JP2001123438A - 空気溶存水又は圧縮空気を地中に注入することによる都市内等地盤の地震時液状化防止工法及び、この工法に用いる装置およびその施工法 - Google Patents

空気溶存水又は圧縮空気を地中に注入することによる都市内等地盤の地震時液状化防止工法及び、この工法に用いる装置およびその施工法

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JP2001123438A
JP2001123438A JP30825399A JP30825399A JP2001123438A JP 2001123438 A JP2001123438 A JP 2001123438A JP 30825399 A JP30825399 A JP 30825399A JP 30825399 A JP30825399 A JP 30825399A JP 2001123438 A JP2001123438 A JP 2001123438A
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well
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Toshikazu Shiraishi
俊多 白石
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市部等において地下水位を下げないで実施
できる地盤の地震時液状化防止工法と、これに用いる流
出管井、集流管井等の構造並びに流出管井、集流管井等
を設置する施工法。 【解決手段】 粘着力が微弱な地盤中に、超微細気泡を
混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を流し込む
か、または圧縮空気を吹き込むことにより、地盤中に微
小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤
の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下さ
せて液状化発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市部等において
地下水位を下げないで実施できる地盤の地震時液状化防
止工法と、これに用いる流出管井、集流管井等の構造並
びに流出管井、集流管井等を設置する施工法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】地盤の液状化とは、地下水により飽和し
た粘着力が微弱なゆるい地盤が地震によって強く揺すら
れる際に起こる特異な現象である。砂をゆるく盛り入れ
た容器を強く揺すると、容器中の砂のなかの空隙容積が
縮小するために、砂粒が揺すり込まれて体積が減って砂
の表面が下がることは日常見られる現象である。乾いた
ゆるい砂地盤が地震により強く揺すられると同様な現象
が起き、砂地盤のなかの空隙容積が縮小するために砂粒
が揺すり込まれて地盤の表面が沈下する。しかし、乾い
たゆるい砂地盤が地震により強く揺すられても、地表面
が多少沈下するほかに建造物等に重大な被害を及ぼすよ
うなことはない。
【0003】しかし、地盤が地下水により飽和している
場合には、ゆるい砂のなかの空隙に充満している水は空
気のように圧縮しない流体であるので、空隙容積を縮小
しようとする作用は空隙内水圧の急激な上昇を招き、空
隙内水圧が平常値である静水圧を大幅に超える過剰間隙
水圧になるため、重力による砂粒子間の接触圧が消滅
し、あたかも地下水中に砂粒が浮遊しているような状態
になる。地盤がこのような状態になることを地盤の液状
化という。地盤が液状化すると、地中にある液状化地盤
より比重が軽い物体は浮き上がり、液状化地盤より比重
が重い物体は地中に沈み込む。液状化地盤は構造物を支
持する力を失うので、大きなビルが根こそぎ倒れたり、
橋桁が落ちるなどの重大な被害を及ぼすばかりでなく、
液状化した地盤は流動性を帯び、平らな基盤面上でも流
れ広がり、斜面上では低い方へ徐々に流動する。地下水
面下の液状化した地盤と共に地下水面上の固形地盤も動
いて伸びたり縮ぢんだりするので、地盤中に敷設された
水道、ガス、電力、通信等の地中管路がほうぼうで引き
ちぎられたり押しつぶされたりして破断する。地盤液状
化による地中管路の破断はガス漏れに起因する火災、消
防用水の断水による火災延焼拡大等の大災害が起きる原
因になる。
【0004】前記の地震時液状化が起きやすい地盤土の
物理的性質は、相対密度75%以下、均等係数10
以下、50%粒径D50が0.074〜2.0mm、
上載荷重圧力度200kN/m2以下などの条件が示
されていたが、兵庫県南部大地震では、D50が2.0
mm以上の砂礫や、D50が0.074以下の粘着力が
微弱な埋め立て土でも液状化が起きた。地震時液状化が
起きやすい地盤土は、例えば首都圏では、隅田川左岸地
帯及び多摩川河口付近などに広く分布し、とくに192
3年の関東大震災に最も被害甚大であった足立区、荒川
区、葛飾区、台東区、墨田区、江東区等に広がるゼロメ
ーター地帯内に多く分布し、これらの地帯内の水門、堤
防、護岸等が地震時液状化により破壊すると海面より低
いゼロメーター地帯に浸水し地下鉄、地下街等が水没す
るおそれがある。
【0005】従来の地震時地盤液状化対策としては、
地盤を液状化しないように改良する工法及び地盤が液
状化しても構造物に致命的な被害が生じないないように
構造物の耐震特性を向上するように設計する方法が考え
られている。
【0006】前記の地盤を改良することによる液状化
防止対策は、A.大きい機械を使用して強力な震動等に
より地盤を締め固め地盤の密度を増大する工法、B.薬
液注入等により地盤を固結する工法、C.良質の土と地
盤土を置き換える置換工法、D.地盤の飽和度を低下す
る工法等がある。
【0007】本発明は、地盤を改良することによる液状
化防止対策のうちの前記D.地盤の飽和度を低下する工
法に属し、従来の飽和度低下工法の欠点を除いたもので
ある。
【0008】従来の飽和度低下工法には、ディープウェ
ル等により地盤中の地下水を汲み出すことによる地下水
位低下工法が考えられたことがある。
【0009】ディーブウェル等により地盤中の地下水を
汲み出すことにより地下水位を低下させる工法では、地
下水位の低下による地盤沈下の悪影響が大きいので、都
市地域では実施不可能であると考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の液状化対策とし
ての前記のA.重厚長大な機械を使用する地盤の密度
を増大する工法、B.薬液注入等による地盤を固結する
工法、C.置換工法等は極めて高価な工法であって、都
市内のすべての地震時液状化対策を要する多地点、広地
域等への適用には巨額の工費を要し、国または地方自治
体の財政負担可能限度を遥かに超える巨額の公共事業費
を必要とし、完全実行が不可能である。前記の地盤が
液状化しても構造物に致命的な被害が生じないないよう
に構造物を設計しても、液状化した地盤が流動すると、
従来の地盤の液状化を考慮した耐震設計基準値の限度を
遥かに超える横圧力が作用して、構造物が倒壊するおそ
れがあるので完全無欠な方法ではない。本発明は前述の
方法では解決不可能な課題を解決するもので、地盤沈下
を併発することなく国または地方自治体の財政負担可能
限度内の公共事業費で実現できる、微細気泡を混入しか
つ空気を飽和状態以上に溶存する水を地中に流し込むこ
と又は気圧を適度に調節した圧縮空気を地中に吹き込む
ことにより、地盤の地震時液状化防止工法を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載の超微細気泡を混入しかつ
空気を飽和状態以上に溶存する水を地中に流し込むこと
による地盤の地震時液状化防止工法においては、粘着力
が微弱な過密都市の幹線道路敷下等の地盤中に、超微細
気泡を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を能
率よく路面上の交通等の都市活動等に支障を及ぼすこと
なく浸透させることにより、地盤中に微小気泡混入範囲
を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震
時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生
を防止することを特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、予め設置した流出管井の一定の深度範
囲内のみからその流出管井周囲地盤中にボイリングを起
こす限界値より低い水圧に正確に調整した前記空気溶存
水を流し込むことにより、地盤の一定の深度範囲内のみ
へその粘着力が微弱な地盤をボイリングにより乱すこと
なく前記の超微細気泡を混入しかつ空気を飽和状態以上
に溶存する水を地中に浸透させることにより、地盤中に
微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地
盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下
させて液状化発生を防止することを特徴とする。
【0013】また、請求項3に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項2の発明において、前記流出管
井から地盤中へ流し出す前記の超微細気泡を混入しかつ
空気を飽和状態以上に溶存する水を横方向へ誘導するた
めに前記流出管井とほぼ同一構造の集流管井に内蔵する
水中ポンプの吸水口を前記の超微細気泡を混入しかつ空
気を飽和状態以上に溶存する水を流しだす一定の深度範
囲に等しい深度範囲下端に保ちながら前記流出管井から
流し出す前記の超微細気泡を混入する空気溶存水を前記
集流管井へ向けて誘導するのに必要な水量の地下水を汲
み上げ、汲み上げた地下水を最寄りの前記流出管井周囲
の環状部分に充填された細粗粒混合する砕石フィルタ中
へ流入させ、前記砕石フィルタ周囲の地盤に還流させる
ことにより、地盤中の地下水全量を増減させることなく
地下水位を下げないで地盤中に微小気泡混入範囲を造成
し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
することを特徴とする。
【0014】また、請求項4に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項3の発明において、粘着力が微
弱な地盤中に設置した前記流出管井からの超微細気泡を
混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水の地中への
流し込み及び前記集流管井内の水中ポンプによる前記の
超微細気泡を混入する空気溶存水を前記集流管井へ向け
て誘導するための地下水汲み上げ操作の一定深度範囲
を、地盤中に造成しようとする微小気泡混入範囲の最下
段に設定した状態から開始し、最下段における前記の微
細気泡が混入する空気溶存水の地中への流し込み操作中
にその空気溶存水が地盤内を浸透する過程における水圧
低下により空気溶存水から超微細気泡を核として発生し
た微小気泡が混入することを、前記集流管井内の水中ポ
ンプにより汲み上げる地下水を流通させる揚水ホースに
連結する透明チューブ内地下水流中に認知することによ
り、最下段階の超微細気泡が混入する空気溶存水の地中
への流し込み操作を終了し、前記流出管井及び集流管井
に内蔵する機器を一段階約2m上方へ引上げて次の第2
段階における流出管井からの前記の超微細気泡が混入す
る空気溶存水の地中への流し込み操作及び集流管井内の
水中ポンプによる地下水汲み上げ操作を行い、第3段階
以後の超微細気泡が混入する空気溶存水の地中への流し
込み操作及び地下水の汲み上げ操作を順次同様に繰り返
すことにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その
微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発
生しない程度まで低下させて液状化発生を防止すること
を特徴とする。
【0015】また、請求項5に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項3,4の発明において、都市内
街路舗装下の粘着力が微弱な地盤中に設置した前記流出
管井び前記集流管井による前記の超微細気泡が混入する
空気溶存水の地中への流し込み操作を行う場合に、前記
流出管井内に内蔵する機器の頭端部分及び前記集流管井
に内蔵する機器の頭端部分を、それぞれ、路上走行車両
の荷重を十分安全に支持できる着脱自在な蓋付きのマン
ホール内に収納し、前記マンホール内に収納する機器の
