JP3168615B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギー密度非水
電解質二次電池に係り、耐過放電特性が優れた高容量の
電池を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、リチウムを負極活物質とする非水
電解質二次電池は高電圧なので、高エネルギー密度とな
ることが期待され、多くの研究が行われている。これら
電池の正極活物質としては、V25やMnO2やMoS2
やTiS2などが検討されてきたが、これらの正極活物
質はLiに対する電位が3V程度またはそれ以下である
のに対し、近年、LiMn24やLiNiO2やLiC
oO2などがLiに対して4V以上の高い電位を示すの
で、高エネルギー密度電池用正極活物質として注目され
ている。これらの高電位の正極活物質は、充電によりL
iを放出し、放電によりLiを吸蔵する。
【0003】一方、負極活物質としては、当初からフォ
イル状の金属Li単体が多く検討されてきたが、充電時
に負極表面に樹枝状結晶のLiが析出し易く、充放電効
率の低下だけでなく、正極と接して内部短絡を生じると
いう問題点を有していた。このような問題を解決する手
段の一つとして、Liの樹枝状成長を抑制し、充放電に
よりLiを吸蔵、放出することができるAl単体,Al
合金,ウッド合金などの金属板もしくは金属粉末、炭素
材料あるいは金属の酸化物,硫化物を負極活物質保持体
に用いる検討がなされている。
【0004】近年は、上述した充電によりLiを放出
し、放電によりLiを吸蔵し、Liに対して4V以上の
高い電位を示す正極活性物質であるLiMn24やLi
NiO 2やLiCoO2などと、充電によりLiを吸蔵
し、放電によりLiを放出する負極活物質保持体である
金属板,金属粉末,炭素材料あるいは金属の酸化物,硫
化物などとを組み合わせて、高電圧で安全性に優れた高
エネルギー密度のリチウム二次電池が開発されつつあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
電池は、通常、最初は正負極とも放電状態で組み立てら
れる。(化1)に、正極活物質にLiCoO2、負極活
物質保持体に炭素(C)を用いた場合を例として示す。
【0006】
【化1】
【0007】(化1)において、充電により正極側から
Liが放出され、電解液を介して負極側にLiが吸蔵さ
れる。一方、放電では逆に充電により吸蔵されたLiが
負極側から放出され、電解液を介して正極側にLiが吸
蔵される。すなわち金属Li単体を負極に用いる場合と
異なり、充放電反応に関与できるLiの最高値は電池構
成時の正極活物質へのLi仕込量によって決まる。しか
しながら、一般にLiを吸蔵,放出することのできる負
極活物質保持体は2サイクル目からは、充放電がほぼ可
逆的になるが、(化2)に示されるように、1サイクル
目において、充電反応量と放電反応量に大きな差(y)
を生じる。
【0008】
【化2】
【0009】すなわち充電反応量(x)に対して放電反
応量は(x−y)と少なくなる。この要因の一つとして
は、充放電反応に可逆的に関与することができないLi
が負極内に吸蔵固定され、以後の放電によって放出され
ないLiが存在することが考えられるが、現在のところ
詳細は不明である。このように正極活物質へのLi仕込
量により充放電容量が決定される電池構成においては、
1サイクル目の初充電において、反応量(x)だけ充電
しても、1サイクル目の初放電では、負極内に以後反応
に関与しないLiが反応量(y)相当生じるため、反応
量で(x−y)だけしか放電しない。以後1サイクル目
と同じ電圧範囲で充放電を行った場合(化3)に示すよ
うに2サイクル目からの充放電反応量は(x−y)とな
る。
【0010】
【化3】
【0011】仮に反応量(x)を充電しようとした場
合、過充電状態となり、非水電解質の有機溶媒の分解や
正極活物質の崩壊や負極表面への樹枝状Li結晶の生成
など充放電サイクル特性への致命的悪影響を及ぼす問題
が生じる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、充電によりLiを吸蔵し、放電によりL
