JP3024525B2 - 音波反射率を低下する表層金属板および制振構造部材 - Google Patents
音波反射率を低下する表層金属板および制振構造部材Info
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- JP3024525B2 JP3024525B2 JP7250308A JP25030895A JP3024525B2 JP 3024525 B2 JP3024525 B2 JP 3024525B2 JP 7250308 A JP7250308 A JP 7250308A JP 25030895 A JP25030895 A JP 25030895A JP 3024525 B2 JP3024525 B2 JP 3024525B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高架道路、橋梁、
海洋構造物、工作機械、運搬機械等の静粛性を重視する
機械構造物の表面に点溶接あるいはボルト締めなどによ
り装着することにより、構造物に高い振動減衰率と同時
に低い音波反射率を付与して静粛性を確保しうる表層金
属板およびその表層金属板が表面に装着された構造部材
に関する。
海洋構造物、工作機械、運搬機械等の静粛性を重視する
機械構造物の表面に点溶接あるいはボルト締めなどによ
り装着することにより、構造物に高い振動減衰率と同時
に低い音波反射率を付与して静粛性を確保しうる表層金
属板およびその表層金属板が表面に装着された構造部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋼板あるいは金属板の減衰率
を高めるべく、鋼板や金属板をスポット溶接やボルト締
結で重ね合わせることが行われている。これらの制振金
属板では金属板を重ね合わせることにより、振動エネル
ギを板間の摺動により熱エネルギとして消費している。
この摺動を効率良く行えるように金属板間を閉塞し真空
としたり(特開昭60−76337号公報)、あるいは
中板を冷却した状態で接合し常温での熱膨張で板間接触
を増したり(特開昭60−4049号公報)、あるいは
重ね合わせる板を予め湾曲させて押し付けながら接合す
ることで板間接触を増したり(実開昭61−10854
9号公報)する方法が開示されている。金属板を重ね合
わせる方法以外に、金属板に複数の開口部を設けて、そ
の開口部に粘弾性樹脂を充填する方法も提案されている
(実開平2−88042号公報)。
を高めるべく、鋼板や金属板をスポット溶接やボルト締
結で重ね合わせることが行われている。これらの制振金
属板では金属板を重ね合わせることにより、振動エネル
ギを板間の摺動により熱エネルギとして消費している。
この摺動を効率良く行えるように金属板間を閉塞し真空
としたり(特開昭60−76337号公報)、あるいは
中板を冷却した状態で接合し常温での熱膨張で板間接触
を増したり(特開昭60−4049号公報)、あるいは
重ね合わせる板を予め湾曲させて押し付けながら接合す
ることで板間接触を増したり(実開昭61−10854
9号公報)する方法が開示されている。金属板を重ね合
わせる方法以外に、金属板に複数の開口部を設けて、そ
の開口部に粘弾性樹脂を充填する方法も提案されている
(実開平2−88042号公報)。
【0003】これらの制振鋼板は振動の伝播を抑制する
結果、自ら騒音の発生源とならないようにするためには
有効である。しかし、音波の発信源が他にあって、空気
中を伝播してきた音波がこれら制振金属板に当たった場
合、通常の鋼板と同じように反射する。すなわち、騒音
を吸収することは全く期待できない。
結果、自ら騒音の発生源とならないようにするためには
有効である。しかし、音波の発信源が他にあって、空気
中を伝播してきた音波がこれら制振金属板に当たった場
合、通常の鋼板と同じように反射する。すなわち、騒音
を吸収することは全く期待できない。
【0004】音の発信源が他にある場合、空気中を伝播
してきた音波が材料表面に当たったときに音波が吸収さ
れるかどうかは、材料表面の形状に大きく影響される。
このため、無響室等では木製の楔が壁に使用されること
が多い。無響室のように使用目的の限定された特殊な施
設で吸音材料の検討はなされてきたが、一般構造部材に
使用する金属材料で音波の反射抑制または音波の吸収を
目的とするものは検討された例は稀である。例えば、従
来技術においても、上記した実開平2−88042号公
報に示されるもののように、金属板に開口部を設けたも
のは存在した。
してきた音波が材料表面に当たったときに音波が吸収さ
れるかどうかは、材料表面の形状に大きく影響される。
このため、無響室等では木製の楔が壁に使用されること
が多い。無響室のように使用目的の限定された特殊な施
設で吸音材料の検討はなされてきたが、一般構造部材に
使用する金属材料で音波の反射抑制または音波の吸収を
目的とするものは検討された例は稀である。例えば、従
来技術においても、上記した実開平2−88042号公
報に示されるもののように、金属板に開口部を設けたも
のは存在した。
【0005】しかし、その開口部は振動の減衰特性を確
保するためにのみ設けられたものである。開口部は最終
的には粘弾性樹脂で充填され、使用状態では同一面から
