JP3163007B2 - アルカリ電池用負極亜鉛基合金粉の製造方法 - Google Patents

アルカリ電池用負極亜鉛基合金粉の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放電前と放電後
の水素ガス発生の抑制および負荷放電特性の向上に有効
な微量の金属を含有したアルカリ電池用負極亜鉛基合金
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池の負極活物質として用いら
れる従来の亜鉛基合金粉にあっては、環境上有害とされ
る鉛、カドミウム、水銀を用いることなく放電前と放電
後の水素ガス発生および負荷放電特性を改善するため、
盛んに研究が行われており、これらの改善に効果的で比
較的安全な微量の金属がいくつか見いだされて採用さ
れ、ほぼ実用に耐えるアルカリ電池が実現されている。
【0003】この微量金属としては、例えばビスマス、
アルミニウム、インジウム、ガリウム、リチウム、ナト
リウムなどであり、これら微量金属のどれをどの程度添
加すると効果的か、またこれら微量金属を複合添加する
と大きな相乗効果が得られるかといった事項について、
多くの有意義なデータが蓄積されてきている。例えば電
気化学59,No.4(1991)の第325頁から第329
頁には、自己放電による水素ガス発生が亜鉛基合金粉の
結晶粒界から起こり、水素過電圧の高いビスマスを単独
に添加することにより水素ガス発生をある程度抑制でき
るが、酸化ビスマスに変化しない方法をこうじる必要が
あることが報告されている。
【0004】この水素ガス発生が結晶粒界から起こるの
は、結晶粒界が結晶の粒内に比べて原子同士の整合性が
悪く、歪み等が蓄積されているためであり、この歪みが
原因で水素ガス発生反応が進行してしまうためである、
とされている。
【0005】そこで、本発明者らはビスマスを単独に添
加することによる有効性や問題点を検証するため水素ガ
ス発生試験を行った。試験方法としては、電池の水素ガ
ス発生の試験として放電前の電池貯蔵中のガス発生量の
測定と、放電後のガス発生量の測定を行った。放電前の
ガス発生量の測定としては、ビスマスが添加された亜鉛
基合金粉を酸化亜鉛の飽和した40重量%KOH溶液と
ともにガスピペットに入れ、約60℃の温度で3日間保
存したときの水素ガスの発生量を測定し、このガス発生
量から次式を用いてガス発生指数Kを算出し、このとき
添加するビスマス量を変化させて対応するガス発生指数
Kの変化を求めることとした。
【0006】K=ガス発生量[cc]/(亜鉛基合金粉
量[g]×保存日数[day]) また、放電後のガス発生量の測定としては、ビスマスが
単独に添加された亜鉛基合金粉を図1の縦断面図に示す
構成の電池に用い、この電池を約20℃の温度で、2オ
ームの抵抗に接続して過放電させ、放電終止電圧が0V
に至った後のガス発生量を測定し、このとき添加するビ
スマス量を変化させて対応するガス発生量の変化を求め
ることとした。このときのガス発生量の測定は、放電さ
せた電池を流動パラフィンとともにガスピペットに入れ
て、この状態で約60℃の温度で3日間保存し、保存中
に電池から排出された水素ガスの量を測定することとし
た。
【0007】このとき用いた図1に示す電池の具体的な
構成としては、JIS規格でLR20形式のアルカリ電
池であって、有底円筒型の電池ケ―ス1の内部に発電要
素が収納されてその開口部に封口ガスケット2を介して
負極端子板3をかしめ付けることにより電池内部を密封
しており、その発電要素としては、負極端子板3に電気
的に接続した集電棒4が封口ガスケット2の中心を貫通
して、集電棒4の外周を取巻くようにして負極5、セパ
レ―タ6、及び二酸化マンガンを主体とする正極合剤7
が同心状に充填されている。この負極は、酸化亜鉛を飽
和させた40重量%のKOH溶液を34重量%に対し
て、亜鉛基合金粉を65重量%、及びゲル化剤としてポ
リアクリル酸とポリアクリル酸ソーダとを各0.5重量
%を混合してゲル状としたものを用いた。
【0008】
【表1】 以上説明した水素ガス発生試験の結果、表1に示すよう
に、放電前のガス発生量は、ビスマスを単独に添加する
ことによってある程度は抑えられていることが確認でき
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようなビスマスを単独に添加しただけの亜鉛基合金粉
にあっては、表1に示すように、放電後のガス発生量が
ビスマスを添加するに連れて大きくなっていくのであ
る。放電後にガス発生が増加すれば負荷放電性能の劣化
や漏液などの不具合をもたらす可能性がある。
【0010】また、放電前のガス発生の抑制効果につい
ても、まだ十分とは言えず、放電前と放電後の水素ガス
発生を抑制させるため改善が望まれる。
【0011】本発明は以上説明したような従来の問題点
に鑑みなされたもので、その目的は、放電前と放電後の
水素ガス発生量および負荷放電特性を改善できる、水銀
やカドミウムおよび鉛といった有害物質を含まないアル
カリ電池の負極活物質として用いられる亜鉛基合金粉
製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のアルカリ電池用負極亜鉛基合金粉の製造方
にあっては、純亜鉛に対しビスマス(以下Biとす
る)を0.001〜0.5重量%、カルシウム(以下C
aとする)を0.001〜0.15重量%、錫(以下S
nとする)を0.001〜0.5重量%の範囲で含有
し、他に不可避な不純物以外は含有しない亜鉛基合金粉
を、真空若しくは不活性ガス雰囲気のもと100〜40
0℃の範囲で熱処理してなるのである。
【0013】
【0014】上記の構成に伴う本発明の作用について
は、現状では明確に解明できていないが発明者らは次の
ように推定している。
【0015】水素ガスの発生場所は、前述したように、
亜鉛基合金粉の結晶粒界であり、ここは歪み等が蓄積さ
れて原子同士の整合性が悪い。そこで、純亜鉛にBiを
所定の範囲で含有させると、Biは水素過電圧が高いた
め、これが亜鉛の結晶粒界に析出して放電前のガス発生
を抑制する。しかしながら、負荷放電させると酸化ビス
マスが生成される。この酸化ビスマスは水素過電圧が低
いため負荷放電に伴って水素ガスが発生してしまうので
ある。また、負荷放電時には前述した酸化ビスマスの他
に酸化亜鉛が生成され、この酸化亜鉛は負荷放電反応を
阻害するため負荷放電時間が減少してしまう。
【0016】そこで、Biに加えてCaを純亜鉛に含有
させるようにすると、このCaは負荷放電に伴う酸化ビ
スマスの生成を抑制する働きを有するため、負荷放電後
のガス発生が抑制される。また、CaはBiが結晶粒界
へ析出することを促進する働きも有するため、放電前の
ガス発生を抑制する。さらに、このCaは負荷放電時の
酸化亜鉛の生成を抑制する働きも有するため、負荷放電
時間が増加する。
【0017】また、Bi及びCaに加えてSnを純亜鉛
に含有させるようにすると、SnはBiと同様に水素過
電圧が高いためこれが亜鉛の結晶粒界に析出し、放電前
のガス発生を抑制する働きをする。また、このSnは亜
鉛基合金に含有される際に亜鉛の結晶粒を微細化する働
きを奏するため、結晶粒界における原子同士の整合性が
向上し、歪みが緩和される。加えてSnは亜鉛基合金に
含有される際にBiやCaを細かく分散させる働きも有
し、この細かく分散されたBiやCaは亜鉛の結晶粒界
に析出し、放電前のガス発生を抑制する働きをする。
【0018】
【0019】
【0020】また、前記の微量金属の含有した亜鉛基合
金粉を真空若しくは不活性ガスの雰囲気のもと100〜
400℃の範囲で熱処理すると、水素ガス発生抑制作用
を有する前記の微量金属が結晶粒界により析出するとと
もに、亜鉛の再結晶により水素ガス発生の原因となる結
晶粒界の歪みを緩和または除去するため、前記の微量金
属による水素ガス抑制効果がより促進され、これを用い
た電池の放電前の水素ガス発生がより抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第1〜3工程を以
下に説明する。先ず、第1工程を説明すると、亜鉛純度
が99.9986重量%以上の純亜鉛地金を原料とす
る。このとき不可避の不純物は考慮しない。この純亜鉛
に対して後述する範囲の割合で微量金属を添加して溶湯
状態とする。次にこの溶湯状態の亜鉛基合金をチャンバ
ー内で周知のガスアトマイズ法により粉体状態にする。
【0022】このとき、各微量金属が添加された溶湯状
態の亜鉛基合金がチャンバー内でガス噴霧されると、微
粒子化された亜鉛基合金は冷却凝固して粉体となってい
くのである。
【0023】以上の亜鉛基合金粉の作製方法により、純
亜鉛に対してBiを0.2重量%添加した条件下におい
てCaを0.0008〜0.20重量%の組成範囲で変
化させた亜鉛基合金粉を作製した。そして、これら亜鉛
基合金粉について、35〜200メッシュの粒度範囲に
篩別し、水素ガス発生試験と負荷放電試験を行った。こ
のとき、Biを0.2重量%としたのは、前述した表1
における放電前の水素ガス発生量と放電後のそれとが共
に良好な値を代表として選択したためである。
【0024】水素ガス発生試験としては従来技術の項で
説明した試験と同じ方法で放電前のガス発生量と、放電
後のガス発生量との測定を行った。負荷放電試験として
は、放電後のガス発生量を測定した際の放電終止電圧0
Vに至るまでの放電時間を測定した。放電時間として
は、純亜鉛に対してBiを0.2重量%及びCaを0.
20重量%を添加した場合の放電時間を100とし、こ
れに対する百分率%で示した。以上を試験例1として表
2に示す。
【0025】
【表2】 上記表2の試験例1において、実用的に望ましい条件と
しては、放電前ガス発生指数Kを0.1未満にするとと
もに放電後ガス発生量を3.1未満とし、放電時間とし
ては110%を上回ることとした。その結果、Biを含
有した亜鉛基合金中のCa含有量が0.001〜0.1
5重量%の範囲において放電前ガス発生指数K、放電後
ガス発生量及び放電時間につきそれぞれ効果が認められ
た。
【0026】放電前のガス発生については、ガス発生指
数Kとして示されるように、Caを添加するに連れてそ
の抑制効果が大きくなり、これが0.13重量%の場合
のとき最もその抑制効果が大きい。さらにCaの添加量
を増すに連れてその抑制効果が薄れていく。また、前述
したようにBiを単独添加しただけでは問題となってい
た放電後の水素ガス発生量も低減でき、Caを添加する
に連れてその抑制効果が大きくなり、これが0.10重
量%の場合のとき最もその抑制効果が大きく、さらにC
aの添加量を増すに連れてその抑制効果が薄れていく。
さらに、放電時間については、Caを添加するに連れて
放電時間が大きくなり、これが0.10重量%の場合の
とき最も放電時間が大きく、さらにCaの添加量を増す
に連れて放電時間が低減していく。
【0027】したがって、実用的範囲としてBiを含有
した亜鉛基合金にCaを0.001〜0.15重量%の
範囲において添加することにより、ガス発生が抑えら
れ、これをアルカリ電池に用いると放電前と放電後にお
ける水素ガス発生を抑制できるとともに、負荷放電特性
が向上することが知得できた。
【0028】次に本発明の第2工程を説明すると、前記
第1工程の知得に基づき、Bi及びCaを添加した亜鉛
基合金に対して水素過電圧の高いSnを添加した亜鉛基
合金粉を作製した。作製方法としては、前記第1工程
場合と同じ方法を用いた。このSnの実用的な添加範囲
を特定するため、前記第1工程において最も放電時間の
大きかった0.2重量%のBi及び0.05重量%のC
aを純亜鉛に添加する条件下でSnを0.0005〜
0.60重量%の組成範囲で変化させた亜鉛基合金粉を
作製し、これら亜鉛基合金粉の水素ガス発生試験と負荷
放電試験を前記第1工程と同様に行った。以上を試験例
2として表3に示す。
【0029】
【表3】 上記表3の試験例2において、実用的に望ましい条件と
しては、放電前ガス発生指数Kを0.065以下にする
とともに放電時間としては116%を上回ることとし
た。このとき、前記第1工程で説明した表2においてC
aを0.20重量%添加した時の放電時間を100と
し、これに対する百分率とした。その結果、Bi及びC
aが添加された亜鉛基合金中のSnの含有量が0.00
1〜0.50重量%の範囲において放電前ガス発生指数
K及び放電時間につきそれぞれ効果が認められた。
【0030】放電前のガス発生については、ガス発生指
数Kとして示されるように、Snを添加するに連れてそ
の抑制効果が大きくなり、これが0.03重量%の場合
のとき最もその抑制効果が大きい。さらにSnの添加量
を増すに連れてその抑制効果が薄れていく。また、放電
時間については、Snを添加するに連れて放電時間が大
きくなり、これが0.15重量%の場合のとき最も放電
時間が大きい。さらにSnの添加量を増すに連れて放電
時間が低減していく。
【0031】したがって、実用的範囲としてBi及びC
aを含有した亜鉛基合金にSnを0.001〜0.50
重量%の範囲において添加することにより、Snを添加
しない場合に比べて水素ガス発生がより抑えられこれを
アルカリ電池に用いると放電前の水素ガス発生をより抑
制できるとともに、負荷放電特性がより向上することが
知得できた。
【0032】亜鉛基合金中におけるCaの実用的な添加
範囲については、表2で示したように前記第1工程で確
認されているが、Bi及びCaに加えてSnを含有した
亜鉛基合金についてCaの実用的な添加範囲を再度確認
するため、前記試験例2の知得に基づいて、表3の負荷
放電試験において最も放電時間の大きかった0.15重
量%のSn及び0.2重量%のBiを純亜鉛に添加する
条件下でCaを0.0008〜0.18重量%の組成範
囲で変化させた亜鉛基合金粉を前記第1工程と同様に作
製し、これら亜鉛基合金粉の水素ガス発生試験と負荷放
電試験を前記第1工程と同様に行った。以上を試験例3
として表4に示す。
【0033】
【表4】 上記表4の試験例3において、実用的に望ましい条件と
して、ガス発生指数Kを0.1未満にするとともにガス
発生量を3.0未満にし、さらに放電時間としては11
0%を上回ることとした。このとき、前記第1工程で説
明した表2においてCaを0.20重量%添加した時の
放電時間を100とし、これに対する百分率とした。そ
の結果、Bi及びSnが添加された亜鉛基合金中のCa
の含有量が0.0010〜0.15重量%の範囲におい
てガス発生指数K、ガス発生量及び放電時間においてそ
れぞれ効果が認められた。
【0034】放電前のガス発生については、Caを添加
するに連れてその抑制効果が大きくなり、これが0.0
5重量%の場合のとき最もその抑制効果が大きい。さら
にCaを添加するに連れてその抑制効果が薄れていく。
また、放電後の水素ガス発生量も低減でき、Caを添加
するに連れてその抑制効果が大きくなり、これが0.1
1重量%の場合のとき最もその抑制効果が大きく、さら
にCaを添加するに連れてその抑制効果が薄れていく。
さらに、放電時間については、Caを添加するに連れて
放電時間が大きくなり、これが0.01重量%の場合の
とき最も放電時間が大きく、さらにCaを添加するに連
れて放電時間が低減していく。
【0035】したがって、Biを0.2重量%含有した
亜鉛基合金に対してCaを0.05重量%及びSnを
0.15重量%含有させるようにすると、水素ガス発生
がより抑えられ、これをアルカリ電池に用いると放電前
の水素ガス発生をより抑制できるとともに、負荷放電特
性がより向上することが知得できた。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】次に本発明の第3工程を説明すると、この
工程では亜鉛基合金粉に熱処理を施すことが水素ガス発
生に影響を及ぼすことを知得し、この知得に基づいてな
されたものである。先ず、亜鉛基合金として、前記第2
工程の知得に基づき、Bi、Ca及びSnを添加した亜
鉛基合金粉に対して、真空若しくは不活性ガスの雰囲気
のもと熱処理を施したもののガス発生抑制効果を調べ
た。具体的には、前記第2工程において最も良好な放電
前の水素ガス発生量及び負荷放電特性を示した、Biを
0.2重量%、Caを0.05重量%及びSnを0.1
5重量%含有した亜鉛基合金について前記第1工程で説
明したようにガスアトマイズ法により粉体状態とし、こ
の亜鉛基合金粉を真空若しくはアルゴン等の不活性ガス
の雰囲気のもとで熱処理することとした。
【0052】以上のようにして作製された亜鉛基合金粉
についての有効性を確認するため、熱処理する際の雰囲
気を変えて放電前の水素ガス発生試験を前記第1、2
と同様に行った。具体的にはアルゴンガス雰囲気、真
空雰囲気あるいは大気中の3種類の雰囲気とし、熱処理
温度は150℃と350℃の2種類とした。また比較と
して熱処理しない(未処理の)ものについても試験を行
った。以上を試験例として表に示す。
【0053】
【表5】 上記表の試験例において、不活性ガスあるいは真空
雰囲気中において熱処理する方が大気中で熱処理する場
合及び未処理の場合に比べて水素ガス発生抑制効果があ
ることが確認できた。特に熱処理温度が高い方がこの抑
制効果に優れていることがわかった。
【0054】次に、不活性ガスとしてアルゴン雰囲気中
における亜鉛基合金粉の有効な熱処理温度を調べるた
め、90〜410℃の範囲の各熱処理温度に対する放電
前の水素ガス発生試験を上記試験例の場合と同様に行
った。以上を試験例として表に示す。
【0055】
【表6】 上記表の試験例において、熱処理温度が100℃未
満では水素ガス発生抑制効果が得られず、これが高くな
るに連れて水素ガス発生抑制効果が大きくなっていき、
400℃を超えると亜鉛合金粉が焼結したり融解してし
まったりしてアルカリ電池の負極材料として用いること
ができないことが確認できた。したがって、この熱処理
温度は100〜400℃の範囲とすることが好ましい。
【0056】以上の試験例4、5の結果から本第3工程
の亜鉛基合金にあっては、これをアルカリ電池に用いる
と熱処理しないものに比べて放電前の水素ガス発生の抑
制に優れていることが確認できた。また、負荷放電後の
水素ガス発生についても前記第1、2工程と同様にして
測定したところ、熱処理を行わない場合に比べて半分程
度に抑制されることが確認できた。
【0057】以上、説明した本発明の第1〜3工程にあ
っては、従来多く採用されてきたインジウムを含有する
ことなく、アルカリ電池の放電前と放電後の水素ガス発
生の抑制及び負荷放電特性を向上できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のア
ルカリ電池用負極亜鉛基合金粉の製造方法によれば、水
銀やカドミウムおよび鉛といった有害物質を亜鉛に含有
することなく、Bi及びCaやSnといった比較的安全
性の高い金属を前記の組み合わせ・割合で含有すること
で、水素ガス発生量を抑制してこれを負極に用いたアル
カリ電池の放電前と放電後の水素ガス発生の抑制および
負荷放電特性を向上させることができる。
【0059】
【0060】
【0061】さらにまた、亜鉛基合金粉を真空若しくは
不活性ガスの雰囲気のもと100〜400℃の範囲で熱
処理すると、これを用いたアルカリ電池の放電前の水素
ガス発生がより抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用しうる従来と共通した亜鉛基合金
粉を用いたアルカリ電池の縦断面図である。
【符号の説明】
1 電池ケ―ス 2 封口ガスケット 3 負極端子板 4 集電棒 5 負極 6 セパレ―タ 7 正極合剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 一雄 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (72)発明者 筒井 清英 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−121961(JP,A) 特開 平5−242881(JP,A) 特開 平6−223839(JP,A) 特開 平5−299086(JP,A) 特開 平5−325959(JP,A) 特開 平7−161356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/42 C22C 18/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純亜鉛に対しビスマスを0.001〜
    0.5重量%、カルシウムを0.001〜0.15重量
    %、錫を0.001〜0.5重量%の範囲で含有し、他
    に不可避な不純物以外は含有しない亜鉛基合金粉を、真
    空若しくは不活性ガス雰囲気のもと100〜400℃の
    範囲で熱処理してなることを特徴とするアルカリ電池用
    負極亜鉛基合金粉の製造方法。
JP15141096A 1996-06-12 1996-06-12 アルカリ電池用負極亜鉛基合金粉の製造方法 Expired - Fee Related JP3163007B2 (ja)

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