JP2008274239A - ハイパーブランチポリカーボネートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ハイパーブランチポリカーボネートおよびその製造方法に関する。
エンジニアプラスチックの一種であるポリカーボネートは、耐衝撃性、透明性、寸法安定性、難燃性、耐熱性および耐候性などの優れた特性を有するものであることから、金属やガラスを代替するものとして構造材料分野において広く用いられており、また、近年においては、エンジニアプラスチックの中で唯一透明性を有するものであることから、光ディスク基板や光学レンズなどの光学分野においても用いられてきている。
しかしながら、ポリカーボネートを光学材料として用いる場合においては、溶融粘度が高く、成形工程において必要とされる十分な流動性が得られない、という問題があることから、分子量を低減させることによる流動性の改善が検討されている。
また、特に光学レンズの材料として用いる場合においては、ポリカーボネートは他の熱可塑性樹脂に比して高い屈折率を有するものではあるが、例えば携帯電話用カメラなどにおけるレンズユニットの小型化および薄型化に対応するために更なる高屈折率化が望まれており、しかも、レンズの解像度の観点からは、ポリカーボネートが大きな複屈折を生じるものであることが問題となっている。ここに、ポリカーボネートが大きな複屈折を生じるものであることは、主鎖を構成している芳香族基の光学異方性が大きいことに起因し、射出成形時の分子配向による配向複屈折や、残留応力による応用複屈折として光学歪みを生じることになる。
また、特に光学レンズの材料として用いる場合においては、ポリカーボネートは他の熱可塑性樹脂に比して高い屈折率を有するものではあるが、例えば携帯電話用カメラなどにおけるレンズユニットの小型化および薄型化に対応するために更なる高屈折率化が望まれており、しかも、レンズの解像度の観点からは、ポリカーボネートが大きな複屈折を生じるものであることが問題となっている。ここに、ポリカーボネートが大きな複屈折を生じるものであることは、主鎖を構成している芳香族基の光学異方性が大きいことに起因し、射出成形時の分子配向による配向複屈折や、残留応力による応用複屈折として光学歪みを生じることになる。
一方、近年、直鎖状構造を基本骨格とする高分子とは基本的に異なる分子構造を有する、例えばハイパーブランチポリマー(HBP)、デンドリマー等の多分岐構造を有する高分子、ポリロタキサン、ポリカテナン等の非共有結合よりなる高分子などの「特殊構造高分子」と称される高分子が合成され、この特殊構造高分子に関する研究が盛んに行われている。
これらの特殊構造高分子の中でもハイパーブランチポリマーは、同一分子量の直鎖状のポリマーと比して溶液粘度および複屈折率が低く、また種々の有機溶媒に対する溶解性が高く、非晶性であると共に、多数の末端反応性基を有することから多くの機能性基の導入が可能であり、製膜性に優れている、などの特性を有するものであり、また、種々の応用研究がなされていることからも(非特許文献1参照。)、より多くの分野への応用展開が期待されている。
T.Nishikubo et al.J.Polym.Sci.PartA;Polym.Chem.,43.6442(2005).
