JP3162428U - 集材装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠隔操作であっても伐採した木材をスムーズに挟持でき、作業効率を向上する上、安全に集材することができる実用的な集材装置を提供する。【解決手段】支柱24a、24b間に架設される架線12と、架線12に沿った方向H及び鉛直上下方向Vに移動自在に架線に12支持され、伐採された木材Wを挟持又は離脱可能に挟持する挟持ユニット14と、を備え、挟持ユニット14は、流体圧力供給装置16と、流体圧力供給装置とは分離して別体とし流体圧力供給装置16に吊り下げ支持され2個1対の挟持片を1つの枢支軸で開閉自在に枢支連結され略やっとこ状に設けられた挟持体18と、挟持体18の基部に一体に組み付けられ流体圧力供給装置の流体圧力により挟持体を開閉操作させる挟持作用部20と、流体圧力供給装置と挟持作用部とを連結した可撓流体圧連結手段22と、を含む集材装置10から構成される。【選択図】図1

Description

本考案は、山林等で伐採した木材を集材地に集めるのに有利な集材装置に関する。
山林で伐採した木材を運搬する際には、傾斜地や谷等の険しい場所に運搬車両が入れないことが多いことから、木材をワイヤで空中に吊り上げて所定の集材地まで運搬する架線集材法が利用される場合がある。従来の架線集材法では、空中にワイヤロープ等の架線を張って、その架線から下方に木材を吊り上げる吊支用ワイヤを垂下させておく。そして、作業者が伐採した木材を荷吊るし用ワイヤに結束して吊り上げ、その木材を吊り上げた状態で架線に沿って所定の位置まで搬送し、その後作業者が木材を吊支用ワイヤから外して集材していた。
また、パイプや木材等の長尺物を機械的に掴んで運搬する技術も種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。例えば、特許文献1には、長尺物の吊荷、荷降ろしの自動化を図る吊垂装置が提案されている。特許文献1の吊垂装置では、クレーンにて昇降可能に吊垂支持される主吊ビームに回転装置を介して設けた吊ビームに吊荷位置幅調整可能にしてそれぞれ抱持レバーを備えた2つのCフックを備えており、長尺物の吊荷、荷卸し作業等を玉掛け作業員を要することなくクレーン操作者のみで行えるものであった。また、例えば、特許文献2には、クレーン先端のフック等に取り付けられてパイプ・木材等の丸材を複数本掴み、運搬するパイプハンドリング用グラブが提案されている。特許文献2のパイプハンドリング用グラブは、機体の下端両側に1対の爪を取付け、その1対の爪を付け根の回りに回動させて開閉し、丸材を掴むことが出来るようにしたものであった。
特開平4−182298号公報 実用新案登録第3002727号公報
従来の架線集材法では、作業者が木材を吊支用ワイヤに結束したり、外したりする作業が必要であるから、煩雑で重労働作業となり時間もかかるとともに、木材の吊り上げ又は吊卸しの際に作業者が近くにいるので、危険を伴い安全性に劣る問題があった。また、特許文献1、2記載のような機械的に木材を掴む技術を伐採した木材の集材に適用することも考えられる。しかしながら、特許文献1、2ではいずれも、木材を掴む1対の爪やフックは、該爪等を開閉駆動させる油圧ユニットや駆動力源を収納している機体に一体的に取り付けられている。すなわち、木材の掴み部が重量のある駆動源を備えた機体と一体的に構成されているので、掴み部の開閉動作や掴み位置への移動等を含む動作が機体に制限されて自由度が低いものであった。よって、ランダムに倒れている木材に掴み部の位置合わせを厳密に行う必要があり、しかも操作に熟練技術を必要とするので、作業効率が悪く時間がかかるなどの問題があった。さらに、伐採した木材には枝や葉がついているが、これらの木材の枝葉が機体に当たって干渉してしまい、掴み部で木材を掴めないおそれがあった。さらに、掴み部と木材との正確な位置合わせを必要とするので、作業者は木材の近くで装置を操作する必要があることから、人身事故のおそれがあり危険であった。したがって、多量の木材を集材するのには実用性が低かった。
