JP3160639B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、前側の透視窓で
保護された機内の遊技盤面内にパチンコ球を打込んでゲ
ームを行なうことができるパチンコ遊技機に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機やアレンジボール機に代表さ
れるパチンコ遊技機では、外枠の開口前面に、遊技領域
を構成した遊技盤、ガラス窓、上下の球受け皿、打球発
射装置、裏側の機構セット盤等の多くの遊技用構成部材
を設置した前枠全体が開閉および着脱可能に組付けられ
て１台単位とされている。そしてゲームホール内での実
施にあたっては、一般に「島」とも呼ばれている設置枠台
に起立状態で固定保持された外枠に前枠全体が組付けら
れて遊技に供されている。このような遊技機にあって、
遊技盤の透視保護窓とされるガラス窓については、最も
一般的な形態のものとして、前枠に形成された窓枠口の
開口周囲に合わせてビス止めセットされる金属製縦長方
形の窓枠(金枠ともいう)の内側に、前後２枚の板ガラス
を挿入セットする金属製正方形の扉枠が、その一側縁の
縦支軸を連結して横開き形態で組付けられて構成されて
いる。なお各メーカの遊技機に実施されるガラス窓は、
サイズ等に多少の差異があっても基本的には同様に構成
されており、窓枠は、扉枠と上の球受け皿を取着セット
した金属製横長方形のセット板とを開閉および着脱可能
に組付け得るサイズに成形されて、パチンコ機の組立て
製造工程で前枠に取着され、また板ガラスは、パチンコ
機の設置後に扉枠に挿入される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来のパチン
コ遊技機において、前枠に設置されるガラス窓について
は、外郭フレーム用の窓枠とガラス挿入用の扉枠とによ
る内外二重の金属製複合枠形態であるために、枠部材の
全体が重くなって複雑化する一方、扉枠に挿入セットさ
れた板ガラスが呈する透視面が好適に広くできない面が
ある。しかも双方の枠部材では、薄肉金属材を利用した
高い剛性を奏する反面、常に露呈される金属表面(メッ
キ加工面)には、印刷やシール貼付等による装飾加工が
施し難い。このため現になされている前枠表面の装飾面
と枠部材の金属表面との双方において、色彩や図柄を含
む装飾的な調和が取れない面があり、遊技機全体のグレ
ードアップを図ることが難しい。また遊技機の製造工程
におけるガラス窓の設置にあたっては、組立てライン外
の専用機(ビス締め機)において、１台毎の前枠の窓枠口
開口周面に扉枠付きの窓枠を正確に位置決めセットした
後、多数本のビス締めを行なう工程が必要となり、その
作業にかなりの手間と熟練を要し、生産性の向上が図り
難い上、ビス締め不良による組付け不具を生じ易い問題
があった。

【０００４】一方前述したガラス窓の枠部材について、
製造、取扱いの面からみた場合、枠部材である窓枠と扉
枠との個々の加工成形および両枠部材の組付けに係る作
業にかなりの複雑な手間が掛り、コスト高となって生産
性の隘路ともなっていた。その上窓枠および扉枠は互い
に組付けられた状態で一つの枠部材製品とされるが、何
分にも互いのサイズが異なる２重複合枠であることか
ら、全体的に嵩張り、多くの枠部材製品を高く安全に上
積み(重ね積み)することができず、また好適に箱詰め
(梱包)することもできない。このため現実には、枠部材
製品を定数個単位で縛ったままの状態で取扱っており、
保管にあたってはかなり広いスペースが必要となり、一
方移送(運送)にあたっては一度に多くを好適に移送、積
み降しすることができず、その取扱いに煩わしさがあっ
た。このような状況にあって、近年に至っては、装飾加
工、前枠への組付け、取扱いおよび保管等が容易とされ
るフレームレス(窓枠なし)形態のガラス窓(透視窓)が新
たに希求されつつある。

【０００５】また最近のパチンコ遊技機にあっては、樹
脂成形材を有するガラス窓として、本出願人が既に出願
した特開平６−１９８０５３号「縦型弾球遊技機」に開示
される発明以外に、(ａ) 前述と同様な金属製の窓枠に
組付けられた開閉式の扉枠の前側に、方形サイズに樹脂
成形されて中央部に円形状の窓口を開口した装飾用の前
枠板を組付けたタイプのもの、(ｂ) 前述した窓枠およ
び扉枠を省略した一例にあって、前枠の三周辺に整合す
る方形サイズに樹脂成形されて中央に円形の窓口を開口
した開閉扉体の前面に、別に樹脂成形された装飾板を組
付けセットする一方、円形に加工された２枚の板ガラス
を予じめ封入セットした円環状サイズの樹脂製のガラス
窓体を、開閉扉体の窓口に裏側から装着セットしたフレ
ームレスタイプのもの、が提案されて当該メーカで実施
されつつある。

【０００６】しかし前述した(ａ),(ｂ)何れのタイプの
ガラス窓についても、表面の装飾加工が可能でそれなり
の装飾効果を図り得るが、余りにも多くの構成部材の組
付けが必要となるため、製作に手数が掛り過ぎる上に重
く高価となり、しかも保管,取扱い,箱詰め(梱包)および
運送等が面倒である等の多くの問題が内在している。こ
のため当業者間においては、未だに有効利用に踏切れな
い面があり、軽量安価で取扱い等が楽なフレームレス形
態の好適なガラス扉が強く希求されるところでもあっ
た。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたものであって、前枠内部の遊技盤(ゲ
ーム領域)を透視保護するための透視窓を簡素化して軽
量安価にすると共に、前枠への組付け、取扱い、保管お
よび移送(運送)等を簡易にし、更には任意の装飾加工を
容易に可能にして、前枠や球受け皿等に対する色彩的な
調和ひいては遊技機全体のグレードアップを図り得るよ
うにしたパチンコ遊技機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明に係るパチンコ遊技機
は、外枠に開閉可能に組付けられた合成樹脂成形の前枠
の正面内部に遊技盤を収容セットする一方、前枠の前面
側に遊技盤を透視保護する透視窓を開閉可能に装備した
パチンコ遊技機にあって、前記前枠では、外枠の開口前
面域に整合する方形枠サイズに成形された枠体の正面内
部に前記遊技盤より適宜広い方形の窓枠口を形成すると
共に、この窓枠口の開口前面周囲に適宜広くしたセット
面域を成形する一方、軸孔が形成された支持具を枠体の
正面左上端部の前面に固定すると共に、軸受スリーブが
設けられた支持部を、枠体における窓枠口の下部に形成
した設置盤前面に設置された下の球受け皿の外郭体にお
ける正面左上端に一体成形し、前記透視窓では、前枠の
セット面域に整合する方形状サイズに成形されて合成樹
脂表面に装飾面を形成して、中央部に前記遊技盤のゲー
ム領域に適した広さの窓口を開口する開閉扉と、この開
閉扉の裏側で窓口の外接周囲の３辺部に設置されて他辺
側に開口した挿入口より板ガラスを挿入して窓口の裏側
にセット保持し得る支持枠とにより、フレームレス形態
の一つの窓枠部材に構成し、前記開閉扉における扉体の
正面左上隅部内側に成形された軸筒部に、前記支持具の
軸孔に嵌挿連結される支軸が、摘みを利用した指先操作
により連結支持位置と分離解放位置とに昇降変位可能に
縦挿支持されると共に、該扉体の正面左下隅部内側に成
形された軸筒部に、前記支持部の軸受スリーブに嵌挿連
結される支軸が、摘みを利用した指先操作により連結支
持位置と分離解放位置とに昇降変位可能に縦挿支持さ
れ、前記前枠に対して透視窓の開閉扉を、前記軸孔と支
軸および軸受スリーブと支軸とを利用して、横開きと該
横開き状態での着脱とを可能に連結支持し、前記セット
面域に収容したまま板ガラスを前記遊技盤のゲーム領域
前面に位置させた状態で閉鎖保持し得るようにしたこと
を特徴とする。