iを放出する負極活物質保持体を主体とする負極と、充
電によりLiを放出し、放電によりLiを吸蔵する活物
質を主体とする正極と有機電解液とからなり、電池構成
時は正負極共放電状態で、負極活物質保持体にはLiが
予め吸蔵されておらず、正極物質にはLiが予め吸蔵さ
れている非水電解質二次電池において、前記正極がM
g,Zn,Cd,Pb,Sn,InおよびTlの群から
選ばれる金属粉末と活物質が混在されていることを特徴
とするものである。
【0013】
【作用】前記正極と本発明によるMg,Zn,Cd,P
b,Sn,InおよびTlの群から選ばれる金属粉末と
活物質を混在させ、前記負極とセパレータを介した状態
で有機電解液が含浸されて電池を構成させることによ
り、本発明による前記金属はLiが予め吸蔵された正極
活物質と液絡状態であるとともに電気的にも短絡状態に
なり、一部電気化学的に酸化されると同時に、前記正極
活物質も還元されて一定の混成電位を示す。しかし、こ
の状態での前記金属の酸化は顕著なものではなく、所定
の初充電をすることにより、本発明の目的は達成され
る。すなわち、本発明による金属は負極よりも電位的に
貴ではあるが、Liが予め吸蔵された正極活物質よりも
卑である。したがって、電池構成後の初充電により、正
極と電気的に接続された本発明による金属が電気化学的
に酸化され、そのほとんどは有機電解液中に溶解する。
その間、同じ電気化学当量分のLi+イオンが有機電解
液中から負極活物質保持体中に吸蔵され、本発明による
金属がほぼ酸化されてしまった後に正極活物質の充電反
応が進み、前記正極活物質からLiが有機電解液中に放
出され、負極活物質保持体へLiがさらに吸蔵されるこ
とになる。具体的には、所定の充電電圧に達し、初充電
が完了した状態では、正極活物質から放出されたLi量
より、負極活物質保持体へ吸蔵されたLi量は、前記正
極と電気的に接続された本発明による金属が電気化学的
に酸化された量だけ多くなる。
【0014】従来の電池構成の状態で初充電した場合、
前述したように、充放電反応に可逆的に関与できないL
iが負極内に吸蔵固定されてしまうので、負極容量は正
極のそれより小さくなる。したがって、電池の放電容量
は、負極容量によって規制され、深い放電を行った場
合、負極は分極し、その電位は、純Li電極に対して4
V近くまで上昇し、負極活物質保持体や芯材でもある集
電板が酸化して溶解してしまい、充放電サイクル特性が
劣化する難点があったが、本発明による電池において
は、放電容量は逆に正極の容量によって規制されるの
で、前述したような顕著な劣化は生ぜず、過放電特性に
優れた電池を構成することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明による非水電解質二次電池につ
いて実施例をもって説明する。
【0016】(実施例1)電池の作製は次のようにして
行う。正極活物質としてLiCoO280gに導電剤と
してアセチレンブラック10gを混合し、この混合物を
80℃で10時間乾燥し、これに平均粒径が50μmの
Mg,Zn,Cd,Pb,Sn,In,Tlの金属粉末
をこれら金属粉末が完全に酸化された場合の理論容量が
2.0Ahに相当する重量を混合し、さらに結着剤とし
てのポリ4弗化エチレン樹脂10gを混合して7種類の
正極合剤を作製した。
【0017】負極活物質保持体としては、予め120℃
で5時間乾燥したグラファイト系炭素材料100gに、
結着剤としてアクリル系樹脂5gを混合し、負極合剤を
作製した。
【0018】試作電池の断面図を図1に示す。図1にお
いて、正極合剤0.1gを直径17.5mmに1トン/
cm2でプレス成型した正極1をケース2内中央にお
き、次に、予め80℃で10時間乾燥させた微孔性ポリ
プロピレンフィルムからなるセパレータ3を正極1の上
に載置する。さらに負極合剤0.05gを直径17.5
mmに1トン/cm2でプレス成型した負極4を、ポリ
プロピレン製ガスケット6を外周に嵌着した封口板5の
内面に圧着する。非水電解質として1モル/1の過塩素
酸リチウムを体積比で1:1のプロピレンカーボネート
とエチレンカーボネートの混合溶媒に溶解した有機電解
液を用い、これをセパレータ3上および負極4上に滴加
