JP3165006B2 - 射出装置 - Google Patents

射出装置

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JP3165006B2
JP3165006B2 JP16579795A JP16579795A JP3165006B2 JP 3165006 B2 JP3165006 B2 JP 3165006B2 JP 16579795 A JP16579795 A JP 16579795A JP 16579795 A JP16579795 A JP 16579795A JP 3165006 B2 JP3165006 B2 JP 3165006B2
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良三 盛田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、射出装置に係り、特に可塑化能
力に優れ、しかも樹脂材料に対して熱による悪影響が及
ぼされることが有利に防止乃至は抑制され得る射出装置
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、合成樹脂材料を射出成形して、
所望の成形品を得る射出成形機においては、外周面上に
複数のバンドヒータが配設された加熱筒内に、射出スク
リュを回転可能に且つ進退可能に挿入、配置せしめて成
る射出装置が、装備されている。
【0003】そして、一般に、そのような射出装置にあ
っては、加熱筒に対して、その後部の合成樹脂材料供給
手段配設側から前部の射出ノズル側にかけて、供給ゾー
ン、圧縮ゾーン、及び計量ゾーンが、順次設けられてお
り、加熱筒内に配設された射出スクリュの回転作動によ
って、先ず、供給ゾーンにおいて、加熱筒内に供給され
た樹脂材料が殆ど未溶融(固形)の状態で、徐々に軟化
せしめられつつ、圧縮ゾーンに送り出され、次いで、そ
の軟化せしめられた樹脂材料が、圧縮ゾーンで見掛け上
の体積圧縮を受け、射出スクリュの剪断作用とバンドヒ
ータによる外部加熱とによって、溶融(可塑化)されな
がら、計量ゾーンに送り出され、その後計量ゾーンにお
いて、溶融樹脂が十分に混練されて、射出スクリュを後
退させながら、その前部に蓄えられるようになってお
り、そして、所定量の蓄積の後、射出スクリュを前進移
動せしめることによって、計量ゾーンの前部、即ち加熱
筒の先端部に蓄えられた溶融樹脂が、加熱筒の先端に設
けられた射出ノズルから金型の成形キャビティ内に射出
されるようになっている。
【0004】また、かかる射出装置においては、加熱筒
の前記3つのゾーンの各外周面上において、それを取り
巻くように、所定幅のバンドヒータがそれぞれ少なくと
も1つ配設せしめられていると共に、そのようなバンド
ヒータにより加熱される加熱筒の温度を検出する熱電対
が1つずつ取り付けられている。そして、それらバンド
ヒータと熱電対は、所定の制御装置にそれぞれ接続され
ており、該熱電対の検出温度に基づいて、バンドヒータ
への給電がON、OFFされるようになっている。それ
によって、計量ゾーン、圧縮ゾーン、及び供給ゾーンの
温度が各ゾーン毎に予め設定された温度となるように温
度調節(加熱制御)された状態で、加熱筒が加熱される
ようになっているのである。
【0005】ところで、そのような構造とされた射出装
置を使用して、射出成形を行なう際には、例えば原料樹
脂として、比熱の大きな合成樹脂材料(具体的にはポリ
プロピレン等)を用いる場合には、一般に、バンドヒー
タによって加熱される加熱筒の温度がより高く設定され
ることとなるが、そうすると、加熱筒の供給ゾーンの温
度が必然的に高くなってしまい、射出スクリュの回転作
動中は問題がないものの、それが、一旦、停止せしめら
れたりすると、供給ゾーン内で、樹脂材料が溶融し、そ
れによって、再度、射出スクリュを回転作動せしめる際
に、射出スクリュへの原料の食い込みや射出スクリュの
回転トルクが不足する等して、供給ゾーン内での固体輸
送能力が小さくなり、その結果、可塑化能力が著しく低
下してしまうといった極めて大きな問題が惹起されるこ
とがあったのであり、また、そのように可塑化能力が低
下してしまうために、射出スクリュの回転作動による剪
断発熱量や加熱筒から与えられる熱量が大きくなる等し
て、樹脂材料の温度が著しく高くなってしまい、それに
よって、樹脂材料に対して、熱による悪影響が及ぼされ
ることもあったのである。
【0006】なお、そのような問題が生ぜしめられるこ
となく、各種の合成樹脂材料が良好に射出成形され得る
ように為すために、長さの長い加熱筒を備えた射出装置
が使用される場合もあるが、その場合にあっては、射出
装置全体が大型化してしまうばかりでなく、加熱筒内に
供給されてから射出せしめられるまでの樹脂材料の加熱
筒内における滞留時間、換言すれば、樹脂材料の加熱筒
内での加熱時間が長くなるために、樹脂材料が熱に敏感
な特性を有するものであると、その物性が低下したり、
或いは得られる成形品に対して焼けやシルバーストリー
ク等の成形不良が生じたりする恐れが大きかったのであ
る。それ故、そのような加熱筒の長尺化は、上述の如き
可塑化能力の低下等の問題を解消する上において、現実
的な対策とはなっていなかったのである。
【0007】そこで、本願出願人は、それらの問題を一
挙に解消せしめるべく、先に、実用新案登録第3007
990号に係る登録実用新案公報において、図23に示
される如き構造を有する射出装置を提案した。即ち、こ
の図23に示される射出装置にあっては、射出スクリュ
18が挿入、配置された加熱筒10に対して、その前部
の射出ノズル16側から後部のホッパ12の配設側にか
けて、計量ゾーン:A、圧縮ゾーン:B、及び供給ゾー
ン:Cが、順次設けられている。また、それら3つのゾ
ーンの外周面上には、それぞれ、2個ずつ、合計6個の
バンドヒータ26,28,30,32,34,36が、
加熱筒10の軸方向に所定間隔をおいて配設せしめられ
ていると共に、該3つのゾーンの温度を検出する熱電対
38,40,42が、各々1個ずつ、取り付けられてい
る。更に、供給ゾーン:Cの外周面上に設けられた2個
のバンドヒータ34,36のうち、前記ホッパ12側に
位置するバンドヒータ36と加熱筒10との間には、冷
却ジャケット20が、バンドヒータ36と加熱筒10と
にそれぞれ密着して、重ね合わされた状態で、設けられ
ている。そして、この冷却ジャッケット20は、内部に
冷却水が流通せしめられる冷却パイプ22が加熱筒10
の外周面に巻き付けられて構成されており、そのような
冷却パイプ22に冷却水が流通せしめられることによっ
て、供給ゾーン:Cにおける冷却ジャケット20の配設
部位が冷却され得て、射出スクリュ18の停止時におけ
る供給ゾーン:C内での樹脂材料の溶融が阻止され、そ
の結果として、可塑化能力の低下防止と樹脂温度の過度
の上昇の抑制とが図られ得るようになっているのであ
る。
【0008】ところが、そのような射出装置にあって
は、加熱筒10の供給ゾーン:Cの温度を検出する熱電
対42が、バンドヒータ36と冷却ジャケット20の略
中心部をそれぞれ貫通し、且つその先端部において、加
熱筒10の筒壁部に所定深さ入り込んだ状態で、加熱筒
10の供給ゾーン:Cに取り付けられていることから、
冷却ジャケット20にて冷却された供給ゾーン:Cの冷
却部分の温度が、かかる熱電対42によって検出される
こととなり、そのために、供給ゾーン:Cに配設された
2つのバンドヒータ34,36が常時ON状態となり、
その結果、冷却ジャケット20に密着せしめられたバン
ドヒータ36によって、冷却ジャケット20による供給
ゾーン:Cの冷却効率が不可避的に低下せしめられ、ま
た供給ゾーン:Cの圧縮ゾーン:B側に単独で設けられ
たバンドヒータ34の過度の加熱によって、供給ゾー
ン:Cから圧縮ゾーン:Bにかけての部分の温度が高く
なり過ぎて、その部分において、樹脂材料の溶融が進行
したり、或いはかかる樹脂材料の温度が過度に上昇した
りする恐れがあったのである。
【0009】要するに、前記公報に開示の射出装置にあ
っては、冷却ジャッケット20の配設によって、それが
何等設けられていない従来装置よりは、加熱筒10の供
給ゾーン:C内での樹脂材料の溶融が有利に阻止せしめ
られ得るものの、バンドヒータ34,36に対するON
/OFF制御が適切に行なわれ得ないために、そのよう
な供給ゾーン:C内での樹脂材料の溶融阻止において、
期待される程の効果を得ることが困難であったのであ
り、またそれ故に、可塑化能力の低下や樹脂材料への熱
による悪影響の発生の防止を図る上で、十分に満足し得
るものであるとは言い難く、その点において、未だ改良
の余地が存していたのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、加熱筒の供給ゾーン内での樹脂材料の溶融
がより十分に阻止されるように為すことによって、該供
給ゾーン内の固体輸送能力が増大せしめられ、以て可塑
化能力の向上と樹脂温度の過度の上昇による樹脂材料へ
の悪影響の発生の防止乃至は軽減とが効果的に図られ得
るようにした射出装置の改良された構造を提供すること
にある。
【0011】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、射出スクリュが回転可能に挿入される
加熱筒に対して、その前部の射出ノズル側から後部の合
成樹脂材料供給手段配設側にかけて、計量ゾーン、圧縮
ゾーン、及び供給ゾーンを順次設ける一方、該加熱筒の
外周面を所定幅で覆って加熱するバンドヒータの複数
を、該3つのゾーンにそれぞれ少なくとも1つ位置する
ように配設し、更にそれら3つのゾーンに、該複数のバ
ンドヒータにより加熱される加熱筒の温度を検出する温
度検出手段をそれぞれ設けて、該計量ゾーン、圧縮ゾー
ン、及び供給ゾーンの温度が各ゾーン毎に予め設定され
た温度となるように、該温度検出手段にて各ゾーンの温
度を検出しつつ、該複数のバンドヒータにより該加熱筒
を加熱すると共に、前記射出スクリュを回転駆動せしめ
ることによって、該加熱筒の後部に設けられた合成樹脂
材料供給手段から該加熱筒の供給ゾーン内に供給される
合成樹脂材料を可塑化させつつ、該加熱筒の計量ゾーン
側に送り出すようにした射出装置において、前記加熱筒
の供給ゾーン形成部位の外周面上における前記合成樹脂
材料供給手段配設側にのみ、内部に冷却水が流通せしめ
られる冷却ジャケットを配設する一方、前記圧縮ゾーン
側に位置し、且つ該冷却ジャケットとの間に前記バンド
ヒータの少なくとも1つを挟んだ状態で、該供給ゾーン
の温度を検出するための前記温度検出手段を配したこと
を、その特徴とするものである。
【0012】なお、そのような本発明に従う射出装置の
好ましい態様によれば、前記加熱筒の前記供給ゾーン形
成部位の外周面上に設けられた前記バンドヒータが、該
加熱筒の前記圧縮ゾーンと計量ゾーンに配設される各バ
ンドヒータよりも狭い幅をもって構成されると共に、前
記冷却ジャケットが、該供給ゾーン形成部位の外周面上
において、前記合成樹脂材料供給手段から該バンドヒー
タの側に所定寸法離隔した位置に設けられて、該冷却ジ
ャケットと該合成樹脂材料供給手段との間に、前記圧縮
ゾーンと計量ゾーンにおける各バンドヒータの配置間隔
よりも長い軸方向長さをもって、該供給ゾーンの外周面
が露呈せしめられた露呈部が形成されることとなる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例について、図面を参照