本発明は以上のような事情に基づいて、低粘度、高屈折率および低複屈折率という特性を有する高分子の合成を目的として研究を重ねた結果、完成されたものであって、その目的は、新規な分子構造を有するハイパーブランチポリカーボネートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位により構成されていることを特徴とする。
〔式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。〕
本発明のハイパーブランチポリカーボネートは、末端にメタクリロイル基を有することが好ましい。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートの製造方法は、ビスフェノールAビスクロロホルメイトと、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとを、塩基およびテトラヒドロフランの存在下において反応させる工程を経ることによりハイパーブランチポリカーボネートを得ることを特徴とする。
本発明によれば、低粘度、高屈折率および低複屈折率などの優れた特性を有する、新規な分子構造のハイパーブランチポリカーボネートを提供することができる。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートの製造方法によれば、原料として、2官能性分子(A2 型モノマー)であるビスフェノールAビスクロロホルメイトと、3官能性分子(B3 型モノマー)である1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとを用い、これらを反応させることによってA2 +B3 型のハイパーブランチポリカーボネートを合成することができるため、上記一般式(1)で表される繰り返し単位により構成される、新規な分子構造を有するハイパーブランチポリカーボネートを容易に製造することができる。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートは、その構造上、多くの末端反応性基を有しているため、多くの機能性基を導入することができ、特にメタクリロイル基を導入することによって得られる、末端にメタクリロイル基を有する構造のものは、光反応性を有するものとなる。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートの好ましい具体例は、下記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成される多分岐構造を有する化合物である。
この上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されるハイパーブランチポリカーボネート(以下、「特定ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)の数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算で、通常、5200〜23100である。
また、特定ハイパーブランチポリカーボネートの重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnで示される分子量分布は、特に限定されるものではないが、比較的小さいことが好ましい。
また、特定ハイパーブランチポリカーボネートの重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnで示される分子量分布は、特に限定されるものではないが、比較的小さいことが好ましい。
このような特定ハイパーブランチポリカーボネートは、例えばビスフェノールAビスクロロホルメイト(以下、「BABC」ともいう。)と、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、「THE」ともいう。)とを、塩基および溶剤としてのテトラヒドロフラン(THF)の存在下において重縮合反応させる工程(以下、「縮合重合工程」ともいう。)を経ることにより合成することができる。
特定ハイパーブランチポリカーボネートの縮合重合工程における合成過程を下記反応式(1)に示す。
特定ハイパーブランチポリカーボネートの縮合重合工程における合成過程を下記反応式(1)に示す。
〔式中、nは繰り返し数を示す。〕
この縮合重合工程において、反応に供する、BABCと、THEとの割合は、BABCのモル数がTHEのモル数以上であることが好ましく、特にTHE1mmolに対してBABC1.5mmolであることが好ましい。
塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミンなどを用いることができ、これらの中では、ピリジンが好ましい。
塩基の使用量は、THE1mmolに対して3.0〜4.0mmolであることが好ましく、特に3.5mmolであることが好ましい。
塩基の使用量は、THE1mmolに対して3.0〜4.0mmolであることが好ましく、特に3.5mmolであることが好ましい。
テトラヒドロフランの使用量は、THE1mmolとBABC1.5mmolとが反応に供される反応系において、8〜25ミリリットルであることが好ましく、特に25ミリリットルであることが好ましい。
テトラヒドロフランの使用量が過小である場合には、目的合成物であるハイパーブランチポリカーボネートを得ることができないおそれがある。
テトラヒドロフランの使用量が過小である場合には、目的合成物であるハイパーブランチポリカーボネートを得ることができないおそれがある。
反応温度は、室温が好ましく、また、反応時間は、1〜6時間であることが好ましく、特に好ましくは4〜5時間である。
以上の縮合重合工程においては、反応系に水が存在することによって目的合成物であるハイパーブランチポリカーボネートの生成が妨害されることとなるため、例えばテトラヒドロフランを蒸留して用いるなどすることにより、反応系に水が存在しないようにすることが好ましい。
縮合重合工程おいて合成物として得られるハイパーブランチポリカーボネートは、通常、末端に水酸基を有する構造のものであるが、この末端に水酸基を有するハイパーブランチポリカーボネート(以下、「水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)には、例えばメタクリロイル基などの機能性基を導入することができる。
水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートに対するメタクリロイル基の導入は、例えば水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートと、無水メタクリル酸とを、ピリジンの存在下、室温において反応させることによって行うことができ、これにより、水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートにおける末端の水酸基の一部または全部がメタクリロイル基に変換され、末端にメタクリロイル基を有するハイパーブランチポリカーボネート(以下、「メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)が得られる。
