JP3161741B2 - ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法 - Google Patents

ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法

Info

Publication number
JP3161741B2
JP3161741B2 JP03147891A JP3147891A JP3161741B2 JP 3161741 B2 JP3161741 B2 JP 3161741B2 JP 03147891 A JP03147891 A JP 03147891A JP 3147891 A JP3147891 A JP 3147891A JP 3161741 B2 JP3161741 B2 JP 3161741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hydrogen atom
penem
penems
gastrointestinal absorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03147891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04247035A (ja
Inventor
修 杉田
靖 金井
拓巳 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP03147891A priority Critical patent/JP3161741B2/ja
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to EP92101563A priority patent/EP0497353B1/en
Priority to ES01118037T priority patent/ES2244529T3/es
Priority to DE69232598T priority patent/DE69232598T2/de
Priority to ES92101563T priority patent/ES2176179T3/es
Priority to AT01118037T priority patent/ATE297205T1/de
Priority to AT92101563T priority patent/ATE217195T1/de
Priority to DE69233529T priority patent/DE69233529T2/de
Priority to EP01118037A priority patent/EP1161947B1/en
Priority to US07/828,571 priority patent/US5354748A/en
Publication of JPH04247035A publication Critical patent/JPH04247035A/ja
Priority to US08/425,223 priority patent/US5637612A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3161741B2 publication Critical patent/JP3161741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペネム系又はカルバペ
ネム系抗生物質(以下、ペネム類という)の消化管吸収
を改善する経口剤および方法に関し、更に詳細には、小
腸上皮細胞に局在するジペプチダーゼの阻害物質を用い
るペネム類の消化管吸収を改善する経口剤および方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ペネム類は、広範な抗菌スペクトルと強
力な抗菌力を有しており、ペニシリン、セファロスポリ
ンに続く、新しい世代の抗菌剤として積極的に開発が進
められている。
【0003】しかしながらカルバペネム系化合物に関し
ては、消化管からほとんど吸収されないために、実際の
投与形態は静脈内投与による注射剤のみに限定されてい
るのが現状である。 また、ペネム系化合物に関して
は、腎臓が主たる代謝部位であるという事実より、腎臓
に局在するβ−ラクタム加水分解酵素ジペプチダーゼ
(E.C.3.4.13.11)に着目し、該酵素を選択的に阻害する
化学物質(以下、ジペプチダーゼ阻害剤という)を併用
させてペネム系化合物を投与した報告がなされている
(特開昭58−77885)。該報告には、ジペプチダ
ーゼ阻害剤とペネム系化合物の併用方法として、これら
の二つの化合物を含む医薬組成物の形態として投与する
方法及びこれらの成分を別々に経口、筋肉内或は静脈内
投与のいずれかの投与経路で投与する方法のいずれもが
可能であるとの記載があり、その一つとしてペネム類を
経口投与した併用例もあるが、ジペプチダーゼ阻害剤の
投与方法、投与量及びその結果得られた血中濃度等満足
すべきものではなく、ジペプチダーゼ阻害剤による消化
管吸収の改善を示唆するものでないことは言うまでもな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような実情にお
いて、ペネム類の消化管吸収を改善し、経口投与におい
て充分な治療効果をもたらす方法を見いだすことはペネ
ム類の適用範囲を拡大する上で非常に重要なことであ
り、このような技術が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、経口投与
されたペネム類の生体内における代謝経路を子細に検討
した結果、ペネム類の吸収率が低いのは、これが小腸上
皮細胞に局在するジペプチダーゼ様酵素(以下、「小腸
上皮細胞由来ジペプチダーゼ」という)により分解され
るためであること、およびこの小腸上皮細胞由来ジペプ
チダーゼを阻害する物質(以下、「ジペプチターゼ阻害
物質」という)を経口投与することにより、ペネム類の
消化管からの吸収が改善されることを見い出し本発明を
完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明の第一の目的は、ジペプ
チダーゼ阻害物質を有効成分とするペネム類の消化管吸
収改善用経口剤を提供するものである。また、本発明の
他の目的は、ジペプチダーゼ阻害物質を経口投与するこ
とを特徴とするペネム類の消化管吸収を改善する方法を
提供するものである。
【0007】本発明で用いられるジペプチダーゼ阻害物
質は、小腸上皮細胞由来ジペプチダーゼを阻害し、その
作用濃度において生体に対し有害でないものであればど
のようなものであっても良い。
【0008】具体的なジペプチダーゼ阻害物質の例とし
ては、例えば次の一般式(I)〜 (IV〕で表される化
合物が挙げられる。
【0009】
【化6】
【化7】
【0010】〔式中、R1は、水素、炭素数1−6個の
低級アルキル又はジアルキルアミノアルキル、又は薬学
的に許容される陽イオンを示し、R2とR3は、各々炭素
数3−10個及び1−15個の炭化水素基を示し、この
2又はR3の炭化水素鎖のいずれか一方の1−6個の水
素はハロゲン原子で置換されていても良く、又、その非
末端メチレンを酸素又は硫黄(硫黄の酸化型を含む)で
置換されていてもよい。更にR3の炭化水素基の末端水
素が水酸基又はチオール基で置換されていてもよく、こ
の水酸基又はチオール基は更にアシル化又はカルバモイ
ル化されていてもよく、このアミノ基は更にまた、アシ
ルアミノ、ウレイド、アミジノ、グアジニノ又は4級窒
素基を含むアルキル又は置換アミノ基等の誘導体となっ
ていても、また、カルボン酸、ホスホン酸又はスルホン
酸基等の酸基、そのエステル、アミド又はシアノで置換
されていてもよい。 nは3−5の整数であり、Yは水
酸基、オキソ、カルボキシル又はメチルで置換されてい
ても良いヘテロ環又はフェニル基を示す〕
【0011】
【化8】 〔式中、mは1−10までの整数であり、R4は、炭素
数1−4個の低級アルキル又はハロゲンを示す〕
【0012】
【化9】 〔式中、R5は水素、低級アルキル基又はアリール基を
示す〕
【0013】上記化合物は、それらの炭素数1−6個の
エステル、薬剤的に使用可能な塩類であっても良く、又
はそのラセミ体、ジアステレオマー等であっても良い。
【0014】上記化合物のうち、化合物(I)又は(I
I)の例としては、z−2−(2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボキサミド)−8−トリメチルアンモニウム
−2−オクテノイン酸、z−2−(2,2−ジメチルシ
クロプロパンカルボキサミド)−2−ブテノイン酸、z
−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミ
ド)−2−ペンテノイン酸、z−2−(2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボキサミド)−2−オクテノイン
酸、z−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キサミド)−2−ヘキセノイン酸、z−8−[(カルボ
キシメチル)メチルアミノ]−2−(2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキサミド)−2−オクテノイン
酸、z−8−[(2−アミノ−2−オキソエチル)チ
オ]−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキ
サミド)−2−オクテノイン酸、z−2−(2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキサミド)−8−[1−
(ホスホノ)エチルアミノ]−2−オクテノイン酸、z
−7−(−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)−2
−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)
−2−ヘプテノイン酸、z−8−アセトアミド−2−
(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−
2−オクテノイン酸、z−7−(3−ヒドロキシ−2−
ピリジルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパ
ンカルボキサミド)−2−ヘプテノイン酸、z−(3−
カルボキシ−2−ピリジルチオ)−2−(2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノイ
ン酸等が、化合物(III)の例としては、(z,z)−
2,11−ビス(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キサミド)−2,10−ドデカジエンジオン酸等が、化
合物(IV)の例としては、2−ヒドロキシ−2−(ヒド
ロキシカルバモイル)−3−メチルグルタール酸ジナト
リウム、2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシカルバモイ
ル)−3−フェニルグルタール酸ジナトリウム等がそれ
ぞれ挙げられる。これらのうち、z−7−(2−アミノ
−2−カルボキシエチルチオ)−2−(2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノイン
酸(シラスタチン)、その塩またはそれらのラセミ体が
特に好ましい。
【0015】本発明のペネム類の消化管吸収改善剤(以
下、「吸収改善剤」と略称する)を調製するには、上記
ジペプチダーゼ阻害物質を常法に従って経口用に製剤す
れば良い。 吸収改善剤の剤形としては、錠剤、顆粒
剤、散在、カプセル剤、シロップ剤、液剤等の経口剤の
剤形を挙げることができ、これらの製剤化にあたっては
公知の薬学的に許容される担体を使用することが出来
る。
【0016】使用することのできる担体の例としては、
例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、結晶セルロ
ース等の希釈剤、でんぷん、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等の結合剤、タル
ク、ステアリン酸及びその塩等の滑沢剤などの固形剤用
担体及び例えば、白糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソル
ビトール、キシリトール、グリセリン、アラビアゴム、
トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム等
の液剤用担体などが挙げられる。
【0017】本発明の吸収改善剤は、ペネム類の投与時
に同時に投与しても、また、これと異なる時に投与して
も良い。
【0018】また、その投与量は、小腸上皮細胞由来ジ
ペプチダーゼを阻害し、かつ、生体に毒性を示さない範
囲であれば良い。ジペプチダーゼ阻害物質の投与量は、
用いるジペプチダーゼ阻害物質の種類によって大きく変
わるが、例えば、ジペプチダーゼ阻害物質としてシラス
タチンを用いたときは、大人一人当たり2〜60mg/
日程度とすることが好ましい。
【0019】更に、本発明の吸収改善剤によりその吸収
が向上するペネム類としては、下記一般式(V)
【化10】 〔式中、R6は、水素原子又は生理的条件下で脱離しう
る水酸基の保護基を、Xは、−S−又は−CH2−を、
Yは−S−、−(CH2)l −(lは0〜5の数)、−O
−又は−N−を示し、R7は、アルキル基、アラルキル
基、アリール基、水素原子、水酸基、アルコキシ基、ス
ルフィド基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カ
ルバメート基または酸素原子、イオウ原子若しくは窒素
原子を1個〜4個含む複素環を、R8は、水素原子、薬
理学上許容されうるアルカリ金属又は生理的条件下で脱
離しうるカルボキシル基の保護基を示す〕で表される化
合物を挙げることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の吸収改善剤および改善方法によ
れば、これまで消化管からほとんど吸収されないために
制限を受けていたペネム類の投与経路を経口投与にまで
拡大することができる。また、わずかに消化管から吸収
されていたペネム類においても、消化管吸収を従来以上
に増大せしめることができ、従来より低用量でより有効
な治療効果を期待することが出来る。従って、本発明の
吸収改善剤および改善方法はペネム類の適用範囲、適用
分野を広げる意味で極めて重要なものである。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は、これらの実施例になんら制約される
ものでない。
【0022】実 施 例 1 小腸におけるジペプチダーゼの局在部位を以下の方法に
より調べた。ラット小腸をザンボニ固定液にて灌流固定
し、常法に従いパラフィン切片を作製した。 一次抗体
としてヒト腎臓から精製したジペプチダーゼに対する家
兎抗血清、二次抗体としてパーオキシダーゼ標識した抗
家兎IgG山羊IgGを用い、発色基質として3,3−ジアミ
ノベンジジンを使用した。
【0023】この結果から、ラット小腸にジペプチダー
ゼが存在し、その局在部位は上皮細胞刷子縁膜であるこ
とが明らかとなった(参考写真参照)。
【0024】実 施 例 2 ラット小腸単離上皮細胞におけるペネム類の分解を以下
の方法により調べた。クエン酸法(ザ ジャーナル オ
ブ バイオロジカルケミストリー、248巻、2356
−2541頁、1973)によりラット小腸から上皮細
胞を単離した。この単離上皮細胞を緩衝液中に懸濁し
(25%、W/V)、これにペネム類として(1'R,2"
R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキシエチル)−2
−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸ナトリウム・2.5水和物(9μg/ml)、ジペ
プチダーゼ阻害物質としてシラスタチン(35μg/m
l)を添加し、37℃、60分間保温後の遠心上清中に
残存する上記ペネムの遊離酸を高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)にて測定した。 個の結果を表1に示
す。
【0025】表 1 * (1'R,2"R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキ
シエチル−2−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム
−3−カルボン酸ナトリウム・2.5水和物の単独投与
を意味する。
【0026】シラスタチンの添加により、上記ペネムカ
ルボン酸塩の分解が阻害されることが明らである。
【0027】実 施 例 3 ラットにおけるペネム類とシラスタチン同時投与による
吸収率の改善を、以下に示す実験により調べた。(1'
R,2"R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸ナトリウム・2.5水和物とシラスタチン
を1:1〜2000:1で配合(モル比)し、経口抗菌
組成物を調製した。 この組成物を、7週令スプラーグ
・ドウリー系雄性ラットに上記ペネムカルボン酸塩の投
与量として57.1mg(力価)/kgとなるように経
口投与した。 投与後0.1から2.0時間にわたり採血
を行い、血漿中の上記ペネムの遊離酸濃度をHPLCに
より測定し、最高血漿中濃度および濃度時間曲線下面積
(AUC)を求めた。 また、11.4mg/kgの上記
ペネムカルボン酸塩を単独で静脈内投与したときに血漿
中に残存する該化合物の濃度時間曲線下面積(AUCi
v)を100%とし、経口投与後に血漿中に存在する該
化合物の濃度時間曲線下面積(AUCpo)より、以下の
式に従って経口吸収率を算出した。 経口吸収率(%)=AUCpo/AUCiv×11.4/5
7.1×100 この結果を以下の表2に示す。
【0028】表 2 * 配合比は、(1'R,2"R,5R,6S)−6−(1'
−ヒドロキシエチル)−2−(2"−テトラヒドロフラ
ニル)ペネム−3−カルボン酸ナトリウム・2.5水和
物対シラスタチンのモル比を示し、単独投与とは、
(1'R,2"R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキシエ
チル)−2−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸ナトリウム・2.5水和物のみの投与を
意味する。
【0029】この結果から明らかなように、上記ペネム
カルボン酸塩に対し1/2000という少量のシラスタ
チンの同時経口投与により、経口吸収率はは単独投与の
2.5倍に増加し、1/100量のシラスタチンの同時
投与で93%という高い経口吸収率を示した。
【0030】実 施 例 4 イヌにおけるペネム類とシラスタチン同時投与による吸
収率の改善を、以下に示す実験により調べた。(1'R,
2"R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキシエチル)−
2−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カル
ボン酸ナトリウム・2.5水和物とシラスタチンを12.
6:1又は126:1(モル比)、即ち1カプセル当り
75mgの上記ペネムカルボン酸と7.5又は0.75m
gのシラスタチンの混合粉末をカプセルに充填し、カプ
セル剤を調製した。 このカプセル剤1個を成犬に経口
投与し、投与後0.25から4時間にわたり採血を行
い、血漿中の上記ペネムの遊離酸濃度をHPLCにより
測定した。 また、投与後24時間までの尿を採取し、
尿中の上記ペネムの遊離酸濃度をHPLCにより測定し
た。
【0031】経口投与後に血漿中に存在する該化合物の
濃度時間曲線下面積(AUCpo)を、10mg/kgの
上記ペネムカルボン酸塩を単独で静脈内投与したときの
濃度時間曲線下面積(AUCiv)と比較し、AUCivを
100%とした時の、AUCpoの割合を、以下の式によ
り算出し、経口吸収率Aとした。 同様に、10mg/
kgの上記ペネムカルボン酸塩を単独で静脈内投与した
ときの尿中排泄率(Uiv)を100%とし、経口投与時
の尿中排泄率(Upo)より、以下の式により経口吸収率
Bを算出した。 経口吸収率 A(%)=AUCpo/AUCiv×10/7
5×100 経口吸収率 B(%)=Upo/Uiv×100 この結果を以下の表3に示す。
【0032】表 3 * 配合比は、(1'R,2"R,5R,6S)−6−(1'
−ヒドロキシエチル)−2−(2"−テトラヒドロフラ
ニル)ペネム−3−カルボン酸ナトリウム・2.5水和
物対シラスタチンのモル比を示し、単独投与とは、
(1'R,2"R,5R,6S)−6−(1'−ヒドロキシエ
チル)−2−(2"−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸ナトリウム・2.5水和物のみの投与を
意味する。** 尿中排泄率は、投与後24時間までの上
記ペネムカルボン酸塩の尿中排泄率を示す。
【0033】この結果から明らかなように、上記ペネム
カルボン酸塩に対し1/126という少量のシラスタチ
ンの同時経口した時の経口吸収率は、濃度時間曲線下面
積か算出して76.4%、尿中排泄率から88.9%と算
出され、単独投与の各々2.3、2.3倍に増加した。以
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嶋 拓巳 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社 医 薬センター内 (56)参考文献 特開 昭58−77885(JP,A) 日本農芸化学会誌,第59巻,第4号, 第397〜403頁 農学集報,第31巻,第2号,第83〜89 頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 45/06 A61K 31/198 A61K 31/43 A61P 31/04 A61P 43/00 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラスタチン、その塩またはそれらのラ
    セミ体を有効成分とするペネム系又はカルバペネム系抗
    生物質の消化管吸収改善用経口剤。
  2. 【請求項2】 消化管吸収が改善されるペネム系又はカ
    ルバペネム系抗生物質が一般式(V) 【化5】 〔式中、R6は、水素原子又は生理的条件下で脱離しう
    る水酸基の保護基を、Xは、−S−又は−CH2−を、
    Yは−S−、−(CH2)l −(lは0〜5の数)、−O
    −又は−N−を示し、R7は、アルキル基、アラルキル
    基、アリール基、水素原子、水酸基、アルコキシ基、ス
    ルフィド基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カ
    ルバメート基または酸素原子、イオウ原子若しくは窒素
    原子を1個〜4個含む複素環を、R8は、水素原子、薬
    理学上許容されうるアルカリ金属又は生理的条件下で脱
    離しうるカルボキシル基の保護基を示す〕で表されるペ
    ネム又はカルバペネム化合物である請求項第1項記載の
    消化管吸収改善用経口剤。
  3. 【請求項3】 一般式(V)のペネム系又はカルバペネ
    ム系抗生物質において、R6は水素原子又はアリル基、
    Xは−S−、Yは単結合であり、R7はテトラヒドロフ
    リル基、テトラヒドロピラニル基、1,4−ジオキサニ
    ル基、5−オキソ−オキソラニル基、2−オキソ−1,
    3−ジオキソラニル基又は1,3−ジオキソラニル基、
    8は、水素原子、薬理学上許容されうるアルカリ金属
    又は生理的条件下で脱離しうるカルボキシル基の保護基
    である請求項第項記載の消化管吸収改善用経口剤。
  4. 【請求項4】 一般式(V)のペネム系又はカルバペネ
    ム系抗生物質において、R5は水素原子又はアリル基、
    Xは、−S−、Yは−CH2−、R6は酸素原子1個又は
    2個を環内に有する5又は6員環のヘテロ脂肪族基であ
    り、R7 は、水素原子、薬理学上許容されうるアルカ
    リ金属又は生理的条件下で脱離しうるカルボキシル基の
    保護基である請求項第項記載の消化管吸収改善用経口
    剤。
JP03147891A 1991-02-01 1991-02-01 ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法 Expired - Fee Related JP3161741B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03147891A JP3161741B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法
EP01118037A EP1161947B1 (en) 1991-02-01 1992-01-30 Oral antibacterial compositions and method for the improvement of gastrointestinal absorption of penem or carbapenem antibiotics
DE69232598T DE69232598T2 (de) 1991-02-01 1992-01-30 Verwendung von Cilastatin, Glutathione und N-acetyl-L-Cysteine zur Herstellung eines Arzneimittels zur Verbesserung der Resorption von Carbapenem oder Penem Antibiotika im Magen-Darm-Trakt
ES92101563T ES2176179T3 (es) 1991-02-01 1992-01-30 Composiciones antibacterianas orales y metodo para la mejora de la absorcion gastrointestinal de los antibioticos de penemo o carbapemo.
AT01118037T ATE297205T1 (de) 1991-02-01 1992-01-30 Orale antibakterielle zusammensetzung und verfahren zur verbesserung der resorption von penem oder carbapenem antibiotika im magen-darm- traktus
AT92101563T ATE217195T1 (de) 1991-02-01 1992-01-30 Verwendung von cilastatin, glutathione und n- acetyl-l-cysteine zur herstellung eines arzneimittels zur verbesserung der resorption von carbapenem oder penem antibiotika im magen-darm- trakt
EP92101563A EP0497353B1 (en) 1991-02-01 1992-01-30 Use of cilastatin, glutathione or N-acetyl-L-cysteine for the preparation of a medicament for the improvement of gastrointestinal absorption of penem or carbapenem antibiotics
ES01118037T ES2244529T3 (es) 1991-02-01 1992-01-30 Composiciones antibacterianas orales y metodo para la mejora de la absorcion gastrointestinal de los antibioticos de penemo o carbapenemo.
DE69233529T DE69233529T2 (de) 1991-02-01 1992-01-30 Orale antibakterielle Zusammensetzungen und Verfahren zur Verbesserung der Resorption von Penem-oder Carbapenem-Antibiotika im Magen-Darm-Trakt
US07/828,571 US5354748A (en) 1991-02-01 1992-01-31 Oral antibacterial compositions and method for the improvement of gastrointestinal absorption of penem or carbapenem antibiotics
US08/425,223 US5637612A (en) 1991-02-01 1995-04-18 Oral antibacterial compositions and method for the improvement of gastrointestinal absorption of penem or carbapenem antibiotics

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03147891A JP3161741B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04247035A JPH04247035A (ja) 1992-09-03
JP3161741B2 true JP3161741B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=12332375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03147891A Expired - Fee Related JP3161741B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3161741B2 (ja)

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本農芸化学会誌,第59巻,第4号,第397〜403頁
農学集報,第31巻,第2号,第83〜89頁

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04247035A (ja) 1992-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0498069B1 (en) New use of peptide derivative
BG63821B1 (bg) Фармацевтичен състав на стабилизиран карбапенемовантибиотик и метод за получаване
CA3093749A1 (en) Method of treating fibrotic disease
EP0497353B1 (en) Use of cilastatin, glutathione or N-acetyl-L-cysteine for the preparation of a medicament for the improvement of gastrointestinal absorption of penem or carbapenem antibiotics
US11564910B2 (en) Drug compositions
CA2089748C (en) Pharmaceutical compositions containing 5-difluoromethoxy-2-[(3,4-dimethoxy-2-pyridyl) methylsulfinyl]benzimidazole and an anti-helicobacter agent for the treatment of gastrointestinal disorders
US6740667B2 (en) Antimicrobial agent
JP3161741B2 (ja) ペネム類の消化管吸収改善剤および改善方法
JP2003160485A (ja) 消炎鎮痛点眼剤
US5952323A (en) Carbapenem antibiotic
US6232343B1 (en) Ophthalmic preparations
EP0708779B1 (en) Use of cephem derivatives as anti-metastatic agents
EP0623346B1 (en) Inhibitor for metastasis of malignant tumor
EP0178911A2 (en) Composition containing a penem or carbapenem antibiotic
EA199800336A1 (ru) Фармацевтические композиции, содержащие ингибиторы агрегации тромбоцитов
KR910006322A (ko) 펩티딜 디플루오로디올 레닌 억제제
JP3241373B2 (ja) 抗転移剤
US4689227A (en) Antibacterial composition
US4393054A (en) Method of treating cardiac arrhythmia
JPS63201122A (ja) トリフルオロメタンスルホンアミドを含有する緑内障治療配合物
JP3148263B2 (ja) 抗菌性組成物
KR20210068498A (ko) 위장 질환을 치료하기 위한 화합물 및 방법
JPH04247030A (ja) 抗菌剤組成物
BR9702231B1 (pt) composição farmacêutica, composto, e, processo para estabilizar um carbapenem

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees