JP3168103B2 - スライシング装置における切刃のドレス方法及び装置 - Google Patents

スライシング装置における切刃のドレス方法及び装置

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JP3168103B2
JP3168103B2 JP20521793A JP20521793A JP3168103B2 JP 3168103 B2 JP3168103 B2 JP 3168103B2 JP 20521793 A JP20521793 A JP 20521793A JP 20521793 A JP20521793 A JP 20521793A JP 3168103 B2 JP3168103 B2 JP 3168103B2
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転するブレードの周
縁部に設けられた切刃によって半導体インゴット等のワ
ークを切断し、半導体ウエハ等の薄片を切り出すスライ
シング装置において、上記切刃のドレスを行う方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなスライシング装置と
しては、内周に円形状の切刃をもつブレードを備え、そ
の内側にワークの一端部を臨ませ、上記ブレードを回転
させながらワークに対してブレードの半径方向に相対移
動させることにより上記ワークから薄片を切り出すよう
に構成されたものが知られている。このような装置で
は、スライシングを繰り返すことにより、上記切刃の切
れ味が鈍くなってスライシング不良を起こすので、この
切刃の切れ味を良好に保ち、優れた製品の生産を維持す
るためには、適当なタイミングで上記切刃をドレスする
必要がある。
【0003】このようなドレスには、切刃全面をドレス
するいわゆる全面ドレスと、切刃の片側面のみをドレス
するいわゆる側面ドレスとがある。全面ドレスは、切刃
の使用開始前や、切刃の使用によって切刃の切れ味が全
体的に鈍った時に行われ、側面ドレスは、切刃の一方の
側面における切れ味が他方の側面における切れ味よりも
相対的に鈍くなり、その不均衡によりブレードに撓みが
生じた時等に行われる。
【0004】従来、全面ドレスを行う方法としては、図
12に示されるように、例えば角柱状のドレスストーン
DSに対してこれを完全に切断する手前の位置までブレ
ード10内周面の切刃11を径方向に切り込み、その後
逆方向に抜き取るといった手段が用いられている。この
全面ドレスでは、1回の切り込み動作及び抜き出し動作
が行われる度にドレスストーンDSが軸方向(図12で
は左方)に所定ピッチで割り出され、従って、ドレスス
トーンDSには全面ドレスの回数と同数の切り込みCが
所定ピッチで形成されることとなる。
【0005】これに対し、側面ドレスを行う方法として
は、図13に示されるような手段が用いられている。例
えば、切刃11の片側面11aをドレスする場合には、
同図実線に示されるように、上記片側面11aに板状の
ドレスストーンDSを斜め状態で接触させた状態で往復
動させる操作が行われ、反対の片側面11bをドレスす
る場合には、同図実線位置から二点鎖線位置まで上記ド
レスストーンDSを180°旋回させて上記と同様に往
復動させる操作が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記手段によれば、切
刃11のドレスを行うために、図12に示すような全面
ドレスを行うための装置と、図13に示すような側面ド
レスを行うための装置とを併設しなければならず、設備
の大型化及びコストの増大は免れ得ない。また、全面ド
レスと側面ドレスとを連続して行う場合、全面ドレスを
行うための位置決め動作と、側面ドレスを行うための位
置決め動作をそれぞれ個別に行わけなればならず、作業
能率が悪い。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、簡素な
設備で、ブレード切刃の全面ドレス及び側面ドレスを連
続して効率良く行うことができるスライシング装置にお
ける切刃のドレス方法及び装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、周縁に切刃を
有し、ワークスライシング時に回転駆動されるブレード
を備えたスライシング装置において、上記ブレードを回
転させながらこのブレードをストーンに対して当該ブレ