このようにして得られるメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートは、水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基がメタクリロイル基に変換されてなる構造を有し、光反応性を有するものである。
水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートに対するメタクリロイル基の導入は、例えば水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートと、無水メタクリル酸とを、ピリジンの存在下、室温において反応させることによって行うことができ、これにより、水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートにおける末端の水酸基の一部または全部がメタクリロイル基に変換され、末端にメタクリロイル基を有するハイパーブランチポリカーボネート(以下、「メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)が得られる。
このようにして得られるメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートは、水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基がメタクリロイル基に変換されてなる構造を有し、光反応性を有するものである。
このような特定ハイパーブランチポリカーボネートは、その分子構造に起因して、同一分子量の直鎖状のポリマーと比して溶液粘度および複屈折率が低く、また屈折率が高いという優れた特性を有するものである。
また、特定ハイパーブランチポリカーボネートは、構造式(1)で表される繰り返し単位により構成される多分岐構造を有する高分子であり、多くの末端反応性基を有するものであることから、多くの機能性基を導入することができ、特にメタクリロイル基を導入することによって得られる、末端にメタクリロイル基を有する構造のものは、光反応性を有するものとなる。
また、特定ハイパーブランチポリカーボネートは、原料として、2官能性分子(A2 型モノマー)であるビスフェノールAビスクロロホルメイトと、3官能性分子(B3 型モノマー)である1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとを用い、これらを反応させることによって得ることができるため、その製造が容易である。
以上の構造式(1)で表される繰り返し単位により構成される特定ハイパーブランチポリカーボネートは、上記一般式(1)において、R1 〜R3 がメチル基のものであるが、このR1 〜R3 は、炭素数1〜6のアルキル基であればよく、また、これらは同一のものであっても、一部または全部が異なったものであってもよい。
このような一般式(1)で表される繰り返し単位により構成されるハイパーブランチポリカーボネートは、各々、原料として、目的合成物であるハイパーブランチポリカーボネートに応じた適宜の構造を有する2官能性分子および3官能性分子とを用い、これらを反応させることによって得ることができる。
このような一般式(1)で表される繰り返し単位により構成されるハイパーブランチポリカーボネートは、各々、原料として、目的合成物であるハイパーブランチポリカーボネートに応じた適宜の構造を有する2官能性分子および3官能性分子とを用い、これらを反応させることによって得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、以下に示す例中の生成物の特性の記述における 1H NMRはプロトン核磁気共鳴スペクトルを表し、IRは赤外線吸収スペクトルを表す。
また、以下に示す例中の生成物の特性の記述における 1H NMRはプロトン核磁気共鳴スペクトルを表し、IRは赤外線吸収スペクトルを表す。
〔実施例1〕
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコに1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THE)0.31g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.28g(3.5mmol)とを仕込み、20ミリリットルのテトラヒドロフラン(以下、「THF」とする。)中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、撹拌しながら、ビスフェノールAビスクロロホルメイト(BABC)0.53g(1.5mmol)を3ミリリットルのTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、1時間反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出したところ、1%(収量0.0059g)であった。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、収率70%で白色粉末よりなるポリマー0.5068gを得た。
得られたポリマーについてIR測定および 1H NMR測定を行ったところ、下記並びに図1および図2に示す結果が得られ、IRスペクトルにおいては、カルボニル基に起因するC=O伸縮振動に係る吸収が1780cm-1に確認され、また原料の水酸基に起因するピークが確認された。一方、 1H NMRにおいては、ベンゼン環のプロトンのスペクトルが7.30−6.67ppmに、THEのメチンプロトンのスペクトルが2.17−2.03ppmに、BABCのメチンプロトンのスペクトルが1.66ppmに、各々確認された。
以上の結果から、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されるハイパーブランチポリカーボネートであり、その末端に水酸基が結合されてなる、下記式(A)で表されるものであることが確認された。
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコに1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THE)0.31g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.28g(3.5mmol)とを仕込み、20ミリリットルのテトラヒドロフラン(以下、「THF」とする。)中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、撹拌しながら、ビスフェノールAビスクロロホルメイト(BABC)0.53g(1.5mmol)を3ミリリットルのTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、1時間反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出したところ、1%(収量0.0059g)であった。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、収率70%で白色粉末よりなるポリマー0.5068gを得た。
