JP3164970B2 - 一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法 - Google Patents

一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一価イオンの中性塩を
含む排水の処理方法に係り、特に、産業排水に含まれる
一価イオンの塩を構成する酸と塩基に分離・回収して再
利用し、同時に環境に放出する排水中に塩を含ませない
ようにする一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸または塩基あるいはそれらの両方を使
用する産業工程においてはしばしば酸または塩基の、あ
るいはそれらの中性塩を含む排水が発生する。産業排水
を処理する方法として、蒸発濃縮によって減容する方法
が一般的に採用されることが多いが、最近では逆浸透
法,限外ろ過法,電気透析法あるいは電解透析法などの
膜分離技術の開発が行われている。
【0003】特公昭60−24439 号公報には、「フッ素化
重合体からなる陽イオン交換膜と、陰イオン交換膜を隔
膜とする3室からなる電解槽の中央室に硝酸塩を含有す
る低レベル放射性廃液を供給して電解透析することによ
り硝酸塩を分解し、陽極室に硝酸を、陰極室に水酸化ア
ルカリ化合物または水酸化アンモニウムを生成させると
ともに、中央室で放射性物質を濃縮することを特徴とす
る硝酸塩含有放射性廃液の処理方法」が記載されてい
る。
【0004】図3に、特公昭60−24439 号公報に示され
た上記処理方法を実施するためのフロ−シ−トの一例を
引用して示す。図中、1は陽極室、2は陰極室、3は中
央室、4は陽極液貯槽、5は陰極液貯槽、11は陰イオ
ン交換膜、12は陽イオン交換膜である。
【0005】特公昭60−24439 号公報の処理方法で用い
る電解透析槽において、中央室3と陰極室2を区分する
陽イオン交換膜12としては、フッ素化重合体からなる
イオン交換膜が用いられる。
【0006】この膜はアルカリ水溶液に対して特に優れ
た耐久性を有していることが知られている。他方、中央
室3と陽極室1を区分する陰イオン交換膜11として
は、いわゆる強塩基性の陰イオン交換膜あるいは弱塩基
性の陰イオン交換膜が用いられる。電解透析の進行に伴
って中央室液の硝酸塩濃度は減少し、一方陽イオン交換
膜を透過し難いウラン,プルトニウムを始め 241Am,
144Ce, 106Ru,95Nb,95Zrなどの微量存在す
る放射性元素のイオンが濃縮されるものとしている。
【0007】特公昭60−24439 号公報の処理方法は、イ
オン交換膜を用いた電解透析により、廃液中の硝酸塩を
分解して低レベル放射性廃液中の放射能を濃縮して中ま
たは高レベル廃液の処理工程などに送り処理し、また回
収された硝酸や水酸化物は再使用することが出来る工業
的に実施し得る方法とされている。しかし、特公昭60−
24439 号公報の実施例1から算出できる通り、この方法
によっては、被処理液中の硝酸ナトリウムが処理前の
2.4モル/リットルから2.0モル/リットルに低減し
ているが、被処理液中の塩の濃度は更に低減されること
が望ましい。
【0008】また、丸善株式会社刊,化学工学便覧,1
987年改定四版,918頁,図12.3およびデレッ
ク・プレッチャ、フランク・シ−・ウオルシュ著(Derek
Pletcher and Frank C. Walsh)インダストリアル エレ
クトロケミストリ(Industrial Electrochemistry)第
2版(2nd Edition)358頁(p.358)図7.14(F
ig.7.14)の記載から引用して図4に示すように、
電気透析槽は陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を隔膜と
する希釈液室と濃縮液室を単位として構成される電解槽
であり、塩を供給液である希釈液から濃縮液に移行・濃
縮し同時に希釈液中では脱塩するために用いられている
ものである。図3において、13は陽イオン交換膜、1
4は陰イオン交換膜、15は陽極室、16は陰極室、1
7は希釈液入口、18は希釈液出口、19は濃縮液入
口、20は濃縮液出口、21は陽極室液入口、22は陽
極室液出口、23は陰極室液入口、24は陰極室液出口
である。希釈液中の陰イオンは、陰イオン交換膜14を
正電位側に透過して濃縮液中に入り、陽イオンは陽イオ
ン交換膜13を負電位側に透過して濃縮液中に入り陰イ
