JP3163252B2 - ピニオンの潤滑構造 - Google Patents

ピニオンの潤滑構造

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JP3163252B2 JP12614496A JP12614496A JP3163252B2 JP 3163252 B2 JP3163252 B2 JP 3163252B2 JP 12614496 A JP12614496 A JP 12614496A JP 12614496 A JP12614496 A JP 12614496A JP 3163252 B2 JP3163252 B2 JP 3163252B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーシングの内部
で回転するキャリヤ部材にピニオンシャフトを介して支
持したピニオンを潤滑するためのピニオンの潤滑構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】遊星歯車機構等のキャリヤ部材のピニオ
ンシャフトに支持したピニオンを潤滑する場合、従来は
油圧ポンプから供給されるオイルをキャリヤ部材の内部
及びピニオンシャフトの内部に形成した油路を通してピ
ニオンに供給して潤滑するか、或いはキャリヤ部材がケ
ーシングの底部から跳ね上げたオイルでピニオンを潤滑
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の手法を採用した場合、油圧ポンプや複雑な油路が必
要となって部品点数及びコストが増加するだけでなく、
それらを設けるスペースが必要となって装置が大型化す
る問題がある。また後者の方法を採用した場合、キャリ
ヤ部材が跳ね上げたオイルの飛沫だけでピニオンを充分
に潤滑することが難しいという問題があった。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、油圧ポンプ等の特別のオイル供給手段や複雑なオイ
ル供給通路を必要とせずに、ピニオンを確実に潤滑する
ことが可能なピニオンの潤滑構造を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、ケーシングの内部に
形成したキャリヤ部材支持部にキャリヤ部材を回転自在
に支持し、このキャリヤ部材に設けたピニオンシャフト
に回転自在に支持したピニオンの内周面を潤滑すべく、
キャリヤ部材がケーシングの底部から跳ね上げるオイル
をピニオンシャフトの内径孔を通して前記ピニオンの内
周面に供給するピニオンの潤滑構造であって、キャリヤ
部材がケーシングの底部から周方向に跳ね上げたオイル
が衝突するリブをケーシングの内壁に突設するととも
に、このリブに衝突したオイルをピニオンシャフトの内
径孔に導くオイル通路を前記キャリヤ部材支持部に形成
したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0007】図1〜図8は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車両の動力伝達系を示すスケルトン図、図2
は図1の2部拡大図、図3は図1の3部拡大図、図4は
油圧回路の第1分図、図5は油圧回路の第2分図、図6
は図3の要部拡大図、図7は図6の7方向矢視図、図8
は図3の要部拡大図である。
【0008】図1に示すように、車体前部に横置きに搭
載したエンジンEの右端にトランスミッションMが接続
されており、これらエンジンE及びトランスミッション
Mの後部に駆動力配分装置Tが配設される。駆動力配分
装置Tの左端及び右端から左右に延出する左ドライブシ
ャフトAL 及び右ドライブシャフトAR には、それぞれ
駆動輪である左前輪WFL及び右前輪WFRが接続される。
【0009】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛合する外
歯ギヤ3から駆動力が伝達されるディファレンシャルD
に接続される。ディファレンシャルDはダブルピニオン
式の遊星歯車機構よりなり、前記外歯ギヤ3と一体に形
成されたリングギヤ4と、このリングギヤ4の内部に同
軸に配設されたサンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛合
するアウタプラネタリギヤ6…及び前記サンギヤ5に噛
合するインナプラネタリギヤ7…とを、それらが相互に
噛合する状態で支持するプラネタリキャリヤ8とから構
成される。前記ディファレンシャルDは、そのリングギ
ヤ4が入力要素として機能するとともに、一方の出力要
素として機能するサンギヤ5がハーフシャフト9を介し