【０００９】

【作用】透視窓は、窓口を開口した開閉扉の裏側に配設
した支持枠に板ガラスを挿入することにより、該板ガラ
スを前記窓口の裏側にセット保持したフレームレス形態
の窓枠部材に構成される。前記開閉扉は、合成樹脂を材
質とした成形品であるから透視窓自体の軽量化が図られ
ると共に、その(表面)前面側に所望の装飾加工を施すこ
とにより、パチンコ遊技機全体の装飾的なグレードアッ
プも図られる。このように構成された透視窓は、前枠の
支持部と開閉扉の支持手段を利用して該前枠に対して横
開きおよび着脱が可能な状態で支持され、その閉鎖状態
において窓枠口内に公差的な隙間を置いた整合状態で前
枠の前面と同一面内に納め込まれて、遊技盤を透視保護
する。そして、この閉鎖状態にあっては、前記窓口を介
して遊技盤の前面、特に遊技領域の全面を良好に透視で
きる。

【００１０】前記支持手段は、指先操作により昇降変位
可能な支軸で構成されているので、透視窓全体を前枠に
対する全開状態の向きにした状態で、支軸を前枠の支持
部に突入させれば前枠に透視窓が連結され、支軸を支持
部から退避させれば前枠と透視窓が分離する。すなわち
透視窓については、特別な道具を必要とせずに手早く簡
単に組付け・組外しをなし得るので、パチンコ機の取扱
い上で透視窓の破損を防止するために、製造段階では前
枠に組付けず、パチンコ機がゲームホール内に設置され
た段階で、外枠に組付けられた前枠に対して支持手段を
連結して組付けることもできる。しかも透視窓は、上積
み状態や起立並列状態の何れでも無理なく保管・収容す
ることができ、一度に多数枚を好適に梱包して移送(搬
入出)、積み降しができ、その取扱いが楽になる。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に本発明に係るパチンコ遊技機
につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。なお本実施例では、前枠の窓枠
口内部にパチンコ球用の遊技盤がセットされた一般的な
パチンコ機の場合を主に示す。

【００１２】本実施例のパチンコ機は、その基本的構成
の概要として図１に略示するように、縦長方形の外枠Ａ
の開口前面側に、各種の遊技用構成部材をセットする縦
長方形の前枠Ｂが連結支持手段および施錠手段を利用し
て開閉および着脱が可能に組付けられている。そしてこ
の前枠Ｂの前面側に、遊技盤Ｃの透視保護窓である後述
のガラス窓Ｄと、上の球受け皿Ｅとが個々の連結支持手
段等を利用して共に横開き形態で開閉可能に組付け整合
される一方、前枠Ｂの下部に下の球受け皿Ｆおよび打球
発射装置Ｇ等が装着セットされ、また前枠Ｂの裏側に各
種の球径路および球処理・払出部等を備えた機構セット
盤Ｈ(図５参照)がセットされている。なお外枠Ａは、合
成樹脂成形された４本の枠部材の内、上枠杆１ａおよび
左枠杆１ｂを共通使用し(図４〜図６参照)、サイズの変
更された右枠杆１ｃ同志および下枠杆１ｄ同志を交換使
用して枠組み連結することにより、一般に「関東枠,関西
枠」と呼称区分されている２種の規格的サイズの縦長方
形枠に構成変更し得る形態のものを例示する。

【００１３】前記前枠Ｂは、遊技盤セット用の保持枠８
を合わせた全体が合成樹脂成形されたもので、基本的に
は図２,図４〜図７に示すように、外枠Ａの開口前面域
に整合する外形サイズに成形されて内側に正面縦長方形
の窓枠口３を開口した枠体２と、この枠体２の裏側に一
体成形されて窓枠口３の正面内部に臨む遊技盤用のセッ
ト口９を開口した保持枠８とが前後に連設された内外二
重枠形態とされている。そして枠体２においては、窓枠
口３の下部に下の球受け皿Ｆや打球発射装置Ｇの打球部
Ｇ₂等を設置するための設置盤４が成形されて、その中
央部に賞球用の給出口５が開口され、また窓枠口３の上
縁部および右縁部に亘り電光装飾部７を設置するための
設置部６が成形されている(図２参照)。一方保持枠８に
おいては、図２に示す如く、窓枠口３の下部内側に位置
する遊技補助盤１０が一体成形されており、この補助盤
１０の上端縁を基準にしてセット口９が開口されてい
る。そして遊技補助盤１０には、アウト路１１の他に、
賞球用の給出口１２および球回収路１３等が成形される
と共に、スピーカ１５を内蔵した球受けケース１４およ
び発射レール１６がセットされている。

【００１４】前述した前枠Ｂにおいて、枠体２の窓枠口
３は、前面側から出入れ(着脱)される遊技盤Ｃのセット
面域および出入れ口ともされ、その下部開口面域内で上
の球受け皿Ｆを開閉可能に組付けセットし得るようにな
っている。そして図２に示すように、窓枠口３の開口前
面の３周縁(上縁および左右の側縁)を凹設して、後述の
ガラス窓Ｄを整合収容し得るセット面域１７が成形され
ており、具体的には上,下の電光装飾部７の設置部６の
隣接端縁および枠体２の左側端縁に亘る面域広さに成形
された例を示す。また、前記保持枠８のセット口９の内
周４ヶ所の隅部に成形された遊技盤用の係合部１８に
は、図示しないが回動式の施錠具がセットされている
(特願平３−１５７８７５号参照)。なお前枠Ｂの細部に
至るその余の構造は、図示程度に止めてその説明は省略
する。