しつつ、詳細に説明することとする。
【0014】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た射出装置の一例の要部が概略的に示されている。そこ
において、10は加熱筒であり、その後部側(図中、右
側)には、合成樹脂材料供給手段としてのホッパ12が
配設されて、該ホッパ12に収容された樹脂材料がハウ
ジング13の供給口14から加熱筒10内に供給される
ようになっている一方、その前部側(図中、左側)に
は、射出ノズル16が取り付けられている。また、かか
る加熱筒10の内部には、射出スクリュ18が挿入され
て、従来と同様な構造により回転可能に且つ軸心方向に
移動可能に配設されている。
【0015】さらに、そのような加熱筒10において
は、前部の射出ノズル16側から後部のホッパ12側の
全長にかけて、軸心方向に三分割されて、従来と同様な
計量ゾーン:A、圧縮ゾーン:B、及び供給ゾーン:C
の3つのゾーンが設けられている。そして、従来と同様
に、射出スクリュ18の回転作動により、加熱筒10内
に供給された樹脂材料が、徐々に軟化せしめられつつ、
供給ゾーン:Cから圧縮ゾーン:B内に送り出されると
共に、該圧縮ゾーン:B内において可塑化された後、計
量ゾーン:A内に送り出されるようになっている。
【0016】また、そのような加熱筒10の3つのゾー
ン:A,B,Cの外周面上は、該外周面の全周を所定幅
で覆って加熱する複数(ここでは5個)のバンドヒー
タ:HT1〜5が、それぞれ設けられている。即ち、計
量ゾーン:Aと圧縮ゾーン:Bに、それぞれ2個ずつ、
合計4個のバンドヒータHT1〜4が、また供給ゾー
ン:Cには、1個のバンドヒータ:HT5が、それぞ
れ、加熱筒10の軸心方向に沿って配設されており、そ
れらのバンドヒータ:HT1〜5に通電することによっ
て、加熱筒10が加熱されるようになっているのであ
る。
【0017】なお、ここでは、計量ゾーン:Aと圧縮ゾ
ーン:Bの各外周面上に設けられたバンドヒータ:HT
1〜4が、各ゾーンの軸方向長さの半分よりも所定寸法
小さい幅をもって構成されている一方、供給ゾーン:C
の外周面上に設けられたバンドヒータ:HT5が、それ
らのバンドヒータ:HT1〜4に対して、更に略半分の
幅をもって構成されており、そして、それら5個のバン
ドヒータ:HT1〜5が、互いに略等間隔をおいて、各
ゾーンの外周面上に位置せしめられている。これによっ
て、加熱筒10の計量ゾーン:Aと圧縮ゾーン:Bの外
周面の大部分が、バンドヒータ:HT1〜4にて覆われ
ているのであり、また供給ゾーン:Cの外周面における
圧縮ゾーン:B側の一部が、バンドヒータ:HT5によ
り覆われているのである。
【0018】そして、特に、そのような加熱筒10の供
給ゾーン:Cの外周面上において、計量ゾーン:Aや圧
縮ゾーン:Bに配設される各バンドヒータ:HT1〜4
の間隔と略同一の寸法だけ、バンドヒータ:HT5から
ホッパ12の側に隔たった位置には、冷却ジャケット2
0が、バンド金具23にて固定されて、配設せしめられ
ている。また、この冷却ジャケット20は、バンドヒー
タ:HT5と略同一の幅をもって、成っており、内部に
冷却水が流通せしめられる、断面略矩形状の冷却パイプ
22が、加熱筒10の外周面の全周に対して、その周方
向に密着する状態で巻き付けられるようにして、構成さ
れている。
【0019】かくして、かかる加熱筒10の供給ゾー
ン:Cの外周面における圧縮ゾーン:B側の略1/2部
分に、バンドヒータ:HT5と冷却ジャケット20と
が、互いに隣り合って配置せしめられている一方、該冷
却ジャケット20とホッパ12との間の残りの1/2部
分には、何等それらが設けられておらず、外周面が露呈
せしめられた露呈部24とされているのである。
【0020】また、そのような構成を有する加熱筒10
の3つのゾーン:A,B,Cには、温度検出手段として
の熱電対:TC1〜3が、それぞれ、1個ずつ設けられ
ている。この3つの熱電対:TC1〜3のうち、計量ゾ
ーン:Aと圧縮ゾーン:Bに設けられた熱電対:TC
1,2は、それら計量ゾーン:Aと圧縮ゾーン:Bのそ
れぞれの略中央部位において、各ゾーン:A,Bに配設
されたバンドヒータ:HT1,2及びHT3,4に各々
挟まれて、配置され、そして、各先端部が、加熱筒10
の筒壁に所定深さ入り込んで、位置せしめられている。
それによって、加熱筒10の計量ゾーン:Aと圧縮ゾー
ン:Bの各形成部位における筒壁の内部温度が、各熱電
対:TC1,2にて検出され、以てバンドヒータ:HT
1〜4により加熱された計量ゾーン:Aと圧縮ゾーン:
Bの全体の温度が把握されるようになっているのであ
る。
【0021】一方、供給ゾーン:Cに設けられた熱電
対:TC3は、圧縮ゾーン:Bとの境界部位において、
前記冷却ジャケット20との間に、バンドヒータ:HT
5を挟んだ状態で、配置され、その先端部が、前記2つ
の熱電対:TC1,2と同様にして、位置せしめられて
いる。それによって、加熱筒10の供給ゾーン:Cの形
成部位における圧縮ゾーン:Bとの境界部分の筒壁の内
部温度が、熱電対:TC3にて検出され、以て供給ゾー
ン:Cにおいて、バンドヒータ:HT5により加熱され
た部分の温度が把握されるようになっているのである。
なお、図1からも明らかなように、かかる加熱筒10の
先端に取り付けられた射出ノズル16においても、その
先端側と加熱筒10側に、バンドヒータ:HT6,7と
熱電対:TC4,5が、それぞれ設けられており、それ
によって、射出ノズル16が加熱されると共に、その加
熱温度が検出されるようになっている。
【0022】また、それらのバンドヒータ:HT1〜7
と熱電対:TC1〜5は、所定の制御装置(図示せず)
にそれぞれ電気的に接続されており、各熱電対:TC1
〜5の検出温度に基づいて、バンドヒータ:HT1〜7
への給電がON、OFFされるようになっている。そう
して、射出ノズル16と加熱筒10の計量ゾーン:A形
成部位が最も高い温度に、また供給ゾーン:C形成部位
が最も低い温度に、更に圧縮ゾーン:B形成部位がそれ
らの中間の温度となるように、温度調節されて、加熱筒
10が加熱され得るようになっているのである。
【0023】而して、そのような加熱下において、前記
射出スクリュ18が回転せしめられることにより、供給
口14から加熱筒10の供給ゾーン:C内に供給される
樹脂材料が、圧縮ゾーン:B内で、各バンドヒータ:H
T1〜5による外部加熱と射出スクリュ18の回転作動
に基づく剪断作用とによって可塑化せしめられつつ、計
量ゾーン:A内に送り込まれ、更に該計量ゾーン:Aの
前部、即ち加熱筒10の先端部に充填されるようになっ
ているのであり、また、その際の樹脂材料の圧力にて後
退せしめられた射出スクリュ18が、加熱筒10の先端
側に前進移動せしめられることによって、かかる樹脂材
料が、射出ノズル16を通じて射出せしめられるように
なっているのである。
【0024】このように、本実施例に係る射出装置にあ
っては、加熱筒10の供給ゾーン:Cの外周面上におい
て、圧縮ゾーン:Bの側にバンドヒータ:HT5が配設
されていると共に、それからホッパ12の側に所定距離
隔てた位置に冷却ジャケット20が設けられていること
から、バンドヒータ:HT5に通電されて、供給ゾー
ン:Cが加熱されても、冷却ジャケット20の冷却パイ
プ22に冷却水が流通せしめられることによって、供給
ゾーン:Cにおける冷却ジャケット20の配設部位が効
率的に冷却され得ると共に、ホッパ12側への熱伝導が
有利に緩和乃至は阻止され得て、該冷却ジャケット20
の配設部位からホッパ12の配設部位に至るまでの部分
の温度上昇が効果的に抑制され得るのである。
【0025】また、かかる射出装置においては、バンド
ヒータ:HT5を間に挟んで、冷却ジャケット20が設
けられる側とは反対の圧縮ゾーン:12側に、熱電対:
TC3が取り付けられているところから、供給ゾーン:
Cの冷却ジャケット20による冷却部分の温度の影響を
受けることなく、供給ゾーン:Cのバンドヒータ:HT
5による加熱部分の温度が正確に検出され得るのであ
り、それによって、供給ゾーン:Cの加熱部分の温度調
節が適切に為され得、その結果として、従来のものとは
異なり、供給ゾーン:Cにおけるバンドヒータ:HT5
の形成部位から圧縮ゾーン:Bまでの部分が、該バンド
ヒータ:HT5によって、予め設定された温度となるよ
うに加熱され得て、必要以上に高くなってしまうような
ことが有利に防止され得るのである。
【0026】従って、本実施例に係る射出装置にあって
は、加熱筒10の供給ゾーン:C内において、樹脂材料
が溶融(可塑化)してしまうようなことが有利に阻止せ
しめられ得て、射出スクリュの回転作動時における射出
スクリュへの原料の食い込みやその回転トルクが十分に
確保され得、それによって、従来のものに比して、かか
る供給ゾーンにおける固体輸送能力が極めて良好に高め
られ得るのであり、その結果、可塑化能力が効果的に向
上され得ることとなるのである。
【0027】そして、そのように、可塑化能力が向上せ
しめられることによって、該能力の低いものに比して、
射出スクリュの回転による樹脂材料の剪断発熱量や加熱
筒10から与えられる熱量が有利に小さくされ得、それ
によって、樹脂材料の温度の過度の上昇が効果的に抑制
され得て、その温度が加熱筒10の設定温度に近い値と
なり、その結果、樹脂材料に対して、熱による悪影響が
及ぼされるようなことが、有利に回避乃至は軽減され得
るのである。
【0028】しかも、かかる射出装置にあっては、供給
ゾーン:Cにおいて、冷却ジャケット20とホッパ12
との間に、供給ゾーン:C(加熱筒10)の外周面が所
定長さにわたって露呈せしめられた露呈部24が形成さ
れていることから、かかる露呈部24が、供給ゾーン:
Cの外周面上から熱を放出する放熱部位として有利に機
能せしめられ得、それによって、冷却ジャケット20の
配設部位からホッパ12の配設部位に至るまでの部分の
過度の温度上昇が、更に効果的に抑制され得ているので
ある。
【0029】また、かかる射出装置にあっては、上述の
如く、冷却ジャケット20の配設部位からホッパ12の
配設部位に至るまでの部分が、冷却ジャケット20によ
って効率的に冷却され得ているところから、加熱筒10
の高温部位が実質的に短くされ得ているのである。それ
故、そのような射出装置を用いて、計量ストロークの短
い射出成形を行なう際にも、加熱筒10内に供給され、
その先端部に送り出される樹脂材料の加熱時間が、従来
のものを用いた場合に比して、効果的に短縮せしめられ
得、それによって、原料樹脂が熱劣化し易い樹脂材料で
あっても、その物性が低下したり、或いは得られる成形
品に対して焼けやシルバーストリーク等の成形不良が生
じたりすることが有利に防止乃至は抑制され得るのであ
る。
【0030】さらに、かかる射出装置にあっては、加熱
筒10の供給ゾーン:Cのホッパ12側を冷却する冷却
ジャケット20が、断面略矩形状の冷却パイプ22が加
熱筒10の外周面に対してその周方向に密着する状態で
巻き付けられて、構成されているところから、冷却パイ
プ22の供給ゾーン:Cに対する接触面積が有利に大き
くされ得、それによって、かかる冷却パイプ22の内部
に流通せしめられる冷却水による供給ゾーン:Cの冷却
がより効率的に行なわれ得るといった利点もある。
【0031】ところで、上述の如く、本実施例に係る射