て左ドライブシャフトAL に接続され、また他方の出力
要素として機能するプラネタリキャリヤ8が右ドライブ
シャフトAR に接続される。
【0010】ハーフシャフト9の外周に回転自在に支持
されたキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配
置された4本のピニオンシャフト12…を備えており、
第1ピニオン13、第2ピニオン14及び第3ピニオン
15を一体に形成した3連ピニオン部材16…が、各ピ
ニオンシャフト12…にそれぞれ回転自在に支持され
る。3連ピニオン部材16…の数は実施例では4個であ
るが、その数は4個に限定されず2個以上であれば良
い。
【0011】ハーフシャフト9の外周に回転自在に支持
されて前記第1ピニオン13に噛合する第1サンギヤ1
7は、ディファレンシャルDのプラネタリキャリヤ8に
連結される。またハーフシャフト9の外周に固定された
第2サンギヤ18は前記第2ピニオン14に噛合する。
更に、ハーフシャフト9の外周に回転自在に支持された
第3サンギヤ19は前記第3ピニオン15に噛合する。
【0012】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数は以下のと
おりである。
【0013】 第1ピニオン13の歯数 P1 =16 第2ピニオン14の歯数 P2 =16 第3ピニオン15の歯数 P3 =32 第1サンギヤ17の歯数 S1 =30 第2サンギヤ18の歯数 S2 =26 第3サンギヤ19の歯数 S3 =28 従って、相互に噛合する第1ピニオン13及び第1サン
ギヤ17のギヤ比をR 1 (=P1 /S1 )とし、相互に
噛合する第2ピニオン14及び第2サンギヤ15のギヤ
比をR2 (=P2 /S2 )とし、相互に噛合する第3ピ
ニオン15及び第3サンギヤ19のギヤ比をR3 (=P
3 /S3 )とすると、 R1 :R2 :R3 =16/30:16/26:32/28 =1.00:1.15:2.14 になる。
【0014】第3サンギヤ19は左油圧クラッチCL
介してケーシング20に結合可能であり、左油圧クラッ
チCL の係合によりキャリヤ部材11の回転数が増速さ
れる。またキャリヤ部材11は右油圧クラッチCR を介
してケーシング20に結合可能であり、右油圧クラッチ
R の係合によりキャリヤ部材11の回転数が減速され
る。
【0015】そして、前記左油圧クラッチCL 及び右油
圧クラッチCR は、車速センサ10a、操舵角センサ1
0b及び横加速度センサ10cからの信号が入力される
電子制御ユニットUにより油圧回路Hを介して制御され
る。
【0016】次に、図2に基づいてディファレンシャル
Dの構造を更に説明する。
【0017】ディファレンシャルDは、トランスミッシ
ョンMのケーシングを構成する左ケーシング21及び右
ケーシング22の内部に収納される。左ケーシング21
に設けたローラベアリング23と右ケーシング22に設
けたローラベアリング24とに、外周に前記外歯ギヤ3
を備えたディファレンシャルギヤボックス25が回転自
在に支持される。ディファレンシャルギヤボックス25
の内部には前記プラネタリキャリヤ8が回転自在に支持
されており、プラネタリキャリヤ8の左側中心にスプラ
イン結合された第1スリーブ26がディファレンシャル
ギヤボックス25及び左ケーシング21を貫通して左側
に延出するとともに、プラネタリキャリヤ8の右側中心
にスプライン結合された右ドライブシャフトAR がディ
ファレンシャルギヤボックス25及び右ケーシング22
を貫通して右側に延出する。
【0018】プラネタリキャリヤ8の中心にニードルベ
アリング27を介して回転自在に支持された前記サンギ
ヤ5の中心に、2分割された前記ハーフシャフト9の右
シャフト半体28がスプライン結合される。プラネタリ
キャリヤ8に設けた複数のプラネタリギヤシャフト29
…に、ディファレンシャルギヤボックス25に設けたリ
ングギヤ4に噛合する前記アウタプラネタリギヤ6…
と、サンギヤ5に噛合する前記インナプラネタリギヤ7
…とが支持される(図2にはアウタプラネタリギヤ6の
み図示)。
【0019】次に、図3に基づいて駆動力配分装置Tの
構造を更に説明する。
【0020】駆動力配分装置Tのケーシング20は、軸
方向に3分割された左ケーシング30、中央ケーシング
31及び右ケーシング32を備える。右ケーシング32
には前記第1スリーブ26の左端にスプライン結合され
た第2スリーブ33がボールベアリング34を介して支
持されており、この第2スリーブ33の内部に前記ハー
フシャフト9の左シャフト半体35がニードルベアリン
グ36,36を介して回転自在に支持される。スプライ
ン結合された第1スリーブ26及び第2スリーブ33の