ードの半径方向に相対移動させることにより上記ストー
ンを完全切断する手前の位置まで同ストーンを切り込む
切り込み動作とその後ストーンをブレードに対して逆方
向に相対移動させる抜き出し動作とを行うことにより上
記ブレードの切刃全面をドレスした後、上記切り込み動
作でストーンに形成された切り込みの片側縁部と上記ブ
レードの切刃とが対向する位置まで上記ブレードに対し
て上記ストーンを軸方向に相対移動させ、この位置で上
記片側縁部に対して上記切り込み動作を行うことにより
上記切刃の片側面のみをドレスする方法である(請求項
1)。
【0009】この方法において、切刃全面のドレスを2
以上の自然数NについてN回行う場合には、上記切り込
み動作と抜き出し動作と上記ストーンを上記ブレードに
対して軸方向に上記切刃の幅寸法よりも大きな距離だけ
相対移動させる割出し動作とを(N−1)回繰り返すこ
とにより、上記切刃の全面を(N−1)回ドレスした
後、上記ストーンをそれまでの割出し動作における相対
移動距離よりも大きな距離で上記ブレードに対して軸方
向に相対移動させ、この位置で上記切り込み動作及び抜
き出し動作を行うことにより切刃全面を計N回ドレス
し、次いで、この位置から上記ストーンを上記ブレード
に対して軸方向に上記切刃の幅寸法よりも小さい距離だ
け相対移動させ、この位置で上記切り込み動作を行うこ
とにより上記切刃の片側面のみをドレスすることが、よ
り好ましい(請求項2)。
【0010】また本発明は、上記スライシング装置にお
いて、上記ブレードをストーンに対して当該ブレード
半径方向に移動させる切り込み送り手段と、上記ストー
ンを上記ブレードに対して軸方向に移動させる割出し送
り手段と、上記ドレス方法を実行するドレス制御手段と
を備えたものである(請求項3,4)。
【0011】
【作用】上記方法及び装置によれば、ストーンに対して
ブレードの切刃の切り込み動作及び抜き出し動作を行う
ことにより、上記切刃の全面をドレスした後、上記切り
込み動作を行った位置からストーンとブレードとの軸方
向の相対位置を少しずらして上記全面ドレスによる切り
込みの片側縁部を再び切り込むことにより、切刃の片側
面のみをドレスすることができる。すなわち、単一のス
トーンで上記切刃の全面ドレスと側面ドレスの双方を行
うことができる。
【0012】ここで、上記ストーンをブレードに対して
軸方向に割り出しながら連続してN回全面ドレスした後
に側面ドレスを行う場合、請求項2,4記載の方法及び
装置によれば、N回目の切り込み動作の直前のストーン
の割出し距離が、それ以前の割出し距離よりも大きく設
定されることにより、N回目の切り込み動作でストーン
に形成される切り込みと、(N−1)回目の切り込み動
作でストーンに形成される切り込みとの間に、他の切り
込み同士間の距離よりも大きな切り込みしろが確保され
る。従って、N回目の切り込み動作による切り込みを利
用して、上記切刃のいずれの側面も十分な回数だけ側面
ドレスすることができる。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0014】図2,3に示すスライシング装置は、基台
1を備え、この基台1上にガイドレール2が設置されて
おり、このガイドレール2に沿ってスライド可能にスラ
イドテーブル3が支持されている。
【0015】上記基台1上において、スライドテーブル
3に対向する位置には主軸台4が設置されている。この
主軸台4の上部には主軸受4aが設けられ、この主軸受
4aによって主軸6が回転可能に支持されるとともに、
この主軸6にベルト伝動機構7を介して主軸駆動モータ
8の出力軸が連結されている。主軸6の先端部にはテン
ションディスク9が固着され、このテンションディスク
9が、上記主軸6、ベルト伝動機構7、及び主軸駆動モ
ータ8からなる回転駆動手段5により回転駆動されるよ
うになっている。テンションディスク9の周縁部には、
ドーナツ状の薄板からなるブレード10が装着され、こ
のブレード10の内周縁にダイヤモンド粒子等からなる
切刃11が固着されている。
【0016】上記スライドテーブル3上には、保持部材
15及び割出し送り手段18が設けられ、保持部材15
にはシリコン製半導体インゴット等からなるワーク30
が保持されている。割出し送り手段18は、ボールねじ
16と、このボールねじ16を回転駆動する保持部材駆
動モータ17とを有し、この割出し送り手段18によっ
て上記保持部材15が上記主軸6の軸方向にスライド駆
