JP3165665B2 - トラクションドライブ機構 - Google Patents

トラクションドライブ機構

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JP3165665B2
JP3165665B2 JP24284497A JP24284497A JP3165665B2 JP 3165665 B2 JP3165665 B2 JP 3165665B2 JP 24284497 A JP24284497 A JP 24284497A JP 24284497 A JP24284497 A JP 24284497A JP 3165665 B2 JP3165665 B2 JP 3165665B2
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trunnion
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disk
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龍彦 五井
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C27/00Rotorcraft; Rotors peculiar thereto
    • B64C27/04Helicopters
    • B64C27/12Rotor drives
    • B64C2027/125Rotor drives including toroidal transmissions, e.g. of the CVT type

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  • Friction Gearing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段階変速が可能
なトラクションドライブ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来のトラクションドライブ機
構の一例を示す構成図であり、図12(a)は等速時、
図12(b)は減速時、図12(c)は増速時の状態を
示す。図13はその部分斜視図である。
【0003】図示したハーフトロイダル型CVT(Cont
inuously Variable Transmission)において、入力軸1
が外部エンジン等に連結されており、入力軸1には加圧
装置2が取り付けらている。加圧装置2は皿バネ9を介
して入力ディスク3を押付けており、入力ディスク3は
入力軸1とともに回転する。出力ディスク4は、入力デ
ィスク3の回転軸Yの方向と一致するように対向配置さ
れ、入力ディスク3および出力ディスク4の内側には一
定曲率を有するトロイダル面状の接触面3a、4aがそ
れぞれ形成される。
【0004】入力ディスク3と出力ディスク4との間に
は、回転軸Yの回りに沿って伝動ローラ6が複数(図で
は2個)配置される。伝動ローラ6は各ディスク3、4
の接触面3a、4aに常に接触しており、トラニオン7
に回転可能なように支持されている。ディスク3、4お
よび伝動ローラ6の周囲は、常圧下で低粘性、高圧下で
固化するトラクション油が充填されており、機構の潤滑
と接触領域での摩擦力向上を両立させている。トラニオ
ン7は、回転軸Yを含む平面(図12紙面)に沿って、
接触面3a、4aの曲率中心の回りに傾転自在に支持さ
れている。
【0005】図13に示すように、トラニオン7は1対
の支持軸7aを有し、支持軸7aは板状のヨーク部材8
に形成されたスライド孔8aに挿入され、支持軸7aの
軸方向(図中符号Z)の直線変位および軸回りの角変位
を許容し、ヨーク部材8の面方向(図中XY面)の変位
を規制している。2つのトラニオン7は回転軸Yを挟ん
で対向配置され、これらの支持軸7aのうち一方側は同
じヨーク部材8に支持され、他方側も別のヨーク部材8
によって支持される。
【0006】次に動作を説明する。入力ディスク3は外
部のエンジン等に連結されて回転駆動され、接触する伝
動ローラ6を回転駆動する。さらに伝動ローラ6は接触
する出力ディスク4を回転駆動し、その駆動力は出力軸
5から取り出される。伝達ローラ6と入力ディスク3お
よび出力ディスク4との接触(動力伝達)は、厚さ数μ
のトラクション油の油膜を介して行われている。
【0007】ここで、伝動ローラ6と入力ディスク3と
の接触半径をr1、伝動ローラ6と出力ディスク4との
