JP3160717B2

JP3160717B2 - 歯磨組成物

Info

Publication number: JP3160717B2
Application number: JP26409089A
Authority: JP
Inventors: ステフアン・エドワード・アレキサンダー; ジエフリー・ロイストン・ドール; ピーター・ジヨン・エドワーズ
Original assignee: ビーチヤム・グループ・ピーエルシー
Priority date: 1988-10-13
Filing date: 1989-10-12
Publication date: 2001-04-25
Anticipated expiration: 2016-04-25
Also published as: EP0364245B1; ES2062028T3; PT91957A; DK175594B1; CY1956A; ATE154232T1; EP0568160B1; KR900005954A; EP0568160A3; EP0364245A3; AU4278589A; DE364245T1; IN170282B; NZ230968A; CA2000464C; DK504789A; DE68928128D1; NO894062L; EP0568160A2; FI894847A0

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、抗菌剤としてクロルヘキシジンを含有する
歯磨組成物に関し、この組成物は歯周疾患および虫歯の
予防および／または治療に有用である。

〔従来の技術、発明が解決しようとする課題〕

ビス−ビグアニド系抗菌剤は米国特許第2684924,2990
425,2830006および2863019号に開示されている。

とりわけ、２種類のビス−ビグアニド化合物すなわち
式（Ａ）：の化合物クロルヘキシジン｛N,N″−ビス（４−クロロ
フエニル）−3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザ
テトラデカンジイミドアミドまたは1,1′−ヘキサメチ
レン−ビス−〔５−（ｐ−クロロフエニル）ビグアニ
ド〕｝、およびクロロフエニル基が２−エチルヘキシル
基で置換された対応する化合物アレキシジンに関心が集
中している。

クロルヘキシジンは防腐剤または消毒薬としていろい
ろな用途に使用されている十分に確証された抗菌性薬剤
である。口腔衛生の分野では、クロルヘキシジンを含有
するうがい薬およびゲルが市販されている。しかしなが
ら、この薬剤の使用は不溶性塩を形成するクロルヘキシ
ジンの既知性質（クロルヘキシジンを溶液から分離し
て、それを利用不能にする）により制限されている。さ
らに、クロルヘキシジンは苦味があり、しかも歯垢を褐
色に染める傾向がある。後者の性質はうがい薬よりむし
ろ歯磨剤を用いることによつて最小限度に抑えることが
できる。その理由は、歯磨剤の中に配合された研磨剤が
歯垢を除去するからである。しかしながら、許容しうる
歯磨配合物は、その中に配合される成分が多種多様であ
り、しかもそれらの成分のそれぞれがクロルヘキシジン
と不相容性でありうるために、厳しい課題を提供する。

この不相容性の問題を克服しようとして、歯磨のいろ
いろな面（例えば研磨剤、界面活性剤、増粘剤および歯
磨の調製方法）を試験することにより、ここ数年にわた
つて各種の提案がなされている。

適当な研磨剤に関する特定の提案には（ｉ）水溶性陽
イオンポリマーで被覆された研磨剤（英国特許第150604
5号、Procter＋Gamble Co.）、（ii）明確に定められた
粒径のシリカ（30％が５μｍ未満）（英国特許第124984
2号、Colgate−Palmolive Co.）、および（iii）α−ア
ルミナ一水和物（英国特許第2037162号、Unilever NV）
またはα−アルミナ三水和物（英国特許第1302019号、C
olgate−Palmolive Co.）の使用が含まれる。

最近、欧州特許公開第0315503号（Rhone−Poulenc Ch
imie）（本出願の最初の優先権日付の後に発行された）
は、とりわけ低アニオン（＜１％）含量により特徴づけ
られた特定の型のシリカの適合性を開示している。これ
らのシリカとクロルヘキシジンおよび他の歯磨成分との
相容性は分光光度分析により確証されたが、クロルヘキ
シジンと他の成分との相容性は全く考慮されなかつた。

