JP3166236B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents
半導体レーザおよびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバー通信等に必
要な高性能の半導体レーザおよびその製造方法に関する
ものである。
要な高性能の半導体レーザおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】単一モード光ファイバーの伝送特性の損
失は、1.55μmにおいて最小となる。しかし、1.55μm
帯においては、単一モード光ファイバーのクロマティッ
ク分散のために、光源のLDにスペクトル広がりがある
場合には、伝送帯域が著しく制限される。このため、従
来の半導体レーザ装置においては、高速直接変調時にお
いても単一縦モード動作を維持する動的単一モードレー
ザ(DSM−LD)が提案されてきた。
失は、1.55μmにおいて最小となる。しかし、1.55μm
帯においては、単一モード光ファイバーのクロマティッ
ク分散のために、光源のLDにスペクトル広がりがある
場合には、伝送帯域が著しく制限される。このため、従
来の半導体レーザ装置においては、高速直接変調時にお
いても単一縦モード動作を維持する動的単一モードレー
ザ(DSM−LD)が提案されてきた。
【0003】このように縦モードを安定に制御するため
に、分布帰還型(DFB)レーザ(例えば、中村他,アイ・
イ・イ・イ シ゛ャーナル オフ゛ カンタム エレクトノニクス IEEE J. Quantum Ele
ctorn. QE-11, 436 (1975))や、分布反射型(DBR)
レーザ(例えば、レインハート他,アフ゜ライト゛ フィシ゛ックス レター、 App
l. Phys. Lett., 27, 45 (1975))や、複合共振器型レ
ーザ(例えば、末松他,エレクトロニクス レター Electron. Lett.,
17, 954 (1981)) などによる単一モード化が試みられて
いる。
に、分布帰還型(DFB)レーザ(例えば、中村他,アイ・
イ・イ・イ シ゛ャーナル オフ゛ カンタム エレクトノニクス IEEE J. Quantum Ele
ctorn. QE-11, 436 (1975))や、分布反射型(DBR)
レーザ(例えば、レインハート他,アフ゜ライト゛ フィシ゛ックス レター、 App
l. Phys. Lett., 27, 45 (1975))や、複合共振器型レ
ーザ(例えば、末松他,エレクトロニクス レター Electron. Lett.,
17, 954 (1981)) などによる単一モード化が試みられて
いる。
【0004】しかしながらさらに縦モードを安定に制御
する方法として、最近活性層に回折格子を形成して、利
得をレーザ共振器長方向に周期的に変化させた利得結合
型DFBレーザが提案されている(羅他、第38回応用
物理学関係連合講演会29pD/3−4)。
する方法として、最近活性層に回折格子を形成して、利
得をレーザ共振器長方向に周期的に変化させた利得結合
型DFBレーザが提案されている(羅他、第38回応用
物理学関係連合講演会29pD/3−4)。
【0005】図4に従来の分布利得型DFBレーザの構
造を示す。ここで、1はn−InP基板、2は分布帰還
型グレーティング、5はInGaAsP(λ=1.3μ
m)導波路層、6はInGaAsP(λ=1.55μ
m)活性層、7はp−n−pInP埋め込み層、8はp
−InGaAsP(λ=1.3μm)キャップ層、9は
Au/Znp側電極、10はAu−Sn n側電極であ
る。
造を示す。ここで、1はn−InP基板、2は分布帰還
型グレーティング、5はInGaAsP(λ=1.3μ
m)導波路層、6はInGaAsP(λ=1.55μ
m)活性層、7はp−n−pInP埋め込み層、8はp
−InGaAsP(λ=1.3μm)キャップ層、9は
Au/Znp側電極、10はAu−Sn n側電極であ
る。
【0006】以上のように構成された従来の半導体レー
ザ装置において、以下その動作を説明する。電流はAu
/Zn側電極9より供給され、埋め込み層7により挟窄
された後に活性層6に注入される。レーザ発振により発
生した光のうち、回折格子の周期に対応した波長の光の
