JP3167190B2 - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機溶剤に対する溶
解性に優れた塩素化ポリオレフィンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン粉末粒子を水性媒体中に
懸濁させ、これを塩素化して塩素化ポリオレフィンを製
造する技術は広く知られている(例えば、特公昭36−
4745号公報、特開昭51−138791号公報参
照)。
【0003】このような水性懸濁法による塩素化方法
は、溶液法による塩素化方法に比べ、溶媒を使用しない
ため、溶媒の除去という煩雑な工程が必要でなく、また
人体や環境にも悪影響がなく、安全で経済的な方法であ
る。
【0004】しかし、上記引例に記載の水性懸濁法によ
り得られる塩素化ポリオレフィンは、溶液法に比べ、粒
子の内部まで充分に均一に塩素化されず、トルエン、キ
シレンなどの有機溶剤には溶解しない。
【0005】なお、上記引例のうち前者の引例には、厚
さが小さい粒子、例えば、平均1ミル(約25μm )以
下の粒子は均一に塩素化されると述べられている。しか
し、単に、平均値での粒径が約25μm 以下であって
も、通常は粗い粒子も混在しており、ある程度均一に塩
素化されても、トルエン、キシレンなどの有機溶剤に完
全に溶解する塩素化ポリオレフィンは得られない。
【0006】それゆえ、この種の塩素化ポリオレフィン
は、成形用樹脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途に
は適するが、トルエン、キシレンなどの安価な汎用の有
機溶剤を用いる塗料やインキなどの用途には不適当であ
る。
【0007】水性懸濁法で、トルエン、キシレンなどの
有機溶剤に完全に溶解する塩素化ポリオレフィンを製造
する方法として、特開平3−199207号公報には、
微粉砕して得られる、比表面積が300〜20000 c
m2/gのポリオレフィン粉末粒子を塩素化することが提
案されている。
【0008】この技術は、ポリオレフィン粉末粒子の表
面積を大きくすることにより、粒子の表面からの塩素化
反応を促進して塩素化度を高め、それにより有機溶剤に
対する溶解性を改善するものである。そして、この比表
面積は、例えば、流動式比表面積測定装置で測定され、
平均値として示される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単に、平均の
比表面積が300〜20000 cm2/gのポリオレフィ
ン粉末粒子を使用するだけでは、粗い粒子も混在してお
り、塩素化度をある程度高めることはできても、塩素化
反応の途中で粒子が凝集することがあり、粒子の内部ま
で均一に塩素化することはできない。そのため、有機溶
剤に対する溶解性は不充分となる。
【0010】したがって、実際には、塩素化反応中に粒
子をボールミルで粉砕したり、或いは渦巻きポンプで強
制循環することにより、凝集体から粒子を離解しなけれ
ばならない。
【0011】ところが、このような方法では、粒子の処
理設備を新たに付加せねばならず、またこの処理に手間
がかかり、効率的な製造方法とは言いがたい。
【0012】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、水性懸濁法で、有機溶剤に対する溶解性に優れた塩
素化ポリオレフィンを効率的に製造する方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、ポリオレフィンを水性媒体中に懸
濁させ、これを塩素化して塩素化ポリオレフィンを製造
する方法において、ポリオレフィンとして、表面から中
心に至る最大肉厚が30μm以下の粉末粒子を使用し、
かつ60〜120℃で塩素化反応を行うものである。
【0014】この発明で使用するポリオレフィンは、エ
チレンやα−オレフインの単独重合体、エチレンとα−
オレフインとの共重合体、エチレンと他のモノマーとの
共重合体である。
【0015】エチレンやα−オレフインの単独重合体と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリヘキセン、ポリ4−メチルペンテン等が挙
げられる。
【0016】エチレンとα−オレフインとの共重合体と
しては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、
エチレン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペ
ンテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0017】エチレンと他のモノマーとの共重合体とし
ては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ブタ
ジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。
【0018】これらのポリオレフィンには、酸化処理、
無水マレイン酸処理などの化学変成が行われていても差
し支えない。
【0019】ポリオレフィンの分子量には特別な規定は
ないが、得られる塩素化ポリオレフィンを有機溶剤に溶
解して使用するため、低分子量が好ましく、重量平均分
子量で1000〜50000が望ましい。また、構造的
には、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタク
チックのいずれでもよい。
【0020】この発明では、ポリオレフィンとして、表
面から中心に至る最大肉厚が30μm 以下の粉末粒子を
使用する。このような粉末粒子は、ポリオレフィンの重
合物を適当な篩いにかけることによって調製することが
できる。また、ポリオレフィンの重合物を公知の粉砕手
段で一旦粉砕し、これを適当な篩いにかけることによっ
て調製することができる。
【0021】表面から中心に至る肉厚が、例えば平均値
で30μm 以下であって、その中に表面から中心に至る
肉厚が30μm を越える粉末粒子が混在したポリオレフ
ィン粉末粒子を使用すると、得られる塩素化ポリオレフ
ィンは、トルエン、キシレンなどの有機溶剤に完全には
溶解されない。
【0022】表面から中心に至る最大肉厚が30μm 以
下の粉末粒子を使用することが必要である。この値は、
この発明者が、粒子の大きさを平均値ではなく、表面か
ら中心に至る最大の肉厚に着目して、種々の実験を行っ
て見出した値である。
【0023】ポリオレフィン粉末粒子には、内部が緻密
な粉末粒子と中心部が空洞になった粉末粒子とが存在す
る。このようなポリオレフィン粉末粒子のうち、内部が
緻密な粉末粒子の場合は、最大粒径が60μm 以下の粒
子を使用することになる。また、中心部が空洞になった
粉末粒子の場合は、最大殻厚が30μm 以下の粒子を使
用することになる。
【0024】ポリオレフィン粉末粒子の粒径は、小さけ
れば小さいほどよいが、あまり小さすぎると仕込み時の
飛散等の取扱い上の問題がある。緻密粒子の場合、粒径
が1〜20μm の範囲にある粉末粒子が好適である。ま
た、中空粒子の場合は、最大殻厚が30μm 以下であれ
ばよく、粒径の規定はないが、一般に粒径が50〜50
0μm の範囲にある粉末粒子が好適である。
【0025】この発明においては、上記の特定のポリオ
レフィン粉末粒子を水性媒体中に懸濁させて塩素化す
る。水性懸濁液中での塩素化反応は、従来公知の方法で
行うことができる。すなわち、反応の開始は、光、熱、
或いはラジカル発生剤により行うことができる。
【0026】光の場合は、一般波長200〜600nm
の光が照射される。熱の場合は、一般に90℃以上に加
熱される。ラジカル発生剤の場合は、有機過酸化物又は
アゾ系化合物が一般に0.1〜2重量部添加される。ま
た、これ等を併用して行うこともできる。
【0027】反応温度は、経済的な面で反応時間を短く
するために、できるだけ高い方がよい。しかし、ポリオ
レフィンの融点を越えると、粒子同志が合着するため、
使用するポリオレフィンの融点よりも低い温度で行われ
る。
【0028】反応温度は60〜120℃とされる。60
よりも低いと粒子中への塩素の拡散浸透が遅くなり、塩
素化時に粒子が凝集しやすくなり、また反応時間が長く
なり生産性が低下する。逆に、120℃よりも高くなる
と粒子同士が合着しやすくなる。反応の開始を熱で行う
場合は、一般に90〜120℃が好ましい。なお、反応
温度は、一段階で一定温度に設定してもよく、反応中に
ポリオレフィンの凝集を防ぐために、二段階以上の異な
る温度に設定して、塩素化反応を行ってもよい。
【0029】また、反応速度は、塩素濃度が高いほど早
くなり、そのため応容器内の塩素圧を高くすればよい
が、反応容器自体の耐圧に限界があるので、通常、1〜
5 kg/cm2 に設定される。なお、反応系に導入する塩
素は、塩素ガスでも液化塩素でもよい。
【0030】また、ポリオレフイン粉末粒子を懸濁させ
る水性媒体としては、水が好適に使用されるが、反応中
のポリオレフィンの凝集を防ぐために、水に界面活性剤
からなる分散剤を添加してもよい。また、塩酸水溶液を
用いてもよい。
【0031】分散剤を添加する場合は、例えば、メタク
リル酸メチルエステル−アクリル酸共重合体のアンモニ
ウム塩などのアクリル酸系共重合体の誘導体類、エチレ
ンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのア
ルキレンオキサイド類、リン酸エステル類、スルホン酸
系化合物等が挙げられる。
【0032】塩素化ポリオレフィンの塩素化度は、その
用途に合致した塩素化度のものとされる。一般に、塩素
化ポリオレフィンの塩素含有率が低くくなるにつれて、
有機溶剤に対する溶解性が低下する。逆に、高い塩素含
有率を得るには、長時間の塩素化反応が必要となり経済
的でない。
【0033】それゆえ、塩素化ポリオレフィンの塩素化
度は、塩素含有率で表すと、一般に25〜70重量%、
好ましくは60〜70重量%とされる。
【0034】
【作用】ポリオレフィン粉末粒子を水性媒体中に懸濁さ
せた状態でこれに塩素を導入して塩素化するに際し、従
来技術のように、粒度の粗い粒子が混在していると、こ
の粗い粒子にたいしては塩素は粒子の中心部まで浸透し
にくい。また、塩素化されるにつれて粒子は肥大し、よ
り一層塩素は粒子の中心部まで浸透しにくくなる。
【0035】しかも、塩素化反応速度は、塩素の拡散浸
透速度よりも格段に速いため、粒子の表面付近が優先的
に塩素化され、最終的に粒子の中心部の塩素化度が極端
に低くなり、この中心部の低塩素化部分がトルエンやキ
シレンなどの有機溶剤に溶解しにくくなる。
【0036】そこで、この発明のように、ポリオレフィ
ンとして、表面から中心に至る最大肉厚が30μm以下
の粉末粒子を使用し、かつ60〜120℃で塩素化反応
を行うと、塩素は粒子の表面から中心へ速やかに拡散浸
透し、粒子の表面付のみならず中心部も、極めて短時間
にほぼ同時に高塩素化度に塩素化される。
【0037】それゆえ、凝集が起こりやすい低塩素化の
粒子が、水性媒体中に存在する時間は著しく短くなり、
そのため塩素化される粒子が凝集する余地がなくなる。
【0038】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 重量平均分子量7000、密度0.89g/cm2 で、最
大粒径500μm 、100〜500μm の粒子が全体の
55重量%を占める普通の市販ポリプロピレン粒子を、
粉砕機(篩いを備えた超遠心型ミル)により粒径が10
μm 以下になるように液体窒素を用いて冷凍粉砕した。
【0039】この粉砕されたポリプロピレン粒子100
重量部を、内面グラスライニングを施した攪拌機付き加
圧反応器(容量5リットル)に仕込み、これにイオン交
換水800部を入れ、さらに分散剤として、エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイド共重合体(平均分子量
4000、組成モル比1:1)0.2重量部を添加し
た。
【0040】加圧反応器を加熱して110℃に保持し攪
拌下で、これに塩素ガスを吹き込んで7時間熱による塩
素化反応を行った。生成した塩素化ポリプロピレン粒子
の塩素含有量を酸素フラスコ燃焼法により測定したとこ
ろ、平均塩素含有量は60.1重量%であった。
【0041】得られた塩素化ポリプロピレン粒子を25
℃のトルエンに20重量%となるように入れ、これを1
時間攪拌して溶解させて溶解性試験を行ったたところ、
全部が完全に透明に溶解し不溶解部分は全くなかった。
【0042】実施例2 重量平均分子量4000、密度0.93g/cm2 で、最
大粒径500μm 、100〜500μm の粒子が全体の
42重量%を占める普通の市販ポリエチレン粒子を、粉
砕機(篩いを備えた超遠心型ミル)により粒径が10μ
m 以下になるように液体窒素を用いて冷凍粉砕した。
【0043】この粉砕されたポリエチレン粒子100重
量部を、内面グラスライニングを施した攪拌機付き加圧
反応器(容量5リットル)に仕込み、これにイオン交換
水800部を入れ、さらに分散剤として、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド共重合体(平均分子量4
000、組成モル比1:1)0.2重量部を添加した。
【0044】加圧反応器を加熱して70℃に保持し攪拌
下で、これに高圧水銀灯(波長254〜560nm)を
照射しながら塩素ガスを吹き込んで8.5時間光により
塩素化反応を行った。
【0045】生成した塩素化ポリエチレン粒子の平均塩
素含有量は61.0重量%であった。また、得られた塩
素化ポリエチレン粒子の溶解性試験では、全部が完全に
透明に溶解し不溶解部分は全くなかった。
【0046】実施例3 重量平均分子量7000、密度0.89g/cm2 で、最
大粒径500μm 、100〜500μm の粒子が全体の
55重量%を占める普通の市販ポリプロピレン粒子を、
325メッシュの篩いにかけ、粒径が40μm 以下のも
のを集めた。このポリプロピレン粒子100重量部を使
用すること以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】生成した塩素化ポリプロピレン粒子の平均
塩素含有量は60.5重量%であった。また、得られた
塩素化ポリプロピレン粒子の溶解性試験では、全部が完
全に透明に溶解し不溶解部分は全くなかった。
【0048】実施例4 重量平均分子量15000、密度0.89g/cm2 のポ
リプロピレン粒子(ハイマー330P:三洋化成社製)
を使用した。このポリプロピレン粒子は、平均粒径が1
50μm 、殻厚が30μm 以下の中空粒子である。この
ポリプロピレン粒子100重量部を使用すること以外
は、実施例1と同様に行った。
【0049】生成した塩素化ポリプロピレン粒子の平均
塩素含有量は60.7重量%であった。また、得られた
塩素化ポリプロピレン粒子の溶解性試験では、全部が完
全に透明に溶解し不溶解部分は全くなかった。
【0050】比較例1 実施例1において、重量平均分子量7000、密度0.
