JP3165730B2 - 金属蒸気レーザ装置 - Google Patents

金属蒸気レーザ装置

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JP3165730B2
JP3165730B2 JP07479892A JP7479892A JP3165730B2 JP 3165730 B2 JP3165730 B2 JP 3165730B2 JP 07479892 A JP07479892 A JP 07479892A JP 7479892 A JP7479892 A JP 7479892A JP 3165730 B2 JP3165730 B2 JP 3165730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスレーザ光を発振
する金属蒸気レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、レーザ光は優れた指向性や
可干渉性等の特徴を生かし、従来より種々の分野で利用
されている。近時においてはレーザ光の単色性に着目
し、パルスレーザ光によって目的物質だけを選択的に励
起し、その高純度化や不純物の除去などへの利用が進め
られている。
【0003】以下、このように利用されるレ−ザ装置の
1つである金属蒸気レーザ装置について、図5を参照し
て説明する。図5は概略構成を示す接続図である。
【0004】図5において、1は金属蒸気レーザ発振管
で、内部には一対の電極2,3が対向配置され、また給
排気部4の排気装置5によって排気減圧された内部にガ
ス供給装置6からバルブ7を介してバッファガスが供給
されるようになっている。なお電極2,3間のプラズマ
形成領域8には、図示しないレーザ媒質の金属粒子が配
置される。
【0005】一方、9は電源部で、電極2,3に接続し
て両者の間での放電を発生させる。すなわち、電源部9
の蓄積コンデンサ10と高速スイッチング素子11との
直列回路が、一対の電極2,3に並列に接続されてお
り、高速スイッチング素子11は、パルス発生器12か
らの制御信号によって開閉動作を繰り返し行う。
【0006】また、蓄積コンデンサ10と高速スイッチ
ング素子11の直列回路には、コンデンサ13と抵抗1
4がそれぞれ並列に接続され、さらに高速スイッチング
素子11には、並列に蓄積コンデンサ10の充電を行う
充電電源15が接続されている。なお充電電源15に
は、直列に接続されたダイオード16と抵抗17とが、
並列に接続されている。
【0007】このように構成された従来の金属蒸気レー
ザ装置は、先ず金属蒸気レーザ発振管1の内部を排気装
置5により高真空状態にした後、この内部にガス供給装
置6からバッファガスを所定の圧力となるように供給す
る。
【0008】一方、電源部9では、高速スイッチング素
子11を開放にすることで、充電電源15によって蓄積
コンデンサ10を充電し、閉止にすることで、蓄積コン
デンサ10に充電された電荷が放電され、電極2,3に
パルス電圧を印加する。パルス電圧が印加されることに
よって電極2,3間のプラズマ形成領域8に、放電プラ
ズマが発生され、高速スイッチング素子11が繰り返し
開閉することで、蓄積コンデンサ10の充放電が繰り返
される。
【0009】これにともない、金属蒸気レーザ発振管1
の電極2,3間での繰り返し放電が行なわれ、プラズマ
形成領域8に配置されたレーザ媒質の金属粒子が加熱さ
れて蒸気化する。そして金属蒸気が放電プラズマ中の電
子によって励起され、発生した光が図示しない光共振器
で増幅されてレーザ光の発振が行なわれる。
【0010】しかしながら、金属蒸気レーザ発振管1の
電極2,3間での繰り返し放電を行う段階で、金属蒸気
レーザ発振管1の内部に混入している不純物等の原因に
よって、放電が時間と共に不安定になり放電電流が減少
することが度々生じる。このように放電が不安定になる
とレーザ媒質の金属粒子の加熱が不十分となるため、レ
ーザ媒質が蒸気化しなかったり、金属蒸気レーザ装置を
損傷させたりする虞があった。
【0011】そこで、金属蒸気レーザ装置の運転にあた
っては、金属蒸気レーザ発振管1での放電の状況を、例
えば放電プラズマの大きさや放電電流値を観察してい
て、放電が不安定になると運転を停止させる。そして金
属蒸気レーザ発振管1の内部を、バルブ7を閉止してバ
ッファガスの供給を停止し、一旦排気装置5によって排
気してから再びバッファガスをガス供給装置6から供給