内部に収納されたハーフシャフト9は、右シャフト半体
28の左端内周に左シャフト半体35の右端外周が同軸
に嵌合して一体にスプライン結合される。ボールベアリ
ング37を介して左ケーシング30に支持されたハーフ
シャフト9の左シャフト半体35の左端は、左ケーシン
グ30から外部に延出して前記左ドライブシャフトAL
にスプライン結合される。
【0021】中央ケーシング31の内部一体に形成され
たクラッチハウジング38と右ケーシング32とに、一
対のボールベアリング39,40を介して前記キャリヤ
部材11が回転自在に支持される。キャリヤ部材11に
設けた複数本のピニオンシャフト12…に、第1ピニオ
ン13、第2ピニオン14及び第3ピニオン15を備え
た前記3連ピニオン部材16…がそれぞれ支持される。
第1ピニオン13は第2スリーブ33の外周にスプライ
ン結合した前記第1サンギヤ17に噛合し、第2ピニオ
ン14はハーフシャフト9の左シャフト半体35にスプ
ライン結合した前記第2サンギヤ18に噛合し、第3ピ
ニオン15は左シャフト半体35の外周にニードルベア
リング42を介して回転自在に支持した第3スリーブ4
3に一体に形成した前記第3サンギヤ19に噛合する。
【0022】前記左油圧クラッチCL は、中央ケーシン
グ31及び第3スリーブ43間に配置した複数の摩擦係
合要素44…と、摩擦係合要素44…を油圧で係合させ
るピストン45と、ピストン45を非係合方向に付勢す
る戻しばね46とを備える。また前記右油圧クラッチC
R は、中央ケーシング31及びキャリヤ部材11間に配
置した複数の摩擦係合要素47…と、摩擦係合要素47
…を油圧で係合させるピストン48と、ピストン48を
非係合方向に付勢する戻しばね49とを備える。
【0023】左ケーシング30に設けられてポンプカバ
ー50により覆われた油圧ポンプ51は、アウターロー
タ52及びインナーロータ53を備えたトロコイドポン
プよりなる。左ケーシング30及びポンプハウジング5
0にボールベアリング54,55を介して支持されたポ
ンプシャフト56は、ポンプカバー50から右方向に突
出する軸端部にポンプ従動ギヤ57を備えており、この
ポンプ従動ギヤ57はハーフシャフト9の左シャフト半
体35にスプライン結合したポンプ駆動ギヤ58に噛合
して駆動される。
【0024】ポンプカバー50の右側面に、前記ポンプ
駆動ギヤ58及びポンプ従動ギヤ57を覆うように鋼板
プレス製のギヤカバー59が装着される。ポンプ駆動ギ
ヤ58の下部はケーシング20の底部に溜まったオイル
に漬かっており、ポンプ駆動ギヤ58の回転に伴ってオ
イルの飛沫がケーシング20の内部に飛散すると、オイ
ルの油面が大きく変動したりブリーザ通路からオイルが
漏出する可能性があるが、前記ギヤカバー59を装着し
たことによりオイルの飛散を確実に防止して前記問題点
を解消することができる。ギヤカバー59を鋼板プレス
製としたので軽量で安価であり、しかも着脱が容易なの
で材質や形状の変更が容易である。
【0025】左ケーシング30及び中央ケーシング31
の下部にはオイル溜60が形成されており、このオイル
溜60に貯留されたオイルはストレーナ61を介して前
記油圧ポンプ51に汲み上げられる。また中央ケーシン
グ31の上面には、油圧ポンプ51からのオイルで左油
圧クラッチCL 及び右油圧クラッチCR の係合/係合解
除を制御するためのバルブブロック62が設けられる。
【0026】次に、図4及び図5に基づいて油圧回路H
の構成を説明する。
【0027】油圧ポンプ51がオイル溜60から油路L
1 を経て汲み上げたオイルはレギュレータバルブ65に
おいて一次調圧された後、油温センサ66を介装した油
路L 2 を経てリニアソレノイドバルブ67に供給されて
二次調圧される。リニアソレノイドバルブ67から延び
る油路L3 は途中で二股に分岐し、それぞれ左シフトソ
レノイドバルブ68L 及び右シフトソレノイドバルブ6
R に接続される。そして左シフトソレノイドバルブ6
L は左油圧センサ69L を介装した油路L4を介して
左油圧クラッチCL に接続されるとともに、右シフトソ
レノイドバルブ68R は右油圧センサ69R を介装した
油路L5 を介して右油圧クラッチCR に接続される。ま
たレギュレータバルブ65から延びる潤滑用の油路L6
は、クラッチハウジング38内を通ってハーフシャフト
9の外周に連通する。
【0028】油圧ポンプ51からの油圧を伝達する前記
各油路L1 〜L6 及びそれらに連なる油路は、駆動力配
分装置Tのケーシング20と、そのケーシング20に直
接結合されたバルブブロック62とに形成される。
【0029】尚、図4において、符号70はクーラーリ
リーフバルブ、符号71は潤滑/クーラーリリーフバル
ブ、符号72はドレンフィルター、符号73はラジエー
タ内蔵冷水クーラーである。
【0030】而して、リニアソレノイドバルブ67、左
シフトソレノイドバルブ68L 及び右シフトソレノイド
バルブ68R は電子制御ユニットUに接続されて制御さ
れる。リニアソレノイドバルブ67はレギュレータバル
ブ65において一次調圧された油圧を更に二次調圧して
左油圧クラッチCL 及び右油圧クラッチCR の係合力を
任意に調整する。また左シフトソレノイドバルブ68L
はON/OFF制御されて油路L4 を開閉し、左油圧ク
ラッチCL の係合/係合解除を制御するとともに、右シ
フトソレノイドバルブ68R はON/OFF制御されて
油路L5 を開閉し、右油圧クラッチCR の係合/係合解
除を制御する。
【0031】上述したように、油圧ポンプ51を駆動力
配分装置Tのケーシング20の内部に配置したので、油
圧ポンプから51から左右の油圧クラッチCL ,CR
連なる前記各油路L1 〜L5 及びそれらに付随する油路
をケーシング20と、そのケーシング20に直接結合さ
れたバルブブロック62とに形成することができる。こ
れにより油路の長さを最小限に抑えることが可能にな
り、しかもケーシング20の外部に延びる配管を不要に
することができる。仮に前記油圧ポンプ51をエンジン
E或いはトランスミッションMに設けたとすると、油路
の長さが増加するばかりかケーシングの外部に配管を設
置することが必要になり、しかも駆動力配分装置Tで使
用されるオイルの種類とエンジンE或いはトランスミッ
ションMで使用されるオイルの種類とが異なる場合には
対応することが困難である。また一方の車輪(実施例で
は、左前輪WFL)に連なるハーフシャフト9によりオイ
ルポンプ51を駆動しているので、油圧ポンプ51に駆
動力を伝達する駆動系を簡略化することができる。
【0032】次に、図6〜図8に基づいて駆動力配分装
置Tの潤滑系について説明する。
【0033】図6及び図7に示すように、右ケーシング
32は概略円筒状の周壁81と、その右端に半径方向内
側に連なる端壁82とを備えており、端壁82の内周に
ボールベアリング34を介して第2スリーブ33が支持
される。ボールベアリング34の半径方向外側の端壁8
2から軸方向左側に短円筒状のキャリヤ部材支持部82
1 が一体に突設され、そのキャリヤ部材支持部821
外周にボールベアリング40を介してキャリヤ部材11
が支持される。周壁81の上部から端壁82の支持部8
1 にかけて、キャリヤ部材11の半径方向に延びるリ
ブ83が一体に突設される。リブ83はキャリヤ部材1
1にピニオンシャフト12を介して支持した3連ピニオ
ン部材16の第1ピニオン13の外周に隣接する位置ま
で下方に延びている。
【0034】またリブ83の両側に隣接するキャリヤ部
材支持部821 に、該キャリヤ部材支持部821 を半径
方向に貫通するオイル通路822 ,822 が形成され
る。一方、ピニオンシャフト12の右半部には軸方向に
延びるオイル孔121 が穿設されており、そのオイル孔
121 の右端は第2スリーブ33と支持部821 との間
の空間84に開口する。オイル孔121 の左端は半径方
向に延びるオイル孔12 2 を介して、3連ピニオン部材
16が一対のニードルベアリング85,85で支持され
るピニオンシャフト12の外周に連通する。前記空間8
4に臨むボールベアリング40には、オイルが軸方向に
通過しないようにシール401 が設けられる。
【0035】図8に示すように、ハーフシャフト9の左
シャフト半体35の外周に嵌合する第3スリーブ43の
外周に、クラッチハウジング38の内周との間をシール
する3個のOリング86,87,88が装着されてお
り、これらOリング86,87,88によって第3スリ
ーブ43及びクラッチハウジング38間に3個の潤滑油
室89,90,91が形成される。中央の油室は90
は、クラッチハウジング38に形成した油路L6 (図5
参照)を介して油圧ポンプ51に接続されるとともに、
第3スリーブ43を半径方向に貫通する油路92を介し
て左シャフト半体35及び第3スリーブ43間に形成さ
れた環状油路93に連通する。そして環状油路93は第
3スリーブ43を半径方向に貫通する一対の油路94,
95を介してそれぞれ潤滑油室89,91に接続され、
潤滑油室89,91はクラッチハウジング38に形成し
た油路96,97を介して左油圧クラッチCL 及び右油
圧クラッチCR の内部にそれぞれ連通する。
【0036】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0037】車両の直進走行時には左油圧クラッチCL
及び右油圧クラッチCR が共に非係合状態とされる。こ
れにより、キャリヤ部材11及び第3サンギヤ19の拘
