JP3163977B2 - 複合制振構造部材 - Google Patents

複合制振構造部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、高架道路、橋梁、海洋構造物、
工作機械、運搬機械等の制振性を高める素材としての主
板と制振板の面接触を維持する拘束機能と、主板と制振
板の連結耐久性を確保する機能とをおのおの別の部位で
分担させる複合制振構造部材、および構造物表面に金属
板を装着することにより形成される制振性の高い主板と
制振板の面接触を維持する拘束機能と、主板と制振板の
連結耐久性を確保する機能とをおのおの別の部位で分担
させる複合制振構造材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属板の制振性を高める複合
板として、金属板間に樹脂を挿入し樹脂の粘弾性特性か
ら振動を減衰させるものおよび金属板を直接接触させ摩
擦によりエネルギを吸収するものが知られていた。後者
は溶接性、高温耐久性、強度に優れているため、高架道
路、橋梁、海洋構造物、工作機械、運搬機械等への適用
が検討されてきた。
【0003】このような複合板の制振性をさらに向上さ
せるために、金属板間を閉塞し真空としたり(特開昭6
0−76337号公報)、あるいは中板を冷却した状態
で接合し常温での熱膨張で板間接触を増したり(特開昭
61−108549号公報)、あるいは重ね合わせる板
を予め湾曲させて押し付けながら接合することで板間接
触面積を増したりするもの(実開昭61−108549
号公報)が開示されている。また、制振性を増すために
金属板間の接合点密度を制御した複合板(特開昭61−
37317)が知られている。
【0004】従来の複合板では、制振性に重点が置か
れ、使用中の複合板の連結耐久性に関しては十分な考慮
がされていなかった。例えば、従来の複合板では、制振
性を高めるためには接合点の密度を低下させることが有
効であるが、このような接合点密度の低下は連結耐久性
を確実に劣化させる。このため、高架道路、橋梁、海洋
構造物、工作機械、運搬機械等に適用した場合には、主
板の変形によって発生する接合点での応力を緩和し、か
つ主板に重ねた制振板の連結耐久性を確保するため、制
振板の四周を主板に溶接することが行われていた。この
ような四周溶接は、制振性そのものを劣化させるだけで
なく、その施工に多大な作業時間を要し、ひいては複合
板の適用そのものを阻害する場合があった。
【0005】本発明は、使用中の連結耐久性を有しなが
ら、なお高い制振性を確保することができる、主板と制
振板の面接触を維持する拘束機能と、主板と制振板の連
結耐久性を確保する機能とをおのおの別の部位で分担さ
せた複合制振構造部材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の複合
板では主板と制振板の接合において、主板と制振板の面
接触を維持する拘束機能と、これら板同士の連結耐久性
を確保する機能を兼ねさせていたことが、連結耐久性と
制振性を両立させえなかった理由であると推論した。そ
こで、本発明の課題を解決するための手段として、この
拘束機能と連結耐久機能をおのおの別の部位で分担させ
る次の2種類の接合を設けた複合板の試験をおこなっ
た。
【0007】接合:制振板の中央に貫通穴を設け、主
板と溶接またはボルト接合し、この部位で板同士の連結
耐久性を確保する。
【0008】接合:その他の接合点では板の面同士の
接触を保ち摩擦を生じさせる拘束機能のみを目的とする
接合。
【0009】上記試験は、接合においては、制振板の
重量、溶接のとけ込み深さ、またはボルト径の連結耐久
性に及ぼす影響を、また接合においては、板面同士の
接触を維持したうえで曲げなどに伴う板面平行方向への
ずれを許容する拘束の制振性に及ぼす影響を評価するこ
とを目的に行った。
【0010】図1は、実験に用いた複合板を示す図面で
あり、(イ)は接合を溶接による接合としたもの、ま
た(ロ)は接合をボルト接合とした複合板である。
【0011】図2は、接合を溶接としたときの接合部
を表す図面である。(イ)は上面図を、(ロ)は横断面
図を、また(ハ)は(ロ)のA部を拡大した図である。
接合における、荷重分担面積は、π(r0 2−r1 2)で