本考案は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、遠隔操作であっても伐採した木材をスムーズに挟持でき、作業効率を向上する上、安全に集材することができる実用的な集材装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本考案は、2つの支柱24a、24b間に架設される架線12と、架線12に沿った方向H及び鉛直上下方向Vに移動自在に架線に12支持され、伐採された木材Wを挟持又は離脱可能に挟持する挟持ユニット14と、を備え、挟持ユニット14は、流体圧力供給装置16と、流体圧力供給装置16とは分離して別体とし、流体圧力供給装置16に吊り下げ支持され、木材の挟み部と基部とが一体となった2個1対の挟持片を1つの枢支軸で開閉自在に枢支連結され略やっとこ状に設けられた挟持体18と、挟持体18の基部に一体に組み付けられ、流体圧力供給装置16の流体圧力により挟持体を開閉操作させる挟持作用部20と、流体圧力供給装置16と挟持作用部20とを連結した可撓流体圧連結手段22と、を含むことを特徴とする集材装置10から構成される。例えば、挟持ユニット14は、無線式のコントローラ50を介して遠隔操作される。
また、挟持体18は索条54,55を介して流体圧力供給装置16に吊り下げられたこととしてもよい。索条は、1本のみで挟持体18を吊支してもよいし、複数本で挟持体18を吊支もよい。
また、挟持ユニット14は、流体圧力供給装置16と挟持体18との間に配置されて下端部64aに挟持体18を吊り下げる索条55が接続され、流体圧力供給装置16及び挟持作用部20とそれぞれ可撓流体圧連結手段22で連結され流体圧力供給装置16から挟持作用部20への流体圧力の伝達を維持しながら、挟持作用部20とは別系統で流体圧力供給装置16の流体圧力により挟持体18を吊り下げている下端部64a側を水平回転させる回転伝達機構64を有することとしてもよい。
また、挟持体は、枢支軸を水平方向に向けて水平軸周りに開閉自在とし、その挟持体の基部に索条の下端が接続されることによって、挟み部の挟み下端側が常時閉方向に付勢されるように吊り下げ支持されたこととしてもよい。
本考案の集材装置によれば、2つの支柱間に架設される架線と、架線に沿った方向及び鉛直上下方向に移動自在に架線に支持され、伐採された木材を挟持又は離脱可能に挟持する挟持ユニットと、を備え、挟持ユニットは、流体圧力供給装置と、流体圧力供給装置とは分離して別体とし、流体圧力供給装置に吊り下げ支持され、木材の挟み部と基部とが一体となった2個1対の挟持片を1つの枢支軸で開閉自在に枢支連結され略やっとこ状に設けられた挟持体と、挟持体の基部に一体に組み付けられ、流体圧力供給装置の流体圧力により挟持体を開閉操作させる挟持作用部と、流体圧力供給装置と挟持作用部とを連結した可撓流体圧連結手段と、を含むことから、挟持体が流体圧力供給装置とは分離しているので、挟持体の動きの自由度が高いとともに、比較的大きな開き幅で伐採した木材にセットして挟持することができる。また、伐採した木材に枝や葉がついている場合でも、挟持体のみを木材に近接させることができるので、流体圧力供給装置と木材の枝葉とが干渉しにくい。よって、木材に対して挟持体の大雑把な位置合わせだけで簡単にかつ確実に木材を挟持でき、スムーズに集材することができ、作業効率を向上しうる。さらに、大雑把な位置合わせだけでも木材を挟持できるので伐採現場から遠く離れた場所で装置を操作しても作業性を損なわないので、作業者の安全性を確保しながらの集材作業を実現できる。
また、挟持体は索条を介して流体圧力供給装置に吊り下げられた構成とすることにより、可撓性のある索条により挟持体の動きを制限させることなく、高い自由度を保持して挟持体を吊り下げ支持できる。
また、挟持ユニットは、流体圧力供給装置と挟持体との間に配置されて下端部に挟持体を吊り下げる索条が接続され、流体圧力供給装置及び挟持作用部とそれぞれ可撓流体圧連結手段で連結され流体圧力供給装置から挟持作用部への流体圧力の伝達を維持しながら、挟持作用部とは別系統で流体圧力供給装置の流体圧力により挟持体を吊り下げている下端部側を水平回転させる回転伝達機構を有する構成とすることにより、木材の倒れた方向や集材地で木材を置く方向に合わせて挟持体の向きを変更でき、スムーズに集材することができる。さらに、挟持体を回転させる構造であっても、例えばホース等からなる可撓流体圧連結手段がねじれたり、まきついたり、損傷したりすることがなく、挟持体に一体的に取り付けた挟持作用部の操作を好適に維持できる。