みが回折され、選択的に増幅されて発振閾値利得が増大
するものである。
ザ装置において、以下その動作を説明する。電流はAu
/Zn側電極9より供給され、埋め込み層7により挟窄
された後に活性層6に注入される。レーザ発振により発
生した光のうち、回折格子の周期に対応した波長の光の
みが回折され、選択的に増幅されて発振閾値利得が増大
するものである。
【0007】一方、利得結合型のDFBレーザは従来の
レーザの回折格子が導波路層に形成されていたのに対し
て、活性層自体に形成されている。その結果、従来のD
FBレーザの発振波長が回折格子で決定されるブラッグ
波長の両側に2本存在していたのに対して、利得結合型
のDFBレーザでは発振波長とブラッグ波長が一致する
ため単一モード発振が得やすくなる。
レーザの回折格子が導波路層に形成されていたのに対し
て、活性層自体に形成されている。その結果、従来のD
FBレーザの発振波長が回折格子で決定されるブラッグ
波長の両側に2本存在していたのに対して、利得結合型
のDFBレーザでは発振波長とブラッグ波長が一致する
ため単一モード発振が得やすくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら利得結合
型DFBレーザの場合、バッファ層の厚みを僅かに変え
るだけでTEモード発振からTMモード発振へ遷移して
しまう問題点があった。本発明はかかる点に鑑み、TM
モード抑圧比に優れた利得結合型DFBレーザを提供す
る。
型DFBレーザの場合、バッファ層の厚みを僅かに変え
るだけでTEモード発振からTMモード発振へ遷移して
しまう問題点があった。本発明はかかる点に鑑み、TM
モード抑圧比に優れた利得結合型DFBレーザを提供す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、利得結合型回折格子と、分布帰還型回折格
子とを備え、前記利得結合型回折格子の周期が、前記分
布帰還型回折格子で決定されるTEモードの発振波長に
対応する半導体レーザとする。
するために、利得結合型回折格子と、分布帰還型回折格
子とを備え、前記利得結合型回折格子の周期が、前記分
布帰還型回折格子で決定されるTEモードの発振波長に
対応する半導体レーザとする。
【0010】また、利得結合型回折格子と分布帰還型回
折格子よりなる複合回折格子の振幅が最小となる位置
を、レーザ共振器の反射端面とする。また利得結合型回
折格子と分布帰還型回折格子よりなる複合回折格子の振
幅が最小となる位置を、レーザ共振器のの中央部とす
る。
折格子よりなる複合回折格子の振幅が最小となる位置
を、レーザ共振器の反射端面とする。また利得結合型回
折格子と分布帰還型回折格子よりなる複合回折格子の振
幅が最小となる位置を、レーザ共振器のの中央部とす
る。
【0011】
【作用】本発明は上記構成により、導波路層両面に形成
した回折格子で発振する2本の発振モードのうち短波長
側と、活性層で発振するTEモードとを一致させるもの
である。従来の構造の場合、TEモードがλTE=1.5
50μmの場合、TMモードの発振波長はλTM=1.4
80μm(活性層厚み7nmのMQWの場合)となり、
導波路層の厚みによりTMモードで発振する可能性が5
0%程度あった。
した回折格子で発振する2本の発振モードのうち短波長
側と、活性層で発振するTEモードとを一致させるもの
である。従来の構造の場合、TEモードがλTE=1.5
50μmの場合、TMモードの発振波長はλTM=1.4
80μm(活性層厚み7nmのMQWの場合)となり、
導波路層の厚みによりTMモードで発振する可能性が5
0%程度あった。
【0012】そこで本発明においては、導波路層の基板
側、導波路層の活性層側に、TEモードの波長に対応し
た周期の回折格子をそれぞれ形成することにより、TE
モードの波長の光を選択的に増幅させてTEモードでの
単一モード発振が実現される。
側、導波路層の活性層側に、TEモードの波長に対応し
た周期の回折格子をそれぞれ形成することにより、TE
モードの波長の光を選択的に増幅させてTEモードでの
単一モード発振が実現される。
【0013】片端面無反射膜・片端面高反射膜を形成す
ることによりレーザ光の出力を高める利得結合型DFB
レーザでは、高反射側は光強度が増加するため、光の分
布が不均一になり単一モード性が低下してしまう。しか