接触半径をr2とすると、変速比はr1/r2で与えら
れる。各接触半径r1、r2はトラニオン7の傾転によ
って調整可能である。
【0008】図12(a)ではr1=r2であるため、
入力ディスク3の回転数(単位時間当り)と出力ディス
ク4の回転数とが一致し、等速状態となる。図12
(b)ではr1<r2であるため、入力ディスク3の回
転数より出力ディスク4の回転数が減少して、減速状態
となる。図12(c)ではr1>r2であるため、入力
ディスク3の回転数より出力ディスク4の回転数が増加
して、増速状態となる。
【0009】こうしてトラニオン7の傾転角度を制御す
ることによって、伝動ローラ6の接触半径r1、r2を
連続的に変化させることが可能になり、その結果、所望
の変速比r1/r2を連続的に設定できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図14は、従来のトラ
クションドライブ機構における接触面3a、4aの形状
を示す説明図である。入力ディスク3および出力ディス
ク4の各接触面3a、4aは一定の曲率で形成されてお
り、トラニオン7の傾転中心Tは各接触面3a、4aの
曲率中心と一致するように設定される。
【0011】伝動ローラ6は軸Sを中心に回転し、トラ
ニオン7の傾転運動によって軸Sは傾転中心Tの回りに
角変位する。伝動ローラ6と接触面3aとは接点Cで接
触し、伝動ローラ6と接触面4aとは接点Dで接触して
いる。線分Pは傾転中心Tと接点Cとを結ぶ線分であ
り、線分Qは傾転中心Tと接点Dとを結ぶ線分であり、
線分P、Qの長さが接触面3a、4aの曲率半径に相当
する。接点Cでの接線M、接点Dでの接線N、線分P、
Qに着目すると、これらは軸Sに関して対称となり、接
線M、Nおよび軸Sは点Wで交差するが、点Wは入力デ
ィスク3および出力ディスク4の回転軸Yとは一致しな
い。点Wは線分TWを半径とする円運動の軌跡を描き、
傾転角φが小さい場合、傾転中心Tを基準にして点Wは
回転軸Yより遠くなり、傾転角φが徐々に大きくなると
途中で点Wと回転軸Yとが一致し、傾転角φがさらに大
きくなると点Wは回転軸Yより遠くなる。
【0012】次に、接点C、Dでの接触状態が無限小の
点でなく、現実には有限面積であることを考慮して、こ
の接触領域での摩擦を検討する。まず接点Cに関して、
接触領域の中心である接点Cは回転半径Riで回転する
が、接触領域の上端は回転半径Riより大きな半径Ri
+で回転し、接触領域の下端は回転半径Riより小さな
半径Ri−で回転する。接触領域内の任意の点の周速は
回転半径×回転数で表され、入力ディスク3の回転数ω
iは一定値であるため、結局、回転半径Ri、Ri+、
Ri−に応じて変化する。
【0013】一方、伝動ローラ6の接触状態について検
討すると、接触領域の中心は回転半径Rtで回転する
が、接触領域の上端は回転半径Rtより大きな半径Rt
+で回転し、接触領域の下端は回転半径Rtより小さな
半径Rt−で回転する。伝動ローラ6の回転数ωtも一
定値であるため、伝動ローラ6の接触領域内の任意の点
の周速は回転半径Rt、Rt+、Rt−に応じて変化す
る。
【0014】そこで、両者の接触領域において、中心、
上端および下端の周速がそれぞれ等しくないと滑りが発
生することになる。図14において、半径Rt、Rt
+、Rt−は点Wを含む相似三角形を構成しているが、
半径Ri、Ri+、Ri−の相似比と相違することが判
る。すなわち、接触領域の中心で周速が一致していて
も、上端および下端の周速は一致せずに、滑りが発生す
ることを意味する。
【0015】接点Dにおいても同様に、接触面の中心で
ある接点Dは回転半径Roで回転するが、接触面の上端
は回転半径Roより大きな半径Ro+で回転し、接触面
の下端は回転半径Roより小さな半径Ro−で回転す
る。これらの相似比率が伝動ローラ6の回転半径Rt、
Rt+、Rt−と一致すれば滑りは存在しないが、図1
4を見ると、両者の相似比率が一致していないことが判
る。
【0016】伝動ローラ6と入力ディスク3および出力
ディスク4との接触領域において、滑りが発生すると、
摩擦熱が大量に発生し、伝達効率の低下を招くことにな
る。また、最大許容伝達力を向上させるには押圧力の増
加が必要になるが、その分接触領域の面積が増加して、
磨耗や劣化が加速され寿命が縮む要因となる。
【0017】本発明の目的は、伝動ローラと入力ディス
クおよび出力ディスクとの接触領域における滑り発生を
解消して、最大許容伝達力の向上を図り、長寿命かつ高
信頼性のトラクションドライブ機構を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸方向が