オンと陽イオンは中和して中性塩を形成する。陽極室1
5では水が電解して酸素を発生し、陽極室液は酸性にな
り、陰極室16では水が電解して水素を発生し、陰極室
液は塩基性になる。このような電気透析槽は、塩類を含
む水から脱塩して淡水化を行い、または、塩類を回収す
る目的で工業的に利用されている。
【0009】一価イオンの塩を含む一般産業排水におい
ては種々の二価あるいはより原子価状態の高いイオンが
不純物として存在していることがある。これらのイオン
は、陽イオンであれば陽イオン交換膜13を透過し、陰
イオンであれば陰イオン交換膜14を透過する。一般の
排水中環境において化学的に安定な一価陽イオンである
アルカリ金属元素およびアンモニウムの塩基はすべて水
溶性であるが、二価および高原子価陽イオンの水酸化物
はMn,Ni,Co,Zn,Cd,Cuなどの二価イオ
ンがアンモニア水溶液に錯体を生成して溶解する場合の
外は難溶性のものが多く、陽イオン交換膜を透過して塩
基性となっている陰極液中に入ると沈殿を発生して電解
透析槽の運転が困難となる。陰極液中の塩基がアンモニ
アの場合であって、沈殿を発生しない物質であっても回
収したアンモニアには不純物として含まれるためにその
用途が制限される問題がある。二価および高原子価陽イ
オンの中には陰極上で金属となって析出しやすいものが
あり電解透析槽の運転が困難となる。一方、二価および
より高原子価の陰イオンには砒素,アンチモン,錫,ゲ
ルマニウム,バナジウム,モリブテン,タングステン,
セレン,テルルなどの酸素を含んだ陰イオンが存在する
が、実際に一価のイオンの塩を含んだ産業排水に含まれ
る可能性があるものは炭酸,硼酸,硫酸,燐酸などであ
る。これが陰イオン交換膜を透過して陽極液中に入ると
一価イオンの回収酸に不純物となって含まれるためその
用途が制限される問題がある。
【0010】一方、排水に含まれる一価イオンの中性塩
をごく低濃度にまで除去する場合に除去する必要がない
一価イオン以外のイオンの除去に電流が消費されること
は電流効率を低下させることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一価
イオンの塩を含む排水の電解透析に係る従来の方法にお
いては達成されていない排水中の塩の除去処理と共存不
純物を含まない酸および塩基の回収を達成する方法に係
るものであり、解決しようとする課題は、 1.排水中の一価イオンの塩を低濃度にまで除去処理す
ること、 2.回収した酸および塩基中に一価イオン以外の不純物
を含まないこと、 3.回収した酸および塩基の濃度をできるだけ容易に高
めること、 4.排水処理と酸および塩基の回収に必要な電力消費量
を低減することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被処理排水を直接に電解透析槽に供給する
のではなく、被処理排水を前置電気透析槽の希釈液室に
供給し、前置電気透析槽内でイオン交換膜を透過したイ
オンが中和して生成した塩を含む濃縮液を、陽イオン交
換膜と陰イオン交換膜を隔膜とする陽極室,中央室,陰
極室の3室を単位として構成される電解透析槽に供給し
て塩を構成する酸と塩基に分解して回収する。
【0013】前置電気透析槽の希釈液は後段の主電気透
析槽に供給して残留する塩を最終目標値にまで除去す
る。
【0014】本発明においては上記の目的を達成するた
めに、イオン交換膜を一価イオンのみを選択的に透過す
る(一価以外のイオンは透過し難い)ものとする。
【0015】前置電気透析槽を構成するイオン交換膜を
一価イオンのみを選択的に透過するものとすることによ
り、電解透析槽への供給液中の一価以外のイオン濃度を
相対的に低減することによって電解透析槽の常に塩基性
である陰極液中に一価以外の陽イオンを含み難くし、ま
た、常に酸性である陽極液中に一価以外の陰イオンを含
み難くするものとすることができる。
【0016】前置電気透析槽から出る希釈液中では一価
イオンの塩濃度は被処理液より低下しているが、一価イ
オン以外のイオンの一価イオン濃度に対する相対濃度は
被処理液より高くなっている。この希釈液は直列に接続
された複数の主電気透析槽の後段側の主電気透析槽の希
釈液室に順次供給して最終目標値にまでイオンを除去す
る。環境上の要求から除去すべきイオンが一価イオンの
みであれば一価イオンのみを選択的に透過する陽イオン
交換膜または陰イオン交換膜あるいはその両方を使用す
ることになる。環境上の要求からイオンの原子価数に係
