JP3165494B2 - 高屈折率透明樹脂及びその製造方法 - Google Patents
高屈折率透明樹脂及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重合可能な不飽和基を有
するピリジン誘導体を出発原料とする新規な高屈折率透
明樹脂及びその製造方法に関する。本発明の樹脂は例え
ばレンズ、透明フィルム等の用途に好適である。
するピリジン誘導体を出発原料とする新規な高屈折率透
明樹脂及びその製造方法に関する。本発明の樹脂は例え
ばレンズ、透明フィルム等の用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、高屈折率透明樹脂としては、例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネイト、ポリカーボネイト、ポリス
チレン等が知られており、中でも透明性、強靱性、高屈
折率を兼ね備えるものは透明フィルム用、光学用レン
ズ、めがね用レンズ等に用いられている。また、硫黄
(S)が屈折率を向上する原子であることは、良く知ら
れている(例えば特開昭60−194401号公報参
照)ので、硫黄を含有する重合体は数多く存在しており
(例えば特開昭62−195357、特開昭63−31
6776、特開平1−128966、特開平2−113
005、特開平2−258819、特開平2−2747
05各号公報等に記載)、比較的高屈折率を示すものが
多い。
ばポリメチルメタクリレート、ポリジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネイト、ポリカーボネイト、ポリス
チレン等が知られており、中でも透明性、強靱性、高屈
折率を兼ね備えるものは透明フィルム用、光学用レン
ズ、めがね用レンズ等に用いられている。また、硫黄
(S)が屈折率を向上する原子であることは、良く知ら
れている(例えば特開昭60−194401号公報参
照)ので、硫黄を含有する重合体は数多く存在しており
(例えば特開昭62−195357、特開昭63−31
6776、特開平1−128966、特開平2−113
005、特開平2−258819、特開平2−2747
05各号公報等に記載)、比較的高屈折率を示すものが
多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の高屈折
率透明樹脂の屈折率はポリメチルメタクリレート、ポリ
ジエチレングリコールビスアリルカーボネイトでnD =
1.50前後であり、無機ガラスに比べて低く、レンズ
に成形した場合、肉厚が大きくなるという欠点がある。
ポリカーボネイト及びポリスチレンの屈折率はnD =
1.59であり、比較的高い屈折率を示すが、耐熱性、
耐溶剤性、耐候性が劣り、注型成形が困難であるという
欠点がある。硫黄含有重合体では屈折率nD =1.60
前後と比較的高いが、更に屈折率を向上した樹脂の開発
が望まれており、本発明はこれを課題とするものであ
る。
率透明樹脂の屈折率はポリメチルメタクリレート、ポリ
ジエチレングリコールビスアリルカーボネイトでnD =
1.50前後であり、無機ガラスに比べて低く、レンズ
に成形した場合、肉厚が大きくなるという欠点がある。
ポリカーボネイト及びポリスチレンの屈折率はnD =
1.59であり、比較的高い屈折率を示すが、耐熱性、
耐溶剤性、耐候性が劣り、注型成形が困難であるという
欠点がある。硫黄含有重合体では屈折率nD =1.60
前後と比較的高いが、更に屈折率を向上した樹脂の開発
が望まれており、本発明はこれを課題とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する手段として、新規なピリジン誘導体を原料とした高
屈折率、透明で強度に優れた樹脂及びその製造方法を提
供するものである。すなわち、本発明は主鎖が実質的に
下記一般式(I)で示される繰り返し単位からなる高屈
折率透明樹脂を提供する。 一般式(I)
する手段として、新規なピリジン誘導体を原料とした高
屈折率、透明で強度に優れた樹脂及びその製造方法を提
供するものである。すなわち、本発明は主鎖が実質的に
下記一般式(I)で示される繰り返し単位からなる高屈
折率透明樹脂を提供する。 一般式(I)
【化4】 〔式(I)において、R1 ,R2 は互いに同じでも異な
ってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、R
4 は脂肪族基又は芳香族基を表し、nは 500〜5,000 の
整数を表す〕更に、本発明は下記一般式(II)で示され
るピリジン誘導体とジチオールとを水素移動重合させる
ことにより上記一般式(I)で示される繰り返し単位か