与えられる。ただし、r0 は、接合の穴の中心から溶
接とけ込み位置までの平均値であり、r1 は接合の穴
の半径である。この荷重分担面積で制振板の重量を除し
た値を溶接による接合の荷重分担応力(kgf/mm
2 )とする。
【0012】また、ボルト接合による接合において
は、制振板の重量をボルトの断面積で除した値を荷重分
担応力とする。
【0013】このような複合板を用いることにより、連
結耐久性を確保し、かつ制振性も高めた複合制振構造部
材を構成する範囲を確認することにより本発明を完成す
ることができた。
【0014】本発明は、下記の連結耐久性を確保するこ
とを目的とする接合と面接触の維持を目的とする緩い
接合からなる接合によって形成された複合制振構造部
材を要旨とする。
【0015】(1)金属板である制振板を金属板である
主板に面同士接触させて摩擦によりエネルギを吸収する
複合制振構造部材における主板と制振板の面接触を維持
する拘束機能と、主板と制振板の連結耐久性を確保する
機能とをおのおの別の部位で分担させる複合制振構造部
材であって、制振板の主板に対する面積比が30%以上
であり、主板と制振板との接合が、主板と制振板とを連
結する下記の接合、および主板と制振板の間に摩擦を
生じさせる下記の接合とからなることを特徴とする複
合制振構造部材。
【0016】接合:主板と制振板との連結耐久性を確
保することを目的とする荷重分担応力0.5kgf/m
2 以下の溶接接合、または荷重分担応力2kgf/m
2 以下のボルト接合。
【0017】接合:主板と制振板の面同士の摩擦を生
じさせることを目的とする拘束の緩い接合。
【0018】(2)主板が構造物の部材であることを特
徴とする上記(1)に記載する複合制振構造部材。
【0019】ここで、“構造部材”とは、素材としての
複合板であってもよいし、既設の構造物表面に制振板が
装着された結果形成される構造部材であってもよい。既
設の構造物表面に制振板を装着する場合には、主板とは
その構造物を構成する金属板とし、通常の意味の構造物
の外表面でも、また、内表面でもよい。また、その表面
は平面に限らず曲面であってもよい。曲面の場合の荷重
分担面積は、実質的に荷重を分担している部分の面積の
合計とする。
【0020】上記(1)における連結耐久性を確保する
ことを目的とする溶接は、一枚の制振板に対して通常1
個所行うが、複数個所行ってもよい。“溶接部の荷重分
担部の応力”とは、1枚の制振板の重量(kgf)を上
記の荷重分担面積(mm2 )で除した値をさす。接合
が複数個所ある場合は、それらの荷重分担面積の和で一
枚の制振板の重量を除した値となる。
【0021】面同士の摩擦を保つことを目的とする“拘
束の緩い接合”である接合とは、例えば、“制振板に
あけたボルト穴の直径が、ボルト直径より大きくボルト
の締結力の小さい接合”などの場合が該当する。この場
合、制振板と主板の面接触は保たれるるが、ボルトの締
結力が小さければ複合板の曲げにともなう板面同士の
“ずれ”は、許容される。接合は一枚の制振板におい
て複数個所行われていることを原則とする。
【0022】“制振板の面積比”とは、主板が制振板に
覆われている部分の面積の主板面積に対する比をさす
が、接合において制振板中央付近に設ける貫通穴の部
分は制振板に覆われている部分から除外する。接合に
おける貫通穴は小さいのでこれを制振板の面積から除外
しなくてもよい。また、既設の構造物に制振板を装着す
る場合は、振動が問題となる構造物の部材の溶接された
各板を主板とし、その各板の面積(主板の面積)に対す
る制振板の面積比をさす。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の限定条件について
説明する。
【0024】1.主板および制振板:主板および制振板
は金属板であれば、鋼、アルミニウム、銅などを問わな
い。最もよく用いられるのは鋼である。主板に該当する
板が既設の構造物の金属板の場合には、ペンキなどの塗
装が施されていてもよいが、後記するボルト固定のため
の溶接個所はこれら塗装は除去して行うことが望まし
い。既設の構造物の表面が曲面の場合には、制振板もそ
の曲面に合致するように加工を行う。
【0025】2.接合:接合においては、制振板の
ほぼ中央に貫通穴を設けて主板に接合を行う。貫通穴の