らず除去する必要がある場合には全ての陽イオンおよび
陰イオンをできるだけ効率良く透過するイオン交換膜を
使用することになる。
【0017】電解透析槽における一価以外のイオンの陰
極液中濃度あるいは陽極液中濃度を低くするために電解
透析槽に使用するイオン交換膜も一価イオンのみを選択
的に透過するものを使用することができる。
【0018】電解透析槽の中央室から出る一価イオンの
濃度が低下した液は一価以外のイオン濃度が被処理排水
より低いので被処理排水に混合して前置電気透析槽に再
び供給することができる。
【0019】後段の主電気透析槽の濃縮液中においては
一価のイオンと比較して一価以外のイオンの相対的濃度
が被処理排水よりも高くなることがあるのでそのまま被
処理排水と混合して前置電気透析槽の希釈液室に供給す
ることは好ましくない。
【0020】主電気透析槽において、希釈液室から濃縮
液室に移行するイオンの量は一対のイオン交換膜を通し
て流れる電気量と膜対の数の積に比例する。一定の電解
槽負荷電圧下で電気量は主として希釈液の比電気伝導度
に支配され、希釈液濃度が低下すると比電気伝導度もほ
ぼ比例して低下する。一方、希釈液と濃縮液の濃度比、
即ち濃度勾配が高くなると逆拡散現象が著しくなり、特
にイオン交換膜表面の電流密度が低下すると電流効率が
低下することが知られている。
【0021】後段のイオン除去処理用の主電気透析槽に
おいては、希釈液循環タンク内の処理液を所定の濃度に
達するまで電気透析槽との間で循環せしめる、いわゆる
回分法によって相当高いイオン濃度から相当低い濃度に
まで減少させる必要がある場合には、希釈液濃度と濃縮
液濃度の比率(濃度勾配)は非常に高くなる。また、希
釈液の比電気伝導度がイオン濃度の低下に従って大幅に
低下する。電気透析槽の工業的な適用において、負荷で
きる電圧は安全上の見地から例えば50V程度に制限す
ることが望ましい。従って、希釈液の比電気伝導度が低
下すれば電流量(電流密度)を低下せざるを得ないこと
になる。
【0022】本発明においては、後段の電気透析槽一段
の回分式処理に限定せず、直列に接続した一連の電気透
析槽を用いて各段ごとにほぼ同一の比率でイオン濃度を
低減することによってイオン濃度を最終的により低濃度
にまで低減させるように処理ができるようにした。
【0023】
【作用】本発明において、問題を解決するために用いら
れる上記の手段としての構成を図1に示す。
【0024】電解透析槽のみからなる従来の技術と比較
して、本発明の最も特徴的な構成は、全工程を電解透析
槽と前置電気透析槽の組合せからなる回収部と、前置電
気透析槽および直列に接続した一連の複数の主電気透析
槽(例えば三段)を備えた処理部とを備えていることで
ある。
【0025】被処理排水は、上記の回収部と処理部との
中間に位置する前置電気透析槽に供給される。前置電気
透析槽及びこれと引き続き直列に接続された各主電気透
析槽では、一様の比率で塩濃度が低下することが望まし
い。例えば、前置電気透析槽1基と引き続く直列に接続
した一連の主電気透析槽3基によって被処理排水中の塩
濃度を256分の一に低下させる場合には各段において
それぞれ塩の濃度を1/4に低下させればよく、129
6分の一に低下させる場合には各段においてそれぞれ塩
の濃度を1/6に低下させればよく、4096分の一に
低下させる場合には各段においてそれぞれ塩の濃度を1
/8に低下させる必要がある。直列に接続した一連の主
電気透析槽の数を4基に増加すれば、被処理排水中の塩
濃度を1296分の一に低下させるためには各段におい
てそれぞれ塩の濃度を1/4.2に低下させればよい。
【0026】主電気透析槽の負荷電圧と電気透析槽に流
れる電流の関係は、電極液として濃縮液を利用する条件
において下記の式で示される。
【0027】
【数1】 Ecell =NI(Rca+Ran)+NIRdi+(N+1)IRco …(数1) ここに、Ecell :負荷電圧(ボルト) N :イオン交換膜の対数 I :電流(アンペア) Rca :陰イオン交換膜の電気抵抗(オ−ム) Ran :陽イオン交換膜の電気抵抗(オ−ム) Rdi :希釈液の電気抵抗(オ−ム) Rco :濃縮液の電気抵抗(オ−ム) 電気透析槽の負荷電圧が制限されて一定であれば、電気
透析槽に流れる電気量は、希釈液の電気抵抗によって最
も著しく支配される。希釈液の比電気抵抗は希釈液の塩
濃度にほぼ比例するため、電気量は希釈液の塩濃度にほ
ぼ比例することになる。
【0028】従って、主電気透析槽においては消費電力