し、金属蒸気レーザ装置の運転を再開させる。この操作
は放電が安定するまで繰り返し行われる。
【0012】このように金属蒸気レーザ装置の運転の
際、放電が安定するまで常時放電状況を観察していなけ
ればならず、目視で放電プラズマをチェックしている場
合には強い光で目を痛め易く、また放電が不安定である
か否かの判断基準が客観的でないために判断の遅れが生
じたりする等の問題がある。
【0013】さらに、放電が不安定になった場合には、
金属蒸気レーザ装置の運転の停止及び運転の再開の操作
を行わなければならず、運転操作が煩わしいものであっ
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の金
属蒸気レーザ装置では、運転にあたって放電が安定する
まで常時放電状況を観察する必要があり、種々の問題を
有し、また安定放電が得られるまでの運転操作が煩わし
いものであった。本発明は、このような状況に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは放電状況の観察
を必要とせず、煩わしい運転操作をともなわないで運転
できる金属蒸気レーザ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の金属蒸気レーザ
装置は、金属蒸気レーザ発振管と、この金属蒸気レーザ
発振管の内部を排気しバッファガスを供給する給排気部
と、金属蒸気レーザ発振管の電極間にスイッチング素子
を繰返し開閉させてパルス電圧を印加し該金属蒸気レー
ザ発振管の電極間で放電を行わせる電源部と、スイッチ
ング素子に流れる電流を検知すると共に検知した信号に
基づいて給排気部の給排を制御し且つ前記電源部の制御
を行う制御部とを備え、前記制御部で前記スイッチング
素子の閉止によって流れる第1のパルス電流と第2のパ
ルス電流及び時間間隔を検知して前記金属蒸気レーザ発
振管の電極間での放電の安定度を判断し、不安定と判断
した場合に制御部によって金属蒸気レーザ発振管の放電
を停止させて内部の排気を行い、排気を行った後に給排
気部によって金属蒸気レーザ発振管の内部にバッファガ
スを再供給して金属蒸気レーザ発振管の放電を再開させ
るようにしたことを特徴とするものであり、 さらに、第
1のパルス電流が流れてから第2のパルス電流の流れる
までの間の時間間隔の長短により、金属蒸気レーザ発振
管の電極間での放電の安定度を判断するようにしたこと
を特徴とするものであり、 さらに、第1のパルス電流が
流れてから所定時間後に流れる第2のパルス電流の大小
により、金属蒸気レーザ発振管の電極間での放電の安定
度を判断するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】上記のように構成された金属蒸気レーザ装置
は、金属蒸気レーザ発振管を放電させる際スイッチング
素子に流れる第1のパルス電流と第2のパルス電流及び
時間間隔を制御部で検知し、例えば第1のパルス電流と
第2のパルス電流の時間間隔、あるいは所定時間後にお
ける第2のパルス電流の電流値のそれぞれ予め設定され
た値との差の信号に基づいて、制御部で金属蒸気レーザ
発振管の放電の安定度を判断し、時間間隔が予め設定さ
れた値より大きい、あるいは第2のパルス電流の電流値
が予め設定された値より小さいときに不安定であると判
断し、この場合に金属蒸気レーザ発振管の放電を停止さ
せて内部の排気を給排気部で行い、排気を行った後にバ
ッファガスを再供給して金属蒸気レーザ発振管の放電を
再開させる。それ故、放電が安定するまで自動的に起動
操作が繰り返され、常時放電状況を観察する必要がなく
なり、また煩わしい運転操作をともなわないで運転でき
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0018】先ず、第1の実施例の金属蒸気レーザ装置
について、図1及び図2により説明する。図1は概略構
成を示す接続図であり、図2は高速スイッチング素子を
流れるパルス電流を説明するための図である。
【0019】図において、略円筒状に形成された金属蒸
気レーザ発振管21の内部には、所定の間隔を設けて一
対の電極22,23が対向配置されている。また金属蒸
気レーザ発振管21は給排気部24の排気装置25によ
って内部が排気減圧され、さらに減圧された内部にガス
供給装置26から電磁バルブ27を介して、例えばヘリ