一致するように対向配置され、対向する接触面がトロイ
ダル状の曲面に形成された入力ディスクおよび出力ディ
スクと、回転軸を含む平面に沿って、接触面の曲率中心
の回りに傾転自在に支持されたトラニオンと、各接触面
に接触し、該トラニオンに回転自在に支持された伝動ロ
ーラとを備え、各接触面の曲率が連続的に変化するとと
もに、トラニオンの傾転運動に伴って、伝動ローラが入
力ディスクおよび出力ディスクの接触面にそれぞれ接触
する接点における2本の接線と、入力ディスクおよび出
力ディスクの回転軸の軸線と、伝動ローラの回転軸の軸
線とが同一点で交差するように、接触面の形状が定めら
れており、複数のトラニオンが回転軸の周囲に配置さ
れ、各トラニオンを個別に支持するための複数のヨーク
部材が設けられ、トラニオンの傾転中心が回転軸の垂直
方向に変位可能なようにヨーク部材が互いに弾性部材で
連結されていることを特徴とするトラクションドライブ
機構である。
【0019】本発明に従えば、入力ディスクおよび出力
ディスクの接触面の曲率が連続的に変化していることに
よって、トラニオンの傾転運動によって伝動ローラの接
触位置が変化しても、有限面積を持つ接触領域内におい
て滑り発生を解消できる。そのため、摩擦による発熱を
低減でき、負荷能力や最大許容伝達力、寿命、信頼性、
耐久性などを向上することができる。また、接触領域で
の発熱が少なくなるとトラクション油の劣化を防止で
き、しかもトラクション油も少量で足りるため油冷却機
構も簡素化が可能になり、機構全体の小型軽量化が図ら
れる。
【0020】
【0021】また、伝動ローラが入力ディスクおよび出
力ディスクの接触面にそれぞれ接触する接点における2
本の接線と、入力ディスクおよび出力ディスクの回転軸
の軸線と、伝動ローラの回転軸の軸線とが同一点で交差
するように、接触面の形状を定めることによって、入力
ディスクおよび出力ディスクの接触領域における中心、
上端および下端の周速と伝動ローラの接触領域における
中心、上端および下端の周速とがそれぞれ一致するた
め、接触領域内での滑りを解消できる。また、こうした
幾何学的条件が成立する場合、接触面の曲率は連続的に
変化することになる。
【0022】
【0023】また、接触領域内での相対周速を一致させ
るように接触面の形状を定めると、接触面の曲率が一定
でなくなるため、トラニオンの傾転中心から接触領域ま
での距離が一定である伝動ローラを使用した場合、傾転
角によっては非接触になったり、過剰押圧になる。その
対策として、トラニオンの傾転中心が回転軸の垂直方向
に変位可能に設定することによって、伝動ローラの接触
状態を傾転角の可変範囲に渡って均等に保つことができ
る。
【0024】
【0025】また、トラニオンを支持するヨーク部材を
互いに弾性部材で連結することによって、トラニオン傾
転中心の変位機構を簡単な機構で実現することができ
る。また、トラニオンの傾転角が変化しても接触領域で
の押圧力を安定に維持することができる。
【0026】また本発明は、ヨーク部材を前記弾性部材
の伸縮方向に沿って案内する案内部材が設けられること
を特徴とする。
【0027】本発明に従えば、案内部材によってヨーク
部材の移動を安定化できるため、トラニオン傾転中心の
変位運動を円滑化できる。
【0028】
【0029】
【0030】図1は、本発明の原理を示す説明図であ
る。入力ディスクおよび出力ディスクの各接触面13
a、14aに軸Sの回りに回転する伝動ローラが接触し
ており、接触面14aでの接触領域は略楕円形を成し、
その下端、中心および上端をそれぞれ点d、e、fとす
る。点d、e、fに対応する伝動ローラの回転中心をそ
れぞれ点a、b、cとし、同様に、点d、e、fに対応
する出力ディスクの回転中心をそれぞれ点g、h、iと
する。接触領域の任意の点で伝動ローラと出力ディスク
との相対周速が一致していれば、滑りは発生せず、伝動
ローラと出力ディスクは完全な転がり運動を行う。
【0031】しかし、図14で説明したように、中心点
eでの周速が一致していても上端の点fおよび下端の点
dでの速度差が生じた場合は、接触領域での回転モーメ
ントによる回転運動が発生する。これをスピンと称して
いる。
【0032】そこで、スピンをゼロにするスピン最小条
件を検討する。スピンがゼロであることは、点d、e、
fでの相対周速がそれぞれ一致することを意味する。中
心の点eでは転がり運動を行うことを前提として、点
d、fでの周速を計算する。伝動ローラの回転数をω
t、出力ディスクの回転数をωoとおいて、点dにおけ
る伝動ローラの周速Vtおよび出力ディスクの周速Vo
は、 Vt=ωt×ad、 Vo=ωo×dg と表される。ここで、adは点aと点dを結ぶ線分の長
さ、dgは点dと点gを結ぶ線分の長さを意味し、以下
も同様な表記をする。
【0033】ここで、周速Vtと周速Voとが一致する
として、次の式が成立する。 ωt×ad=ωo×dg …(1)
【0034】点fについても同様に計算する。 Vt=ωt×cf、 Vo=ωo×fi ωt×cf=ωo×fi …(2)
【0035】式(1)、(2)から次の関係式が成立す
る。 ad/cf=dg/fi …(3)
【0036】式(3)は、線分acの延長線、線分df
の延長線および線分giの延長線が1つの点Wで交差し
て、4つの三角形Wad、Wcf、Wgd、Wifが相
互に相似であれば完全に成立する。
【0037】すなわち、トラニオンが任意の傾転角φで
傾転運動を行っても、伝動ローラの回転軸の軸線Sと、
出力ディスクの接触面14aの接点における接線Nと、
出力ディスクの回転軸Yとが一点で交差することがスピ
ン最小条件となる。入力ディスクについても同様に、伝
動ローラの回転軸の軸線Sと、入力ディスクの接触面1
3aの接点における接線Mと、入力ディスクの回転軸Y
とが一点で交差することがスピン最小条件となる。
【0038】図2は、本発明の実施の一形態を示す説明
図である。トラニオンが任意の傾転角φで傾転運動を行
った場合、軸S、接線M、N、および回転軸Yが交差す
る点Wが回転軸Yに沿って直線移動すれば、常にスピン
最小条件が成立する。
【0039】ここでは、入力ディスクおよび出力ディス
クの位置を固定した例を示し、上述のスピン最小条件を
満たしつつ幾何学的に接触面13a、14aの形状を求
めると、トラニオンの傾転中心Tは傾転角φに応じて回
転軸Yの垂直方向に変位させる必要があり、さらに傾転
中心Tから各接触面13a、14aまでの距離も傾転角
φに応じて変化する。そのため接触面13a、14aの
曲率も傾転角φに応じて変化することが必要となる。
【0040】図3は、スピン最小条件を満たす他の例を
示す説明図である。トラニオンが任意の傾転角φで傾転
運動を行った場合、軸S、接線M,N、および回転軸Y
が交差する点Wが回転軸Yに沿って直線移動すれば、常
にスピン最小条件が成立する。
【0041】ここでは、トラニオンの傾転中心Tを固定
した例を示し、上述のスピン最小条件を満たしつつ幾何
学的に接触面13a、14aの形状を求めると、入力デ
ィスクおよび出力ディスクの位置、すなわち接触面13
a、14aの位置を回転軸Yに沿って変位させる必要が
あり、さらに傾転中心Tから各接触面13a、14aま
での距離も傾転角φに応じて変化する。そのため接触面
13a、14aの曲率も傾転角φに応じて変化すること
になる。こうした入力ディスクおよび出力ディスクを相
対変位可能にする機構として、加圧装置と入力ディスク
との間に介在する皿バネ等を利用することができる。ま
た、入力ディスクおよび出力ディスクを相対変位可能に
する機構として、油圧アクチュエータを利用することも
できる。
【0042】図4は、スピンレシオの変化を示すグラフ
である。横軸はトラニオンの傾転角φおよび対応する変
速比であり、縦軸はスピンレシオであり、実線が本発
明、破線は従来例を示す。スピンレシオとは、接触領域
のスピンの角速度ωsを入力ディスクの角速度ωiで除
算した数値であり、この大きさによって接触領域での滑
り量を評価できる。
【0043】グラフを見ると、伝動ローラが水平になる
傾転角φ=50度(変速比は1)の場合、従来例のスピ
ンレシオは最大の約0.95であり、傾転角φを増減さ
せると減少することが判る。一方、本発明のスピンレシ
オは傾転角φの範囲に渡ってほぼ0に保たれており、任
意の傾転角φで滑りが発生しないことが判る。
【0044】図5は本発明に係るトラクションドライブ
機構を示す部分断面図であり、図6は斜視図である。
【0045】図示したハーフトロイダル型CVT(Cont
inuously Variable Transmission)において、入力軸1
1が外部エンジン等に連結されており、入力軸11には
加圧装置12が取り付けらている。加圧装置12は皿バ
ネ10を介して入力ディスク13を押付けており、入力
ディスク13は入力軸11とともに回転する。出力ディ
スク14は、入力ディスク13の回転軸Yの方向と一致
するように対向配置される。入力ディスク13および出
力ディスク14の内側には、上述のスピン最小条件を満
足するように曲率が連続的に変化したトロイダル面状の