また、挟持体は、枢支軸を水平方向に向けて水平軸周りに開閉自在とし、その挟持体の基部に索条の下端が接続されることによって、挟み部の挟み下端側が常時閉方向に付勢されるように吊り下げ支持された構成とすることにより、挟持体を閉方向すなわち木材を挟持するように常時付勢されるので、木材の挟持力を向上するとともに、挟持体の開閉操作を円滑に行えるうえ、挟持ユニットを移動させる際にも木材が挟持体から落下しにくい。よって、使い勝手がよく、作業効率を維持し、安全性も確保できる。また、挟持体の索条による吊支構造が閉方向への付勢構造を兼用しているので、バネ等の部材点数を増加することなく、簡単な構造で低コストで製造できる。
本考案の一実施形態に係る集材装置の説明図である。 図1の集材装置の挟持ユニットの拡大図である。 図2の集材装置の挟持ユニットの側面図である。 図2の集材装置の挟持ユニットの挟持体を閉鎖した作用説明図である。 図2の集材装置の挟持体の一部省略した斜視図及び作用説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ本考案の集材装置の実施の形態について説明する。本実施形態の集材装置は、空中に張った架線を利用して伐採した木材を所定の位置に運搬して集材する木材の運搬収集装置である。図1ないし図5は、本考案の集材装置の一実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、集材装置10は、架線12と、架線12に支持され木材Wを挟持する挟持ユニット14と、を備えている。
図1に示すように、架線12は、互いに離隔した位置に立設される2つの支柱24a、24b間に架設され、地面から離隔した空中に設置される。架線12を支持する支柱24a、24bは、例えば、木や鉄骨等の強度のある素材からなり、一本の柱体又は複数の部材をやぐら状に組み付ける等して設けられている。本実施形態では、支柱24a、24bは、例えば、伐採現場Sを挟んで500〜1000m程度離隔して設置されている。なお、支柱24a、24bの設置位置や高さは、伐採現場S及び集材位置Gの地形や作業条件等に応じて適宜設定されるとよい。支柱24a、24bには、架線12をガイドするプーリ26が軸回り回転自在に取り付けられている。本実施形態では、架線12は、例えば、ワイヤロープからなり、支柱24a、24bのプーリ26に掛け回され、上下に上架線12aと下架線12bとを並設して横方向に架設されている。上架線12aの一端側(図1上、左側)は、支柱24aのプーリ26にガイドされ、第1ウインチ28に巻取り、繰り出し自在に接続されている。上架線12aの他端側(図1上、右側)では、支柱24bのプーリ26に掛けられて反転され、下架線12bとなる。下架線12bの一端側(図1上、左側)は、支柱24aのプーリ26にガイドされ、第2ウインチ29に巻取り、繰り出し自在に接続されている。本実施形態では、架線12は、支柱24a、24bに支持された両側が略同じ高さとなるように架設されている。なお、架線12は、例えば、一方の支柱側24a(24b)では相対的に高い位置で支持し他方の支柱側24b(24a)では相対的に低い位置で支持して、架線12を斜めに架設してもよい。
さらに、架線12には、該架線12に挟持ユニット14を支持させる移動機体30が支持されている。移動機体30は、架線12に沿った方向に移動自在に設けられており、挟持ユニット14の架線12に沿った方向Hへの移動機構を実現し得る。移動機体30は、例えば、その機枠31の上方側に上架線12aに載置される複数の移動用プーリ32を有しているとともに、機枠31を下架線12bの中間位置に介設させ下架線12bと固定部33を介して固定されている。機枠31の下方には、挟持ユニット14を吊支するための吊支用索条36をガイドする2個の吊支用プーリ34が軸回り回転自在に設けられ互いに離隔して配置されている。移動機体30を移動させる際には、第1、第2ウインチ28、29を同期して互いに逆駆動させる。