JP3160658B2 - 溜池等の遮水層補修方法 - Google Patents
溜池等の遮水層補修方法Info
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- JP3160658B2 JP3160658B2 JP02053695A JP2053695A JP3160658B2 JP 3160658 B2 JP3160658 B2 JP 3160658B2 JP 02053695 A JP02053695 A JP 02053695A JP 2053695 A JP2053695 A JP 2053695A JP 3160658 B2 JP3160658 B2 JP 3160658B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溜池や貯水池等などの
築堤背面の遮水層の補修方法に関するものである。
築堤背面の遮水層の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溜池等の背面に遮水層を形成する方法と
しては、図3に示すように、堤体1の背面の池底表層部
に不透水性のシート2を敷設し、その上に被覆土3を施
したり、図4に示すようにこれら不透水性のシート2や
被覆土3に代えて薄い粘土層である粘土ブランケット4
による層を造成したりしている。
しては、図3に示すように、堤体1の背面の池底表層部
に不透水性のシート2を敷設し、その上に被覆土3を施
したり、図4に示すようにこれら不透水性のシート2や
被覆土3に代えて薄い粘土層である粘土ブランケット4
による層を造成したりしている。
【0003】また不透水性の堤体下部にある基礎地盤の
遮水を目的として、図5に示すように堤体1の下にトレ
ンチ5を設け、このトレンチ5の中に遮水材を充填する
方法や、図6に示すように堤体1の下にグラウチング6
を施す方法なども採用される。
遮水を目的として、図5に示すように堤体1の下にトレ
ンチ5を設け、このトレンチ5の中に遮水材を充填する
方法や、図6に示すように堤体1の下にグラウチング6
を施す方法なども採用される。
【0004】このような遮水層では時間の経過にともな
い浸透圧や地震などの外的作用によって遮水材の老朽化
が進み、遮水機能が低下し、水利用に支障がでるのみな
らず、過大な浸透流により堤体1の安全性が損なわれる
おそれもある。
い浸透圧や地震などの外的作用によって遮水材の老朽化
が進み、遮水機能が低下し、水利用に支障がでるのみな
らず、過大な浸透流により堤体1の安全性が損なわれる
おそれもある。
【0005】そこで補修が必要となるが、従来は、老
朽個所にセメントベントナイト、粘土、微粒子注入材、
薬液注入材などの遮水材料を注入して遮水機能を回復さ
せる方法、一旦溜池や貯水池を空にするか、あるいは
渇水時期を利用しての矢板締切りにより遮水層を造成し
直す方法が採用される。
朽個所にセメントベントナイト、粘土、微粒子注入材、
薬液注入材などの遮水材料を注入して遮水機能を回復さ
せる方法、一旦溜池や貯水池を空にするか、あるいは
渇水時期を利用しての矢板締切りにより遮水層を造成し
直す方法が採用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、の方法は貯
水したままでも補修が行える利点があるものの、被圧さ
れた地盤に確実に注入材を浸透させる必要がある。ま
た、表層部からの注入材の漏洩などにも対処する必要が
あることなど技術的な課題が多い。
水したままでも補修が行える利点があるものの、被圧さ
れた地盤に確実に注入材を浸透させる必要がある。ま
た、表層部からの注入材の漏洩などにも対処する必要が
あることなど技術的な課題が多い。
【0007】の方法は単純で簡単な方法であるが、施
工時期が限られ十分な時間が取れないこと、補修期間に
おける水利用が制限されること、水没地盤の崩壊を防ぐ
ために水位低下過程での急激な間隙水圧の変化を避ける
配慮が必要なことなど問題が多い。
工時期が限られ十分な時間が取れないこと、補修期間に
おける水利用が制限されること、水没地盤の崩壊を防ぐ
ために水位低下過程での急激な間隙水圧の変化を避ける
配慮が必要なことなど問題が多い。
【0008】本発明は前記従来例の不都合を解消し、水
を排水することなく併用しながら補修が可能であり、地
盤と一体化が図れ、また、打ち継目のない一様な遮水層
の形成が可能であり、さらに遮水層の打設勾配が自由に
設定でき、水中で安全でかつ確実な施工管理ができる溜
池等の遮水層補修方法を提供することにある。
を排水することなく併用しながら補修が可能であり、地
盤と一体化が図れ、また、打ち継目のない一様な遮水層
の形成が可能であり、さらに遮水層の打設勾配が自由に
設定でき、水中で安全でかつ確実な施工管理ができる溜
池等の遮水層補修方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、船上プラントで適度に調整した遮水材を老朽
個所にモニタリングしながら水中打設することで、所定
の範囲内に遮水層を形成すること、および、遮水材は、
土砂・現地発生土・遅硬性固化材・流動化剤・急結剤を
適宜選択配合してなること、さらに、モニタリングは、
測深機、濁度計、PH計などの各種センサーにより行う
ことを要旨とするものである。
するため、船上プラントで適度に調整した遮水材を老朽
個所にモニタリングしながら水中打設することで、所定
の範囲内に遮水層を形成すること、および、遮水材は、
土砂・現地発生土・遅硬性固化材・流動化剤・急結剤を
適宜選択配合してなること、さらに、モニタリングは、
測深機、濁度計、PH計などの各種センサーにより行う
ことを要旨とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、船上プラント
で適度に調整して得た遮水材を水中打設することで水を
排水することなく遮水層の補修ができ、また、特殊な遅
硬性固化材の使用により地盤と一体化が図れ、打ち継目
のない一様な遮水層が形成できる他、遮水材の湿潤密度
の調整が可能なので、軽量化材により土圧を増やさない
ですむ。
で適度に調整して得た遮水材を水中打設することで水を
排水することなく遮水層の補修ができ、また、特殊な遅
硬性固化材の使用により地盤と一体化が図れ、打ち継目
のない一様な遮水層が形成できる他、遮水材の湿潤密度
の調整が可能なので、軽量化材により土圧を増やさない
ですむ。
【0011】さらに、遮水材は船上プラントで適度に調
整するので、混合材の配合で材料の粘性を変え、打設勾
配を自由に設定できる。
整するので、混合材の配合で材料の粘性を変え、打設勾
配を自由に設定できる。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、池底の堆積土を浚渫してこれを利用すること
で貯水容量に変化なく遮水層が形成できる。
に加えて、池底の堆積土を浚渫してこれを利用すること
で貯水容量に変化なく遮水層が形成できる。
【0013】請求項3記載の本発明によれば、各種セン
サーのうち、音波測深機により水面下での出来形が把握
でき、濁度計、PH計で周辺環境への影響をリアルタイ
ムに監視できる。
サーのうち、音波測深機により水面下での出来形が把握
でき、濁度計、PH計で周辺環境への影響をリアルタイ
ムに監視できる。
【0014】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明の溜池等の遮水層補修方法の第
1実施例を示す縦断正面図で、堤体1の一部や背面の池
底表層部を補修する場合である。
説明する。図1は本発明の溜池等の遮水層補修方法の第
1実施例を示す縦断正面図で、堤体1の一部や背面の池
底表層部を補修する場合である。
【0015】図中7は台船で、この台船7上に土運搬船
8から土砂を取り込む土砂投入機9、ホッパー等により
計量を行う土砂定量供給装置10、この土砂定量供給装置
10等から材料を受けて攪拌機構等で混練する混合プラン
ト11、混合プラント11で混合した材料を圧送するポンプ
12等からなる遮水材製造プラント19を載置し、ポンプ12
に接続するトレミー管13で遮水材14を水中打設できるよ
うにする。
8から土砂を取り込む土砂投入機9、ホッパー等により
計量を行う土砂定量供給装置10、この土砂定量供給装置
10等から材料を受けて攪拌機構等で混練する混合プラン
ト11、混合プラント11で混合した材料を圧送するポンプ
12等からなる遮水材製造プラント19を載置し、ポンプ12
に接続するトレミー管13で遮水材14を水中打設できるよ
うにする。
【0016】また、モニタリングする装置として測深機
15、濁度計16、PH計17などの各種センサーを設置す
る。
15、濁度計16、PH計17などの各種センサーを設置す
る。
【0017】このようにして、台船7上の遮水材製造プ
ラント19で適度に調整した遮水材14を老朽個所に測深機
15、濁度計16、PH計17などの各種センサーでモニタリ
ングしながら水中打設する。
ラント19で適度に調整した遮水材14を老朽個所に測深機
15、濁度計16、PH計17などの各種センサーでモニタリ
ングしながら水中打設する。
【0018】この場合、遮水材製造プラント13で調整す
る遮水材14は、土砂・現地発生土・遅硬性固化材・流動
化剤を適宜配合してなるものであり、遅硬性固化材の使
用により地盤と一体化が図れ、打ち継目のない一様な遮
水層が形成できる。
る遮水材14は、土砂・現地発生土・遅硬性固化材・流動
化剤を適宜配合してなるものであり、遅硬性固化材の使
用により地盤と一体化が図れ、打ち継目のない一様な遮
水層が形成できる。
【0019】また、流動化剤の配合を調整することで材
料の粘性を変え、打設勾配を自由に調整できる。
料の粘性を変え、打設勾配を自由に調整できる。
【0020】図2は本発明の第2実施例を示すもので、
遮水材14の製作に現地発生土、すなわち、浚渫土を多く
利用する場合で、台船7に浚渫船18を併設する。
遮水材14の製作に現地発生土、すなわち、浚渫土を多く
利用する場合で、台船7に浚渫船18を併設する。
【0021】この浚渫船18で底浚いして得る浚渫土とし
ては、例えば、含水比80%、細粒分55%、粗粒分45%、
湿潤密度1,560tf /m3である。
ては、例えば、含水比80%、細粒分55%、粗粒分45%、
湿潤密度1,560tf /m3である。
【0022】また、遮水材14を得る配合例としては、前
記浚渫土1560Kg、遅硬性特殊セメント150 Kg、増粘材1.