接触面13a、14aがそれぞれ形成される。
【0046】入力ディスク13と出力ディスク14との
間には、回転軸Yの回りに沿って伝動ローラ16が複数
(図では2個)配置される。伝動ローラ16は各ディス
ク13、14の接触面13a、14aに常に接触してお
り、トラニオン17に回転可能なようにスラスト玉軸受
16aを介して支持されている。ディスク13、14お
よび伝動ローラ16の周囲は、常圧下で低粘性、高圧下
で固化するトラクション油が充填されており、機構の潤
滑と接触領域での摩擦力向上を両立させている。トラニ
オン17は、回転軸Yを含む平面(図5紙面)に沿っ
て、傾転中心Tの回りに傾転自在に支持されている。
【0047】図6に示すように、トラニオン17は1対
の支持軸17aを有し、支持軸17aは板状のヨーク部
材18、19に形成されたスライド孔18a、19aに
挿入され、支持軸17aの軸方向(図中符号Z)の直線
変位および軸回りの角変位を許容し、ヨーク部材18、
19の面方向(図中XY面)の変位を規制している。2
つのトラニオン17は回転軸Yを挟んで対向配置され、
これらの支持軸17aのうち一方側はヨーク部材18、
19に支持され、他方側も別のヨーク部材18、19に
よって支持される。さらに、相対するヨーク部材18、
19は、バネなどの弾性部材20によって連結されてい
る。そのため、トラニオン17が傾転して傾転中心Tが
回転軸Yの垂直方向に変位する動きに追従して、弾性部
材20が伸縮し、伝動ローラ16と各接触面13a、1
4aとの押圧力を安定に維持することができる。
【0048】次に動作を説明する。入力ディスク13は
外部のエンジン等に連結されて回転駆動され、接触する
伝動ローラ16を回転駆動する。さらに伝動ローラ16
は接触する出力ディスク14を回転駆動し、その駆動力
はアンギュラ玉軸受15aで支持された出力軸15から
取り出される。
【0049】ここで、伝動ローラ16と入力ディスク1
3との接触半径をr1、伝動ローラ16と出力ディスク
14との接触半径をr2とすると、変速比はr1/r2
で与えられる。各接触半径r1、r2はトラニオン17
の傾転によって調整可能である。
【0050】図7〜図9は、弾性部材20の各種例を示
す構成図である。図7において、ヨーク部材18、19
を連結する弾性部材20として、4本のコイルバネを並
べて配置している。図8では、弾性部材20としてリン
グ状の板バネを使用している。図9では、弾性部材20
として金属板およびゴム板を交互に積層した積層ゴムを
使用している。その他に、複合材等の異方性材料を弾性
部材20として使用可能である。
【0051】図10は本発明に係るトラクションドライ
ブ機構の具体的構成例を示す部分断面図であり、図11
はそのA−A矢視図である。対向する2つの伝動ローラ
16は、トラニオン17にそれぞれ回転可能に支持され
ており、トラニオン17の支持軸17aは自在軸受40
を介してヨーク部材18、19に支持されている。ヨー
ク部材18、19は互いに引っ張り合うように弾性部材
20で連結され、弾性部材20の伸縮方向に沿って変位
可能であり、その結果、トラニオン17の傾転中心がデ
ィスクの回転軸Yの垂直方向に変位可能となる。
【0052】図11に示すように、こうしたヨーク部材
18、19の動きを円滑に案内する案内レール21が弾
性部材20の伸縮方向に沿って設けられ、これらはケー
シング22の中に収納されている。案内レール21はフ
ッ素樹脂等で形成され、低摩擦で安定したスライド運動
を実現する。
【0053】ケーシング22はピストン32に固定され
ており、管路30を介してピストン室31に作動油が供
給されるとピストン32が上下に移動し、トラニオン1
7も上下に変位する。すると、伝動ローラ16と入力デ
ィスク16および出力ディスク17との接触による力の
釣り合いによって、トラニオン17には傾転しようとす
る力が作用する。したがって、ピストン32の変位量に
応じてトラニオン17の傾転角φを任意に制御すること
ができ、その結果、接触半径r1、r2で定まる変速比
を連続的に調整することができる。
【0054】このようにトラクション変速機構は、変速
比を連続的に調整可能であり、しかも小型軽量な構成で
高い伝達効率を有するため、たとえば重量制限の厳しい
ヘリコプタ用エンジンの変速機構として好適である。
【0055】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ト
ラニオンの傾転運動によって伝動ローラの接触位置が変
化しても、有限面積を持つ接触領域内において滑り発生