しながら、高反射端面付近の回折格子の振幅を小さくす
ることにより、端面反射における光密度の上昇に加えて
分布帰還による光密度の上昇を防ぎ、単一モード発振が
可能となる。
ることによりレーザ光の出力を高める利得結合型DFB
レーザでは、高反射側は光強度が増加するため、光の分
布が不均一になり単一モード性が低下してしまう。しか
しながら、高反射端面付近の回折格子の振幅を小さくす
ることにより、端面反射における光密度の上昇に加えて
分布帰還による光密度の上昇を防ぎ、単一モード発振が
可能となる。
【0014】一方、端面の影響を完全になくしファブリ
ペロモードの発振を抑制する場合にはレーザの両端面に
無反射膜を作製する必要がある。その場合、回折格子の
振幅κLが大きいと光の強度が大きいレーザ中心部分で
屈折率が異常に変化してホールバーニングを生じ光強度
が複雑に変化する。特にレーザをアナログ変調する場合
ホールバーニングによる光強度が注入電流に対して直線
的に変化しなくなり伝送特性が悪化する。これを防止す
るには光強度が増大するレーザ中心部で光の帰還を抑制
する必要がある。
ペロモードの発振を抑制する場合にはレーザの両端面に
無反射膜を作製する必要がある。その場合、回折格子の
振幅κLが大きいと光の強度が大きいレーザ中心部分で
屈折率が異常に変化してホールバーニングを生じ光強度
が複雑に変化する。特にレーザをアナログ変調する場合
ホールバーニングによる光強度が注入電流に対して直線
的に変化しなくなり伝送特性が悪化する。これを防止す
るには光強度が増大するレーザ中心部で光の帰還を抑制
する必要がある。
【0015】今、レーザ端面の回折格子振幅が最大にな
り、レーザ中心部の回折格子の振幅が0となるようにレ
ーザをへき開することで全体の回折格子の振幅κLを大
きくしたにもかかわらずホールバーニングを生じにくい
レーザを開発することが出来る。従って、レーザのキャ
ビティ長をL=257μmとして、レーザの中心部で合
成波の振幅が0と成るようにレーザをへき開すればよ
い。本発明はこの構成により、ホールバーニングを生じ
難く安定したTEモードでの発振を実現する。
り、レーザ中心部の回折格子の振幅が0となるようにレ
ーザをへき開することで全体の回折格子の振幅κLを大
きくしたにもかかわらずホールバーニングを生じにくい
レーザを開発することが出来る。従って、レーザのキャ
ビティ長をL=257μmとして、レーザの中心部で合
成波の振幅が0と成るようにレーザをへき開すればよ
い。本発明はこの構成により、ホールバーニングを生じ
難く安定したTEモードでの発振を実現する。
【0016】本発明は、基板上に回折格子を形成してお
きさらに導波路層及び活性層を成長した後、その上にも
回折格子を形成することで、TEモードで安定した単一
モード発振が得られる。
きさらに導波路層及び活性層を成長した後、その上にも
回折格子を形成することで、TEモードで安定した単一
モード発振が得られる。
【0017】本発明は、活性層上に形成した第2の回折
格子の上よりエリプソメータで屈折率の最大の点を求め
ここをレーザ端面とする工程を有することで、レーザ端
面の屈折率変化を最小とすることが出来る。
格子の上よりエリプソメータで屈折率の最大の点を求め
ここをレーザ端面とする工程を有することで、レーザ端
面の屈折率変化を最小とすることが出来る。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例における半導体
レーザ装置の構成図を示すものである。図1において、
1はn−InP基板、2は周期Λ1=240.9nmの
第1の分布帰還型回折格子、3はInGaAsP(λ=
1.3μm)導波路層、4は周期Λ2=240.5nm
の第2の回折格子、6はInGaAsP(λ=1.55
μm)活性層、7はp−n−p−InP埋め込み層、8
はp−InGaAsP(λ=1.3μm)キャップ層、
9はAu/Znp側電極、10はAu−Snn側電極、
11は酸化珪素/アモルファス珪素多層反射膜、12は
膜厚がλ/4の窒化珪素無反射膜である。
レーザ装置の構成図を示すものである。図1において、
1はn−InP基板、2は周期Λ1=240.9nmの
第1の分布帰還型回折格子、3はInGaAsP(λ=
1.3μm)導波路層、4は周期Λ2=240.5nm
の第2の回折格子、6はInGaAsP(λ=1.55