の大部分が希釈液室内で熱の発生に寄与することにな
り、イオン交換膜を介して濃縮液も加熱されるために電
気透析槽循環液は冷却して熱を除去する必要がある。電
解質水溶液の比電気抵抗は温度が1℃上昇すると約3%
低下し、イオン交換膜の比電気抵抗にも同様の特性があ
る。従って、希釈液の温度を適当に制御することによっ
て電気透析槽の運転を効率的に行うことが可能となる。
【0029】一定の流速で電気透析槽を通過する希釈液
から濃縮液に移行する塩のモル数は希釈液の濃度に比例
することになるため、一連の電気透析槽の各段において
必要なイオン交換膜の数(希釈液室と濃縮液室の組数)
は透過すべき塩のモル数が著しく異なるにも係らずほぼ
同程度のものが必要になる。
【0030】一方、直列に接続された一連の主電気透析
槽の濃縮液は、希釈液と対向して流れ、流れるに従って
希釈液から移行する塩を蓄積する。濃縮液の流量が前置
電気透析槽の希釈液濃度低下比率と等しい比率で希釈液
流量より少なければ、濃縮液の最終濃度は被処理排水初
期濃度にほぼ等しくなり、再循環して処理を行うために
好適である。この場合には、主電気透析槽の希釈液とそ
れの濃縮液との塩濃度比は最終的に希釈液濃度低下率の
約2乗に等しくなる。
【0031】前置電気透析槽および主電気透析槽の陽極
に接する濃縮液は酸性となり、陰極に接する濃縮液は塩
基性となるため通常の海水淡水化などでは陰極液中でM
gの水酸化物沈殿が発生することを防止するため陰極液
には酸を注入して酸性に保持される。本発明では前置電
気透析槽および主電気透析槽の全ての陽極室、陰極室に
は濃縮液室を含めてそれぞれ共通の濃縮液を循環させる
が、陽極室内で酸性となった濃縮液を陰極室に供給して
循環することにより陰極液の塩基性度が高くならないよ
うにする。
【0032】直列に接続された一連の主電気透析槽の最
終段の濃縮液に対する供給液および前置電気透析槽の濃
縮液に対する供給液は、純水として不純物が混入しない
ようにすることが望ましい。
【0033】前置電気透析槽における被処理排水中の塩
濃度と希釈液中の塩濃度の比は他の主電気透析槽と等し
くすることが望ましい。そこで、希釈液の流量と濃縮液
の流量の比が被処理排水濃度と希釈液中塩濃度の比
(n)と等しくすることによって濃縮液の塩濃度と希釈
液の塩濃度の比はn(n−1)に等しくなり、濃縮液の
塩濃度と被処理排水中塩濃度との比は(n−1)に等し
くなる。
【0034】電解透析槽は陰イオン交換膜を隔膜とする
陽極室と陽イオン交換膜を隔膜とする陰極室と陰イオン
交換膜と陽イオン交換膜を隔膜とする中央室を交互に複
数組配置して構成されてる。中央室には中性塩を含んだ
共通の中央室液を循環し、前置電気透析槽の濃縮液を中
央室に供給し、同時に供給液量とイオン交換膜を透過す
る液量の差に等しい液量を流出する。
【0035】陽極室に循環する陽極液中に酸が生成し、
陰極室に循環する陰極液中に塩基が生成する。酸と塩基
の濃度は陽極室液と陰極室液に供給される吸収液の流量
とイオン交換膜を透過する液量の和に依存するが、本発
明による方法では電解透析槽に対する供給液中の塩濃度
が被処理排水中の塩濃度と比較して高いので高い濃度の
酸と塩基を回収することは比較的容易である。しかし、
一般に濃度の上限はイオン交換膜の耐酸性あるいは耐塩
基性によって制限される。本発明によって回収される酸
および塩基は濃度と純度が高くなる特徴があるがさらに
用途に従い、通常の方法で容易に濃縮および精製を行う
ことができる。
【0036】電解透析槽の中央室循環液は前置電気透析
槽に還流して再び処理を行うため、中央室液中の塩濃度
は被処理排水中の塩濃度と同等とすることが好適であ
る。
【0037】本発明の方法で使用するイオン交換膜は全
陽イオンまたは全陰イオンに対する選択的輸率が0.9
8 以上であることが望ましい。さらに本発明において
一価イオン選択透過性イオン交換膜は一価以外のイオン
の選択的輸率の1/2以下であることが望ましい。
【0038】
【実施例】本発明の好適な一実施例である一価イオンの
中性塩を含む排水の処理方法を適用する処理装置の構成
の一例を図に示す。図2において、25は電解透析
槽、26は前置電気透析槽、27は直列に接続された一
連の主電気透析槽のうちの第1段の主電気透析槽、28
は最終段の主電気透析槽(中間段の主電気透析槽は省
略)、29は陽イオン交換膜、30は陰イオン交換膜、
31は陰極室、32は中央液室、33は陽極室、34は
陰極室循環液槽、35は陽極室循環液槽、36は中央室
循環液槽、37は濃縮液室、38は希釈液室、39は濃