らなる重付加体を得ることを特徴とする高屈折率透明樹
脂の製造方法を提供する。 一般式(II)
ってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、R
4 は脂肪族基又は芳香族基を表し、nは 500〜5,000 の
整数を表す〕更に、本発明は下記一般式(II)で示され
るピリジン誘導体とジチオールとを水素移動重合させる
ことにより上記一般式(I)で示される繰り返し単位か
らなる重付加体を得ることを特徴とする高屈折率透明樹
脂の製造方法を提供する。 一般式(II)
【化5】 〔式(II)において、R1 ,R2 は互いに同じでも異な
ってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す〕本
発明の樹脂は、高屈折率を有し、透明度が高いのでレン
ズ用材料に好適であり、更にフィルムとした場合強靱で
気体透過性が低く気密性が高いので、高気密強靱フィル
ム等として有用である。
ってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す〕本
発明の樹脂は、高屈折率を有し、透明度が高いのでレン
ズ用材料に好適であり、更にフィルムとした場合強靱で
気体透過性が低く気密性が高いので、高気密強靱フィル
ム等として有用である。
【0005】従来、不飽和基を持つピリジン誘導体とし
て2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジンとその誘
導体が知られているが、不飽和基をアミド結合を介して
2個有するピリジン誘導体を原料とする樹脂は知られて
いない。本発明は、まず下記一般式(II)で示される、
不飽和基をアミド結合を介して2個有するジアクリロイ
ルアミノピリジンを合成する。アクリロイル基はアルキ
ル基またはアロイル基等で置換されていてもよい。 一般式(II)
て2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジンとその誘
導体が知られているが、不飽和基をアミド結合を介して
2個有するピリジン誘導体を原料とする樹脂は知られて
いない。本発明は、まず下記一般式(II)で示される、
不飽和基をアミド結合を介して2個有するジアクリロイ
ルアミノピリジンを合成する。アクリロイル基はアルキ
ル基またはアロイル基等で置換されていてもよい。 一般式(II)
【化6】 一般式(II)において、R1 ,R2 は、互いに同じでも
異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基
を表し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
す。更に具体的には、R1 ,R2 は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基等)又は芳香族基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フ
ェネチル基等)を表す。本発明において、ピリジン環中
でのCH2 =CR1 CONH基とCH2 =CR 2 CON
H基の位置は特に限定されない。
異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基
を表し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
す。更に具体的には、R1 ,R2 は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基等)又は芳香族基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フ
ェネチル基等)を表す。本発明において、ピリジン環中
でのCH2 =CR1 CONH基とCH2 =CR 2 CON
H基の位置は特に限定されない。
【0006】本発明の出発原料とする上記一般式(II)
で示されるジアクリロイルアミノピリジンとその誘導体
は、下記一般式(III)で示されるジアミノピリジンにア
クリル酸ハロゲン化物又はα−置換アクリル酸ハロゲン
化物を反応させることにより、ピリジン環の水素原子2
個をアクリロイルアミノ基又はα−置換アクリロイルア
ミノ基に置換し、アミド結合によって2個の炭素−炭素
不飽和結合を有するジアクリロイルアミノピリジンとす
ることで得られる。 一般式(III)
で示されるジアクリロイルアミノピリジンとその誘導体
は、下記一般式(III)で示されるジアミノピリジンにア
クリル酸ハロゲン化物又はα−置換アクリル酸ハロゲン
化物を反応させることにより、ピリジン環の水素原子2