した。その後電池を封口し、混合した金属粉末が異なる
7種類の本発明による電池を作製した。
【0019】また、従来例として、正極へ本発明による
金属粉末を混合していない電池も作製した。電池の作製
法は、金属粉末を正極中に混合しない以外は前述したの
と同様の方法で行った。
【0020】従来例を含む8種類の電池の放電容量は、
次に示すような2種類の方法で20℃で評価した。ま
ず、1mA定電流で4.15Vまで初充電し、初充電終
了後5時間開路状態で放置した後1mA定電流で3Vま
で放電する。2サイクル目からは1mA定電流で4.1
5Vまで充電し、3.0Vまで放電することを繰り返し
た。もう一つの方法は、1mAの定電流で4.15Vま
で初充電し、初充電終了後10日間開路状態で放置し、
その後1mA定電流で3Vまで放電する。2サイクル目
以降は、前記方法と同じ条件で充放電を繰り返した。
(表1)に初充電後開路状態で5時間放置した電池の3
サイクル目の放電容量ならびに10サイクル目の放電容
量に対する100サイクル目の放電容量維持率を、(表
2)に初充電後開路状態で10日間放置した電池の3サ
イクル目の放電容量を示す。なお、ここで示す放電容量
は正極合剤中に含まれる正極活物質1g当りの放電容量
で、5個のサンプルの平均値を示している。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】(表1)に示すように、初充電後、開路状
態で5時間放置した本発明による電池は、金属粉末を
していない従来例の電池より、正極活物質1g当りの
放電容量が増加している。特にInを混合した電池は、
従来例の電池と比べて20mAh/gも増加している。
また(表2)に示すように初充電後開路状態で10日間
放置した本発明による電池においては、いずれも正極活
物質1g当りの放電容量が125mAh/g以上の値を
示し、従来例の電池に比べて放電容量が増加している。
これは、初充電後開路状態で長時間放置されることによ
り、正極に混合した本発明による金属粉末の酸化・溶解
が充分に進行し、正負極容量が増加したことによると考
えられるが、大差はなく初充電後の放置時間はあまり長
時間を必要としないと判断される。初充電後開路状態で
5時間放置した本発明による電池の放電容量は、In>
Tl>Sn=Pb>Mg>Zn>Cdの順番になる。な
かでも、Inを混合した電池は131mAh/gと最も
大きく、Tlを混合した電池は、126mAh/gの値
を示した。初充電後開路状態で5時間放置した試験にお
いて、Inを混合した電池ほどの放電容量が得られない
までも、120mAh/g程度の値を示した本発明によ
る他の電池は、以後の充放電サイクルが進むにつれて、
放電容量が増加する傾向が認められた。100サイクル
後の放電容量維持率は、(表1)に示すように従来例の
電池と同様、いずれも90%以上の値を示しているの
で、本発明による電池の実際の放電容量はすべて従来例
の電池より大きくなる。
【0024】(実施例2)次に正極活物質にLiCoO
2、負極活物質保持体にA1粉末を用いた電池について
検討した。
【0025】負極合剤は、負極活物質保持体である20
0メッシュ通過のA1粉末50gに、導電剤としてのア
セチレンブラック50gと結着剤としてのアクリル系樹
脂10gを混合して作製した。
【0026】正極合剤の作製は、Mg,Zn,Cd,P
b,Sn,In,Tlの金属粉末の混合量をそれぞれ3
/4にする以外は実施例1と同じにした。
【0027】また、作電池の作製法も実施例1と同じ
にした。これら従来例を含む8種類の電池の放電容量
は、1mA定電流で4.05Vまで初充電した後、開路
状態で5時間放置し、1mA定電流で3Vまで放電して
求めた。2サイクル目以降は1mA定電流で4.05V
まで充電し、3.0Vまで放電することを繰り返した。
(表3)に3サイクル目の放電容量ならびに10サイク
ル目の放電容量に対100サイクル目の放電容量維持率
を示す。なおここで示す放電容量は正極合剤中に含まれ
る正極活物質1g当りの放電容量で、5個のサンプルの
平均値を示している。
【0028】
【表3】
【0029】(表3)に示すように、1サイクル目の初
充電後、開路状態で5時間放置した本実施例電池は、金
属粉末を混合していない従来例電池より、正極活物質1