【００１５】前述した外枠Ａに対する前枠Ｂの組付けに
ついては、正面左側縁の上,下部に配設された開閉着脱
用の支持部としての支持手段Ｊ₁,Ｊ₂と右側縁に装着さ
れた施錠装置Ｋを利用して、左右方向の開閉および上下
方向の着脱が可能に組付けられている。すなわち、図
１,図３および図６に略示するように、上の支持手段Ｊ₁
では、外枠Ａの左上隅角部(上枠杆１ａと左枠杆１ｂの
連結部)に連結固定された支持金具１９の支軸２０と、
前枠Ｂの枠体２の左上隅角部の前面に膨出成形された軸
受ボス部２１の支孔２２が嵌挿連結される。また下の支
持手段Ｊ₂では、外枠Ａの下枠杆１ｄの左上隅角部の前
面に膨出成形された支持ボス部２３上の支軸２４と、枠
体２の左下隅角部の前面に膨出成形された軸受ボス部２
５内の軸受スリーブ２６が嵌挿連結される。なお、上下
の支持手段Ｊ₁,Ｊ₂の連結支点中心は、パチンコ機の左
側縁前面を通る同一縦中心線上に整合され、前記軸受ス
リーブ２６のフランジ部分２６ａが、両枠Ａ,Ｂ間のス
ペーサ用の位置決め座とされて、下枠杆１ｄ上面の受け
座２７と枠体２下面の支持座２８の上下重合分に整一さ
れている(図１参照)。

【００１６】また前記施錠装置Ｋについては、在来のこ
の種遊技機に一般的に使用されている「ダブル錠型式」と
同等のものが例として前枠Ｂの枠体２の右側縁内側に設
置されており、基本的には図５および図７に略示するよ
うに、共通の合鍵(図示せず)で解錠操作される錠機構部
２９と、外枠Ａに対する前枠Ｂの第１施錠機構部３０
と、前枠Ｂに対するガラス窓Ｄの第２施錠機構部３３と
を備えて、夫々の機構部３０,３３には錠機構部２９の
時計方向、反時計方向への回動操作により解錠される昇
降式の施錠杆３１,３４が組付けられている。そして、
外枠Ａに対する前枠Ｂの閉鎖整合状態において、第１施
錠機構部３０の施錠杆３１の上下の掛止片３２と、外枠
Ａの右枠杆１ｃの上下に配設された受け片３８が係合す
るようになっている。なお、ガラス窓Ｄに係る施錠装置
部分については後述する。

【００１７】前述した前枠Ｂに組付けられる前記ガラス
窓Ｄは、従来の金属製窓枠を省略した横開き形態のもの
であって、ガラス横入れ形式の第１窓と、ガラス縦入れ
形式の第２窓とが提案されると共に、双方が必要に応じ
て交換(選択)使用可能にされる。そして何れのガラス窓
Ｄについても、その基本的な構成として図１および図８
に示すように、前記セット面域１７内に公差的な寸法で
整合する方形状サイズに構成されて中央部に窓口４４を
有する開閉扉４１と、この開閉扉４１の裏側で窓口４４
の外接周囲に直角コの字状に枠組みセットされる３辺分
の支持枠５７とにより主体となる１つの窓枠部材が成形
され、この支持枠５７に方形の透明板である板ガラス６
２を挿入して、全体が１つのフレームレス形態の透視保
護窓に構成されると共に、軽量で安価な窓部材として容
易に取扱い、保管、移送ができるようになっている。そ
して第１窓および第２窓は、共に同様な支持施錠技術を
利用して、開閉および着脱が可能に組付けセットされる
ようになっている。

【００１８】そこで第１のガラス窓Ｄを主にして、その
具体的な構成を図３〜図１９を参照して説明する。まず
開閉扉４１では、その主体として外郭方形箱蓋状に樹脂
成形された扉枠４２の裏側に、補強体として方形箱蓋状
に金属成形された裏板４５がビス等で結合されて、適正
な強度を有する軽量な２重枠に構成されている。扉枠４
２は、例えばＡＢＳ樹脂,ポリカーボネート樹脂,アクリ
ル樹脂等の透明樹脂成形のものが好適とされ、このもと
で前表面の装飾については、所要の色彩や図柄(絵柄)等
を印刷した樹脂フィルム状の装飾膜４３が、熱転写加工
またはインモールド加工に基いてきれいに貼付されてい
る。この装飾施工(装飾膜４３の貼付)について、熱転写
加工例では扉枠４２の成形後に、またインモールド加工
例では扉体４２の成形時に合わせて夫々行なわれる。ま
た扉枠４２の中央部に開口された窓口４４については、
前記遊技盤Ｃのゲーム領域を一望し得る広さの略円形状
とされ、その内周囲の奥行方向に斜状(テーパー状)のリ
ブ４４ａを成形してゲーム領域全体を好適に見通し得る
ようになっている。なお窓口４４は、円形を基本例とし
てその水平辺部４４ｂの下円弧部分４４ｃを装飾省略し
た透明のままにして、ゲーム領域を透視し得るようにな
っている。

【００１９】一方前記裏板４５は、薄肉金属材により前
述の扉枠４２裏側に嵌込み整合し得る略正方形に成形さ
れて、前記窓口４４に外接する形状(図示正八角形)の透
口４６を開口したものを例示し、前記扉体４２裏側に所
要間隔をおいて取着されている。そしてこの裏板４５
は、全体的に軽量化されてその一側縁(図８中右側)に後
述する照明部４９等に接続された配線用の引出し口４７
が成形されており、また他側部(図８中左側)の上下部
に、ガラス窓Ｄの施錠部分として、前記施錠装置Ｋにお
ける第２施錠機構部３３の施錠杆３４の係合爪３５およ
び係合溝３５ａに対する施錠用の係合部である縦長の係
合口４８が形成されている。この係合口４８に対する第
２の施錠杆３４については、図５,図７,図９および図１
０に例示するように、固定支板３３Ａに対してピン３６
ａと斜状の案内長孔３６ｂそしてバネ(図示しない)を含
む昇降案内支持手段を利用して前後の変位を含む上下動
が可能に支持されて、操作レバー３４Ａを以って裏側か
らも操作できるようになっている(図５参照)。そして
上,下部の係合爪３５の下縁に、各係合口４８の下縁と
当接(係合)し得る斜状案内縁３７が形成されて、ガラス
窓Ｄの解錠時に開閉扉４１の右側縁を前向きに押出し得
るようになっている。なお開閉扉４１の施錠部について
は、図１１に例示するように、裏板４５の裏面右側縁に
対して係合ピン４０ａと係合長孔４０ｂとを利用して着
脱および移動可能に取着される１本の補強連杆３９に、
図９で示した係合口４８に整合する鉤口４０ｃを形成し
たものとしてもよい。