μm)活性層、7はp−n−p−InP埋め込み層、8
はp−InGaAsP(λ=1.3μm)キャップ層、
9はAu/Znp側電極、10はAu−Snn側電極、
11は酸化珪素/アモルファス珪素多層反射膜、12は
膜厚がλ/4の窒化珪素無反射膜である。
【0019】以上のように構成されたこの実施例の半導
体レーザ装置において、以下その動作を説明する。電流
はAu/Zn側電極9より供給され、埋め込み層7によ
り挟窄された後に活性層6に注入される。活性層で発生
したTEモードの光とTMモードの光は導波路層3にし
みだし、導波路に形成された回折格子の周期により決定
される光の波長と等しいTEモードの光のみが増幅され
ることとなる。
体レーザ装置において、以下その動作を説明する。電流
はAu/Zn側電極9より供給され、埋め込み層7によ
り挟窄された後に活性層6に注入される。活性層で発生
したTEモードの光とTMモードの光は導波路層3にし
みだし、導波路に形成された回折格子の周期により決定
される光の波長と等しいTEモードの光のみが増幅され
ることとなる。
【0020】導波路に形成した回折格子の周期をΛとし
た場合発振波長λは(1)式で表される。
た場合発振波長λは(1)式で表される。
【0021】 λ1,2 = 2・n・Λ±(Δ/2) (1) ここで、nは実効屈折率である。Δはの間隔はストップ
バンド幅と呼ばれており、レーザのキャビティー長Lと
ファブリナロモードの発振波長λf1とλf2の関係で
(2)式で表される。
バンド幅と呼ばれており、レーザのキャビティー長Lと
ファブリナロモードの発振波長λf1とλf2の関係で
(2)式で表される。
【0022】 Δ=λf1−λf2+α (2) L=m・λ1、 L=(m+1)・λ2 mは整数、αは回折格子の振幅即ちκLの関数で表さ
れ、κLが大きくなるとαの値も大きくなる。
れ、κLが大きくなるとαの値も大きくなる。
【0023】いま、キャビティ長をL=300μm、κ
Lを2程度とするとα=2nm、λf1−λf2=4n
mとなるため、Δ=6nmとなる。
Lを2程度とするとα=2nm、λf1−λf2=4n
mとなるため、Δ=6nmとなる。
【0024】屈折率をn=3.223、導波路の裏面に
形成した回折格子の周期をΛ1=240.9nmとする
と式(1)よりλ1=1.550μm、λ2=1.55
6μmとなる。また、活性層に形成した回折格子の周期
をΛとした場合TEモードの発振波長λは(3)式で表
される。
形成した回折格子の周期をΛ1=240.9nmとする
と式(1)よりλ1=1.550μm、λ2=1.55
6μmとなる。また、活性層に形成した回折格子の周期
をΛとした場合TEモードの発振波長λは(3)式で表
される。
【0025】 λTE = 2・n・Λ (3) いま、λTE=1.550μmとするには、Λ=240.
5nmとすればよい。
5nmとすればよい。
【0026】従来の構造の場合、TEモードがλTE=
1.550μmの場合、TMモードの発振波長はλTM=
1.48μm(活性層厚み7nmのMQWの場合)とな
り、導波路層の厚みによりTMモードで発振する可能性
が50%程度あった。
1.550μmの場合、TMモードの発振波長はλTM=
1.48μm(活性層厚み7nmのMQWの場合)とな
り、導波路層の厚みによりTMモードで発振する可能性
が50%程度あった。
【0027】そこで本実施例においては、TEモードの
波長に対応した周期の回折格子を導波路の活性層側に形
成することにより、TEモードの波長の光を選択的に増
幅させてTEモードでの単一モード発振が実現される。
波長に対応した周期の回折格子を導波路の活性層側に形
成することにより、TEモードの波長の光を選択的に増
幅させてTEモードでの単一モード発振が実現される。
【0028】本発明は前記の構造において、二つの波長
の回折格子を活性層と導波路層内部に形成することで安
定した単一縦モード発振を実現できる。
の回折格子を活性層と導波路層内部に形成することで安
定した単一縦モード発振を実現できる。
【0029】図2は本発明の第2の実施例における半導
体レーザ装置の構成図を示すものである。図2におい
て、1はn−InP基板、2は周期Λ1=240.9n
mの第1の分布帰還型回折格子、3はInGaAsP
(λ=1.3μm)導波路層、4は周期Λ2=240.
5nmの第2の回折格子、5はInPバッファ層、6は
InGaAsP(λ= 1.55μm)活性層、7はp
−n−p−InP埋め込み層、8はp−InGaAsP
(λ=1.3μm)キャップ層、9はAu/Znp側電
極、10はAu−Sn n側電極、11は酸化珪素/ア
モルファス珪素多層反射膜、12は膜厚がλ/4の窒化
珪素無反射膜、13はレーザ端面で回折格子の振幅が最
小となる領域である。
体レーザ装置の構成図を示すものである。図2におい
て、1はn−InP基板、2は周期Λ1=240.9n
mの第1の分布帰還型回折格子、3はInGaAsP
(λ=1.3μm)導波路層、4は周期Λ2=240.
5nmの第2の回折格子、5はInPバッファ層、6は
InGaAsP(λ= 1.55μm)活性層、7はp
−n−p−InP埋め込み層、8はp−InGaAsP
(λ=1.3μm)キャップ層、9はAu/Znp側電
極、10はAu−Sn n側電極、11は酸化珪素/ア
モルファス珪素多層反射膜、12は膜厚がλ/4の窒化
珪素無反射膜、13はレーザ端面で回折格子の振幅が最
小となる領域である。
【0030】以上のように構成されたこの実施例の半導
体レーザ装置において、以下その動作を説明する。本実
施例のレーザの動作は第1の実施例のレーザとほぼ同様
な動作を示す。ただし、ここで、二つの回折格子2と4
の波を合成すると、周期L=257μmで振幅が変化し
た、周期1.553μmの波となる。従って、レーザの
実効屈折率はこの合成波と同様に変化することとなる。
その結果、実効屈折率の変化が周期L=257μmで0
となるために第2の回折格子を作製した段階でマイクロ
エリプソメータにより屈折率を測定し、屈折率変化が最
小となる領域をマーキングしておく、レーザの作製が完
了した後マークに従ってレーザをへき開する。
体レーザ装置において、以下その動作を説明する。本実
施例のレーザの動作は第1の実施例のレーザとほぼ同様
な動作を示す。ただし、ここで、二つの回折格子2と4
の波を合成すると、周期L=257μmで振幅が変化し
た、周期1.553μmの波となる。従って、レーザの
実効屈折率はこの合成波と同様に変化することとなる。
その結果、実効屈折率の変化が周期L=257μmで0
となるために第2の回折格子を作製した段階でマイクロ
エリプソメータにより屈折率を測定し、屈折率変化が最
小となる領域をマーキングしておく、レーザの作製が完
了した後マークに従ってレーザをへき開する。
【0031】以下に、具体的に回折格子の周期を計算し
てみる。実効屈折率は周期がΛ1=240.0nmとΛ
2=240.9nmの正弦波の和で(3)式のように表
される。
てみる。実効屈折率は周期がΛ1=240.0nmとΛ
2=240.9nmの正弦波の和で(3)式のように表
される。
【0032】 n=n0・sin(2π・x/(Λ1+Λ2))・sin(π・x・(Λ1ーΛ2)/(Λ2+Λ1)2)(3) xは合成波の振幅が0となる部分からの距離である。
(3)式より合成波の振幅が0となるポイントはx・(Λ1
ーΛ2)/(Λ2+Λ1)2)=1よりxは257μmとなる。した
がって、合成波の振幅がレーザの両端で0に成るように
するためにはレーザのキャビティ長はL=257μmと
すれば良いこととなる。
(3)式より合成波の振幅が0となるポイントはx・(Λ1
ーΛ2)/(Λ2+Λ1)2)=1よりxは257μmとなる。した
がって、合成波の振幅がレーザの両端で0に成るように
するためにはレーザのキャビティ長はL=257μmと
すれば良いこととなる。
【0033】その結果、片端面無反射膜・片端面高反射
膜を有するのDFBレーザにおいて、高反射端面付近に
グレーティングを形成しないことにより、端面反射にお
ける光密度の上昇に加えて分布帰還による光密度の上昇
を防ぐものである。
膜を有するのDFBレーザにおいて、高反射端面付近に
グレーティングを形成しないことにより、端面反射にお
ける光密度の上昇に加えて分布帰還による光密度の上昇
を防ぐものである。
【0034】レーザの端面に反射膜と無反射膜を形成し
ても、回折格子の位相の影響が無いためにレーザの発振
光強度はファブリペロタイプのレーザの反射率の計算と
同様となり、大きな光強度が獲られることとなる。さら
に、導波路層に反射膜11を形成した端面付近で回折格
子が存在していないため、回折格子による光の帰還がな
く光学利得が低下し端面の反射による光強度の増大を打
ち消すことができる。
ても、回折格子の位相の影響が無いためにレーザの発振
光強度はファブリペロタイプのレーザの反射率の計算と
同様となり、大きな光強度が獲られることとなる。さら
に、導波路層に反射膜11を形成した端面付近で回折格
子が存在していないため、回折格子による光の帰還がな
く光学利得が低下し端面の反射による光強度の増大を打
ち消すことができる。
【0035】実施例のレーザ共振器内部の光強度、電子
密度、屈折率分布は、この構造により、共振器内部の光
強度分布が極めて平坦化され、屈折率変化が少なくな
る。レーザの発振波長の注入電流依存性を測定した結
果、従来0.1nm/mAのものが0.045nm/mAに低下し、チャー
ピング量も3MHzから900kHzへと減少する。
密度、屈折率分布は、この構造により、共振器内部の光
強度分布が極めて平坦化され、屈折率変化が少なくな
る。レーザの発振波長の注入電流依存性を測定した結
果、従来0.1nm/mAのものが0.045nm/mAに低下し、チャー
ピング量も3MHzから900kHzへと減少する。
【0036】さらに、ファブリペロ発振を抑圧しようと
した場合、11も12と同様に膜厚がλ/4の窒化珪素
無反射膜とする必要がある。この場合においては、合成
波の振幅が最小となる領域をレーザ中心部とすることで
レーザ中心部で生ずるホールバーニングの影響を抑制す
ることができる。その結果、レーザの歪量であるIM2
が−60dBm以下となり200chで100kmの伝
送を実現できる。
した場合、11も12と同様に膜厚がλ/4の窒化珪素
無反射膜とする必要がある。この場合においては、合成
波の振幅が最小となる領域をレーザ中心部とすることで
レーザ中心部で生ずるホールバーニングの影響を抑制す
ることができる。その結果、レーザの歪量であるIM2
が−60dBm以下となり200chで100kmの伝
送を実現できる。
【0037】図3は本発明の第3の実施例における半導
体レーザ装置の製造方法を示すものである。図におい
て、まずn-InP基板1上全面にホログラッフィク露光法
により回折格子2を形成し、回折格子全面に第1のエピ
タキシャル成長としてMOVPE法を用いてn-InGaAsP
光導波路層3を0.15μm、InGaAsP活性層6を0.1μm成
長する第1の回折格子作製工程を図3(a)に示す。そ
の後再び結晶全面にホログラッフィク露光法により回折
格子4を形成し、回折格子4全面に第2のエピタキシャ
ル成長としてMOVPE法を用いてInPバッファ層5を
0.05μm、p-InPクラッド層14を0.5μm成長する
第2の回折格子作製工程を図3(b)に示す。
体レーザ装置の製造方法を示すものである。図におい
て、まずn-InP基板1上全面にホログラッフィク露光法
により回折格子2を形成し、回折格子全面に第1のエピ
タキシャル成長としてMOVPE法を用いてn-InGaAsP
光導波路層3を0.15μm、InGaAsP活性層6を0.1μm成
長する第1の回折格子作製工程を図3(a)に示す。そ
の後再び結晶全面にホログラッフィク露光法により回折
格子4を形成し、回折格子4全面に第2のエピタキシャ
ル成長としてMOVPE法を用いてInPバッファ層5を
0.05μm、p-InPクラッド層14を0.5μm成長する
第2の回折格子作製工程を図3(b)に示す。
【0038】次にクラッド層14、活性層6、バッファ
層5光導波路層3、および基板1の一部を幅1μmに渡
り<011>方向にエッチングによりストライプ15を
形成した後p−InP層・n−InP層・p−InP層
7、p−InGaAsPキャップ層8をストライプ埋め
込み成長した後Au/Zn p側電極9とAu−Snn
側電極10を蒸着により形成し、無反射コーティングと
して膜厚がλ/4の窒化珪素膜11、およびBには反射
コーティングとして酸化珪素膜とアモルファス珪素多層
膜12を堆積し、図3(c)の構造を得る。
層5光導波路層3、および基板1の一部を幅1μmに渡
り<011>方向にエッチングによりストライプ15を
形成した後p−InP層・n−InP層・p−InP層
7、p−InGaAsPキャップ層8をストライプ埋め
込み成長した後Au/Zn p側電極9とAu−Snn
側電極10を蒸着により形成し、無反射コーティングと
して膜厚がλ/4の窒化珪素膜11、およびBには反射
コーティングとして酸化珪素膜とアモルファス珪素多層
膜12を堆積し、図3(c)の構造を得る。
【0039】なお、実施例において、グレーテイングの
位置を活性層の上としたが、活性層の下部に形成しても
よい。さらに、多層反射膜としては酸化珪素/アモルフ
ァス珪素多層膜、反射膜としては窒化珪素膜としたが、
多層反射膜及び無反射膜はこの材料に限るものではな
い。また、半導体結晶をInPとしたが、GaAsなど
他の半導体結晶基板でもよい。また、レーザの反射端面
や中心部を振幅が最小となる位置としたがホールバーニ
ングを抑制するために光密度が大きい部分とすればよ
い。
位置を活性層の上としたが、活性層の下部に形成しても
よい。さらに、多層反射膜としては酸化珪素/アモルフ
ァス珪素多層膜、反射膜としては窒化珪素膜としたが、
多層反射膜及び無反射膜はこの材料に限るものではな
い。また、半導体結晶をInPとしたが、GaAsなど
他の半導体結晶基板でもよい。また、レーザの反射端面