得られたポリマーについてIR測定および 1H NMR測定を行ったところ、下記並びに図1および図2に示す結果が得られ、IRスペクトルにおいては、カルボニル基に起因するC=O伸縮振動に係る吸収が1780cm-1に確認され、また原料の水酸基に起因するピークが確認された。一方、 1H NMRにおいては、ベンゼン環のプロトンのスペクトルが7.30−6.67ppmに、THEのメチンプロトンのスペクトルが2.17−2.03ppmに、BABCのメチンプロトンのスペクトルが1.66ppmに、各々確認された。
以上の結果から、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されるハイパーブランチポリカーボネートであり、その末端に水酸基が結合されてなる、下記式(A)で表されるものであることが確認された。
・IR(KRS,cm-1)
1780(νC=O carbonate ) 1500,2980(νC=C aromatic) 3450(ν Ph−OH)
・ 1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ,TMS)
δ(ppm):7.30−6.67(m,20H,aromatic H),2.17−2.03(m,3H,Ha ) 1.66(s,6H,Hb )
1780(νC=O carbonate ) 1500,2980(νC=C aromatic) 3450(ν Ph−OH)
・ 1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ,TMS)
δ(ppm):7.30−6.67(m,20H,aromatic H),2.17−2.03(m,3H,Ha ) 1.66(s,6H,Hb )
また、このハイパーブランチポリカーボネートについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によって分子量および分子量分布を測定したところ、数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算で4900、分子量分布Mw/Mnは、2.6であった。
〔実施例2〜実施例5〕
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.306g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.277g(3.5mmol)とを仕込み、THF中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、テフロン(登録商標)回転子によって撹拌しながら、BABC0.530g(1.5mmol)を、前記THE溶液におけるTHFの使用量との合計が表1に示す量となるよう調整した量のTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、表1に示す時間にわたって反応させた。
反応終了後または反応溶媒を撹拌することができなくなった後、反応母液にクロロホルム20mLを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出した。結果を表1に示す。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーの各々について、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、またその末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、これらのハイパーブランチポリカーボネートの各々について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によってポリスチレン換算の分子量、および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.306g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.277g(3.5mmol)とを仕込み、THF中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、テフロン(登録商標)回転子によって撹拌しながら、BABC0.530g(1.5mmol)を、前記THE溶液におけるTHFの使用量との合計が表1に示す量となるよう調整した量のTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、表1に示す時間にわたって反応させた。
反応終了後または反応溶媒を撹拌することができなくなった後、反応母液にクロロホルム20mLを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出した。結果を表1に示す。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーの各々について、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、またその末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、これらのハイパーブランチポリカーボネートの各々について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によってポリスチレン換算の分子量、および分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
表1に示されている実施例2〜実施例5の結果から、反応系に供するTFHの使用量、すなわちTHE溶液およびBABC溶液の各々におけるTFHの使用量の合計量が25ミリリットルである場合において、最も効率よく反応が進行することが確認された。
〔実施例6〜実施例11〕
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.31g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.28g(3.5mmol)とを仕込み、20ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、撹拌しながら、BABC0.53g(1.5mmol)を3ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、表2に示す時間にわたって反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出した。結果を表2に示す。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーの各々について、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、このポリマーは、構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、またその末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、これらのハイパーブランチポリカーボネートの各々について、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)によってポリスチレン換算の分子量、および分子量分布を測定した。結果を表2に示す。