【００２０】そして、開閉扉４１におけるその余の構成
として、窓口４４の周囲に複数個の照明レンズ５０が一
体に膨出成形されて、その裏側に発光部品としてのラン
プ(例えばＬＥＤランプや豆球ランプ)５１を配置接続し
た基盤５２がビス着されて、ゲーム用の照明部４９が構
成されている(図１,図１２参照)。なお照明部４９につ
いては、別形態例として図１３に示すように別成形され
た所要形状の照明レンズ５０Ａを嵌着したものとしても
よく、また図１４に示すように基盤５２に接続したキセ
ノン管５３を利用して定時的にフラッシュ照明し得るよ
うにしたものでもよい。ちなみに、昇圧電圧をキセノン
管５３に定時的に出力制御する発光用の昇圧出力制御部
は、図示しないが基盤５２等に組込まれる。また扉枠４
２の右側縁に摘み５４が成形されており、これを利用し
て解錠されたガラス窓(開閉扉４１)Ｄを開放し易すくな
っている。そして、窓口４４の下部両側に覗き窓５５が
形成されて(図１,図８参照)、内部の遊技盤Ｃに貼付さ
れた証紙等を表側から目視し得るようになっている。な
お、前記照明部４９の基盤５２に接続された配線(図示
しない)は、図８中の配線用ホルダ９０を介して前記裏
板４５の引出し口４７から引出した後、前記保持枠８に
開口した挿通口５６(図５,図６参照)を通して裏側の制
御基盤(図示しない)にコネクタ接続できるようになって
いる。

【００２１】前述した開閉扉４１の裏側に枠組みセット
される前記支持枠５７は、その基本的な構成例として図
１５および図１６に示すように、裏板４５裏面に直接固
定される薄肉金属成形の補強枠５８と、弾力性のある変
形可能な軟質樹脂材(ゴム性材も可)により前後２列の挿
入溝６０を有するレール形に成形された支杆５９とをビ
ス６４ａや長孔６４ｂ等を利用して組合わせた形態とさ
れている。そしてガラス横入れ形態において、３辺分
(３本分)の支持枠５７は、透口４６裏面の外接周囲に沿
った上,下辺および右側辺の各位置に、互いに横向きコ
の字形に直角枠組み固定されて挿入溝６０同志を整一し
ており、支持枠５７が省略された辺部(図８では左側の
開口部)の開口域を板ガラス用の挿入口６１として形成
している。なお各支持枠５７の枠組みについては、２枚
の板ガラス６２を透口４６に合わせた正方形にした例に
おいて、図８に例示するように、長尺１本を右辺に同一
短尺２本を上,下辺に配設した形態とされている。そし
て支持枠５７の固定については、裏板４５に各補強枠５
８をスポット溶着またはビス着して、これに各支杆５９
を合わせてビス止めする例、各支杆５９を予じめビス止
めした補強枠５８を裏板４５に固定する例の何れも好適
に採用できる。ちなみに図８中右辺の支持枠５７では、
挿入溝６０の省略された支杆５９を使用してもよい。

【００２２】前述した支持枠５７に関連する構成とし
て、上下の支持枠５７の挿入口側の開口端に、ガラス振
止め用の保持具６３が着脱可能にセットされる。この保
持具６３は、常に用意,供給し得る付属部品であって、
図１５および図１６に例示するように、方形のベース６
３ａに２個ずつの係合片６３ｂおよび止め片６３ｃを一
体に樹脂成形した指先操作可能なクリップ形態のものが
例とされる。そして、上,下の支持枠５７における支杆
５９の開口端に成形された保持部５９Ａ内に、２個の係
合片６３ｂを弾性的に圧入して係合突部５９ａに位置決
め係合すると共に、２個の止め片６３ｃを前後の挿入溝
６０の開口端に圧入して、２枚の板ガラス６２,６２の
端縁に当接した状態でセットされて(図１６参照)、板ガ
ラス６２,６２のズレやガタ付きを好適に抑制し得るよ
うになっている。なおこの保持具６３については、１本
の連結部材すなわち図１１に例示した前記補強連杆３９
の上,下部に取着する形態も可能である。これによれ
ば、補強連杆３９の着脱により支持枠５７に対する板ガ
ラス６２の出入れが容易にでき、また補強連杆３９の移
動により保持具６３が支持枠５７に嵌挿セットし得る。

【００２３】そして、前述のように構成されたガラス窓
Ｄの前枠Ｂに対する組付けについては、互いの正面左側
縁の上,下部に配設された開閉着脱用の支持手段Ｌが利
用される。すなわち図３,図６および図１７に例示する
ように、上の支持手段Ｌでは、枠体２の左上端部(前記
上の軸受ボス部２１の直下方)の前面に固定された支持
具６５の軸孔６６と、開閉扉４１の扉体４２の左上隅部
内側に成形された軸筒部６７の支軸６８とが嵌挿連結さ
れる。また下の支持手段Ｌでは、枠体２の左側中段部前
面に位置する支持部８６の軸受スリーブ８７と、扉体４
２の左下隅部内側に成形された軸筒部６７の支軸６８と
が嵌挿連結される。これによりガラス窓Ｄが、左右への
回動(横開き)と、適宜回動位置での着脱とが可能に支持
されるようになっている。なお施錠については、図５お
よび図１０に例示するように、前記施錠装置Ｋにおける
第２の施錠杆３４の係合爪３５に、開閉扉４１(裏板４
２)の係合口４８を係脱可能に係合することにより、ガ
ラス窓Ｄがセット面域１７に収容された閉鎖状態で施錠
される。

【００２４】このようなガラス窓Ｄの組付け技術におい
て、前記支持具６５では、コの字形の例のものにあって
は、その上片６５ａの軸孔６６ａを前枠Ｂの上の軸受ボ
ス部２１の支孔２２下面に整合して、外枠Ａの支持具１
９の支軸２０を嵌挿し得る形態を例示する(図３,図６参
照)。ちなみに図３中において、支持具１９の座片１９
ａ下面と上の支軸６８の上端との間隔ｈは、支持具１９
の支軸２０と上の軸受ボス部２１の支孔２２との嵌挿量
より適宜大きく設定されて、外枠Ａに対する前枠Ｂの組
付けが許容されている。また、前記上下の支持手段Ｌの
軸筒部６７に縦挿支持された夫々の支軸６８について
は、指先操作可能な具体例として、図３および図１８に
示すように摘み６９を利用して昇降変位し得、開閉扉４
１(図６では裏板４５)の裏側上下部に形成された位置決
め部７０を利用して連結支持位置と分離解放位置とに保
持できる形態、図１８に示すように軸筒部６７内に嵌着
されるねじ筒７１に対してねじ軸部６８ａおよび摘み６
９を利用して昇降変位し得る形態、そして図１９に例示
するようにばね７２および摘み６９を利用して昇降変位
し得る形態等が好適に採用できる。そして前記左中段の
支持部８６は、後述する下の球受け皿Ｆの外郭体８３の
左上端に成形された例を示す(図１,図１７参照)。