出装置は、供給ゾーン:Cにおけるバンドヒータ:HT
5の形成部位から圧縮ゾーン:Bまでの部分の過度の温
度上昇が有利に抑制され得ると共に、冷却ジャケット2
0の配設部位からホッパ12の配設部位に至るまでの部
分が、冷却ジャケット10によって、より効率的に冷却
され得て、高度な可塑化能力が発揮され得ると共に、樹
脂温度の過度の上昇が抑制され得るといった優れた特徴
を有しているのであるが、この点については、本発明者
らにより以下の如くして行われた実験の結果からも、極
めて明らかなところである。
【0032】すなわち、先ず、図1に示される如き構造
を有する射出装置(I−1)を準備した。また、それと
は別に、本発明に従う構造とされているものの、図1に
示された射出装置とは、一部異なる構成を有する、図2
に示される如き射出装置(I−2)を準備した。なお、
この図2に示される射出装置(I−2)は、加熱筒10
の供給ゾーン:Cの外周面上において、その圧縮ゾー
ン:B側に2つのバンドヒータ:HT5−a,HT5−
bが配設されている一方、そのホッパ側に冷却ジャケッ
ト20が設けられており、更にそれら2つのバンドヒー
タ:HT5−a,HT5−bのうち、圧縮ゾーン:B側
に位置せしめられたバンドヒータ:HT5−aを、その
厚さ方向に貫通し、且つ加熱筒10の筒壁の内部に所定
深さ入り込むようにして、熱電対:TC3が取り付けら
れている。
【0033】また、比較のために、図3に示される如
く、従来と同様な構造を有する射出装置(I−3)を準
備した。なお、この図3に示される射出装置にあって
は、加熱筒10の前記3つのゾーンに、それぞれ、2個
ずつ、合計6個のバンドヒータ26,28,30、3
2、34、36と、各1個ずつ、合計3個の熱電対3
8,40,42とが配設されている一方、ホッパ12が
取り付けられるハンジング13内に冷却水路44が設け
られており、それら6個のバンドヒータ26〜36と3
個の熱電対38〜42とにて、加熱筒10が温度調節下
において加熱されるようになっていると共に、かかる冷
却水路44に冷却水が流通せしめられることによって、
加熱筒10のホッパ12の配設部位が冷却されるように
なっている。
【0034】そして、それら互いに構造の異なる3種類
の射出装置(I−1,I−2,I−3)を用い、それぞ
れの加熱筒10を、各熱電対:TC1〜3による検出温
度に基づいて温度調節しつつ、バンドヒータ:HT1〜
5にて加熱した後、それら各加熱筒10の内壁の温度
を、複数箇所、測定して、3種類の射出装置(I−1,
I−2,I−3)の各加熱筒10において、樹脂材料に
接触せしめられる部位の温度分布を調べた。その結果を
図4に示した。なお、かかる図4においては、図1に示
される如き構造を有する射出装置(I−1)の加熱筒1
0の内壁の温度分布を一点鎖線で、また図2に示される
如き構造とされた射出装置(I−2)の加熱筒10の内
壁の温度分布を実線で、更に図3に示される如き従来構
造を有する射出装置(I−3)の加熱筒10の内壁の温
度分布を破線で、それぞれ示した。また、各射出装置
(I−1,I−2,I−3)の加熱筒10の内壁温度の
測定は、射出ノズル16と射出スクリュ18とを加熱筒
10から取り外した後、該加熱筒10の内孔内に所定の
温度計を挿入して、射出ノズル16側の端縁部から10
00mm離れた位置までの間で、該加熱筒10の内壁の表
面温度を、50mm間隔で、それぞれ測定することによっ
て、行なった。更に、ここで用いられた3種類の射出装
置(I−1,I−2,I−3)は、何れも、加熱筒10
において、その射出ノズル16側の端縁部から約950
mm離れた位置にホッパが設けられ、また該端縁部から約
570mm離れた位置が、圧縮ゾーン:Bと供給ゾーン:
Cとの境界部位とされたものである。
【0035】かかる図4からも明らかなように、図1及
び図2に示される如き構造を有する射出装置(I−1,
I−2)の加熱筒10は、図3に示される如き構造とさ
れた射出装置(I−3)の加熱筒10に比して、供給ゾ
ーン:Cにおける各測定部位の内壁温度が低くなってい
る。これによって、本実施例に係る射出装置において、
バンドヒータ:HT5の形成部位から圧縮ゾーン:Bま
での部分の過度の温度上昇が有利に抑制され得ると共
に、冷却ジャケット20の配設部位からホッパ12の配
設部位に至るまでの部分が、冷却ジャケット10によっ
て、効率的に冷却せしめられ得ることが明確に認識され
得るのである。
【0036】次いで、原料樹脂として、PP(ポリプロ
ピレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン)樹脂、及びPC(ポリカーボネート)樹脂
の所定量をそれぞれ準備し、そして、それらの樹脂と前
記3種類の射出装置(I−1,I−2,I−3)を用い
て、計量ストロークを50mm、100mm、150mmとし
た3種類の条件下で、スクリュ回転数を100rpm 、2
00rpm 、300rpmと変化させて、それぞれ射出成形
を行ない、その際の可塑化能力と樹脂温度とを測定し
た。その結果をグラフ化して、図5〜図22に示した。
【0037】なお、それら図5〜図22においては、図
1に示される如き構造を有する射出装置(I−1)を用
いて射出成形を行なった際の、スクリュ回転数の変化に
伴う可塑化能力と樹脂温度のそれぞれの変化を一点鎖線
で、また同様に、図2に示される如き構造とされた射出
装置(I−2)を用いた際の可塑化能力と樹脂温度の変
化を実線で、更に図3に示される如き従来構造を有する
射出装置(I−3)を用いた際の可塑化能力と樹脂温度
の変化を破線で、それぞれ示し、そして、それら図5〜
図22のうち、図5〜図7、図8〜図10、及び図11
〜図13には、原料樹脂として、PP樹脂、ABS樹