個をアクリロイルアミノ基又はα−置換アクリロイルア
ミノ基に置換し、アミド結合によって2個の炭素−炭素
不飽和結合を有するジアクリロイルアミノピリジンとす
ることで得られる。 一般式(III)
【化7】 一般式(III)において、R1 ,R2 は同じでも異なって
もよく、おのおの水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
す。具体的なR1 ,R2 としては、式(II)で説明した
ものと同義である。NHR1 基、NHR2 基の位置は特
に限定されないが、2,6体、2,3体、3,4体、
4,5体、5,4体は市販されており、入手が容易であ
る。アクリル酸ハロゲン化物又はα−置換アクリル酸ハ
ロゲン化物は下記一般式(IV )で示される。 一般式(IV )
もよく、おのおの水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
す。具体的なR1 ,R2 としては、式(II)で説明した
ものと同義である。NHR1 基、NHR2 基の位置は特
に限定されないが、2,6体、2,3体、3,4体、
4,5体、5,4体は市販されており、入手が容易であ
る。アクリル酸ハロゲン化物又はα−置換アクリル酸ハ
ロゲン化物は下記一般式(IV )で示される。 一般式(IV )
【化8】 一般式(IV )において、R3 は一般式(I),(II)の
R3 と同義であり、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン
原子としては、好ましくは塩素原子、臭素原子又はヨウ
素原子が挙げられ、特に好ましくは塩素原子である。
R3 と同義であり、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン
原子としては、好ましくは塩素原子、臭素原子又はヨウ
素原子が挙げられ、特に好ましくは塩素原子である。
【0007】一般式(III)で示されるジアミノピリジン
と一般式(IV)で示されるアクリル酸ハロゲン化物との
反応は、次式(1)に示すように脱ハロゲン化水素によ
る。
と一般式(IV)で示されるアクリル酸ハロゲン化物との
反応は、次式(1)に示すように脱ハロゲン化水素によ
る。
【化9】 式(1)の脱ハロゲン化水素反応で使用する溶媒は、酸
ハロゲン化物と反応する水、アルコール、アミン類等以
外のものであり、例えばクロロホルム、塩化メチレンや
他の液状脂肪族ハロゲン化物、ベンゼン及びその液状誘
導体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミドなどが挙げ
られる。具体的には、副生する酸の捕捉剤としての塩
基、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミ
ン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジエチルアニリン等を共存させた上
記溶媒中に一般式(III)のジアミノピリジンを溶解させ
た後、同溶媒に溶かした過剰の一般式(IV)のアクリル
酸ハロゲン化物を室温又は氷冷下攪拌しながらゆっくり
と滴下し、その後室温にもどして、反応を完結させるた
めに約40℃に昇温する。その後、溶媒を減圧留去して
得た淡黄色粘稠固体を水で再結晶することにより、一般
式(II)で示されるジアクリロイルピリジンが白色針状
結晶として得られる。
ハロゲン化物と反応する水、アルコール、アミン類等以
外のものであり、例えばクロロホルム、塩化メチレンや
他の液状脂肪族ハロゲン化物、ベンゼン及びその液状誘
導体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミドなどが挙げ
られる。具体的には、副生する酸の捕捉剤としての塩
基、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミ
ン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジエチルアニリン等を共存させた上
記溶媒中に一般式(III)のジアミノピリジンを溶解させ
た後、同溶媒に溶かした過剰の一般式(IV)のアクリル
酸ハロゲン化物を室温又は氷冷下攪拌しながらゆっくり
と滴下し、その後室温にもどして、反応を完結させるた
めに約40℃に昇温する。その後、溶媒を減圧留去して
得た淡黄色粘稠固体を水で再結晶することにより、一般
式(II)で示されるジアクリロイルピリジンが白色針状
結晶として得られる。
【0008】次に上記で合成した一般式(II)のジアク
リロイルピリジン及びその誘導体を原料とし各種ジチオ
ールと重付加反応させて、本発明の下記一般式(I)の