なる平坦な表面形状になる。このため一体型の金属板に
比較すれば音波の反射率はやや低下するものの、金属板
と粘弾性樹脂の間の音響特性の相違はわずかなので、低
下はほとんど無視できる程度である。そのため、開口部
充填型の制振金属板においても、音波は特定の方向に効
率良く反射し、その方向の騒音レベルはきわめて高かっ
た。
保するためにのみ設けられたものである。開口部は最終
的には粘弾性樹脂で充填され、使用状態では同一面から
なる平坦な表面形状になる。このため一体型の金属板に
比較すれば音波の反射率はやや低下するものの、金属板
と粘弾性樹脂の間の音響特性の相違はわずかなので、低
下はほとんど無視できる程度である。そのため、開口部
充填型の制振金属板においても、音波は特定の方向に効
率良く反射し、その方向の騒音レベルはきわめて高かっ
た。
【0006】以下において、制振金属板とは、複数枚の
金属板、とくに鋼板を点溶接あるいはボルト締めなどに
より重ね合わせて減衰率を高めたものをいう。「減衰特
性が優れる」とは、とくに断らないかぎり対数減衰率が
高いことをいい、また減衰率といったとき対数減衰率を
さすものとする。また、構造部材に点溶接、プラグ溶接
あるいはボルト締めなどにより表層金属板もしくは表層
鋼板を取り付けたものを制振構造部材という。構造部材
には構造物に組み込まれることになる単なる金属板ある
いは鋼板も含まれる。また、表層金属板もしくは表層鋼
板とは、制振金属板の表面を形成する金属板もしくは鋼
板をいう。「表層金属板を構造部材に取り付ける」ある
いは「表層金属板を中板に取り付ける」というとき、表
層金属板を構造部材の片側もしくは両側表面に取り付け
ることをいう。とくに構造部材に取り付ける場合、何も
断らなければ、片側表面に取り付けることをいう。ま
た、制振金属板もしくは制振鋼板、あるいは制振構造部
材の重ねられた複数の板のなかで、表層金属板が取り付
けられる金属板を中板という場合がある。
金属板、とくに鋼板を点溶接あるいはボルト締めなどに
より重ね合わせて減衰率を高めたものをいう。「減衰特
性が優れる」とは、とくに断らないかぎり対数減衰率が
高いことをいい、また減衰率といったとき対数減衰率を
さすものとする。また、構造部材に点溶接、プラグ溶接
あるいはボルト締めなどにより表層金属板もしくは表層
鋼板を取り付けたものを制振構造部材という。構造部材
には構造物に組み込まれることになる単なる金属板ある
いは鋼板も含まれる。また、表層金属板もしくは表層鋼
板とは、制振金属板の表面を形成する金属板もしくは鋼
板をいう。「表層金属板を構造部材に取り付ける」ある
いは「表層金属板を中板に取り付ける」というとき、表
層金属板を構造部材の片側もしくは両側表面に取り付け
ることをいう。とくに構造部材に取り付ける場合、何も
断らなければ、片側表面に取り付けることをいう。ま
た、制振金属板もしくは制振鋼板、あるいは制振構造部
材の重ねられた複数の板のなかで、表層金属板が取り付
けられる金属板を中板という場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、金属板の重ね合
わせによる制振金属板では、制振金属板を伝播する振動
に対する減衰率が着目されていた。この減衰率は、制振
金属板が備えなければならない最も基本的な性能であ
る。ところで、制振金属板以外の部位に音波の発信源が
あって、そのような音も減衰させたい場合がある。とく
に人口が集中した都市部の高速道路の周囲にはそのよう
な必要性が高い。このような場合、制振金属板は制振金
属板中を伝播する振動を減衰するだけでなく、離れた騒
音源からの音波の反射を減少させ、制振金属板の表面自
体が二次的な騒音源となることを防ぐ必要がある。
わせによる制振金属板では、制振金属板を伝播する振動
に対する減衰率が着目されていた。この減衰率は、制振
金属板が備えなければならない最も基本的な性能であ
る。ところで、制振金属板以外の部位に音波の発信源が
あって、そのような音も減衰させたい場合がある。とく
に人口が集中した都市部の高速道路の周囲にはそのよう
な必要性が高い。このような場合、制振金属板は制振金
属板中を伝播する振動を減衰するだけでなく、離れた騒
音源からの音波の反射を減少させ、制振金属板の表面自
体が二次的な騒音源となることを防ぐ必要がある。
【0008】しかしながら、従来技術による制振金属板
では、制振金属板中を伝播する振動の減衰特性は優れて
いるものの、離れた騒音源からの音波の反射率は高い。
したがって、音波エネルギは散逸することなく特定方向
に反射し、その特定の方向では騒音レベルはきわめて高
い場合があった。
では、制振金属板中を伝播する振動の減衰特性は優れて
いるものの、離れた騒音源からの音波の反射率は高い。
したがって、音波エネルギは散逸することなく特定方向
に反射し、その特定の方向では騒音レベルはきわめて高
い場合があった。
【0009】本発明は、振動を減衰させるだけでなく、
離れた騒音源からの音波の反射を減少させる高い振動減
衰率と低い音波反射率を兼ね備えた金属製構造物、とく
に鋼構造物を安価に工業的規模で提供することを目的と
する。
離れた騒音源からの音波の反射を減少させる高い振動減
衰率と低い音波反射率を兼ね備えた金属製構造物、とく
に鋼構造物を安価に工業的規模で提供することを目的と
する。