動されることにより、上記ワーク30の一端部がブレー
ド10の表面側、すなわちワーク保持側から、ブレード
10の中央孔を通じて裏面側へ微小量突出することが可
能となっている。
【0017】このスライドテーブル3上には、切刃11
をドレスするためのドレス装置19が設けられている。
このドレス装置19は、ドレス用ストーンDSを保持
し、このストーンDSを適宜ブレード10による切断位
置(ドレス位置)に供給するものであり、その具体的な
構造については後に詳述する。
【0018】上記基台1上には、ボールねじ12と、こ
のボールねじ12を回転駆動する切断送りモータ13と
を備えた切断送り手段(本発明における切り込み送り手
段を構成)14が設けられている。この切断送り手段1
4によって、上記スライドテーブル3全体がガイドレー
ル2に沿って主軸6と直交する方向にスライド駆動さ
れ、このスライドテーブル3が図2の手前から奥へスラ
イドすることにより、ワーク30や後述のストーンDS
がブレード10に対してその半径方向(図3では矢印A
方向)に相対移動する(すなわち切断送りされる)よう
になっている。従って、このブレード10を回転させか
つブレード10の内側にワーク30の一端部を臨ませた
状態で上記切断送りを行うことにより、ワーク30の一
端部が切刃11によってスライスされ、ウエハ(薄片)
が切り出される。また、上記ブレード10の代わりにス
トーンDSを臨ませることにより、上記切刃11のドレ
スが行われることとなる。
【0019】ワーク30の切断送り方向下流側の外周部
分、すなわち、ワーク30において切刃11で最終的に
切断される部分には、カーボン等からなるスライスベー
ス31が固着されている。このスライスベース31の固
着により、ワーク30の切断終了時にブレード10に作
用する切断抵抗が急に開放されて上記ワーク30の最終
切断部分が欠けることが防がれる。
【0020】上記ワーク30の奥側端部には、抵抗検出
手段24が装着されている。この抵抗検出手段24は、
ワーク30の切断作業時にこのワーク30から受ける荷
重の分布に基づいて、図4に示されるようなワーク30
径方向の切断抵抗Fxと、ワーク30軸方向の切断抵抗
Fzとを検出するように構成されている。
【0021】次に、上記ドレス装置19の構造を図5〜
図7に基づいて説明する。
【0022】図5において、70は前記スライドテーブ
ル3上に固定される基台であって、この基台70には、
図2にも示されるような左右一対の案内ロッド71が固
定されている。これらの案内ロッド71には、ボール軸
受72を介し、案内ロッド71に沿ってスライド可能に
スライダ73が取付けられている。上記基台70の後端
には、ストーン進退シリンダ74が固定され、このスト
ーン進退シリンダ74はシリンダ駆動回路75により伸
縮駆動されるようになっている。そして、このストーン
進退シリンダ74のロッド76先端に上記スライダ73
が連結されている。
【0023】このスライダ73には、テーブル77が固
定され、このテーブル77上にドレス装置本体80が固
定されている。このドレス装置本体80は、図7に示さ
れるように、筒状のハウジング81を備え、このハウジ
ング81内にボール軸受82を介して軸83が進退可能
(図7左右方向に移動可能)に保持されている。ハウジ
ング81の後端部には、ボールねじ装置84及びステッ
ピングモータ85が固定されており、ステッピングモー
タ85の出力軸(図示せず)の回転が、上記ボールねじ
装置84により、軸86の進退運動に変換されるように
なっている。この軸86の先端と上記軸83の後端との
間に座87が介設されており、座87の前方空間にはバ
ックラッシュ規制用のコイルばね90が圧入されてい
る。軸83の先端にはチャック91が固定され、このチ
ャック91によりドレスストーンDSが着脱可能に把持
されるようになっている。また、座87には径方向外側
に回転止め用ピン88が突設され、この回転止め用ピン
88が上記ハウジング81の周面に形成された軸方向の
長穴89に嵌入されている。
【0024】そして、上記ストーン進退シリンダ74が
伸長することにより、上記スライダ73とともにドレス
装置本体80全体が前進してドレスストーンDSの端部
が前記ブレード10の内側に臨むドレス位置まで前進す
る一方、上記ストーン進退シリンダ74が後退すること
により、上記ドレス装置本体80全体が後退してドレス
ストーンDSがブレード10よりも後方の位置まで退避