繰り返し単位で示される高屈折率透明樹脂を製造する。 一般式(I)
リロイルピリジン及びその誘導体を原料とし各種ジチオ
ールと重付加反応させて、本発明の下記一般式(I)の
繰り返し単位で示される高屈折率透明樹脂を製造する。 一般式(I)
【化10】 式(I)において、R1 ,R2 は互いに同じでも異なっ
てもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、具
体的には式(II)のR1 〜R3 と同義である。R4 は脂
肪族基又は芳香族基を表し、具体的にはエチレン基、ト
リメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、フェ
ニレン基、ナフチレン基等を表す。nは 500〜5,000 の
整数を表す。本発明に用いるジチオールとしては、下記
一般式(V)に示すものが挙げられる。 一般式(V)
てもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、具
体的には式(II)のR1 〜R3 と同義である。R4 は脂
肪族基又は芳香族基を表し、具体的にはエチレン基、ト
リメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、フェ
ニレン基、ナフチレン基等を表す。nは 500〜5,000 の
整数を表す。本発明に用いるジチオールとしては、下記
一般式(V)に示すものが挙げられる。 一般式(V)
【化11】 〔一般式(V)において、R4 は脂肪族基又は芳香族基
を表す〕R4 は、具体的には前記した式(I)のR4 と
同義である。
を表す〕R4 は、具体的には前記した式(I)のR4 と
同義である。
【0009】まず、一般式(II)のジアクリロイルアミ
ノピリジン又はその誘導体と等モルの一般式(V)のジ
チオールを、非プロトン性溶媒例えばN,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等に溶かし、重合
管に入れる。該重合管の空気を窒素に置換後、厳封して
そのまま50〜100℃で10分ないし100時間加熱
すると粘稠な溶液になる。この反応は次式(2)に示す
ように、水素移動重合によって進行する。
ノピリジン又はその誘導体と等モルの一般式(V)のジ
チオールを、非プロトン性溶媒例えばN,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等に溶かし、重合
管に入れる。該重合管の空気を窒素に置換後、厳封して
そのまま50〜100℃で10分ないし100時間加熱
すると粘稠な溶液になる。この反応は次式(2)に示す
ように、水素移動重合によって進行する。
【化12】 反応終了後、開封し、内容物をアセトンを加えて白色沈
殿として、重付加体を得る。このものは非プロトン性溶
媒に可溶であり、再沈殿により精製する。上記(2)の
反応において、触媒としてアルカリ金属アルコラート、
アルカリ金属水酸化物などの塩基を微量添加すると、室
温において重合が進行し、より高重合体が得られる。な
お、上記(2)の反応において、ラジカル重合開始剤は
重合に無効である。得られた重付加体を溶媒に溶解し
て、キャスティング法で製膜し、溶媒をできるだけ完全
に蒸発させるように70℃〜80℃で約20時間乾燥す
ると、透明で強靱なフィルムが得られる。また、溶媒を
徐々に蒸発することにより、ある程度の厚さをもつ板状
にも成型することができる。
殿として、重付加体を得る。このものは非プロトン性溶
媒に可溶であり、再沈殿により精製する。上記(2)の
反応において、触媒としてアルカリ金属アルコラート、
アルカリ金属水酸化物などの塩基を微量添加すると、室
温において重合が進行し、より高重合体が得られる。な
お、上記(2)の反応において、ラジカル重合開始剤は
重合に無効である。得られた重付加体を溶媒に溶解し
て、キャスティング法で製膜し、溶媒をできるだけ完全
に蒸発させるように70℃〜80℃で約20時間乾燥す
ると、透明で強靱なフィルムが得られる。また、溶媒を
徐々に蒸発することにより、ある程度の厚さをもつ板状
にも成型することができる。
【0010】本発明による一般式(I)の樹脂は、透明
で屈折率がn=1.66と高く、しかもフィルムあるい
はレンズとしたものは強度、強靱性に優れている。
で屈折率がn=1.66と高く、しかもフィルムあるい
はレンズとしたものは強度、強靱性に優れている。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
では2,6−ジアクリロイルピリジンを出発原料とする
例を挙げたが、前記したようにジアクリロイル基の位置
