JP3168664U - クレーン車荷台用幌掛け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台が平ボディであるクレーン積載型トラックにおいても使用できる幌掛け装置を提供する。【解決手段】トラック荷台21の前方における左右中央に上下伸縮自在かつ水平回動自在な第一リフト4と、荷台21の後方における左右中央に上下伸縮自在な第二リフト5と、第一リフト4と第二リフト5の上部にわたって架設されるレール6と、レール6に摺動自在に横架される複数の幌骨7と、該幌骨7に着脱自在に設けられる防水シートとを有することを特徴とする。必要に応じて第一リフト4および第二リフト5は上下伸縮させることにより、クレーン積載型トラック荷台用幌1に干渉することなく、クレーン3を前方に格納することができる。ワイヤ様部材80を動力式巻き上げドラム81により巻き上げれば、クレーン積載型トラック荷台用幌1を開くことができる。【選択図】図4

Description

本考案は、クレーン搭載型トラックの荷台に取り付け可能な幌装置を提供するものである。
トラックの幌については、例えば特許文献1のように、幌掛け作業が容易であり荷物の大きさに応じて幌枠の長さを設定することができるものなど、従来から数多くの発明がなされてきた。これらのトラックの幌に関する発明のうち、クレーン搭載型トラックに関するものとしては、特許文献2および特許文献3の技術がある。
特許文献1に記載の発明は、荷物の積み込み及び積み下ろし作業が容易で、種々の大きさの台車に使用できる台車の幌枠を提供することを課題として、下部を台車の荷台に固定する門型主フレームと、この門型主フレームの上部水平部を台車側に連結する連結金具と、前記門型フレームに対向配置した少なくとも1個の門型サブフレームと、この門型サブフレームと前記門型主フレームとを連結する若しくは門型サブフレーム同士を連結するリンクとからなり、門型サブフレームを台車の荷台に沿って水平に移動することで折り畳むことができ、且つ、広げた状態で幌を掛けることができることを特徴とした台車の幌枠構造である。
特許文献2に記載の発明は、気密性にすぐれ、しかも、高い内法高であっても、そのトラック自身に架装したクレーンなどにより、上方、側方及び後方から自由に荷物の積み下ろしを可能とすることを課題として、荷台床上方が開放された荷箱本体部と、前記荷箱本体の左右いずれか一方の側壁上に、前後方向の軸を中心に開閉可能に取り付けられて前記荷箱本体部を密封可能であって、天井上板及びその天井上板に略垂直に一体的に形成され下端がトラックのキャビンの天井と同等又はそれ以下の前板部を有する荷箱天井部とを備えたトラックの荷箱である。
特許文献3に記載の発明は、荷物の確実な保護および優れた荷役性を高い安全性の上に両立させることができるクレーン付自動車を提供することを課題として、荷物を収容する荷箱と、前記荷箱の前方に配設され、ブームの少なくとも一部が前記荷箱内に収容された状態で格納状態となるクレーンと、を備えることを特徴とするクレーン付自動車である。
特開平10−250379号公報 特開平7−117480号公報 実用新案登録第3146038号公報
トラック荷台の幌装置について従来技術は多数存在するものの、クレーン積載型トラックにおいてこれらの技術をそのまま使用すると、幌と走行状態のクレーンが干渉したり、幌がクレーン使用の障害となったりすることとなる。しかし、クレーン積載型トラックにおいても幌を活用したいという需要はあり、それに適合する幌はほとんど開発されていない。特許文献においても、トラックの幌に関する従来技術について、荷台にクレーンが搭載されることを考慮したものは特許文献1をはじめとしてほとんど見られない。
クレーン積載型のトラックに関する特許文献として、特許文献2と特許文献3があるが、これらはいずれもトラック荷台に箱体を設置するものであるため、例えば、トラック荷台が平ボディであるときには対応できないものである。よって、既存のトラックに導入するにはトラック荷台の全面的な改装が必要となるため費用がかさむこととなってしまう。
そこで本考案は、荷台が平ボディであるクレーン積載型トラックにおいても使用できる幌掛け装置を提供することを目的とする。
上記の課題に鑑みて、本考案は、トラック荷台の前方における左右中央に設けられる上下伸縮自在かつ水平回動自在な第一リフトと、前記荷台の後方における左右中央に設けられる上下伸縮自在な第二リフトと、前記第一リフトと前記第二リフトの上部にわたって架設されるレールと、該レールに摺動自在に横架される複数の幌骨と、該幌骨に着脱自在に設けられる防水シートと、を有することを特徴とするクレーン積載型トラック荷台用幌である。
