JP3162555B2 - 固形調味料組成物 - Google Patents

固形調味料組成物

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JP3162555B2 JP25941893A JP25941893A JP3162555B2 JP 3162555 B2 JP3162555 B2 JP 3162555B2 JP 25941893 A JP25941893 A JP 25941893A JP 25941893 A JP25941893 A JP 25941893A JP 3162555 B2 JP3162555 B2 JP 3162555B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食べ物に持続的なコ
ク、旨味、まろやかさ等の好ましい風味を与えることが
できる固形の調味料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】食べ物に、甘味、酸味、苦味、塩味及び
旨味の五つの基本味のいずれか一種以上を与える固形の
調味料として、固形の旨味調味料、固形の風味調味料、
固形のスープストック類、固形のスパイス類等が、一般
家庭にまた業務用に使用されている。
【0003】これらの固形調味料は粉末状、顆粒状、キ
ューブ状、塊状等の形状を有するもので、これには、基
本的に個々の調味料に固有の調味成分が含まれ、更に好
みに応じて種々の成分が含まれている。これらの固形調
味料を使用して食べ物を味つけする際に、食べ物に基本
味を付けることの他に更に、持続的なコク、旨味、まろ
やかさ等の風味を付けることが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食べ
物の本来の風味を損なうことなく、食べ物に更に、持続
的なコク、旨味、まろやかさ等の好ましい風味を付ける
ことができる固形調味料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、調味成分と、
組成物全量に対して0.1〜50重量%の微粒子状の油
脂を含む固形調味料組成物であって、該微粒子状の油脂
は、該調味料組成物を水中に溶解または分散させた場合
に、得られる水溶液または水分散液中に於いて平均粒子
径が1μm以下の油滴として分散されるような状態で含
まれていることを特徴とする、水中にて溶液もしくは分
散液として用いるための固形調味料組成物ある。
【0006】本発明の固形調味料組成物には、組成物全
量に対して0.1〜50重量%の油脂が含まれており、
この油脂の状態の違いによって、固形調味料組成物を添
加した食べ物の風味は異なったものになる。即ち、従来
の油脂を含む固形調味料に於けるように、固形調味料を
水に加え水溶液又は水分散液にしたとき、大部分の油滴
が3〜20μmの比較的大きな粒子径を有するものにな
るような状態で油脂が固形調味料に含まれている場合に
は、この固形調味料組成物は油っぽくなり、その風味が
油脂を含まない場合よりも低下する傾向がある。
【0007】しかしながら、本発明の固形調味料組成物
に於ては、油脂は、固形調味料組成物を水中に溶解乃至
分散させた場合に、得られる水溶液又は水分散液中に於
いて平均粒子径が1μm以下の油滴として分散されるよ
うな微粒子の状態で固形調味料組成物中に含まれている
ので、上記のような量で油脂が含まれているにもかかわ
らず、本発明の固形調味料組成物は、食べ物にその本来
の風味を損なうことなく、更に、持続的なコク、旨味、
まろやかさ等の好ましい風味を加えることができるので
ある。
【0008】本発明の固形調味料組成物は、前記のよう
な微粒子の状態(即ち、固形調味料組成物を水中に溶解
乃至分散させた場合に、得られる水溶液又は水分散液中
に於いて平均粒子径が1μm以下の油滴として分散され
るような微粒子の状態)で油脂を0.1〜50重量%含
有することの他は、従来の固形調味料と同様のものであ
る。
【0009】従って、本発明の固形調味料組成物は、従
来公知の固形調味料の何れの種類のものであってもよ
い。固形調味料組成物の形態は、固体状のものであれば
特に限定されず、例えば、粉末状、顆粒状、キューブ
状、フレーク状、塊状等の何れの固体形状のものであっ
てもよい。固形調味料組成物の具体例としては、一般的
に、固形の甘味料、固形の旨味調味料、固形の風味調味