が異なる場合も同様に本発明は有効である。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
では2,6−ジアクリロイルピリジンを出発原料とする
例を挙げたが、前記したようにジアクリロイル基の位置
が異なる場合も同様に本発明は有効である。
【0012】2,6−ジアクリロイルアミノピリジンの
合成例1 2,6−ジアミノピリジン2.180gをクロロホルム
200mlに溶解し、トリエチルアミン4.240gを
加えた。この溶液にアクリル酸クロリド3.801gを
クロロホルム40mlに溶解した溶液を5〜7℃で磁気
攪拌下30分かけて滴下した。そのまま低温で1.5時
間、続いて室温で2時間攪拌を続けた。減圧下で溶媒を
留去すると淡黄色の柔らかな固体11.38gを得た。
この固体を水約200mlで2度再結晶することによ
り、2,6−ジアクリロイルアミノピリジン2.99g
(アミノピリジン基準収率69%)を得た。得られた
2,6−ジアクリロイルアミノピリジンの融点は155
〜156℃であった。得られた2,6−ジアクリロイル
アミノピリジンのNMRスペクトルデータを図3に、赤
外線吸収スペクトルデータを図4に示す。
合成例1 2,6−ジアミノピリジン2.180gをクロロホルム
200mlに溶解し、トリエチルアミン4.240gを
加えた。この溶液にアクリル酸クロリド3.801gを
クロロホルム40mlに溶解した溶液を5〜7℃で磁気
攪拌下30分かけて滴下した。そのまま低温で1.5時
間、続いて室温で2時間攪拌を続けた。減圧下で溶媒を
留去すると淡黄色の柔らかな固体11.38gを得た。
この固体を水約200mlで2度再結晶することによ
り、2,6−ジアクリロイルアミノピリジン2.99g
(アミノピリジン基準収率69%)を得た。得られた
2,6−ジアクリロイルアミノピリジンの融点は155
〜156℃であった。得られた2,6−ジアクリロイル
アミノピリジンのNMRスペクトルデータを図3に、赤
外線吸収スペクトルデータを図4に示す。
【0013】2,6−ジアクリロイルアミノピリジンの
合成例2 2,6−ジアミノピリジン4.365gとトリエチルア
ミン8.48gをクロロホルム400mlに溶かした溶
液に、アクリル酸クロリド7.964gを20mlのク
ロロホルムに溶かした溶液を室温で磁気攪拌下30分か
けて滴下し、そのまま30分置き、その後40℃で30
分間攪拌した。その後、実施例1と同様な後処理を行っ
た。得られた固体を同定の結果、2,6−アクリロイル
アミノピリジン 収量5.55g(ジアミノピリジン基
準収率64%)、融点155℃であった。得られた2,
6−ジアクリロイルアミノピリジンのNMRスペクトル
データ及び赤外線吸収スペクトルデータは図3、図4と
同じであった。
合成例2 2,6−ジアミノピリジン4.365gとトリエチルア
ミン8.48gをクロロホルム400mlに溶かした溶
液に、アクリル酸クロリド7.964gを20mlのク
ロロホルムに溶かした溶液を室温で磁気攪拌下30分か
けて滴下し、そのまま30分置き、その後40℃で30
分間攪拌した。その後、実施例1と同様な後処理を行っ
た。得られた固体を同定の結果、2,6−アクリロイル
アミノピリジン 収量5.55g(ジアミノピリジン基
準収率64%)、融点155℃であった。得られた2,
6−ジアクリロイルアミノピリジンのNMRスペクトル
データ及び赤外線吸収スペクトルデータは図3、図4と
同じであった。
【0014】実施例1 重合管に2,6−ジアクリロイルアミノピリジン0.2
17gとp−ベンゼンジチオール0.142gを入れ、
ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解した。脱気−
窒素導入を繰り返した後重合管を封じ、50℃の恒温槽
に4時間静置した。開封後、粘稠な内容物をアセトンに
加えて白色重合体をほぼ定量的に0.359g得た。得
られた白色重合体のNMRスペクトルデータを図1に、
赤外線吸収スペクトルデータを図2に示す。該白色重合
体のジメチルホルムアミド中での本質粘度ηi は0.4
38であった。
17gとp−ベンゼンジチオール0.142gを入れ、
ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解した。脱気−
窒素導入を繰り返した後重合管を封じ、50℃の恒温槽
に4時間静置した。開封後、粘稠な内容物をアセトンに
加えて白色重合体をほぼ定量的に0.359g得た。得
られた白色重合体のNMRスペクトルデータを図1に、
赤外線吸収スペクトルデータを図2に示す。該白色重合
体のジメチルホルムアミド中での本質粘度ηi は0.4
38であった。
【0015】なお、本発明にいう本質粘度ηi は次式で