縮液循環槽、40は希釈液循環槽、41は被処理排水、
42は処理済排水、43および44は置換水、45およ
び46は吸収水、47は回収塩基、48は回収酸、49
は電気透析槽中央室液から還流、50は直列に接続され
た一連の主電気透析槽の濃縮液からの還流である。
【0039】ここで、排水の処理プロセス内における液
体の移送は回分的または連続的に行われる。すなわち、
電気透析槽の希釈室循環槽40に供給液または電解透析
槽の中央室循環液槽36に被処理排水または前段から受
け入れた供給液を受入れ、希釈室液と濃縮液または回収
酸、回収塩基のイオン濃度が所定のレベルに到達するま
で電気透析槽または電解透析槽の運転を回分的に続ける
ことができる。しかし、この場合には電気透析槽の濃縮
液37あるいは電解透析槽の陰極室31および陽極室3
3に流入する液体は電気伝導性を有することが必要であ
り、後段の主電気透析槽の濃縮液を供給する場合を除い
て適当な濃度の塩または酸あるいは塩基水溶液を用い
て、かつ、運転中に適当な電流が流れるように電圧を連
続的に制御する必要がある。
【0040】あるいは、それぞれの主電気透析槽の希釈
室液濃度および濃縮室液濃度あるいは電解透析槽の中央
室液濃度および電極室液濃度を所定の取り出し液濃度に
保ちながら被処理排水または前段から受け入れた供給液
を連続的に受入れ、供給液量とイオン交換膜を透過する
液量の和または差に相当する液量を循環液槽から連続的
に抜き出して次段の処理工程に移送する連続的運転が同
等の処理能力を保って可能である。この場合には電解透
析槽内の電気伝導性が常に一定になっているため運転中
に電流値を一定に保つために電圧を一定に制御していれ
ばよい。従って、連続的に液移送を行う運転は回分的に
行う方法と比較して好ましいものである。
【0041】処理プロセスには直列に接続した一連の主
電気透析槽を通過した濃縮液と電解透析槽の中央室液が
被処理排水と合わせて前置電気透析槽に供給される。こ
れらの全てが処理済排水となって環境に放出される。
【0042】酸および塩基は吸収水量に依存して適当な
濃度として回収されるが、電解透析槽の中央室液となる
前置電気透析槽の濃縮液における塩濃度を被処理排水の
塩濃度より高くできるので回収酸および回収塩基の濃度
を高くすることが容易である。
【0043】上述の構成に係らず、本実施例は電解透析
槽が陰イオン交換膜を隔膜とする陰極室と陽極室の2室
からなり、陰極室に一価のイオンから構成される中性塩
を含んだ排水を供給して中性塩を電解して陽極室中で酸
を生成させて回収し、陰極室中で塩基を生成させて回収
する方法と組み合わせることが可能である。この方法は
電解透析槽の構成が簡単であり、生成する塩基が中性塩
を含む陰極室液から蒸留法などによって容易に分離して
回収することができる水酸化アンモニウムである場合に
適用が容易である。
【0044】0.5グラムモル/リットルの硝酸アンモ
ニウムを含む排水を1日に6m3処理して、環境に放出
する排水中の硝酸アンモニウム濃度を0.4 ミリグラム
モル/リットル以下とした。被処理排水は、6ミリグラ
ムモル/リットルの硫酸イオンと0.15 ミリグラムモ
ル/リットルのマグネシウムイオンを含む。
【0045】前置電気透析槽26および直列に接続され
た各主電気透析槽27,28は、それぞれ硝酸アンモニ
ウム濃度を1/6に低下させる能力を有する。主電気透
析槽3基は直列に接続され全ての液の移送を連続的に行
った。前置電気透析槽36の濃縮液室置換液量および直
列に接続された一連の主電気透析槽の濃縮液室置換液量
は外部から供給する液量とイオン交換膜を透過する液量
との和または差であり、それぞれ1日あたりに1.5m3
であった。
【0046】電気透析槽26,27,28は全て一価陽
イオン選択透過性イオン交換膜と一価陰イオン選択透過
性イオン交換膜で構成された。
【0047】1日に除去処理すべき硝酸アンモニウムの
量は、電解透析槽の中央室液および電気透析槽の最終濃
縮液に係る循環処理量を含めて4500グラムモルであ
る。前置電気透析槽26は1日に全処理量の5/6に相
当する3750グラムモルを電気透析することになるた
め必要な電気量は電流効率を70%として5357ファ
ラディであり、表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧
を37Vとした場合にイオン交換膜20対を膜間隔距離
1mmでフィルタプレス型スタックとし、25℃において
300Aの電流を流して処理を行った。希釈液の濃度は