使用、点検時以外はマンホールの蓋を閉じ街路上の交通
等都市活動に及ぼす支障を最小限に保ちながら超微細気
泡混入する空気溶存水の地中への流し込み操作を、その
操作を行う一定の深度範囲を地盤中に造成しようとする
微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態から開始し、
順次上方へ段階的に行うことにより地盤中に微小気泡混
入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度
を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状
化発生を防止することを特徴とする。
【0016】また請求項6に記載の超微細気泡を混入し
かつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱な
地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止工
法においては、請求項3、4、5の発明において、都市
内街路舗装下等の粘着力が微弱な地盤中に設置した前記
流出管井び前記集流管井による前記の超微細気泡が混入
する空気溶存水の地中への流し込み操作を大規模な範囲
において行う場合において、道路わき等に制御所を設け
前記透明チューブ内を流通する地下水中に微小気泡混入
の有無をビデオカメラ等により制御所内のオペレーター
が監視し、空気吹き込み操作に使用するすべての機器の
操作を遠隔集中制御することにより、超微細気泡が混入
する空気溶存水の流し込み操作段階が順次上の段階へ移
行する度にマンホールの蓋を開けてマンホール内に収納
する機器を手動により操作する非能率な手間を省き街路
上の交通等都市活動を少しも支障しないで、微細気泡が
混入する空気溶存水の流し込み操作における操作の一定
の深度範囲を地盤中に造成しょうとする微小気泡混入範
囲の最下段に設定した状態から開始し、順次上方へ段階
的に行うことにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成
し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
することを特徴とする。
【0017】また、請求項7に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項3、4の発明において、地表面
に舗装等の不透気性被覆がない河川の高水敷等の解放地
において、地下水面下地盤中に造成する空気混入範囲の
地表面上に塩ビシート等を土砂層等で押さえ付けた不透
気性被覆を敷設し、前記不透気性被覆下の粘着力が微弱
な地盤中に設置した前記流出管井び前記集流管井による
前記の超微細気泡が混入する空気溶存水の地中への流し
込み操作における操作の一定の深度範囲を地盤中に造成
しようとする微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態
から開始し、順次上方へ段階的に行うことにより地盤中
に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の
地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低
下させて液状化発生を防止することを特徴とする。
【0018】また、請求項8に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項2、3、4、5、6の発明にお
いて、圧縮空気を水道水中に吹き込みかつ高速撹拌する
等の方法により曝気して空気を飽和状態以上に溶存する
水中にポーラスストーン等の超微細濾過装置を通じて圧
縮空気を吹き込むことにより前記の超微細気泡が混入す
る空気溶存水を造成し、その超微細気泡が混入する空気
溶存水を地中へ流し込む水圧を簡単な水圧調節装置によ
りその超微細気泡が混入する空気溶存水の地中への流し
込み操作段階の深さにおける地下水圧に応じた設定水圧
に正確に調節した水圧の超微細気泡が混入した空気溶存
水を地中に流し込むことにより地盤中に微小気泡混入範
囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地
震時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発
生を防止することを特徴とする。
【0019】また、請求項9に記載の超微細気泡を混入
しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱
な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防止
工法においては、請求項3、4、5、6、7、8の発明
において、前記流出管井及び集流管井の周囲地盤を乱さ
ないように全深ケーシング内において水中機械掘削した
削孔内へ外周に微細網目のストレーナを巻き付けた前記
削孔の直径の約2分の1の直径の前記多孔外管を立て込
み前記削孔と前記多孔外管との間の環状空間に細粗粒混
合した砕石フィルタ材を投入しながら設置する前記多孔
外管内に棒材により相互に剛結した上ピストン及び下ピ
ストンの上下両ピストン間の間隔が前記多孔外管の継手
間隔約2メートルに等しいものを吊り下げた前記多孔外
管周囲に環状砕石フィルタを有し上下両ピストンを吊り
上げるウインチ、上下両ピストン間の空間に前記の超微
細気泡が混入した空気溶存水を送水するチューブ及び前
記流出管井とほぼ同一構造の多孔外管内に棒材により相
互に剛結した上ピストン及び下ピストンで上下両ピスト
ン間の間隔が前記多孔外管の継手間隔約2メートルに等
しいものに水中ポンプを固定して吊り下げた集流管井の
構造及び水中ポンプにより汲み上げる水を揚水するホー
ス、同ホースに接続する透明チューブを内蔵する集流管
井並びに前記透明チューブ接続し前記水中ポンプにより
汲み上げる水を最寄りの前記流出管井外周の環状砕石フ
ィルタ内へ横方向水管を通じて流入させ前記流出管井外
周の地盤中へ還流させて地下水位を下げることなく前記
の超微細気泡が混入した空気溶存水を地中に流し込むこ
とにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小
気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生し
ない程度まで低下させて液状化発生を防止することを特
徴とする。
【0020】また、請求項10に記載の超微細気泡を混
入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微
弱な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防
止工法においては、請求項3、4、5、6、7、8、9
の発明において、前記多孔外管内に吊り下げる上ピスト
ン及び同ピストンに付属する部材を電動ウインチに捲き
付けた合繊ロープ等の丈夫な吊り綱に前記電動ウインチ
により前記の超微細気泡が混入した空気溶存水の地中へ
の流し込み操作開始時及び同操作段階の次段階への移行
時において正確な標高まで吊り上げる減速歯車等による
微動調整及び遠隔操作可能なピストン捲き上げウインチ
を内蔵する流出管井及び集流管井を用いて前記の超微細
気泡が混入した空気溶存水を地中に流し込むことにより
地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入
範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度
まで低下させて液状化発生を防止することを特徴とす
る。
【0021】また、請求項11に記載の超微細気泡を混
入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微
弱な地盤中に流し込むことによる地盤の地震時液状化防
止工法においては、前記流出管井及び前記集流管井に内
蔵する前記多孔外管内に吊り下げた前記上ピストンの全
円外周に固定した柔軟かつ弾性的なリングシールを取り
付けた前記上ピストンを内径が多孔外管母材の内径より
僅かに小さい多孔外管の継手部内に吊り上げて前記柔軟
かつ弾性的なリングールを前記多孔外管母材の内径より
僅かに小さい多孔外管の継手部内周面に圧接させ多孔外
管の継手部を気密状態にし多孔外管継手部を上下に遮断
する気密な多孔外管継手部及び前記流出管井に内蔵する
多孔外管継手部外周において砕石フィルタ内を上下に遮
断する気密なベントナイトシール並びに前記流出管井及
び前記集流管井に内蔵する前記多孔外管内に吊り下げた
前記下ピストンを上下に貫通する通水口があり下ピスト
ン外周面が前記多孔外管継手部内周面に密接していても
前記開口を通じ下ピストン上の多孔外管内に湛水する地
下水が下ピストン下の空間に自然流入することにより下
ピストン下に孔底地盤を乱す原因になるような負圧を生
じることなく下ピストンを引き上げることができる部材
を内蔵する流出管井及び集流管井を用いて前記の超微細
気泡が混入した空気溶存水を地中に流し込むことにより
地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入
範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度
まで低下させて液状化発生を防止することを特徴とす
る。
【0022】また、請求項12に記載の超微細気泡を混
入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水の代わりに圧
縮空気を粘着力が微弱な地盤中にの地中に吹き込むこと
により地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気
泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しな
い程度まで低下させて液状化発生を防止する地摩時液状
化防止工法においては、請求項1、2、3、4、5、
6、7及び9の発明において、請求項2に記載の予め設
置した流出管井の一定の深度範囲内のみからその流出管
井周囲地盤中にボイリングを起こす限界値より低い適度
な気圧に正確に調節した圧縮空気を地盤の一定の深度範
囲内のみへ吹き込みその粘着力が微弱な地盤をボイリン
グにより乱すことなく前記吹き込んだ圧縮空気が分散し
て地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混
入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程
度まで低下させて液状化発生を防止することを特徴とす
る。
【0023】さらに、請求項12の具体的に構成を記述
すれば、粘着力が微弱な地盤中に設置した流出管井の一
定の深度範囲内のみから前記流出管井周囲地盤中にボイ
リングを起こす限界値より低い適度の気圧に調節した圧
縮空気を粘着力が微弱な地盤中に吹き込むことを前提と
し、まずA.粘着力が微弱な地盤中に、前記圧縮空気を
吹き込むことにより、地盤中に微小気泡混入範囲を造成
し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
することを特徴とする地盤の地震時液状化防止工法であ
る。
【0024】また、B.粘着力が微弱な地盤中に設置し
た流出管井の一定の深度範囲内のみから前記流出管井周
囲地盤をボイリング等により緩め劣化させることなく前
記適度の気圧に調節した圧縮空気を吹き込むことによ
り、前記流出管井周囲の地盤をボイリングにより乱すこ
となく地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気
泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しな
い程度まで低下させて液状化発生を防止することを特徴
とする地盤の地震時液状化防止工法でもある。
【0025】さらに、C.前記流出管井から地中へ吹き
込む前記適度の気圧に調節した圧縮空気を横方向へ誘導
するために、前記流出管井とほぼ同一構造の集流管井に
内蔵する水中ポンプの吸水口を、前記流出管井の前記圧
縮空気を吹き込む一定の深度範囲に等しい深度範囲下端
近くの深さに保ち、前記流出管井から吹き込んだ前記圧
縮空気を前記集流管井へ向けて誘導するために、前記水
中ポンプにより適量の地下水を汲み上げ、汲み上げた地
下水を最寄りの前記流出管井周囲面の環状部分に充填さ
れた細粗粒混合する砕石フィルタ中へ流入させて前記砕
石フィルタ周囲の地盤に還流させることにより、地盤中
の地下水全量を増減させることなく地下水位を下げない