定義される。 本質粘度 ηi =(lnηrel )/c ただしηrel は相対粘度、cはポリマー溶液濃度(g/c
c) である。 相対粘度 ηrel =η/η0 =tρ/t0 ρ0 ≒t/t
0 ただしρ,ρ0 は溶液,溶媒の密度、t,t0 は粘度計
で測定した溶液,溶媒の液面通過時間である。
定義される。 本質粘度 ηi =(lnηrel )/c ただしηrel は相対粘度、cはポリマー溶液濃度(g/c
c) である。 相対粘度 ηrel =η/η0 =tρ/t0 ρ0 ≒t/t
0 ただしρ,ρ0 は溶液,溶媒の密度、t,t0 は粘度計
で測定した溶液,溶媒の液面通過時間である。
【0016】実施例2 重合管に2,6−ジアクリロイルアミノピリジン0.2
17gとp−ベンゼンジチオール0.142gを入れ、
更にカリウム三級ブトキシド0.003gを添加して、
窒素置換後封管し、25℃で30分間静置した。生成粘
稠溶液を実施例3と同様に処理して、ほぼ定量的に重付
加体0.359gを得た。このものの本質粘度ηi は
0.924であった。
17gとp−ベンゼンジチオール0.142gを入れ、
更にカリウム三級ブトキシド0.003gを添加して、
窒素置換後封管し、25℃で30分間静置した。生成粘
稠溶液を実施例3と同様に処理して、ほぼ定量的に重付
加体0.359gを得た。このものの本質粘度ηi は
0.924であった。
【0017】実施例3 重合管に2,6−ジアクリロイルアミノピリジン0.4
42gと1,2−エタンジチオール0.191g並びに
カリウム三級ブトキシド0.004gを入れ、ジメチル
ホルムアミド2mlを加えて溶解し、窒素置換後封じて
25℃に30分間静置した。アセトンに沈殿させて得た
重付加体は、ほぼ定量的に0.632g得られ、ジメチ
ルスルホキシド中での本質粘度ηi は0.816を示し
た。ジメチルホルムアミドには不溶であった。
42gと1,2−エタンジチオール0.191g並びに
カリウム三級ブトキシド0.004gを入れ、ジメチル
ホルムアミド2mlを加えて溶解し、窒素置換後封じて
25℃に30分間静置した。アセトンに沈殿させて得た
重付加体は、ほぼ定量的に0.632g得られ、ジメチ
ルスルホキシド中での本質粘度ηi は0.816を示し
た。ジメチルホルムアミドには不溶であった。
【0018】実施例4〜実施例16 表−1に示す条件で2,6−ジアクリロイルピリジン
(DAAP)と各種のジチオールとを反応させて、本発
明の樹脂を得た。収量、本質粘度も表−1に合わせて示
す。
(DAAP)と各種のジチオールとを反応させて、本発
明の樹脂を得た。収量、本質粘度も表−1に合わせて示
す。
【0019】
【表1】
【表2】 なお、表−1中の注a)〜f)は以下の通りである。 a)BHT:1,4−ベンゼンジチオール EDT:1,2−エタンジチオール b)全モノマー基準 c)ハイドロキノンを0.6モル%含む d)DMF:N,N−ジメチルホルムアミド DMSO:ジメチルスルホキシド e)DMSO中での測定結果 f)DMFとDMSOに不溶
【0020】実施例1〜実施例16で得られた本発明の
樹脂について、キャスティング法でフィルムを形成し、
そのフィルム強度、フィルム伸度及び屈折率を調べた。
結果を表−2に示す。
樹脂について、キャスティング法でフィルムを形成し、
そのフィルム強度、フィルム伸度及び屈折率を調べた。
結果を表−2に示す。
【表3】 なお、表2中の注g),h)は以下の通りである。 g)N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒として所定濃
度の樹脂溶液とした後、ガラス板上にアプリケータで数
百μmの厚さに流延し、80℃で所定時間乾燥してフィ
ルムとした。 h)酢酸セルロースフィルムの抗張力(引張り強さ)と
の相対比を示す。
度の樹脂溶液とした後、ガラス板上にアプリケータで数
百μmの厚さに流延し、80℃で所定時間乾燥してフィ
ルムとした。 h)酢酸セルロースフィルムの抗張力(引張り強さ)と
の相対比を示す。
【0021】
【発明の効果】本発明は、アクリロイルアミノピリジン
を出発原料とする新規な高屈折率透明樹脂とその製法を
提供し、本発明の高屈折率透明樹脂は、屈折率、強度に
優れるので、このような特性が要求される分野、例えば
気体透過を妨げる透明なフィルム並びに光学用レンズ、
めがね用レンズなどに有効に利用できる。
を出発原料とする新規な高屈折率透明樹脂とその製法を
提供し、本発明の高屈折率透明樹脂は、屈折率、強度に
優れるので、このような特性が要求される分野、例えば
気体透過を妨げる透明なフィルム並びに光学用レンズ、
めがね用レンズなどに有効に利用できる。
【図1】実施例1で得られた本発明の高屈折率透明樹脂
の一具体例である、2,6−ジアクリロイルピリジンと