【００２５】前述のように構成された第１のガラス窓Ｄ
では、その開閉支点つまり外郭開閉体である開閉扉４１
に係る上,下の支持手段Ｌの支軸６８が、前記セット面
域１７の左側縁の外側上下に位置して、外枠Ａに対する
前枠Ｂの開閉連結支点と同一縦中心線上に整一され、前
枠Ｂと同様な横開き可能に組付けられている。このもと
で、前枠Ｂのセット面域１７内に整合収容された閉鎖状
態で施錠保持される一方、前枠Ｂに対して９０度以上に
開放して、窓枠口３を幅方向に全開して正面内部の保持
枠８並びに遊技盤Ｃを全面的に露呈し得るようになって
いる。なお、このようにガラス窓Ｄが前枠Ｂから開放し
た状態では、具体的に図示はしないが、棒状部材や鈎状
部材等を利用して該ガラス窓Ｄを開放状態に係止保持す
るようになっており、不意の閉鎖を防止し得るようにな
っている。そしてこのガラス窓Ｄの着脱については、開
閉扉４１の適宜開放位置状態(図６および図７参照)にあ
って、上,下の支軸６８を指先で昇降変位するだけの単
純な操作により手早く楽に行ない得る。また板ガラス６
２の挿入については、開閉扉４１を適宜開放保持したも
とで、右縁裏側の挿入口６１から手早く楽に横入れし
得、そして３辺の支持枠５７における挿入溝６０に亘っ
てセットし得る。ちなみに前列の板ガラス６２は、窓口
４４の裏側開口端縁に当接または近接状態で整合保持さ
れる。

【００２６】次に、第２のガラス窓Ｄについて説明す
る。このガラス窓Ｄでは、ガラスの縦入れ形態であるも
のの、基本的には前述した第１のガラス窓Ｄの場合と同
様に、前枠Ｂのセット面域１７に合わせて組付けられる
開閉扉４１に支持枠５７を枠組みセットして構成されて
いる。そこで第２のガラス窓Ｄについては、第１のガラ
ス窓Ｄの開閉扉４１および支持枠５７の基本構成をその
まま共通使用する前提にあって、双方４１,５７の説明
を援用し、縦入れ用の支持枠５７および関連部分の具体
的な構成を図２０〜図２３を参照して説明する。すなわ
ち、開閉扉４１の窓口４４裏側に合わせて枠組みセット
される支持枠５７では、ガラス縦入れ形態において、裏
板４５の透口４６裏面の外接周囲に沿った下辺および左
右辺の位置に、３辺分(３本分)が互いに縦向きコの字形
に直角枠組み固定されて挿入溝６０同志を整一してお
り、左右の支持枠５７が省略された辺部(図２０では上
側の開口辺部)の開口域を板ガラス用の挿入口６１とし
て形成している。そして、この形態にあって３本の支持
枠５７は、２枚の板ガラス６２が正方形であることの前
提において、前記第１のガラス窓Ｄで使用した長・短３
本の支持枠５７をそのまま利用でき、これらを縦入れ用
に変向して枠組みセットし得るようになっている。

【００２７】なお、ガラス縦入れ形態であるこの第２ガ
ラス窓Ｄにおけるその余の構成として、左右の支持枠５
７の挿入口側の開口端、具体的には夫々の支杆５９の開
口端に成形されている保持部５９Ａに、前述した図１５
および図１６に例示する保持具６３を着脱可能にセット
して、板ガラス６２の上下方向の変動を抑止するように
してもよい。また開閉扉４１裏側の施錠部として、図２
０中左辺の支持枠５７の補強枠５８上,下部に前例の係
合口４８に代えて鉤形の係合片７３を配設して、前記施
錠装置Ｋにおける第２施錠杆３４の係合爪３５を係脱で
きるようにしてもよい(図２３参照)。

【００２８】従って前述のように構成された第２のガラ
ス窓Ｄにおいても、前例の第１のガラス窓Ｄと同様な開
閉支点で組付けられて、保持枠８並びに遊技盤Ｃを全面
的に露呈し得、そして開閉扉４１の上,下の支持手段Ｌ
の各支軸６８を昇降変位するだけで手早く楽に着脱し得
る。また板ガラス６２の挿入については、開放(横開き)
された開閉扉４１の上縁裏側の挿入口６１から手早く楽
に縦入れし得、３辺の支持枠５７の挿入溝６０に亘って
セットし得る。そして双方のガラス窓Ｄにあっては、互
いの交換使用可能とすべく開閉扉４１同志を共通の構成
・サイズとした前提において、窓口４４および透口４６
に適した正方形の２枚の板ガラス６２を使用する場合に
は、互いの支持枠５７を同一コの字外郭サイズに枠組み
することにより、横入れ用横向きコの字枠と、縦入れ用
縦向きコの字枠とに使用変更可能となり、支持枠５７を
含めてガラス窓の構成の共通化を図ることができる。ま
た何れのガラス窓Ｄにあっても、開閉扉４１の前面下部
の突起７４または前列の板ガラス６２の前面下部のスペ
ース７５を夫々利用して、遊技ホール内で営業サービス
用に利用される案内表記プレート７６(図４参照)をセッ
ト可能とされ、また２列の板ガラス６２に代えて２枚の
ガラス板を外郭レール枠に封入セットした２層ガラス
(図示しない)を、支持枠５７に挿入セットすることも可
能とされている。

【００２９】一方前記上の球受け皿Ｅは、図１に示すよ
うに、ガラス窓Ｄを組付けた前枠Ｂの窓枠口３の下方面
域に開閉および着脱が可能に組付けられている。この球
受け皿Ｅは、それ自体が合成樹脂成形された複数の構成
部材を組付けてユニット化されて、その裏側に薄肉金属
製で横長方形のセット板８２(図４参照)が取着されてお
り、そして皿本体８１の左側部が横開き用の連結支持手
段により回動および着脱可能に支持され、またセット板
８２の右側裏面に取着された掛け具(図示しない)が、窓
枠口３の右下内側に設置された施錠具８３(図２参照)に
係脱可能に係合できるようになっている。なお球受け皿
Ｅは、図示のように正面が横長矩形を、平面が両端斜状
の台形を呈する外郭形状とされて、前記賞球用の給出口
１２や球回収路１３に対する連絡部の他に、球受け部、
球送り部、球抜き部等が成形され、またセット板８２
は、その折返し上端縁８２ａがガラス窓Ｄの下端縁、つ
まり開閉扉４１の扉枠４２の下縁内側と噛合状態で水平
に整合して、外部から内部への異物(針金等)の侵入を防
止し得るようになっている(図４参照)。また連結支持手
段については、図１および図２に示すように、枠体２の
設置盤４の左前面に固定された支持具７７の支軸７８
と、開閉板である前記セット板８２の左前面に固定され
た掛止筒具７９とが、嵌挿連結された形態例を示す。

【００３０】これに対して前記下の球受け皿Ｆは、前枠
Ｂの枠体２の設置盤４前面に合わせて設置されている。
この球受け皿Ｆは、前述の上球受け皿Ｅの載置台を兼用
するタイプとして図１に示すように、上,下面を水平状
にして枠体２と同幅にした平面台形状の外郭体に、複数
の構成部材を組付けてユニット化されており、外郭体８
３の下面を枠体２の下端縁より少し高くし、外郭体８３
の上面を窓枠口３の下縁より適宜高くした位置に合わせ
て固定されている。そして、外郭体８３の内側に賞球用
の受け皿８４および前記機構セット盤Ｈの賞球排出路側
に連通される給出口８５等が成形されており、また外郭
体８３の左側上端に前記ガラス窓Ｄに係る下の支持手段
Ｌの支持部８６が一体に成形されている(図１参照)。な
お外郭体８３の右側斜部に前記打球発射装置Ｇの操作ハ
ンドル部Ｇ₁がセットされ、また外郭体８３の左部上面
に前記上球受け皿Ｅに係る支持具７７の支軸７８が垂立
に突出されている。

【００３１】

【実施例の作用】前述のように構成された本実施例のパ
チンコ機では、外枠Ａに対する前枠Ｂに、前述したガラ
ス窓Ｄ、上下の球受け皿Ｅ,Ｆ、打球発射装置Ｇ、遊技
盤Ｃ、機構セット盤Ｈおよび各種の付属部品等の遊技用
構成部材がセットされて１台単位に構成される。そして
ゲームホール内の設置枠台に所定の傾き起立姿勢で設置
された外枠Ａに、前述の前枠Ｂ全体が組付けられること
により、在来のパチンコ機と同様な縦型弾球遊技機とし
て遊技に供し得る。このもとで、操作ハンドル部Ｇ₁を
利用した通常の打球発射操作を行なうことにより、上の
球受け皿Ｅ内の遊技球を１球ずつ発射レール１６に送込
むと共に、打球杆Ｇ₂で打出して遊技盤Ｃ内でパチンコ
ゲームを展開することができる。

【００３２】そこでこのようなパチンコ機にあって、前
枠Ｂに対するガラス窓Ｄの組付け並びに実施態様等につ
いて説明する。すなわち第１,第２のガラス窓Ｄは、互
いにガラス挿入形態に差異があっても、専用工具等を一
切不要とした同様(共通)な組付け態様として、開閉扉４
１を図６および図７に示すような前枠Ｂに対する適宜開
放状態の向きにして、その左側縁の上下の支持手段Ｌを
夫々整合する。そして指先操作に基いて、下の支持手段
Ｌにおける支軸６８を分離解放位置から連結支持位置に
変位操作して、前枠Ｂの支持部８６の軸受スリーブ８７
に嵌挿する。また上の支持手段Ｌにおける支軸６８を下
方の分離解放位置から上方の連結支持位置に変位操作し
て、前枠Ｂの支持具６５の軸孔６６に嵌挿する。これに
より開閉扉４１が、その開閉連結支点を外枠Ａおよび前
枠Ｂの開閉連結支点と同一縦中心線上に整一したもと
で、横開き可能に組付け支持される。そして、ガラス窓
Ｄ全体を前枠Ｂに対して９０度以上に開放することがで
き、窓枠口３の幅方向を全開して遊技盤Ｃを全面的に露
出させて、その点検,修理,交換作業を手早く楽に行ない
得る。

【００３３】但し、開閉扉４１の組付けに係る上,下の
支持手段Ｌにおける支軸について、図１８に例示したね
じ式の支軸６８が利用される場合には、摘み６９を利用
して連結支持位置に変位操作し、支持具６５の軸孔６６
と支持部８６の軸受スリーブ８７に夫々嵌挿する。また
図１９に例示したばね式の支軸６８が利用される場合に
は、摘み６９を利用して一旦分離解放位置に保持したも
とで、支持具６５と支持部８６に夫々合わせ、そして摘
み６９を離すことによりばね７２を利用して支軸６８が
軸孔６６と軸受スリーブ８７に各々嵌挿する。なお前述
した何れの組付け態様にあっても、専用工具を一切不要
とした指先操作において、上,下の支持手段Ｌにおける
夫々の支軸６８,６８を分離解放位置に変位操作するこ
とにより、支持具６５,支持部８６との嵌挿連結を簡単
に解除して、開閉扉４１を手早く楽に組外すことができ
る。

【００３４】そうして、前述のように前枠Ｂに組付けら
れたガラス窓Ｄを適宜開放状態に保持したもとで、第１
窓Ｄの場合では、開閉扉４１の右辺裏側に位置する挿入
口６１から、また第２窓Ｄの場合では、開閉扉４１の上
辺裏側に位置する挿入口６１から、夫々２枚の板ガラス
６２を挿入して支持枠５７の挿入溝６０に亘りセット保
持し得、前列の板ガラス６２を窓口４４の開口裏面に当
接または近接して整合し得る。なお第１ガラス窓Ｄにあ
っては、ガラスセット後の保安上において、図に例示す
る保持具６３を、上,下の支持枠５７の開口端側に嵌挿
セットしておくことが望まれる。また、図１１に例示す
る別形態の保持具６３が利用される場合では、裏板４５
裏面の補強連杆３９を予じめ取外して板ガラス６２を挿
入口６１から挿入セットした後に、補強連杆３９を取着
すると共に保持具６３を嵌挿セットする態様とされる。
一方第２のガラス窓Ｄにあっては、保持具６３を必要に
応じて使用すればよい。

【００３５】また前述のガラス窓Ｄは、第１窓,第２窓
の何れの場合にあっても、前枠Ｂ側へ押込むことによ
り、図４および図５に示すように、開閉扉４１がセット
面域１７内に整合して収容されると共に、支持枠５７お
よび板ガラス６２が窓枠口３内に収容されて、後列の板
ガラス６２が遊技盤Ｃの前面側に位置する。このもとで
図５および図１０に示すように、施錠装置Ｋにおける第
２の施錠杆３４の各係合爪３５が、裏板４５の各係合口
４８に相対的に突入し、係錠保持する。この係錠状態に
ついては、図１０(ａ),(ｂ),(ｃ)から理解できるよう
に、各係合口４８の上縁が当該係合爪３５の斜縁に当接
した以降から第２の施錠杆３４を一旦押下げて同係合爪
３５を乗り越え、施錠杆３４の上昇復帰時に係合溝３５
ａに係合する。一方ガラス窓Ｄの解錠にあたっては、合
鍵を挿入操作して前記第２の施錠杆３４を一旦押下げる
ことにより、各々の係合爪３５と係合口４８との係合が
解除される。この解錠態様については、図１０から理解
できるように、施錠杆３４がピン３６ａと案内長孔３６
ｂを利用して斜状に下降後退する過程において、係合爪
３５が係合口４８から離脱(解錠)した以降に、係合爪３
５の斜状案内縁３７が係合口４８の下縁と当接して、開
閉扉４１に内側(裏側)から前向きに押圧力を作用する。
これにより、セット面域１７に収容セットされていたガ
ラス窓Ｄ全体が少し押開かれることになるので、右側縁
の摘み５４を利用して楽に開放することができる。な
お、解錠操作を終えて第２の施錠杆３４が元位置に上昇
復帰された場合、各々の係合爪３５の斜縁が押開かれた
ガラス窓Ｄの係合口４８の上縁に係接して更にガラス窓
Ｄを押開くことになり、再係合(再施錠)されることが回
避される。