脂、及びPC樹脂をそれぞれ用いた際の、各射出装置
(I−1,I−2,I−3)毎の可塑化能力の測定結果
について、また図14〜図16、図17〜図19、及び
図20〜図22には、それらの樹脂をそれぞれ用いた際
の、各射出装置(I−1,I−2,I−3)毎の樹脂温
度の測定結果について、それぞれ示した。
【0038】そして、特に、それら3種類の射出装置
(I−1,I−2,I−3)を用いて、計量ストロー
ク:150mm、スクリュ回転数:300rpm の条件下で
射出成形を行なった際の、可塑化能力と樹脂温度の各測
定結果の具体的な数値を、各樹脂材料毎に、下記表1に
示した。なお、射出成形時におけるその他の条件は、背
圧力:10kgf/cm2 、冷却水温度:40℃、スクリュ
径:φ40、スクリュ圧縮比:2.1、メータリング溝
深さ:2.8mm、フィード溝深さ:6.0mm、L/D:
22とし、更に加熱筒の計量ゾーン、圧縮ゾーン、及び
供給ゾーンの温度は、原料樹脂の種類に応じて、下記表
2に示されるような値に設定した。
【0039】
【0040】
【0041】図5〜図22からも明らかなように、図1
及び図2に示される如き構造を有する射出装置(I−
1,I−2)を用いて射出成形を行なう場合、原料樹脂
の種類や計量ストロークの大きさに関係なく、図3に示
される如き構造とされた射出装置(I−3)を使用する
場合に比して、可塑化能力が高いを値を示しており、ま
た樹脂温度は低くなっている。そして、表1からも明ら
かなように、例えば、計量ストローク:150mmで、ス
クリュ回転数:300rpm の条件にて、PP樹脂の射出
成形を行なう際には、射出装置(I−1)及び射出装置
(I−2)を用いることによって、射出装置(I−3)
を用いる場合に比して、可塑化能力が27〜34%程度
高くなっていると共に、樹脂温度が2.0〜4.4℃低
くなっているのであり、また同様な条件下で、ABS樹
脂の射出成形を行なう際には、可塑化能力が5〜6%程
度高くなっていると共に、樹脂温度が5.6〜6.0℃
程度低くなっており、更に同様な条件にて、PC樹脂の
射出成形を行なう場合には、可塑化能力が13〜14%
程度高くなっていると共に、樹脂温度が0.4〜1.2
℃程度低くなっている。
【0042】これらによって、本実施例、ひいては本発
明に係る射出装置が、高度な可塑化能力を有し、しかも
樹脂温度の上昇が有利に抑制され得て、樹脂材料への熱
による悪影響が防止乃至は軽減され得るといった極めて
優れた特徴が発揮され得るものであることが明確に認識
され得るのである。
【0043】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、そのような具体例にのみ限定して解釈されるもので
はない。
【0044】例えば、前記実施例では、加熱筒10にお
ける計量ゾーン:Aと圧縮ゾーン:の各外周面上に、そ
れぞれ、2個ずつ、合計4個のバンドヒータ:HT1〜
4が、各外周面の大部分を覆うように配設され、供給ゾ
ーン:Cの外周面上に、1個のバンドヒータ:HT5
が、その外周面の一部を覆うように設けられていたが、
それらバンドヒータの配設形態や配設個数は、何等これ
に限定されるものではない。
【0045】また、前記実施例では、それら3つのゾー
ン:A,B,Cの温度を検出する温度検出手段として、
熱電対:TC1〜3が用いられていたが、そのような温
度検出手段としては、公知の各種の構造のものが何れも
採用され得るのである。
【0046】さらに、前記実施例では、加熱筒10の供
給ゾーン:Cを冷却する冷却ジャケット20が、内部に
冷却水が流通せしめられる断面略矩形状の冷却パイプ2
2が、加熱筒10の外周面に対して、その周方向に密着
する状態で巻き付けられて、構成されていたが、そのよ
うな冷却ジャケットの構造にあっても、特にこれに限定
されるものでないことは、勿論である。
【0047】また、前記実施例では、加熱筒10の供給
ゾーン:Cの温度を検出する熱電対:TC3が、冷却ジ
ャケット20との間に、1個のバンドヒータ:HT5を
挟んで、該供給ゾーン:Cの圧縮ゾーン:B側に配設さ
れていたが、かかる熱電対と冷却ジャケットとの間に、
2個以上のバンドヒータを配設するようにしても、何等
差し支えない。
【0048】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれることは、言うま
でもないところである。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う射出装置にあっては、加熱筒の供給ゾーン形成部
位の外周面上において、合成樹脂材料供給手段配設側
に、内部に冷却水が流通せしめられる冷却ジャケットが
配設されている一方、それとは反対側の圧縮ゾーン側に
おいて、該冷却ジャケットとの間にバンドヒータを少な
くとも1つ挟んだ状態で、供給ゾーンの温度を検出する
温度検出手段が設けられていることから、該供給ゾーン
形成部位が、該バンドヒータによって加熱される際に、
冷却ジャケットに冷却水が流通せしめられることによっ
て、冷却ジャケットの配設部位から合成樹脂材料供給手
段配設部位に至るまでの部分が効率的に冷却され得るの
であり、また、そのような冷却ジャケットの冷却部分の
温度の影響を受けることのない位置に配した温度検出手
段にて検出される温度に基づく適切な温度調節下におい
て、供給ゾーンにおけるバンドヒータ形成部位から圧縮
ゾーンまでの部分が、予め設定された温度となるように
良好に加熱され得て、必要以上に高くなってしまうよう
なことが有利に防止され得るのである。
【0050】従って、かかる射出装置にあっては、供給
ゾーン内での樹脂材料の溶融(可塑化)が有利に阻止乃