g当りの放電容量が増加している。特にInを混合した
電池は、従来例電池と比べて22mAh/gも増加して
いる。本実施例電池で比較した場合、放電容量はIn>
Tl>Sn>Pb>Mg>Zn>Cdの順番になり、実
施例1とほぼ同様の効果が得られた。また100サイク
ル後の放電容量維持率は、(表3)に示すように従来例
電池同様、いずれも90%以上の値を示した。
【0030】(実施例3)次に正極中へ混合した金属粉
末の粒径の検討を行った。正極中へ混合した金属粉末と
しては、InおよびSnを取り上げ、平均粒径が15,
30,50,100,150,180,200μmの7
種類の粒径について検討した。
【0031】電池の作製は、金属粉末の粒径が異なる以
外は実施例1と同様の方法で行った。また、これら電池
の特性は、次に示すように評価した。すなわち1mAの
定電流で4.15Vまでの初充電終了後5時間開路状態
で放置し、その後1mAで3Vまで放電する。2サイク
ル目以降は1mA定電流で4.15Vまで充電し3.0
Vまで放電することを繰り返した。(表4)に3サイク
ル目の放電容量を示す。なおここで示す放電容量は正極
合剤中に含まれる正極活物質1g当りの放電容量で、5
個のサンプルの平均値を示している。
【0032】
【表4】
【0033】(表4)に示すように、本実施例で検討し
た平均粒径30〜180μmの範囲内においてはInお
よびSnのいずれの金属においても、実施例1で示した
金属粉末を含まない従来例の電池よりも放電容量が増加
している。中でも100〜150μmの範囲が放電容量
が大きく、150μm以上または100μm以下では放
電容量が低下する傾向が認められ、200μm、また1
5μmでは、ほとんど効果がないか、却って、実施例1
で示した従来例の電池よりも低下した。この原因は不明
であるが、粒径が細かくなりすぎると表面積が増加し、
表面の酸化物層が増加すること、また、粒径が大きくな
りすぎると放置時間が5時間では短かいこと、電極の成
型性が良くないことなどが考えられる。
【0034】本実施例ではInおよびSnについてのみ
結果を示したが、Mg,Zn,Cd,Pb,Tlについ
ても同様な傾向があることを確認している。また本実施
例では、負極活物質保持体にグラファイト系炭素材料を
用いたが、実施例2で示したA1粉末電極においてもほ
ぼ同様の傾向があることを確認している。
【0035】(実施例4)次に、正極活物質にLiCo
O2、負極活物質保持体にグラファイト系炭素材料とA
1粉末を用いた2種類の電池で過放電試験を行った。正
極中へ混合した金属としては、平均粒径が50μmのI
nおよびSn粉末を用いた。これら電池ならびに正極に
金属粉末を含まない従来例電池の作製は、負極活物質に
グラファイト系炭素材料を用いた電池は実施例1と、A
1粉末を用いた電池は実施例2と同様の方法で行った。
【0036】負極活物質保持体にグラファイト系炭素材
料を用いた本実施例電池の過放電試験は、Inを混合
た電池に関しては1mAの定電流で4.15Vまで初充
電し、初充電終了後5時間開路状態で放置し、その後1
mAで3.0Vまで初放電する。2サイクル目以降は、
1mA定電流で充電は4.15Vまでとし、放電は、1
0サイクル目まで3.0Vまで、11〜30サイクル目
は0.5Vまでの過放電を行い、31サイクル目以降は
再び3.0Vまでの放電を繰り返した。そして、過放電
前と過放電直後の放電容量を比較した。Snを混合した
電池は、初充電後、10日間開路状態で放置する以外
は、Inを混合した電池と同様の方法で評価した。(表
5)に各5個のサンプルの過放電前の放電容量に対する
過放電後の放電容量維持率の平均値を示す。
【0037】負極活物質保持体にA1粉末を用いた本実
施例電池の過放電試験は、初充電および充電終止電圧を
4.05Vとする以外は、負極活物質保持体にグラファ
イト系炭素材料を用いた場合と同様の方法で評価した。
(表6)に5個のサンプルの過放電前の放電容量に対す
る過放電後の放電容量維持率の平均値を示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】(表5)に示すように、負極活物質保持体
にグラファイト系炭素材料を用いた本実施例電池は、過