本考案には、前記幌骨の各々に設けられた環状部材と、前記トラックの前方に設けられた動力式巻き上げドラムと、一端を前記動力式巻き上げドラムに接続され、前記環状部材の各々に挿設され、他端を前記幌骨のうち最後端のものに固定されるワイヤ様部材と、を有することを特徴として望ましい。
環状部材は、一つの幌骨の中央に一つを設けることが例として挙げられるが、これに限らず、一つの幌骨に複数個を設け、ワイヤ様部材を複数本通すこととしてもよい。
動力式巻き上げドラムに接続するワイヤ様部材は鎖状のものが好ましいが、これに限らず金属製ワイヤ、その他の素材のロープ等を用いることもできる。
本考案によって、クレーン積載型トラックにおいて幌掛け装置を使用することが可能となる。特にトラックの荷台が平ボディであっても、その荷台を使用したまま幌掛け装置を使用することができる。
本考案実施例によるクレーン積載型トラック荷台用幌1を閉じたトラックの左側面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を開く過程を示すトラックの左側面図である。 同実施例においてクレーン3を前方に格納した状態のクレーン積載型トラック荷台用幌1のトラックの左側面図である。 同実施例においてクレーン3を前方に格納し、クレーン積載型トラック荷台用幌1を上方に伸長させた状態のトラック車両2の左側面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を閉じたトラックの平面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を示す斜視図である。 同実施例におけるレール6と幌骨7と防水シート9との関係を示す正面図である。 (a)は同実施例のレール6の正面から見た部分断面図である。(b)は同実施例の変形例のレール6の正面から見た部分断面図である。(c)は本考案実施例における幌骨7の変更例を示す正面から見た部分断面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を水平旋回させた状態のトラックの平面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を後方に寄せてトラック荷台を開放させた状態を示すトラックの平面図である。 同実施例のクレーン積載型トラック荷台用幌1を後方に寄せて水平旋回させた状態のトラックの平面図である。
本考案における好適な実施の形態であるクレーン積載型トラック荷台用幌1について、添付図面を参照して説明する。なお、図1、図3〜図5、図9〜図11においては、防水シート9の図示は省略している。
図1に示すように、クレーン積載型トラック荷台用幌1は、トラック車両2の荷台21に設けられるものである。荷台21は後方および左右側面にアオリ22を有するいわゆる平ボディのものである。荷台21の前端にはクレーン3が設置されている。
図1〜図4に示すように、クレーン積載型トラック荷台用幌1は、荷台21の前方における左右中央に設けられる第一リフト4と、荷台21の後方における左右中央に設けられる第二リフト5と、第一リフト4および第二リフト5に架設されるレール6と、レール6に摺動可能に保持される複数の幌骨7とを備える。以下、各部について説明する。
第一リフト4は、荷台21の前方における左右中央において上下伸縮可能かつ水平回動可能に設けられる支柱である。第一リフト4は小型のターンテーブルを用いて水平旋回可能となっている。
第二リフト5は、荷台21の後方における左右中央において上下伸縮可能に設けられる支柱である。
第一リフト4および第二リフト5は、トラック車両2の内燃機関による電力を用いてワイヤ様部材を電動駆動させてシリンダーを上下させる。第一リフト4は水平旋回もすること、トラック車両2において他にも油圧動力を用いることなどから電動駆動が好ましいが、これに限らず、トラック車両2に備わる油圧源を用いて油圧駆動式のアクチュエータとしてもよい。または、これらを併用したり、伝達ワイヤ様部材を用いて第一リフト4および第二リフト5のいずれか一方に動力を伝達したりする構成としてもよい。その他、これらの動力を用いてパンタグラフ構造による伸縮で第一リフト4および第二リフト5を上下動させてもよい。
