JP3160659B2 - 防災都市 - Google Patents

防災都市

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義勝 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低層建物が構築さ
れる市街地を対象とする防災都市に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市の防災手段として、例えば災害の拡
大を防止するために道路の幅員を広くすること、隣棟と
の間隔を十分に確保すること、構造物を耐火、耐震構造
にするなどが実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの防災手段はい
ずれもハード的なものであり、対応能力を越える災害が
発生すると、機能不全に陥る。
【0004】他方、災害時には地域住民のコミュニティ
ーが被害を最小限に止め、復旧に大きな役割を果たすこ
とが確認されているが、従来のハード的な防災手段では
このような地域住民のコミュニティーを活かすことが困
難である。
【0005】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、都市の大半を占める密集した住宅地や旧市街地を対
象として地域のコミュニティーを維持しつつ、災害に強
い防災都市を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、家並を形成できる範囲に区画した街区を1単
位として免震構造の人工地盤を造成し、人工地盤上には
戸建住宅や共同住宅などの建物を構築し、前記人工地盤
の下方に地下空間を形成し、該地下空間のマットスラブ
から構築した柱の上部に設置した免震装置を介して前記
柱で人工地盤を支持し、前記地下空間内に駐車場や備蓄
倉庫、水槽、防災センターなどの防災施設を設け、防災
センター、水槽などの免震対策を必要とする施設は人工
地盤から吊下げ、かかる街区を複数造成し、これら街区
を地下道で連結すること、および、人工地盤には、ゴム
と鋼板の互層構造の免震ゴムによる免震装置を設置した
こと、および、車道は歩道と分離して人工地盤による街
区の外部に設けること、および、車道の下方に形成した
共同溝内にライフラインを布設し、該ライフラインを地
下空間を通して建物に引き込み、引き込み部は可撓性の
継手を介して人工地盤に固定することを要旨とするもの
である。
【0007】請求項1記載の本発明によれば、地盤全体
を免震構造として、ここに建物を構築することで、地域
住民にとっては例えば従来から住み慣れた土地で同じよ
うな住まいかたで揺れに対して強い住宅を確保できる。
【0008】そして、人工地盤の下方の地下空間のマッ
トスラブから構築した柱の上部に設置の前記のような免
震装置を介して前記柱で人工地盤を支持することで、簡
単な構造で人工地盤を免震構造とすることが可能であ
る。
【0009】また、地下空間内に駐車場や備蓄倉庫、水
槽、防災センターなどの防災施設を設けることで、災害
発生時には人工地盤上に住む住民が共同して地下空間内
の防災施設を利用することができ、人工地盤上の街区単
位で災害に対処できる。さらに、防災センター、水槽な
どの免震対策を必要とする施設は人工地盤から吊下げる
ことで、地震災害時に必要となる防災センター、水槽な
どの施設を震動から保護でき確保できる。
【0010】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、免震装置はゴムと鋼板の互層構造の免震ゴム
により構成したから、容易に作製できる。
【0011】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、車道は歩道と分離して人工地盤による街区の
外部に設けることで、災害時以外の時でも、自動車の走
行により発生する交通振動から住民の生活を保護でき
る。
【0012】請求項4記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ライフラインを車道の下方に形成した共同溝
内に布設することで、メンテナンスが容易となり、ま
た、ライフラインの引き込み部はフレキシブル構造とす
るとともに人工地盤に固定することで地震による被害を
防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
形態を詳細に説明する。図1は本発明の防災都市の要部
を示す縦断正面図、図2は同上平面図、図3は同上横断
平面図で、密集した住宅地や旧市街地を対象とし、家並
を形成できる範囲として、例えば100m×50m(5
000m2 )の範囲に例えば幅員6mの道路23で区画し
た街区を1単位として免震構造の人工地盤1を造成す
る。
【0014】この人工地盤1の造成方法は、一例として
地下を深さ4000mm程度に掘削して地下空間2を形
成し、地下空間2のマットスラブ3を支持する基礎杭4
の打設位置に合致させて柱5をマットスラブ3から構築
し、該柱5の上部に免震装置7としてゴムと鋼板を交互
に重ね合わせた積層ゴムと称せられる免震ゴムを設け、
この免震ゴムを介して人工地盤1の基礎1aを柱5で支
持する。
【0015】なお、柱5は基礎杭4を利用することも可
能である。
【0016】かかる人工地盤1の積載荷重は例えばRC
造の3階建て共同住宅を想定し、2ton/m2 程度の
ものに設定し、人工地盤1上には戸建住宅8や共同住宅
9などの低層建物を構築し、歩道10を設け、植栽11を行
う。
【0017】この建物計画や緑化計画は自由設計で行
い、建物は人工地盤1を免震構造とすることで地震力低
減による軽微な構造のもので足り、例えば大きな柱、
梁、筋違いなどは不要となる。
【0018】植栽11のうち、超大木12は人工地盤1の積
載荷重を考慮して地下空間2のマットスラブ3から植栽
し、他方、人工地盤1に開口1bを形成し、この開口1
bから人工地盤1の上方に向けて超大木12を成長させ
る。なお、この開口1bで地下空間2への採光や換気を
図れる。
【0019】人工地盤1上と地下空間2との間には、地
下空間2への出入口となるスロープ13を設け、地下空間
2に駐車場14や、防災施設として災害時非常用の備蓄倉
庫15、雨水槽16、飲料水槽17、通信設備室を備える防災
センター18、自家発電室19、オイルタンク室20、消火ポ
ンプ21などの防災施設やその他ポンプ室22などを設け
た。
【0020】前記施設のうち、防災センター18、飲料水
槽17などの免震対策を必要とする施設は人工地盤1から
吊下げる構造とする。
【0021】街区を区画する道路23は車道として人工地
盤1上に設けた歩道10と分離し、道路23の下方に形成し
た共同溝24内に電気、ガス、水道、通信などの配管や配
線によるライフライン25などのインフラストレクチャー
を布設し、該ライフライン25を地下空間2を通して戸建
住宅8や共同住宅9などの(低層)建物に引き込み、引
き込み部25aは可撓性の継手26を介して人工地盤1に固
定する。
【0022】図中27は、道路23からの雨水などが地下空
間2に浸入することを防止するための排水溝である。
【0023】次にかかる防災都市の機能について説明す
る。一定の範囲で形成した街区を1単位として該街区全
体を人工地盤1で造成することで、この人工地盤2に構
築する建物は防災上の規制などが緩和され、家並みも自
由に設計でき、また、建物の構造も地震力低減による軽
微なものとできる。さらに地下空間2も駐車場14などと
して有効利用できる。
【0024】そして、車道は街区の外部に設けたから平
常時においても日常の交通振動から開放され、地震発生
時には人工地盤2自体を水平方向に柔らかい特性を有す
る免震装置7を設けて地盤からの特に水平方向の揺れが
伝達されないようにしたから、地震による横揺れが減少
し、建物などが被害を受けることは少ない。
【0025】ライフライン25や防災センター18、飲料水
槽17などの免震対策を必要とする施設も人工地盤1に固
定したから地震による被害を免れることができ、災害時
に必要な設備や施設を地震による揺れから保護できる。
【0026】そして、地下空間2は災害時のシェルター
として利用でき、ここに設置の防災センター18、飲料水
槽17、備蓄倉庫15などの設備や施設を人工地盤1上に住
む住民だけでなく、周辺地域の住民が共同して利用する
ことで、災害に対処する。本実施形態では約1万人の周
辺住民を想定して災害時の対応施設や駐車場14を設け
た。
【0027】隣接の街区についても同様にして人工地盤
1を造成し、地下空間2同士を地下道28で連結する。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明の防災都市は、
都市の大半を占める密集した住宅地や旧市街地を対象と
して地域のコミュニティーを維持しつつ、地域住民が共
同して一定の区域単位で災害に効果的に対処できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防災都市の実施形態を示す縦断正面図
である。
【図2】本発明の防災都市の実施形態を示す平面図であ
る。
【図3】本発明の防災都市の実施形態を示す横断平面図
である。
【符号の説明】
1…人工地盤 1a…基礎 1b…開口 2…地下空間 3…マットスラブ 4…基礎杭 5…柱 7…免震装置 8…戸建住宅 9…共同住宅 10…歩道 11…植栽 12…超大木 13…スロープ 14…駐車場 15…備蓄倉庫 16…雨水槽 17…飲料水槽 18…防災センタ
ー 19…自家発電室 20…オイルタン
ク室 21…消火ポンプ 22…ポンプ室 23…道路 24…共同溝 25…ライフライン 25a…ひきこみ
部 26…継手 27…排水溝 28…地下道
フロントページの続き (72)発明者 三浦 義勝 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 上野 薫 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 斉藤 一 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−169022(JP,A) 特開 平1−198938(JP,A) 特開 平2−232479(JP,A) 特開 平6−93740(JP,A) 特開 平5−231010(JP,A) 実開 平2−118480(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/045 - 29/055 E04H 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家並を形成できる範囲に区画した街区を
    1単位として免震構造の人工地盤を造成し、人工地盤上
    には戸建住宅や共同住宅などの建物を構築し、前記人工
    地盤の下方に地下空間を形成し、該地下空間のマットス
    ラブから構築した柱の上部に設置した免震装置を介して
    前記柱で人工地盤を支持し、前記地下空間内に駐車場や
    備蓄倉庫、水槽、防災センターなどの防災施設を設け、
    防災センター、水槽などの免震対策を必要とする施設は
    人工地盤から吊下げ、かかる街区を複数造成し、これら
    街区を地下道で連結することを特徴とした防災都市。
  2. 【請求項2】 人工地盤には、ゴムと鋼板の互層構造の
    免震ゴムによる免震装置を設置した請求項1記載の防災
    都市。
  3. 【請求項3】 車道は歩道と分離して人工地盤による街
    区の外部に設ける請求項1または請求項2に記載の防災
    都市。
  4. 【請求項4】 車道の下方に形成した共同溝内にライフ
    ラインを布設し、該ライフラインを地下空間を通して建
    物に引き込み、引き込み部は可撓性の継手を介して人工
    地盤に固定する請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の防災都市。
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