位置は制振板の重心であることが望ましい。この場合の
主板への接合には、溶接接合とボルト接合の2種類があ
る。
【0026】(a)溶接の場合:溶接による制振板の主
板への接合は、貫通穴の円周に沿って隅肉溶接を施し主
板と連結する。この隅肉溶接部分で複合制振構造部材自
体の連結耐久性を確保する。そのため、制振板の重量に
より発生する溶接部の単位面積当たりの分担荷重、すな
わち荷重分担応力を0.5kgf/mm2以下とする。
荷重分担応力が0.5kgf/mm2 を超えると、連結
耐久性が低下し、橋梁などへ使用した場合、剥離して落
下するなどの事態を生じるので0.5kgf/mm2
下としなければならない。より高い安全性を見込む場合
には、荷重分担応力は0.3kgf/mm2 以下とする
ことが望ましい。
【0027】また、不必要に強固な連結耐久性を確保す
ることは経済的に不利であるから、この荷重分担応力は
0.02kgf/mm2 以上であることが望ましい。
【0028】溶接方法は、小回りのきくシールディッド
・メタル・アーク・溶接(SMAW:いわゆる手溶接)
またはガス・メタル・アーク溶接(GMAW)などを用
いることが好ましい。後記するボルト接合の場合のボル
トの主板への固定溶接方法もこれらSMAWまたはGM
AWなどが使用しやすい。
【0029】(b)ボルト接合の場合:接合をボルト
接合する場合、主板にボルトを溶接等の方法で垂直に固
定し、制振板の貫通穴をボルトに通して制振板を主板に
かぶせナット等を介して締め付けることが望ましい。
【0030】制振板の貫通穴直径は、制振板が主板に密
着するように“ボルト直径にボルト取付け溶接止端長さ
(ボルトまわり環状溶接盛りの径方向長さ分)の2倍を
加えた長さ”より大きくすることが望ましい。制振板貫
通穴直径がこれより小さい場合には貫通穴周縁は主板に
接することができないので制振板は均一に適当な面圧を
保って主板を覆うことができない。なお、締付けに用い
るナットの外形寸法は、制振板貫通穴より大きく、かつ
締付け力が伝達されれば良い。ボルトを主板に固定する
溶接止端部の高さは、ナットの締め付けが行われるため
には、制振板の厚さより低く仕上げられていることが望
ましい。ナットの外径寸法の上限は、上記の締め付けが
行われる範囲でとくに限定しないが、重量増の抑制など
から小さいことが望ましい。
【0031】使用するボルト径および制振板の重量に関
しては、制振板重量をボルト断面積で除した応力(ボル
ト接合の場合の荷重分担応力)が2kgf/mm以下
でなければならない。この応力が2kgf/mm
超えると、連結耐久性が十分確保できない。より高い連
結耐久性を確保するには、1kgf/mm以下とする
ことが望ましい。
【0032】また、荷重分担応力を不必要に低減するた
めに過大な太径ボルトを使用することは大きなコスト負
担を伴うので、ボルト接合の場合の荷重分担応力の下限
は0.1kgf/mm2 とすることが望ましい。
【0033】3.制振板の主板に対する面積比 制振板貫通穴直径の上限値は制振性から規制される。す
なわち、主板の接合面の面積に対する制振板の面積比率
が30%より小さくなると制振性が著しく低下するの
で、それ以上の面積比となるように貫通穴の大きさは制
限されなければならない。この面積比は、より制振性を
高めるためには、50%以上となるようにすることが望
ましく、一方、荷重分担応力を小さくして連結耐久性を
十分確保するために85%以下とすることが望ましい。
【0034】主板が構造物の部材である場合は、前記し
たように振動または騒音の発生源として問題となる部材
の溶接された各板が主板に該当する。例えば四角柱のよ
うな場合は四角の各平面を構成する溶接された各板が主
板となる。この場合、振動または騒音が問題となる面
(部材)を構成する各板の制振板面積比の平均が30%
以上となるようにする。面積比が30%未満では、構造
物の問題となる面の制振性を十分高くできないからであ
る。
【0035】制振板の取り付けの工数を削減するために
大きな制振板が、各板が溶接された面(部材)に装着さ
れる場合があり、このとき主板によっては制振板の面積
比が85%を超えるものも出てくる。その場合には接合
の個数を増やすか、接合の荷重分担応力を下げるた
めに中央付近の貫通穴を大きくして面積比を85%以下
に近づけることが望ましい。