ウム(He)、ネオン(Ne)等のバッファガスが供給
されるようになっている。なお対向する電極22,23
間のプラズマ形成領域28には、図示しないレーザ媒質
の金属粒子、例えば銅(Cu)や金(Au)が配置され
る。
【0020】一方、一対の電極22,23には、これら
の間での放電を発生させるための電源部29が接続され
ている。すなわち、電源部29の蓄積コンデンサ30
と、これに直列に接続されたサイラトロン等でなる高速
スイッチング素子31の直列回路が、一対の電極22,
23に並列に接続されている。なお高速スイッチング素
子31は、その制御端子に開閉動作を繰り返し行うため
の制御信号を出すパルス発生器32が接続されている。
【0021】また、蓄積コンデンサ30と高速スイッチ
ング素子31の直列回路には、波形整形用コンデンサ3
3と充電抵抗34がそれぞれ並列に接続されている。さ
らに高速スイッチング素子31の両端には、並列に蓄積
コンデンサ30の充電を行う充電電源35が接続されて
いる。なお充電電源35には、直列に接続された逆流防
止用のダイオード36と抵抗37とが、並列に接続され
ている。
【0022】さらに、38は制御部で、給排気部24と
電源部29の動作を制御するものである。すなわち制御
部38は、パルス検出器39と、その出力信号が入力さ
れる制御器40を有し、制御器40によって給排気部2
4の電磁バルブ27の開閉と、充電電源35の動作を制
御する。
【0023】パルス検出器39には、金属蒸気レーザ発
振管21の片方の電極23に接続された高速スイッチン
グ素子31の端子側に設けられ、高速スイッチング素子
31を流れる電流を検出する電流検出器41の出力信号
が入力されるようになっている。さらにパルス検出器3
9には、高速スイッチング素子31に印加される制御信
号に同期した信号がパルス発生器32から入力されるよ
うになっている。
【0024】このように構成された本実施例の金属蒸気
レーザ装置は、先ず金属蒸気レーザ発振管21の内部を
給排気部24の排気装置25により減圧し高真空状態に
した後、排気を続けながら金属蒸気レーザ発振管21の
内部に電磁バルブ27を開くことによって、ガス供給装
置26から、例えばヘリウムからなるバッファガスが所
定の圧力となるように供給される。
【0025】一方電源部29では、高速スイッチング素
子31をパルス発生器32からの制御信号により開放
し、充電電源35によって蓄積コンデンサ30を充電す
る。次いでパルス発生器32の制御信号を変え高速スイ
ッチング素子31を閉止することで、蓄積コンデンサ3
0に充電された電荷が金属蒸気レーザ発振管21の電極
22,23に移行し、電極22,23間にパルス電圧が
印加される。
【0026】パルス電圧が印加されることによって電極
22,23間のプラズマ形成領域28に、放電プラズマ
が発生する。また両電極22,23へのパルス電圧の印
加は、パルス発生器32からの制御信号を繰り返し出力
することで継続して行われ、これによって電極22,2
3間の放電が繰り返し行なわれる。
【0027】そして、高速スイッチング素子31を閉止
し蓄積コンデンサ30を放電した時には、高速スイッチ
ング素子31にパルス電流が流れ、この電流が電流検出
器41で検出され、その出力信号が、パルス発生器32
から高速スイッチング素子31を閉止する制御信号と共
に、パルス検出器39に入力される。
【0028】この時に高速スイッチング素子31に流れ
るパルス電流は、図2に横軸に時間を取り、縦軸に電流
を取って示すようになる。すなわち、パルス発生器32
から出力された高速スイッチング素子31を閉止する制
御信号が、パルス検出器39で検知された時間T0 に対
し、時間T1 で第1のパルス電流P1 のピーク値が検知
され、また時間T2 で第1のパルス電流P1 よりもピー
ク値が小さい第2のパルス電流P2 が検知される。
【0029】さらに、パルス検出器39では、第1のパ
ルス電流P1 が検知されてから第2のパルス電流P2
検知されるまでの時間間隔ΔT(=T2 −T1 )が算
出され、予め設定された時間間隔ΔTとの比較が行わ
れる。なお、予め設定される時間間隔ΔTは、金属蒸
気レーザ発振管21の電極22,23間の放電の安定度
が、第1のパルス電流と第2のパルス電流の時間間隔の
長短によって判断できることを、本発明者らは実験によ
って得ており、これに基づき放電が安定に行われる時間
間隔の範囲内に設定される。
【0030】時間間隔ΔTと時間間隔ΔTとの比較
