸びが
非常に小さいため実用に適さない。
口フラスコに、HDIを400gとプラクセル312を
160g仕込み、攪拌下100℃で1時間ウレタン化反
応を行った。その後、流下式薄膜蒸発罐を用いて、1回
目0.5mmHg/150℃、2回目0.1mmHg/
160℃の条件下で未反応HDIを除去回収した。
で、粘度は5200cP、NCO含有量は9.5%、遊
離HDI量は0.1%であった。こうして得られたウレ
タンプレポリマーを実施例1と同様にして評価を行っ
た。結果を表2に示す。このウレタンプレポリマーはイ
ソシアヌレート構造を有していないため、硬化時間が非
常に長く実用に適さない。
ールの分子量、仕込比率を特許請求の範囲外に変えた以
外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示
す。仕込比率の低いものおよび分子量の小さいものは、
硬化時間は短いが、塗膜の伸びが非常に小さいため実用
に適さない。また、仕込比率の高いものおよび分子量の
大きいものは、硬化時間が非常に長く実用に適さない。
伸展性と良好な乾燥性という相反する性能を合わせもっ
ている。そのため、塗装後の乾燥時間が短縮できるた
め、乾燥中に塗膜に付着するゴミ等を少なくすることが
でき、また作業性も大幅に向上することができる。
シアヌレート構造を有しているため、現在一般に使用さ
れているウレタンプレポリマーに比べて耐候性が非常に
優れている。そのため、特に自動車や建築物の外装用途
などの耐候性が重要な用途において極めて有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ヘキサメチレンジイソシアネート単
独、またはヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロ
ンジイソシアネートの混合物からなるジイソシアネート
100部に対し、数平均分子量700〜1600のポリ
テトラメチレングリコール20〜60部をNCO/OH
比12〜22で、イソシアヌレート化触媒の存在下で反
応させることを特徴とする、イソシアヌレート構造を有
するポリイソシアネートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00654791A JP3169182B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 伸展性および乾燥性の優れたポリイソシアネート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00654791A JP3169182B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 伸展性および乾燥性の優れたポリイソシアネート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04239517A JPH04239517A (ja) | 1992-08-27 |
JP3169182B2 true JP3169182B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=11641360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00654791A Expired - Lifetime JP3169182B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 伸展性および乾燥性の優れたポリイソシアネート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3169182B2 (ja) |
-
1991
- 1991-01-23 JP JP00654791A patent/JP3169182B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04239517A (ja) | 1992-08-27 |
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