5 Kg、水450 Kgである。
記浚渫土1560Kg、遅硬性特殊セメント150 Kg、増粘材1.
5 Kg、水450 Kgである。
【0023】さらに、このようにして得られた遮水材14
の物性は、一軸圧縮強度 qu =2Kgf /cm2 (材令28
日)、遮水係数 k=1.2 ×10-6cm/sec である。
の物性は、一軸圧縮強度 qu =2Kgf /cm2 (材令28
日)、遮水係数 k=1.2 ×10-6cm/sec である。
【0024】図示の例は底部分の遮水層の劣化を補修す
る場合であり、音波測深機15により水面下での出来形が
把握でき、濁度計16、PH計17で周辺環境への影響をリ
アルタイムに監視しながら施工ができる。
る場合であり、音波測深機15により水面下での出来形が
把握でき、濁度計16、PH計17で周辺環境への影響をリ
アルタイムに監視しながら施工ができる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように本発明の溜池等の遮水
層補修方法は、水を排水することなく併用しながら補修
が可能であり、地盤と一体化が図れ、また、打ち継目の
ない一様な遮水層の形成が可能であり、さらに遮水層の
打設勾配が自由に設定でき、水中で安全でかつ確実な施
工管理ができるものである。
層補修方法は、水を排水することなく併用しながら補修
が可能であり、地盤と一体化が図れ、また、打ち継目の
ない一様な遮水層の形成が可能であり、さらに遮水層の
打設勾配が自由に設定でき、水中で安全でかつ確実な施
工管理ができるものである。
【図1】本発明の溜池等の遮水層補修方法の第1実施例
を示す縦断正面図である。
を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の溜池等の遮水層補修方法の第2実施例
を示す縦断正面図である。
を示す縦断正面図である。
【図3】従来例の第1例を示す縦断正面図である。
【図4】従来例の第2例を示す縦断正面図である。
【図5】従来例の第3例を示す縦断正面図である。
【図6】従来例の第4例を示す縦断正面図である。
1…堤体 2…シート 3…被覆土 4…粘土ブランケット 5…トレンチ 6…グラウチング 7…台船 8…土運搬船 9…土砂投入機 10…土砂定量供給装置 11…混合プラント 12…ポンプ 13…トレミー管 14…遮水材 15…測深機 16…濁度計 17…PH計 18…浚渫船 19…遮水材製造プラント
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 7/02 E02B 7/00 E02B 3/04
Claims (3)
- 【請求項1】 船上プラントで適度に調整した遮水材を
老朽個所にモニタリングしながら水中打設することで、
所定の範囲内に遮水層を形成することを特徴とした溜池
等の遮水層補修方法。 - 【請求項2】 遮水材は、土砂・現地発生土・遅硬性固
化材・流動化剤・急結剤を適宜選択配合してなる請求項
1記載の溜池等の遮水層補修方法。 - 【請求項3】 モニタリングは、測深機、濁度計、PH
計などの各種センサーにより行う請求項1または請求項
2記載の溜池等の遮水層補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02053695A JP3160658B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 溜池等の遮水層補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02053695A JP3160658B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 溜池等の遮水層補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08209661A JPH08209661A (ja) | 1996-08-13 |
JP3160658B2 true JP3160658B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=12029888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02053695A Expired - Lifetime JP3160658B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 溜池等の遮水層補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3160658B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014090952A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Tokyo Unique:Kk | コマ玩具セット |
CN109778798A (zh) * | 2019-03-12 | 2019-05-21 | 黄河勘测规划设计研究院有限公司 | 多级孔管堰分流放淤方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003055932A (ja) * | 2001-08-20 | 2003-02-26 | Kojimagumi:Kk | 河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法 |
-
1995
- 1995-02-08 JP JP02053695A patent/JP3160658B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014090952A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Tokyo Unique:Kk | コマ玩具セット |
CN109778798A (zh) * | 2019-03-12 | 2019-05-21 | 黄河勘测规划设计研究院有限公司 | 多级孔管堰分流放淤方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08209661A (ja) | 1996-08-13 |
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