至は抑制せしめられ得て、該供給ゾーンにおける固体輸
送能力が極めて良好に高められ得、それによって、可塑
化能力が効果的に向上され得るのであり、またその結果
として、樹脂材料の温度の過度の上昇が効果的に抑制さ
れ得て、該樹脂材料に対して、熱による悪影響が及ぼさ
れるようなことが、有利に回避乃至は軽減され得ること
となるのである。
【0051】また、本発明に係る射出装置にあっては、
冷却ジャケットの配設部位から合成樹脂材料供給手段配
設部位に至るまでの部分が効率的に冷却され得るところ
から、加熱筒の高温部位が実質的に短くされ得て、計量
ストロークの短い射出成形を行なう際にも、加熱筒内に
供給され、その先端部に送り出される樹脂材料の加熱時
間が、従来のものに比して、効果的に短縮され得、それ
によって、原料樹脂が熱劣化し易い樹脂材料であって
も、その物性が低下したり、或いは得られる成形品に対
して焼けやシルバーストリーク等の成形不良が生じたり
することが有利に防止乃至は抑制され得るといった利点
があるのである。
【0052】なお、前記した本発明の好ましい態様に従
う構成が採用される場合には、加熱筒の供給ゾーン形成
部位に設けられた露呈部が、供給ゾーンの外周面上から
熱を放出する放熱部位として有利に機能せしめられ得、
それによって、冷却ジャケットの配設部位から合成樹脂
材料供給手段の配設部位に至るまでの部分の過度の温度
上昇が、更に効果的に抑制され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する射出装置の一例を示
す縦断面要部説明図である。
【図2】本発明に従う構造を有する射出装置の別の例を
示す縦断面要部説明図である。
【図3】従来の射出装置の一例を示す縦断面要部説明図
である。
【図4】図1〜図3に示した射出装置において、各加熱
筒の加熱時における内壁の温度分布を示すグラフであ
る。
【図5】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量ス
トロークが50mmとなる条件下でPP樹脂を射出成形し
た際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の変化
を示すグラフである。
【図6】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量ス
トロークが100mmとなる条件下でPP樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の変
化を示すグラフである。
【図7】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量ス
トロークが150mmとなる条件下でPP樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の変
化を示すグラフである。
【図8】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量ス
トロークが50mmとなる条件下でABS樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の変
化を示すグラフである。
【図9】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量ス
トロークが100mmとなる条件下でABS樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の
変化を示すグラフである。
【図10】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが150mmとなる条件下でABS樹脂を射出
成形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力
の変化を示すグラフである。
【図11】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが50mmとなる条件下でPC樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の変
化を示すグラフである。
【図12】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが100mmとなる条件下でPC樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の
変化を示すグラフである。
【図13】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが150mmとなる条件下でPC樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う可塑化能力の
変化を示すグラフである。
【図14】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが50mmとなる条件下でPP樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変化
を示すグラフである。
【図15】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが100mmとなる条件下でPP樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変
化を示すグラフである。
【図16】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが150mmとなる条件下でPP樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変