するようになっている。また、ステッピングモータ85
の出力軸の回転がボールねじ装置84の作用により軸8
6の伸長運動に変換され、この軸86によって座87を
介し軸83が段階的に押し出されて、その先端に装着さ
れるドレスストーンDSが所定ピッチずつ割り出される
ようになっている。この具体的な動作については、後に
詳述する。
【0025】このスライシング装置は、図1に示すよう
な駆動制御部40を備えている。この駆動制御部40
は、基準抵抗記憶装置41、比較器42、切断送り速度
演算装置51、切断送りモータ制御装置52、ドレスタ
イミング判定装置61、及びドレス制御装置62を備え
ている。
【0026】同図において、基準抵抗記憶装置41は、
切断送りモータ13の駆動によってワーク30が切断開
始直前の位置(図3に左側の二点鎖線で示す位置よりも
僅かに左寄りの位置;以下、直前位置と称する)に移動
した時点で上記抵抗検出手段24により検出される各方
向の抵抗を基準抵抗として記憶するものである。比較器
42は、上記抵抗検出手段24で検出される各方向の抵
抗Fx,Fzを所定のサンプリング周期ごとに取り込
み、これらの値を上記抵抗検出手段24で記憶されてい
る基準抵抗から差し引いた値を実際の切断抵抗として算
出し、出力するものである。この算出された切断抵抗F
x,Fzは、切断送り速度演算装置51、及びドレスタ
イミング判定装置61に入力される。
【0027】切断送り速度演算装置51は、切断送りモ
ータ制御装置52から駆動命令信号を受けたときに、比
較器42で検出された切断抵抗を小さくするために必要
な目標切断送り速度を演算し、その演算結果に対応した
信号を切断送りモータ制御装置52に出力するものであ
る。
【0028】切断送りモータ制御装置(ドレス動作制御
手段を構成)52は、速度演算装置51からの信号に基
づいて切断送りモータ13を制御するものである。ま
た、この切断送りモータ制御装置52は、後述のドレス
モードに入った場合にはそのドレスに必要な送り動作を
行うように上記切断送りモータ13を制御する。
【0029】ドレスタイミング判定装置61は、上記駆
動命令信号を受けたとき、ドレスを行う時期か否かを上
記切断抵抗Fx,Fzに基づいて判定するものであり、
ドレスタイミングであると判定した場合にドレス制御装
置62に指令信号を出力し、所定の時期に装置の作業モ
ードをドレスモードに切換えるように構成されている。
具体的には、全くドレスを行わない場合、図8(a)に
示すように各切断抵抗Fx,Fzはワーク切断枚数の増
加に伴って上昇するので、同図(b)に示すように、原
則的には、切断抵抗Fxが一定以上増大した場合には全
面ドレス指令を出力し、切断抵抗Fxの絶対値が一定以
上増大した場合にはその正負に対応する側面についての
側面ドレス指令を出力することにより、切断抵抗Fx,
Fzの増大を防ぐ。ドレス制御装置(ドレス制御手段)
62は、上記指令信号を受けた時点、すなわちドレスモ
ードに入った時点で、ドレス装置19がドレスに必要な
動作を行うようにその制御を行うとともに、ドレスモー
ドにおいて上記モータ制御装置52を通じて切断送りモ
ータ13のドレス用制御を行うように構成されている。
【0030】次に、ドレスモードに入った時に上記ドレ
ス制御装置62により行われる制御動作を図9のフロー
チャートに基づいて説明する。なお、以下の説明では、
複数回全面ドレス動作を行った後、続けて側面ドレス動
作を行う場合について説明する。
【0031】まず、ドレス条件、具体的には、全面ドレ
スが必要な回数mo、側面ドレスが必要な回数no、切
刃11において側面ドレスが必要な側面(内側切断面1
1aか外側切断面11bかの選択)等が切断抵抗Fx,
Fzに基づいて設定される(ステップS1)。次いで、
ストーン進退シリンダ74の伸長によりドレスストーン
DSがドレス位置まで前進し、位置決めされる(ステッ
プS2)とともに、全面ドレスモードにおけるストーン
割出し回数をカウントするための変数mが0にリセット
される(ステップS3)。そして、この状態から全面ド
レス動作が開始される(ステップS4)。
【0032】具体的には、ブレード10を所定の回転数
で回転させながら、そのブレード10の半径方向にドレ
スストーンDSを移動させて切刃11をドレスストーン
DSに切り込ませることにより、切刃11の全面がドレ
スされる。その後、ブレード10が逆方向に移動するこ
とにより、ドレスストーンDSに形成された切り込みか
ら切刃11が抜き出される。