レール6は、図6ないし図8に示すように、縦溝61および横溝62を有し、第一リフト4と第二リフト5の各々の上先端部にわたって架設される長尺部材である。レール6は左上ガイド63と右上ガイド64と下ガイド65と前接合部66と後接合部67とからなり、左上ガイド63と右上ガイド64との間に前後に細長く上部が開口した縦溝61が形成され、左上ガイド63および右上ガイド64と下ガイド65との間に前後に細長く左右横方向に貫通した横溝62が形成される。前接合部66および後接合部67は、それぞれ前後で、左上ガイド63と右上ガイド64と下ガイド65とを結合する部分である(図6参照)。縦溝61では、前後にスライドするレール6の環状部材72を逃がし、また案内できるようになっている。横溝62では、左上ガイド63および右上ガイド64と下ガイド6bとにより上下方向から幌骨7を摺動自在に挟持する。レール6のこれらの構成は、図8(a)に示すように、角パイプを縦方向に溝をつけるように切断加工して作成することができる。
レール6の変形例を図8(b)に示す。これは、左上ガイド63と右上ガイド64と下ガイド65とをそれぞれ別個の角パイプにより構成し、これらを結合して前接合部66および後接合部67となして構成したものである。上述の図8(a)に示したものは簡易な構造のため安価に作成することができる一方、図8(b)に示したものは左上ガイド63、右上ガイド64および下ガイド65が独立して角パイプにより形成されるため強度に優れる。
幌骨7は、図1〜図6に示す通り、レール6に摺動可能に複数個が保持される、荷台21の全幅に亘る長さの略棒状の部材である。幌骨7は、棒状部材71と環状部材72とを有し、環状部材72は棒状部材71の中央において上方に突出して設けられる。環状部材72は、それぞれにワイヤ様部材80が挿通されて使用される。また、幌骨7には防水シート9が貼設される。貼設には接着剤を用いてもよいが、面ファスナー等を用いて着脱自在として好適である。また防水シートはそれぞれの幌骨7に覆いかぶせず、図7に示すように、下から吊るすようにして設けるとワイヤ様部材80の巻き取りが円滑となり好ましい。幌骨7の形状は単なる棒状に限られず、任意の形状をとり得る。例えば、防水シートに雨水が貯まるのを防ぐために、幌骨7を山形にするなどしてもよい。なお、図2、図6および図7を除いて、防水シート9の図示は省略している。
幌骨7の変形例として、幌骨7には、図8(c)に示すように、環状部材72を挟んでローラー73を設けてもよい。ローラー73は、レール6における幌骨7の前後のスライド移動を補助するためのものであり、幌骨7の棒状部材71を回転軸として、棒状部材71に対して空転するよう設けられる。レール6のスライド移動が円滑化されるとともに、レール6の左上ガイド63、右上ガイド64、下ガイド6bのうち、横溝62を構成する面の面粗度を摺動可能な程に仕上げる必要がなくなる。
本実施例では、幌骨7としてφ20mmのパイプ部材を用いているが、その他φ17mmやφ18mm等、φ15〜25mm程度の直径のものを用いて好ましい。また、同程度の強度を備え、レール6において摺動可能な限りにおいてその他の形状の部材も適宜用いることができる。幌骨7の材質はステンレス、アルミ等が挙げられるが、強度および重量等を考慮してこれに限られず用いることができる。一つのクレーン積載型トラック荷台用幌1に用いられる幌骨7の数は荷台21の前後長さにより適宜調整される。
荷台21の前方には、クレーン3と第一リフト4との間に鳥居82が備わっていて、この鳥居82の上部に動力式巻き上げドラム81および幌骨載置部材83が設けられている。動力式巻き上げドラム81にはワイヤ様部材80の一端が固定される。ワイヤ様部材80は、レール6に設置された複数の幌骨7に挿通され、その他端は最後端の幌骨7aの環状部材72の付け根部分に固定される。また、最後端の幌骨7aには引き綱84の一端が固定される。
ワイヤ様部材80は、動力式巻き上げドラム81による巻き上げおよび引き綱84による引出しを円滑にするため、鎖状のものが好ましい。または、これに限らず金属製ワイヤ、その他の素材のロープ等を用いることもできる。動力式巻き上げドラム81は電動モーターにより発生した回転動力を歯車等により伝達する一般的な構造のものである。
クレーン積載型トラック荷台用幌1の動作について説明する。