化を示すグラフである。
【図17】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが50mmとなる条件下でABS樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変
化を示すグラフである。
【図18】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが100mmとなる条件下でABS樹脂を射出
成形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の
変化を示すグラフである。
【図19】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが150mmとなる条件下でABS樹脂を射出
成形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の
変化を示すグラフである。
【図20】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが50mmとなる条件下でPC樹脂を射出成形
した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変化
を示すグラフである。
【図21】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが100mmとなる条件下でPC樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変
化を示すグラフである。
【図22】図1〜図3に示した射出装置を用いて、計量
ストロークが150mmとなる条件下でPC樹脂を射出成
形した際の、スクリュ回転数の増加に伴う樹脂温度の変
化を示すグラフである。
【図23】従来の射出装置の、図3とは異なる例を示す
縦断面要部説明図である。
【符号の説明】
10 加熱筒 12 ホッパ 13 ハウジング 14 供給口 16 射出ノズル 18 射出スクリ
ュ 20 冷却ジャケット 22 冷却パイプ 23 バンド金具 24 露呈部 HT1〜7 バンドヒータ TC1〜3 熱電
対 A 計量ゾーン B 圧縮ゾーン C 供給ゾーン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−186227(JP,A) 特開 昭61−235120(JP,A) 特開 昭63−5920(JP,A) 特開 平2−55114(JP,A) 特開 平5−69462(JP,A) 実開 昭61−177812(JP,U) 実開 昭62−203017(JP,U) 実開 平3−52130(JP,U) 実開 昭49−110073(JP,U) 実開 平3−31932(JP,U) 登録実用新案3007990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出スクリュが回転可能に挿入される加
    熱筒に対して、その前部の射出ノズル側から後部の合成
    樹脂材料供給手段配設側にかけて、計量ゾーン、圧縮ゾ
    ーン、及び供給ゾーンを順次設ける一方、該加熱筒の外
    周面を所定幅で覆って加熱するバンドヒータの複数を、
    該3つのゾーンにそれぞれ少なくとも1つ位置するよう
    に配設し、更にそれら3つのゾーンに、該複数のバンド
    ヒータにより加熱される加熱筒の温度を検出する温度検
    出手段をそれぞれ設けて、該計量ゾーン、圧縮ゾーン、
    及び供給ゾーンの温度が各ゾーン毎に予め設定された温
    度となるように、該温度検出手段にて各ゾーンの温度を
    検出しつつ、該複数のバンドヒータにより該加熱筒を加
    熱すると共に、前記射出スクリュを回転駆動せしめるこ
    とによって、該加熱筒の後部に設けられた合成樹脂材料
    供給手段から該加熱筒の供給ゾーン内に供給される合成
    樹脂材料を可塑化させつつ、該加熱筒の計量ゾーン側に
    送り出すようにした射出装置において、 前記加熱筒の供給ゾーン形成部位の外周面上における前
    記合成樹脂材料供給手段配設側にのみ、内部に冷却水が
    流通せしめられる冷却ジャケットを配設する一方、前記
    圧縮ゾーン側に位置し、且つ該冷却ジャケットとの間に
    前記バンドヒータの少なくとも1つを挟んだ状態で、該
    供給ゾーンの温度を検出するための前記温度検出手段を
    配したことを特徴とする射出装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱筒の前記供給ゾーン形成部位の
    外周面上に設けられた前記バンドヒータが、該加熱筒の
    前記圧縮ゾーンと計量ゾーンに配設される各バンドヒー
    タよりも狭い幅をもって構成されていると共に、前記冷
    却ジャケットが、該供給ゾーン形成部位の外周面上にお
    いて、前記合成樹脂材料供給手段から該バンドヒータの
    側に所定寸法離隔した位置に設けられて、該冷却ジャケ
    ットと該合成樹脂材料供給手段との間に、前記圧縮ゾー
    ンと計量ゾーンにおける各バンドヒータの配置間隔より
    も長い軸方向長さをもって、該供給ゾーンの外周面が露
    呈せしめられた露呈部が形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の射出装置。
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