料、固形のスープストック類、固形のスパイス類等に分
類されるもの及びこれらに類似するものを挙げることが
できる。
【0010】例えば、固形の旨味調味料には、アミノ酸
系の調味成分(L−グルタミン酸ナトリウム等のグルタ
ミン酸塩等)を含むもの、核酸系の調味成分(5′−イ
ノシン酸ナトリウム、5′−グアニル酸ナトリウム、
5′−リボヌクレオチドナトリウム等)を含むもの、こ
れらの両方を含むもの等が含まれる。旨味調味料は場合
により風味調味料に分類されることもある。
【0011】また、固形の風味調味料は一般に「だしの
素」と呼ばれているものである。風味調味料には調味成
分として、肉エキス、魚介類エキス等の動物質エキス、
昆布、しいたけ、野菜、果物等からの植物質エキス、動
物性蛋白加水分解物(HAP)、植物性蛋白質加水分解
物(HVP)、酵母エキス、アミノ酸を含む有機酸又は
その塩、香辛料(スパイス)等が含まれている。固形の
風味調味料には更に、旨味調味料、食塩、甘味料等の他
の固形の調味料が含まれていることがある。
【0012】また、固形のスープストック類には、ブイ
ヨンやフォンと呼ばれるものが含まれ、単独でスープと
なるものではないが、風味調味料に含まれているものと
同様の調味成分からなるものである。場合により、ミー
トストック、フィッシュストック、ベジタブルストック
と呼ばれることもある。
【0013】また、固形のスパイス類には、主としてわ
さび、からし、しょうが、にんにく、唐辛子、ターメリ
ック、コリアンダー、その他多種類の香辛料を含む固形
のスパイス類が含まれる。
【0014】上記の固形調味料の分類は必ずしも固定さ
れたものではなく、使用目的等により他の分類様式もあ
る。またこれらの分類の内のその他の調味料について
は、特に説明するまでもなく一般に明らかであろう。個
々の固形調味料の詳細については、例えば、「市販食品
成分表」(女子栄養大学出版部1989年刊)、「調味
料・香辛料の事典」(朝倉書店1992年刊)等に記載
されている。固形調味料の形態は、嗜好の多様化、簡便
性及び経済性のために消費者のニーズによるメニューの
拡張などにより種類が非常に多くなっているが、本発明
の固形調味料組成物には、これらの文献に記載されてい
るものに限定されるものではなく、それらに類似する形
態や用途のものも含まれる。
【0015】本発明の固形調味料組成物の調味成分は、
従来の固形調味料の調味成分と同様であり、固形調味料
組成物に応じて種々の種類のものであってよい。
【0016】本発明の固形調味料組成物中には、固形調
味料組成物を水中に溶解乃至分散させた場合(例えば、
水で200重量倍に希釈)に、得られる水溶液又は水分
散液中に於いて平均粒子径が1μm以下、好ましくは
0.01〜0.8μmの範囲内である油滴として分散さ
れるような微粒子の状態で固形調味料組成物中に含まれ
ている油脂が、0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜30重量%含まれている。
【0017】上記の油脂としては、食用に適するもので
あれば特に限定されず、常温で液体であるもの及び固体
であるものを含む植物性油脂及び動物性油脂の何れであ
ってもよい。好ましい油脂の例としては、ナタネ油、大
豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、サフラワー油、綿
実油、米油、ヤシ油、オリーブ油、ゴマ油、ピーナッツ
油、パーム油、魚油、ポークファット、チキンファッ
ト、ビーフファット等の油脂、及びこれらの油脂に硬
化、分別、エステル交換等の処理を施した油脂を挙げる
ことができる。植物脂、動物脂、硬化油等の常温で固形
もしくはペースト状の油脂が特に好ましい。
【0018】本発明の固形調味料組成物は、少なくとも
一種の調味成分と油脂とを、例えば食品用乳化剤の存在
下で適当な乳化機及び/又は均質機を使用して水中に均
質化させ、均質化液を乾燥し、必要に応じて粉砕、造
粒、成形等の処理を施すことによって製造することがで
きる。
【0019】食品用乳化剤としては油脂を乳化し得る界
面活性を有し、食品に添加することができるものであれ
ば特に限定されず使用することができる。使用できる乳
化剤の例としては、モノグリセライド、有機酸モノグリ
セライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、リン脂質、酵素分解リン脂
