JP3167045B2 - プロピレン系ブロック共重合体 - Google Patents
プロピレン系ブロック共重合体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品とした場合の柔
軟性、及び低温衝撃性に優れ、重合槽から得られた重合
体粒子の流動性の優れたプロピレン系ブロック共重合体
に関し、更に詳しくは、非晶性重合体を多く含むにも係
わらず粒子の固結防止性に優れ、且つ粒子が高温となっ
た場合にも流動性が低下しないプロピレン系ブロック共
重合体に関する。
軟性、及び低温衝撃性に優れ、重合槽から得られた重合
体粒子の流動性の優れたプロピレン系ブロック共重合体
に関し、更に詳しくは、非晶性重合体を多く含むにも係
わらず粒子の固結防止性に優れ、且つ粒子が高温となっ
た場合にも流動性が低下しないプロピレン系ブロック共
重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエチレン−プロピレンゴム(以
下、[EPR」と略称する。)は、バナジウム系触媒を
用いた溶液重合法で製造されるのが一般的であり、重合
活性が低く生産性に劣るという問題があった。加えて生
成したポリマーの分離、乾燥工程に複雑なプロセスを要
し、経済的に極めて不利であった。更にEPRからなる
成形品は、べたつき感を有し、耐熱性、機械的強度も十
分でないという欠点も有していた。
下、[EPR」と略称する。)は、バナジウム系触媒を
用いた溶液重合法で製造されるのが一般的であり、重合
活性が低く生産性に劣るという問題があった。加えて生
成したポリマーの分離、乾燥工程に複雑なプロセスを要
し、経済的に極めて不利であった。更にEPRからなる
成形品は、べたつき感を有し、耐熱性、機械的強度も十
分でないという欠点も有していた。
【0003】かかる物性を改良するために、結晶性ポリ
オレフィンをブレンドしてなるオレフィン系エラストマ
ーもすでに提案されているが、これはEPRの高価格に
加え、ブレンド工程も要すことから経済的、エネルギー
的に極めて不利な材料となっている。
オレフィンをブレンドしてなるオレフィン系エラストマ
ーもすでに提案されているが、これはEPRの高価格に
加え、ブレンド工程も要すことから経済的、エネルギー
的に極めて不利な材料となっている。
【0004】上記の課題を解決するために、結晶性ポリ
オレフィン成分とエチレンプロピレン共重合体成分を重
合により一挙に製造する方法が種々提案されている。
オレフィン成分とエチレンプロピレン共重合体成分を重
合により一挙に製造する方法が種々提案されている。
【0005】しかしながら、上記の方法によりえられた
共重合体は粒子状で得られるものの、その流動性は貧し
く、とりわけ重合槽より得られた重合体粒子を堆積放置
した場合、その荷重により固結し塊状となるために、貯
蔵、移送工程でトラブルの原因となったり、また、煩雑
な操作が必要になるという問題があった。更に、該重合
体粒子は比較的低温、例えば常温付近では流動性を示す
ものの非晶性重合体部分を多く含むため比較的高温、例
えば50〜70℃になると著しく粘着し流動性が低下す
るという欠点を有していた。
共重合体は粒子状で得られるものの、その流動性は貧し
く、とりわけ重合槽より得られた重合体粒子を堆積放置
した場合、その荷重により固結し塊状となるために、貯
蔵、移送工程でトラブルの原因となったり、また、煩雑
な操作が必要になるという問題があった。更に、該重合
体粒子は比較的低温、例えば常温付近では流動性を示す
ものの非晶性重合体部分を多く含むため比較的高温、例
えば50〜70℃になると著しく粘着し流動性が低下す
るという欠点を有していた。
【0006】一般に重合は50〜80℃の温度範囲で実
施されるため、重合槽からの排出時、フラッシュタンク
及び貯蔵タンクへの移送時、さらに乾燥工程などでは重
合体粒子の温度は、通常50〜70℃の範囲となる。従
って、上記のように50〜70℃での重合体粒子の粘着
は該重合体粒子の工業的規模での取扱いにおいて重大な
トラブルの原因となっていた。
施されるため、重合槽からの排出時、フラッシュタンク
及び貯蔵タンクへの移送時、さらに乾燥工程などでは重
合体粒子の温度は、通常50〜70℃の範囲となる。従
って、上記のように50〜70℃での重合体粒子の粘着
は該重合体粒子の工業的規模での取扱いにおいて重大な
トラブルの原因となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン
−エチレン共重合体成分を含んでなるプロピレン系ブロ
ック共重合体が該目的を達成することのできる材料であ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
題を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン
−エチレン共重合体成分を含んでなるプロピレン系ブロ
ック共重合体が該目的を達成することのできる材料であ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、ポリブテン成分、ポリプ
ロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分を含むブロック共重合体であって、上記各成分
の合計を100重量%とするとき、ポリブテン成分が
0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が30重量%
を超え、70重量%まで、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体成分が25〜69.99未満重量%であり、
該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレ
ンに基づく単量体単位を15〜80モル%、プロピレン
に基づく単量体単位を85〜20モル%含むランダム共
重合体で構成されてなり、且つ分子量1万以下の成分の
割合が1.0重量%以下であり、重量平均分子量が60
万以上であることを特徴とするプロピレン系ブロック共
重合体である。
ロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分を含むブロック共重合体であって、上記各成分
の合計を100重量%とするとき、ポリブテン成分が
0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が30重量%
を超え、70重量%まで、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体成分が25〜69.99未満重量%であり、
該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレ
ンに基づく単量体単位を15〜80モル%、プロピレン
に基づく単量体単位を85〜20モル%含むランダム共
重合体で構成されてなり、且つ分子量1万以下の成分の
割合が1.0重量%以下であり、重量平均分子量が60
万以上であることを特徴とするプロピレン系ブロック共
重合体である。
【0009】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
(以下、単に「ブロック共重合体」と略称する。)は、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−
エチレン共重合体成分よりなる。ポリブテン成分が他の
成分、例えばポリエチレン成分で代わると重合により得
られた重合体粒子の固結性、高温時の流動性が乏しく、
本発明の目的物とはなり得ない。
(以下、単に「ブロック共重合体」と略称する。)は、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−
エチレン共重合体成分よりなる。ポリブテン成分が他の
成分、例えばポリエチレン成分で代わると重合により得
られた重合体粒子の固結性、高温時の流動性が乏しく、
本発明の目的物とはなり得ない。
【0010】本発明のブロック共重合体におけるポリブ
テン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチ
レンランダム共重合体成分それぞれの成分割合は、ポリ
ブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分
が30重量%を超え70重量%、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体成分が25〜69.99重量%未満で
ある。
テン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチ
レンランダム共重合体成分それぞれの成分割合は、ポリ
ブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分
が30重量%を超え70重量%、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体成分が25〜69.99重量%未満で
ある。
【0011】本発明においてポリブテン成分は重合体粒
子の粒子性状を良好とするために必須である。特に、後
述するポリプロピレン成分の含量が少ないとき、例え
ば、30重量%以下のときには得られる重合体粒子が粘
着しやすくなるが、そのようなときにもポリブテン成分
の存在により、良好な流動性の重合体粒子とすることが
できる。ポリブテン成分が0.01重量%未満である場
合、重合により得られた重合体粒子が堆積放置された場
合、その荷重により固結し、更に共重合体粒子が50〜
70℃となった場合に著しく流動性に劣るために好まし
くない。一方、ポリブテン成分が10重量%をこえる場
合、却ってブロック共重合体の流動性が低下し好ましく
ない。ポリブテン成分の割合は、重合体粒子のより良好
な流動性を勘案すると0.04〜3重量%の範囲が好ま
しい。
子の粒子性状を良好とするために必須である。特に、後
述するポリプロピレン成分の含量が少ないとき、例え
ば、30重量%以下のときには得られる重合体粒子が粘
着しやすくなるが、そのようなときにもポリブテン成分
の存在により、良好な流動性の重合体粒子とすることが
できる。ポリブテン成分が0.01重量%未満である場
合、重合により得られた重合体粒子が堆積放置された場
合、その荷重により固結し、更に共重合体粒子が50〜
70℃となった場合に著しく流動性に劣るために好まし
くない。一方、ポリブテン成分が10重量%をこえる場
合、却ってブロック共重合体の流動性が低下し好ましく
ない。ポリブテン成分の割合は、重合体粒子のより良好
な流動性を勘案すると0.04〜3重量%の範囲が好ま
しい。
【0012】また、プロピレン成分が30重量%以下で
はブロック共重合体からなる成形品の強度及び耐熱性が
低下する。ポリプロピレン成分の割合が70重量%をこ
えると、成形品の低温衝撃性が低下し、所期の目的のブ
ロック共重合体を得ることができない。ポリプロピレン
成分は、機械的強度、耐熱性および低温衝撃性等を勘案
すると、30を超え60重量%までの範囲であることが
好ましい。
はブロック共重合体からなる成形品の強度及び耐熱性が
低下する。ポリプロピレン成分の割合が70重量%をこ
えると、成形品の低温衝撃性が低下し、所期の目的のブ
ロック共重合体を得ることができない。ポリプロピレン
成分は、機械的強度、耐熱性および低温衝撃性等を勘案
すると、30を超え60重量%までの範囲であることが
好ましい。
【0013】さらにエチレン−プロピレンランダム共重
合体成分は25〜69.99重量%未満である。上記成
分が25重量%未満のときは低温衝撃性に劣り、69.