【0036】4.接合 接合の緩い拘束は、ボルト接合により達成することが
できる。複合板同士の面接触を維持する接合を行うた
めに制振板にあけた貫通穴を“周辺貫通穴”と称する。
これらの周辺貫通穴は、ボルトを介して制振板を主板に
接触させるために設けられているが、その目的は上記の
ように接合の中央貫通穴とは全く異なる。すなわち、
周辺貫通穴は制振板と主板を積極的に接触させ、複合制
振鋼板に入力された振動という形態のエネルギを、制振
板と主板との間の摩擦により熱エネルギとして消費する
ことを促進するために設けられる。したがって、制振性
にのみ着目してボルト締付け条件を決定すれば良い。従
来の複合板ではすべての結合点において、強度も分担し
ていたため剛接が必須の条件であった。
【0037】それに対し、本発明の周辺貫通穴では制振
性向上の観点から、剛接ではなく板厚方向のみの緩い拘
束であることが望ましい。つまり、曲げなどにともなっ
て生じる制振板と主板との板面平行方向の相対的なずれ
は許容し、周辺貫通穴位置においても摩擦を起こさせエ
ネルギ消費効率を上げる。
【0038】接合においてボルトの締結力を大きくす
ると剛接の条件に近づき、振動に伴って生じる曲げ変形
において接合付近ではずれが生じにくくなり、制振板
と主板の間に摩擦が起きない結果として制振性が劣化す
る。このような制振性の劣化を避けるためのボルト締結
の一つの態様として、周辺貫通穴の直径は取付けボルト
直径より十分大きくし、周辺貫通穴直径の下限値はボル
ト直径の105%とすることが望ましい。さらに制振性
を高めるには、望ましくは120%とする。さらに、ボ
ルト固定の締付けトルクは、制振板との相対的な変形に
抗し主板と制振板とが接触し始めるトルクが最適であ
る。それ以上のトルクは周辺貫通穴付近のずれ変形を抑
制し制振性を劣化させるし、それより小さければ面接触
が十分に保てない。
【0039】この最適トルク量は、中央貫通穴の固定方
法が溶接の場合、溶接変形により制振板が主板から反れ
る量が異なるので、それを抑え込む必要があり、中央貫
通穴形状、溶接方法、制振板形状、確保したい制振性な
どによって変化する。
【0040】
【実施例】本発明による主板と制振板の面接触を維持す
る拘束機能と、主板と制振板の連結耐久性を確保する機
能とをおのおの別の部位で分担させる複合制振構造部材
の制振性および連結耐久性の効果を試験により確認した
例について説明する。
【0041】表1は、試験に用いた主板および制振板の
寸法を示す。これら板は全て鋼、すなわち鋼板である。
【0042】
【表1】
【0043】制振板の主板に対する取付け(接合)
は、溶接法とボルト接合法の両者とした。表2は、接合
および接合の条件を変化させた試験条件の一覧であ
る。
【0044】表2において、A変形などと記載した制振
板は、制振板面積比を調節するために制振板の四隅を切
断し、制振板面積と制振板重量を減少させたものを指
す。
【0045】
【表2】
【0046】これらの複合制振構造部材について、制振
性および連結耐久性評価の実験を行った。
【0047】表3は、これら試験体の試験の目的を示す
一覧である。制振性および連結耐久性の試験は、それぞ
れ別個の試験体を用いて行った。
【0048】
【表3】
【0049】図3は、制振性を評価する試験方法を示す
図面である。同図に示すように試験体は2点支持でワイ
ヤにより釣下げられた。
【0050】図4は、試験体への打撃方法を示す図面で
ある。重量620gのプラスチックハンマーを鉛直線に
対して30°の位置から自由落下回転運動により試験体
(複合板の場合は制振板側)に衝突させ、衝撃直後から
発生する音圧を試験体の背面(主板)から50mm離れ
た位置に設置したマイクロホンにより測定し、最大音圧
レベルを指標として評価した。比較材として主板と制振
板の厚さの合計に等しい板厚12mmの単板(750m
ml × 250mmw)についても行った。
【0051】連結耐久性を評価する試験では主板の長手
方向に繰返し荷重を負荷して、疲労破断寿命を比較し
た。制振板の形状に関わらず繰返し荷重は同一とし、最
大荷重100tonf、最小荷重10tonfの正弦波
形で負荷した。単板の試験では疲労き裂が十数mm程度
まで成長した繰返し数、従来型の複合制振鋼板では結合
点のいずれかに疲労き裂が発生した繰返し数、本発明に