質、酵素処理リン脂質、糖脂質、サポニン等のような合
成又は天然の界面活性剤、卵タンパク質、乳タンパク
質、大豆由来タンパク質、小麦由来タンパク質、血清由
来タンパク質のような動物、植物由来のタンパク質及び
これらタンパク質を酵素的、化学的に分解して乳化性能
を高めたタンパク質分解物等を挙げることができる。こ
れらの乳化剤は一種類でも二種類以上を組み合わせても
使用することができる。乳化剤の使用量は特に限定され
ないが、一般に油脂に対して0.01〜2重量倍である
ことが好ましい。
【0020】上記のような微粒子の状態の油脂と調味成
分とを含む均質化液を製造するための装置としては、液
体を高圧下(100〜3000kgf/cm)、均質
バルブ又はスリットを通して低圧部に送り、その際の剪
断力、衝撃力等により油脂球を粉砕する形式の高圧均質
機(高圧ホモジナイザー)が好ましい。このような装置
としては、ナノマイザー(ヤマサトレーディング社)、
マイクロフルイダイザー(バイオテクノロジー・デベロ
ップメント社)、マントンゴーリン(ゴーリン社)等の
装置がある。また、界面化学的手法を用いて微細な油滴
の乳化物を得るD相乳化法(Fragrance Jo
urnal,4,34−41(1993)参照)によっ
て、油脂を上記のような微細な油滴に乳化させることも
できる。また、高圧均質機で処理する前に予め他の形式
の乳化機で油脂を乳化しておき、この乳化物(油滴の粒
子径は比較的大きい)を高圧均質機で乳化すると、油滴
の平均粒子径を小さくする上で有効である。また、油滴
の平均粒子径を小さくするために、乳化物を高圧均質機
に繰り返し通すことも有効である。
【0021】上記の均質液の乾燥は、従来食品の製造に
使用されている乾燥方法、乾燥機、乾燥条件を特に制限
されることなく使用して行うことができる。目的とする
固形調味料組成物の原料成分に応じて、それらの品質を
低下させないように乾燥機、乾燥条件を選択する必要の
あることは勿論である。好ましい乾燥方法としては、噴
霧乾燥法、凍結乾燥法、真空乾燥法等を挙げることがで
きる。
【0022】得られた乾燥物の粉砕、造粒、成形等も、
従来食品の製造に使用されている方法や装置を使用して
行うことができる。例えば、造粒、成形は流動層造粒
法、転動造粒法、攪拌造粒法、圧縮成形法等によって行
うことができる。
【0023】乾燥物の粉砕、造粒、成形等の工程で、必
要に応じて他の固形の調味成分を添加混合してもよい。
また、造粒及び成形の際には一般に適当なバインダーを
添加する。このバインダーの例としては、水や、調味成
分、ぶどう糖、デキストリン、でんぷん、寒天、メチル
セルロース等の水溶液を挙げることができる。水以外の
バインダー成分は、均質化液の調製時や乾燥物の粉砕時
に添加してもよい。
【0024】本発明の固形調味料組成物は、従来の固形
調味料と同様に使用することができ、各種の食べ物に添
加して、その独自の味を損なうことなく、持続的なコ
ク、旨味、まろやかさ等の好ましい風味を付与すること
ができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。実施例に於いて「部」は重量部である。
【0026】[実施例1]水75部にショ糖ステアリン
酸エステル5部及びデキストリン10部を50℃で溶解
し、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を
使用して、得られた溶液に溶融した大豆硬化油10部を
滴下して予備乳化した。得られた予備乳化液を噴霧乾燥
して粉末状の油脂組成物を調製した。この粉末状の油脂
組成物80部に、L−グルタミン酸ナトリウム(MS
G)18部、5′−イノシン酸ナトリウム(IMP)1
部、及び5′−グアニル酸ナトリウム(GMP)1部を
添加しよく混合した後、バインダーとして水5部を添加
混合して攪拌造粒して、顆粒状の調味料組成物を調製し
た。得られた調味料組成物を試料Aとする。
【0027】試料Aの調製の途中で得られた予備乳化液
を、下記の乳化条件で本乳化させて本乳化液を調製し
た。予備乳化液の代わりに本乳化液を使用し、試料Aの
調製と同様に、噴霧乾燥、MSG、IMP及びGMPの
添加混合並びに攪拌造粒を行って、顆粒状の調味料組成
物である試料B、試料C、試料D、試料E、及び試料F
をそれぞれ調製した。
【0028】乳化条件 試料B:高圧均質機としてマントンゴーリン(ゴーリン
社製)を使用し、50kgf/cm2 の乳化圧で2回均
質化処理部を通過させる。 試料C:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
200kgf/cm2の乳化圧で3回均質化処理部を通
過させる。 試料D:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
500kgf/cm2の乳化圧で10回均質化処理部を
通過させる。 試料E:高圧均質機としてナノマイザー(ナノマイザー
社製)を使用し、1000kgf/cm2 の乳化圧で1
0回均質化処理部を通過させる。 試料F:高圧均質機としてナノマイザーを使用し、10
00kgf/cm2 の乳化圧で30回均質化処理部を通
過させる。
【0029】上記の各試料を湯で200倍(重量倍)に
希釈し、得られた希釈液中の大豆硬化油の油滴の平均粒
子径を、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−
1100型、株式会社島津製作所製)を用いて測定し
た。また、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定でき
ない粒子径0.2μm以下の油滴を有する試料について
は、光散乱光度計(DLS−7000、大塚電子株式会
社製)を用いて測定した。各試料の希釈液中の油滴の平
均粒子径を表1に示す。
【0030】上記の各試料の希釈液について、味覚パネ
ル30人により対照試料との一対比較により旨味の強さ
及びコクの強さに関する官能評価を行った。官能評価の
結果を表1に示す。
【0031】なお、対照試料としては、試料Aの調製に
於いて大豆硬化油を使用せず、従って乳化処理を行わな
かった他は試料Aの調製と同様に処理して、顆粒状の調
味料組成物を調製し、これを湯で200倍に希釈したも
のを使用した。
【0032】
【表1】 表1 ──────────────────────────── 調味料組成物 平均粒子径 旨味の強さ コクの強さ ────── ─────── ───── ────── 試料A 8.26μm ± ± 試料B 1.73μm ± ± 試料C 0.87μm + + 試料D 0.25μm + ++ 試料E 0.14μm ++ +++ 試料F 0.09μm ++ +++ ──────────────────────────── 評価記号 ± :対照に対して有意差なし + :対照に対して18/12〜22/8で支持 ++ :対照に対して23/7〜26/4で支持 +++:対照に対して27/3 以上で支持
【0033】表1のデータから、本発明の調味料組成物
である試料C、試料D、試料E及び試料Fは、希釈液中
に含まれる油滴の平均粒子径が1μm以下であり、旨味
の強さ及びコクの強さが対照試料よりも優れているのに
対して、希釈液中の油滴の平均粒子径が大きい本発明の
範囲外の調味料組成物である試料A及び試料Bは旨味の
強さ及びコクの強さが大豆油を含まない対照試料と同程
度であることが明らかである。
【0034】[実施例2]実施例1で調製した調味料組
成物である試料B、試料C、試料D、試料E及び試料F
のそれぞれを、市販のワカメスープに0.5重量%添加
してスープB、C、D、E及びFを調製した。
【0035】得られたスープB、C、D、E及びFにつ
いて、実施例1で調製した試料Aを同じ市販のワカメス
ープに0.5重量%添加して調製したスープAを対照試
料として、味覚パネル30人により対照試料との一対比
較により持続的旨味の強さ、持続的コクの強さ、まろや
かさ及び好ましさに関する官能評価を行った。官能評価
の結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── 調味料 持続的 持続的 スープ 組成物 旨味の強さ コクの強さ まろやかさ 好ましさ ──── ───── ───── ───── ───── ────── B 試料B ± ± ± ± C 試料C + + + + D 試料D + ++ ++ ++ E 試料E ++ +++ +++ +++ F 試料F ++ +++ +++ +++ ─────────────────────────────────── 評価記号の意味は、表1に記載したものと同じである。
【0037】表2のデータから、本発明の調味料組成物
を添加したスープC、D、E及びFが、希釈液中の油滴
の平均粒子径が大きい本発明の範囲外の調味料組成物
(試料A)を添加したスープAに比べて、持続的な旨味
及びコクが強くなり、まろやかさも加わって有意に好ま
れるものであることが明らかである。また、希釈液中の
油滴が、試料Aよりも微粒子化したが、依然として本発
明の範囲外の大きさである調味料組成物(試料B)を添
加したスープBはスープAに対して有意差がなかった。
【0038】[実施例3]砂糖10部、食塩6部、L−
グルタミン酸ナトリウム6部、かつおエキス6部、こん
ぶエキス1部、コハク酸ナトリウム0.5部、デカグリ
セリンモノオレエート3部及びショ糖ステアリン酸エス
テル(HLB=10)1部からなる混合物を、50℃で
水55.5部に溶解し、T.K.ホモミキサーを使用し
て、得られた溶液にチキンファット10部を滴下して予
備乳化した。得られた予備乳化液を噴霧乾燥して粉末状
の油脂組成物を調製し、この粉末状の油脂組成物100
部に、バインダーとしてデキストリンの5重量%水溶液
5部を添加混合して流動層造粒して、顆粒状の調味料組
成物を調製した。得られた調味料組成物を試料Gとす
る。
【0039】試料Gの調製の途中で得られた予備乳化液
を、下記の乳化条件で本乳化させて本乳化液を調製し
た。予備乳化液の代わりに本乳化液を使用し、試料Gの
調製と同様に、噴霧乾燥、流動層造粒を行って、顆粒状
の調味料組成物である試料H、試料I、及び試料Jをそ
れぞれ調製した。
【0040】乳化条件 試料H:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
50kgf/cm2 の乳化圧で2回均質化処理部を通過
させる。 試料I:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
300kgf/cm2の乳化圧で5回均質化処理部を通
過させる。 試料J:高圧均質機としてナノマイザーを使用し、10
00kgf/cm2 の乳化圧で20回均質化処理部を通
過させる。
【0041】上記の各試料を湯で200倍に希釈し、希
釈液中のチキンファットの油滴の平均粒子径を、実施例
1に記載の方法により測定した。その結果を表3に示
す。
【0042】とり肉13部、にんじん9部、ごぼう9
部、たけのこ9部、しいたけ1部、こんにゃく13部、
じゃがいも21部、グリーンピース1.3部、大豆サラ
ダ油2部、食塩0.7部、醤油4部、及び日本酒2部の
混合物に、上記の調味料組成物の試料G、試料H、試料
I又は試料Jの0.6部を水14.4部に溶解した液を
それぞれ添加混合して、常法に従っていりどり(煎鳥)
G、H、I及びJを調製した。
【0043】得られたいりどりH、I及びJについて、
いりどりGを対照試料として、味覚パネル30人により
対照試料との一対比較により持続的コクの強さ、まろや
かさ及び好ましさに関する官能評価を行った。官能評価
の結果を表3に示す。
【0044】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── いりど 調味料 持続的 り 組成物 平均粒子径 コクの強さ まろやかさ 好ましさ ──── ───── ────── ───── ───── ────── G 試料G 4.80μm ─── ─── ─── H 試料H 2.42μm ± ± ± I 試料I 0.41μm ++ ++ ++ J 試料J 0.10μm +++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 評価記号の意味は、表1に記載したものと同じである。
【0045】表3のデータから、本発明の調味料組成物
(試料I及びJ)を添加したいりどりI及びJが、希釈
液中に含まれる油滴の平均粒子径が大きい本発明の範囲
外の調味料組成物(試料G)を添加したいりどりGに比
べて、持続的なコクが強くなり、まろやかさも加わって
有意に好まれるものであることが明らかである。また、
希釈液中に含まれる油滴が、試料Gよりも微粒子化した
が、依然として本発明の範囲外の大きさである調味料組
成物(試料H)を添加したいりどりHはいりどりGに対
して有意差がなかった。
【0046】[実施例4]食塩7部、砂糖7部、植物蛋
白加水分解物7部、L−グルタミン酸ナトリウム9部及
びデカグリセリンモノステアレート5部からなる混合物
を、50℃で水55部に溶解し、T.K.ホモミキサー
を使用して、得られた溶液にポークファット20部を滴
下して予備乳化した。得られた予備乳化液を噴霧乾燥し
て粉末状の油脂組成物を調製し、この粉末状の油脂組成
物100部に、バインダーとしてデキストリンの5重量
%水溶液5部を添加混合して流動層造粒して、顆粒状の
調味料組成物を調製した。得られた調味料組成物を試料
Kとする。
【0047】試料Kの調製の途中で得られた予備乳化液
を、下記の乳化条件で本乳化させて本乳化液を調製し
た。予備乳化液の代わりに本乳化液を使用し、試料Kの
調製と同様に、噴霧乾燥、流動層造粒を行って、顆粒状
の調味料組成物である試料L、試料M、及び試料Nをそ
れぞれ調製した。
【0048】乳化条件 試料L:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
50kgf/cm2 の乳化圧で2回均質化処理部を通過
させる。 試料M:高圧均質機としてマントンゴーリンを使用し、
300kgf/cm2の乳化圧で5回均質化処理部を通
過させる。 試料N:高圧均質機としてナノマイザーを使用し、10
00kgf/cm2 の乳化圧で20回均質化処理部を通
過させる。
【0049】上記の各試料を湯で200倍に希釈し、希
釈液中のポークファットの油滴の平均粒子径を、実施例
1に記載の方法により測定した。その結果を表4に示
す。
【0050】合い挽き肉53部、大豆タンパク質(フジ
プロ−N、不二製油(株)製)2部、パン粉5部、たま
ねぎ26部、鶏卵6部、黒コショウ0.4部、ナツメグ
0.3部、及びジンジャー0.3部の混合物に、上記の
調味料組成物の試料K、試料L、試料M又は試料Nの3
部を水4部に溶解した液をそれぞれ添加混合して、常法
に従ってハンバーグK、L、M及びNを作った。
【0051】得られたハンバーグL、M及びNについ
て、ハンバーグKを対照試料として、味覚パネル30人
により対照試料との一対比較により持続的コクの強さ及
び好ましさに関する官能評価を行った。官能評価の結果
を表5に示す。
【0052】
【表4】 表4 ──────────────────────────────── 調味料 持続的 ハンバーグ 組成物 平均粒子径 コクの強さ 好ましさ ────── ───── ────── ───── ────── K 試料K 9.81μm ─── ─── L 試料L 2.15μm ± ± M 試料M 0.72μm + + N 試料N 0.13μm +++ +++ ──────────────────────────────── 評価記号の意味は、表1に記載したものと同じである。
【0053】表4のデータから、本発明の調味料組成物
(試料M及びN)を添加したハンバーグM及びNが、希
釈液中に含まれる油滴の平均粒子径が大きい本発明の範
囲外の調味料組成物(試料K)を添加したハンバーグK
に比べて、持続的なコクが強くなり、有意に好まれるも
のであることが明らかである。また、希釈液中に含まれ
る油滴が、試料Kよりも微粒子化したが、依然として本
発明の範囲外の大きさである調味料組成物(試料L)を
添加したハンバーグLはハンバーグKに対して有意差が
なかった。
【0054】
【発明の効果】本発明の固形調味料組成物は、各種の食
べ物に、その食べ物の本来の風味を損なうことなく、更
に、持続的なコク、旨味、まろやかさ等の風味を付与す
ることができるという顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 秀樹 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 (56)参考文献 特開 昭60−214841(JP,A) 特開 平7−31413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 A23D 7/04 A23D 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調味成分と、組成物全量に対して0.1
    〜50重量%の微粒子状の油脂を含む固形調味料組成物
    であって、該微粒子状の油脂は、該調味料組成物を水中
    に溶解または分散させた場合に、得られる水溶液または
    水分散液中に於いて平均粒子径が1μm以下の油滴とし
    て分散されるような状態で含まれていることを特徴とす
    、水中にて溶液もしくは分散液として用いるための
    形調味料組成物。
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