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.31g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.28g(3.5mmol)とを仕込み、20ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、撹拌しながら、BABC0.53g(1.5mmol)を3ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、表2に示す時間にわたって反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、ゲル部を水およびメタノールで洗浄した後、乾燥することによりその収率を算出した。結果を表2に示す。一方、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーの各々について、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、このポリマーは、構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、またその末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、これらのハイパーブランチポリカーボネートの各々について、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)によってポリスチレン換算の分子量、および分子量分布を測定した。結果を表2に示す。
表2に示されている実施例6〜実施例11の結果から、反応時間が4〜5時間である場合において、高い収率でハイパーブランチポリカーボネートが得られることが確認された。
以上の実施例1〜実施例11の各々において得られたハイパーブランチポリカーボネートの溶液粘度、屈折率および複屈折率を測定したところ、いずれのハイパーブランチポリカーボネートも、同一分子量の直鎖状のポリマーに比して溶液粘度および複屈折率が低く、また屈折率が高いという特性を有するものであることが確認された。
〔実施例12〕
実施例11において得られたハイパーブランチポリカーボネート(以下、「原料ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)0.500gと、無水メタクリル酸0.694gと、ピリジン6.2ミリリットルとを反応容器に仕込み、原料ハイパーブランチポリカーボネートと無水メタクリル酸とを室温において12時間かけて反応させることにより、原料ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基のすべてがメタクリロイル基に変換されてなる構造を有するハイパーブランチポリカーボネートを収率85%で得た。
ここに、得られたハイパーブランチポリカーボネートの構造は、IR測定および 1H NMR測定により確認した。
実施例11において得られたハイパーブランチポリカーボネート(以下、「原料ハイパーブランチポリカーボネート」ともいう。)0.500gと、無水メタクリル酸0.694gと、ピリジン6.2ミリリットルとを反応容器に仕込み、原料ハイパーブランチポリカーボネートと無水メタクリル酸とを室温において12時間かけて反応させることにより、原料ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基のすべてがメタクリロイル基に変換されてなる構造を有するハイパーブランチポリカーボネートを収率85%で得た。
ここに、得られたハイパーブランチポリカーボネートの構造は、IR測定および 1H NMR測定により確認した。
また、得られたハイパーブランチポリカーボネート77質量%と、光ラジカル開始剤(「Irgacure907」,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)3質量%と、ヒドロキシメチルメタクリレート20質量%とよりなる膜形成材料によって薄膜を形成し、この薄膜に対して消費電力250Wの水銀灯を用いて15分間光照射を行ったところ、メタクリロイル基の転化率が62%に達した。
以上の結果から、その末端にメタクリロイル基が導入されてなる構造のハイパーブランチポリカーボネートは、光反応性を有するものであることが確認された。
以上の結果から、その末端にメタクリロイル基が導入されてなる構造のハイパーブランチポリカーボネートは、光反応性を有するものであることが確認された。
〔実施例13〕
(水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの合成例)
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.30636g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.277g(3.5mmol)とを仕込み、蒸留したTHF20ミリリットル中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、テフロン(登録商標)回転子によって撹拌しながら、BABC0.5298g(1.5mmol)を5ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、3時間反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーについて、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、図3および図4に示す結果が得られ、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、その末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、このハイパーブランチポリカーボネート(水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネート)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によって分子量および分子量分布を測定したところ、数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算で5847であり、分子量分布Mw/Mnは、2.1であった。また、水酸当量は473g/mmolであった。