【0010】本説明中、反射率とは、一定の音波を物体
に向けて発したとき物体の表面から反射した音波エネル
ギと、物体がない場合の物体の位置での音波エネルギの
比をいう。しかし、音波は指向性が小さいことと媒質中
の減衰が大きいことから、絶対的な測定は誤差が大きく
特別な目的以外は行われることが少ない。通常は、物体
の表面形状の影響の比較などを行う目的で、反射した音
波のエネルギのみを相対比較する測定のみが行われる。
本説明においても、反射率というとき、相対的な意味で
の大小をいう。
に向けて発したとき物体の表面から反射した音波エネル
ギと、物体がない場合の物体の位置での音波エネルギの
比をいう。しかし、音波は指向性が小さいことと媒質中
の減衰が大きいことから、絶対的な測定は誤差が大きく
特別な目的以外は行われることが少ない。通常は、物体
の表面形状の影響の比較などを行う目的で、反射した音
波のエネルギのみを相対比較する測定のみが行われる。
本説明においても、反射率というとき、相対的な意味で
の大小をいう。
【0011】音波反射率には角度依存性があるので、反
射率というとき厳密には音波の入射角および反射角を指
定しなければならない。しかし、音波は上記したように
空気中で指向性が小さいために、一定の入射角および反
射角で反射率を測定しておけば、その反射率は平均的な
反射率を代表していると考えて差し支えない。
射率というとき厳密には音波の入射角および反射角を指
定しなければならない。しかし、音波は上記したように
空気中で指向性が小さいために、一定の入射角および反
射角で反射率を測定しておけば、その反射率は平均的な
反射率を代表していると考えて差し支えない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、音波の反
射率を低減する表面形状について多くの実験を重ねた結
果、以下に示す穴を設けた表層金属板を構造部材の表面
に取り付けることにより、高い振動の減衰特性と同時に
小さい音波反射率をもつ構造部材を製造できることを確
認した。
射率を低減する表面形状について多くの実験を重ねた結
果、以下に示す穴を設けた表層金属板を構造部材の表面
に取り付けることにより、高い振動の減衰特性と同時に
小さい音波反射率をもつ構造部材を製造できることを確
認した。
【0013】ここに、本発明は以下に示す条件を満たす
貫通穴を設けた表層金属板およびその表層金属板を表面
に取り付けた構造部材からなる(図1および図2参
照)。
貫通穴を設けた表層金属板およびその表層金属板を表面
に取り付けた構造部材からなる(図1および図2参
照)。
【0014】(1)下記(イ)および(ロ)の条件を満
たすように貫通穴が均一に開けられていることを特徴と
する音波反射率を低下する金属板。
たすように貫通穴が均一に開けられていることを特徴と
する音波反射率を低下する金属板。
【0015】(イ)表層金属板中の貫通穴の側面の面積
と、貫通穴がなく連続した金属板であるとした場合のそ
の表層金属板の片側表面積との比αが0.025以上 (ロ)表層金属板の貫通穴を除いた残りの片側表面積
と、貫通穴がなく連続した金属板であるとした場合のそ
の金属板の片側表面積との比βが0.4以上 但し、αおよびβは以下の式で定義される。
と、貫通穴がなく連続した金属板であるとした場合のそ
の表層金属板の片側表面積との比αが0.025以上 (ロ)表層金属板の貫通穴を除いた残りの片側表面積
と、貫通穴がなく連続した金属板であるとした場合のそ
の金属板の片側表面積との比βが0.4以上 但し、αおよびβは以下の式で定義される。
【0016】α=2πrt/D2 、 β=1−π(r/D)2 ここに、π:円周率、r:貫通穴半径(mm)、t:表
層金属板の板厚(mm)、D:貫通穴の中心間隔(m
m) (2)表面部に、前記(1)に記載する表層金属板が装
着されていることを特徴とする音波反射率の低い制振構
造部材。
層金属板の板厚(mm)、D:貫通穴の中心間隔(m
m) (2)表面部に、前記(1)に記載する表層金属板が装
着されていることを特徴とする音波反射率の低い制振構
造部材。
【0017】
1.表面の凹凸:貫通穴 音波の反射率は金属板表面の平坦度に支配される。反射
率を低下させるためには、表面に凹凸を設ける必要があ
る。金属板の表面に凹凸を設けるとき、理論上各種のも
のが考えられる。凹部深さあるいは穴深さを表層金属板
の板厚よりも浅くする形状等も考えられるが、経済性お
よび生産性を考慮すると貫通穴が最適である。貫通穴は
自動溶断あるいは自動打ち抜きなどの方法により安価に
かつ高生産性にて開けることができる。また、貫通穴と
すれば、反射率低減に最も効果のある穴部の側面の面積
を最大にすることができる。
率を低下させるためには、表面に凹凸を設ける必要があ
る。金属板の表面に凹凸を設けるとき、理論上各種のも
のが考えられる。凹部深さあるいは穴深さを表層金属板
の板厚よりも浅くする形状等も考えられるが、経済性お
よび生産性を考慮すると貫通穴が最適である。貫通穴は
自動溶断あるいは自動打ち抜きなどの方法により安価に
かつ高生産性にて開けることができる。また、貫通穴と
すれば、反射率低減に最も効果のある穴部の側面の面積
を最大にすることができる。
【0018】2.貫通穴の平面形状:真円 貫通穴の平面形状は、やはり各種考えられるが、制振金