【0033】このような全面ドレス動作が1回行われる
度に、カウント変数mに1が加算され(ステップS
5)、この変数mが(mo−1)に達するまでは(ステ
ップS6でNO)、ドレスストーンDSを切り込み幅
(≒切刃11の幅寸法)に寸法t1を加えた寸法だけ割
り出す動作(ステップS7)と、全面ドレス動作(ステ
ップS4)とが繰り返される。
【0034】変数mが(mo−1)に達した後、すなわ
ち(mo−1)回目の全面ドレス動作が終了した後は
(ステップS6でYES)、ドレスストーンDSが上記
切り込み幅に所定寸法t2(>t1)を加えた寸法だけ
割り出され(ステップS8)、その後に最後の全面ドレ
ス動作が実行される(ステップS9)。以上の動作によ
り、図10に示されるように、ドレスストーンDSに
は、等間隔t1で(mo−1)個(図例では4個)の切
り込みC1,C2,C3,C4が形成され、かつ、切り
込みC4から上記間隔t1よりも大きな間隔t2をおい
て最後の切り込みC5が形成されることになる。
【0035】このような全面ドレスモードが終了した
後、側面ドレスモードに移る。まず、側面ドレス動作回
数をカウントするための変数nが0にリセットされ(ス
テップS10)、全面ドレスが完全終了した位置(すな
わち最後の切り込み位置)から所定方向に切刃11の幅
寸法よりも小さい微小寸法t3だけドレスストーンDS
が割り出される(ステップS11)。この「所定方向」
は、図11(a)に示すように切刃11の内側面11a
をドレスする場合には、それまでの割出し方向と逆向き
の後退方向に設定され、逆に同図(b)に示すように切
刃11の外側面11bをドレスする場合には、それまで
の割出し方向と同方向の前進方向に設定される。
【0036】このような割出し動作後、前記全面ドレス
動作と同様に切り込み動作及び抜き出し動作が行われる
ことにより、図11(a)(b)に示すように、切刃1
1の内側面11aのみもしくは外側面11bのみがドレ
スストーンDSの接触しながら最終切り込みC5の片側
縁部を切り込み、これによって側面11a,11bのい
ずれか一方のみがドレスされることとなる(ステップS
12)。
【0037】これらのストーン微小割出し動作及び側面
ドレス動作が行われる度に、変数nに1が加算され(ス
テップS13)、この変数nが予め設定された回数no
に達した時点で(ステップS14でYES)、ストーン
進退シリンダ74の収縮によりドレスストーンDSがド
レス位置から後退し(ステップS15)、ドレスモード
が終了される。
【0038】以上のように、このドレス方法及び装置
は、全面ドレス動作によってドレスストーンDSに形成
された切り込みC5を利用して、同じドレスストーンD
Sに切刃11の片側面11aもしくは11bのみを接触
させることにより、単一の装置で全面ドレスと側面ドレ
スの双方を行うことを可能にしたものであるので、従来
のように全面ドレス用の装置と側面ドレス用の装置を併
設する場合に比べ、設備の小型化及び低廉化を図ること
ができ、また、全面ドレスと側面ドレスとを続けて行う
場合の所要時間を著しく短縮することができる。
【0039】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0040】(1) 上記実施例では、全面ドレス動作及び
側面ドレス動作を連続して複数回行う場合を示したが、
本発明では各ドレス動作の回数を特に問わない。ただ
し、上記実施例のように、複数回連続して全面ドレス動
作を行った後に側面ドレス動作を行う場合、最後の全面
ドレス動作に移行する際の割出し寸法をそれまでの割出
し寸法よりも大きく設定しておけば、最終切り込みC5
と前回の切り込みC4との間に十分な切り込みしろt2
を確保しておくことができ、このため、最終切り込みC
5を利用して側面ドレス動作を行う際、切刃11の内側
面11a、外側面11bのいずれも側面ドレスすること
が可能になる。
【0041】また本発明は、全面ドレス動作と側面ドレ
ス動作とを続けて行うものに限らず、全面ドレス動作終
了後、一旦ドレス装置本体80を後退させてワーク30
のスライシングを行い、その後再びドレス装置本体80
を前進させて側面ドレス動作を行う場合にも適用が可能
である。この場合も、ワーク30のスライシング中、ス
テッピングモータ85を停止させておけば、ストーン進
退シリンダ74の伸長でドレス装置本体80を前進させ
るだけで、全面ドレス動作終了直後の位置にドレススト
ーンDSを復帰させることができ、この位置から側面ド