適当な界面活性剤に関する特定の提案には両性界面活
性剤（ヒドロキシエチルセルロースのような非イオン性
増粘剤との組合せ）（日本国特許第51051530号、ライオ
ン油脂KK.）；または陰イオン界面活性剤（カルボキシ
メチルセルロースナトリウムのような陰イオン増粘剤と
の組合せ）を強化するためのポリオキシエチレン脂肪エ
ステル（日本国特許第50076243号、サンスター歯磨KK）
の使用が含まれる。天然ガムのカラジーナンは適当な増
粘剤であると示唆された（日本国特許第79011243号、ラ
イオン歯磨KK）。

さらに、慣用成分を含有する歯磨中のクロルヘキシジ
ンを安定化するために、エタノールまたは水溶性のアル
カリ土類金属塩（歯磨剤がリン酸塩を含む場合）が添加
され得ることも提案された（米国特許第3989813号およ
び同第4241049号、両方ともColgate−Palmolive C
o.）。同様に、クロルヘキシジンおよび非イオン界面活
性剤を含有する歯磨を安定化するために、フエノールま
たは高級アルコールの使用が提案された（日本国特許第
59101417号および同第59101418号、両方ともライオン株
式会社）。

米国特許第4273759号（Colgate−Palmolive Co.）は
水和アルミナ、非イオン界面活性剤およびヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを含有するクロルヘキシジン歯
磨剤を開示している。

仏国特許第2341302号（Pierre Fabre SA）は、クロル
ヘキシジンと種々の慣用歯磨成分との相容性を評価する
ための微生物学的検定の使用を開示している。陰イオン
界面活性剤、ベントナイト研磨剤、カラジーナンガムお
よびアルギン酸塩ガムは不相容性であることが見出され
た。

種々の成分の適切な添加順序は、配合物中のクロルヘ
キシジンを可溶性の形で維持するのに重要であると確認
された（米国特許第3843779号および同第3842168号、両
方ともColgate−Palmolive Co.並びに日本国特許第6013
0511号、ライオン株式会社）。

クロルヘキシジンに関連した不快な苦味をなくすため
の種々の方法が開示されており、例えばアルミナをベー
スとした歯磨中での主としてペパーミント香味料（アニ
ス香味料の添加により緩和されたもの）の使用が含まれ
る（英国特許第2035084号、Unilever）。

これらの全ての提案にもかかわらず、我々の知る限
り、有効量のクロルヘキシジンまたは他のビス−ビグア
ニド抗菌剤を含有する歯磨は目下のところ市販されてい
ない。

今や、この不相容性の問題は、特定の歯磨配合物を使
用することによつて克服または少なくとも軽減しうるこ
とが見出された。

〔課題を解決するための手段〕

従って、本発明は、（ａ）水溶液中の、静菌的に有効な量のクロルヘキシ
ジンまたはその口腔に許容しうる酸付加塩；（ｂ）非イオン性増粘剤；（ｃ）非イオン性界面活性剤；および（ｄ）陰イオン含有量がシリカの0.5重量％未満であ
るシリカ研磨剤；を含有する歯磨であって、但し、イオン性増粘剤を含有
せず、またイオン性界面活性剤を含有しないことを条件
とする歯磨を提供する。

有利には、クロルヘキシジンは遊離塩基として計算し
て、歯磨の重量基準で、0.005〜10％、好ましくは0.005
〜５％、より好ましくは0.005〜2.5％の範囲で存在す
る。

クロルヘキシジンの適当な酸付加塩は20℃において少
なくとも0.005w/v％の水溶性を示すものであり、二グル
コン酸塩、二ギ酸塩、二酢酸塩、二プロピオン酸塩、二
塩酸塩、二ヨウ化水素酸塩、二乳酸塩、二硝酸塩、硫酸
塩および酒石酸塩が含まれる。好ましくは、その塩は二
塩酸塩、二酢酸塩または二グルコン酸塩である。

適当な非イオン性増粘剤には（C₁〜_６）アルキルセル
ロースエーテル（例．メチルセルロース）、（C₂〜_６）
アルキレンオキシド変性（C₁〜C₆）アルキルセルロース
エーテル（例．ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス）、およびこれらの混合物が含まれる。

好ましくは、非イオン性増粘剤は高粘度のヒドロキシ
プロピルメチルセルロースとの組合せで有利に用いられ
る低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであ
り、この混合物は歯磨配合物に必要な粘度を付与するた
めに適当な割合で混合される。

適当な粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースは
Dow Chemical Corporationから“メトセル（Methoce
l）”という商標名で市販されている。“メトセルK15M"
（高粘度）および“メトセルK100LV"は特に有用であ
り、その有効比は1:50〜1:1、好ましくは1:20〜1:2の範
囲である。

非イオン性増粘剤は有利には、歯磨の重量基準で、0.
01〜30％、好ましくは0.1〜15％、より好ましくは１〜
５％の範囲で存在する。

適当な非イオン性界面活性剤には、例えば、ポリエト
キシル化ソルビトールモノエステル（例.ICIから“ツイ
ーン（Tween）”という商標名で市販されている製
品）、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのポリ縮
合物（ポロキサマー）（例.BASF−Wyandotteから“プル
ロニツク（Pluronic）”という商標名で市販されている
製品）、プロピレングリコールとポリエトキシル化水素
化ヒマシ油の縮合物（例．クレモフオール）が含まれ
る。

有利には、界面活性剤は歯磨の重量基準で0.005〜20
％、好ましくは0.1〜10％、より好ましくは0.1〜５％の
範囲で存在する。

好適なシリカ研磨剤は天然無定形シリカ（例．ケイソ
ウ土）；または合成無定形シリカ（例．沈降シリカ、ま
たはシリカキセロゲルのようなシリカゲル）；もしくは
これらの混合物であり得る。

好適な合成無定形シリカは、陰イオン性夾雑物（特
に、硫酸ナトリウムとケイ酸ナトリウムにそれぞれ由来
する硫酸イオンおよびケイ酸イオン）のレベルが最小限
度に保たれるように、その製法を注意深く制御しうるも
のである。これとは別に、あるいはさらに、陰イオン性
夾残物のレベルは例えば脱イオン水や蒸留水でシリカを
十分に洗浄することによつて必要レベルまで減らすこと
が必要である。

適当なシリカは欧州特許公開第0315503号（Rhone−Po
ulenc）に記載されるものであり、以下のような特徴を
有する：（ｉ）シリカ100g当たりの陰イオン５×10^-3モル未満、
好ましくは１×10^-3モル未満、より好ましくは0.2×10
^-3モル未満、特にシリカの重量基準で硫酸イオン0.5％
未満、好ましくは0.1未満、より好ましくは0.02％未
満；（ii）ハメツト酸度関数Ho3.3以上（Walling J.Amer.Ch
em.Soc.,1950,72,1164に記載の方法により測定可能）；（iii）表面に存在するヒドロキシル基の数（OH/nm²）1
5未満、より好ましくは12未満（欧州特許公開第0315503
号に記載の方法により測定可能）；および（iv）零点電荷（Point zero charge）３以上、好まし
くは４〜６（欧州特許公開第0315503号に記載の方法に
より測定可能）。

この種のシリカは慣用手段によつてケイ酸塩と酸から
沈殿物またはゲルとして製造され、粗製シリカは回収し
て、洗液の導電率が200マイクロジーメンスcm^-1未満、
好ましくは100マイクロジーメンスcm^-1未満となるまで
水（好ましくは脱イオン水）で洗浄し、その後乾燥し、
必要に応じて粉砕して所望の粒径にする。別法として、
粗製シリカは洗液の導電率が2000マイクロジーメンスcm
^-1未満となるまで水で洗浄し、その後シリカのpHが８未
満、好ましくは６〜7.5となるまで、酸または水性酸
（例えば硝酸のような無機酸、または酢酸やクエン酸の
ような有機酸）で洗浄してもよい。

適当なシリカキセロゲルは米国特許第3538230号に開
示されている。

適当な沈降シリカは20〜300m²/g、好ましくは20〜100
m²/gのBET表面積、並びに２〜50μ、好ましくは５〜30
μの凝集物平均粒径を有する。好適な沈降シリカはDegu
ssa社から“シデント（Sident）”という商標名で市販
されているものである。好適なシリカキセロゲルはW.R.
Grace Corporation.Davison Chemical Divisionから
“シロブランク（Syloblanc）”という商標名で市販さ
れているものである。

適当な形態のケイソウ土にはJohns−Manville Produc
ts Corporationから“セライト（Celite）”という商標
名で市販されているもの、例えば“セライト・スーパー
フアイン・スーパーフロス（Celite Superfine Superfl
oss）”が含まれる。

好ましくは、シリカ研磨剤は合成無定形シリカ（特
に、先に定義したような沈降シリカ）と組み合わせて有
利に用いられるケイソウ土から成り、この際合成無定形
シリカは配合物のpHを緩衝するのに役立ち、またケイソ
ウ土単独の使用によつて生ずる配合物の黄灰色化および
ざらつきを無くすのに有用である。適当には、ケイソウ
土対合成無定形シリカの比は5:1〜1:5、好ましくは約1:
1である。

研磨剤は有利には、歯磨の重量基準で、１〜80％、好
ましくは５〜70％、より好ましくは５〜60％の範囲で存
在する。

本発明の別の面において、シリカを研磨剤として用い
てアルカリ金属フツ化物のようなフツ化物塩を100〜300
0ppm、好ましくは500〜2000ppmの量で配合物中に混入し
得ることが分かつた。好ましくは、フツ化物塩はアルカ
リ金属フツ化物、例えばフツ化ナトリウムである。使用
可能な他のフツ化物にはアミンフツ化物が含まれる。

本発明による歯磨剤はさらにグリセリン、ソルビトー
ル、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコー
ル、もしくはこれらの混合物のような保湿剤を含んでい
てもよく、保湿剤は歯磨の重量基準で５〜30％、好まし
くは10〜30％の範囲で存在しうる。好適な保湿剤はグリ
セリンである。

本発明による歯磨剤はまた歯磨配合物において通常用
いられる他の物質、例えば香味料、着色剤、白化剤、防
腐剤および甘味料を含むことができる。これらの物質は
使用レベルにおいてクロルヘキシジンと相容性であり、
即ちクロルヘキシジンの有効性を実質的に低減させては
ならないことが理解されるであろう。このことは例えば
これらの物質の存在下または不在下での配合物の生物学
的活性を調べる“生物学的データ”のところに記載の方
法を用いる）ことにより確認し得る。一般に、このよう
な物質は少量、すなわち配合物の小割合であり、通常組
成物の重量基準で0.001〜５％の範囲で存在するであろ
う。

香味料は消費者の歯磨容認性の重要な面をなしてい
る。このことは、クロルヘキシジンを含有する歯磨にお
いて、そのクロルヘキシジンの苦い後味のために、とり
わけ重要になつてくる。意外なことに、これはアニス風
味によつて効果的にその苦味を目立たなくなし得ること
が判明した。

従つて、別の面において、本発明はアニス風味を有す
る香味料をさらに含有する上記のような歯磨剤を提供す
る。

アニス風味を有する香味料にはアネトールが含まれ、
これはクロルヘキシジンの苦い後味を隠すような量で存
在しうる。

好ましくは、歯磨の風味はより一般的な消費者の容認
性を有する風味とするために、アニス風味と合うミント
風味を有する１種以上の香味料をさらに配合して改質さ
れる。しかし、この場合にもアニス風味がやはり優勢で
ある。ミント風味を有する適当な香味料にはペパーミン
ト、スペアミント、メントールおよびカルボンが含まれ
る。

好ましくは、１種以上のミント香味料が用いられ、そ
のうちメントールは主要成分であつて、ミント風味を有
する香味料の重量基準で20〜60％、好ましくは25〜55％
を占める。

有利には、歯磨の風味はコリアンダー（コエンドロの
実）、オイゲノールおよびユーカリプトールのようなス
パイス風味を有する香味料を配合することによつてさら
に改質される。この場合にもアニス風味がやはり優勢で
ある。

従つて、さらに別の面において、本発明はアニスおよ
びミント香味料を含み、場合によりスパイス香味料を含
むが、アニス風味が優勢である上記のような歯磨を提供
する。

好ましくは、アニスおよびミント香味料を含むこの種
の歯磨において、アニス風味を有する香味料は香味料の
合計重量の10〜30％、より好ましくは15〜25％を占め、
一方ミント風味を有する香味料は香味料の合計重量の40
〜80％、好ましくは40〜70％を占める。合わせた香味料
は歯磨の重量基準で５％以下、より好ましくは２％以下
であるのが好ましい。