89g/cm2 で、最大粒径500μm 、100〜500
μm の粒子が全体の55重量%を占める普通の市販ポリ
プロピレン粒子を、粉砕せずにそのまま使用した。ま
た、塩素化反応時間を9時間に変更した。それ以外は、
実施例1と同様に行った。
【0051】生成した塩素化ポリプロピレン粒子の平均
塩素含有量度は、60.2重量%であった。また、得ら
れた塩素化ポリプロピレン粒子の溶解性試験では、不溶
解部分が残った。この不溶解部分を濾過し真空乾燥して
その重量を測定したところ、不溶解部分は1.3重量%
であった。
【0052】比較例2 実施例2において、重量平均分子量4000、密度0.
93g/cm2 で、最大粒径500μm 、100〜500
μm の粒子が全体の42重量%を占める普通の市販ポリ
エチレン粒子を、粉砕せずにそのまま使用した。それ以
外は、実施例2と同様に行った。
【0053】生成した塩素化ポリプロピレン粒子の平均
塩素含有量は、60.2重量%であった。また、得られ
た塩素化ポリプロピレン粒子の溶解性試験では、不溶解
部分が残った。この不溶解部分を濾過し真空乾燥してそ
の重量を測定したところ、不溶解部分は1.5重量%で
あった。
【0054】比較例3 重量平均分子量7000、密度0.89g/cm2 で、最
大粒径500μm 、100〜500μm の粒子が全体の
55重量%を占める普通の市販ポリプロピレン粒子を、
150メッシュと250メッシュの篩いで分級し、粒径
が60〜100μm のものを集めた。このポリプロピレ
ン粒子100重量部を使用し、また、塩素化反応時間を
9時間に変更した。それ以外は、実施例1と同様に行っ
た。
【0055】生成した塩素化ポリプロピレン粒子の平均
塩素含有量度は、60.4重量%であった。また、得ら
れた塩素化ポリプロピレン粒子の溶解性試験では、不溶
解部分が残った。この不溶解部分を濾過し真空乾燥して
その重量を測定したところ、不溶解部分は0.02重量
%であった。
【0056】
【発明の効果】上述のとおり、この発明方法は、ポリオ
レフィンを水性媒体中に懸濁させ、これを塩素化して塩
素化ポリオレフィンを製造する方法において、ポリオレ
フィンとして、表面から中心に至る最大肉厚が30μm
以下の粉末粒子を使用し、かつ60〜120℃で塩素化
反応を行うもので、それにより、塩素は粒子の内部まで
速やかに拡散浸透し、塩素化時に粒子の凝集が起こら
ず、粒子の表面から中心に至り全体として均一に塩素化
され、また高い生産性で高度に塩素化することができ
る。
【0057】それゆえ、この発明方法によれば、従来方
法のように、塩素化反応の途中で粒子をボールミルで粉
砕したり、或いは渦巻きポンプで強制循環するような面
倒な操作を付加することなしに、トルエン、キシレンな
どの安価な有機溶剤に完全に溶解する塩素化ポリオレフ
ィンを効率的に製造することができるという利点があ
る。
【0058】したがって、この発明方法により得られる
塩素化ポリオレフィンは、塗料やインキの用途に好適に
使用される。なお、この塩素化ポリオレフィンは、成形
用樹脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途にも使用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−36302(JP,A) 特開 平3−199207(JP,A) 特開 昭62−179510(JP,A) 特公 昭40−15660(JP,B1) 特公 昭36−4745(JP,B1) 特公 昭39−27760(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/18 - 8/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを水性媒体中に懸濁さ
    せ、これを塩素化して塩素化ポリオレフィンを製造する
    方法において、ポリオレフィンとして、表面から中心に
    至る最大肉厚が30μm以下の粉末粒子を使用し、かつ
    60〜120℃で塩素化反応を行うことを特徴とする塩
    素化ポリオレフィンの製造方法。
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KR102219312B1 (ko) * 2018-08-30 2021-02-24 주식회사 엘지화학 폴리에틸렌 및 이의 염소화 폴리에틸렌
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