p−ベンゼンジチオールを重付加反応して得た白色重合
体のNMRスペクトル図。
の一具体例である、2,6−ジアクリロイルピリジンと
p−ベンゼンジチオールを重付加反応して得た白色重合
体のNMRスペクトル図。
【図2】実施例1で得られた本発明の2,6−ジアクリ
ロイルピリジンとp−ベンゼンジチオールを重付加反応
して得た白色重合体の赤外線吸収スペクトル図。
ロイルピリジンとp−ベンゼンジチオールを重付加反応
して得た白色重合体の赤外線吸収スペクトル図。
【図3】合成例1で得られた2,6−ジアクリロイルア
ミノピリジンのNMRスペクトル図。
ミノピリジンのNMRスペクトル図。
【図4】合成例1で得られた2,6−ジアクリロイルア
ミノピリジンの赤外線吸収スペクトル図。
ミノピリジンの赤外線吸収スペクトル図。
フロントページの続き (72)発明者 弦巻 茂 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (72)発明者 及川 栄蔵 新潟県新潟市新中浜1丁目8番9号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/04 G02B 1/04 G02C 7/00 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 主鎖が実質的に下記一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位からなる高屈折率透明樹脂。 一般式(I) 【化1】 〔式(I)において、R1 ,R2 は互いに同じでも異な
ってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表
し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、R
4 は脂肪族基又は芳香族基を表し、nは 500〜5,000 の
整数を表す〕 - 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 で示されるピリジン誘導体とジチオールとを水素移動重
合させることにより下記一般式(I)で示される繰り返
し単位からなる重付加体を得ることを特徴とする高屈折
率透明樹脂の製造方法。 一般式(I) 【化3】 〔上記式(I),(II)において、R1 ,R2 は互いに
同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基又は
芳香族基を表し、R3 は水素原子、脂肪族基又は芳香族
基を表し、R4 は脂肪族基又は芳香族基を表し、nは 5
00〜5,000 の整数を表す〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01767992A JP3165494B2 (ja) | 1991-11-07 | 1992-02-03 | 高屈折率透明樹脂及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29156391 | 1991-11-07 | ||
JP3-291563 | 1991-11-07 | ||
JP01767992A JP3165494B2 (ja) | 1991-11-07 | 1992-02-03 | 高屈折率透明樹脂及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05178929A JPH05178929A (ja) | 1993-07-20 |
JP3165494B2 true JP3165494B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=26354235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01767992A Expired - Fee Related JP3165494B2 (ja) | 1991-11-07 | 1992-02-03 | 高屈折率透明樹脂及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165494B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-03 JP JP01767992A patent/JP3165494B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05178929A (ja) | 1993-07-20 |
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