結果が、 ΔT≧ΔT=T2 −T1 である場合には、放電が安定に行われるものとして蓄積
コンデンサ30の充放電が継続され、金属蒸気レーザ発
振管21の電極22,23へのパルス電圧の印加が繰り
返される。
【0031】そして、両電極22,23間の放電が繰り
返し行なわれることにより、プラズマ形成領域28の温
度が約1500度にまで上昇し、そこに配置されたレー
ザ媒質、例えば銅の金属粒子が加熱されて蒸気化する。
そして金属蒸気が放電プラズマ中の電子によって励起さ
れ、発生した光が図示しない光共振器で増幅されてレー
ザ光の発振が行なわれる。
【0032】また、図2に破線により示すように、第2
のパルス電流P′2 が時間T2 より遅い時間T′2 で検
知されると、パルス検出器39で第1のパルス電流P1
と第2のパルス電流P′2 との時間間隔ΔT(=T′
2 −T1 )が算出され、予め設定された時間間隔ΔT
との比較が行われる。
【0033】時間間隔ΔTと時間間隔ΔTとの比較
結果が、 ΔT<ΔT=T′2 −T1 である場合には、放電が不安定であると判断され、その
判断結果が制御器40に入力される。
【0034】そして、制御器40によって充電電源35
の動作が停止され、金属蒸気レーザ発振管21での放電
が停止される。同時に制御器40からの制御信号で電磁
バルブ27を閉止し、金属蒸気レーザ発振管21内部へ
のガス供給装置26からのバッファガスの供給が止めら
れるが、排気装置25は引き続き運転を行い、金属蒸気
レーザ発振管21内部を排気する。
【0035】排気装置25による金属蒸気レーザ発振管
21内部の排気減圧を行い高真空状態にした後、排気を
続けながら再び金属蒸気レーザ発振管21の内部に電磁
バルブ27を開くことによって、ガス供給装置26から
バッファガスが所定の圧力となるように供給される。
【0036】バッファガスが供給された後、電源部29
を再び動作させて蓄積コンデンサ30の充放電を行わ
せ、金属蒸気レーザ発振管21の電極22,23へのパ
ルス電圧の印加を行う。そして高速スイッチング素子3
1に流れるパルス電流を検知し、同様に時間間隔の比較
を行う。時間間隔の比較結果で放電が不安定であると判
断される間は、制御部38の制御によって金属蒸気レー
ザ発振管21の放電停止、内部の排気及び電源部29の
再起動が繰り返し行われる。
【0037】また、時間間隔の比較結果で放電が安定で
あると判断されると、蓄積コンデンサ30の充放電が継
続され、金属蒸気レーザ発振管21の電極22,23へ
のパルス電圧の印加が繰り返され、両電極22,23間
の放電が繰り返し行なわれる。そしてレーザ媒質の金属
粒子が加熱されて蒸気化し、金属蒸気が電子によって励
起され、レーザ光の発振が行なわれる。
【0038】以上のように構成された本実施例によれ
ば、金属蒸気レーザ発振管21の電極22,23間の放
電状態が安定であるか否かが、操作者の観察等をともな
わずに、高速スイッチング素子31に流れるパルス電流
を検知することで確実に検出できる。そして、放電が不
安定である場合には安定するまで、繰り返し金属蒸気レ
ーザ発振管21の放電停止、再起動等が自動的に行われ
ることになり、煩わしい運転操作がなくなる。
【0039】また、放電が不安定でレーザ媒質が蒸気化
しないまま運転を継続し、金属蒸気レーザ装置を損傷さ
せたりすることもなくなる。
【0040】次に、第2の実施例の金属蒸気レーザ装置
について、図3及び図4により説明する。図3は概略構
成を示す接続図であり、図4は高速スイッチング素子を
流れるパルス電流を説明するための図である。なお本実
施例は第1の実施例とはパルス検知器での信号処理の内
容が異なり、以下、その相違する点について主に説明す
る。
【0041】図3において、42は制御部で、給排気部
24と電源部29の動作を制御するものである。すなわ
ち制御部42は、パルス検出器43と、その出力信号が
入力される制御器40を有し、制御器40によって給排
気部24の電磁バルブ27の開閉と、充電電源35の動
作を制御する。
【0042】パルス検出器43には、金属蒸気レーザ発
振管21の片方の電極23に接続された高速スイッチン
グ素子31の端子側に設けられ、高速スイッチング素子
31を流れる電流を検出する電流検出器41の出力信号
が入力されるようになっている。さらにパルス検出器4
3には、高速スイッチング素子31に印加される制御信
号に同期した信号がパルス発生器32から入力されるよ
うになっている。
【0043】そして、第1の実施例と同じように、高速
スイッチング素子31をパルス発生器32の制御信号に
よって開閉させ、蓄積コンデンサ30を充放電させて金
属蒸気レーザ発振管21の電極22,23にパルス電圧
を印加する。これにより両電極22,23間の放電が行
なわれる。また両電極22,23へのパルス電圧の印加
は、パルス発生器32からの制御信号を繰り返し出力す
ることで継続して行われ、これによって電極22,23
間の放電が繰り返し行なわれる。
【0044】このような動作の中で、高速スイッチング
素子31を閉止し蓄積コンデンサ30を放電した時に
は、高速スイッチング素子31にパルス電流が流れ、こ
の電流が電流検出器41で検出され、その出力信号が、
パルス発生器32から高速スイッチング素子31を閉止
する制御信号と共に、パルス検出器43に入力される。
【0045】この時、高速スイッチング素子31に流れ
るパルス電流は、図4に横軸に時間を取り、縦軸に電流
を取って示すようになる。すなわち、パルス発生器32
から出力された高速スイッチング素子31を閉止する制
御信号が、パルス検出器43で検知された時間T0 に対
し、時間T1 で第1のパルス電流P1 のピーク値が検知
され、また時間T2 で第1のパルス電流P1 よりも電流
値が小さい第2のパルス電流P2 のピーク値が検知され
る。
【0046】パルス検出器43では、第1のパルス電流
1 が検知されてから後に、時間T2 で検知される第2
のパルス電流P2 の平均電流値I2 が計測され、この平
均電流値I2 と予め設定された電流値Iとの比較が行
われる。なお平均電流値I2の計測は、繰り返し高速ス
イッチング素子31に流れるパルス電流の第2のパルス
電流P2 の電流値を、正確を期するため必要に応じて1
回以上の所定回数についてサンプリングし、これを平均
して求めるようにしている。
【0047】また、予め設定される電流値Iは、金属
蒸気レーザ発振管21の電極22,23間の放電の安定
度が、第1のパルス電流と第2のパルス電流のうち、時
間T2 で検知される第2のパルス電流の電流値の大小に
よって判断できることを、本発明者らは実験によって得
ており、これに基づき放電が安定に行われる電流値の範
囲内で設定される。
【0048】そして、パルス検出器43での第2のパル
ス電流P2 の平均電流値I2 と予め設定された電流値I
との比較結果が、 I2 ≧I である場合には、放電が安定に行われるものとして蓄積
コンデンサ30の充放電が継続され、金属蒸気レーザ発
振管21の電極22,23へのパルス電圧の印加が繰り
返される。
【0049】両電極22,23間の放電が繰り返し行な
われることにより、プラズマ形成領域28の温度が約1
500度にまで上昇し、そこに配置されたレーザ媒質、
例えば銅の金属粒子が加熱されて蒸気化する。そして金
属蒸気が放電プラズマ中の電子によって励起され、発生
した光が図示しない光共振器で増幅されてレーザ光の発
振が行なわれる。
【0050】また、パルス検出器43で図4に破線によ
り示す第2のパルス電流P′2 の時間T2 で検知される
平均電流値I′2 が計測され、この平均電流値I′2
予め設定された電流値Iとの比較結果が、 I2 <I である場合には、放電が不安定であると判断され、その
判断結果が制御器40に入力される。
【0051】そして、第1の実施例と同様に、制御器4
0によって充電電源35の動作が停止され、金属蒸気レ
ーザ発振管21での放電が停止される。同時に制御器4
0からの制御信号で電磁バルブ27を閉止し、金属蒸気
レーザ発振管21内部へのガス供給装置26からのバッ
ファガスの供給が止められるが、排気装置25は引き続
き運転を行い、金属蒸気レーザ発振管21内部を排気す
る。
【0052】排気装置25による金属蒸気レーザ発振管
21内部の排気減圧を行い高真空状態にした後、排気を
続けながら再び金属蒸気レーザ発振管21の内部に電磁
バルブ27を開くことによって、ガス供給装置26から
バッファガスが所定の圧力となるように供給される。
【0053】バッファガスが供給された後、電源部29
を再び動作させて蓄積コンデンサ30の充放電を行わ
せ、金属蒸気レーザ発振管21の電極22,23へのパ
ルス電圧の印加を行う。そして高速スイッチング素子3
1に流れるパルス電流を検知し、同様に電流値の比較を
行う。電流値の比較結果で放電が不安定であると判断さ
れる間は、制御部42の制御によって金属蒸気レーザ発