適当な甘味料にはサツカリンおよびその許容しうる水
溶性塩（例ナトリウム塩）が含まれ、歯磨の重量基準で
0.01〜0.5％、好ましくは0.05〜0.5％の量で存在しう
る。タウマチン（thaumatin）のような補助甘味料も歯
磨の重量の0.001〜0.1％、好ましくは0.005〜0.05％の
レベルで配合し得る。適当なタウマチンブレンドはTate
and Lyle plcから“タリン（Talin）”という商標名で
市販されている。

従つて、好適な面において、本発明は、サツカリンま
たはそのナトリウム塩およびタウマチンと組み合わせ
た、アニスおよびミトン香味料を含む上記のような歯磨
を提供する。

水、好ましくは脱イオン水または蒸留水、も歯磨の重
量基準で10〜80％、好ましくは20〜70％の範囲で存在す
るであろう。

本発明による歯磨はpH4〜10、好ましくはpH5〜８の範
囲内のpHを有する。

特に好適な面において、本発明は、（ｉ）クロルヘキシジンまたはその酸付加塩；（ii）（C₂〜_６）アルキレンオキシド変性（C₁〜_６）ア
ルキルセルロース増粘剤；（iii）ポロキサマー界面活性剤；および（iv）（ａ）場合によりケイソウ土と組み合わせた、
陰イオン含量0.5％未満の沈降シリカを含有する歯磨を提供する。

本発明による歯磨は、諸成分を必要な割合で、有利な
順序で混合し、その後必要に応じてpHを調整することに
より慣用方法で調製される。例えば非イオン性増粘剤、
保質剤および水の一部を一緒に激しくかきまぜて、必要
ならば加熱して、水和ゲルとする。次いで、この水和ゲ
ルに研磨剤を強力な混合機を使つて分散させ、その後ク
ロルヘキシジンまたはその塩、フツ化物塩（存在する場
合）のような活性物質を加え、続いて最終段階で非イオ
ン性界面活性剤および香味料を加えて、最終混合を真空
下で行う。

クロルヘキシジン（またはその酸付加塩）、シリカ研
磨剤およびサツカリンナトリウムを含有する本発明歯磨
の特定例では、クロルヘキシジンまたはその塩を製造プ
ロセスの後期段階よりもむしろ初期段階で加えると、塊
（クロルヘキシジンサツカリネートのシリカ含有形体で
あると考えられる）の形成に関して改良された貯蔵安定
性を有するより滑らかな配合物が得られることが分かつ
た。

従つて、別の面において、本発明は、（ｉ）製造プロセスの初期段階において、クロルヘキシ
ジンまたはその酸付加塩とサツカリンまたはその塩とを
実質的に同時に加え、そして（ii）製造プロセスの後期段階において、シリカを加え
る、各工程から成り、場合により、前記工程の予備工程とし
て、水、保湿剤および非イオン性増粘剤を混合すること
によつて水和ゲルを形成させる工程を含む、クロルヘキ
シジンまたはその酸付加塩、シリカ研磨剤、およびサツ
カリンまたはその塩を含有する歯磨の製造方法を提供す
る。

本発明はまた、口腔に本発明歯磨を適用することから
成る歯周疾患および／または虫歯の予防または治療方法
を提供する。

以下の実施例は本発明を例示するためのものである。

〔実施例〕

例１シリカをベースとした練歯磨クロルヘキシジン二グルコン酸塩 1.00％グリセリン 18.00 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.60 シリカ^１ 16.00 フツ化ナトリウム 0.23 フレーバー 1.00 ポロキサマー338 2.00 脱イオン水十分量 ^１シリカはシロブランク31（Syloblanc31;W.R.Grace Co
rporationから入手）を脱イオン水で２回洗浄し、その
後50℃で乾燥することにより調製した。

例２ケイソウ土をベークとした練歯磨クロルヘキシジン二グルコン酸塩 1.00％グリセリン 18.00 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.60 ケイソウ土 16.00 フツ化ナトリウム 0.23 フレーバー 1.00 ポロキサマー338 2.00 脱イオン水十分量例３ケイソウ土／シリカをベースのした練歯磨クロルヘキシジン二グルコン酸塩 1.00％グリセリン 18.00 ヒドロキシプロピルメチルセルロース^１ 3.60 ケイソウ土 8.00 シリカ^２ 8.00 フツ化ナトリウム 0.23 香味料^３ 1.00 サツカリンナトリウム 0.10 タウマチン 0.02 ポロキサマー338 2.00 脱イオン水十分量 ^１ “Methocel K15M"と“Methocel K100LV"の1:5ブレン
ド。² Degussa社から入手し得る“Sident9"。^３例４を参照されたい。