レス動作の割出しを行うことができる。
【0042】(2) 上記実施例では、ブレード10を固定
し、ドレスストーンDSをブレード10の半径方向に移
動させるようにしたものを示したが、ドレスストーンD
Sを固定しておき、ブレード10をその半径方向に移動
させるようにしてもよい。また、ドレスストーンDSの
割出しについても、ドレスストーンDSは固定してお
き、ブレード10を軸方向に順次移動させるようにして
もよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、ドレスストーン
を切刃で切り込むことにより、切刃の全面ドレスを行っ
た後、この切り込み動作でストーンに形成された切り込
みの片側縁部を上記切刃で切り込むことにより、この切
刃の片側面のみを上記ストーンに接触させてこの片側面
のみを側面ドレスするようにしたものであるので、従来
のように全面ドレス用の装置と側面ドレス用の装置とを
併設する必要がなく、単一の装置及び単一のドレススト
ーンを用いて全面ドレスと側面ドレスの双方を行うこと
ができる。このため、設備の小型化及び低廉化を図ると
ともに、全面ドレスから側面ドレスに移行する際の作業
を大幅に簡略化し、ドレス所要時間を短縮することがで
きる効果がある。
【0044】ここで、上記全面ドレス動作をN(≧2)
回連続して繰り返した後に側面ドレス動作を行う場合、
(N−1)回目の全面ドレス動作終了後にドレスストー
ンをそれまでの割出し動作における相対移動距離よりも
大きな距離で割り出した後にN回目のドレス動作を行う
ようにしたものによれば、ドレスストーンにおいてN回
目の全面ドレス動作により形成される切り込みと、(N
−1)回目の全面ドレス動作により形成される切り込み
との間に、十分な切り込みしろを確保することができ、
このため、N回目の全面ドレス動作により形成される切
り込みを利用して、切刃のいずれの側の側面も側面ドレ
スすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスライシング装置に
設けられた駆動制御部の機能構成を示すブロック図であ
る。
【図2】上記スライシング装置の一部切断正面図であ
る。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】上記スライシング装置において発生する各切断
抵抗を示す説明図である。
【図5】上記スライシング装置に設けられたドレス装置
の全体側面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】上記ドレス装置の本体の一部断面側面図であ
る。
【図8】(a)はドレスをかけない場合のワーク切断枚
数と各方向の切断抵抗との関係を示すグラフ、(b)は
適当なタイミングでドレスを入れる場合のワーク切断枚
数と各方向の切断抵抗との関係を示すグラフである。
【図9】上記ドレス装置において行われる制御動作を示
すフローチャートである。
【図10】上記ドレス装置での全面ドレス動作によりド
レスストーンに形成される切り込みを示す断面平面図で
ある。
【図11】(a)は上記ドレス装置において切刃の内側
面を側面ドレスする状態を示す断面平面図、(b)は上
記ドレス装置において切刃の外側面を側面ドレスする状
態を示す断面平面図である。
【図12】従来の全面ドレス方法を示す断面平面図であ
る。
【図13】従来の側面ドレス方法を示す断面平面図であ
る。
【符号の説明】
10 ブレード 11 切刃 11a 切刃の内側切断面 11b 切刃の外側切断面 14 切断送り手段(切込み送り手段) 19 ドレス装置 24 抵抗検出手段 30 ワーク 40 駆動制御部 62 ドレス制御装置(ドレス制御手段) 80 ドレス装置本体 85 ステッピングモータ(割出し送り手段) DS ドレス用ストーン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−38676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 53/00 B28D 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁に切刃を有し、ワークスライシング
    時に回転駆動されるブレードを備えたスライシング装置
    において、上記ブレードを回転させながらこのブレード
    をストーンに対して当該ブレードの半径方向に相対移動