99重量%以上では、成形品の強度及び耐熱性などの機
械的物性に劣り好ましくない。エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体成分は低温衝撃性や強度、耐熱性を勘案
すると、40〜69.99重量%未満の範囲であること
が好ましい。
合体成分は25〜69.99重量%未満である。上記成
分が25重量%未満のときは低温衝撃性に劣り、69.
99重量%以上では、成形品の強度及び耐熱性などの機
械的物性に劣り好ましくない。エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体成分は低温衝撃性や強度、耐熱性を勘案
すると、40〜69.99重量%未満の範囲であること
が好ましい。
【0014】本発明のブロック共重合体には、ポリブテ
ン成分、ポリプロピレン成分、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、本発明の
ブロック共重合体の物性を阻害しない限り、他のα−オ
レフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合さ
れて含まれていてもよい。
ン成分、ポリプロピレン成分、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、本発明の
ブロック共重合体の物性を阻害しない限り、他のα−オ
レフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合さ
れて含まれていてもよい。
【0015】本発明のブロック共重合体は、ポリブテン
成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一分子鎖中
に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖と、ポリ
ブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチ
レンランダム共重合体成分のそれぞれ単独よりなる分子
鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミクロに混
合しているものと考えられる。
成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一分子鎖中
に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖と、ポリ
ブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチ
レンランダム共重合体成分のそれぞれ単独よりなる分子
鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミクロに混
合しているものと考えられる。
【0016】本発明のブロック共重合体中のポリブテン
成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、高温時の
流動性を良好にするためには、アイソタクティシティが
0.90以上であることが好ましい。ポリ1−ブテンの
アイソタクティシティは13C−NMRにより測定を行
い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第
16巻(1984年)716〜726頁に基づいて帰属
を行ったときのmmの値である。
成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、高温時の
流動性を良好にするためには、アイソタクティシティが
0.90以上であることが好ましい。ポリ1−ブテンの
アイソタクティシティは13C−NMRにより測定を行
い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第
16巻(1984年)716〜726頁に基づいて帰属
を行ったときのmmの値である。
【0017】前記のプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプ
ロピレンに基づく単量体単位のそれぞれ含有割合は、エ
チレンに基づく単量体単位15〜80モル%、好ましく
は15〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%
である。プロピレンに基づく単量体単位は85〜20モ
ル%、好ましくは85〜40モル%、より好ましくは8
0〜50モル%である。エチレンに基づく単量体単位の
含有割合が15モル%未満であり、プロピレンに基づく
単量体単位の含有割合が85モル%を超える場合、成形
品の柔軟性及び耐衝撃性が十分でなくなり好ましくな
い。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割合が8
0モル%をこえ、プロピレンに基づく単量体単位の含有
割合が20モル%未満である場合、成形品の強度及び耐
熱性が十分でなくなり好ましくない。
合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプ
ロピレンに基づく単量体単位のそれぞれ含有割合は、エ
チレンに基づく単量体単位15〜80モル%、好ましく
は15〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%
である。プロピレンに基づく単量体単位は85〜20モ
ル%、好ましくは85〜40モル%、より好ましくは8
0〜50モル%である。エチレンに基づく単量体単位の
含有割合が15モル%未満であり、プロピレンに基づく
単量体単位の含有割合が85モル%を超える場合、成形
品の柔軟性及び耐衝撃性が十分でなくなり好ましくな
い。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割合が8
0モル%をこえ、プロピレンに基づく単量体単位の含有
割合が20モル%未満である場合、成形品の強度及び耐
熱性が十分でなくなり好ましくない。
【0018】本発明のブロック共重合体は、重合により
流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本発明のブ
ロック共重合体と同様のエチレン含量である従来のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体が粒子同士の粘着に
より、塊状で得られることを考えると驚異的なことであ
る。
流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本発明のブ
ロック共重合体と同様のエチレン含量である従来のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体が粒子同士の粘着に
より、塊状で得られることを考えると驚異的なことであ
る。
【0019】共重合体を粉状で得るためには、低分子量
の成分量を少なくする必要がある。本発明のブロック共
重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(以下「GPC」と略称する。)で測定した溶出曲線に
おいて、分子量1万以下の成分の割合を通常1.0重量
%以下、好ましくは0.6重量%以下とすることで粉状
を保持しうる。そして、ブロック共重合体の低分子量の
成分を少なくする方法の一つは、相対的に重量平均分子
量を高めることによって達成しうる。本発明のブロック
共重合体の重量平均分子量は、少なくとも60万以上、
通常80万以上、好ましくは100万以上、より好まし
くは130〜700万、最も好ましくは150〜300
万である。重量平均分子量が前記の範囲内にあると、共
重合体の形態が粉状となりやすい。尚、本発明における
重量平均分子量は、GPCにより測定され、ポリスチレ
ンで求められた検量線を基に換算された値である。
の成分量を少なくする必要がある。本発明のブロック共
重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(以下「GPC」と略称する。)で測定した溶出曲線に
おいて、分子量1万以下の成分の割合を通常1.0重量
%以下、好ましくは0.6重量%以下とすることで粉状
を保持しうる。そして、ブロック共重合体の低分子量の
成分を少なくする方法の一つは、相対的に重量平均分子
量を高めることによって達成しうる。本発明のブロック
共重合体の重量平均分子量は、少なくとも60万以上、
通常80万以上、好ましくは100万以上、より好まし
くは130〜700万、最も好ましくは150〜300
万である。重量平均分子量が前記の範囲内にあると、共
重合体の形態が粉状となりやすい。尚、本発明における
重量平均分子量は、GPCにより測定され、ポリスチレ
ンで求められた検量線を基に換算された値である。
【0020】本発明のブロック共重合体は粉状体で得ら
れ、その平均粒径は特に限定されないが、通常、100
〜1000μm、好ましくは100〜800μmの範囲