なお、図3および図4には、各々、後述のメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIR測定および 1H NMR測定の結果が共に示されている。
(水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの合成例)
容積50ミリリットルの三口ナスフラスコにTHE0.30636g(1.0mmol)と、塩基としてピリジン0.277g(3.5mmol)とを仕込み、蒸留したTHF20ミリリットル中に溶解させることによってTHE溶液を得た。このTHE溶液に、テフロン(登録商標)回転子によって撹拌しながら、BABC0.5298g(1.5mmol)を5ミリリットルの蒸留したTHF中に溶解させることによって得られたBABC溶液を、30分間かけて滴下し、3時間反応させた。
反応終了後、反応母液にクロロホルム20ミリリットルを加えて希釈し、桐山ロートを用いてクロロホルムで洗浄することにより、ゲル部とクロロホルム可溶部とに分離し、クロロホルム可溶部をエバポレーターを用いて濃縮し、その後、良溶媒としてクロロホルムおよび貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを得た。
得られたポリマーについて、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、図3および図4に示す結果が得られ、このポリマーは、上記構造式(1)で表される繰り返し単位により構成されてなるハイパーブランチポリカーボネートであり、その末端に水酸基が結合されてなるものであることが確認された。
また、このハイパーブランチポリカーボネート(水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネート)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によって分子量および分子量分布を測定したところ、数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算で5847であり、分子量分布Mw/Mnは、2.1であった。また、水酸当量は473g/mmolであった。
なお、図3および図4には、各々、後述のメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIR測定および 1H NMR測定の結果が共に示されている。
(メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートの合成例)
容積10ミリリットルのナスフラスコ内において、前記水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの合成例において得られた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネート0.100gをピリジン1.0ミリリットルに溶解させ、窒素雰囲気下、−5℃の条件下で撹拌しながら無水メタクリル酸0.6694g(4.342mmol)をゆっくりと滴下し、室温で12時間反応させた。
反応終了後、反応液を、貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を2回行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを収率85%で得た。
得られたポリマーについて、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、下記並びに図3および図4に示す結果が得られ、IRスペクトルにおいては、原料である水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートに係る末端の水酸基に起因する吸収ピークの消失と共にメタクリロイル基およびエステル基に起因する吸収ピークの出現が確認された。一方、 1H NMRスペクトルにおいては、水酸基のプロトンピークおよびベンゼン環のプロトンピークの消失と共にメタクリロイル基のプロトンピークの出現が確認された。
以上の結果から、このポリマーは、原料である水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基の99%以上がメタクリロイル基に変換されてなる構成を有するもの、すなわち下記式(B)で表される構造を有する、メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートであることが確認された。
また、得られたメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートについて、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)によって分子量および分子量分布を測定したところ、数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算で9100、分子量分布Mw/Mnは、1.83であった。
ここに、図3において、曲線(A)は原料として用いた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIRスペクトルであり、曲線(B)はメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIRスペクトルである。また、図4において、曲線(A)は原料として用いた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの 1H NMRスペクトルであり、曲線(B)はメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートの 1H NMRスペクトルである。
容積10ミリリットルのナスフラスコ内において、前記水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの合成例において得られた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネート0.100gをピリジン1.0ミリリットルに溶解させ、窒素雰囲気下、−5℃の条件下で撹拌しながら無水メタクリル酸0.6694g(4.342mmol)をゆっくりと滴下し、室温で12時間反応させた。
反応終了後、反応液を、貧溶媒としてメタノールを用いることによって再沈精製を2回行い、減圧乾燥することにより、白色粉末よりなるポリマーを収率85%で得た。
得られたポリマーについて、IR測定および 1H NMR測定を行ったところ、下記並びに図3および図4に示す結果が得られ、IRスペクトルにおいては、原料である水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートに係る末端の水酸基に起因する吸収ピークの消失と共にメタクリロイル基およびエステル基に起因する吸収ピークの出現が確認された。一方、 1H NMRスペクトルにおいては、水酸基のプロトンピークおよびベンゼン環のプロトンピークの消失と共にメタクリロイル基のプロトンピークの出現が確認された。