例えば、上架線12aの一端側の第1ウインチ28を繰り出し駆動し、下架線12bの一端側の第2ウインチ29を巻取り駆動することにより、プーリ26に掛け回された索条12が右回り状に回転駆動するのに伴って移動機体30は架線12に沿って図1上の左方向、すなわち支柱24a側に移動する。逆に、上架線12aの一端側の第1ウインチ28を巻取り駆動、下架線12bの一端側の第2ウインチ29を繰り出し駆動することにより、プーリ26に掛け回された索条12が左回り状に回転駆動するのに伴って移動機体30は架線12に沿って図1上の右方向、すなわち支柱24b側に移動する。このようにして、架線をウインチで巻取り、繰り出し駆動することにより、移動機体30を支柱24a、24b間で架線12に沿った方向Hに移動させることができる。なお、移動機体30側に架線12を走行する走行機構を備えていてもよい。
挟持ユニット14は、架線12に支持され、架線12に沿った方向H及び鉛直上下方向Vに移動自在であり、かつ伐採された木材Wを挟持又は離脱可能に挟持する挟持手段である。本実施形態では、挟持ユニット14は、例えば、架線12に沿って移動する移動機体30に上下移動可能に吊支されることにより、架線12に沿った方向Hと鉛直上下方向Vへの移動を実現している。挟持ユニット14は、例えば、上部側に水平軸回り回転自在に支持された受プーリ38が取り付けられており、該受プーリ38を移動機体30から垂れ下げられた吊支用索条36の中間部に掛けることにより吊り下げ支持されている。吊支用索条36は、例えば、ワイヤロープからなり、一端を支柱24aに軸支されたプーリ27にガイドされつつ第3ウインチ40に巻取り、繰り出し自在に接続されるとともに、他端を支柱24bに固定部41を介して固定させている。そして、吊支用索条36の中間位置を移動機体30の吊支用プーリ34にガイドさせつつ、該吊支用プーリ34間で下方に撓ませて、挟持ユニット14側の受プーリ38に係合されている。これにより、例えば、第3ウインチ40で吊支用索条36の一端側を巻取り駆動すると、該吊支用索条36の中間部の移動機体30から垂れ下がる部分の長さが短くなり、挟持ユニット14が鉛直上方向に上昇する。逆に、第3ウインチ40から吊支用索条36を繰り出し駆動すると、該吊支用索条36の中間部の移動機体30から垂れ下がる部分の長さが長くなり、挟持ユニット14はその自重で鉛直下方向に下降する。また、例えば、移動機体30が架線12に沿って移動する際には、挟持ユニット14は、高さ位置が変更されることなく、移動機体30に追従して架線12に沿った方向に移動する。なお、架線12を駆動させる第1、第2ウインチ28、29及び吊支用索条36を駆動させる第3ウインチ40の3つのウインチは、1つの機枠に組み付けられて同一場所に設置されている。なお、挟持ユニット14は、例えば、移動機構30又は挟持ユニット14にウインチを組み付けて、ウインチを巻取り、繰り出し駆動することにより挟持ユニットを上下移動させる構成としてもよい。その他、挟持ユニット14の架線に沿った方向、上下方向の移動はホイストを利用した構成等、任意の構成でもよい。
図2、図3に示すように、挟持ユニット14は、流体圧力供給装置16と、挟持体18と、挟持作用部20と、可撓流体圧連結手段22と、を含む。流体圧力供給装置16は、流体圧力の流れにより作動力を発生させる駆動力源装置である。本実施形態では、流体圧力供給装置16は、例えば、油圧を利用した油圧駆動装置である。液体圧力供給装置16は、エンジン42と、エンジン42によって駆動する油圧ポンプ44と、制御弁46と、油タンク48と、を備えている。なお、液体圧力供給装置16は、後述のように2系統のアクチュエータである油圧シリンダと回転伝達機構とに連結されて別々に駆動させるようになっている。液体圧力供給装置16は、エンジン42、油圧ポンプ44等の構成要素を箱体又は枠体或いは籠体等からなる機枠49に一体的に組み付けられるとともに、機枠49の上端部に受プーリ38が取り付けられ上記のように受プーリ38を介して吊り下げ支持される。さらに、流体圧力供給装置16は、例えば、無線式のコントローラ50により無線操作制御されるようになっており、コントローラ50からの無線信号を受信し、信号に応じてエンジン、ポンプ、制御弁等の制御を含む操作制御を行なう受信制御部52を備えている。