属板の平面内の主応力軸は任意の角度となる可能性があ
ることから、等方的である必要がある。したがって、貫
通穴の平面形状は真円が最適である。
属板の平面内の主応力軸は任意の角度となる可能性があ
ることから、等方的である必要がある。したがって、貫
通穴の平面形状は真円が最適である。
【0019】3.貫通穴の分布:等方的かつ均一、具体
的には碁盤目状 貫通穴の制振金属板内の配置は、反射率を高める必要が
ある部位で貫通穴の密度を高めることも可能であるが、
制振金属板の生産性等を考慮すると、均等な密度とする
のが最適である。貫通穴を均等密度に配置するには、複
数の方法が存在する。しかし、制振金属板は通常、強度
および耐食性の観点から四周部を溶接する場合が多い。
この場合、溶接性の観点から溶接線は直線となることが
望まれるので、貫通穴中心が碁盤目状となる均等密度の
配置が最適である。
的には碁盤目状 貫通穴の制振金属板内の配置は、反射率を高める必要が
ある部位で貫通穴の密度を高めることも可能であるが、
制振金属板の生産性等を考慮すると、均等な密度とする
のが最適である。貫通穴を均等密度に配置するには、複
数の方法が存在する。しかし、制振金属板は通常、強度
および耐食性の観点から四周部を溶接する場合が多い。
この場合、溶接性の観点から溶接線は直線となることが
望まれるので、貫通穴中心が碁盤目状となる均等密度の
配置が最適である。
【0020】4.表層金属板の厚さ、貫通穴の直径およ
び貫通穴の中心間隔:α≧0.025かつβ≧0.4 (1)α≧0.025 均等密度の真円貫通穴をもつ制振金属板の残りの制御因
子は、貫通穴の直径2rおよび貫通穴中心間隔Dの2つ
である。これら直径と間隔は、つぎに述べるように、音
波の反射率と振動の減衰特性によって決定される。すな
わち、音波の反射率を低減するには可能な範囲で直径を
大きくして穴の間隔を小さくすることが望まれる。一
方、貫通穴が配置された金属板を構造部材等の他の金属
板の表面に装着して振動の減衰率を充分高いレベルで維
持するには、金属板間の接触面積を大きくとることが好
ましい。したがって、貫通穴の直径を小さくし、貫通穴
の間隔を大きくする必要がある。
び貫通穴の中心間隔:α≧0.025かつβ≧0.4 (1)α≧0.025 均等密度の真円貫通穴をもつ制振金属板の残りの制御因
子は、貫通穴の直径2rおよび貫通穴中心間隔Dの2つ
である。これら直径と間隔は、つぎに述べるように、音
波の反射率と振動の減衰特性によって決定される。すな
わち、音波の反射率を低減するには可能な範囲で直径を
大きくして穴の間隔を小さくすることが望まれる。一
方、貫通穴が配置された金属板を構造部材等の他の金属
板の表面に装着して振動の減衰率を充分高いレベルで維
持するには、金属板間の接触面積を大きくとることが好
ましい。したがって、貫通穴の直径を小さくし、貫通穴
の間隔を大きくする必要がある。
【0021】まず、音波の反射率は、上記したように金
属板の凹凸の程度により決定される。本発明では金属板
の凹凸を表す指標として、貫通穴側面の面積と、貫通穴
がなく連続した金属板であるとした場合のその表層金属
板の面積(貫通穴を開ける前の表層金属板の面積)との
比αを用いた。
属板の凹凸の程度により決定される。本発明では金属板
の凹凸を表す指標として、貫通穴側面の面積と、貫通穴
がなく連続した金属板であるとした場合のその表層金属
板の面積(貫通穴を開ける前の表層金属板の面積)との
比αを用いた。
【0022】音波の反射率を有効に低減する部位は貫通
穴の側面である。その側面の面積を、表層板の貫通穴が
なく連続した金属板であるとした場合のその表層金属板
の面積(貫通穴を開ける前の表層金属板の面積)で除し
て無次元化したものが指標αである。図1は、上記した
貫通穴つきの表層金属板を表面に取り付けた制振金属板
を示す図面である。
穴の側面である。その側面の面積を、表層板の貫通穴が
なく連続した金属板であるとした場合のその表層金属板
の面積(貫通穴を開ける前の表層金属板の面積)で除し
て無次元化したものが指標αである。図1は、上記した
貫通穴つきの表層金属板を表面に取り付けた制振金属板
を示す図面である。
【0023】また、図2は表層金属板中の貫通穴の穴自
体を模式的に示した図面である。以下に具体例として、
図1に示す碁盤目状に均等密度で貫通穴が配置された場
合に、点線で囲まれた領域に対して、前述の指標αおよ
びβを計算する。
体を模式的に示した図面である。以下に具体例として、
図1に示す碁盤目状に均等密度で貫通穴が配置された場
合に、点線で囲まれた領域に対して、前述の指標αおよ
びβを計算する。
【0024】貫通穴の中心間の間隔をD(mm)とする
と、点線で囲まれた貫通穴開口前の平板の面積は9D2
(mm2 )となる。また、貫通穴の半径をr(mm)と
し表層金属板の厚さをt(mm)とすると、貫通穴1個
あたりの側面の面積は2πrt(mm2 )である。点線
で囲まれた部分では9個の貫通穴が存在する(角は1/
4個、辺上は1/2個、内部は1個と数える)ので、合
計18πrt(mm2)となる。したがって上記の指標
αは(18πrt)/(9D2 )=2πrt/D2 とな
る。この値は、点線で囲まれた部分の繰り返しにより、
本金属板を覆うことができるので、平均値である。指標