で地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混
入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程
度まで低下させて液状化発生を防止することを特徴とす
る地盤の地震時液状化防止工法でもある。
【0026】さらにまたD.粘着力が微弱な地盤中に設
置した前記流出管井からの前記適度の気圧に調節した圧
縮空気の地中への吹き込み及び前記集流管井内の水中ポ
ンプによる吹き込んだ前記圧縮空気を前記集流管井へ向
けて誘導するための地下水汲み上げ操作の一定の深度範
囲を、地盤中に造成しようとする微小気泡混入範囲の最
下段に設定した状態から開始し、最下段階における前記
の適度の気圧に調節した圧縮空気の地中への吹き込み操
作中に発生した微小気泡が混入することを、前記集流管
井内の水中ポンプにより汲み上げる地下水の揚水ホース
に連結する透明チューブ内地下水流中に認知することに
より、最下段階の前記圧縮空気の地中への吹き込み操作
を終了し、前記流出管井及び集流管井に内蔵する機器を
一段階上方へ引き上げて、次の第2段階における流出管
井からの前記圧縮空気の地中への吹き込み操作及び集流
管井内の水中ポンプによる地下水汲み上げ操作を行い、
第3段階以後の前記圧縮空気の地中への吹き込み操作及
び地下水の汲み上げ操作を順次同様に繰り返すことによ
り、地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡
混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない
程度まで低下させて液状化発生を防止することを特徴と
する地盤の地震時液状化防止工法でもある。
【0027】なおまた、E.都市内街路舗装下の粘着力
が微弱な地盤中に設置した前記流出管井び前記集流管井
による適度の気圧に調節した圧縮空気の吹き込み操作を
行う場合に、前記流出管井内に内蔵する機器の頭端部分
及び前記集流管井に内蔵する機器の頭端部分を、それぞ
れ、路上走行車両の荷重を十分安全に支持できる着脱自
在な蓋付きのマンホール内に収納し、前記マンホール内
に収納する機器の使用、点検時以外はマンホールの蓋を
閉じ街路上の交通等都市活動に及ぼす支障を最小限に保
ちながら前記圧縮空気の吹き込み操作における操作の一
定の深度範囲を地盤中に造成しようとする微小気泡混入
範囲の最下段に設定した状態から開始し、順次上方へ段
階的に行うことにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成
し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
することを特徴とする地盤の地震時液状化防止工法でも
ある。
【0028】またF.都市内街路舗装下の粘着力が微弱
な地盤中に設置した前記流出管井び前記集流管井による
前記圧縮空気の吹き込み操作を大規模な範囲において行
う場合において、道路わき等に制御所を設け前記透明チ
ューブ内を流通する地下水中の微小気泡混入の有無をビ
デオカメラ等により制御所内のオペレーターが監視し前
記圧縮空気の吹き込み操作に使用するすべての機器の操
作を遠隔集中制御することにより、前記圧縮空気の吹き
込み操作段階が順次上の段階へ移行する度にマンホール
の蓋を開けてマンホール内に収納する機器を手動により
作動する非能率な手間を省き、街路上の交通等都市活動
を少しも支障しないで前記の圧縮空気の吹き込み操作に
おける操作の一定の深度範囲を地盤中に造成しようとす
る微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態から開始
し、順次上方へ段階的に行うことにより地盤中に微小気
泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽
和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて
液状化発生を防止することを特徴とする地盤の地震時液
状化防止工法でもある。
【0029】さらにまたG. 地表面に舗装等の不透気
性被覆がない河川の高水敷等の解放地において、地下水
面下地盤中に造成する空気混入範囲の地表面上に不透気
性シートを土砂層等で押さえ付けた不透気性被覆を敷設
し、前記不透気性被覆下の粘着力が微弱な地盤中に設置
した前記流出管井び前記集流管井による前記圧縮空気の
吹き込み操作における操作の一定の深度範囲を地盤中に
造成しようとする微小気泡混入範囲の最下段に設定した
状態から開始し、順次上方へ段階的に行うことにより地
盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範
囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度ま
で低下させて液状化発生を防止することを特徴とする地
盤の地震時液状化防止工法でもある。
【0030】またH.前記流出管井及び集流管井を同流
出管井及び集流管井の周囲地盤を乱さない工法により掘
削した削孔中に設置した外周に細粗粒混合した砕石フィ
ルタの環形筒層を有する前記流出管井及び集流管井の一
定の深度範囲のみから、その深度において周囲地盤をボ
イリング等により劣化させない適度の気体圧に調節した
前記圧縮空気を周囲地盤中に吹き込み、吹き込んだ前記
圧縮空気を横方向に誘導するために、前記集流管井に内
蔵する水中ポンプにより地下水を汲み上げ、汲み上げた
水が揚水ホースに接続する透明チューブ及び横方向通水
管を経て最寄りの前記流出管井外周の砕石フィルタの環
形筒層へ流入させることにより地盤中の地下水量を一定
に保ち、地下水位を低下させないで前記適度の気圧に調
節した圧縮空気を周囲地盤中に吹き込み操作ができる流
出管井及び集流管井により、地盤中に微小気泡混入範囲
を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震
時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生
を防止することを特徴とする。
【0031】請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10及び11に記載の超微細気泡を混入しかつ空気
を飽和状態以上に溶存する水を粘着力が微弱な地盤中に
の地中に流し込むことによる本発明によると、粘着力が
微弱な都市街路下、河底下等の地盤中に街路上の都市活
動、河底面上の河川流等を阻害することなく超微細気泡
を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を浸透さ
せることにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、そ
の微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が
発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止するこ
とができる。請求項12に記載の圧縮空気を粘着力が微
弱な地盤中に吹き込むことにによる本発明によると、地
下水面の地表面下深さが約1.5m以上ある都市街路下
等の地盤中に街路上の都市活動等を阻害することなく圧
縮空気を吹き込むことにより地盤中に微小気泡混入範囲
を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震
時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生
を防止することができる。なお、同一条件においては空
気の地中浸透速度は水の浸透速度の約75倍であるので
超微細気泡を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する
水を粘着力が微弱な地盤中にの地中に流し込む操作に要
する時間に比べて、圧縮空気を粘着力が微弱な地盤中に
の地中に吹き込む操作に要する時間は格段に短いという
長所がある。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。 [本発明を適用する場所]請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9,10及び11並びに13に記載の本発
明は、都市街路下、河川の高水敷下、水底下等において
地盤中に定常的な地下水流がない場所であれば何処へで
も適用できる。とくに、本発明は街路下等地表面上が交
通等の都市活動に供せられている場所、河底面上の河川
が円滑な河川流に供せられている場所等における実施に
最も適している。請求項12に記載の本発明は、都市街
路下、埋め立て地下、河川の高水敷下等において地盤中
に定常的な地下水流がない場所であれば何処へでも適用
できる。とくに、請求項12に記載の本発明は街路下等
地表面上が交通等の都市活動に供せられている場所、港
湾地帯等地表面上が港湾事業に供せられている場所等に
おける実施に最も適している。
【0033】本発明を都市街路の不透気性舗装21下の
地盤等に適用する場合を図1〜図8に示す模式図につい
て説明する。図1および図2に模式的に示す流出管井
(送水管井または送気管井を総称して流出管井と言う)
1は、縦孔内に縦向きに配置された微細網目のストレー
ナを外周に巻き付けた多孔外管4、前記多孔外管4をシ
リンダーとしてその内側において摺動昇降する上ピスト
ン5、下ピストン6、送水用チューブ8、多孔外管4の
周囲を囲む外径が多孔外管4の約2倍の環状砕石フィル
タ9等より成る。なお前記環状砕石フィルタ9を含む流
出管井1の築造形態の詳細については、後記の段落[0
041]以降において説明する。請求項12に記載の本
発明において、圧縮空気を粘着力が微弱な地盤中に吹き
込むことによる本発明に用いる流出管井1の構造は、図
1および図2に示す流出管井1と原理的に同一である。
上ピストン5、上ピストン5と丸棒等の連結ロッドによ
り相互に剛結された下ピストン6等は、流出管井1の頭
端部に設置するピストン捲き上げウインチ11のドラム
に捲き付けた合繊ロープ等の丈夫なピストン吊り綱7に
より吊り下げられており、必要に応じてピストン捲き上
げウインチ11に内蔵する微調整捲き上げ装置(図示を
省略した)により所定の高さだけ、正確に上ピストン5
等を捲き上げることができる。上ピストン5等を捲き上
げることに伴い送水チューブ8もせり上がるが、送水チ
ューブ8上端は図示のピストン捲き上げウインチ11の
ドラムと直径が等しい送水チューブ8の捲き取りドラム
8aに捲き付けてあり、かつ送水用チューブ8に接続す
る送水経路は、送水用チューブ捲き取りドラム8aに内
蔵するロータリージョイント(公知の製品を購買できる
ので図示を省略した)を介して捲き取りドラム8aの回
転軸中から捲き取りドラム8aの外に出て送水本管13
に接続しているので、送水経路は折れ曲がり等により円
滑な送水を支障することなく、また送水用チューブ8の
捲き上げドラム8aの軸方向に変位した位置に捲き付け
たチューブ捲き上げドラム回動綱8bがピストン捲き上
げウインチ11のドラムの軸方向に変位した位置に捲き
付けてあるので送水チューブ8は上ピストン5等が捲き
上げられる高さだけ送水用チューブ捲き上げドラムによ
り捲き上げられるので送水チューブ8はたるんだり折れ
曲がったりしない。
【0034】図3〜図6には水道水曝気、超微細気泡造
成及び水圧調節に使用する装置の一形態を模式的に示
す。図示を省略したポンプ等の圧縮空気供給源から送気
管を介して水道水曝気用撹拌槽23内で圧縮空気吹き出
し口26aから吹き出される曝気用圧縮空気26と共に
水道水24を撹拌用羽根回転モーター25により高速回
転する撹拌用羽根24aにより撹拌混合して水道水を曝
気し、空気を飽和状態以上に溶存する水を造成し、その
空気を飽和状態以上に溶存する水に、超微細気泡造成槽
27内の超微細濾過装置27aに超微細気泡造成用圧縮
空気28を吹き込むことにより造成した超微細気泡混入
空気溶存水(超微細気泡eを混入しかつ空気を飽和状態
以上に溶存する水)29を、空気溶存水チューブ30、
水圧調節装置32及び図1および図2に示す送水本管1
3及び送水チューブ8を通じて多孔外管4内に供給し、
多孔外管周囲のストレーナ3及び砕石フィルタ9を通じ
て流出管井1周囲の地盤中に流し込む。水道水曝気、超
微細気泡造成及び水圧調節に使用する装置は図2に示す
例とは異なる装置も考えられるが、図3〜図6に示す装
置の例は構造簡単で維持管理及びに制御が容易でありか
つコンパクトで狭い場所にも適用できることを特徴とす
る。
【0035】請求項12に記載の本発明においては、図
1に2点鎖線で示すように、空気混入範囲造成用圧縮空
気50を粘着力が微弱な地盤中に吹き込むことによる本
発明に用いる小型空気圧縮機60及び気圧調節器61に
より前記流出管井1周囲の地盤をボイリングにより乱さ
ない限度の気圧に正確に調節した空気混入範囲造成用圧
縮空気50を図1に示す送水本管13及び送水チューブ
8を通じて通水口16から多孔外管4内に供給し多孔外
管周囲のストレーナ3及び砕石フィルタを通じて流出管
井1周囲の地盤中に吹き込むまでの空気混入範囲造成用
圧縮空気50の送気経路は、管材、チューブ等の直径、
材質などは異なるが空気溶存水の送水経路と原理的に同
一である。
【0036】図8に示す集流管井(集水管井または集気
管井を総称して集流管井と言う)2は、微細網目のスト
レーナ3を外周に巻き付けた多孔外管4a、多孔外管4
aをシリンダーとして摺動昇降する集流管井上ピストン
5a、集流管井上ピストン5aと丸棒により相互に剛結
された集流管井下ピストン6a、丸棒に固定されかつ水
中ポンプ吸水口15aが集流管井下ピストン6aの直上
に開口する水中ポンプ15、揚水ホース16a、多孔外
管4aの周囲を囲む外径が多孔外管の約2倍の環状砕石
フィルタ9a等より成る。集流管井上ピストン5a、同
上ピストン5aと丸棒により相互に剛結される集流管井
下ピストン6a等は集流管井2の頭端部に設置する集流
管井ピストン捲き上げウインチ11aに捲き付けた合繊
ローブ等の丈夫な集流管井ピストン吊り綱7aにより吊
り下げられており,必要に応じて集流管井ピストン捲き
上げウインチ11aに内蔵する微調整捲き上げ装置(図
示しない)により所定の高さだけ正確に集流管井上ピス
トン5a等を捲き上げることができる。集流管井上ピス
トン5a等を捲き上げることに伴い揚水ホース16aは
せり上がるが、揚水ホース16cの上端は、図示の集流
管井ピストン捲き上げウインチ11aのドラムと直径が
等しい揚水ホース捲き上げドラム16aの軸方向に変位
した位置に捲き付けてあり、かつ揚水ホース16に接続
する揚水経路は揚水ホース捲き上げドラム16aに内蔵
するロータリージョイント(図示しない)を介しての揚
水用ホース捲き取りドラム16aの回転軸中から揚水ホ
ース捲き上げドラム16aの軸受け外に出て透明なチュ
ーブ17に接続しているので、揚水経路は折れ曲がり等
により円滑な揚水を支障することなく揚水ホース捲き上
げドラム16aに捲き付けてある捲き上げドラム回動綱
16bが集流管井ピストン捲き上げウインチ11のドラ
ムに捲き付けてあるので、揚水ホース16cは上ピスト
ン5a等が捲き上げられる高さだけ揚水用ホース捲き上
げドラム16aに捲き上げられる。水中ポンプ15によ
り汲み上げた水は、揚水ホース16c、透明なチューブ
17及び横方向水管18を通じて最寄りの流出管井1周
囲の地下水面上にある砕石フィルタ9中に流出し,砕石
フィルタ9周囲の地盤に還流するので、水中ポンプ15
により地下水を汲み上げても,地盤中の地下水全量が減
ることはなく地下水位は終始一定で低下しないのが本発
明の特徴である。
【0037】図9および図10は、本発明を杭基礎周囲
及び杭間地盤に適用する例を示す。流出管井1及び集流
管井2は図9に示すように一定の距離S間隔Lに交互に
配置され、流出管井1から地盤中へ、流し込まれた微細
気泡が混入する空気溶存水29を最寄りの集流管井2に
向けて誘導するために、流出管井1から地盤中へ流し込
み操作段階と同一深さの集水操作段階において、集流管
井2に内蔵する吸水口15aが下ピストン6aの直上に
開口する水中ポンプ15により、集流管井2外周地盤中
から空気溶存水29を集流管井2に向けて誘導するため
に適量の地下水を吸い込んで汲み上げる。請求項12に
記載の本発明において、空気混入範囲造成用圧縮空気を
粘着力が微弱な地盤中に吹き込むことによる本発明を杭
基礎周囲及び杭間地盤に適用する例も図9および図10
に示す例と管、チューブ等の直径、材質などは異なるが
原理的に同一である。
【0038】流出管井1及び集流管井2の配置及びこれ
らの間の距離S及び間隔Lは、本発明を適用する地盤の
透水係数その他の性質、対象となる地中構造の形態、適
用箇所の環境条件等により異なる。地中に流し込まれる
超微細気泡混入空気溶存水29の挙動は、大体において
地下水水理学の法則に支配されるが、超微紬気泡混入空
気溶存水29が地盤中を集流管井2に向けて流動する過
程において生じる水圧降下に伴い微細気泡混入空気溶存
水29中に混入する超微細気泡を核とする無数の微小気
泡が発生する。(このため、空気溶存水という液体だけ
が多孔質の地盤中を流動する場合と異なる条件が発生す
る。それは無数の微小気泡が空気溶存水29が流動する
土粒子間隙の十数パーセントを塞ぐために起きる透水係
数の低下すなわち目詰まり現象がおきる一方において、
集流管井2による空気溶存水29の吸引カが強い場合に
は目詰まりしていない浸透水流に対する抵抗力が小さい
土粒子間隙中を先行流動する空気溶存水29が枝別れす
るフィンガリング現象が起き、地中浸透水流の前線が一
様に進行するという定常浸透水流より枝別れした先行流
動の先端が速く進行する。目詰まり現象による浸透速度
の低下の影響とフィンガリング現象による浸透速度の向
上の影響とが同時に及ぼされるが、砂地盤において一段
階の超微細気泡混入空気溶存水29の流し込み操作を1
日の就業時間約8時間以内に終了させるには、地盤の透
水係数その他の条件により異なるが流出管井1と集流管
井2との間の距離S及び間隔Lは、それぞれ、流出管井
1または集流管井2の砕石フィルタ外径の約10倍〜2
0倍ていどであればよい。一般の地盤中には透水係数値
がほぼ一桁違う差異がある斑があってフィンガリング現
象による浸透速度の向上の影響のほうが大きい。例えば
埋め立て地の地盤等で地盤の透水係数が小さく空気溶存
水29の流し込み操作に1日の就業時間を超える長時間
を要する場所では、請求項12に記載の空気混入範囲造
成用圧縮空気50を粘着力が微弱な地盤中に吹き込むこ
とにによる本発明によれば、流出管井1と集流管井2と
の間の距離S及び間隔Lは、それぞれ、流出管井1また
は集流管井2の砕石フィルタ外径の約10倍〜20倍て
いど以上であっても一段階の空気吹き込み操作を1日の
就業時間内に1回以上できる。
【0039】集流管井2に内蔵する水中ポンプ15によ
る吸水力が高過ぎると、集流管井2に接する周囲地盤中
に過大な動水勾配が生じ浸入水流が乱流となり集流管井
2の周囲地盤中から土粒子が砕石フィルタ9内に乱入水
流とともに流入する結果、集流管井2に接する周囲地盤
を緩め劣化させる。水中ポンプ15による吸水力が上述
のように高過ぎる状態は、集流管井2に内蔵する多孔外
管4a内の上ピストン5a下面に作用する多孔外管4a
内の水圧P Wが例えば上ピストン5aの深さにおける限
界値PWC(=静水圧PWS+X)より低くなると起きる。
なお、PWCの値は段落[0042]に後述する空気溶存
水の流し込み水圧△PW 、地盤の透水係数その他の条件
を勘案して決める。
【0040】集流管井2に内蔵する多孔外管4a内の集
流管井上ピストン5a下面に水圧計5−bを取り付け、
集流管井上ピストン5a下面に作用する多孔外管4a内
の水圧が集流管井上ピストン5aの深さにおける限界値
WCより低くなると、多孔外管4a内の水中ポンプ15
に送電している電源スイッチ15bが自動的に切れ、水
中ポンプ15の運転が止まり上ピストン5a下面に作用
する多孔外管4a内の水圧が上昇し、限界値PWCより高
くなると再び電源スイッチ15bが自動的に入り水中ポ
ンプ15の運転が再開する。
【0041】図1および図2並びに図8に示す流出管井
1又は集流管井2を地中に設置するには、まず前記多孔
外管4又は4aの外径の2倍ていどの内径の円形の鉛直
孔1a又は2aを、孔周地盤を緩めないように円形鋼管
ケーシング内でケーシング内の水位を孔周地盤中の地下
水位より高めに保ちながら水中掘削機器を用いて水中掘
削する。水中掘削に用いる水中掘削機器は、削井用機器
又は土質調査用ボーリング機器をなどを流用してよい
が、孔内に満たす水は清浄な水道水等とし土質調査用ボ
ーリングに使用する泥水(ボーリングマッド)等は孔周
地盤を汚染し透水性を劣化するので使用しない。なお、
多孔外管4又は4aは、上端部に雄ネジ部からなる継手
を備え、下端部に雌ネジ部からなる継手部を備え、外周
面に多数の透孔を備えた複数の多孔管ユニットを上下方
向に直列に接続して構成され、実施形態においては、上
下方向の継手間隔と、後記の上ピストンと下ピストンの
間隔が等しくなるように構成され、また後記の気密層9
が設けられる位置も前記継手部の間隔に設けられるよう
に配設される。また前記多孔外管4又は4aの上部に、
マンホール20の底板に設けられた嵌合孔が嵌設され、
流出管井1側においては、前記マンホール20の底板上
面に、送水チューブ8、ピストン吊り綱7等の巻き上げ
ドラム8aおよび巻き上げウインチ11が配設固定さ
れ、これらが流出管井1内に内臓されるように配置され
る機器の頭端部分を構成し、また集流管井2側において
は、前記マンホール20の底板上面に、揚水ホ−ス16
c、集水管ピストン吊り綱7a等の巻き上げドラム16
aおよび巻き上げウインチ11aが配設固定され、これ
らが集流管井2内に内臓されるように配設される機器の
頭端部分を構成している。
【0042】円形鋼管ケーシング内の削孔が進行し削孔
底面が深くなるに従い、鋼管ケーシング下端が削孔底面
の地盤中に貫入するまで沈下させるには、円形鋼管ケー
シングを人力又は機械力によりに一定の回転角内で往復
回転揺動することによって、同ケーシングをその自重に
より地中に沈下させる方法によってよい。地中に微小気
泡混入範囲を造成しようとする地下水面下の深さdまで
掘削した後、多孔外管4又は4aを流出管井鉛直孔又は
集流管井鉛直孔の中に同心状に立て込み、多孔外管4又
は4aと流出管井鉛直孔又は集流管井鉛直孔との間の環
状部分に最小粒径が孔周地盤土の平均粒径の10倍てい
どの細粗混合した砕石屑(クラッシャラン:採石場で指
定粒径の砕石を採取後の副産物の細粗混合した小粒径砕
石)等のフィルタ材9を先行投入しながら鋼管ケーシン
グを抜き上げる。鋼管ケーシングを抜き上げるには、円
形鋼管ケーシングを人力又は機械力により一定の回転角
内で往復回転揺動する装置の鋼管ケーシング外周を締め
付けている部材の左右に張り出す部分を、鋼管ケーシン
グを左右に揺動しながらジャッキにより押し上げる方法
又はウインチ及び滑車から成る吊り上げ装置により引き
上げる等の方法によってよい。
【0043】フィルタ材の投入上端が多孔外管4又は4
aの継手部下端に達した時にフィルタ材の投入を中止
し、敷設圧縮後継手部とほぼ同じ厚さになるドーナッツ
形の内径が多孔外管4又は4aの外径より僅かに大きく
外径が鋼製ケーシングの内径より僅かに小さい微細布目
の布袋にベントナイト等の粘塑性物質を詰めた粘塑性体
充填布袋を、多孔外管4又は4aと鉛直孔1a又は2a
との間の環状部分に置き、上方から押し固め前記環状部
分に気密層9aを形成する。気密層9aの上には、前記
継手部下端下までと同様にフィルタ材9の先行投入を続
行する。フィルタ材9の先行投入及び鋼管ケーシングを
抜き上げが地表面まで達して鋼管ケーシングを回収した
後、多孔外管4又は4a内につり下げる上ピストン5又
は5a、下ピストン6又は6a等及びピストン捲き上げ
ウインチ11又は11a等、流出管井1又は集流管井2
に内蔵する機器を、流出管井1又は集流管井2の頭端部
に予め設けたマンホール20内、地表面48上又は桟台
46上に設置する。
【0044】集流管井2の周囲地盤が埋め立て地等の土
であって、シルトのような微細土粒子を主成分とする場
合には、削孔内に立て込む多孔外管4aの下端外周に図
14(a)に示すような外周が鋼管ケーシング内径より
直径が僅かに小さい円形多孔底板を有する直径が削孔内
径に等しく高さが図8に示す地表面下削孔底面の深さ
(h2+d)より約0.5m高い微細織目の円筒形布袋5
8で、直径が鋼製ケーシング内径より僅かに小さい棒材
の円輪に前記布袋の頂端を縫い付けたものを、図14
(b)に示すように、削孔内に立て込む多孔外管4aの
下端に下方から上方へ向けて被せ、前記棒材の円輪を上
方より吊り固定しながら削孔内に多孔外管4aを立て込
む。この鋼製ケーシング内に吊り固定された微細織目の
円筒形布袋58と多孔外管4a外径との間の環形筒状空
間にフィルタ材9を先行投入しながら鋼製ケーシングを
抜き上げると、集流管井2の周囲地盤とフィルタ材9と
の間に微細織目の布が挟まれた形に仕上がるので、多孔
外管4a内の水中ポンプにより集流管井2の周囲地盤中
から地下水が地盤中の微細土粒子とともに強く吸い込ま
れても、その微細土粒子が前記微細織目の布に阻まれて
フィルタ材9中に流入しない。この微細織目の布が介在
しないと集流管井2の周囲地盤中から地盤中の微細土粒
子が地下水ととも吸い込まれるので集流管井2の周囲地
盤を緩め劣化させるのでよくない。
【0045】図3に示す水圧調節装置32は、ゲージス
タンド33、スタンドゲージ34、スタンドゲージカー
ソル34b、スタンドパイブ35a、溢流槽36、溢流
槽昇降ウインチ37、溢流水管38、溢流水槽39、浮
体40、浮体ガイドホイール41、絞り弁回動ロッド4
2、絞り弁43等より成る。水圧調整装置32の据え付
け面が地表面48上にある場合を図3および図4に示
し、水圧調整装置32の据え付け面が桟台上面49にあ
る場合を図5および図6に示し、図7には、桟台上面4
9の台面構造を一部取り去りスタンドパイプ溢流水位3
5bが開水面47の水位に一致するようにスタンドパイ
プ35a、溢流槽36、溢流槽昇降ウインチ37、溢流
水管38、溢流水槽39、浮体40、浮体ガイドホイー
ル41を最低位に低下させた状態を示す。スタンドパイ
プ35aは超微細気泡造成槽27内の超微細気泡混入空
気溶存水29と空気溶存水チューブ30を通じて連結さ
れているので、超微細気泡造成槽27内の超微細気泡混
入空気溶存水29の水面35の高さはスタンドパイプ溢
流水位35に等しい。溢流水槽39に固定されたスタン
ドパイプ35aの溢流上端と同等のスタンドゲージのカ
ーソル34bをスタンドゲージ34の水圧調整装置32
の据え付け面48又は49上の高さの示度h1に合うよ
うに溢流槽昇降ウインチ37を操作してスタンドパイプ
溢流水位35を決める。スタンドゲージ34には、水圧
調整装置32の据え付け面48または49をスタンドゲ
ージのゼロ目盛34aとする高さの目盛がついており、
スタンドゲージ34の高さの示度hlに地下水面または
開水面上スタンドゲージゼロ目盛り34aまでの高さh
2を加えた合計高さ△h=h1+h2に水の単位体積重量
γW=10kN/m3を乗じた水圧△PW=γW(h1
2)が地下水の静水圧zγWを超える超微細気泡混入空
気溶存水29を地盤中へ流し込む水圧である。ここに、
zは地下水面下または開水面下の深さで地下水面下又は
水底面下n番目の超微細気泡混入空気溶存水流し込み操
作段階における上ピストン5の地下水面下深さ(n−
1)△dであって、△dま超微細気泡混入空気溶存水流
し込み1段階の高さで多孔外管4または4aの継手間隔
に等しい高さである。溢流水槽39内溢流槽36と溢流
水管38により連結された水中には、浮体ガイドホイー
ル41により昇降する浮体40があり、溢流槽36中の
水位が上昇すると浮体40が上昇し、浮体40上に立ち
上がる絞り弁回動ロッド42を突き上げ、絞り弁43を
閉鎖する方向に絞り、溢流水槽39内の水位が溢れだす
ことを防ぐと同時に超微細気泡混入空気溶存水29の送
水量を最適量に調節する。
【0046】地下水面上の地盤土の単位体積重量γ(k
N/m3)、地表面下地下水面の深さD(m)、地下水
面下の深さz´における地盤土の水中単位体積重量γ
(kN/m3)の場合:△PW<γ+γ´z´又は水底面
下深さz´の地盤の場合:△PW<γ´z´に流し込み
水圧を規制すれば、前記流出管井1の周囲地盤中をボイ
リングにより乱さないで空気溶存水流し込み操作を実施
できる。例えば、△d=2.0m、地下水面下2段目の
z´=(2−1)×2.0=2.0m、γ:17kN/
3、D=2.0m、γ´=8kN/m3の場合、△PW
<17×2.0+8×2.0=50kN/m2であれ
ば、流出管井1の周囲地盤中をボイリングにより乱さな
いで空気溶存水流し込み操作を実施できる。しかし、△
W>50kN/m2であると流出管井1の周囲地盤中に
ボイリングが生じて地盤を乱す悪結果を招く。水底下地
盤では、上例より△PW値の規制は厳しく、例えば、△
d=2.0m、水底面下2段目のz´=(2−1)×
2.0=2.0m、γ´=8kN/m3の場合、△PW
8×2.0=16kN/m2なので、h2=3.0mであ
る場合、h1<△PW/γW一h2=16/10−3.0=
−1.4mとなり、桟台上のスタンドゲージゼロ目盛り
34aの標高より1.4m下にスタンドゲージカーソル
34−b、スタンドパイブ35の頂端を吊り下げる必要
がある。因みに水底下地盤では、n=1すなわち水底面
直下の空気溶存水流し込み操作段階においては、△PW
≦(1−1)×0.8=0kN/m2なので流し込む空
気溶存水29の水圧は、静水圧PWSより高くできず、空
気溶存水29の地盤中浸透は集流管井2による集水機能
による吸水力のみにより生じる。
【0047】前記の段落[0041]、[0042]、
[0043]及び[0044]に記載の施工法により設
置した流出管井1から超微細気泡混入空気溶存水29を
地盤中への流し込む操作は、図10に示すように造成し
ようとする空気混入範囲の最下段階50aにおいて開始
し、その最下段階50aにおける流し込み操作により空
気溶存水の浸透水流の前端が、集流管井2に内蔵する水
中ポンプ15の揚水ホース16cに接続する透明なチュ
ーブ17中に到達すると、同チューブ17中の水流に多
数の気泡が認知される。前記透明なチューブ17中に多
数の気泡を認知することにより、最下段階における流し
込み操作を終了し、流出管井1内の上ピストン5、下ピ
ストン6等及び集流管井内の上ピストン5a、下ピスト
ン6a等を一段上の流し込み操作の第2段階51aに引
上げ、図11に示すように第2段階の超微細気泡混入空
気溶存水29の流し込み操作を最下段階における流し込
み操作と同様に実施し第2段階の超微細気泡混入空気溶
存水29の流し込み操作を終了した後、図12に示すよ
うに順次上方の第3段階52a及びに第4段階53aに
おける超微細気泡混入空気溶存水の流し込み操作を実施
し、地下水面直下の図13に示す最終段階における超徴
細気泡混入空気溶存水の流し込み操作を終了すれば、造
成しようとする空気混入範囲の地下水面下dの深さまで
の超微細気泡混入空気溶存水の流し込み操作を完了す
る。
【0048】請求項12に記載の超微細気泡混入空気溶
存水29の代わりに空気混入範囲造成用圧縮空気50を
地盤中へ吹き込む操作も、超微細気泡混入空気溶存水2
9の地盤中への流し込む操作と同様に造成しようとする
空気混入範囲の最下段階50aから開始し順次上方の段
階51a、52a及び53aにおける空気混入範囲造成
用圧縮空気50を地盤中へ吹き込む操作を実施する。
【0049】水底地盤に本発明を適用する場合には、図
16に示すように、水底面上に水底の不透気性被覆22
aを敷設した後に、流出管井1及び集流管井2を水底地
盤中に設置し、超微細気泡混入空気溶存水29の地中へ
の流し込み操作をするために流出管井1及び集流管井2
に内蔵する機器の頭端部分は桟台46の上面49又は台
船46aの上面49aに据え付けて操作する。舟航があ
る河川では河川の全幅を桟台又は台船で閉塞できないか
ら、河川の全幅を少なくとも3分割以上に分割し、一分
割の専用区間長55の範囲内で水底の不透気性被覆22
aの敷設、流出管井1及び集流管井2の水底地盤中設
置、超微細気泡混入空気溶存水29の地中への流し込み
操作等を実施する。
【0050】水底下地盤においては、超微細気泡混入空
気溶存水29の流し込み操作の最終段階は水底下面直下
の段階になる。上述のように、単に流出管井1及び集流
管井2に内蔵するピストン等を同時に吊り上げるだけで
流し込み操作段階を一段上に移行できるので、水底下地
盤に本発明を適用する場合にも超微細気泡混入空気溶存
水29の地中への流し込み操作等を高能率に実施でき
る。
【0051】水底の不透気性被覆22aは、予め流出管
井1及び集流管井2を設置する個所に流出管井1又は集
流管井2の外径に等しい直径の円形の穴を開けたビニー
ルシート等の不透気性シートを水底面上に捲き出す等の
方法により敷設する。前記不透気性シートは敷設後水流
等により、まくれ上がらないように適当に石塊等の錘り
を取り付けたものを使用するのがよい。流出管井1及び
集流管井2に内蔵する多孔外管4を建て込む削孔の掘削
は段落[0041]、[0042]および[0042]
に記載の陸上における掘削方法と同様に円形ケーシング
の周囲地盤を緩めないために、円形ケーシング内の水位
を開水面47の水位より高めに保ちながら円形ケーシン
グ内の水中で機械掘削する。前記水底の不透気性被覆2
2aの流出管井1又は集流管井2を設置する個所に開け
た円形の穴と多孔外管4との間の円環形の間隙は段落
[0042]に記載の気密層9aを設置して塞ぐのがよ
い。
【0052】図15および図16には、本発明を水底ト
ンネルの周囲地盤に適用する例を示す。流出管井1及び
集流管井2は図16に示すXIII−XIII断面の水平断面に
図示のように、一定の距離S間隔Lに配置し、流出管井
1から地盤中へ流し込まれた微細気泡が混入する空気溶
存水29を最寄りの集流管井2に向けて誘導するため
に、流出管井1から地盤中へ流し込み操作段階と同一深
さの集水操作段階において集流管井2に内蔵する吸水口
15aが下ピストン6aの直上に開口する水中ポンブ1
5により集流管井2の外周地盤中から空気溶存水29を
集流管井2に向けて誘導するために適量の地下水を吸い
込んで汲み上げる。
【0053】流出管井1及び集流管井2の間の距離S及
び間隔Lは対象地盤の透水係数その他の条件を考慮して
決めることは、前記段落[0038]に記載した通りで
ある。浸透水流57が図示のように流出管井1から集流
管井2に向かい、水底下地盤中を浸透する過程における
水圧降下に伴い超微細気泡を核とする無数の微小気泡発
生により水底下地盤中に空気混入範囲を造成することは
段落[0038]に記載した陸上地盤における場合と同
様である。
【0054】図16に示すI−I断面の鉛直断面図には
超微細気泡混入空気溶存水29の地中への流し込み操作
の第1段階における状況を示し、図17、図18及び図
19はそれぞれ空気溶存水29の地中への流し込み操作
の第2段階、第3段階及び最終第4段階における状況を
示す。
【0055】図20および図21には、本発明を沈埋ト
ンネルの両側の水底地盤の適用する例を示す。図20は
図21に示すXV−XV断面の水平断面上における流出
管井1及び集流管井2の配置及び図26の鉛直断面図上
に示す最終第5段階における超微細気泡混入空気溶存水
29の前記XV−XV断面の水平断面上における浸透水
流57を示す。同図はトンネルの中心線の両側が左右対
称であるので中心線の右側のみを図示した。沈埋トンネ
ルの両側地盤中最も地震時に液状化しやすい部分は、建
設時に沈埋函を設置するために水底の掘った沈埋溝埋戻
し土の範囲56である。沈埋溝埋戻し土の範囲56が液
状化すると沈埋トンネルの両側より強大な圧力が作用し
沈埋トンネル構造を圧壊するおそれがあるので、沈埋溝
埋戻し土の範囲56に対する本発明の適用を重点的に考
慮したのが、図20および図21に示す水底の不透気性
被覆22aの敷設範囲及び流出管井1及び集流管井2の
配置である。
【0056】沈埋溝埋戻し土の範囲56の深さは、図2
0および図21に図示するように、沈埋トンネルよりの
距離が長いほど浅くなるので、沈埋トンネル中心の直上
に集流管井2−0を設置し、沈埋トンネルに最も近い流
出管井1−1、流出管井1−1に次いで沈埋トンネルに
近い集流管井2−1、集流管井2−1に次いで沈埋トン
ネルに近い流出管井1−2及び沈埋トンネルから最も離
れた集流管井2−2を、図示のように沈埋溝埋戻し土の
範囲56の下側斜面に沿い1段階の深さづつ浅く設置す
る。
【0057】沈埋溝埋戻し土の範囲56内のおける超微
細気泡混入空気溶存水29の流し込み操作の第1段階
は、図22に示すように流出管井1−1と集流管井2−
1との間から開始し、同操作の第2段階は図23に示す
ように流出管井1−1と集流管井2−1との間で行い、
同操作の第3段階は図24に示すように流出管井1−
1、集流管井2−1、流出管井1−2及び集流管井2−
2との間で行い、同操作の第4段階は図25に示すよう
に、集流管井2−0、流出管井1−1、集流管井2−
1、流出管井1−2及び集流管井2−2との間で行い、
同操作の最終第5段階は図26に示すように集流管井2
−0、流出管井1−1、集流管井2−1、流出管井1−
2及び集流管井2−2との間で行う。上記の5段階の超
微細気泡混入空気溶存水29の流し込み操作実施によ
り、沈埋溝埋戻し土の範囲56全面に空気混入範囲を造
成でき、沈埋溝埋戻し土の範囲56の地震時液状化に起
因する沈埋トンネル構造の圧壊を未然に防止できる。
【0058】前記段落[0047]より[0056]に
いたる各段落に記載の超微細気泡混入空気溶存水29を
地盤中に流し込む操作又は空気混入範囲造成用圧縮空気
50を地盤中へ吹き込む操作が完了した後に、本発明の
適用に使用した流出管井1及び集流管井2に内蔵する諸
機材のうち、多孔外管4及び多孔外管4aを抜き上げ撤
去する際には、多孔外管4,4a内の諸機器を撤去した
後多孔外管周囲の砕石フィルタ材が多孔外管撤去後の孔
中に崩れ込まないように砕石、砂等の填充材を先行投入
しながら多孔外管を抜き上げ撤去するのがよい。
【0059】本発明の適用に使用した流出管井1及び集
流管井2に内蔵する諸機器を残置し、遠い将来における
本発明の適用による地震時地盤液状化防止効果が低下す
ることに備える場合には、流出管井1及び集流管井2及
び流出管井1及び集流管井2に内蔵する諸機器は、永代
使用により劣化しない耐久性に富む材質の材料により構
成し、初回の本発明の適用後、一定年月の期間経過ごと
にP波検層等の方法により、本発明の適用範囲地盤の飽
和度を測定する公的な永続組織を構成しておくのがよ
い。なお、前記各実施形態において、上ピストン5,5
aの外周側面には、ゴムのような弾性材料からなるリン
グシール12が接着剤等により取り付けられ、また多孔
外管4,4aを構成する多孔外管ユニットのネジ継手部
の内径は、多孔外管4,4aの母材(本体部)内径より
もわずかに小さくなっており、上ピストンを吊り上げる
とリングシール12が継手部内面に圧接して、気密状態
になり、上ピストン5または5aより下空間内の流体圧
が上ピストン5または5aより上の地下水圧より高くて
も超微細気泡混入空気溶存水29(または空気混入範囲
造成用圧縮空気50)が上ピストン5または5a上の地
下水圧より高くても超微細気泡混入空気溶存水29(ま
たは空気混入範囲造成用圧縮空気50)が上ピストン5
または5a上へ漏出しない。またこの発明において、超
微細気泡混入空気溶存水29の流し込み操作(または空
気混入範囲造成用圧縮空気50の吹き込み操作)を数段
階の深度に分割して行う理由は、流出管井1の下端の深
さの地下水圧に等しい流体圧の超微細気泡空気溶存水2
9(または圧縮空気50)を一気に流し出すと、中間深
さの地盤中へ流し出す水圧(または空気圧)が高すぎる
ために発生するボイリングにより流送管井1周囲地盤が
乱されるのをさけるためである。各段階の深度に適応す
る気圧の空気混入範囲造成用圧縮空気50を、前記流出
管井1における多孔外管4内に流入させ、流入した気圧
調整された圧縮空気を、流出管井1外周囲地盤中へ吹き
出す場合、吹き出した空気の一部は無数の微小気泡に分
散して、地盤中に永続滞留し、地盤の飽和度が低下した
状態を保つ。また地盤中に滞留しない空気は集流管井2
内に集気され、集気管井2内の多孔外管4aを通じて地
上に排気される。なお、何れの実施形態の場合にも、集
流管井2内において、酸素欠乏空気発生の危険防止のた
めに空気流し込み操作中、集流管井2からの排気の酸素
分圧を集流管井2のマンホール20内に酸素濃度計(図
示を省略した)により測定し、排気中の酸素分圧が正常
値より低い場合には、酸素分圧が正常値を回復するま
で、空気流し込み集気および排気の操作を続行し、地盤
中に空気を循環させる。またこの発明において、使用す
る機器は小型で軽便なものであるので、施工費用は極め
て低コストで施工することができ、また使用機器が小型
なので、狭い場所、空高が低い場所、広面積、多地点等
への適用できる。
【0060】
【発明の効果】請求項1の発明によると、粘着力が微弱
な地盤中に、単に超微細気泡を混入しかつ空気を飽和状
態以上に溶存する水を流し込むという簡単な操作を行う
ことにより、地盤中に微小気泡混入範囲を造成して、そ
の範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない程
度まで低下させることができ、地震時の液状化を防止し
することができ、特にこの発明の場合は、超微細気泡を
混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を使用して
いるので、確実に比較的高能率の操作により、微小気泡
混入範囲を造成することができる。
【0061】また請求項2の発明によると、請求項1の
効果にさらに、流出管井周囲地盤が粘着力が微弱な地盤
であっても、前記流出管井周囲地盤をボイリング等によ
り緩め劣化させることなく微小気泡混入範囲を造成し、
その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化
が発生しない程度まで低下させることができる。
【0062】また請求項3のように、水中ポンプにより
適量の地下水を汲み上げ、汲み上げた地下水を最寄りの
前記流出管井周囲面の環状部分に充填された細粗粒混合
する砕石フィルタ中へ流入させて前記砕石フィルタ周囲
の地盤に還流させると、地盤中の地下水全量を増減させ
ることなく地下水位を下げないで地盤中に微小気泡混入
範囲を造成できる。
【0063】また、請求項4の発明のように、微細小気
泡を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水の地中
への流し込み及びこれを誘導するための地下水汲み上げ
操作の一定の深度範囲を、地盤中に造成しようとする微
小気泡混入範囲の最下段に設定した状態から開始し、こ
れが終了した後、順次上方の一定の深度範囲を設定し
て、施工するようにしたので、設定した一定の深度範囲
の地盤に効率よく微小気泡混入範囲を造成することがで
きる。
【0064】また請求項5の発明によると、流出管井内
に内蔵する機器の頭端部分及び前記集流管井に内蔵する
機器の頭端部分をマンホール内に収納したので、都市内
における街路舗装下の粘着力が微弱な地盤であっても、
容易に施工することができる。
【0065】また請求項6の発明によると、請求項5の
効果にさらに、道路わき等の制御所から遠隔集中制御し
て、地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡
混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない
程度まで低下させて液状化発生を防止することができ
る。
【0066】また請求項7の発明によると、単に地表面
に舗装等の不透気性被覆がない河川の高水敷等の解放地
において、地下水面下地盤中に造成する空気混入範囲の
地表面上に不透気性シートを土砂層等で押さえ付けた不
透気性被覆を敷設することにより、前記不透気性被覆下
の粘着力が微弱な地盤中に、微小気泡混入範囲を造成
し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
することができる。
【0067】また請求項8の発明によると、超微細気泡
を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を、水道
水から容易に造成することができ、しかも水圧を自動水
圧調節装置により、超微細気泡が混入すると共に空気を
飽和状態以上に溶存する空気溶存水の流し込み操作段階
の深さにおける地下水圧に応じた設定水圧に正確に調節
した水圧の超微細気泡が混入する空気溶存水にして、こ
れを地中に流し込むことができるため、深度における地
下水圧に応じた微小気泡混入範囲を容易に造成すること
ができ、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時
に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を
防止することができる。
【0068】また、請求項9の発明によると、周囲地盤
をボイリング等により劣化させることなく微細気泡が混
入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を周囲地盤中
に流し込ことができ、しかも揚水ホースに接続する透明
チューブを使用しているので、容易に、集流管井側にお
いて、周辺地盤に微小気泡混入範囲が浸透されたか否か
気泡の有無によって、容易に確認することができる等の
効果がある。
【0069】また、請求項10の発明によると、多孔外
管内の上ピストン及び同ピストンに付属する部材を、造
成しようとする空気混入範囲に対応して、正確な標高ま
で吊り上げることができるため、確実に造成しようとす
る空気混入範囲に、微細気泡が混入しかつ空気を飽和状
態以上に溶存する水を流出管井から流し込むことができ
る。
【0070】また請求項11によると、多孔外管の継手
の深さにおいて、上ピストンが位置している場合に、多
孔外管の継手の部分に気密層が設けられて、上ピストン
より上のと下の部分とは、気密に上下方向に遮断されて
いるので、上ピストンより上方からは周囲地盤をボイリ
ング等により劣化させるような過剰に高い水圧の前記微
細気泡が混入する空気溶存水が流出することなく安定状
態で、微細気泡が混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存
する水を、造成しようとする空気混入範囲に流し込むこ
とができる。また、下ピストンには、これを上下に貫通
する通水口が設けられているので、下ピストンが上昇し
た時に、下ピストン下面側が負圧になることはなく、地
下水が下ピストン下の空間に自然に流入するので、孔底
地盤を乱すことなく下ピストンを引き上げることができ
る等の効果がある、。
【0071】また、請求項12の発明によると、粘着力
が微弱な地盤中に超微細気泡を混入しかつ空気を飽和状
態以上に溶存する水を流し込むことの代わりに、請求項
2の粘着力が微弱な地盤中に設置した流出管井の一定の
深度範囲内のみから前記流出管井周囲地盤中にボイリン
グを起こす限界値より低い適度の気圧に調節した圧縮空
気を粘着力が微弱な地盤中に吹き込むことにより、前記
請求項1,2,3,4,5,6,7,9,10及び11
の発明と同様な効果を奏することができる。
【0072】また請求項13の発明によると、多孔外管
の外側に円形多孔底板を有する微細織目の円筒形布袋が
予め遊嵌された状態で、削孔用鋼管ケーシングを備えた
削孔内に立て込まれ、前記微細織目の円筒形布袋と前記
多孔外管との間の環形筒状空間にフィルタ材を先行投入
しながら前記鋼製ケーシングを抜き上げられて、周囲地
盤とフィルタ材との間に前記微細織目の円筒形布袋の布
が挟むように集流管井または流出管井を形成するので、
多孔外管内の水中ポンプにより集流管井の周囲地盤中か
ら地下水が地盤中の微細土粒子と共に強く吸い込まれて
も、その微細土粒子が前記微細織目の布に阻まれてフィ
ルタ材中に流入しない等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地盤液状化防止工法を実施するために
地中に空気溶存水を流し込む場合または圧縮空気を吹き
込む装置の一形態例の縦断正面図である。
【図2】(a)は図1に一部を拡大して示す縦断正面図
であり、(b)は図1のI−I線断面図であり、(c)
は図1のII−II線に沿う主要部分の水平断面を示す
模式図である。
【図3】本発明の地盤液状化防止工法を実施するために
使用する空気溶存水を造成しその水圧を調節する装置を
地盤上に設置した状態の一形態例の模式図である。
【図4】図3のIII―III線断面図である。
【図5】本発明の地盤液状化防止工法を実施するために
使用する空気溶存水を造成しその水圧を調節する装置を
開水面上の桟台上に設置した状態の一形態例の模式図で
ある。
【図6】図5のIV―IV線断面図である。
【図7】(a)は図6に示す水圧を調節する装置の水圧
を最低に調節した特殊な状態を示す模式図であり、
(b)は(a)のV−V線断面図である。
【図8】(a)は図1の装置の例により地中に流し込ま
れた空気溶存水を集水する装置の例を図1の装置の例と
並列に示した縦断正面図であり、(b)は(a)のVI―
VI線断面図であり、(c)は(a)のVII―VII線断面図
であり、(d)は(a)のVIII―VIII線断面図であり、
(e)は(a)のIX―IX線断面図である。
【図9】本発明を杭基礎周囲及び杭間の地盤に適用した
形態例を示す横断平面図であり、図10のXI−XI線
断面図である。
【図10】本発明を杭基礎周囲及び杭間の地盤に適用し
た形態例により、空気溶存水を地中に流し込む操作の第
1段階を示す鉛直断面を示す模式図であり、図9のX―
X線断面図である。
【図11】図9のX−X断面に相当し、空気溶存水を地
中に流し込む操作の第2段階を示す鉛直断面を示す模式
図である。
【図12】図9のX−X断面に相当し、空気溶存水を地
中に流し込む操作の第3段階を示す鉛直断面を示す模式
図である。
【図13】図9のX−X断面に相当し、空気溶存水を地
中に流し込む操作の第4段階を示す鉛直断面を示す模式
図である。
【図14】(a)および(b)は図8に示す集流管井周囲
地盤が微細土粒子よりなる場合に用いる微細織目布袋を
装着する方法を示す説明図である。
【図15】本発明を水底面下トンネルの両側地盤に適用
した形態例を示す横断平面図であり、図16のXIII―XI
II線断面図である。
【図16】本発明を水底面下トンネルの両側地盤に適用
した形態例により、空気溶存水を地中に流し込む操作の
第1段階を示す鉛直断面を示す模式図であり、図15の
XII―XII線断面図である。
【図17】図15の横断平面図のXII−XII断面に相当
し、空気溶存水を地中に流し込む操作の第2段階を示す
鉛直断面を示す模式図である。
【図18】図15の横断平面図のXII−XII断面に相当
し、空気溶存水を地中に流し込む操作の第3段階を示す
鉛直断面を示す模式図である。
【図19】図15の横断平面図のXII−XII断面に相当
し、空気溶存水を地中に流し込む操作の第4段階を示す
鉛直断面を示す模式図である。
【図20】本発明を水底面下沈埋トンネルの両側地盤に
適用した形態例を示す横断平面図であり、図21のXV
−XV断面に相当する。(中心対象なので右半面のみを
図示する。)
【図21】本発明を水底面下沈埋トンネルの両側地盤に
適用した形態例を示す縦断正面図であり、図20のXIV
−XIV断面に相当する。(中心対象なので右半面のみ
を図示する。)
【図22】図21に図示した縦断断面正面図に相当し、
空気溶存水を地中に流し込む操作の第1段階を示す鉛直
断面を示す模式図である。
【図23】図21に図示した縦断断面正面図に相当し、
空気溶存水を地中に流し込む操作の第2段階を示す鉛直
断面を示す模式図である。
【図24】図21に図示した縦断正面図に相当し、空気
溶存水を地中に流し込む操作の第3段階を示す鉛直断面
を示す模式図である。
【図25】図21に図示した縦断正面図に相当し、空気
溶存水を地中に流し込む操作の第4段階を示す鉛直断面
を示す模式図である。
【図26】図21に図示した縦断正面図に相当し、空気
溶存水を地中に流し込む操作の最終第5段階を示す鉛直
断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 流出管井 2 集流管井 3 ストレーナ 4 多孔外管 4a 集気管多孔外管 5 上ピストン 5a 集流管上ピストン 6 下ピストン 6a 集流管下ピストン 7 ピストン吊り綱 7a 集流管ピストン吊り綱 8 送水チューブ 8a 送水チューブ捲き上げドラム 8b チューブ捲き上げドラム回動綱 9 砕石フィルタ 9a 気密層 10 ネジ継ぎ手 11 ピストン捲上げウインチ 11a 集流管井ピストン捲上げウインチ 12 リングシール 13 送水本管 14 通水口 15 水中ポンプ 15a 水中ポンプ吸水口 15b 水中ポンプ電源スイッチ 16 揚水ホース 16a 揚水ホース捲き上げドラム 16b ホース捲き上げドラム回動綱 17 透明なチューブ 18 横方向水管 19 マンホールの蓋 20 マンホール 21 不透気性舗装 22 不透気性被覆 23 水道水 24 水道水曝気用攪拌槽 24a 撹拌用羽根 25 撹拌用羽根回転モーター 26 曝気用圧縮空気 26a 拡散空気吹山し口 27 超微細気泡造成槽 27a 超微細濾過装置 28 超微細気泡造成用圧縮空気 29 超微細気泡混入空気溶存水 30 空気溶存水チューブ 31 地下水面 32 水位調節装置 33 ゲージスタンド 34 スタンドゲージ 34a スタンドゲージのゼロ目盛り 34b スタンドゲージカーソル 35 スタンドパイプ溢流水位 35a スタンドパイプ 36 溢流槽 37 溢流槽昇降ウインチ 38 溢流水管 39 溢流水槽 40 浮体 41 浮体ガイドホイール 42 絞り弁回動ロッド 43 絞り弁 44 排水弁 45 排水口 46 桟台 47 開水面 48 地表面 49 桟台上面 50 空気混入範囲造成用圧縮空気 50a 空気混入範囲の最下段階 51a 空気混入範囲の第2段階 52a 空気混入範囲の第3段階 53a 空気混入範囲の第4段階 54 水底トンネル 54a 水底沈埋トンネル 55 一回の川幅専用区間長 56 沈埋溝埋め戻し土の範囲 57 浸透水流 58 微細織目の円筒形布袋 60 小型空気圧縮機 61 気圧調節器 2−0 沈埋トンネル中心線上の集流管井 1−1 沈埋トンネルに一番近い流出管井 2−1 沈埋トンネルに一番近い集流管井 1−2 沈埋トンネルに二番目に近い流出管井 2−2 沈埋トンネルに二番目に近い集流管井
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月16日(2000.6.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】本発明を都市街路の不透気性舗装21下
の地盤等に適用する場合を図1〜図8に示す模式図につ
いて説明する。図1および図2に模式的に示す流出管井
(送水管井または送気管井を総称して流出管井と言う)
1は、縦孔内に縦向きに配置された微細網目のストレー
ナを外周に巻き付けた多孔外管4、前記多孔外管4をシ
リンダーとしてその内側において摺動昇降する上ピスト
ン5、下ピストン6、送水用チューブ8、多孔外管4の
周囲を囲む外径が多孔外管4の約2倍の環状砕石フィル
タ9等より成る。なお前記環状砕石フィルタ9を含む流
出管井1の築造形態の詳細については、後記の段落[0
041]以降において説明する。請求項12に記載の本
発明において、圧縮空気を粘着力が微弱な地盤中に吹き
込むことによる本発明に用いる流出管井1の構造は、図
1および図2に示す流出管井1と原理的に同一である。
上ピストン5、上ピストン5と丸棒等の連結ロッドによ
り相互に剛結された下ピストン6等は、流出管井1の頭
端部に設置するピストン捲き上げウインチ11のドラム
に捲き付けた合繊ロープ等の丈夫なピストン吊り綱7に
より吊り下げられており、必要に応じてピストン捲き上
げウインチ11に内蔵する微調整捲き上げ装置(図示を
省略した)により所定の高さだけ、正確に上ピストン5
等を捲き上げることができる。上ピストン5等を捲き上
げることに伴い送水チューブ8もせり上がるが、送水チ
ューブ8上端は図示のピストン捲き上げウインチ11の
ドラムと直径が等しい送水チューブ8の捲き取りドラム
8aに捲き付けてあり、かつ送水用チューブ8に接続す
る送水経路は、送水用チューブ捲き取りドラム8aに内
蔵するロータリージョイント(公知の製品を購買できる
ので図示を省略した)を介して捲き取りドラム8aの回
転軸中から捲き取りドラム8aの外に出て送水本管13
に接続しているので、送水経路は折れ曲がり等により円
滑な送水を支障することなく、また送水用チューブ8の
捲き上げドラム8aの軸方向に変位した位置に捲き付け
たチューブ捲き上げドラム回動綱8bがピストン捲き上
げウインチ11のドラムの軸方向に変位した位置に捲き
付けてあるので送水チューブ8は上ピストン5等が捲き
上げられる高さだけ送水用チューブ捲き上げドラムによ
り捲き上げられるので送水チューブ8はたるんだり折れ
曲がったりしない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】図3〜図6には水道水曝気、超微細気泡造
成及び水圧調節に使用する装置の一形態を模式的に示
す。図示を省略したポンプ等の圧縮空気供給源から送気
管を介して水道水曝気用撹拌槽23内で圧縮空気吹き出
し口26aから吹き出される曝気用圧縮空気26と共に
水道水24を撹拌用羽根回転モーター25により高速回
転する撹拌用羽根24aにより撹拌混合して水道水を曝
気し、空気を飽和状態以上に溶存する水を造成し、その
空気を飽和状態以上に溶存する水に、超微細気泡造成槽
27内の超微細濾過装置27aに超微細気泡造成用圧縮
空気28を吹き込むことにより造成した超微細気泡混入
空気溶存水(超微細気泡eを混入しかつ空気を飽和状態
以上に溶存する水)29を、空気溶存水チューブ30、
水圧調節装置32及び図1および図2に示す送水本管1
3及び送水チューブ8を通じて多孔外管4内に供給し、
多孔外管周囲のストレーナ3及び砕石フィルタ9を通じ
て流出管井1周囲の地盤中に流し込む。水道水曝気、超
微細気泡造成及び水圧調節に使用する装置は図2に示す
例とは異なる装置も考えられるが、図3〜図6に示す装
置の例は構造簡単で維持管理及びに制御が容易であり
かつコンパクトで狭い場所にも適用できることを特徴と
する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】地下水面上の地盤土の単位体積重量γ(k
N/m3)、地表面下地下水面の深さD(m)、地下水
面下の深さz´における地盤土の水中単位体積重量γ´
(kN/m3)の場合:△PW<γ+γ´z´又は水底面
下深さz´の地盤の場合:△PW<γ´z´に流し込み
水圧を規制すれば、前記流出管井1の周囲地盤中をボイ
リングにより乱さないで空気溶存水流し込み操作を実施
できる。例えば、△d=2.0m、地下水面下2段目の
z´=(2−1)×2.0=2.0m、γ:17kN/
3、D=2.0m、γ´=8kN/m3の場合、△PW
<17×2.0+8×2.0=50kN/m2であれ
ば、流出管井1の周囲地盤中をボイリングにより乱さな
いで空気溶存水流し込み操作を実施できる。しかし、△
W>50kN/m2であると流出管井1の周囲地盤中に
ボイリングが生じて地盤を乱す悪結果を招く。水底下地
盤では、上例より△PW値の規制は厳しく、例えば、△
d=2.0m、水底面下2段目のz´=(2−1)×
2.0=2.0m、γ´=8kN/m3の場合、△PW
8×2.0=16kN/m2なので、h2=3.0mであ
る場合、h1<△PW/γW一h2=16/10−3.0=
−1.4mとなり、桟台上のスタンドゲージゼロ目盛り
34aの標高より1.4m下にスタンドゲージカーソル
34−b、スタンドパイブ35の頂端を吊り下げる必要
がある。因みに水底下地盤では、n=1すなわち水底面
直下の空気溶存水流し込み操作段階においては、△PW
≦(1−1)×0.8=0kN/m2なので流し込む空
気溶存水29の水圧は、静水圧PWSより高くできず、空
気溶存水29の地盤中浸透は集流管井2による集水機能
による吸水力のみにより生じる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着力が微弱な地盤中に、超微細気泡を
    混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を流し込む
    ことにより、地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その
    微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発
    生しない程度まで低下させて液状化発生を防止すること
    を特徴とする地盤の地震時液状化防止工法。
  2. 【請求項2】 粘着力が微弱な地盤中に設置した流出管
    井の一定の深度範囲内のみから前記流出管井周囲地盤を
    ボイリング等により緩め劣化させることなく超微細気泡
    を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を流し込
    むことにより、前記流出管井周囲の地盤をボイリングに
    より乱すことなく地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、
    その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化
    が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止する
    ことを特徴とする地盤の地震時液状化防止工法。
  3. 【請求項3】 前記流出管井から地中へ流し込む超微細
    気泡を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を横
    方向へ誘導するために、前記流出管井とほぼ同一構造の
    集流管井に内蔵する水中ポンプの吸水口を、前記流出管
    井の前記超微細気泡が混入する空気溶存水を流し出す一
    定の深度範囲に等しい深度範囲下端近くの深さに保ち、
    前記流出管井から流出した前記超微細気泡が混入する空
    気溶存水を前記集流管井へ向けて誘導するために、前記
    水中ポンプにより適量の地下水を汲み上げ、汲み上げた
    地下水を最寄りの前記流出管井周囲面の環状部分に充填
    された細粗粒混合する砕石フィルタ中へ流入させて前記
    砕石フィルタ周囲の地盤に還流させることにより、地盤
    中の地下水全量を増減させることなく地下水位を下げな
    いで地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡
    混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生しない
    程度まで低下させて液状化発生を防止することを特徴と
    する請求項2に記載の地盤の地震時液状化防止工法。
  4. 【請求項4】 粘着力が微弱な地盤中に設置した前記流
    出管井からの超微細小気泡を混入しかつ空気を飽和状態
    以上に溶存する水の地中への流し込み及び前記集流管井
    内の水中ポンプによる流し込んだ前記超徴細気泡が混入