振管21の放電停止、内部の排気及び電源部29の再起
動が繰り返し行われる。
【0054】また、電流値の比較結果で放電が安定であ
ると判断されると、蓄積コンデンサ30の充放電が継続
され、金属蒸気レーザ発振管21の電極22,23への
パルス電圧の印加が繰り返され、両電極22,23間の
放電が繰り返し行なわれる。そしてレーザ媒質の金属粒
子が加熱されて蒸気化し、金属蒸気が電子によって励起
され、レーザ光の発振が行なわれる。
【0055】以上のように構成された本実施例において
も、第1の実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0056】尚、本発明は上記の各実施例のみに限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、スイッチング素子に流れる第1のパルス電流と第2
のパルス電流及び時間間隔を制御部で検知し、金属蒸気
レーザ発振管の放電の安定度を判断し、不安定である場
合に放電を停止させて内部の排気を行い、排気を行った
後に金属蒸気レーザ発振管の放電を再開させる構成とし
たことにより、放電状況の観察を必要とせず、煩わしい
運転操作をともなわないで運転できる等の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略構成を示す接続図
である。
【図2】同上における高速スイッチング素子を流れるパ
ルス電流を説明するための図である。
【図3】本発明の第2の実施例の概略構成を示す接続図
である。
【図4】同上における高速スイッチング素子を流れるパ
ルス電流を説明するための図である。
【図5】従来例の概略構成を示す接続図である。
【符号の説明】
21…金属蒸気レーザ発振管 22,23…電極 24…給排気部 25…排気装置 26…ガス供給装置 29…電源部 30…蓄積コンデンサ 31…高速スイッチング素子 38…制御部 39…パルス検出器 40…制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井関 康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (72)発明者 鈴木 節雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−5875(JP,A) 特開 平3−73582(JP,A) 特開 平2−117189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属蒸気レーザ発振管と、この金属蒸気
    レーザ発振管の内部を排気しバッファガスを供給する給
    排気部と、前記金属蒸気レーザ発振管の電極間にスイッ
    チング素子を繰返し開閉させてパルス電圧を印加し該金
    属蒸気レーザ発振管の電極間で放電を行わせる電源部
    と、前記スイッチング素子に流れる電流を検知すると共
    に検知した信号に基づいて前記給排気部の給排を制御し
    且つ前記電源部の制御を行う制御部とを備え、前記制御
    部で前記スイッチング素子の閉止によって流れる第1の
    パルス電流と第2のパルス電流の時間間隔を検知して前
    記金属蒸気レーザ発振管の電極間での放電の安定度を判
    断し、不安定と判断した場合に前記制御部によって前記
    金属蒸気レーザ発振管の放電を停止させて内部の排気を
    行い、排気を行った後に前記給排気部によって前記金属
    蒸気レーザ発振管の内部にバッファガスを再供給して前
    記金属蒸気レーザ発振管の放電を再開させるようにした
    ことを特徴とする金属蒸気レーザ装置。
  2. 【請求項2】 第1のパルス電流が流れてから第2のパ
    ルス電流の流れるまでの間の時間間隔の長短により、金
    属蒸気レーザ発振管の電極間での放電の安定度を判断す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の金属蒸気
    レーザ装置。
  3. 【請求項3】 第1のパルス電流が流れてから所定時間
    後に流れる第2のパルス電流の大小により、金属蒸気レ
    ーザ発振管の電極間での放電の安定度を判断するように
    したことを特徴とする請求項1記載の金属蒸気レーザ装
    置。
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