挟持体18は、実際に木材Wを挟持するように開閉する木材把持部であり、図2、図3、図5に示すように、流体圧力供給装置16とは分離して別体で構成されている。挟持体18は、例えば、ワイヤロープ等の索条54、55を介して流体圧力供給装置16に吊り下げ支持される。挟持体18は、流体圧力供給装置16に対して可撓性の索条54、55で吊り下げられて接続されているので、開閉動作を含む動きが流体圧力供給装置16に制限されることなく自由度が高い。本実施形態では、挟持体18を吊り下げている索条54、55の間に後述の回転伝達機構64が介設されている。よって、流体圧力供給装置16の下方側には、上から下へ、機枠49に上端が接続された索条54、該索条54の下端に接続された回転伝達機構64、回転伝達機構64の下端に接続された索条55、該索条55の下端に接続された挟持体18、の順で吊り下げ支持されている。
挟持体18は、例えば、2個1対の挟持片56a、56bを略X字状に重ねた状態で1つの枢支軸58で枢支連結して略やっとこ状に構成され、該挟持片56a、56bが枢支軸58周りに自在に開閉するように設けられている。本実施形態では、各挟持片56a、56bは、例えば、枢支連結時に互いに内側に凹となるように曲成された挟み部60a、60bと、挟み部60a、60bに連設された基部62a、62bと、が一体的に形成され正面視変形S字状で、厚みが比較的薄く設けられている。2個の挟持片56a、56bは、略X字状に交差した状態で対称的に配置され、重ね合わせた中間部分を枢支軸58で貫通して枢支されている。挟持体18は、例えば、枢支軸58を水平方向に向けて配置されており、枢支軸58から下方側に向けて挟み部60a、60bが伸びて形成され、枢支軸58から上方側に向けて基部62a、62bが伸びて形成されている。そして、挟持体18の基部62a、62bの上端側にそれぞれシャックル66を介して2本の索条55の下端が接続されて挟持体18が吊り下げ支持される。挟持体18は、水平軸回りに開閉自在となっており、図2に示すように、挟持体18が開いた状態では、挟み部60a、60b及び基部62a、62bがともに開いて、挟み部の開いた下方側から木材Wを受け入れ、離脱可能としている。一方、図4に示すように、挟持体18を閉じた状態では、挟み部60a、60b及び基部62a、62bがともに閉じ、挟み部60a、60bの凹状に曲成された部分に木材Wを挟む間隙を形成しながら挟み部の先端側を交差させ、木材Wを圧着状に挟み付けて容易に落下させることなく確実に挟持するようになっている。さらに、挟持体18の基部62a、62bに接続される2本の索条55は、その上端側を回転伝達機構64の下端側64aに一点状に近接させて接続されており、逆V字状に張設されている。これにより、挟持体18は、逆V字状に張設されて基部62a、62bに接続された索条55と挟持体18の自重とが協働して、挟持体18は、挟み部の挟み下端側を常時閉方向に付勢されるようになっている。なお、挟持体18の基部62a、62bには、挟持作用部20が取り付けられる受片68、69が一体的に設けられている。
挟持作用部20は、流体圧力供給装置16からの流体圧力により挟持体18を強制的に開閉操作する開閉駆動手段である。図2、図3に示すように、本実施形態では、挟持作用部20は、例えば、可撓流体圧連結手段22により流体圧力供給装置16と連結される油圧シリンダ70からなり、挟持体18の基部62a、62bに一体的に組み付けられている。油圧シリンダ70は、例えば、挟持体18の基部62a、62bの前面側に横方向に伸縮方向を向けて配置され、シリンダ本体の端部を一方の基部62aに固定された受片68に枢支され、反対側のシリンダロッドの先端を他方の基部62bに固定された受片69に枢支されている。そして、図2に示すように、流体圧力供給装置16からの油圧駆動により、油圧シリンダ70のシリンダロッドが伸長させると、挟持体18は上述のような挟み部の閉方向への付勢力に反して開き動作されるとともに開き状態を保持する。また、図4に示すように、流体圧力供給装置16からの油圧駆動により、油圧シリンダ70のシリンダロッドを収縮させると、挟持体18は閉動作され閉鎖状態を保持する。本実施形態では、挟持体18は閉鎖方向に付勢されるので、開閉コントロール、特に閉動作をスムーズに行え、木材を確実に挟持し、かつ挟持状態の保持に有利な構成となっている。
回転伝達機構64は、挟持体18を水平回転駆動させて、挟持体18の向きを変更させる回転変位手段である。図2に示すように、回転伝達機構64は、流体圧力供給装置16と挟持体18との間に配置されており、流体圧力供給装置16に上端を接続された索条54を介して吊支されるとともに、回転伝達機構の下端部64aに挟持体18を吊り下げる索条55の上端が接続されている。回転伝達機構64は、流体圧力供給装置16に可撓流体圧連結手段22で連結されており、流体圧力供給装置16の流体圧力により挟持体18を吊り下げている下端部側64aを水平回転駆動させる油圧モータとなっている。さらに、回転伝達機構64は、下端部64a側の水平回転駆動とは別系統で、流体圧力供給装置16と油圧シリンダ70とに可撓流体圧連結手段22で連結されており、流体圧力供給装置16から油圧シリンダ70への流体圧力を伝達するようになっている。すなわち、回転伝達機構64は、油圧モータのように油圧駆動による水平回転する機構と、該回転する機構を維持しながらカプラのように流体圧力供給装置16から油圧シリンダ70へ流体圧力を伝達する機構と、を兼用して、油圧モータ兼油圧カプラの構成となっている。これにより、例えば、木材の倒れた方向に対応して挟持体18の挟持方向を変更してスムーズに挟持することができると同時に、可撓流体圧連結手段22のねじれを防止することができ、回転方向を細かに確認しなくてもスムーズに木材の挟持操作を行える。
可撓流体圧連結手段22は、可撓性を有し互いに離隔して位置に配置されている流体圧力供給装置16と挟持作用部20とを連結し、作動流体を流して流体圧力を伝達させる連結手段である。図2に示すように、本実施形態では、可撓流体圧連結手段22は、例えば、流体圧力供給装置16から回転伝達機構64を介して油圧シリンダ70に連結され油圧シリンダ70の伸縮駆動の油圧経路を形成する第1の可撓ホース72と、流体圧力供給装置16と回転伝達機構64とを連結され回転駆動の油圧経路を形成する第2の可撓ホース73と、を含む。
図2に示すように、コントローラ50は、集材装置10の各操作を無線通信で制御する遠隔操作端末である。本実施形態では、コントローラ50は、例えば、複数のレバー501〜505を備えており、所望の操作に応じて各レバー501〜505を上又は下方向に傾倒することで種々の操作用信号を無線で送信するようになっている。コントローラ50は、例えば、装置のオンオフ用レバー501と、挟持ユニット14の挟持体18の開閉制御する開閉操作用レバー502と、挟持ユニット14の挟持体18を水平回転する制御する回転操作用レバー503と、を有している。そして、各レバー501〜503の操作に応じて、挟持ユニット14の流体圧力供給装置16に信号を送信して、挟持体18を無線で遠隔操作する。さらに、コントローラ50は、例えば、挟持ユニット14の架線12に沿った方向Hへの移動を操作する移動レバー504と、挟持ユニット14の鉛直上下方向Vへの移動を操作する上下レバー505と、を有している。なお、第1〜第3ウインチ28、29、40にコントローラ50からの信号を受けて駆動を制御する受信制御部が設けられている。そして、各レバー504〜505の操作に応じて第1〜第3ウインチ28、29、40を駆動させて、挟持ユニット14の移動を無線で遠隔操作する。なお、コントローラ50の構成は、上記構造に限らず、例えば、ボタンの押し下げで操作する構成等、その他任意の構成でもよい。
次に、本実施形態に係る集材装置10の作用について説明する。図1に示すように、予め現場の地形に応じて支柱24a、24bを立設して架線12を架設して、集材装置10を設置しておく。そして、複数の木を伐採した後に木材を集材する際には、作業者は、無線式のコントローラ50を操作して、挟持ユニット14を架線12に沿った方向Hに移動させて、伐採した木材Wの上方位置に移動させる。そして、図5に示すように挟持ユニット14の挟持体18を開いた状態で、木材Wに位置合わせして挟持ユニット14を降下させる。なお、必要に応じて、回転伝達機構64を介して挟持体18を水平回転させて木材の倒れた方向に挟持体18を向ける。