や中心部を振幅が最小となる位置としたがホールバーニ
ングを抑制するために光密度が大きい部分とすればよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
DFBレーザに於いてTMモードが抑制され、かつホー
ルバーニングが抑制され、高光出力化およびレーザの歩
留まりが向上する。
DFBレーザに於いてTMモードが抑制され、かつホー
ルバーニングが抑制され、高光出力化およびレーザの歩
留まりが向上する。
【図1】本発明の第1の実施例における半導体レーザ装
置の構造図
置の構造図
【図2】本発明の第2の実施例における半導体レーザ装
置の構造図
置の構造図
【図3】本発明の第4の実施例における半導体レーザ装
置の製造方法を示す斜視図
置の製造方法を示す斜視図
【図4】従来のDFBレーザの構造図
1 n−InP基板 2 分布帰還型回折格子 3 InGaAsP(λ=1.3μm)導波路層 4 分布帰還型回折格子 6 InGaAsP(λ=1.55μm)活性層 7 p−n−pInP埋め込み層 8 p−InGaAsP(λ=1.3μm)キャップ層 9 Au/Znp側電極 10 Au−Sn n側電極 11 酸化珪素/アモルファス珪素多層反射膜 12 窒化珪素無反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−34489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50
Claims (4)
- 【請求項1】導波路層の活性層側に形成された利得結合
型回折格子と、前記導波路層の基板側に形成された分布
帰還型回折格子とを有する半導体レーザであって、前記
利得結合型回折格子の発振波長と、前記分布帰還型回折
格子によって決定される、ストップバンド幅だけ離れた
第1の発振波長、第2の発振波長の一方とがほぼ等しく
なるように、前記利得結合型回折格子の周期が定められ
ていることを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】利得結合型回折格子と分布帰還型回折格子
よりなる複合回折格子の振幅が最小となる位置を、レー
ザ共振器の反射端面とした請求項1に記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項3】利得結合型回折格子と分布帰還型回折格子
よりなる複合回折格子の振幅が最小となる位置を、レー
ザ共振器の中央部とした請求項1に記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項4】周期の異なる2つの回折格子を備えた半導
体レーザの製造方法であって、前記2つの回折格子によ
る複合回折格子の振幅が最小となる位置をマーキングし
てへき開する、半導体レーザの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25517691A JP3166236B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25517691A JP3166236B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0595162A JPH0595162A (ja) | 1993-04-16 |
JP3166236B2 true JP3166236B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=17275099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25517691A Expired - Fee Related JP3166236B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3166236B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003204110A (ja) | 2001-11-01 | 2003-07-18 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体レーザ装置およびこれを用いた半導体レーザモジュール |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP25517691A patent/JP3166236B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0595162A (ja) | 1993-04-16 |
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