る主板と制振板の面接触を維持する拘束機能と、主板
と制振板の連結耐久性を確保する機能とをおのおの別の
部位で分担させる複合制振鋼板では接合における貫通
穴に疲労き裂が発生した繰返し数をおのおの疲労破断寿
命とした。
【0052】なお、本発明による主板と制振板の面接触
を維持する拘束機能と、主板と制振板の連結耐久性を確
保する機能とをおのおの別の部位で分担させる複合制振
板の周辺貫通穴では板厚方向にのみ拘束し、面内の応力
は発生しないので、疲労き裂は発生しなかった。
【0053】表4は上記の制振性試験および疲労試験の
結果を示す一覧である。
【0054】
【表4】
【0055】図5は、このうち制振性試験結果を、また
図6は耐久性試験結果を図示したものである。
【0056】従来型の複合板は、制振性は良好であるも
のの、連結耐久性は全く有しないことが判る。これに対
して本発明の主板と制振板の面接触を維持する拘束機能
と、主板と制振板の連結耐久性を確保する機能とをおの
おの別の部位で分担させる複合制振構造部材は制振性に
おいては従来の複合板と同等かそれ以上であり、それに
加えて連結耐久性は単板と遜色ないことが判る。
【0057】これらの実験結果から、本発明による主板
と制振板の面接触を維持する拘束機能と、主板と制振板
の連結耐久性を確保する機能とをおのおの別の部位で分
担させる複合制振構造部材は、制振性と連結耐久性の両
特性に関し、従来の複合板より良好であり、とくに望ま
しい範囲においては際だって優れていることが判る。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、連結耐久性を確保する
接合と制振性を高く保つ拘束の緩い接合とに分けて
接合することにより優れた制振性と連結耐久性を合わせ
て実現できる。したがって、市民生活に近接した高架道
路等の素材としても、また既設構造物に対しても安全性
を確保したうえで制振板を取り付けることができるの
で、今後の都市生活空間形成において非常に重要な位置
を占める構造部材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合制振鋼板をしめす図面である。図
(イ)は溶接の場合を、図(ロ)はボルト接合の場合を
示す。
【図2】接合の溶接部の荷重分担面積を算出する方法
を示す図面である。図(イ)は上面図を、図(ロ)は横
断面図を、図(ハ)は図(ロ)のA部の拡大図を示す。
【図3】制振性試験の試験体の支持方法を示す図面であ
る。
【図4】制振性試験の試験体打撃方法を示す図面であ
る。
【図5】制振性試験の結果を示す図面である。
【図6】疲労試験の結果を示す図面である。
【符号の簡単な説明】
1…主板 2…制振板 3…接合 4…接合 5…試験体 6…ワイヤ 7…支持具 8…プラスチックハンマ 9…マイクロホン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/98 B32B 15/01 F16F 15/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板である制振板を金属板である主板に
    面同士接触させて摩擦によりエネルギを吸収する複合制
    振構造部材における主板と制振板の面接触を維持する拘
    束機能と、主板と制振板の連結耐久性を確保する機能と
    をおのおの別の部位で分担させる複合制振構造部材であ
    って、制振板の主板に対する面積比が30%以上であ
    り、主板と制振板との接合が、主板と制振板とを連結す
    る下記の接合、および主板と制振板の間に摩擦を生じ
    させる下記の接合とからなることを特徴とする複合制
    振構造部材。 接合:主板と制振板との連結耐久性を確保することを
    目的とする荷重分担応力0.5kgf/mm 以下の
    溶接接合、または荷重分担応力2kgf/mm以下の
    ボルト接合。 接合:主板と制振板の面同士の摩擦を生じさせること
    を目的とする拘束の緩い接合。
  2. 【請求項2】主板が構造物の部材であることを特徴とす
    る請求項1に記載する複合制振構造部材。
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