αは、貫通穴の半径r(mm)が貫通穴の間隔D(m
m)の1/2のとき、すなわち貫通穴同士が接すると
き、最大となる。
と、点線で囲まれた貫通穴開口前の平板の面積は9D2
(mm2 )となる。また、貫通穴の半径をr(mm)と
し表層金属板の厚さをt(mm)とすると、貫通穴1個
あたりの側面の面積は2πrt(mm2 )である。点線
で囲まれた部分では9個の貫通穴が存在する(角は1/
4個、辺上は1/2個、内部は1個と数える)ので、合
計18πrt(mm2)となる。したがって上記の指標
αは(18πrt)/(9D2 )=2πrt/D2 とな
る。この値は、点線で囲まれた部分の繰り返しにより、
本金属板を覆うことができるので、平均値である。指標
αは、貫通穴の半径r(mm)が貫通穴の間隔D(m
m)の1/2のとき、すなわち貫通穴同士が接すると
き、最大となる。
【0025】図3は金属板が両方とも鋼板である場合、
その制振鋼板の無次元化反射率に及ぼす指標αの影響を
表す図である。ここで、無次元化反射率とは、貫通穴を
開けた表層金属板を取り付けた制振金属板の反射率に対
する貫通穴のない表層金属板を取り付けた制振金属板の
反射率の比をいう。同図において、貫通穴の効果が明瞭
に現れるのは、指標αが0.025以上の場合であり、
0.13以上で効果が飽和する。この値は金属板とし
て、鋼板以外の金属を用いた場合でもほとんど変化しな
い。したがって、金属板の材料としては、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、チタン等の金属、およびアルミニウ
ム合金、銅合金、ニッケル合金、チタン合金等を用いて
もよい。鋼板として、各種のステンレス鋼板も、当然、
用いることができる。
その制振鋼板の無次元化反射率に及ぼす指標αの影響を
表す図である。ここで、無次元化反射率とは、貫通穴を
開けた表層金属板を取り付けた制振金属板の反射率に対
する貫通穴のない表層金属板を取り付けた制振金属板の
反射率の比をいう。同図において、貫通穴の効果が明瞭
に現れるのは、指標αが0.025以上の場合であり、
0.13以上で効果が飽和する。この値は金属板とし
て、鋼板以外の金属を用いた場合でもほとんど変化しな
い。したがって、金属板の材料としては、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、チタン等の金属、およびアルミニウ
ム合金、銅合金、ニッケル合金、チタン合金等を用いて
もよい。鋼板として、各種のステンレス鋼板も、当然、
用いることができる。
【0026】なお、表層金属板の厚さtは、上記の指標
αが0.025以上となる厚さであればよい。通常、構
造部材の板厚の10〜100%の板厚が使用される。1
0%未満では指標αが小さく、充分低い音波反射率が得
られず、100%を超えると構造物全体の重量が増えす
ぎるからである。
αが0.025以上となる厚さであればよい。通常、構
造部材の板厚の10〜100%の板厚が使用される。1
0%未満では指標αが小さく、充分低い音波反射率が得
られず、100%を超えると構造物全体の重量が増えす
ぎるからである。
【0027】(2)β≧0.4 振動に対する減衰特性は金属板間の接触面積により支配
されることが知られている。以下の説明では、貫通穴の
開いていない部分の表層金属板はすべて中板もしくは構
造部材に接触しているとして接触面積を計算する。図1
の点線で囲まれた部位を対象に、貫通穴を開けた表層金
属板の接触面積と貫通穴がなく連続した金属板であると
した場合のその表層金属板の面積(貫通穴を開ける前の
表層金属板の面積)との比βを求める。貫通穴を開けた
金属板の接触面積は、貫通穴以外の部分は全て中板に接
触しているとして、9D2 −9πr2 (mm2 )と求ま
る。したがって、指標β=(9D2 −9πr2 )/(9
D2 )=1−π(r/D)2 となる。指標βは、貫通穴
がない場合、すなわちr=0の場合が最大で、最大値1
をとる。最小値は貫通穴同士が接触した場合すなわちr
=D/2(mm)の場合で、最小のβ=0.215であ
る。
されることが知られている。以下の説明では、貫通穴の
開いていない部分の表層金属板はすべて中板もしくは構
造部材に接触しているとして接触面積を計算する。図1
の点線で囲まれた部位を対象に、貫通穴を開けた表層金
属板の接触面積と貫通穴がなく連続した金属板であると
した場合のその表層金属板の面積(貫通穴を開ける前の
表層金属板の面積)との比βを求める。貫通穴を開けた
金属板の接触面積は、貫通穴以外の部分は全て中板に接
触しているとして、9D2 −9πr2 (mm2 )と求ま
る。したがって、指標β=(9D2 −9πr2 )/(9
D2 )=1−π(r/D)2 となる。指標βは、貫通穴
がない場合、すなわちr=0の場合が最大で、最大値1
をとる。最小値は貫通穴同士が接触した場合すなわちr
=D/2(mm)の場合で、最小のβ=0.215であ
る。
【0028】図4は、制振鋼板の場合の減衰特性(打撃
音での最大音圧レベル)に及ぼす指標βの影響を表す図
である。打撃音の最大音圧レベルは、感覚的には打撃を
与えた瞬間に発する音のエネルギに対応する。その音
は、短い時間ではあるが打撃を受けた部分が変形しその
変形が材料中を伝播してはじめて発生するので、最大音