を解消できる。そのため、摩擦による発熱を低減でき、
負荷能力や最大許容伝達力、寿命、信頼性、耐久性など
を向上することができる。また、接触領域での発熱が少
なくなるとトラクション油の劣化を防止でき、しかもト
ラクション油も少量で足りるため油冷却機構も簡素化が
可能になり、機構全体の小型軽量化が図られる。また、
トラニオンの傾転中心が回転軸の垂直方向に変位可能に
設定することによって、伝動ローラの接触状態を傾転角
の可変範囲に渡って均等に保つことができる。
【0056】また、トラニオンの傾転中心が回転軸の垂
直方向に変位可能に設定したり、あるいは入力ディスク
および出力ディスクが回転軸方向に変位可能に設定する
ことによって、伝動ローラの接触状態を傾転角の可変範
囲に渡って均等に保つことができる。
【0057】こうして伝動ローラと入力ディスクおよび
出力ディスクとの接触領域における滑り発生を解消し、
最大許容伝達力の向上を図り、長寿命かつ高信頼性のト
ラクションドライブ機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す説明図である。
【図3】スピン最小条件を満たす他の例を示す説明図で
ある。
【図4】スピンレシオの変化を示すグラフである。
【図5】本発明に係るトラクションドライブ機構を示す
部分断面図である。
【図6】本発明に係るトラクションドライブ機構を示す
斜視図である。
【図7】弾性部材20の各種例を示す構成図である。
【図8】弾性部材20の各種例を示す構成図である。
【図9】弾性部材20の各種例を示す構成図である。
【図10】本発明に係るトラクションドライブ機構の具
体的構成例を示す部分断面図である。
【図11】図10のA−A矢視図である。
【図12】従来のトラクションドライブ機構の一例を示
す構成図である。
【図13】従来のトラクションドライブ機構の一例を示
す部分斜視図である。
【図14】従来の接触面3a、4aの形状を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 皿バネ 11 入力軸 12 加圧装置 13 入力ディスク 13a、14a 接触面 14 出力ディスク 15 出力軸 16 伝動ローラ 17 トラニオン 18、19 ヨーク部材 20 弾性部材
フロントページの続き (72)発明者 町田 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明1−5−50 日 本精工株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−310796(JP,A) 特開 昭62−80349(JP,A) 特開 昭57−47060(JP,A) 特開 昭55−63048(JP,A) 特開 昭54−114666(JP,A) 実開 昭55−78857(JP,U) 特表 平5−503342(JP,A) 米国特許2734389(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38 B64C 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸方向が一致するように対向配置さ
    れ、対向する接触面がトロイダル状の曲面に形成された
    入力ディスクおよび出力ディスクと、 回転軸を含む平面に沿って、接触面の曲率中心の回りに
    傾転自在に支持されたトラニオンと、 各接触面に接触し、該トラニオンに回転自在に支持され
    た伝動ローラとを備え、 各接触面の曲率が連続的に変化するとともに、トラニオ
    ンの傾転運動に伴って、伝動ローラが入力ディスクおよ
    び出力ディスクの接触面にそれぞれ接触する接点におけ
    る2本の接線と、入力ディスクおよび出力ディスクの回
    転軸の軸線と、伝動ローラの回転軸の軸線とが同一点で
    交差するように、接触面の形状が定められており、 複数のトラニオンが回転軸の周囲に配置され、各トラニ
    オンを個別に支持するための複数のヨーク部材が設けら
    れ、トラニオンの傾転中心が回転軸の垂直方向に変位可
    能なようにヨーク部材が互いに弾性部材で連結されてい
    ることを特徴とするトラクションドライブ機構。
  2. 【請求項2】 ヨーク部材を前記弾性部材の伸縮方向に
    沿って案内する案内部材が設けられることを特徴とする
    請求項1記載のトラクションドライブ機構。
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