のものが好ましい。また、粘度分布は特に制限されない
が、通常比較的狭く、具体的には粒径が100μm以下
の粉状体の割合が1重量%以下であり、且つ粒径が10
00μm以上、好ましくは粒径が800μm以上の粉状
体の割合が1重量%以下であると好適である。
れ、その平均粒径は特に限定されないが、通常、100
〜1000μm、好ましくは100〜800μmの範囲
のものが好ましい。また、粘度分布は特に制限されない
が、通常比較的狭く、具体的には粒径が100μm以下
の粉状体の割合が1重量%以下であり、且つ粒径が10
00μm以上、好ましくは粒径が800μm以上の粉状
体の割合が1重量%以下であると好適である。
【0021】本発明のブロック共重合体を確認する方法
は、例えば次の通りである。
は、例えば次の通りである。
【0022】本発明のブロック共重合体の13C−核磁気
共鳴(以下「NMR」という。)スペクトルを測定する
と、11ppm付近、35ppm付近、40.5ppm
付近にピークが観測される。前記11ppm付近のピー
クは、下記(i)
共鳴(以下「NMR」という。)スペクトルを測定する
と、11ppm付近、35ppm付近、40.5ppm
付近にピークが観測される。前記11ppm付近のピー
クは、下記(i)
【0023】
【化1】
【0024】のブテン単量体単位のC1の炭素に由来す
るものである。また、前記35ppm付近のピークは、
上記式(i)のC2の炭素に由来するものである。さら
に、40.5ppm付近のピークは、上記式(i)のC
3の炭素に由来するものである。
るものである。また、前記35ppm付近のピークは、
上記式(i)のC2の炭素に由来するものである。さら
に、40.5ppm付近のピークは、上記式(i)のC
3の炭素に由来するものである。
【0025】13C−NMRスペクトルを測定すると、上
記のピーク以外に、45.5〜47.5ppm付近、3
7〜39ppm付近、33〜34ppm付近、24.5
〜25.5ppm付近にピークが観測される。前記4
5.5〜47.5ppm付近のピークは、下記式(ii)
記のピーク以外に、45.5〜47.5ppm付近、3
7〜39ppm付近、33〜34ppm付近、24.5
〜25.5ppm付近にピークが観測される。前記4
5.5〜47.5ppm付近のピークは、下記式(ii)
【0026】
【化2】
【0027】のプロピレン−エチレンランダム共重合体
成分のC1の炭素に由来するものである。また、37〜
39ppm付近のピークは、上記式(ii)のC2の炭素
に由来するものである。さらに、33〜34ppm付近
のピークは、上記式(ii)のC3の炭素に由来するもの
である。このピークは、エチレンに基づく単量体単位
(E)とプロピレンに基づく単量体単位(P)がEPE
となるように連結した場合に現れるピークである。また
さらに、24.5〜25.5ppm付近のピークは、上
記式(ii)のC4の炭素に由来するものである。このピ
ークは、EとPがPEPとなるように連結した場合に現
れるピークである。従って、前記の33〜34ppm付
近のピーク及び24.5〜25.5ppm付近のピーク
が共に観測されることによって、エチレンとプロピレン
がランダム共重合していることが確認される。
成分のC1の炭素に由来するものである。また、37〜
39ppm付近のピークは、上記式(ii)のC2の炭素
に由来するものである。さらに、33〜34ppm付近
のピークは、上記式(ii)のC3の炭素に由来するもの
である。このピークは、エチレンに基づく単量体単位
(E)とプロピレンに基づく単量体単位(P)がEPE
となるように連結した場合に現れるピークである。また
さらに、24.5〜25.5ppm付近のピークは、上
記式(ii)のC4の炭素に由来するものである。このピ
ークは、EとPがPEPとなるように連結した場合に現
れるピークである。従って、前記の33〜34ppm付
近のピーク及び24.5〜25.5ppm付近のピーク
が共に観測されることによって、エチレンとプロピレン
がランダム共重合していることが確認される。
【0028】本発明のブロック共重合体の13C−NMR
スペクトルからは、プロピレン−エチレンランダム共重
合体成分及びポリブテン成分のそれぞれの割合、及び該
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエ
チレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量
体単位のそれぞれの割合が算出される。
スペクトルからは、プロピレン−エチレンランダム共重
合体成分及びポリブテン成分のそれぞれの割合、及び該
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエ
チレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量
体単位のそれぞれの割合が算出される。
【0029】次に、本発明のブロック共重合体について
示差走査熱分析(以下「DSC」と略称する。)を行う
と、ピークが155〜165℃の範囲で現れる。このピ
ークは、該ブロック共重合体中のポリプロピレン成分の
融点(Tm(℃))に基づくものである。そして、該融
点における融解熱の大きさは、該ブロック共重合体中の
ポリプロピレン成分の含有割合により決まり、該ポリプ
ロピレン成分が70重量%以下で含まれている場合、該
融解熱は70mJ/mg以下の範囲で測定される。
示差走査熱分析(以下「DSC」と略称する。)を行う
と、ピークが155〜165℃の範囲で現れる。このピ
ークは、該ブロック共重合体中のポリプロピレン成分の
融点(Tm(℃))に基づくものである。そして、該融
点における融解熱の大きさは、該ブロック共重合体中の
ポリプロピレン成分の含有割合により決まり、該ポリプ
ロピレン成分が70重量%以下で含まれている場合、該
融解熱は70mJ/mg以下の範囲で測定される。
【0030】本発明のブロック共重合体は、いかなる方
法によって得てもよい。特に好適に採用される方法を例
示すれば次の方法である。
法によって得てもよい。特に好適に採用される方法を例
示すれば次の方法である。
【0031】即ち、下記成分A及びB、または、さらに
Cおよび/またはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.電子供与体 D.一般式(iii) R−I (iii) (但し、Rはヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアルキ
ル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合物
の存在下にプロピレンを0.1〜500gポリマー/g
・Ti化合物の範囲となるように予備重合を行い、触媒
含有予備重合体を得て、次いで該触媒含有予備重合体の
存在下に1−ブテンの重合及びプロピレンの重合を経
て、プロピレンとエチレンとの混合物のランダム共重合
を順次行い高分子量の粉状物を得る方法が好適である。
Cおよび/またはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.電子供与体 D.一般式(iii) R−I (iii) (但し、Rはヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアルキ
ル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合物
の存在下にプロピレンを0.1〜500gポリマー/g
・Ti化合物の範囲となるように予備重合を行い、触媒
含有予備重合体を得て、次いで該触媒含有予備重合体の
存在下に1−ブテンの重合及びプロピレンの重合を経
て、プロピレンとエチレンとの混合物のランダム共重合
を順次行い高分子量の粉状物を得る方法が好適である。
【0032】また、ブロック共重合体を粉状物として得
るためにはブロック共重合体中の低分子量重合体、例え
ば、分子量が1万以下の重合体の割合が1.0重量%以
下となるように制御することは重要な要件の一つであ
る。そのためにブロック共重合体は、一般に製造される
分子量20〜30万のエチレン−プロピレンゴム、分子
量10〜50万の結晶性ポリプロピレン等に比べると著
しく分子量を大きくすることが好ましく、通常は重量平
均分子量が少なくとも60万以上、通常80万以上、好
ましくは100万以上、より好ましくは130〜700
万、最も好ましくは150〜300万のものとすること
が好ましい態様である。
るためにはブロック共重合体中の低分子量重合体、例え
ば、分子量が1万以下の重合体の割合が1.0重量%以
下となるように制御することは重要な要件の一つであ
る。そのためにブロック共重合体は、一般に製造される
分子量20〜30万のエチレン−プロピレンゴム、分子
量10〜50万の結晶性ポリプロピレン等に比べると著
しく分子量を大きくすることが好ましく、通常は重量平
均分子量が少なくとも60万以上、通常80万以上、好
ましくは100万以上、より好ましくは130〜700
万、最も好ましくは150〜300万のものとすること
が好ましい態様である。
【0033】かかる目的物を得るためには予備重合及び
本重合の条件、使用触媒の組み合わせ、重合順序等を下
記の説明の如く好ましくは選定する必要がある。
本重合の条件、使用触媒の組み合わせ、重合順序等を下
記の説明の如く好ましくは選定する必要がある。
【0034】上記ブロック共重合体の製造方法における
予備重合で用いられるチタン化合物〔A〕は、オレフィ
ンの重合に使用されることが公知のチタン化合物が何ら
制限なく採用される。この触媒の製法は、公知の方法が
何ら制限なく採用される。例えば、特開昭56−155
206号公報、同56−136806、同57−341
03、同58−8706、同58−83006、同58
−138708、同58−183709、同59−20
6408、同59−219311、同60−8120
8、同60−81209、同60−186508、同6
0−192708、同61−211309、同61−2
71304、同62−15209、同62−1170
6、同62−72702、同62−104810等に示
されている方法が採用される。具体的には、例えば、四
塩化チタンを塩化マグネシウムのようなマグネシウム化
合物と共粉砕する方法、アルコール、エーテル、エステ
ルケトン又はアルデヒド等の電子供与体の存在下にハロ
ゲン化チタンとマグネシウム化合物とを共粉砕する方
法、又は溶媒中でハロゲン化チタン、マグネシウム化合
物及び電子供与体を触媒させる方法が挙げられる。
予備重合で用いられるチタン化合物〔A〕は、オレフィ
ンの重合に使用されることが公知のチタン化合物が何ら
制限なく採用される。この触媒の製法は、公知の方法が
何ら制限なく採用される。例えば、特開昭56−155
206号公報、同56−136806、同57−341
03、同58−8706、同58−83006、同58
−138708、同58−183709、同59−20
6408、同59−219311、同60−8120
8、同60−81209、同60−186508、同6
0−192708、同61−211309、同61−2
71304、同62−15209、同62−1170
6、同62−72702、同62−104810等に示
されている方法が採用される。具体的には、例えば、四
塩化チタンを塩化マグネシウムのようなマグネシウム化
合物と共粉砕する方法、アルコール、エーテル、エステ
ルケトン又はアルデヒド等の電子供与体の存在下にハロ
ゲン化チタンとマグネシウム化合物とを共粉砕する方
法、又は溶媒中でハロゲン化チタン、マグネシウム化合
物及び電子供与体を触媒させる方法が挙げられる。
【0035】また、該チタン化合物は上記担持型触媒の
他に公知のα、β、γまたはδ−三塩化チタンも好適に
用いられる。これらのチタン化合物の調製方法は、例え
ば、特開昭47−34478号公報、同50−1265
90、同50−114394、同50−93888、同
50−123091、同50−74594、同50−1
04191、同50−98489、同51−13662
5、同52−30888、同52−35283等に示さ
れている方法が採用される。
他に公知のα、β、γまたはδ−三塩化チタンも好適に
用いられる。これらのチタン化合物の調製方法は、例え
ば、特開昭47−34478号公報、同50−1265
90、同50−114394、同50−93888、同
50−123091、同50−74594、同50−1
04191、同50−98489、同51−13662
5、同52−30888、同52−35283等に示さ
れている方法が採用される。
【0036】次に有機アルミニウム化合物〔B〕も、オ
レフィンの重合に使用されることが公知の化合物が何ら
制限なく採用される。例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−nプロピルアルミ
ニウム、トリ−nブチルアルミニウム、トリ−iブチル
アルミニウム、トリ−nヘキシルアルミニウム、トリ−
nオクチルアルミニウム、トリ−nデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類:ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等
のジエチルアルミニウムモノハライド類:メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のアルキ
ルアルミニウムハライド類などが挙げられる。他のモノ
エトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエチル
アルミニウム等のアルコキシアルミニウム類を用いるこ
とができる。
レフィンの重合に使用されることが公知の化合物が何ら
制限なく採用される。例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−nプロピルアルミ
ニウム、トリ−nブチルアルミニウム、トリ−iブチル
アルミニウム、トリ−nヘキシルアルミニウム、トリ−
nオクチルアルミニウム、トリ−nデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類:ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等
のジエチルアルミニウムモノハライド類:メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のアルキ
ルアルミニウムハライド類などが挙げられる。他のモノ
エトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエチル
アルミニウム等のアルコキシアルミニウム類を用いるこ
とができる。
【0037】さらに、電子供与体〔C〕は、オレフィン
の立体規則性改良に使用されることが公知の化合物が何
ら制限なく採用される。例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、イソプロピルアルコール、イソ
アミルアルコールなどのアルコール類;フェノール、ク
レゾール、クルミフェノール、キシレノール、ナフトー
ルなどのフェノール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどのケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒドなどのアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、吉草酸エチ
ル、ステアリン酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチル、アニ
ス酸メチル、フタル酸エチル、炭酸メチル、ブチロラク
トンなどの有機酸エステル類;ケイ酸エチル、フェニル
トリエトキシシランなどのケイ酸エステル類;メチルエ
ーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、イソ
アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル
類;酢酸アミド、安息香酸アミド、マイレン酸アミドな
どのアミド類等の含酸素電子供与体:また、メチルアミ
ン、エチルアミン、ピペリジン、ピリジン、アニリンな
どのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;イソシアナート等の含窒素電子供与体:含
硫黄電子供与体:および含リン電子供与体などをあげる
ことができる。
の立体規則性改良に使用されることが公知の化合物が何
ら制限なく採用される。例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、イソプロピルアルコール、イソ
アミルアルコールなどのアルコール類;フェノール、ク
レゾール、クルミフェノール、キシレノール、ナフトー
ルなどのフェノール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどのケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒドなどのアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、吉草酸エチ
ル、ステアリン酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチル、アニ
ス酸メチル、フタル酸エチル、炭酸メチル、ブチロラク
トンなどの有機酸エステル類;ケイ酸エチル、フェニル
トリエトキシシランなどのケイ酸エステル類;メチルエ
ーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、イソ
アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル
類;酢酸アミド、安息香酸アミド、マイレン酸アミドな
どのアミド類等の含酸素電子供与体:また、メチルアミ