【００３６】前述したように本実施例のパチンコ機で
は、何れのガラス窓Ｄについても、夫々の支持手段Ｌを
所定の位置、条件に合わせて指先操作で連結するだけで
前枠Ｂに組付け得るので、パチンコ機の製造ライン部以
外の別部所においても、特別な道具を必要とせずに手早
く簡単に組付け、組外すことができる。従ってガラス窓
Ｄについては、パチンコ機の取扱い上で破損を防止する
ために、製造段階では前枠Ｂに組付けず、パチンコ機が
ゲームホール内に設置された段階で、外枠Ａに組付けら
れた前枠Ｂに対して前述の支持手段Ｌを連結して組付け
ることもできる。言換えると本実施例のパチンコ機で
は、前枠Ｂに搭載される各種の遊技用構成部材のうち、
ガラス窓Ｄ(板ガラス６２を含む)を、組付け前の別扱い
として移送、保管し、パチンコ機の実施の必要適切な時
期に後付けすることもできる。しかもこのガラス窓Ｄに
あっては、支持枠５７を設置した開閉扉４１と板ガラス
６２(２層ガラスを含む)とを分離して別扱いで移送、保
管し得ることにより、製造段階で前枠Ｂに開閉扉４１の
みを組付け、パチンコ機がゲームホール内に設置された
段階で、前枠Ｂに組付けられた開閉扉４１の支持枠５７
に板ガラス６２を挿入セットすることもできる。

【００３７】また、本実施例のパチンコ機に実施される
ガラス窓Ｄについては、フレームレス(窓枠なし)形態に
あって、開閉扉４１を前枠Ｂのセット面域１７に整合す
る大型サイズに成形し得るので、遊技盤Ｃの透視用窓口
４４(透視面域)を大きく確保することができる。しかも
合成樹脂成形した扉枠４２の表面には、装飾膜４３の貼
付(転写)等により所望の装飾加工を簡単にきれいに施す
ことができるので、前枠Ｂや遊技盤Ｃとの色彩や図柄等
を含む装飾的な調和をとって遊技機全体のグレードアッ
プを図ることができる。そしてガラス窓Ｄの実体的な構
成として、一定の外郭形状・サイズに成形された開閉扉
４１の裏側に３辺分の支持枠５７を枠組み設置したフレ
ームレス形態の１つの窓枠部材として軽量化し得ると共
に、施錠部分として鉤片に代えて係合口４８を形成して
嵩張らない形態としたので、この窓枠部材(開閉扉４１)
と支持枠５７を、並列・積重ね状態等で箱詰め(梱包)し
て一度に多くを容易に移送、積み降しできると共に、小
さなスペース内に無理なく保管、収容することができ、
また１点ずつまたは複数点ずつを楽に取扱うことができ
る。

【００３８】そして本実施例のパチンコ機では、前枠Ｂ
に組付けられる第１,第２のガラス窓Ｄの何れについて
も、開閉扉４１を前枠Ｂのセット面域１７に収容して扉
枠４２の下縁を上球受け皿Ｅのセット板８２の折返し上
縁８２ａと噛合した状態で閉鎖セットし得るので(図４,
図５参照)、前枠Ｂとガラス窓Ｄとの間隙を公差的な微
小範囲に留めて、異物(例えば針金や薄板等)を遊技盤Ｃ
のゲーム領域内に侵入させる不正行為を積極的に阻止し
得る。このもとで、夫々のガラス窓(図では第１のガラ
ス窓の場合を例示する)Ｄの解錠時において、前述した
ガラス窓用の施錠部分３４,４８による解錠押出し作用
により、開閉扉４１を解錠と同期的に前方へ押出し得る
ことにより(図９,図１０(ａ)(ｂ)(ｃ)参照)、セット面
域１７に収容セットされているガラス窓Ｄを楽に開放す
ることができる(図５,図７参照)。これによって開閉扉
４１の右側縁前面に取っ手や摘み等の突出物を設けるこ
との構造を省略して、開閉扉４１の嵩張りをなくし得
る。

【００３９】

【変更例】本発明の対象とするパチンコ遊技機では、前
述したパチンコ機の他に、アレンジボール機(パチンコ
球使用式の図柄組合わせ遊技機)も含み、前枠Ｂに組付
けられるガラス窓Ｄについて、前述した第１窓および第
２窓の何れの形態も好適に実施し得、また交換使用でき
る。そして夫々のガラス窓Ｄについては、次の(ａ)〜
(ｃ)に示したタイプ等も好適に推奨される。 (ａ) 図２４に略示するように、多角形の窓口４４を開
口した樹脂成形の扉枠４２と同形の透口４６を開口した
薄肉金属成形または樹脂成形の裏板４５とを組合わせて
開閉扉４１を構成したタイプ。 (ｂ) 図２５に略示するように、所要開口形状の透口４
６に沿った所要３辺分に板ガラス用の支持枠における補
強枠５８を一体に折曲形成して、開口辺部に挿入口６１
を形成した薄肉金属成形の裏板４５を、横入れ用,縦入
れ用に区分使用できるようにしたタイプ。但しこの双方
の裏板４５にあっては、図２６に例示するように、各辺
の補強枠５８に樹脂成形されたレール状の支杆５９を組
合わせて支持枠５７を構成し得、またこのような裏板４
５自体を樹脂成形とする場合には、前記３辺分の補強枠
５８に相応する部分を支杆５９として一体成形して実質
的な支持枠とし得る。この際裏板４５を、例えば２分割
形態にして支持枠兼用のものとしてもよい。 (ｃ) パチンコ遊技機の別形態例として、図２７および
図２８に示すように、前枠Ｂのセット面域１７が枠体２
の右側端から窓枠口３の左側外縁に亘り成形された場合
において、これに適合するガラス窓Ｄとして、開閉扉４
１をセット面域１７に整合し得る外郭形状・サイズに成
形したもとで、セット面域１７の左側外縁の上,下に配
置した支持具６５と、扉枠４２上下の支持手段(図１８,
図１９に夫々例示した支軸６８,６８を図示する)とを利
用して組付けると共に、開閉扉４１の正面右側縁部をセ
ット面域１７の右側部、つまり枠体２の右側縁前面に整
合するようにしたタイプ。但し図２７および図２８で
は、ガラス横入れ形態を例示する。

【００４０】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るパチン
コ遊技機によれば、前枠およびガラス窓(透視窓)の開閉
扉を合成樹脂成形製とすると共に、前枠の窓枠口にガラ
ス窓を直接的に開閉可能に組付けるよう構成したので、
該ガラス窓の構成の簡略化および軽量化を図ることがで
きる。そしてガラス窓は、前枠のセット面域に整合する
方形状サイズに成形されるので、該前枠に閉鎖した状態
においては針金等の異物の侵入を防止し得ると共に、該
前枠から開放した状態では、窓枠口全面を開放して遊技
盤の脱着を容易に行ない得る利点がある。また、開閉扉
の裏側に組付けた支持枠の挿入口から板ガラスを挿入し
得るから、ガラス窓が前枠に取付けられた状態にあって
も、該板ガラスの容易な組付け・組外しが可能である。
更に、ガラス窓の開閉扉を合成樹脂成形製としたことに
より、遊技領域を透視する窓口の周囲前面に熱転写加工
等による美しい装飾加工を容易に施すことにより、前枠
や球受け皿等に対する色彩的な調和を図り得ると共にパ
チンコ遊技機全体のグレードアップが可能となる等の効
果を奏する。