83.3 ミリグラムモル/リットル、濃縮液の濃度は
2.5 グラムモル/リットルであった。
【0048】第1段の主電気透析槽27では1日で62
5グラムモルを電気透析槽することになるため必要な電
気量は電流効率50%として1250ファラディであ
り、表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を42Vと
した場合にイオン交換膜18対を膜間隔距離1mmでフィ
ルタプレス型スタックとし、25℃において78Aの電
流を流して処理を行った。希釈液の濃度は13.9 ミリ
グラムモル/リットル、濃縮液の濃度は498ミリグラ
ムモル/リットルであった。
【0049】第2段の主電気透析槽27では1日で10
4.2グラムモルを電気透析することになるため必要な
電気量は電流効率を40%として261ファラディであ
り、表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を50Vと
した場合にイオン交換膜15対を膜間隔距離1mmでフィ
ルタプレス型スタックとし、25℃において20Aの電
流を流して処理を行った。希釈液の濃度は2.3 ミリグ
ラムモル/リットル、濃縮液の濃度は83.3 ミリグラ
ムモル/リットルであった。
【0050】第3段(最終段)の主電気透析槽28では
1日で17.3 グラムモルを電気透析することになるた
め必要な電気量は電流効率を35%として49ファラデ
ィであり、表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を5
0Vとした場合にイオン交換膜11対を膜間隔距離1mm
でフィルタプレス型スタックとし、25℃において5A
の電流を流して処理を行った。希釈液の濃度は0.4 ミ
リグラムモル/リットル、濃縮液の濃度は13.9 ミリ
グラムモル/リットルであった。
【0051】陽極と接する濃縮液と陰極に接する濃縮液
はそれぞれ共通の濃縮液循環槽から循環した。硝酸アン
モニウムの水溶液の水素イオン濃度は硝酸アンモニウム
濃度に殆ど係らずpH=4.8 であり、陰極液の水素イ
オン濃度は水酸化マグネシウムが沈殿する限界の水素イ
オン濃度であるpH=12には至らなかった。
【0052】処理済排水の硝酸アンモニウム濃度は0.
4 ミリグラムモル/リットルとなり、ごく僅かの硫酸
イオンおよびマグネシウムイオンを含んでいた。一方、
電解透析槽25には硝酸アンモニウムを1日で3750
グラムモル供給して3000グラムモルを硝酸とアンモ
ニアに分解することになるため必要な電気量は電流効率
を70%として4286ファラディであり、表面積が
0.2m2のイオン交換膜で電流密度を1500A/m2
とすることからイオン交換膜と電極の17対を膜間隔距
離10mmでスタックとし25℃において各セル電圧5.
4V で300Aの電流を流して処理を行った。硝酸の
吸収液量は1m3 /日 して硝酸濃度は3グラムモル/
リットル、水酸化アンモニウムの吸収液量は1m3 /日
とし、吸収液には中央室液と同等以上の電気伝導度を与
えるために常時硫酸イオン濃度を0.3グラムモル/リ
ットルに保ち、吸収液中の水酸化アンモニウム濃度は3
グラムモル/リットルであった。中央室出口液の硝酸ア
ンモニウム濃度は0.5 グラムモル/リットルとした。
【0053】回収硝酸中に含まれる硫酸イオンの濃度は
0.4 ミリグラムモル/リットル以下であり、被処理排
水中に存在した硫酸イオンの硝酸イオンに対するモル比
は1.2% であったところが、回収した硝酸中に存在し
た硫酸イオンの硝酸イオンに対する比は0.013% で
あった。また、電解透析槽25の中央室に対する供給液
中のマグネシウムの量は被処理排水中の量と比較して約
10%に低減された。
【0054】本実施例に係る方法によって硝酸アンモニ
ウムを0.5 グラムモル/リットル含む排水の6m3
処理した結果、電解透析および電気透析に消費された電
力は1014kW時であり、1kgの硝酸アンモニウム
を排水から除去し、硝酸とアンモニアを回収するために
消費された透析電力は4.2kW 時であった。硝酸とア
ンモニアを回収する電解透析槽25で65.2% の電力
を消費しているが、前置電気透析槽26の消費電力は2
6.4% であり、直列に接続された3基の電気透析槽2
7,28の消費電力は8.4% である。
【0055】ここで、従来の技術である電解透析槽と電
気透析槽を単に結合して本実施例の効果を確認した。従
来の技術である電解透析槽と電気透析槽を単に結合した
構成を図5に示す。
【0056】図5において、図2の実施例の作用を示し
ている図4との特徴的な相違は被処理排水(電気透析槽
の濃縮液からの還流を含む)が電解透析槽の中央室循環
液槽に直接供給されていることであり、電解透析槽の中
央室から排出される塩濃度が低下した希釈液は直列に接
続された一連の電気透析槽の希釈液循環槽を順次に経由
して処理され最終的に排出される。
【0057】図2の実施例と同様の排水を1日に6m3
処理して、環境に放出する排水中の硝酸アンモニウム濃
度を0.4 ミリグラムモル/リットル以下とした。
【0058】電解透析槽および直列に接続された3基の
主電気透析槽ではそれぞれ硝酸アンモニウム濃度を1/
6に低下させるものとし、全ての液の移送は連続的に行
った。このプロセスでは置換水の供給は第3電気透析槽
の濃縮液室にのみ行われ、濃縮液流の硝酸アンモニウム
濃度が最終的に0.5グラムモル/リットルとなるよう
に置換水流量は1日あたり1.2m3とし、処理プロセス
に流れる液は濃度が0.5 グラムモル/リットルで液量
が7.2m3となった。
【0059】電解透析槽と全ての電気透析槽は、一価陽
イオン選択透過性イオン交換膜と一価陰イオン選択透過
性イオン交換膜で構成された。
【0060】1日に除去処理すべき硝酸アンモニウムの
量は循環処理量を含めて3600グラムモルであり、電
解透析槽は1日に5/6に相当する3000グラムモル
を電解透析して硝酸と水酸化アンモニウムに分解を行
う。従って、必要な電気量は電流効率を70%として4
286ファラディである。表面積が0.2m2のイオン交
換膜で電流密度を1500A/m2 とすることからイオ
ン交換膜と電極の17対を膜間隔距離10mmでスタック
とし25℃において各セルに電圧21Vで300Aの電
流を流して処理を行った。硝酸の吸収液量は1m3 /日
として硝酸濃度は3グラムモル/リットル、水酸化アン
モニウムの吸収液量は1m3 /日とし、吸収液には中央
室液と同等以上の電気伝導度を与えるために常時硫酸イ
オン濃度を0.05 グラムモル/リットルに保ち、吸収
液中の水酸化アンモニウム濃度は3グラムモル/リット
ルであった。中央室出口液の硝酸アンモニウム濃度は8
3.3ミリグラムモル/リットルとした。
【0061】図5の第1段の電気透析槽は、1日で50
0グラムモルを電気透析することになるため必要な電気
量が電流効率が50%として1000ファラディデあ
る。表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を35Vと
した場合にイオン交換膜15対を膜間隔距離1mmでフィ
ルタプレス型スタックとし、25℃において78Aの電
流を流して処理を行った。希釈液の濃度は13.9 ミリ
グラムモル/リットル、濃縮液の濃度は498ミリグラ
ムモル/リットルであった。
【0062】図5の第2段の電気透析槽は、1日で8
3.4 グラムモルを電気透析することになるため必要な
電気量が電流効率が40%として209ファラディデあ
る。表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を40Vと
した場合にイオン交換膜12対を膜間隔距離1mmでフィ
ルタプレス型スタックとし、25℃において20Aの電
流を流して処理を行った。希釈液の濃度は2.3 ミリグ
ラムモル/リットル、濃縮液の濃度は83.3 ミリグラ
ムモル/リットルであった。
【0063】図5の第3段(最終段)の電気透析槽は、
1日で13.8 グラムモルを電気透析することになるた
め必要な電気量が電流効率が35%として39ファラデ
ィデある。表面積が0.2m2のイオン交換膜で電圧を3
9Vとした場合にイオン交換膜9対を膜間隔距離1mmで
フィルタプレス型スタックとし、25℃において5Aの
電流を流して処理を行った。希釈液の濃度は0.4 ミリ
グラムモル/リットル、濃縮液の濃度は13.9 ミリグ
ラムモル/リットルであった。
【0064】処理済排水の硝酸アンモニウム濃度は0.
4 ミリグラムモル/リットルであり、ごく僅かの硫酸
イオンおよびマグネシウムイオンを含んでいたが図2の
実施例と実質的に相違はなかった。
【0065】一方、回収硝酸中に含まれる硫酸イオンの
濃度は4.7 ミリグラムモル/リットルであり、被処理
排水中に存在した硫酸イオンの硝酸イオンに対するモル
比は1.2% であったところが、回収した硝酸中に存在
した硫酸イオンの硝酸イオンに対するモル濃度比は0.
16%であり、図2の実施例と比較すると12倍高かっ
た。図5の電解透析槽の中央室に対する供給液中のマグ
ネシウムの濃度は図2の実施例の場合と比較して約2倍
高かった。
【0066】図5において硝酸アンモニウムを0.5グ
ラムモル/リットル含む排水の6m3を処理した結果、
電解透析および電気透析に消費された電力は2357k
W時であり、1kgの硝酸アンモニウムを排水から除去
し、硝酸と水酸化アンモニウムを回収するために消費さ
れた透析電力は9.8kW 時であった。
【0067】図5の構成において、図2の実施例と比較
して前置電気透析槽を使用しないにも係らず電力消費量
が大きい理由は電解透析槽における中央室内の硝酸アン
モニウム濃度が低くく、比電気抵抗が大きいため高い電
圧が必要となるためである。硝酸と水酸化アンモニウム
を回収する電解透析槽で電力消費の96%を占め、直列
に接続された3基の電気透析槽で排水から硝酸アンモニ
ウムを除去するための消費電力は4%であった。
【0068】
【発明の効果】電解透析と電気透析の組合せにより、排
水中に含まれる一価イオンの中性塩を低い濃度にまで除
去処理することが可能になるが、本発明によれば、回収
される硝酸の不純物となる硫酸の濃度を1/12にする
ことが可能であり、また、回収される塩基の不純物とな
るマグネシウムの濃度を1/2にすること可能であり、
電解透析槽の運転中に陰極液中で水酸化マグネシウムの
沈殿が析出して運転の障害となる可能性が少なくなる。
【0069】また、本発明により特に酸と塩基を回収す
るために必要な消費電力は従来の技術の組合せと比較し
て著しく節約できる。単位処理量当たりの消費電力量が
本発明によって約1/2となった。これは、前置電気透
析槽によって電解透析槽への供給液が濃縮されているこ
とに基づく効果である。この効果は例えば硝酸ナトリウ
ムを電解透析して硝酸と苛性ソーダを回収する場合にも
同様に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施例であり図1の構成を具
体的に示した一価イオンの中性塩を含む排水の処理装置
の構成図である。
【図3】従来の処理装置の構成を示す図である。
【図4】従来の処理装置の構成図である。
【図5】従来の技術を組み合わせた一価イオンの中性塩
を含む排水の処理の作用説明図である。
【符号の説明】
25…電解透析槽、26…前置電気透析槽、27…第1
段電気透析槽、28…最終段電気透析槽、29…陽イオ
ン交換膜、30…陰イオン交換膜、31…陰極室、32
…中央室、33…陽極室、34…陰極室循環液槽、35
…陽極室循環液槽、36…中央室循環液槽、37…希釈
液室、38…濃縮液室、39…濃縮液循環槽、40…希
釈液循環槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/469 B01D 61/44 - 61/54 510

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶液中の中性塩を、構成する酸と塩基に分
    解して回収する電解透析槽に供給される供給液が被処理
    排水から電気透析によって塩を分離する前置電気透析槽
    の濃縮液であり、前記前置電気透析槽の希釈液は直列に
    接続された複数の主電気透析槽に供給されて塩濃度を低
    下させることを特徴とする一価イオンの中性塩を含む排
    水の処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、直列に接
    続された前記各主電気透析槽の濃縮液室には段の前記
    主電気透析槽の濃縮液が希釈液と逆の方向に順次供給さ
    れ一段目の前記電気透析槽から吐出された濃縮液を、前
    記前置電気透析槽への供給液である前記被処理排水に合
    流させる一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、少なくと
    も一方が一価イオンを選択的に透過するイオン交換膜で
    ある陽イオン交換膜と陰イオン交換膜によって画定され
    た希釈液室及び濃縮液室を有する前置電気透析槽内の前
    記希釈液室に前記被処理排水を供給して電気透析するこ
    とにより塩を前記濃縮液室に移行・濃縮する一価イオン
    の中性塩を含む排水の処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、少なくと
    も一方が一価イオンを選択的に透過するイオン交換膜で
    ある陽イオン交換膜と陰イオン交換膜によって画定され
    た陽極室,中央液室及び陰極室を有する前記電解透析槽
    内の前記中央室に一価イオンの塩を含む排水を供給して
    電解透析することにより塩を構成する一価陰イオンの酸
    と一価陽イオンの塩基に分解し、前記陽極室に酸を、前
    記陰極室に塩基を生成させて回収することを特徴とする
    一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の方法において、一価イオ
    ンの塩を構成する陽イオンがアンモニウムイオンであっ
    て、陰極室に水酸化アンモニウムを生成させ、さらに陰
    極室液からアンモニアを回収する場合に、陰極室液に電
    気伝導性を与えるために強電解質である酸またはアルカ
    リを添加する一価イオンの中性塩を含む排水の処理方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法において、少なくと
    も一方が一価イオンを選択的に透過するイオン交換膜で
    ある陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜によって画定さ
    れる希釈液室及び濃縮液室を有する前記電気透析槽内
    の前記希釈液室に前記前置電気透析槽あるいは前段の前
    記主電気透析槽の希釈液を供給して電気透析することに
    より塩を前記濃縮液室に移行・濃縮する一価イオンの中
    性塩を含む排水の処理方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の方法において、前記電解
    透析槽の中央室の出口液を前記前置電気透析槽への供給
    液である前記被処理排水に還流して合流させる一価イオ
    ンの中性塩を含む排水の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項2または3に記載の方法において、
    前記前置電気透析槽および前記主電気透析槽に含まれる
    複数の希釈液室と濃縮液室においてそれぞれ回分的に供
    給された共通の希釈液と濃縮液が一定の流量で循環さ
    れ、それぞれが所定の濃度に到達するまで電気透析を続
    ける一価イオンの中性塩を含む排水の処理方法。
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