ン、エチルアミン、ピペリジン、ピリジン、アニリンな
どのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;イソシアナート等の含窒素電子供与体:含
硫黄電子供与体:および含リン電子供与体などをあげる
ことができる。
【0038】本発明においては、上記したチタン化合物
〔A〕、有機アルミニウム化合物〔B〕及び電子供与体
〔C〕に加えて、一般式(iii)で示されるヨウ素化合
物〔D〕を用いると、得られるブロック共重合体の低分
子重合体、例えば、分子量1万以下の重合体の量が著し
く少なくなってブロック共重合体に高流動性を付与でき
るメリットがあるためしばしば好適である。
〔A〕、有機アルミニウム化合物〔B〕及び電子供与体
〔C〕に加えて、一般式(iii)で示されるヨウ素化合
物〔D〕を用いると、得られるブロック共重合体の低分
子重合体、例えば、分子量1万以下の重合体の量が著し
く少なくなってブロック共重合体に高流動性を付与でき
るメリットがあるためしばしば好適である。
【0039】本発明で好適に使用し得るヨウ素化合物を
具体的に示すと次のとおりである。例えば、ヨウ素、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブ
チル、ヨードベンゼン、p−ヨウ化トルエン等である。
特にヨウ化メチル、ヨウ化エチルは好適である。
具体的に示すと次のとおりである。例えば、ヨウ素、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブ
チル、ヨードベンゼン、p−ヨウ化トルエン等である。
特にヨウ化メチル、ヨウ化エチルは好適である。
【0040】前記〔A〕及び〔B〕、さらに必要に応じ
て使用される〔C〕及び/または〔D〕の各成分の使用
量は、触媒の種類、予備重合の条件に応じて異なるた
め、これらの各条件に応じて最適の使用量を予め決定す
ればよい。一般的に好適に使用される範囲を例示すれば
下記の通りである。
て使用される〔C〕及び/または〔D〕の各成分の使用
量は、触媒の種類、予備重合の条件に応じて異なるた
め、これらの各条件に応じて最適の使用量を予め決定す
ればよい。一般的に好適に使用される範囲を例示すれば
下記の通りである。
【0041】即ち、有機アルミニウム化合物〔B〕の使
用割合はチタン化合物〔A〕に対してAl/Ti(モル
比)で0.1〜100、好ましくは0.1〜20の範囲
が、また必要に応じて使用される電子供与体〔C〕の使
用割合はチタン化合物〔A〕に対して〔C〕/Ti(モ
ル比)で0.01〜100、好ましくは0.01〜10
の範囲がそれぞれ好適である。また、必要に応じて使用
されるヨウ素化合物〔D〕の使用割合はチタン化合物
〔A〕に対してI/Ti(モル比)で0.1〜100、
好ましくは0.5〜50の範囲が好適である。
用割合はチタン化合物〔A〕に対してAl/Ti(モル
比)で0.1〜100、好ましくは0.1〜20の範囲
が、また必要に応じて使用される電子供与体〔C〕の使
用割合はチタン化合物〔A〕に対して〔C〕/Ti(モ
ル比)で0.01〜100、好ましくは0.01〜10
の範囲がそれぞれ好適である。また、必要に応じて使用
されるヨウ素化合物〔D〕の使用割合はチタン化合物
〔A〕に対してI/Ti(モル比)で0.1〜100、
好ましくは0.5〜50の範囲が好適である。
【0042】本発明における前記予備重合は得られるブ
ロック共重合体の粒子性状を制御する意味で重要な要因
となる。前記触媒成分の存在下にプロピレンを重合する
予備重合で得られる重合体は予備重合条件等によって異
なるが、一般に0.1〜500g/g・Ti化合物、好
ましくは1〜100g/g・Ti化合物の範囲から選べ
ば十分である。また予備重合で使用するプロピレンはプ
ロピレン単独のモノマーを使用するのが得られるブロッ
ク共重合体の粒子性状の制御面で好適であるが、該ブロ
ック共重合体の物性に悪影響を及ぼさない範囲で例えば
5モル%以下の他のα−オレフィン、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチルペンテン−1等を混合することは許容
されうる。また、各予備重合の段階で水素を共存させる
ことも可能である。
ロック共重合体の粒子性状を制御する意味で重要な要因
となる。前記触媒成分の存在下にプロピレンを重合する
予備重合で得られる重合体は予備重合条件等によって異
なるが、一般に0.1〜500g/g・Ti化合物、好
ましくは1〜100g/g・Ti化合物の範囲から選べ
ば十分である。また予備重合で使用するプロピレンはプ
ロピレン単独のモノマーを使用するのが得られるブロッ
ク共重合体の粒子性状の制御面で好適であるが、該ブロ
ック共重合体の物性に悪影響を及ぼさない範囲で例えば
5モル%以下の他のα−オレフィン、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチルペンテン−1等を混合することは許容
されうる。また、各予備重合の段階で水素を共存させる
ことも可能である。
【0043】該予備重合は通常スラリー重合を適用させ
るのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭
化水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの
混合溶媒を用いることができる。該予備重合温度は、−
20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましい。予
備重合時間は、予備重合温度及び予備重合での重合量に
応じ適宜決定すればよく、予備重合における圧力は、限
定されるものではないが、スラリー重合の場合は、一般
に大気圧〜5kg/cm2G程度である。該予備重合
は、回分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよ
い。
るのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭
化水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの
混合溶媒を用いることができる。該予備重合温度は、−
20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましい。予
備重合時間は、予備重合温度及び予備重合での重合量に
応じ適宜決定すればよく、予備重合における圧力は、限
定されるものではないが、スラリー重合の場合は、一般
に大気圧〜5kg/cm2G程度である。該予備重合
は、回分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよ
い。
【0044】予備重合終了後はそのまま後述する1−ブ
テンの重合に供することもできる。また前記溶媒で洗浄
した後、1−ブテンの重合に供することもできる。
テンの重合に供することもできる。また前記溶媒で洗浄
した後、1−ブテンの重合に供することもできる。
【0045】前記予備重合に次いで本重合が実施され
る。本重合は前記予備重合で得られた触媒含有予備重合
体の存在下に先ず1−ブテンの重合が、次にプロピレン
の重合を経て、プロピレン−エチレンのランダム共重合
がそれぞれ実施される。
る。本重合は前記予備重合で得られた触媒含有予備重合
体の存在下に先ず1−ブテンの重合が、次にプロピレン
の重合を経て、プロピレン−エチレンのランダム共重合
がそれぞれ実施される。
【0046】本発明における本重合で使用する触媒は前
記予備重合で使用したのと同じ触媒成分及びその組み合
わせ又は、本重合工程で化学的変性を施して使用すると
よい。また各触媒成分は予備重合時に使用したものをそ
のまま使用することも出来るが、一般にはチタン化合物
以外は本重合時に新たに添加して調節するのが好まし
い。
記予備重合で使用したのと同じ触媒成分及びその組み合
わせ又は、本重合工程で化学的変性を施して使用すると
よい。また各触媒成分は予備重合時に使用したものをそ
のまま使用することも出来るが、一般にはチタン化合物
以外は本重合時に新たに添加して調節するのが好まし
い。
【0047】本重合で用いられる有機アルミニウム化合
物は、前述の予備重合に用いたものが使用できる。有機
アルミニウム化合物の使用量は触媒含有予備重合体中の
チタン原子に対し、Al/Ti(モル比)で、1〜10
00、好ましくは2〜500である。
物は、前述の予備重合に用いたものが使用できる。有機
アルミニウム化合物の使用量は触媒含有予備重合体中の
チタン原子に対し、Al/Ti(モル比)で、1〜10
00、好ましくは2〜500である。
【0048】さらに、必要により用いられる電子供与体
もまた既述の化合物が何ら制限なく採用される。本重合
で用いる電子供与体の使用量は触媒含有予備重合体中の
Ti原子に対し〔C〕/Ti(モル比)で0.001〜
1000、好ましくは0.1〜500である。更にまた
必要に応じて使用されるヨウ素化合物は触媒含有予備重
合体中のチタン原子に対してI/Ti(モル比)で0.
1〜100好ましくは0.5〜50である。
もまた既述の化合物が何ら制限なく採用される。本重合
で用いる電子供与体の使用量は触媒含有予備重合体中の
Ti原子に対し〔C〕/Ti(モル比)で0.001〜
1000、好ましくは0.1〜500である。更にまた
必要に応じて使用されるヨウ素化合物は触媒含有予備重
合体中のチタン原子に対してI/Ti(モル比)で0.
1〜100好ましくは0.5〜50である。
【0049】本発明の本重合は、まず1−ブテンが上記
触媒含有予備重合体、有機アルミニウム化合物、必要に
応じて電子供与体及び/またはヨウ素化合物の触媒成分
の存在下に行われる。1−ブテンの重合は気相重合で実
施してもよいが、一般に前記溶媒中で溶液重合又は1−
ブテン触媒中でのスラリー重合を実施するとよい。該重
合温度は−20〜100℃特に0〜60℃の温度が好ま
しい。重合時間は、温度及び重合量により適宜決定すれ
ばよいが、一般には15分〜3時間の範囲から選べばよ
い。重合圧力は特に限定されるものではなく、溶液重合
の場合、一般に大気圧〜5Kg/cm2G程度である。
触媒含有予備重合体、有機アルミニウム化合物、必要に
応じて電子供与体及び/またはヨウ素化合物の触媒成分
の存在下に行われる。1−ブテンの重合は気相重合で実
施してもよいが、一般に前記溶媒中で溶液重合又は1−
ブテン触媒中でのスラリー重合を実施するとよい。該重
合温度は−20〜100℃特に0〜60℃の温度が好ま
しい。重合時間は、温度及び重合量により適宜決定すれ
ばよいが、一般には15分〜3時間の範囲から選べばよ
い。重合圧力は特に限定されるものではなく、溶液重合
の場合、一般に大気圧〜5Kg/cm2G程度である。
【0050】1−ブテンの重合のその他の条件は、本発
明の効果が達成される限り適宜選んで実施すればよい
が、一般には得られるブロック共重合体を高分子量と
し、且つ分子量1万以下の重合体を1.0重量%以下と
するように各条件を選定すると好ましい。さらに、タク
ティシィティーがmm(トリアッド)で0.90以上と
なるように各条件を選定することができる。1−ブテン
の重合量は0.1〜500g/g・Ti化合物、好まし
くは1〜200g/g・Ti化合物となるように選べば
十分である。前記重合条件は得られるブロック共重合体
中にポリブテン成分が0.01〜5重量%の範囲となる
ように予め決定するとよい。
明の効果が達成される限り適宜選んで実施すればよい
が、一般には得られるブロック共重合体を高分子量と
し、且つ分子量1万以下の重合体を1.0重量%以下と
するように各条件を選定すると好ましい。さらに、タク
ティシィティーがmm(トリアッド)で0.90以上と
なるように各条件を選定することができる。1−ブテン
の重合量は0.1〜500g/g・Ti化合物、好まし
くは1〜200g/g・Ti化合物となるように選べば
十分である。前記重合条件は得られるブロック共重合体
中にポリブテン成分が0.01〜5重量%の範囲となる
ように予め決定するとよい。
【0051】本発明で得られるブロック共重合体は固結
防止性及び50〜70℃での流動性に優れた粒子となる
が、そのために該1−ブテンは単独重合体となる態様が
最も好ましい。しかしながら、該性状が悪影響をうけな
い範囲で1−ブテン以外のα−オレフィン、例えばエチ
レン、プロピレン、3−メチルブテン、4−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン等を混合した状態で共重合す
ることは許容される。該許容量は種々の重合条件によっ
て異なるが、一般には他のα−オレフィンが5モル%以
下の混合割合となるように選ぶのが好適である。また該
1−ブテンの重合に際しては必要に応じて分子量調節剤
として水素を共存させて実施することができる。
防止性及び50〜70℃での流動性に優れた粒子となる
が、そのために該1−ブテンは単独重合体となる態様が
最も好ましい。しかしながら、該性状が悪影響をうけな
い範囲で1−ブテン以外のα−オレフィン、例えばエチ
レン、プロピレン、3−メチルブテン、4−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン等を混合した状態で共重合す
ることは許容される。該許容量は種々の重合条件によっ
て異なるが、一般には他のα−オレフィンが5モル%以
下の混合割合となるように選ぶのが好適である。また該
1−ブテンの重合に際しては必要に応じて分子量調節剤
として水素を共存させて実施することができる。
【0052】上記1−ブテンの重合に次いで、プロピレ
ンの重合が実施される。プロピレンの重合は、プロピレ
ンと5モル%までの許容され得るα−オレフィンの混合
物を供給して実施すればよい。プロピレンの重合は上記
の1−ブテンの重合と同様にして実施することができ
る。該プロピレンの重合条件を例示すると、重合温度
は、ブロック共重合体の嵩比重を大きくするためになる
べく低温で行うのが好ましく、例えば80℃以下、さら
に20〜70℃の範囲から採用することが好適である。
また必要に応じて分子量調節剤として水素を共存させる
こともできる。更にまた、重合はプロピレン及びエチレ
ン自身を溶媒とするスラリー重合、気相重合、溶液重合
等のいずれの方法でもよい。プロセスの簡略性、更に
は、反応速度、また生成するブロック共重合体の粒子性
状を勘案するとプロピレン自身を溶媒とするスラリー重
合が最も好ましい様態である。重合形式は、回分式、半
回分式、連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条
件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
ンの重合が実施される。プロピレンの重合は、プロピレ
ンと5モル%までの許容され得るα−オレフィンの混合
物を供給して実施すればよい。プロピレンの重合は上記
の1−ブテンの重合と同様にして実施することができ
る。該プロピレンの重合条件を例示すると、重合温度
は、ブロック共重合体の嵩比重を大きくするためになる
べく低温で行うのが好ましく、例えば80℃以下、さら
に20〜70℃の範囲から採用することが好適である。
また必要に応じて分子量調節剤として水素を共存させる
こともできる。更にまた、重合はプロピレン及びエチレ
ン自身を溶媒とするスラリー重合、気相重合、溶液重合
等のいずれの方法でもよい。プロセスの簡略性、更に
は、反応速度、また生成するブロック共重合体の粒子性
状を勘案するとプロピレン自身を溶媒とするスラリー重
合が最も好ましい様態である。重合形式は、回分式、半
回分式、連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条
件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0053】上記プロピレンの重合は、目的物が粉状で
得られる限り適宜その条件を選んで実施すればよいが、
一般には得られるブロック共重合体を高分子量とし、且
つ分子量1万以下の重合体が1.0重量%以下となるよ
うに各条件を選定すると好ましい。
得られる限り適宜その条件を選んで実施すればよいが、
一般には得られるブロック共重合体を高分子量とし、且
つ分子量1万以下の重合体が1.0重量%以下となるよ
うに各条件を選定すると好ましい。
【0054】前記1−ブテンの重合とプロピレン−エチ
レンランダム共重合との間に上記プロピレンの重合を実
施する利点は、前記の如く得られる粉状ブロック共重合
体の流動性を改良でき、しかも得られるブロック共重合
体の加工品の機械的強度、耐熱性をアップできることで
ある。
レンランダム共重合との間に上記プロピレンの重合を実
施する利点は、前記の如く得られる粉状ブロック共重合
体の流動性を改良でき、しかも得られるブロック共重合
体の加工品の機械的強度、耐熱性をアップできることで
ある。
【0055】次に、プロピレン−エチレンランダム共重
合が行われる。プロピレン−エチレンランダム共重合
は、プロピレンに基づく単量体単位が20〜85モル
%、好ましくは40〜85モル%及びエチレンに基づく
単量体単位が15〜80モル%、好ましくは15〜60
モル%の範囲となるようにプロピレンとエチレンとを混
合して用いればよい。そのためにプロピレンとエチレン
との混合割合がガス状態でのエチレン濃度で7〜50モ
ル%、好ましくは10〜40モル%となるように選べば
好適である。その他の条件は、上記のプロピレンの重合
と同様の条件を採用することができる。
合が行われる。プロピレン−エチレンランダム共重合
は、プロピレンに基づく単量体単位が20〜85モル
%、好ましくは40〜85モル%及びエチレンに基づく
単量体単位が15〜80モル%、好ましくは15〜60
モル%の範囲となるようにプロピレンとエチレンとを混
合して用いればよい。そのためにプロピレンとエチレン
との混合割合がガス状態でのエチレン濃度で7〜50モ
ル%、好ましくは10〜40モル%となるように選べば
好適である。その他の条件は、上記のプロピレンの重合
と同様の条件を採用することができる。
【0056】本重合の終了後には、重合系からモノマー
を蒸発させ粒子状ポリマーを得ることができる。
を蒸発させ粒子状ポリマーを得ることができる。
【0057】本発明のブロック共重合体は、射出成形、
押出成形、プレス成形など各種の成形法により種々の形
状を有する成形品にすることができる。成形に際し、本
発明のブロック共重合体に、従来のポリオレフィンに用
いられている各種の添加剤及び成形助剤を添加すること
はしばしば好適な態様となる。
押出成形、プレス成形など各種の成形法により種々の形
状を有する成形品にすることができる。成形に際し、本
発明のブロック共重合体に、従来のポリオレフィンに用
いられている各種の添加剤及び成形助剤を添加すること
はしばしば好適な態様となる。
【0058】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体は、重合体粒
子の状態で50℃〜70℃と比較的高温にした場合にも
優れた流動性を示し、50℃〜70℃における重合体粒
子の落下秒数は60秒以下、好ましくは30秒以下であ
る。また、本発明のブロック共重合体は、重合体粒子を
堆積して放置しておいた時にも、その荷重によって部分
的または全体が塊状になることはない。
子の状態で50℃〜70℃と比較的高温にした場合にも
優れた流動性を示し、50℃〜70℃における重合体粒
子の落下秒数は60秒以下、好ましくは30秒以下であ
る。また、本発明のブロック共重合体は、重合体粒子を
堆積して放置しておいた時にも、その荷重によって部分
的または全体が塊状になることはない。
【0059】従って、本発明によれば、耐衝撃性、耐熱
性及び機械的強度に優れ、しかも粒子性状のよいブロッ
ク共重合体を得ることができる。
性及び機械的強度に優れ、しかも粒子性状のよいブロッ
ク共重合体を得ることができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を揚げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0061】以下の実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0062】1)重量平均分子量、分子量1万以下の割