圧レベルは減衰特性を適切に評価する指標である。同図
より、最大音圧が5dB以上余裕をもって低くなるため
には、指標βは0.4以上でなければならず、望ましい
のは0.5以上であることが分かる。これらの数値は鋼
板以外の金属板、例えば銅板、アルミ板あるいはニッケ
ル板などについてほとんど同じである。dB(デシベ
ル)は基準となる音の音圧に対して測定対象の音が何倍
の音圧であるかを対数表示する単位である。
音での最大音圧レベル)に及ぼす指標βの影響を表す図
である。打撃音の最大音圧レベルは、感覚的には打撃を
与えた瞬間に発する音のエネルギに対応する。その音
は、短い時間ではあるが打撃を受けた部分が変形しその
変形が材料中を伝播してはじめて発生するので、最大音
圧レベルは減衰特性を適切に評価する指標である。同図
より、最大音圧が5dB以上余裕をもって低くなるため
には、指標βは0.4以上でなければならず、望ましい
のは0.5以上であることが分かる。これらの数値は鋼
板以外の金属板、例えば銅板、アルミ板あるいはニッケ
ル板などについてほとんど同じである。dB(デシベ
ル)は基準となる音の音圧に対して測定対象の音が何倍
の音圧であるかを対数表示する単位である。
【0029】なお、図4に示す試験結果は以下の供試体
および試験方法によって得られた。
および試験方法によって得られた。
【0030】供試体は板厚9mm×長さ750mm×幅
250mmの鋼板の構造部材に対して同じ長さおよび幅
の板厚1.6mmの表層鋼板をスポット溶接にて取り付
けた。
250mmの鋼板の構造部材に対して同じ長さおよび幅
の板厚1.6mmの表層鋼板をスポット溶接にて取り付
けた。
【0031】試験はハンマ−振上げ角度15゜と30゜
の2水準により、ハンマ−打撃により最大音圧レベルを
測定し、減衰特性の指標とした。振上げ角度15゜と3
0゜で、傾向に相違は認められなかった。なお、表層金
属板の板厚の影響は、減衰特性を表す指標βには明瞭に
現れないが、減衰特性に実際に影響をもち、通常、中板
の板厚の1/2程度が最も減衰率が低い。
の2水準により、ハンマ−打撃により最大音圧レベルを
測定し、減衰特性の指標とした。振上げ角度15゜と3
0゜で、傾向に相違は認められなかった。なお、表層金
属板の板厚の影響は、減衰特性を表す指標βには明瞭に
現れないが、減衰特性に実際に影響をもち、通常、中板
の板厚の1/2程度が最も減衰率が低い。
【0032】5.構造部材への取り付け 構造部材への取り付けは点溶接、プラグ溶接、表層金属
板の構造部材への四周溶接あるいはボルト締結により容
易に行うことができる。プラグ溶接とは表層金属板に小
孔を開けその部位の構造部材または中板に肉盛溶接して
小孔に栓をするようにして表層金属板を取り付ける溶接
法をいう。平面の構造部材の場合が最も容易であるが、
曲面の場合でもよい。その場合は表層金属板をその曲面
形状にできるだけ近づけた形状にプレス等により加工し
て、重ね合わせて取り付ける。点溶接などの接合点密度
をあまり高めすぎると減衰特性が劣化するが、碁盤目状
の貫通穴の間で接合する程度の密度であれば、接合点密
度の減衰特性への影響は小さい。この範囲であれば、経
済性と接合の堅牢性との兼ね合いで決めることができ
る。
板の構造部材への四周溶接あるいはボルト締結により容
易に行うことができる。プラグ溶接とは表層金属板に小
孔を開けその部位の構造部材または中板に肉盛溶接して
小孔に栓をするようにして表層金属板を取り付ける溶接
法をいう。平面の構造部材の場合が最も容易であるが、
曲面の場合でもよい。その場合は表層金属板をその曲面
形状にできるだけ近づけた形状にプレス等により加工し
て、重ね合わせて取り付ける。点溶接などの接合点密度
をあまり高めすぎると減衰特性が劣化するが、碁盤目状
の貫通穴の間で接合する程度の密度であれば、接合点密
度の減衰特性への影響は小さい。この範囲であれば、経
済性と接合の堅牢性との兼ね合いで決めることができ
る。
【0033】
【実施例】本願発明に係る制振構造部材が保有する高い
減衰特性および低い音波反射率を実際の例により示す。
実施例はすべて鋼についての例である。図5は実験に供
したI型部材の形状および寸法を示す図面である。表層
鋼板1は板厚2mmおよび4mmの冷延鋼板である。こ
の鋼板に機械加工により真円貫通穴2を碁盤目状に等間
隔で開けた。これを補強材7を取り付けた板厚8mmの
構造用鋼板からなるI型部材6に点(スポット)溶接で
取り付けて制振構造部材とした。
減衰特性および低い音波反射率を実際の例により示す。
実施例はすべて鋼についての例である。図5は実験に供
したI型部材の形状および寸法を示す図面である。表層
鋼板1は板厚2mmおよび4mmの冷延鋼板である。こ
の鋼板に機械加工により真円貫通穴2を碁盤目状に等間
隔で開けた。これを補強材7を取り付けた板厚8mmの
構造用鋼板からなるI型部材6に点(スポット)溶接で
取り付けて制振構造部材とした。
【0034】スポット溶接におけるスポット溶接部4、
すなわちナゲット径(鋼板表面にできる溶接電極の痕跡
の径)の狙い値は表層鋼板の板厚2mmおよび4mmの
それぞれに対して1.5mmおよび2mmと設定した。
スポット溶接部位は隣合う貫通穴4個の中心位置とし
た。表1および2は、それぞれ表層鋼板の板厚2mmお
よび4mmの場合の、本発明例および比較例の貫通穴の