    する空気溶存水を前記集流管井へ向けて誘導するための
    地下水汲み上げ操作の一定の深度範囲を、地盤中に造成
    しようとする微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態
    から開始し、最下段階における前記の微細気泡が混入す
    る空気溶存水の地中への流し込み操作中に流し込まれた
    超微細気泡を混入する空気溶存水が地盤内を浸透する過
    程において水圧が低下することにより、超微細気泡が混
    入する空気溶存水から超微細気泡を核として発生した微
    小気泡が混入することを、前記集流管井内の水中ポンプ
    により汲み上げる地下水の揚水ホースに連結する透明チ
    ューブ内地下水流中に認知することにより、最下段階の
    超微細気泡が混入する空気溶存水の地中への流し込み操
    作を終了し、前記流出管井及び集流管井に内蔵する機器
    を一段階上方へ引き上げて一定の深度範囲を設定して、
    次の第2段階における流出管井からの超微細気泡が混入
    する空気溶存水の地中への流し込み操作及び集流管井内
    の水中ポンプによる地下水汲み上げ操作を行い、第3段
    階以後の前記超微細気泡が混入する空気溶存水の地中へ
    の流し込み操作及び地下水の汲み上げ操作を順次同様に
    繰り返すことにより、地盤中に微小気泡混入範囲を造成
    し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
    状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
    することを特徴とする請求項3に記載の地盤の地震時液
    状化防止工法。
  5. 【請求項5】 都市内街路舗装下の粘着力が微弱な地盤
    中に設置した前記流出管井び前記集流管井による超微細
    気泡を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水の流
    し込み操作を行う場合に、前記流出管井内に内蔵する機
    器の頭端部分及び前記集流管井に内蔵する機器の頭端部
    分を、それぞれ、路上走行車両の荷重を十分支持できる
    着脱自在な蓋付きのマンホール内に収納し、前記マンホ
    ール内に収納する機器の使用、点検時以外はマンホール
    の蓋を閉じ街路上の交通等都市活動に及ぼす支障を最小
    限に保ちながら前記超微細気泡混入水の流し込み操作に
    おける操作の一定の深度範囲を地盤中に造成しようとす
    る微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態から開始
    し、順次上方へ段階的に行うことにより地盤中に微小気
    泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽
    和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて
    液状化発生を防止することを特徴とする請求項3又は4
    の何れかに記載の地盤の地震時液状化防止工法。
  6. 【請求項6】 都市内街路舗装下の粘着力が微弱な地盤
    中に設置した前記流出管井び前記集流管井による前記超
    微細気泡が混入する空気溶存水の流し込み操作を大規模
    な範囲において行う場合において、道路わき等に制御所
    を設け前記透明チューブ内を流通する地下水中の微小気
    泡混入の有無をビデオカメラ等により制御所内のオペレ
    ーターが監視し前記超微細気泡が混入する空気溶存水の
    流し込み操作に使用するすべての機器の操作を遠隔集中
    制御することにより、前記超微細気泡混入水の流し込み
    操作段階が順次上の段階へ移行する度にマンホールの蓋
    を開けてマンホール内に収納する機器を手動により作動
    する非能率な手間を省き、街路上の交通等都市活動を少
    しも支障しないで前記の超微細気泡が混入する空気溶存
    水の流し込み操作の一定の深度範囲を地盤中に造成しよ
    うとする微小気泡混入範囲の最下段に設定した状態から
    開始し、順次上方へ段階的に行うことにより地盤中に微
    小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤
    の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下さ
    せて液状化発生を防止することを特徴とする請求項3,
    4または請求項5の何れかに記載の地盤の地震時液状化
    防止工法。
  7. 【請求項7】 地表面に舗装等の不透気性被覆がない河
    川の高水敷等の解放地において、地下水面下地盤中に造
    成する空気混入範囲の地表面上に不透気性シートを土砂
    層等で押さえ付けた不透気性被覆を敷設し、前記不透気
    性被覆下の粘着力が微弱な地盤中に設置した前記流出管
    井および前記集流管井による前記超微細気泡が混入する
    空気溶存水の流し込み操作における操作の一定の深度範
    囲を地盤中に造成しようとする微小気泡混入範囲の最下
    段に設定した状態から開始し、順次上方へ段階的に行う
    ことにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、その微
    小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化が発生
    しない程度まで低下させて液状化発生を防止することを
    特徴とする請求項3または請求項4の何れかに記載の地
    盤の地震時液状化防止工法。
  8. 【請求項8】 水道水に圧縮空気を吹き込みながら高速
    回転羽根により撹拌することにより曝気し、空気を飽和
    状態以上に溶存する水に圧縮空気をポーラスストーン等
    の超微細濾過装置を通じて吹き出すことにより生じる超
    微細気泡を混入させて、前記超微細気泡を混入しかつ空
    気を飽和状態以上に溶存する水を造成し、その超微細気
    泡が混入する空気溶存水を地中へ流し込む水圧を簡単な
    自動水圧調節装置により、超微細気泡が混入する空気溶
    存水の流し込み操作段階の深さにおける地下水圧に応じ
    た設定水圧に正確に調節した水圧の超微細気泡が混入す
    る空気溶存水を地中に流し込むことにより、地盤中に微
    小気泡混入範囲を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤
    の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下さ
    せて液状化発生を防止することを特徴とする請求項2,
    3,4,5または請求項6の何れかに記載地盤の地震時
    液状化防止工法。
  9. 【請求項9】 前記流出管井及び集流管井を同流出管井
    及び集流管井の周囲地盤を乱さない工法により掘削した
    削孔中に設置した外周に細粗粒混合した砕石フィルタの
    環形筒層を有する前記流出管井及び集流管井の一定の深
    度範囲のみから、その深度において周囲地盤をボイリン
    グ等により劣化させない適度の水圧に調節した前記微細
    気泡が混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を周
    囲地盤中に流し込み、流し込んだ前記微細気泡が混入し
    かつ空気を飽和状態以上に溶存する水を横方向に誘導す
    るために、前記集流管井に内蔵する水中ポンプにより地
    下水を汲み上げ、汲み上げた水が揚水ホースに接続する
    透明チューブ及び横方向通水管を経て最寄りの前記流出
    管井外周の砕石フィルタの環形筒層へ流入させることに
    より地盤中の地下水量を一定に保ち、地下水位を低下さ
    せないで前記徴細気泡が混入しかつ空気を飽和状態以上
    に溶存する水を周囲地盤中に流し込み操作ができる流出
    管井及び集流管井により、地盤中に微小気泡混入範囲を
    造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時
    に液状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を
    防止することを特徴とする請求項3,4,5,6,7ま
    たは請求項8の何れかに記載地盤の地震時液状化防止工
    法。
  10. 【請求項10】 請求項3,4,5,6,7,8または
    請求項9の地盤の地震時液状化防止工法において使用さ
    れる流出管井及び集流管井において、前記流出管井及び
    集流管井に内蔵する多孔外管内に吊り下げる上ピストン
    及び同ピストンに付属する部材を電動ウインチに捲き付
    けた吊り綱により吊り、前記電動ウインチにより前記微
    細気泡が混入する空気溶存水の流し込み操作開始時及び
    同操作段階の次段階への移行時において正確な標高まで
    吊り上げる減速歯車等による微動調整及び遠隔操作可能
    なピストン捲き上げウインチを内蔵することを特徴とす
    る流出管井及び集流管井。
  11. 【請求項11】 複数の多孔管がネジ継手により直列に
    連結されて多孔外管が構成され、前記流出管井及び前記
    集流管井に内蔵する前記多孔外管内に吊り下げた前記上
    ピストンが前記多孔外管の継手の深さに一致する深さに
    ある場合、前記流出管井及び前記集流管井が前記多孔外
    管の継手の深さにおいて気密に上下方向に遮断されて、
    上ピストンより上方からは周囲地盤をボイリング等によ
    り劣化させるような過剰に高い水圧の前記微細気泡が混
    入する空気溶存水が流出しないように構成され、前記多
    孔外管内に吊り下げた前記下ピストンには、上下に貫通
    する通水口が設けられ、下ピストン外周面が前記多孔外
    管継手部内周面に密接していても前記通水口を通じて、
    下ピストン上の多孔外管内に湛水する地下水が下ピスト
    ン下の空間に自然に流入することにより、下ピストン下
    に孔底地盤を乱す原因になるような負圧を生じることな
    く、下ピストンを引き上げることができるようにされ、
    上ピストンを捲き上げるに伴いせり上がる上ピストンに
    取り付けられたチューブ又はホースを、上ピストンを捲
    き上げる高さまで捲き取る手段等を内蔵する流出管井及
    び集流管井。
  12. 【請求項12】 前記請求項1,2,3,4,5,6,
    7及び9において、粘着力が微弱な地盤中に超微細気泡
    を混入しかつ空気を飽和状態以上に溶存する水を流し込
    むことの代わりに、請求項2の粘着力が微弱な地盤中に
    設置した流出管井の一定の深度範囲内のみから前記流出
    管井周囲地盤中にボイリングを起こす限界値より低い適
    度の気圧に調節した圧縮空気を粘着力が微弱な地盤中に
    吹き込むことにより、地盤中に微小気泡混入範囲を造成
    し、その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
    状化が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止
    することを特徴とする地盤の地震時液状化防止工法。
  13. 【請求項13】 地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、
    その微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液状化
    が発生しない程度まで低下させて液状化発生を防止する
    微細土粒子が多い地盤の地震時液状化防止工法に使用さ
    れる集流管井または流出管井の施工方法において、多孔
    外管の外側に円形多孔底板を有する微細織目の円筒形布
    袋が予め遊嵌された状態で、削孔用鋼管ケーシングを備
    えた削孔内に立て込まれ、前記微細織目の円筒形布袋と
    前記多孔外管との間の環形筒状空間にフィルタ材を先行
    投入しながら前記鋼製ケーシングを抜き上げられて、周
    囲地盤とフィルタ材との間に前記微細織目の円筒形布袋
    の布が挟むように形成することを特徴とする集流管井ま
    たは流出管井の施工方法。
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