合は、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−15
0CによりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃
で行った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel
GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μである。較正
曲線は標準試料として重量平均分子量が950、290
0、1万、5万、49.8万、270万、675万のポ
リスチレンを用いて作成した。
合は、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−15
0CによりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃
で行った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel
GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μである。較正
曲線は標準試料として重量平均分子量が950、290
0、1万、5万、49.8万、270万、675万のポ
リスチレンを用いて作成した。
【0063】2)プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピ
レンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定方法及び
ポリブテン成分の割合の測定方法13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(p
olymer)第29巻(1988年)1848頁に記
載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマク
ロモレキュールズ(Macromolecules)第
10巻(1977年)773頁に記載された方法によ
り、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピ
レンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定方法及び
ポリブテン成分の割合の測定方法13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(p
olymer)第29巻(1988年)1848頁に記
載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマク
ロモレキュールズ(Macromolecules)第
10巻(1977年)773頁に記載された方法によ
り、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
【0064】次いで、プロピレンに基づいて単量体単位
中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中
のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリ
ブテン成分の重量と割合を算出した。
中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中
のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリ
ブテン成分の重量と割合を算出した。
【0065】3)ポリ1−ブテンのアイソタクティシィ
ティーの測定13 C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル
(Polymer J.)第16巻(1984年)71
6〜726頁に基づいて行った。
ティーの測定13 C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル
(Polymer J.)第16巻(1984年)71
6〜726頁に基づいて行った。
【0066】4)硬度 JIS K6301に準じて行った。
【0067】5)曲げ弾性率 ASTM D−790に準じて行った。
【0068】6)−20℃アイゾット衝撃 ASTM D−256に準じて、−20℃で測定した。
【0069】7)粘度分布 目開き75,125,250,355,500,71
0,1180μmのふるいに、重合体粒子約5gを装填
しふるい振とう機に10分間かけて分級した。
0,1180μmのふるいに、重合体粒子約5gを装填
しふるい振とう機に10分間かけて分級した。
【0070】8)70℃における落下秒数 底部中央に直径10mmの出口を有し、高さ175m
m、上部円筒部の内径が68mm、円筒部の高さが60
mmの形状を有する金属製ロートに予め70℃に保温さ
れた重合体粒子100mlを入れ、横方向に2mm巾の
振動を与えながら重合体粒子を排出させ、全量が排出す
るのに要する時間を測定した。
m、上部円筒部の内径が68mm、円筒部の高さが60
mmの形状を有する金属製ロートに予め70℃に保温さ
れた重合体粒子100mlを入れ、横方向に2mm巾の
振動を与えながら重合体粒子を排出させ、全量が排出す
るのに要する時間を測定した。
【0071】9)固結性の評価 重合終了後、モノマー分離された重合体粒子約100g
を直径8cm、高さ15cmの500ccビーカーにと
り、室温で1週間放置させた後の状態を観察した。判定
基準は下記の5ランクによった。 A:放置前とほとんど変化がなく固結は全くない。 B:底部が固結した状態にあるが衝撃を加えるとほぐれ
る状態 C:全体的に固結しているが衝撃を加えると全部がほぐ
れる状態 D:全体的に固結しており、衝撃を加えても全部がほぐ
れない状態 E:著しく固結しており、塊状となって動かない状態
を直径8cm、高さ15cmの500ccビーカーにと
り、室温で1週間放置させた後の状態を観察した。判定
基準は下記の5ランクによった。 A:放置前とほとんど変化がなく固結は全くない。 B:底部が固結した状態にあるが衝撃を加えるとほぐれ
る状態 C:全体的に固結しているが衝撃を加えると全部がほぐ
れる状態 D:全体的に固結しており、衝撃を加えても全部がほぐ
れない状態 E:著しく固結しており、塊状となって動かない状態
【0072】実施例1 (予備重合) 攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オートクレ
ーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン4
00mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル0.18mmo
l、ヨウ化エチル22.7mmol、ジエチルアルミニ
ウムクロライド18.5mmol、及び三塩化チタン
(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−17」)22.7m
molを加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当り
3gとなるように30分間連続的に反応器に導入した。
なお、この間の温度は20℃に保持した。プロピレンの
供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで十分に置換
し、得られたチタン含有ポリプロピレンを精製ヘプタン
で4回清浄した。分析の結果、三塩化チタン1g当り
2.9gのプロピレンが重合されていた。
ーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン4
00mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル0.18mmo
l、ヨウ化エチル22.7mmol、ジエチルアルミニ
ウムクロライド18.5mmol、及び三塩化チタン
(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−17」)22.7m
molを加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当り
3gとなるように30分間連続的に反応器に導入した。
なお、この間の温度は20℃に保持した。プロピレンの
供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで十分に置換
し、得られたチタン含有ポリプロピレンを精製ヘプタン
で4回清浄した。分析の結果、三塩化チタン1g当り
2.9gのプロピレンが重合されていた。
【0073】(本重合) 工程1:1−ブテンの重合 攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オート
クレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタ
ン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保
ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmo
l、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18m
mol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして
22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタ
ン1g当り15gとなるように2時間連続的に反応器に
導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。1
−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで置
換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析の
結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが重
合されていた。
クレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタ
ン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保
ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmo
l、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18m
mol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして
22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタ
ン1g当り15gとなるように2時間連続的に反応器に
導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。1
−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで置
換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析の
結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが重
合されていた。
【0074】工程2:プロピレンの重合及びプロピレン
エチレンの共重合 N2置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体
プロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロラ
イド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を
70℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を
三塩化チタンとして0.087mmol加え、70℃で
3時間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用い
なかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃
に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシ
ド(Et3Al2(OEt)3)0.50mmol及びメ
タクリル酸メチル0.014mmolの混合溶液を加
え、エチレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が、
15mol%となるようにし、55℃で60分間のプロ
ピレンとエチレンの共重合を行った。この間のエチレン
ガス濃度はガスクロマトグラフ確認しながら15mol
%を保持した。この間水素は用いなかった。重合終了
後、未反応モノマーをパージし、粒子性の重合体を得
た。重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められなか
った。
エチレンの共重合 N2置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体
プロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロラ
イド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を
70℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を
三塩化チタンとして0.087mmol加え、70℃で
3時間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用い
なかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃
に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシ
ド(Et3Al2(OEt)3)0.50mmol及びメ
タクリル酸メチル0.014mmolの混合溶液を加
え、エチレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が、
15mol%となるようにし、55℃で60分間のプロ
ピレンとエチレンの共重合を行った。この間のエチレン
ガス濃度はガスクロマトグラフ確認しながら15mol
%を保持した。この間水素は用いなかった。重合終了
後、未反応モノマーをパージし、粒子性の重合体を得
た。重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められなか
った。
【0075】また別に上記のプロピレンだけの重合を行
った結果、上記70℃、3時間で、三塩化チタン1g当
り、3000gのプロピレンが重合されていた。この結
果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.18w
t%、及びポリプロピレン成分は38wt%であること
がわかる。結果を表1及び表2に示した。
った結果、上記70℃、3時間で、三塩化チタン1g当
り、3000gのプロピレンが重合されていた。この結
果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.18w
t%、及びポリプロピレン成分は38wt%であること
がわかる。結果を表1及び表2に示した。
【0076】実施例2 実施例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重
合を70℃で5時間とし、プロピレンとエチレンの共重
合を55℃で60分間行った以外は実施例1と同様の操
作を行った。別途の重合実験で、この時の重合倍率は、
5100g−PP/g−TiCl3であった。結果を表
1及び表2に示した。
合を70℃で5時間とし、プロピレンとエチレンの共重
合を55℃で60分間行った以外は実施例1と同様の操
作を行った。別途の重合実験で、この時の重合倍率は、
5100g−PP/g−TiCl3であった。結果を表
1及び表2に示した。
【0077】比較例1 実施例1の本重合に於いて1−ブテンの重合を行わなか
った以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1
および表2に示した。
った以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1
および表2に示した。
【0078】比較例2,3 実施例1の本重合に於いて1−ブテンの重合を三塩化チ
タン1g当たり0.3g、600gとした以外は実施例
1と同様の操作を行った。結果を表1および表2に示し
た。
タン1g当たり0.3g、600gとした以外は実施例
1と同様の操作を行った。結果を表1および表2に示し
た。
【0079】比較例4 実施例1の本重合に於いて、1−ブテンの重合の代わり
にを三塩化チタン1g当たり同量のエチレンを重合した
以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1およ
び表2に示した。
にを三塩化チタン1g当たり同量のエチレンを重合した
以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1およ
び表2に示した。
【0080】比較例5 実施例1のエチレンプロピレンの重合に於いて水素ガス
濃度を14mmol%とした以外は実施例1と同様の操
作を行った。結果を表1および表2に示した。
濃度を14mmol%とした以外は実施例1と同様の操
作を行った。結果を表1および表2に示した。
【0081】比較例6 実施例1のプロピレンの重合を70℃で5時間重合し、
エチレンプロピレンの重合を55℃で15分間行った以
外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1および
表2に示した。
エチレンプロピレンの重合を55℃で15分間行った以
外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1および
表2に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
Claims (1)
- 【請求項1】ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及
びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブ
ロック共重合体であって、上記各成分の合計を100重
量%とするとき、ポリブテン成分が0.01〜5重量
%、ポリプロピレン成分が30重量%を超え、70重量
%まで、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が
25〜69.99未満重量%であり、該プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体
単位を15〜80モル%、プロピレンに基づく単量体単
位を85〜20モル%含むランダム共重合体で構成され
てなり、且つ分子量1万以下の成分の割合が1.0重量
%以下であり、重量平均分子量が60万以上であること
を特徴とするプロピレン系ブロック共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08548792A JP3167045B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | プロピレン系ブロック共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08548792A JP3167045B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | プロピレン系ブロック共重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287035A JPH05287035A (ja) | 1993-11-02 |
JP3167045B2 true JP3167045B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=13860283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08548792A Expired - Fee Related JP3167045B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | プロピレン系ブロック共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3167045B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050234198A1 (en) * | 2004-04-20 | 2005-10-20 | Fina Technology, Inc. | Heterophasic copolymer and metallocene catalyst system and method of producing the heterophasic copolymer using the metallocene catalyst system |
-
1992
- 1992-04-07 JP JP08548792A patent/JP3167045B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287035A (ja) | 1993-11-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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