例４例３の歯磨中で用いる香味料ペパーミント油 16.0％アネトール 20.0 メントール 44.9 Ｌ−カルボン 10.7 酢酸メチル 1.6 ユーカリプトール 5.3 リモネン 0.5 オイゼノール 0.5 コリアンダー油 0.5 香味料組成物は歯磨中のクロルヘキシジンの苦い後味
を目立たなくし、歯磨に主としてアニス風味を付与し
た。

例５例３の歯磨の製法例３の歯磨は次の方法により調製しうる： 1. ヒドロキシプロピルメチルセルロースをグリセリン
（全容量の10％）中にスラリー化した。

2. ポロキサマー338を脱イオン水に溶かして20％溶液
を得た。

3. サツカリンナトリウムを脱イオン水に溶かして33％
溶液を得た。

4. タウマチンを脱イオン水に溶かして５％溶液を得
た。

5. 脱イオン水（全容量の30％）を強力混合機の容器に
入れ、次いでヒドロキシプロピルメチルセルローススラ
リーとサツカリン溶液を加え、その後これを真空下で５
分間混合した。

6. クロルヘキシジングルコン酸塩溶液を加え、この混
合物を真空下でさらに10分間混合した。

7. 脱イオン水とグリセリンの残部を加え、真空下でさ
らに10分間混合した。

8. シリカとケイソウ土を20分間にわたつて混合しなが
ら混合容器へ吸引し、この混合物をさらに10分間混合し
た。この間ずつと真空を保持した。

9. その後香味料とタウマチン溶液を加え、真空下でさ
らに10分間混合した。

10 ポロキサマー338溶液を加え、真空下でさらに10分
間混合した。

11 フツ化ナトリウムを加え、真空下でさらに15分間混
合した。

〔発明の効果〕

生物学的データ下記表のデータは、水溶液中にクロルヘキシジン二グ
ルコン酸塩のみを含み、他の物質を含まない対照と比較
した。歯磨配合物中のクロルヘキシジンの効力を表す。
この検定法は検定微生物としてミクロコツカス・ルテウ
ス（M.Iuteus）を用いる標準寒天拡散法である。

効力％例１ 59 例２ 90 対照 100 これらのデータは、クロルヘキシジンを本発明による
歯磨組成物中に配合する場合、クロルヘキシジンがその
効力を実質的に保有し、口腔内でその本来備えている静
菌活性を発揮しうることを示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ジエフリー・ロイストン・ドールイギリス国，サリ州ケイテイ12・０デイイー，ウエイブリツジ，セントジヨージズアベニユー，リサーチデパートメント，ビーチヤムプロダクツ（番地なし) (72)発明者ピーター・ジヨン・エドワーズイギリス国，サリ州ケイテイ12・０デイイー，ウエイブリツジ，セントジヨージズアベニユー，リサーチデパートメント，ビーチヤムプロダクツ（番地なし) (56)参考文献特開平１−207228（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）水溶液中の、静菌的に有効な量の
クロルヘキシジンまたはその口腔に許容しうる酸付加
塩；（ｂ）非イオン性増粘剤；（ｃ）非イオン性界面活性剤；および（ｄ）陰イオン含有量がシリカの0.5重量％未満であ
るシリカ研磨剤；を含有する歯磨であって、但し、イオン性増粘剤を含有
せず、またイオン性界面活性剤を含有しないことを条件
とする歯磨。
【請求項２】非イオン性増粘剤が（C₁〜C₆）アルキルセ
ルロースエーテル、または（C₂〜C₆）アルキレンオキシ
ド変性（C₁〜C₆）アルキルセルロースエーテルあるいは
それらの混合物である、請求項１に記載の歯磨。
【請求項３】アニス風味そして場合によりミント風味と
スパイス風味を有する香味料を含有し、アニス風味が優
勢である、請求項１または２に記載の歯磨。