束が解除され、ハーフシャフト9、左ドライブシャフト
L 、右ドライブシャフトA R 、ディファレンシャルD
のプラネタリキャリヤ8及びキャリヤ部材11は全て一
体となって回転する。このとき、エンジンEのトルクは
ディファレンシャルDから左右の前輪WFL,WFRに均等
に伝達される。
【0038】さて、車両の右旋回時には、電子制御ユニ
ットU及び油圧回路Hを介して右油圧クラッチCR が係
合し、キャリヤ部材11をケーシング20に結合して停
止させる。このとき、左前輪WFLと一体のハーフシャフ
ト9及び左ドライブシャフトAL と、右前輪WFRと一体
の右ドライブシャフトAR (即ち、ディファレンシャル
Dのプラネタリキャリヤ8)とは、第2サンギヤ18、
第2ピニオン14、第1ピニオン13及び第1サンギヤ
17を介して連結されているため、左前輪WFLの回転数
L は右前輪WFRの回転数NR に対して次式の関係で増
速される。
【0039】
【数1】
【0040】上述のようにして、左前輪WFLの回転数N
L が右前輪WFRの回転数NR に対して増速されると、旋
回内輪である右前輪WFRのトルクの一部を旋回外輪であ
る左前輪WFLに伝達することができる。
【0041】尚、キャリヤ部材11を右油圧クラッチC
R により停止させる代わりに、右油圧クラッチCR の係
合力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NL を右前
輪WFRの回転数NR に対して増速し、旋回内輪である右
前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルク
を伝達することができる。
【0042】一方、車両の左旋回時には、電子制御ユニ
ットU及び油圧回路Hを介して左油圧クラッチCL が係
合し、第3ピニオン15が第3サンギヤ19を介してケ
ーシング20に結合される。その結果、ハーフシャフト
9の回転数に対してキャリヤ部材11の回転数が増速さ
れ、右前輪WFRの回転数NR は左前輪WFLの回転数N L
に対して次式の関係で増速される。
【0043】
【数2】
【0044】上述のようにして、右前輪WFRの回転数N
R が左前輪WFLの回転数NL に対して増速されると、旋
回内輪である左前輪WFLのトルクの一部を旋回外輪であ
る右前輪WFRに伝達することができる。この場合にも、
左油圧クラッチCL の係合力を適宜調整してキャリヤ部
材11の回転数を増速すれば、その増速に応じて右前輪
FRの回転数NR を左前輪WFLの回転数NL に対して増
速し、旋回内輪である左前輪WFLから旋回外輪である右
前輪WFRに任意のトルクを伝達することができる。
【0045】(1)式及び(2)式を比較すると明らか
なように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3
ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及
び第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したことに
より、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速比(約1.1
538)と、左前輪WFLから右前輪WFRへの増速比(約
1.1555)とを略等しくし、その差を僅か0.15
%以内に抑えることができる。これにより、左油圧クラ
ッチCL 及び右油圧クラッチCR の駆動力伝達容量、或
いは左油圧クラッチCL 及び右油圧クラッチCR に供給
する油圧に特別に差異を設けることなく、左前輪WFL
び右前輪WFR間の駆動力配分を左右対称的に行わせるこ
とが可能になり、左油圧クラッチCL 及び右油圧クラッ
チCR の部品の共用化や制御系の簡素化によるコストダ
ウンが可能となる。
【0046】次に、潤滑に関する本実施例の作用につい
て説明する。
【0047】図6及び図7において、底部にオイルが溜
まったケーシング20の内部でキャリヤ部材11が回転
すると、キャリヤ部材11によって跳ね上げられたオイ
ルがケーシング20の周壁81の内面に沿って周方向に
循環する。このとき、右ケーシング32に形成したリブ
83の一側面に衝突したオイルは、前記一側面に沿って
下方に流下し、キャリヤ部材支持部821 の一対のオイ
ル通路822 ,822の一方からキャリヤ部材11内の
空間84に導かれる。空間84内のオイルは遠心力でキ
ャリヤ部材11の内部を半径方向外側に移動し、ピニオ
ンシャフト12の右端からオイル孔121 ,122 を通
って3連ピニオン部材16の内周面に達し、そこに配置
されたニードルベアリング85,85を強制的に潤滑す
