JP3169152B2 - 多関節ロボットの制御方法 - Google Patents

多関節ロボットの制御方法

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JP3169152B2
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進也 森本
満徳 川辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】多関節ロボットの制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ロボットの手首部3自由度の構成を図3
に示す。2つの旋回軸W1 ,W3 と、W1 ,W3 の間に
1 ,W3 の回転軸と垂直に交わる回転軸をもつ関節W
2 により構成される。一般には、このような手首部が3
自由度を持つ腕部の先端にとりつけられ、6自由度の多
関節ロボットを構成するが、ここでは手首部のみを示し
ている。以下図3に示すロボット手首部の制御について
説明する。一般的に旋回軸W1 、W3 には制限は設けら
れておらず自由に回転することが可能である。手先に力
センサ等の検出器やハンドなどのケーブルを必要とする
装置が取り付けられている場合、手首の基準位置から見
た手先の回転角が大きくなった時に取り付けられた装置
のケーブルがロボットの腕に巻き付き切断されてしまう
恐れがある。このため、従来は機械的なリミットをかけ
たり、図2に示すように各関節毎に関節角度の最大値を
設定し、関節にとりつけられた検出器の信号をフィード
バックし、最大値を越えた場合に制御を停止するように
していた。しかし、図4のように手先の先端が特異点つ
まりW2 の関節角度が0の点を内部に含む閉軌道で、図
4の手先の座標系x,y軸の方向を変えないようにして
回転させた場合、先端の姿勢は回転しなくてもW1 とW
3 は逆方向に無限に回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の方法で
は、手先先端の姿勢を回転させずに手首を特異点周りで
回転させた場合に、W1 とW3 の関節角度が大きくなり
制限値を越えるため、手先が回転していないにも関わら
ず、制御が停止するという問題点があった。そこで本発
明は、特異点周りで姿勢を回転させずに手先を回転させ
た場合に、制御が停止することなく、また手先が手首位
置に対して大きく回転した場合は制御を停止するため、
エンドエフェクタのケーブルを切断するのを防ぐことが
できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、W1 とW3 の関節角度の和に対して制限値を設定
し、逆運動学変換部により求められたW1 、W3 の関節
角度の和を求め、この値が前記設定した最大値を越えた
場合にロボットの制御を停止する。
【0005】
【作用】上記手段により、手先が姿勢を回転させずに特
異点周りで回転するような場合に制御を停止することな
く実行することができるようになり、手首基準位置から
見た手先の回転角がケーブルが切断されるような角度に
なった場合にロボットの制御を停止するため、ケーブル
が巻き付いて切断されることを防ぐことができる。
【0006】
【実施例】図1に本発明の実施例を示す。与えられた位
置及び姿勢指令(1)から、逆運動学変換(2)により
それぞれの関節角度を求める。関節W1 とW3 以外の関
節は、各制限値と比較し(3)、制限値を越えた場合
(4)にロボットの制御を停止する(5)。これと同時
に、関節W1 とW3 の関節角度の和を求めて、設定され
たW1 ,W3 の和の制限値と比較し(6)、制限値を越
えた場合(7)に、ロボットの制御を停止する(5)。
つまり従来のフローに、ステップ6,7が並列に加わっ
たのが本発明である。
【0007】前記制限値は、手先に取り付けられたエン
ドエフェクタのケーブルの形状から決められる値を用い
る。一般的に手先にケーブルを必要とするエンドエフェ
クタを取り付けた場合、手先の手首位置から見た回転角
が±π[rad] を越えるとケーブルが腕に巻き付き切断さ
れるおそれがある。そこで、関節W1 とW3 について求
められた関節角度の和を計算し、その和が±π[rad] 以
上の場合にはロボットの制御を停止する。手先の姿勢を
回転させずに手先を特異点周りに回転するような場合、
1 とW3 の和は変化しないため、制御が停止されるこ
とはない。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、旋
回軸W1 、W3 の関節角度の和に対して制限を持たせる
ことにより、特異点周りで姿勢を回転させずに手先を回
転させた場合に、制御が停止することなくなり、また手
先が手首位置に対して大きく回転した場合は制御を停止
するため、エンドエフェクタのケーブルを切断するのを
防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図
【図2】従来例を示す図
【図3】ロボットの手先3自由度の構成
【図4】手先の特異点周りの回転の説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 19/06 B25J 9/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの旋回軸W1 ,W3 の間に前記2つ
    の旋回軸の回転軸と垂直に交わる回転軸W2 をもつよう
    に関節を配置した関節部を持つロボットを、与えられた
    位置または姿勢指令を各関節の角度(θ1 ,θ2
    θ3 )に逆運動学変換して制御する多関節ロボットの制
    御方法において、 前記W1 の関節角度θ1 と前記W3 の関節角度θ3 の和
    の制限値を設定しておき、与えられた手首姿勢から前記
    逆運動学変換部によって求められた前記W1 と前記W3
    の関節角度の和を求め、求められた和が前記設定された
    制限値以上になった場合にロボットの制御を停止するこ
    とを特徴とする多関節ロボットの制御方法。
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