以上の結果から、このポリマーは、原料である水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの末端の水酸基の99%以上がメタクリロイル基に変換されてなる構成を有するもの、すなわち下記式(B)で表される構造を有する、メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートであることが確認された。
また、得られたメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートについて、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)によって分子量および分子量分布を測定したところ、数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算で9100、分子量分布Mw/Mnは、1.83であった。
ここに、図3において、曲線(A)は原料として用いた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIRスペクトルであり、曲線(B)はメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートのIRスペクトルである。また、図4において、曲線(A)は原料として用いた水酸基末端ハイパーブランチポリカーボネートの 1H NMRスペクトルであり、曲線(B)はメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートの 1H NMRスペクトルである。
・IR(film,cm-1)
1505(νC=C aromatic),1773(νC=O carbonate ),1736,1129(νO−C=O ester ),1637(νC=C methacryloyl )
・ 1H NMR(500MHz,DMSO−d6 ,TMS)
δ(ppm):1.65(s,6.1Hc ),1.97(s,2.0H,Hd ),2.15−2.24(d,3.06H,Hb ),5.87(s,0.7H,He ),6.25(s,0.7H,Hf ),7.06−7.29(q,20.0H,Ha )
1505(νC=C aromatic),1773(νC=O carbonate ),1736,1129(νO−C=O ester ),1637(νC=C methacryloyl )
・ 1H NMR(500MHz,DMSO−d6 ,TMS)
δ(ppm):1.65(s,6.1Hc ),1.97(s,2.0H,Hd ),2.15−2.24(d,3.06H,Hb ),5.87(s,0.7H,He ),6.25(s,0.7H,Hf ),7.06−7.29(q,20.0H,Ha )
更に、得られたメタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートについて、サンプル瓶に、当該メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートと、光ラジカル開始剤(「Irgacure907」,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)と、希釈剤としてのヒドロキシメチルメタクリレートとを、表3に示す割合で仕込み、THFに溶解させ均一になるまで混合することによって2種の膜形成材料(具体的には、膜形成材料(1)および膜形成材料(2))を調製し、これらの膜形成材料の各々を臭化カリウム(KBr)板上に塗布し、減圧乾燥することによって薄膜を形成した。
これらの薄膜に対して消費電力250Wの水銀灯を用いて15分間光照射(6.0mW/cm2 (波長254nm))を行い、メタクリロイル基の転化率を、Real−time−IRによって1636cm-1のメタクリロイル基(νC=C)に起因するピークの減少率に基づいて算出することにより確認した。結果を図5に示す。
図5の結果から、その末端にメタクリロイル基が導入されてなる構造のハイパーブランチポリカーボネートは、光反応性を有するものであることが確認された。
なお、図5において、曲線(イ)は膜形成材料(1)に係る光ラジカル重合によるメタクリロイル基の転化率を示し、また曲線(ロ)は膜形成材料(2)に係る光ラジカル重合によるメタクリロイル基の転化率を示す。
これらの薄膜に対して消費電力250Wの水銀灯を用いて15分間光照射(6.0mW/cm2 (波長254nm))を行い、メタクリロイル基の転化率を、Real−time−IRによって1636cm-1のメタクリロイル基(νC=C)に起因するピークの減少率に基づいて算出することにより確認した。結果を図5に示す。
図5の結果から、その末端にメタクリロイル基が導入されてなる構造のハイパーブランチポリカーボネートは、光反応性を有するものであることが確認された。
なお、図5において、曲線(イ)は膜形成材料(1)に係る光ラジカル重合によるメタクリロイル基の転化率を示し、また曲線(ロ)は膜形成材料(2)に係る光ラジカル重合によるメタクリロイル基の転化率を示す。
また、調製した2種の膜形成材料を用い、各々、シリコンウエハ上にスピンコート法によって膜厚0.1μmの塗膜を形成し、その後、室温で24時間かけて減圧乾燥することによって薄膜を形成した。得られた薄膜の屈折率を、エリプソメーター(波長632.8nm)を用いて測定した後、当該薄膜に対して消費電力250Wの水銀灯を用いて15分間光照射(6.0mW/cm2 (波長254nm))を行い、再度、屈折率の測定を行なうことにより、光照射前後における屈折率の変化を確認した。結果を表3に示す。
なお、表3において、「HBPC−PMMA」は、メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネートを示し、「HEMA」は、ヒドロキシメチルメタクリレートを示す。
表3の結果から、その末端にメタクリロイル基が導入されてなる構造のハイパーブランチポリカーボネート(メタクリロイル基末端ハイパーブランチポリカーボネート)は、光反応性を有するものであることが確認された。
また、ヒドロキシメチルメタクリレートよりなる希釈剤を添加することによって屈折率の変化量を制御できる可能性があることが確認された。
また、ヒドロキシメチルメタクリレートよりなる希釈剤を添加することによって屈折率の変化量を制御できる可能性があることが確認された。
本発明のハイパーブランチポリカーボネートは、同一分子量の直鎖状高分子と比して溶液粘度および複屈折率が低く、また屈折率が高いなどという優れた特性を有するものであり、かつ多くの機能性基を導入することができることから、種々の分野において用いることができ、特に光ディスク基板や光学レンズなどの光学分野に好適に用いることができる。
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