半径および間隔の条件を示す一覧表である。
すなわちナゲット径(鋼板表面にできる溶接電極の痕跡
の径)の狙い値は表層鋼板の板厚2mmおよび4mmの
それぞれに対して1.5mmおよび2mmと設定した。
スポット溶接部位は隣合う貫通穴4個の中心位置とし
た。表1および2は、それぞれ表層鋼板の板厚2mmお
よび4mmの場合の、本発明例および比較例の貫通穴の
半径および間隔の条件を示す一覧表である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】図5に示すI型部材の両端を単純支持し、
中央部に油圧シリンダ−にて打撃を加え、打撃音の減衰
特性を評価した。
中央部に油圧シリンダ−にて打撃を加え、打撃音の減衰
特性を評価した。
【0038】図6は音波の反射率の測定方法を示す図で
ある。同図に示す位置にスピ−カ−8、指向性マイクロ
フォン9およびI型部材6を配置して、スピ−カ−から
ホワイトノイズ(可聴域全域の周波数が混在した音)を
発して反射率を測定した。
ある。同図に示す位置にスピ−カ−8、指向性マイクロ
フォン9およびI型部材6を配置して、スピ−カ−から
ホワイトノイズ(可聴域全域の周波数が混在した音)を
発して反射率を測定した。
【0039】表3および4は、それぞれ表層鋼板の板厚
2mmおよび4mmの場合の打撃音の最大音圧レベルを
測定し評価した結果を表す。評価は3ランクに分類し
た。表5および6はそれぞれ表層鋼板の板厚2mmおよ
び4mmの場合の反射率を測定し評価した結果を表す。
同表においても、評価は3ランクに分類した。これら表
において「貫通穴が重なる」とは、貫通穴の半径が貫通
穴の間隔の1/2より大きい場合をいい、貫通穴が連結
して、表層鋼板が一つに連結した鋼板となり得ない状態
を指す。
2mmおよび4mmの場合の打撃音の最大音圧レベルを
測定し評価した結果を表す。評価は3ランクに分類し
た。表5および6はそれぞれ表層鋼板の板厚2mmおよ
び4mmの場合の反射率を測定し評価した結果を表す。
同表においても、評価は3ランクに分類した。これら表
において「貫通穴が重なる」とは、貫通穴の半径が貫通
穴の間隔の1/2より大きい場合をいい、貫通穴が連結
して、表層鋼板が一つに連結した鋼板となり得ない状態
を指す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】表7および8は、それぞれ表層鋼板の板厚
2mmおよび4mmの場合の減衰特性および反射率の両
方の性能を評価した一覧表である。同表から、本発明に
係る表層金属板の形状の構成は、減衰特性および音波反
射特性を同時に優れたものとする貫通穴半径および貫通
穴間隔の組み合わせであることが分かる。
2mmおよび4mmの場合の減衰特性および反射率の両
方の性能を評価した一覧表である。同表から、本発明に
係る表層金属板の形状の構成は、減衰特性および音波反
射特性を同時に優れたものとする貫通穴半径および貫通
穴間隔の組み合わせであることが分かる。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【発明の効果】構造部材の表面に本願発明に係る表層金
属板を取り付けることにより、従来から知られる摺動に
よる振動の減衰効果に加えて、他の騒音源からの音波反
射率をも減少させ、構造部材付近の静粛性を確保しう
る。このような構造部材は人口の集中した都市部で切望
されてきたものであり、騒音に苦しめられてきた多くの
市民およびその解決に苦慮してきた技術者にきわめて有
効な手段を提供する。本表層金属板は自動溶断あるいは
自動打ち抜きなどの方法により安価にかつ高生産性にて
製造でき、また表層金属板の構造部材への取り付けは、
点溶接、プラグ溶接、四周溶接あるいはボルト締結など
により簡易に行うことができる。
属板を取り付けることにより、従来から知られる摺動に
よる振動の減衰効果に加えて、他の騒音源からの音波反
射率をも減少させ、構造部材付近の静粛性を確保しう
る。このような構造部材は人口の集中した都市部で切望
されてきたものであり、騒音に苦しめられてきた多くの
市民およびその解決に苦慮してきた技術者にきわめて有
効な手段を提供する。本表層金属板は自動溶断あるいは
自動打ち抜きなどの方法により安価にかつ高生産性にて
製造でき、また表層金属板の構造部材への取り付けは、
点溶接、プラグ溶接、四周溶接あるいはボルト締結など
により簡易に行うことができる。
【図1】図1は、貫通穴を設けた表層金属板からなる制
振金属板を示す図面である。
振金属板を示す図面である。
【図2】図2は表層金属板中の貫通穴の穴自体を模式的
に示した図面である。
に示した図面である。
【図3】図3は無次元化反射率に及ぼす指標αの影響を
表す図面である。
表す図面である。
【図4】図4は、減衰特性(最大音圧レベル)に及ぼす
指標βの影響を表す図面である。
指標βの影響を表す図面である。
【図5】図5は実験に供したI型部材の形状および寸法
を示す図面である。
を示す図面である。
【図6】図6は音波の反射率の測定方法を示す図であ
る。
る。
1…表層金属板、2…貫通穴、3…構造部材、4…スポ
ット溶接部、5…四周溶接、6…I型部材、7…補強
材、8…スピーカー、9…指向性マイクロフォン、10
…アンプ、11…ノイズ発生器、12…騒音発生器