    させることにより上記ストーンを完全切断する手前の位
    置まで同ストーンを切り込む切り込み動作とその後スト
    ーンをブレードに対して逆方向に相対移動させる抜き出
    し動作とを行うことにより上記ブレードの切刃全面をド
    レスした後、上記切り込み動作でストーンに形成された
    切り込みの片側縁部と上記ブレードの切刃とが対向する
    位置まで上記ブレードに対して上記ストーンを軸方向に
    相対移動させ、この位置で上記片側縁部に対して上記切
    り込み動作を行うことにより上記切刃の片側面のみをド
    レスすることを特徴とするスライシング装置における切
    刃のドレス方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスライシング装置におけ
    る切刃のドレス方法において、上記切り込み動作と抜き
    出し動作と上記ストーンを上記ブレードに対して軸方向
    に上記切刃の幅寸法よりも大きな距離だけ相対移動させ
    る割出し動作とを2以上の自然数Nについて(N−1)
    回繰り返すことにより、上記切刃の全面を(N−1)回
    ドレスした後、上記ストーンをそれまでの割出し動作に
    おける相対移動距離よりも大きな距離で上記ブレードに
    対して軸方向に相対移動させ、この位置で上記切り込み
    動作及び抜き出し動作を行うことにより切刃全面を計N
    回ドレスし、次いで、この位置から上記ストーンを上記
    ブレードに対して軸方向に上記切刃の幅寸法よりも小さ
    い距離だけ相対移動させ、この位置で上記切り込み動作
    を行うことにより上記切刃の片側面のみをドレスするこ
    とを特徴とするスライシング装置における切刃のドレス
    方法。
  3. 【請求項3】 内周に円形状の切刃を有し、ワークスラ
    イシング時に回転駆動されるブレードを備えたスライシ
    ング装置において、上記ブレードをストーンに対して当
    該ブレードの半径方向に移動させる切り込み送り手段
    と、上記ストーンを上記ブレードに対して軸方向に移動
    させる割出し送り手段と、上記ブレードを回転させなが
    ら上記ストーンをブレードに対してその半径方向に相対
    移動させることにより上記ストーンを完全切断する手前
    の位置まで同ストーンを切り込む切り込み動作とその後
    ストーンをブレードに対して逆方向に相対移動させる抜
    き出し動作とを行うことにより上記ブレードの切刃全面
    をドレスした後、上記切り込み動作でストーンに形成さ
    れた切り込みの片側縁部と上記ブレードの切刃とが対向
    する位置まで上記ブレードに対して上記ストーンを軸方
    向に相対移動させ、この位置で上記片側縁部に対して上
    記切り込み動作を行うことにより上記切刃の片側面のみ
    をドレスするように上記切り込み送り手段及び割出し送
    り手段の作動を制御するドレス制御手段とを備えたこと
    を特徴とするスライシング装置における切刃のドレス装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスライシング装置におけ
    る切刃のドレス装置において、上記切り込み動作と抜き
    出し動作と上記ストーンを上記ブレードに対して軸方向
    に上記切刃の幅寸法よりも大きな距離だけ相対移動させ
    る割出し動作とを2以上の自然数Nについて(N−1)
    回繰り返すことにより、上記切刃の全面を(N−1)回
    ドレスした後、上記ストーンをそれまでの割出し動作に
    おける相対移動距離よりも大きな距離で上記ブレードに
    対して軸方向に相対移動させ、この位置で上記切り込み
    動作及び抜き出し動作を行うことにより切刃全面を計N
    回ドレスし、次いで、この位置から上記ストーンを上記
    ブレードに対して軸方向に上記切刃の幅寸法よりも小さ
    い距離だけ相対移動させ、この位置で上記切り込み動作
    を行うことにより上記切刃の片側面のみをドレスするよ
    うに上記切り込み送り手段及び割出し送り手段を制御す
    るように上記ドレス制御手段を構成したことを特徴とす
    るスライシング装置における切刃のドレス装置。
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