図1、図2に示す通り、クレーン3を後方に格納した状態でクレーン積載型トラック荷台用幌1を閉めることができる。このとき、上下伸縮可能な第一リフト4および第二リフト5は収縮させてあり、クレーン積載型トラック荷台用幌1は下方に位置しているため、図3に示すように、クレーン積載型トラック荷台用幌1に干渉することなく、クレーン3を前方に格納することができる。この状態でワイヤ様部材80を動力式巻き上げドラム81により巻き上げれば、図2に示すようにクレーン積載型トラック荷台用幌1を開くことができる。
ワイヤ様部材80が巻き取られることにより、その一端が固定された最後端の幌骨7aが前方に引き寄せられ、これに伴い後方の幌骨7から順次前方に引き寄せられることにより、クレーン積載型トラック荷台用幌1は開放される(図2参照)。前方に寄せた幌骨7は幌骨載置部材83に載置すると安定する(図6参照)。
クレーン積載型トラック荷台用幌1を閉塞させるときは、動力式巻き上げドラム81を緩めつつ、同時に使用者がトラック荷台後方にて引き綱84を後方に牽引する。防水シート9の着設により連結された各々の幌骨7は、最後端の幌骨7aの後方移動に伴って順次後方に摺動し、荷台21を閉塞させる。
荷台21への積載物によっては、図4に示すように、第一リフト4および第二リフト5を伸長させて荷台上の空間を確保する。このとき、動力式巻き上げドラム81を緩め、クレーン3をあらかじめ前方に格納しておくものとする。
荷台21に荷物を上げ下ろすときには、図9のようにクレーン積載型トラック荷台用幌1を、第一リフト4を回転軸として水平旋回させて、荷台21上を広く開放させることができる。また、引き綱84を前方の幌骨7に設ければ、幌骨7は前方のみならず後方に寄せることもできるので(図10参照)、幌骨7を後方に寄せた状態で第一リフト4を回動させれば荷台21上を完全に開放させることもできる(図11参照)。
以下に、本実施例によるクレーン積載型トラック荷台用幌1の効果を述べる。
クレーン積載型トラック荷台用幌1により、クレーン搭載型トラックにおいてもクレーンに干渉することなく開閉可能な幌装置を取り付けることができる。クレーン積載型トラック荷台用幌1は後付け可能な簡便な構造であるため、既存の平ボディのトラックにも設置することが可能である。
クレーン積載型トラック荷台用幌1を閉塞させるには動力式巻き上げドラム81を用いて行い、クレーン積載型トラック荷台用幌1を開放させるには引き綱84により手動で行うことにより、簡易な構造をとることができ、軽量化が図られ、製造コストも抑えられる。
第一リフト4および第二リフト5を収縮させた状態においては、クレーン積載型トラック荷台用幌1に干渉することなく、クレーン3を前方に格納することができるため(図1、図3参照)、クレーン3の前後の格納状態に関わらず、トラック車両2を走行させることができる。
第一リフト4および第二リフト5を伸長させた状態をとることができ、高さのある大きな荷物を荷台21に積載してもクレーン積載型トラック荷台用幌1を活用することができる。
第一リフト4を回転軸としてクレーン積載型トラック荷台用幌1を水平旋回させて荷台21上を広く開放させることができるため、荷物を荷台21に積載する際にもクレーン3を用いることができ、クレーン3とクレーン積載型トラック荷台用幌1とを一体的に活用することができる(図11参照)。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、様々な改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
以上のように、本考案は幌装置を必要とする貨物輸送業において有用である。
1・・・クレーン積載型トラック荷台用幌1 2・・・トラック車両 3・・・クレーン
4・・・第一リフト 5・・・第二リフト 6・・・レール
7・・・幌骨 71・・・環状部材 80・・・ワイヤ様部材
81・・・動力式巻き上げドラム 84・・・引き綱 9・・・防水シート

Claims (1)

  1. トラック荷台の前方における左右中央に設けられる上下伸縮自在かつ水平回動自在な第一リフトと、
    前記荷台の後方における左右中央に設けられる上下伸縮自在な第二リフトと、
    前記第一リフトと前記第二リフトの上部にわたって架設されるレールと、
    該レールに摺動自在に横架される複数の幌骨と、
    該幌骨に着脱自在に設けられる防水シートと、
    を有することを特徴とするクレーン積載型トラック荷台用幌。
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