【００４１】そしてガラス窓は、指先操作が可能な支軸
を所定の位置,条件で連結するだけで前枠に簡単に組付
け得るので、パチンコ機の製造ライン部以外の別部所に
おいても、特別な道具を必要とせずに手早く簡単に組付
け,組外すことができる。すなわちガラス窓は、パチン
コ機の取扱い上で破損を防止するために、製造段階では
前枠に組付けず、パチンコ機がゲームホール内に設置さ
れた段階で、外枠に組付けられた前枠に対して支軸を利
用して組付けが可能となる利点がある。またガラス窓
は、外郭形状・サイズが一定な実体サイズとされて嵩張
らないために、上積み状態や起立並列状態の何れでも無
理なく保管・収容することができると共に、一度に多数
枚を好適に梱包して移送(搬入出)、積み降しができ、そ
の取扱いが楽になる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るパチンコ機を略示する正
面図である。

【図２】前枠および保持枠を略示する正面図である。

【図３】外枠と前枠および透視窓(ガラス窓)の連結支持
部分を一部破断して示す正面図である。

【図４】図１中のＩＶ−ＩＶ線に基く側断面図である。

【図５】図１中のＶ−Ｖ線に基く平断面図である。

【図６】前枠に対する透視窓（第１ガラス窓）の組付け
開放状態を示す側断面図である。

【図７】前枠に対する透視窓（第１ガラス窓）の組付け
開放状態を示す平断面図である。

【図８】透視窓(第１ガラス窓)の概要を分解して略示す
る背面図である。

【図９】開閉扉の施錠部分を分解して略示する斜視図で
ある。

【図１０】開閉扉の施錠,解錠状態を略示する側断面図
である。

【図１１】開閉扉の施錠部分の別例を略示する斜視図で
ある。

【図１２】透視窓の照明部を略示する平断面図である。

【図１３】透視窓の照明部の別形態を略示する平断面図
である。

【図１４】透視窓の照明部の更に別形態を略示する平断
面図である。

【図１５】透視窓におけるガラス用の支持枠を主に示す
斜視図である。

【図１６】透視窓における板ガラスの挿入セットおよび
振れ止め状態を示す平断面図である。

【図１７】透視窓の連結支持部分を示す斜視図である。

【図１８】透視窓の支持手段(支軸)を示す斜視図であ
る。

【図１９】透視窓の支持手段(支軸)を示す斜視図であ
る。

【図２０】透視窓(第２ガラス窓)の縦入れ用の裏板およ
び支持枠を略示する背面図である。

【図２１】縦入れ用の支持枠の枠組み状態を示す斜視図
である。

【図２２】透視窓(第２ガラス窓)の実施態様を示す側断
面図である。

【図２３】透視窓(第２ガラス窓)の実施態様を示す平断
面図である。

【図２４】透視窓(第１,第２ガラス窓共通)の別例とし
ての概要を略示する背面図である。

【図２５】裏板および支持枠の別例としての概要を略示
する背面図である。

【図２６】ガラス用の支持枠の別例を略示する断面図で
ある。

【図２７】別形態例のパチンコ遊技機における外枠と前
枠および透視窓(ガラス窓)の連結支持部分を一部破断し
て示す正面図である。

【図２８】別形態例のパチンコ遊技機を透視窓部分で破
断した状態で示す平断面図である。

【符号の説明】

２ 枠体 ３ 窓枠口 １７ セット面域 ４１ 開閉扉 ４３ 装飾膜(装飾面) ４４ 窓口 ５７ 支持枠 ６１ 挿入口 ６２ 板ガラス６５ 支持具 ６８ 支軸８６ 支持部 Ａ 外枠 Ｂ 前枠 Ｃ 遊技盤 Ｄ ガラス窓(透視窓) Ｌ 支持手段

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−198056（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−38719（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−144056（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63F 7/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外枠(A)に開閉可能に組付けられた合成
   樹脂成形の前枠(B)の正面内部に遊技盤(C)を収容セット
   する一方、前枠(B)の前面側に遊技盤(C)を透視保護する
   透視窓(D)を開閉可能に装備したパチンコ遊技機にあっ
   て、 前記前枠(B)では、外枠(A)の開口前面域に整合する方形
   枠サイズに成形された枠体(2)の正面内部に前記遊技盤
   (C)より適宜広い方形の窓枠口(3)を形成すると共に、こ
   の窓枠口(3)の開口前面周囲に適宜広くしたセット面域
   (17)を成形する一方、軸孔(66)が形成された支持具(65)
   を枠体(2)の正面左上端部の前面に固定すると共に、軸
   受スリーブ(87)が設けられた支持部(86)を、枠体(2)に
   おける窓枠口(3)の下部に形成した設置盤(4)前面に設置
   された下の球受け皿(F)の外郭体(83)における正面左上
   端に一体成形し、 前記透視窓(D)では、前枠(B)のセット面域(17)に整合す
   る方形状サイズに成形されて合成樹脂表面に装飾面(43)
   を形成して、中央部に前記遊技盤(C)のゲーム領域に適
   した広さの窓口(44)を開口する開閉扉(41)と、この開閉
   扉(41)の裏側で窓口(44)の外接周囲の３辺部に設置され
   て他辺側に開口した挿入口(61)より板ガラス(62)を挿入
   して窓口(44)の裏側にセット保持し得る支持枠(57)とに
   より、フレームレス形態の一つの窓枠部材に構成し、前記開閉扉(41)における扉体(42)の正面左上隅部内側に
   成形された軸筒部(67)に、前記支持具(65)の軸孔(66)に
   嵌挿連結される支軸(68)が、摘み(69)を利用した指先操
   作により連結支持位置と分離解放位置とに昇降変位可能
   に縦挿支持されると共に、該扉体(42)の正面左下隅部内
   側に成形された軸筒部(67)に、前記支持部(86)の軸受ス
   リーブ(87)に嵌挿連結される支軸(68)が、摘み(69)を利
   用した指先操作により連結支持位置と分離解放位置とに
   昇降変位可能に縦挿支持され、 前記前枠(B)に対して透視窓(D)の開閉扉(41)を、前記軸
   孔(66)と支軸(68)および軸受スリーブ(87)と支軸(68)と
   を利用して、横開きと該横開き状態での着脱とを可能に
   連結支持し、前記セット面域(17)に収容したまま板ガラ
   ス(62)を前記遊技盤(C)のゲーム領域前面に位置させた
   状態で閉鎖保持し得るようにしたことを特徴とするパチ
   ンコ遊技機。