放電後も93%以上の放電容量維持率を示し、従来例電
池の40%に対して過放電特性が著しく向上している。
【0041】また(表6)に示すように、負極活物質保
持体にA1粉末を用いた本実施例電池は、過放電後も9
1%以上の放電容量維持率を示し、従来例電池の35%
に対して過放電特性が著しく向上している。
【0042】本実施例ではInおよびSnについて結果
を示したが、Mg,Zn,Cd,Pb,Tlについても
同様な傾向があることを確認している。
【0043】以上これまでに述べた4つの実施例では、
正極中に金属粉末を混合することで、効果を確認した
が、正極と同じ極性を示す集電板、リード板もしくはケ
ース部分に所定量の金属を被覆した場合においてもほぼ
同様の効果が得られる。
【0044】またこれら実施例は、正極活物質にLiC
oO2、負極活物質保持体にグラファイト系炭素材料と
A1粉末を用いた電池の結果を例示したが、これ以外に
負極活物質保持体としてA1合金、ウッド合金、またW
2,Fe23などの酸化物もほぼ同様の効果が得られ
る。またこれら本実施例は、非水電解質として1モル/
1の過塩素酸リチウムを溶解した、体積比で1:1のプ
ロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶
媒を用いた有機電解液の場合だけを示したが、これ以外
に、溶質として6フッ化燐酸リチウムやトリフロロメタ
ンスルフォン酸リチウム,ホウフッ化リチウム,溶媒と
してプロピレンカーボネート,エチレンカーボネートな
どのカーボネート類、γ−ブチロラクトン,酢酸メチル
などのエステル類およびジメトキシエタンやテトラヒド
ロフランなどのエーテル類を用いた有機電解液などにも
適用可能である。また、実施例では扁平型電池で説明し
たが、円筒型,角型など形状によって効果が変わるもの
ではない。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、充電によりLiを吸
蔵し、放電によりLiを放出する負極活物質を保持体を
主体とする負極と、充電によりLiを放出し、放電によ
りLiを吸蔵する活物質を主体とする正極と有機電解液
とからなり、電池構成時は正負極とも放電状態で、負極
活物質保持体にはLiが予め吸蔵されておらず、正極活
物質にはLiが予め吸蔵されている非水電解質二次電池
において、前記正極とMg,Zn,Cd,Pb,Sn,
InおよびTlの群から選ばれた金属粉末を活物質と混
させることにより、高容量で過放電特性に優れた電池
を提供することが可能となり、産業上の意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は試験に用いた電池の縦断面図
【符号の説明】
1 正極 2 ケース 3 セパレータ 4 負極 5 ガスケット 6 封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲よし▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−108261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充電によりLiを吸蔵し、放電によりLi
    を放出する活物質保持体を主体とする負極と、充電によ
    りLiを放出し、LiCoO2を主体とする正極と有機
    電解液とからなり、負極活物質保持体にはLiが予め吸
    蔵されておらず、また、正極活物質にはLiが予め吸蔵
    された状態で電池を構成するに当たって、前記正極がM
    g,Zn,Cd,Pb,Sn,InおよびTlの群から選ば
    れる金属粉末と活物質を混在させた正極を用いたことを
    特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 充電によりLiを吸蔵し、放電によりL
    iを放出する金属粉末、炭素材料、を負極活物質保持体
    とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
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