る。このとき、空間84に臨むボールベアリング40が
シール部材401 を備えているので、オイルを空間84
から逃がすことなくピニオンシャフト12のオイル孔1
1 ,122 内に効果的に供給することができる。
【0048】而して、ケーシング20の内面にリブ83
及びオイル通路822 ,822 を形成するだけの簡単な
構成で、油圧ポンプ等のコストの嵩むオイル供給手段を
用いることなく、3連ピニオン部材16を効果的に潤滑
することが可能となる。
【0049】図8において、オイルポンプ51から潤滑
油室90に供給されたオイルは、油路92、環状油路9
3及び一対の油路94,95を経て一対の潤滑油室8
9,91に供給される。潤滑油室89のオイルは油路9
6を介して左油圧クラッチCLの内部に供給され、摩擦
係合要素44…を潤滑及び冷却するとともに、潤滑油室
91のオイルは油路97を介して右油圧クラッチCR
内部に供給され、摩擦係合要素47…を潤滑及び冷却す
る。また環状油路93のオイルの一部は左方向に流れて
第3スリーブ43を支持するニードルベアリング42を
潤滑し、また他の一部は右方向に流れて第2スリーブ3
3を支持するニードルベアリング36,36を潤滑す
る。
【0050】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0051】例えば、本発明のピニオンの潤滑構造は、
実施例の駆動力配分装置T以外の装置に対しても適用す
ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、キャリヤ部材がケーシングの底部から周方
向に跳ね上げたオイルが衝突するリブをケーシングの内
壁に突設するとともに、このリブに衝突したオイルをピ
ニオンシャフトのオイル孔に導くオイル通路をキャリヤ
部材支持部に形成したので、油圧ポンプのような特別の
オイル供給手段を用いることなく、リブとオイル通路と
を形成するだけの簡単な構造でピニオンを効果的に潤滑
することができ、部品点数及びコストの削減と装置の小
型化とに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の動力伝達系を示すスケルトン図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】図1の3部拡大図
【図4】油圧回路の第1分図
【図5】油圧回路の第2分図
【図6】図3の要部拡大図
【図7】図6の7方向矢視図
【図8】図3の要部拡大図
【符号の説明】
11 キャリヤ部材 12 ピニオンシャフト 121 オイル孔 122 オイル孔 16 3連ピニオン部材(ピニオン) 20 ケーシング 821 キャリヤ部材支持部 822 オイル通路 83 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝端 康二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 実開 昭61−54593(JP,U) 実開 昭62−49052(JP,U) 実開 昭62−174162(JP,U) 実開 昭62−194242(JP,U) 実開 平2−110747(JP,U) 実開 平3−30863(JP,U) 実開 平4−109249(JP,U) 実開 平5−81559(JP,U) 米国特許5893812(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/04,1/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(20)の内部に形成したキ
    ャリヤ部材支持部(821 )にキャリヤ部材(11)を
    回転自在に支持し、このキャリヤ部材(11)に設けた
    ピニオンシャフト(12)に回転自在に支持したピニオ
    ン(16)の内周面を潤滑すべく、キャリヤ部材(1
    1)がケーシング(20)の底部から跳ね上げるオイル
    をピニオンシャフト(12)のオイル孔(121 ,12
    2 )を通して前記ピニオン(16)の内周面に供給する
    ピニオンの潤滑構造であって、 キャリヤ部材(11)がケーシング(20)の底部から
    周方向に跳ね上げたオイルが衝突するリブ(83)をケ
    ーシング(20)の内壁に突設するとともに、このリブ
    (83)に衝突したオイルをピニオンシャフト(12)
    のオイル孔(121 ,122 )に導くオイル通路(82
    2 )を前記キャリヤ部材支持部(821)に形成したこ
    とを特徴とするピニオンの潤滑構造。
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