木材を挟持体で挟持させる際には、挟持体18は流体圧力供給装置16とは分離して索条54、55等で吊り下げ支持しているので、挟持体18の開閉動作は制限されにくいとともに、比較的重量の軽い挟持体のみを索条の支持された範囲で自由に移動させることができる。さらに、挟持体18は、略やっとこ状の挟持体18は大きな開き幅で構成されている。したがって、挟持体18と木材Wとの位置合わせを厳密に行わなくても、挟持体18の挟み部60a、60bの間に木材を簡単かつスムーズに収容させることができる。また、伐採した木材Wには枝や葉がついている場合でも、挟持体18のみが木材に近接し、比較的大きな流体圧力供給装置16等と木材の枝葉とが干渉しにくく、作業性を損なわない。そして、挟持体18の開かれた挟み部の間に木材を配置させた状態で、コントローラ50を操作し、図4に示すように、流体圧力供給装置16により油圧シリンダ70を伸長させて挟持体を閉動作し、挟み部60a、60b間に木材Wを挟持する。この際、挟持体18の基部62a、62bを索条で吊支して、挟持体18は閉方向に付勢されているので、木材の挟持をスムーズかつ確実に行え、挟持状態を強固に維持できる。よって、運搬中に木材が挟持体から落下しにくく、安全で作業効率も維持できる。そして、挟持体18が木材Wを挟持した状態で、挟持ユニット14を上昇させて木材を空中に持ち上げ、挟持ユニット14を架線12に沿った方向Hに移動させて、木材Wの集材地に移動させる。集材地において、挟持ユニット14を降下させて、挟持体18を開動作して、木材を集材地に下ろす。このような操作を繰返して、集材地に木材を集めることができる。これにより、木材の集材現場からある程度離れた安全な位置で挟持ユニット14を操作しても操作性を損なうことなく、スムーズにかつ効率的に集材作業を行うことができる。なお、集材した後には、木材をトラック等に積載して、枝切りや製材等を行う加工工場等へ運搬される。
以上説明した本考案の集材装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本考案の集材装置は、例えば、山林、傾斜地、谷等で伐採した木材を集材するのに好適に利用できる。
10 集材装置
12 架線
14 挟持ユニット
16 流体圧力供給装置
18 挟持体
20 挟持作用部
22 可撓流体圧連結手段
24a、24b 支柱
54、55 索条
56a、56b 挟持片
58 枢支軸
60a、60b 挟み部
62a、62b 基部
64 回転伝達機構
W 木材
H 架線に沿った方向
V 鉛直上下方向

Claims (4)

  1. 2つの支柱間に架設される架線と、
    架線に沿った方向及び鉛直上下方向に移動自在に架線に支持され、伐採された木材を挟持又は離脱可能に挟持する挟持ユニットと、を備え、
    挟持ユニットは、流体圧力供給装置と、
    流体圧力供給装置とは分離して別体とし、流体圧力供給装置に吊り下げ支持され、木材の挟み部と基部とが一体となった2個1対の挟持片を1つの枢支軸で開閉自在に枢支連結され略やっとこ状に設けられた挟持体と、
    挟持体の基部に一体に組み付けられ、流体圧力供給装置の流体圧力により挟持体を開閉操作させる挟持作用部と、
    流体圧力供給装置と挟持作用部とを連結した可撓流体圧連結手段と、を含むことを特徴とする集材装置。
  2. 挟持体は索条を介して流体圧力供給装置に吊り下げられたことを特徴とする請求項1記載の集材装置。
  3. 挟持ユニットは、流体圧力供給装置と挟持体との間に配置されて下端部に挟持体を吊り下げる索条が接続され、流体圧力供給装置及び挟持作用部とそれぞれ可撓流体圧連結手段で連結され流体圧力供給装置から挟持作用部への流体圧力の伝達を維持しながら、挟持作用部とは別系統で流体圧力供給装置の流体圧力により挟持体を吊り下げている下端部側を水平回転させる回転伝達機構を有することを特徴とする請求項2記載の集材装置。
  4. 挟持体は、枢支軸を水平方向に向けて水平軸周りに開閉自在とし、その挟持体の基部に索条の下端が接続されることによって、挟み部の挟み下端側が常時閉方向に付勢されるように吊り下げ支持されたことを特徴とする請求項2又は3記載の集材装置。
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