ット溶接部、5…四周溶接、6…I型部材、7…補強
材、8…スピーカー、9…指向性マイクロフォン、10
…アンプ、11…ノイズ発生器、12…騒音発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−76337(JP,A) 特開 昭60−4049(JP,A) 特開 昭53−103616(JP,A) 実開 平2−88042(JP,U) 実開 昭61−108549(JP,U) 実開 昭56−125923(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/98 E04B 1/86 G10K 11/172
Claims (2)
- 【請求項1】下記(イ)および(ロ)の条件を満たすよ
うに貫通穴が均一に開けられていることを特徴とする音
波反射率を低下する金属板。 (イ)表層金属板中の貫通穴の側面の面積と、貫通穴が
なく連続した金属板であるとした場合のその表層金属板
の片側表面積との比αが0.025以上 (ロ)表層金属板の貫通穴を除いた残りの片側表面積
と、貫通穴がなく連続した金属板であるとした場合のそ
の金属板の片側表面積との比βが0.4以上 但し、αおよびβは以下の式で定義される。 α=2πrt/D2 、 β=1−π(r/D)2 ここに、π:円周率、r:貫通穴半径(mm)、t:表
層金属板の板厚(mm)、D:貫通穴の中心間隔(m
m) - 【請求項2】表面部に、請求項1に記載する表層金属板
が装着されていることを特徴とする音波反射率の低い制
振構造部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7250308A JP3024525B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 音波反射率を低下する表層金属板および制振構造部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7250308A JP3024525B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 音波反射率を低下する表層金属板および制振構造部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0988206A JPH0988206A (ja) | 1997-03-31 |
JP3024525B2 true JP3024525B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17205981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7250308A Expired - Fee Related JP3024525B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 音波反射率を低下する表層金属板および制振構造部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3024525B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7600609B2 (en) | 2006-03-31 | 2009-10-13 | Yamaha Corporation | Sound-absorbing panel and production method of the same |
CN102439239A (zh) * | 2009-07-24 | 2012-05-02 | 青钢金属建材股份有限公司 | 在金属板材制作微孔的方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114775830A (zh) * | 2022-06-22 | 2022-07-22 | 中国建筑第六工程局有限公司 | 一种基于声子晶体的建筑隔震橡胶支座 |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP7250308A patent/JP3024525B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7600609B2 (en) | 2006-03-31 | 2009-10-13 | Yamaha Corporation | Sound-absorbing panel and production method of the same |
CN102439239A (zh) * | 2009-07-24 | 2012-05-02 | 青钢金属建材股份有限公司 | 在金属板材制作微孔的方法 |
CN102439239B (zh) * | 2009-07-24 | 2013-11-13 | 青钢金属建材股份有限公司 | 在金属板材制作微孔的方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0988206A (ja) | 1997-03-31 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |